(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
衛星からの無線信号を用いた測位を行うための衛星測位手段と、気圧を検出するための気圧検出手段と、特定位置にあるインフラ装置との間の無線通信を行うための路車間通信手段と、自車と相手車両との間の無線通信を行うための車車間通信手段と、これらの各手段を制御する制御手段と、を備えた車載用の位置検出装置であって、
前記制御手段は、
前記衛星測位手段を用いて入手した測位情報と、前記気圧検出手段を用いて入手した気圧情報と、前記路車間通信手段を用いて入手した路車間情報と、前記車車間通信手段を用いて入手した車車間情報と、に基づいて自車の高度を算出し、
前記測位情報に対するアキュラシが所定値以上である場合には、前記測位情報に基づく高度HT1を基準高度HT0として前記制御手段内の記憶部に記憶するとともに、前記気圧検出手段を用いて入手した気圧情報AP1を基準気圧AP0として前記記憶部に記憶し、
前記路車間情報に異常があるか否かを判断し、前記路車情報に異常がないと判断した場合には、前記路車情報が含む前記特定位置における高度HT3を前記基準高度HT0として前記記憶部に記憶し、前記路車情報が含む前記特定位置における気圧AP3を前記基準気圧AP0として前記記憶部に記憶し、
前記車車間通信手段により車車間情報を入手したときにおいて、前記車車間情報に含まれる測位情報の方が、自車が有する前記測位情報よりも信頼性が高いと判断した場合には、前記車車間情報が含む高度HT2および気圧AP2を、それぞれ前記基準高度HT0および前記基準気圧AP0として前記記憶部に記憶することを特徴とする位置検出装置。
前記車車間情報は、前記測位情報の信頼性情報を含み、前記信頼性情報は、前記特定位置を通過してからの移動距離と、前記特定位置を通過してからの経過時間と、のうちの少なくとも一方に関する情報を含む、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の位置検出装置。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載された位置検出装置における車両位置の特定方法として、GNSS(Global Navigation Satellite System:全地球型測位システム)等の衛星測位手段を用いることが普及している。また、近年、高架道路付近や立体駐車場内等を走行する場合など、自車の位置を特定するために高度を判断する必要があるポイントを走行する際に、自車の高度の検出精度が重要になってくる。そして、衛星測位手段等で求めた自車の高度に、各種情報を用いて補正を加える方法が検討されている。高度の補正方法としては、気圧センサを用いる方法や、ETCゲート等のインフラ装置との間の路車間通信を用いる方法等が用いられている。
【0003】
下記の特許文献1に記載のナビゲーション装置900には、自車の高度を判断する必要があるポイントを走行する際に、衛星測位手段によって得られた測位情報に対して、路車間通信によって得られるインフラ装置における高度及び気圧に関する情報と、自車の位置の気圧を検出し、この検出した気圧情報と、によって自車の高度を補正する方法が開示されている。以下に、
図6を用いて、ナビゲーション装置900について説明する。
【0004】
ナビゲーション装置900は、
図6に示すように、車両の現在位置を検出する位置検出装置と、車両の高度を検出する高度検出装置と、ディスプレイ装置と、昇降検知手段と、現在位置確定手段と、現在地表示手段と、を備え、大気圧センサを用いて気圧を検知し、大気圧センサからの出力電圧と所定の基準電圧とを比較することで、自車位置の候補が存在する地点の地図データにある道路の勾配と比較して、合致する勾配を持つ自車位置候補の信頼度を修正する。
【0005】
このような構成によって、精度の高い高度変化の情報を取得し、取得した高度変化の情報をもとに自車が走行している道路を特定し、自車位置を正確に表示する位置検出装置を提供することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、ナビゲーション装置900のような位置検出装置の場合、ETCゲート等のインフラ装置との間の路車間通信によって得られる路車間情報を用いて高度に対する補正精度を高めることができるが、基準位置となるインフラ装置の近辺を高い頻度で通過しない限り、インフラ装置からの移動距離や経過時間などによって補正精度が低下する可能性があった。従って、自車の高度を高頻度で補正することができず、高度に対する検出精度が得られないという問題が有った。
【0008】
本発明はこのような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、高頻度で自車の高度の補正を行うことができ、自車の高度に対する検出精度を高めることができる位置検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明の位置検出装置は、衛星からの無線信号を用いた測位を行うための衛星測位手段と、気圧を検出するための気圧検出手段と、特定位置にあるインフラ装置との間の無線通信を行うための路車間通信手段と、自車と相手車両との間の無線通信を行うための車車間通信手段と、これらの各手段を制御する制御手段と、を備えた車載用の位置検出装置であって、前記制御手段は、前記衛星測位手段を用いて入手した測位情報と、前記気圧検出手段を用いて入手した気圧情報と、前記路車間通信手段を用いて入手した路車間情報と、前記車車間通信手段を用いて入手した車車間情報と、に基づいて自車の高度を算出する、という特徴を有する。
【0010】
このように構成された位置検出装置は、測位情報と気圧情報と路車間情報とに加えて、車車間情報に基づいて自車の高度を算出するので、高頻度で高度の補正を行うことができる。その結果、自車の高度に対する検出精度を高めることができる。
【0011】
また、上記の構成において、前記路車間情報は、前記特定位置における高度と気圧とに関する情報を含み、前記車車間情報は、前記相手車両の高度と気圧とに関する情報を含む、という特徴を有する。
【0012】
このように構成された位置検出装置は、特定位置における高度及び気圧に基づいて、高い精度で自車の高度の補正を行うと共に、相手車両の高度及び気圧に基づいて、高い頻度で自車の高度の補正を行うことができ、高度の補正が容易である。
【0013】
また、上記の構成において、前記制御手段は、入手した前記車車間情報の信頼性に関する所定の信頼性情報に基づいて、前記車車間情報の使用可否を判断する、という特徴を有する。
【0014】
このように構成された位置検出装置は、入手した車車間情報の信頼性に関する所定の信頼性情報に基づいて、車車間情報の使用可否を判断するので、車車間情報の信頼性が低い場合があっても、自車の高度の補正に対する信頼性の低下を抑制し易い。
【0015】
また、上記の構成において、前記信頼性情報は、前記特定位置を通過してからの移動距離と、前記特定位置を通過してからの経過時間と、のうちの少なくとも一方に関する情報を含む、という特徴を有する。
【0016】
このように構成された位置検出装置は、特定位置を通過してからの移動距離と、特定位置を通過してからの経過時間と、のうちの少なくとも一方に基づいて車車間情報に対する信頼性を判断することができるので、車車間情報に対する信頼性の判断が容易である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の位置検出装置は、測位情報と気圧情報と路車間情報とに加えて、車車間情報に基づいて自車の高度を算出するので、高頻度で高度の補正を行うことができる。その結果、自車の高度に対する検出精度を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[実施形態]
以下、本発明について、図面を参照しながら説明する。本発明の実施形態である位置検出装置100は、車両に搭載されて自車の位置を特定するための位置検出装置であって、検出された自車の位置は、例えば、衝突防止のための自車と相手車両との関係を検知する時などに必要となる。本発明の位置検出装置の用途については、以下説明する実施形態に限定されるものではなく適宜変更が可能である。尚、本明細書内の今後の説明において、自車又は相手車両の“位置“は、地上における水平方向の位置を意味し、自車又は相手車両の”高度“は、地上における垂直方向の高さを意味している。
【0020】
最初に、
図1乃至
図3を参照して、位置検出装置100の構成について説明する。
図1は、位置検出装置100を搭載した自車90と、GNSS(全地球型測位システム)の衛星87と、路車間通信を行うインフラ装置80と、車車間通信を行う相手車両95と、の関係を示す模式図である。また、
図2は、位置検出装置100の構成を示すブロック図であり、
図3(a)は、高架道路83付近における自車90と相手車両95との関係を示す模式図であり、
図3(b)は、立体駐車場85付近における自車90と相手車両95との関係を示す模式図である。
【0021】
位置検出装置100は、
図1に示すように、自車90内に取り付けられ、GNSSの衛星87からの無線信号を用いて、自車90の位置PS1及び高度HT1の測位を行うと共に、インフラ装置80との間で無線信号を用いた路車間通信を行なうことによって、インフラ装置80の有する情報を入手することができる。また、位置検出装置100は、相手車両95との間で無線信号を用いた車車間通信を行なうことによって、自車90の有する情報を相手車両95に伝達すると共に、相手車両95の有する情報を入手することができる。以下、路車間通信を用いて入手するインフラ装置80の有する情報のことを路車間情報RJ1とし、車車間通信を用いて相手車両95に伝達する自車90の情報のことを車車間情報CJ1とし、車車間通信を用いて相手車両95から入手する相手車両95の情報のことを車車間情報CJ2として説明を進める。
【0022】
GNSSとしては、例えばGPS(Global Positioning System)が用いられ、インフラ装置80としては、例えば高速道路のETCサービスエリアや交差点等に設けられたロードサイドユニットが考えられる。また、相手車両95内には、自車90内に取り付けられている位置検出装置100と同等の位置検出装置96が取り付けられている。
【0023】
路車間情報RJ1は、インフラ装置80が設置されている特定位置81における高度HT3と気圧AP3とに関する情報を含む。ここで、特定位置81における高度HT3及び気圧AP3は、位置検出を行なうための十分な精度を有しており、インフラ装置80の設置されている特定位置81は、位置検出のための基準位置となる。そして、高度HT3及び気圧AP3は、自車90の高度HT1及び相手車両95の高度HT2を補正する際の基準値となる。以下、自車90の高度HT1を補正する際の基準値となる高度のことを基準高度HT0とし、基準値となる気圧のことを基準気圧AP0として説明を進める。
【0024】
自車90は、自車90の位置PS1と高度HT1に関する測位情報MJ1と、自車90の気圧AP1(自車90の存在する位置における気圧)に関する気圧情報AJ1と、測位情報MJ1の信頼性に関する信頼性情報RLJ1と、を有しており、これらの情報が前述した車車間情報CJ1に含まれる。相手車両95は、相手車両95の位置PS2と高度HT2に関する測位情報MJ2と、相手車両95の気圧AP2(相手車両95の存在する位置における気圧)に関する気圧情報AJ2と、測位情報MJ2の信頼性に関する信頼性情報RLJ2と、を有しており、これらの情報が前述した車車間情報CJ2に含まれる。
【0025】
信頼性情報RLJ1は、自車90の測位情報MJ1の信頼性に関する情報である。信頼性情報RLJ1は、自車90における移動距離情報MLJと、経過時間情報PTJと、を含む。信頼性情報RLJ2は、相手車両95の測位情報MJ2の信頼性に関する情報である。信頼性情報RLJ2は、相手車両95における移動距離情報MLJと、経過時間情報PTJと、を含む。移動距離情報MLJ、経過時間情報PTJなどの詳細については、後に説明する。
【0026】
位置検出装置100は、
図1及び
図2に示すように、衛星87からの無線信号を用いた測位を行うための衛星測位手段50と、自車90の気圧AP1を検出するための気圧検出手段40と、特定位置81にあるインフラ装置80との間の無線通信を行うための路車間通信手段20と、自車90と相手車両95との間の無線通信を行うための車車間通信手段10と、を備えている。位置検出装置100は、また、インフラ装置80のある特定位置81を通過してからの移動距離を測定する移動距離測定手段60と、特定位置81を通過してからの経過時間を測定する経過時間測定手段70と、上述した各手段に接続されて、これらの各手段を制御する制御手段30と、を備えている。制御手段30は、制御部31と、制御部31に接続された記憶部33と、を含んで構成されている。
【0027】
衛星測位手段50は、GNSS受信部51と、GNSSアンテナ53と、アキュラシ計算部55と、を含んで構成されている。衛星測位手段50は、衛星87からの無線信号をGNSSアンテナ53で受信し、GNSS受信部51で自車90の位置PS1(水平方向の位置)及び高度HT1(垂直方法の位置)を算出する。即ち、測位情報MJ1を入手する。尚、相手車両95においても、内部に衛星測位手段を備え、相手車両95の位置PS2(水平方向の位置)及び高度HT2(垂直方法の位置)を算出することができる。
【0028】
尚、一般に、GNSSというシステムは、水平方向の位置については精度を出し易いが、垂直方法の位置については精度を出し難いという特徴を有している。そのため、GNSS受信部51で得られる測位情報MJ1のうち、位置PS1については精度を出し易く、高度HT1については精度を出し難くなる。
【0029】
また、GNSSには、衛星87からの受信状態によって測位精度の確からしさに関するアキュラシと呼ばれる指標が存在する。アキュラシは、自車90が受信している時の衛星87の数やその配置状態、及びマルチパスによる影響に関係する。一般に、アキュラシが低い場合には、測位情報MJ1の信頼性が低くなり、アキュラシが高い場合には、測位情報MJ1の信頼性が高くなる。アキュラシ計算部55では、このようなアキュラシに関するアキュラシ情報ACJを算出する。
【0030】
路車間通信手段20は、自車90がインフラ装置80のある特定位置81の付近を通過する際に、インフラ装置80との間で路車間通信を行い、前述した路車間情報RJ1を入手する。路車間情報RJ1には、特定位置81における高度HT3と気圧AP3とに関する情報が含まれる。尚、前述したように、高度HT3及び気圧AP3は、基準高度HT0及び基準気圧AP0として使用することができる。但し、気象条件の地域差や時間変化などにより、特定位置81の付近を通過してからの移動距離が大きくなる程、高度HT3及び気圧AP3の信頼性は低下し、特定位置81の付近を通過してからの経過時間が長くなる程、高度HT3及び気圧AP3の信頼性は低下する。
【0031】
車車間通信手段10は、位置検出装置100と同等の位置検出装置96を有した相手車両95とすれ違った時など、相手車両95に接近した際に相手車両95との間で車車間通信を行い、前述した車車間情報CJ2を入手する。車車間情報CJ2には、相手車両95の位置PS2及び高度HT2に関する測位情報MJ2と、相手車両95の気圧AP2に関する気圧情報AJ2と、測位情報MJ2の信頼性に関する信頼性情報RLJ2と、が含まれる。尚、前述したように、相手車両95の高度HT2及び気圧AP2も、基準高度HT0及び基準気圧AP0として使用することができるが、測位情報MJ2の入手環境によって、測位情報MJ2の信頼性が変化するため、高度HT2及び気圧AP2を基準高度HT0及び基準気圧AP0として常に使用できる訳ではない。
【0032】
気圧検出手段40は、内部に気圧センサ41を備え、自車90の気圧AP1を測定する。即ち、気圧情報AJ1を入手する。尚、相手車両95においても、内部に気圧センサを備え、相手車両95の気圧AP2を測定し、気圧情報AJ2を入手することができる。
【0033】
移動距離測定手段60は、自車90がインフラ装置80のある特定位置81の付近を通過してからの移動距離を算出し、移動距離情報MLJを得る。移動距離測定手段60には、ジャイロセンサ61及び加速度センサ63が含まれており、このジャイロセンサ61及び加速度センサ63によって移動距離を算出する。この移動距離の算出方法については公知であるため、その説明を省略するが、自車90の制御装置から提供された車速情報などを更に用いても構わない。尚、相手車両95においても、内部に移動距離測定手段を備え、相手車両95が特定位置81の付近を通過してからの移動距離に関する移動距離情報MLJを得ることができる。
【0034】
経過時間測定手段70は、インフラ装置80のある特定位置81の付近を通過してからの経過時間を算出し、経過時間情報PTJを得る。経過時間測定手段70には、タイマー71が含まれており、タイマー71によって経過時間を算出する。尚、相手車両95においても、内部に経過時間測定手段を備え、相手車両95が特定位置81の付近を通過してからの経過時間に関する経過時間情報PTJを得ることができる。
【0035】
制御手段30は、前述した各手段の制御を行っている。例えば、制御手段30内の制御部31は、衛星測位手段50を用いて入手した測位情報MJ1と、気圧検出手段40を用いて入手した気圧情報AJ1と、路車間通信手段20を用いて入手した路車間情報RJ1と、車車間通信手段10を用いて入手した車車間情報CJ1と、に基づいて自車90の位置PS1及び高度HT1を算出する。また、制御手段30内の制御部31は、前述した移動距離情報MLJ、経過時間情報PTJなどに基づいて、測位情報MJ1の信頼性情報RLJ1を生成する。尚、相手車両95においても、内部に制御手段を備え、測位情報MJ2の信頼性情報RLJ2を生成することができる。
【0036】
制御手段30内の記憶部33は、前述した測位情報MJ1、気圧情報AJ1、信頼性情報RLJ1などを記憶する。これらの情報は、車車間情報CJ1としても使用される。また、制御手段30内の記憶部33は、路車間通信を用いて入出した路車間情報RJ1や、車車間通信を用いて入出した車車間情報CJ2なども記憶する。前述したように、車車間情報CJ2には、測位情報MJ2、気圧情報AJ2、信頼性情報RLJ2などが含まれる。また、制御手段30内の記憶部33は、自車90の高度HT1を補正する際の基準値となる基準高度HT0及び基準気圧AP0なども記憶する。そして、制御手段30内の制御部31は、自車90の高度HT1を補正する際に、車車間情報CJ2に含まれる信頼性情報RLJ2に基づいて、高度HT1の補正への車車間情報CJ2の使用可否を判断する。車車間情報CJ2の使用可否を判断する方法としては、以下のような方法がある。
【0037】
例えば、自車90及び相手車両95が、路車間情報RJ1を用いて高度H1の補正を行っている場合、特定位置81の付近を通過してからの移動距離が大きくなる程、高度HT3及び気圧AP3の信頼性は低下していく。そのため、信頼性情報RLJ2に含まれる移動距離情報MLJに基づいて、車車間情報CJ2に含まれる測位情報MJ2の信頼性が十分か否かを判断することが出来る。即ち、特定位置81の付近を通過してからの移動距離が所定の閾値よりも小さく、測位情報MJ2の信頼性が十分に高い場合には、車車間情報CJ2を使用可能と判断することができ、特定位置81の付近を通過してからの移動距離が所定の閾値よりも大きく、測位情報MJ2の信頼性が低い場合には、車車間情報CJ2を使用不可と判断することができる。
【0038】
また、自車90及び相手車両95が、路車間情報RJ1を用いて高度H1の補正を行っている場合、特定位置81の付近を通過してからの経過時間が長くなる程、高度HT3及び気圧AP3の信頼性は低下していく。そのため、信頼性情報RLJ2に含まれる経過時間情報PTJに基づいて、車車間情報CJ2に含まれる測位情報MJ2の信頼性が十分か否かを判断することが出来る。即ち、特定位置81の付近を通過してからの経過時間が所定の閾値よりも小さく、測位情報MJ2の信頼性が十分に高い場合には、車車間情報CJ2を使用可能と判断することができ、特定位置81の付近を通過してからの経過時間が所定の閾値よりも大きく、測位情報MJ2の信頼性が低い場合には、車車間情報CJ2を使用不可と判断することができる。
【0039】
また、信頼性情報RLJ2には、相手車両95の測位情報MJ2に対するアキュラシ情報ACJが更に含まれていても構わない。そして、自車90及び相手車両95が、共に路車間情報RJ1を用いた高度H1の補正を行っていない場合、信頼性情報RLJ2に含まれるアキュラシ情報ACJに基づいて、相手車両95の測位情報MJ2の使用可否を判断しても構わない。即ち、自車90及び相手車両95が、共に路車間情報RJ1を用いた高度H1の補正を行っていない場合に、自車90の測位情報MJ1よりも相手車両95の測位情報MJ2の方が、アキュラシが高ければ、車車間情報CJ2を使用可能と判断することができ、自車90の測位情報MJ1よりも相手車両95の測位情報MJ2の方が、アキュラシが低ければ、車車間情報CJ2を使用不可と判断することができる。
【0040】
次に、
図1乃至
図5を参照して、位置検出装置100における自車90の高度HT1の算出方法、特に、算出された高度HT1の補正方法について説明する。
図4は、自車90の高度HT1の算出過程を示すフローチャートの前半部分であり、
図5は、自車90の高度HT1の算出過程を示すフローチャートの後半部分である。尚、
図4及び
図5において、フローチャートの各ステップを、ST1乃至ST15と称する。
【0041】
まず、
図4に示すように、ST1において、衛星測位手段50によって、測位情報MJ1、即ち、自車90の位置及び高度を入手する。
【0042】
次に、ST2において、気圧検出手段40によって、気圧情報AJ1、即ち、自車90の気圧を入手する。
【0043】
次に、ST3において、入手した自車90の位置、高度及び気圧を、PS1,HT1及びAP1として制御手段30内の記憶部33に入力する。これによって、記憶部33内の高度HT1の内容は、衛星測位手段50によって入手された高度になっており、気圧AP1の内容は、気圧検出手段40によって入手された気圧になっている。尚、測位情報MJ1に対するアキュラシが所定値以上である場合、このときの高度HT1及び気圧AP1が、基準高度HT0及び基準気圧AP0としても記憶部33に記憶され、衛星測位が困難な環境下などで高度H1の算出を行う際の基準値として用いられる。
【0044】
次に、ST4において、路車間通信手段20による路車間通信が行なわれたかどうかを判断する。路車間通信が行なわれていればST5に進み、路車間通信が行なわれていなければST5乃至ST7を経由せずに、ST8に進む。
【0045】
ST5では、路車間情報RJ1を入手する。路車間情報RJ1には、前述したように、インフラ装置80のある特定位置81の気圧AP3及び高度HT3が含まれている。
【0046】
次に、ST6において、ST5で入手した路車間情報RJ1の使用可否を判断する。ST6では、入手した路車間情報RJ1に異常が無ければ、路車間情報RJ1はそのまま使用され、最新の情報に更新されていく。
【0047】
前述した判断において、入手した路車間情報RJ1に異常が有ると判断した場合には、路車間情報RJ1の使用を行なわない。その場合はST7を経由せず、ST8に進む。
【0048】
また、前述した判断において、入手した路車間情報RJ1に異常が無く、路車間情報RJ1を使用可能と判断した場合には、路車間情報RJ1に基づく自車90の高度H1の補正が可能となるように基準値を更新する。この場合はST7に進む。
【0049】
ST7では、前述した記憶部33内の基準高度HT0及び基準気圧AP0の内容を、路車間情報RJ1に基づいて更新する。即ち、基準高度HT0が高度HT3となり、基準気圧AP0が気圧AP3となる。
【0050】
次に、
図5に示すように、ST8において、車車間通信手段10による車車間通信が行なわれたかどうかを判断する。車車間通信が行なわれていればST9に進み、車車間通信が行なわれていなければST9乃至ST11を経由せずに、ST12に進む。
【0051】
ST9では、車車間情報CJ2を入手する。車車間情報CJ2には、相手車両95の測位情報MJ2、相手車両95の気圧情報AJ2、測位情報MJ2の信頼性情報RLJ2が含まれている。測位情報MJ2には、相手車両95の位置PS2及び高度HT2が含まれ、気圧情報AJ2には、相手車両95の気圧AP2が含まれている。
【0052】
次に、ST10において、ST9で入手した車車間情報CJ2に含まれる信頼性情報RLJ2に基づいて車車間情報CJ2の使用可否を判断する。
【0053】
上述した判断において、車車間情報CJ2に含まれる測位情報MJ2の方が、自車90が有する測位情報MJ1よりも信頼性が低く、車車間情報CJ2を使用できないと判断した場合には、車車間情報CJ2の使用を行なわず、ST11を経由せずに、ST12に進む。
【0054】
また、上述した判断において、車車間情報CJ2に含まれる測位情報MJ2の方が、自車90が有する測位情報MJ1よりも信頼性が高く、車車間情報CJ2を使用可能と判断した場合には、車車間情報CJ2に基づく自車90の高度H1の補正が可能となるように基準値を更新する。この場合はST11に進む。
【0055】
ST11では、前述した記憶部33内の基準高度HT0及び基準気圧AP0の内容を、車車間情報CJ2に基づいて更新する。即ち、基準高度HT0が高度HT2となり、基準気圧AP0が気圧AP2となる。
【0056】
次に、ST12において、衛星測位手段50によって測位情報MJ1、即ち、自車90の位置PS1及び高度HT1を入手する。入手した測位情報MJ1は記憶部33に入力される。
【0057】
次に、ST13において、気圧検出手段40によって気圧情報AJ1、即ち、自車90の最新の気圧を入手する。入手した気圧情報AJ1は記憶部33に入力される。
【0058】
次に、ST14において、制御手段30内の制御部31で、ST12において入手した高度とST13において入手した気圧、及び必要であれば路車間情報RJ1又は車車間情報CJ2を用いて、自車90の高度HT1を補正する。
【0059】
ST14における高度HT1の補正は、以下の式に基づいて行われる。
HT1=HT0+α(AP1−AP0)
ここで、αは、気圧の差を高度の差に変換する場合の所定の係数である。高度HT1の補正では、この式を用いて算出した値を、衛星測位手段50によって得られた高度HT1と置き換えても構わないし、この式を用いたそれ以外の補正方法を適用しても構わない。
【0060】
尚、高度HT1の補正では、路車間情報RJ1も車車間情報CJ2も用いない場合、アキュラシの高い環境下で衛星測位を行った時の高度HT1及び気圧AP1が、基準高度HT0及び基準気圧AP0となる。また、路車間情報RJ1に基づいて補正を行う場合、特定位置81における高度HT2及び気圧AP2が、基準高度HT0及び基準気圧AP0となる。また、車車間情報CJ2に基づいて補正を行う場合、相手車両95の高度HT3及び気圧AP3が、基準高度HT0及び基準気圧AP0となる。
【0061】
次に、ST15において、今後の動作を継続するかどうかが判断される。今後の動作を継続する場合は、ST4に戻り、今後の動作を継続しない場合は終了となる。
【0062】
以下、本実施形態としたことによる効果について説明する。
【0063】
位置検出装置100は、測位情報MJ1と気圧情報AJ1と路車間情報RJ1とに加えて、車車間情報CJ1に基づいて自車90の高度HT1を算出するので、高頻度で高度HT1の補正を行うことができる。その結果、自車90の高度HT1に対する検出精度を高めることができる。
【0064】
また、位置検出装置100は、特定位置81における高度HT3及び気圧AP3に基づいて、高い精度で自車90の高度HT1の補正を行うと共に、相手車両95の高度HT2及び気圧AP2に基づいて、高い頻度で自車90の高度HT1の補正を行うことができ、高度の補正が容易である。
【0065】
また、位置検出装置100は、入手した車車間情報CJ2の信頼性に関する所定の信頼性情報RLJ2に基づいて、車車間情報CJ2の使用可否を判断するので、車車間情報CJ2の信頼性が低い場合があっても、自車90の高度HT1の補正に対する信頼性の低下を抑制し易い。
【0066】
また、位置検出装置100は、特定位置81を通過してからの移動距離と、特定位置81を通過してからの経過時間と、のうちの少なくとも一方に基づいて車車間情報CJ2に対する信頼性を判断することができるので、車車間情報CJ2に対する信頼性の判断が容易である。
【0067】
以上説明したように、本発明の位置検出装置は、測位情報と気圧情報と路車間情報とに加えて、車車間情報に基づいて自車の高度を算出するので、高頻度で高度の補正を行うことができる。その結果、自車の高度に対する検出精度を高めることができる。
【0068】
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することが可能である。
【0069】
例えば、信頼性情報RLJ1や信頼性情報RLJ2は、自車90と相手車両95との高度差に関する情報を更に含んでいても構わない。そして、特定位置81を通過してからの移動距離と、特定位置81を通過してからの経過時間と、が共に閾値以下であっても、自車90と相手車両95との高度差が所定の閾値より大きい場合には、車車間情報CJ2の使用をしないと判断しても構わない。
【0070】
また、信頼性情報RLJ1や信頼性情報RLJ2は、マップマッチング情報などの情報を更に含んでいても構わない。マップマッチング情報には、地図の情報が含まれており、自車90の測位情報MJ1における緯度・経度の情報とマップマッチング情報における地図の緯度・経度の情報とを照らし合わせて、自車90の位置PS1を精度良く判断することができる。また、マップマッチング情報には、地図上の各道路の高さ方向の情報、及び高速道路のETCサービスエリアや交差点等に設けられたロードサイドユニット等の、インフラ装置80の情報が含まれている。そのため、マップマッチング情報を更に用いることによって、自車90、相手車両95及びインフラ装置80の位置関係をより的確に判断することができ、車車間情報CJ2の使用可否の判断が更に容易になる。
【0071】
また、信頼性情報RLJ1や信頼性情報RLJ2は、レーン情報などの情報を更に含んでいても構わない。レーン情報は、地図上の各道路内における複数のレーン(車線)に関する情報であり、レーン情報を用いることによって、自車90及び相手車両95それぞれが、どのレーン(車線)を走行しているか、レーン間の高度差がどのくらいかなどをより的確に判断することができる。そのため、レーン情報を更に用いることによって、車車間情報CJ2の使用可否の判断が更に容易になる。