(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1実施例]
図1はこの発明の情報処理システム100の構成の一例を示す図である。この
図1を参照して、この発明の第1実施例である情報処理システム100は、情報処理装置10および画像形成装置70を含む。
【0019】
情報処理装置10は、スーパーマーケット、レストランまたはコンビニエンスストアなどの店舗、並びに駅、バスターミナル、空港、役所または図書館などの公共施設に配置されるマルチメディアキオスク(MMK)端末である。この情報処理装置10は、配置される場所に応じて各種情報または所定の商品またはサービス(以下、「サービス等」ということがある。)を利用者(ユーザ)に提供する。また、詳細は後述するが、情報処理装置10は、画像形成装置70と協働して、コピー、プリント、スキャンおよびファクスなどの所定のサービスをユーザに提供することもできる。
【0020】
なお、この明細書では、ユーザの立ち位置に対向する面、つまり後述するディスプレイ14が設けられる側の面を前面(正面)として情報処理装置10およびその構成部材の前後方向(奥行方向)を規定し、情報処理装置10およびその構成部材の左右方向(横方向)は、ユーザから情報処理装置10を見た状態を基準として規定する。これらのことは、画像形成装置70についても同様である。
【0021】
情報処理装置10は、タッチパネル12付きのディスプレイ14、記録媒体接続部16、紙片用プリンタ18、符号読取部20、近距離通信部22、貨幣処理部24、および写真用プリンタ26を含む装置本体28を備える。
【0022】
タッチパネル12付きのディスプレイ14は、情報処理装置10(装置本体28)の上端部に配置される。タッチパネル12は、汎用のタッチパネルであり、静電容量方式、電磁誘導方式、抵抗膜方式、赤外線方式など、任意の方式のものを用いることができる。この第1実施例では、タッチパネル12としては、静電容量方式のタッチパネルが用いられ、ディスプレイ14の表示面上にタッチパネル12が設けられる。ただし、タッチパネル12とディスプレイ14とが一体的に形成されたタッチパネルディスプレイが用いられてもよい。また、ディスプレイ14としては、たとえばLCDまたはEL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどを用いることができる。
【0023】
記録媒体接続部16は、各種の記録媒体を装着するための装着部(たとえばドライブおよびメモリスロット)を含む。各種の記録媒体は、光ディスク(たとえばCD−R、DVD−RおよびBD−Rなど)およびフラッシュメモリ(たとえばUSBメモリ、SDメモリカードおよびメモリースティックなど)などである。ただし、光ディスクは、ドライブに装着される。また、フラッシュメモリは、メモリスロットに装着される。
【0024】
紙片用プリンタ18は、たとえばサーマルプリンタ(感熱式プリンタ)またはドットインパクトプリンタであり、レシート、ジャーナルまたはクーポン券などの画像が印刷された紙片を発行する。具体的には、紙片用プリンタ18は、ロール紙上に各種の文字列、画像、コードパターン(バーコードなど)などを印刷し、印刷済の紙片を排紙部18aから排出する。
【0025】
符号読取部20は、たとえばレーザスキャナまたはカメラなどを含み、商品、カード、レシートなどに付された符号またはユーザ端末(携帯端末)の画面に表示された符号などを読み取ることができる。符号読取部20で読み取ることができる符号には、バーコード(1次元バーコード)または2次元コード(たとえばQRコード(登録商標)、マイクロQRコード、DataMATRIX、MaxiCODEおよびVeriCODEなど)などがある。
【0026】
近距離通信部22は、たとえば、ISO/IEC18092等の通信規格(いわゆるNFC(Near Field Communication))に従って、通信対象との間で無線による非接触のデータ通信を行うものである。たとえば、近距離通信部22は、Felica(登録商標)等の通信規格に従って、電子マネー媒体等の通信対象との間で無線による非接触のデータ通信を行う。電子マネー媒体とは、ICカードおよび携帯端末(フィーチャーフォン、スマートフォンおよびタブレットPC等)のことである。また、電子マネー媒体は、電子マネーによる決済に係るデータ(電子マネーデータ)を記憶する記憶部を備える。近距離通信部22の通信可能距離は、数cm〜数m程度である。たとえば、近距離通信部22は、電子マネー媒体に対して、電子マネー媒体に記憶された電子マネーデータの読み出しを指示する信号(読出し命令)を送信する。電子マネー媒体は、読出し命令に対する応答として電子マネーデータを近距離通信部22に送信する。また、近距離通信部22は、電子マネー媒体に書き込むデータ(書き込みデータ)とともに書き込みを指示する信号(書き込み命令)を送信する。電子マネー媒体は、書き込み命令に従って、受信した書き込みデータを記憶部に書き込む(記憶する)。このように、近距離通信部22は、電子マネー読取部としても機能する。なお、近距離通信部22は、電子マネー媒体以外の通信対象(たとえば身分証、会員証または社員証など)との間で電子マネーデータ以外のデータ通信を行うこともできる。
【0027】
貨幣処理部24は、貨幣投入部24aおよび硬貨返却口24bを含む。貨幣投入部24aは、硬貨投入口、紙幣投入口および釣銭返却レバー等を含み、近距離通信部22の下方に配置される。硬貨投入口から投入された硬貨および紙幣投入口から投入された紙幣は、それぞれ種類毎に分類されて所定の貨幣格納部(不図示)に収容される。貨幣格納部は、硬貨用の格納部および紙幣用の格納部を含む。硬貨または紙幣が投入されると、硬貨用の格納部に収容された硬貨の種類および枚数と、紙幣用の格納部に収容された紙幣の種類および枚数とに応じて、投入金額が算出される。情報処理装置10において所定のサービス等が実行されると、そのサービス等の内容に応じた費用(サービス等の提供に係る料金)が投入金額から減算され、投入金額から料金を差し引いて残った金額(残額)が算出される。また、釣銭返却レバーが操作されると、残額に応じて、硬貨または紙幣が返却される。ただし、硬貨は、貨幣投入部24aの下方に設けられる硬貨返却口24bから返却され、紙幣は、紙幣投入口から返却される。
【0028】
写真用プリンタ26は、たとえば昇華型プリンタまたはインクジェットプリンタであり、写真用の用紙(写真用紙)上に画像を印刷する。写真用プリンタ26で印刷された写真は、排出部26aに排出される。ただし、用紙上に画像を形成するための画像データとしては、記録媒体接続部16に接続された記録媒体に記憶された画像データ、または外部コンピュータから送信された画像データ等が利用される。また、写真用プリンタ26で印刷される写真のサイズは、L判サイズ、はがきサイズまたは2L判サイズなどである。
【0029】
図2は
図1に示す情報処理装置10の電気的な構成を示すブロック図である。
図2を参照して、情報処理装置10はCPU32を含む。CPU32には、バス60を介してRAM34、ROM36、タッチパネル制御回路38、表示制御回路40、記録媒体接続部16、紙片用プリンタ18、符号読取部20、近距離通信部22、貨幣処理部24、写真用プリンタ26および通信回路44が接続される。また、タッチパネル制御回路38にはタッチパネル12が接続され、表示制御回路40にはディスプレイ14が接続される。
【0030】
CPU32は、情報処理装置10の全体的な制御を司る。RAM34は、CPU32のワーク領域およびバッファ領域として用いられる。ROM36は、情報処理装置10の起動プログラムや各種情報についてのデフォルト値を記憶する。
【0031】
タッチパネル制御回路38は、タッチパネル12に必要な電圧などを付与するとともに、タッチパネル12のタッチ有効範囲内でのタッチ操作(タッチ入力)を検出して、そのタッチ入力の位置を示すタッチ座標データをCPU32に出力する。
【0032】
表示制御回路40は、GPUおよびVRAMなどを含んでおり、CPU32の指示の下、GPUは、RAM34に記憶された画像生成データを用いてディスプレイ14に種々の画面を表示するための表示画像データをVRAMに生成し、生成した表示画像データをディスプレイ14に出力する。
【0033】
通信回路44は、インターネットなどのネットワークに接続するための通信回路である。この通信回路44は、有線通信回路または無線通信回路であり、CPU32からの指示に従って、ネットワークを介して、サーバ等の外部コンピュータ(外部端末)と通信する。ただし、通信回路44は、ネットワークを介さずに、有線または無線(たとえば赤外線方式、WiFi(登録商標)方式またはブルートゥース(Bluetooth;登録商標)方式)で、画像形成装置70および携帯端末などと直接通信することも可能である。
【0034】
なお、
図2に示す情報処理装置10の電気的な構成は単なる一例であり、これに限定される必要はない。
【0035】
図1に戻って、画像形成装置70は、複写機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能などを有する複合機(MFP:Multifunction Peripheral)である。
【0036】
画像形成装置70は、画像読取部72、画像形成部74、給紙装置76および排紙トレイ78を含む装置本体80を備える。ただし、画像形成装置70は、情報処理装置10の近傍に設置される。たとえば、画像形成装置70は、情報処理装置10の右側に隣接して設けられる。
【0037】
画像読取部72は、透明材によって形成される原稿載置台を備え、装置本体80に内蔵される。原稿載置台の上方には、ヒンジ等を介して原稿押えカバー72aが開閉自在に取り付けられる。
【0038】
また、画像読取部72は、光源、複数のミラー、結像レンズおよびラインセンサ等を備える。この画像読取部72は、原稿表面を光源によって露光し、原稿表面から反射した反射光を複数のミラーによって結像レンズに導く。そして、結像レンズによって反射光をラインセンサの受光素子に結像させる。ラインセンサでは、受光素子に結像した反射光の輝度または色度が検出され、原稿表面の画像に基づく読取画像データが生成される。ラインセンサとしては、CCD(Charge Coupled Device)またはCIS(Contact Image Sensor)等が用いられる。
【0039】
画像形成部74は、装置本体80に内蔵され、画像読取部72の下方に設けられる。この画像形成部74は、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置および定着装置などを備える。画像形成部74は、給紙装置76等から搬送される記録媒体(用紙)上に電子写真方式によって画像を形成し、画像形成済みの用紙を画像読取部72および画像形成部74の間に設けられる排紙トレイ78に排出する。ただし、用紙上に画像を形成するための画像データ404a(
図9参照)としては、画像読取部72で読み取った画像データ、情報処理装置10から送信された画像データ、または外部コンピュータから送信された画像データ等が利用される。また、記録媒体としては、紙からなる用紙に限定されず、OHPフィルムなどの紙以外のシートも用いられる。
【0040】
図3は
図1に示す画像形成装置70の電気的な構成を示すブロック図である。
図3を参照して、画像形成装置70はCPU82を含む。CPU82には、バス90を介してRAM84、HDD86、画像読取部72、画像形成部74および通信回路92が接続される。
【0041】
CPU82は、画像形成装置70の全体的な制御を司る。RAM84は、CPU82のワーク領域およびバッファ領域として用いられる。
【0042】
HDD86は、画像形成装置70の主記憶装置であって、CPU82が画像形成装置70の各部位の動作を制御するための制御プログラムおよび各種の画面についての表示画像データ等を適宜記憶する。ただし、HDD86に代えて、またはHDD86とともに、SSD、フラッシュメモリ、EEPROMなどの他の不揮発性メモリが用いられてもよい。
【0043】
通信回路92は、インターネットなどのネットワークに接続するための通信回路である。この通信回路92は、有線通信回路または無線通信回路であり、CPU82からの指示に従って、ネットワークを介して、サーバ等の外部コンピュータと通信する。ただし、通信回路92は、ネットワークを介さずに、有線または無線で、情報処理装置10と直接通信することも可能である。
【0044】
なお、
図3に示す画像形成装置70の電気的な構成は単なる一例であり、これに限定される必要はない。
【0045】
このような構成の情報処理システム100では、電子マネーによる決済が行われる際に、情報処理装置10のディスプレイ14に複数の電子マネーのブランド(種類)を表示して、ユーザに決済用の電子マネーを選択させることがある。この場合、サービス等が選択された後に、決済用の電子マネーを利用して決済を行い、決済が完了されることでサービス等が提供される。
【0046】
しかしながら、従来の情報処理システムでは、決済用の電子マネーとは異なる種類の電子マネー媒体がかざされた場合には、決済を行うことができず、商品を提供できないことがある。このため、ユーザは、自身が所持する電子マネーの種類を適切に認識しておく必要がある。
【0047】
しかしながら、ユーザが複数の電子マネーを所持する場合には、それぞれの電子マネーの種類およびそれぞれの電子マネーの残高等を適切に把握するのは難しいという問題がある。また、近年では、電子マネー決済サービスが複雑化してきており、電子マネーの種類が異なっても、相互利用可能な場合もある。このため、ユーザが電子マネーを適切に管理することがより一層難しくなってきている。
【0048】
そこで、この第1実施例では、電子マネー媒体に対してポーリング処理を実行することによって電子マネーを検出し、検出された電子マネーについての電子マネー情報をディスプレイ14に表示させるようにした。
【0049】
以下、
図4ないし
図6を参照して情報処理システム100の動作例を説明する。
図4は電子マネー受付画面110の一例を示す図解図である。
図5は支払方法選択画面120の一例を示す図解図である。
図6は支払い方法が選択された状態の支払方法選択画面120の一例を示す図解図である。
【0050】
図示は省略するが、第1実施例の情報処理システム100では、情報処理装置10のディスプレイ14に種々の操作画面を表示し、タッチパネル12へのタッチ入力に応じてユーザ操作を受け付ける。ユーザは、操作画面に表示されるアイコン等をタッチするなどして、所望のサービス等を選択する。そして、ユーザが所望するサービス等の内容が決定すると、
図4に示すような電子マネー受付画面110がディスプレイ14に表示される。
【0051】
電子マネー受付画面110は、ユーザに対して、ユーザが所持する電子マネー媒体(電子マネー用のICカードおよび携帯端末など)を近距離通信部22にかざすように促す画面である。たとえば、電子マネー受付画面110には、情報処理装置10における近距離通信部22の位置を示す画像、電子マネー媒体を近距離通信部22にかざすことができる旨の適宜の文字列および図形等が表示される。
【0052】
そして、情報処理装置10では、当該情報処理装置10において利用可能な電子マネーに対応する電子マネー媒体が近距離通信部22にかざされると、近距離通信部22によって電子マネー媒体に含まれる電子マネーデータが読み取られる。電子マネーデータは、電子マネーのシステムコードについてのデータ、当該電子マネーの種類についてのデータ、および当該電子マネーの残高(電子マネー残高)についてのデータを含む。つまり、電子マネー媒体が近距離通信部22にかざされると、電子マネー媒体に対応する電子マネーについての各種情報(電子マネー情報)が読み取られる。このように、電子マネー情報が読み取られることは、電子マネーが検出されるとも言える。
【0053】
情報処理装置10における電子マネーの検出方法について具体的に説明する。情報処理装置10では、近距離通信部22から電子マネー媒体に向けて送信される読出し命令に、情報処理装置10において利用可能な複数の電子マネーのシステムコードが含まれる。ただし、近距離通信部22は、所定時間毎に、情報処理装置10において利用可能な全ての電子マネーの各々に対応するシステムコードを順次切り替えて(変調させて)読出し命令を繰り返し送信する(ポーリング処理)。たとえば、近距離通信部22は、第1種類の電子マネーのシステムコードを含む読出し命令を所定時間送信した後、第1種類の電子マネーとは異なる第2種類の電子マネーのシステムコードを含む読出し命令を所定時間送信する。さらに、第2種類の電子マネーのシステムコードを含む読出し命令を所定時間送信した後、第2種類の電子マネーとは異なる第3種類の電子マネーのシステムコードを含む読出し命令を所定時間送信する。第1実施例の情報処理装置10では、このような動作が繰り返し行われる。
【0054】
そして、読出し命令に含まれるシステムコードと、電子マネー媒体に対応する電子マネーのシステムコードとが一致する場合に、近距離通信部22と電子マネー媒体との間で無線通信接続が確立される。近距離通信部22と電子マネー媒体との間で無線通信接続が確立されると、電子マネー媒体に記憶された電子マネーデータ(電子マネー情報)が電子マネー媒体から近距離通信部22に送信される。
【0055】
このように、第1実施例の情報処理装置10では、情報処理装置10において利用可能な電子マネーに対応する電子マネー媒体が近距離通信部22にかざされた場合には、電子マネー媒体に対応する電子マネーが自動的に検出される。一方、情報処理装置10において利用不可能な電子マネーに対応する電子マネー媒体が近距離通信部22にかざされた場合には、当該電子マネーは検出されない。情報処理装置10において利用不可能な電子マネーの場合には、読出し命令に含まれるシステムコードと、電子マネー媒体に対応する電子マネーのシステムコードとが一致しないからである。
【0056】
また、第1実施例の情報処理装置10では、複数の電子マネー用のICカードが、重ねられた状態で近距離通信部22にかざされることがある。つまり、複数の電子マネー媒体が同時にかざされることがある。このような場合、情報処理装置10では、上述したポーリング処理によって、複数の電子マネー媒体のそれぞれに対応する電子マネーを検出することができる。つまり、情報処理装置10では、複数の電子マネーを一括して検出することができる。このことは、複数の種類の電子マネーデータが記憶された携帯端末が近距離通信部22にかざされた場合も同様である。
【0057】
そして、電子マネーが検出され、電子マネーデータが取得されると、
図5に示すような支払方法選択画面120がディスプレイ14に表示される。
【0058】
支払方法選択画面120は、サービス等の提供に係る料金(以下、「サービス等の料金」という。)の支払い方法(決済方法)を選択するための画面である。支払方法選択画面120は、複数の選択アイコン122、料金表示領域124および決済アイコン126を含む。
【0059】
複数の選択アイコン122のそれぞれは、情報処理システム100で利用可能な複数の電子マネーのそれぞれに対応し、決済用の支払い方法を選択するためのアイコンである。
ただし、第1実施例では、選択アイコン122a〜122dのそれぞれは、取得された電子マネーデータに対応する電子マネーによる支払い方法に対応する。
図5では、4種類の電子マネーが検出された場合を示している。
【0060】
具体的には、選択アイコン122aは、電子マネーAに対応し、選択アイコン122bは、電子マネーBに対応し、選択アイコン122cは、電子マネーCに対応し、選択アイコン122dは、電子マネーDに対応する。これらの選択アイコン122a〜122dには、それぞれに対応する電子マネーのブランドが識別できるように、電子マネーのブランドを表す適宜の文字列および図形等が記される。ただし、電子マネーA、電子マネーB、電子マネーCおよび電子マネーDのそれぞれは、前払い(プリペイド)式の電子マネーであり、互いに異なるブランドの電子マネーである。また、電子マネーA、電子マネーB、電子マネーCおよび電子マネーDのそれぞれには、予め入金された金額に対応する電子マネー残高が存在する。選択アイコン122a〜122dには、それぞれに対応する電子マネー残高が識別できるように、電子マネー残高を表す適宜の文字列等が記される。たとえば、
図5に示す例では、電子マネーAの残高は180円であり、電子マネーBの残高は200円であり、電子マネーCの残高は250円であり、電子マネーDの残高は120円である。このように、支払方法選択画面120は、上述したポーリング処理によって検出された電子マネーの種類および電子マネー残高等の電子マネー情報を表示するための画面でもある。
【0061】
料金表示領域124には、サービス等の料金の金額が表示される。
図5に示す例では、サービス等の料金の金額として、“170円”が表示される。なお、サービス等の料金の金額は、ユーザが所望するサービス等の内容に応じて決定される。
【0062】
決済アイコン126は、決済を実行する機能が割り当てられる。決済アイコン126がタッチ(選択)されると、ユーザに選択された電子マネー(決済用の電子マネー)によって、決済が実行される。つまり、決済用の電子マネーによって、サービス等の料金が支払われる。ただし、決済アイコン126は、決済用の電子マネーの残高が、サービス等の料金の金額に達している場合に有効にされる。一方、決済アイコン126は、決済用の電子マネーの残高が、サービス等の料金の金額に達していない場合には、無効にされており、タッチされても選択されない。したがって、決済アイコン126が無効にされている場合は、決済することができない。なお、
図5は、決済用の電子マネーが選択されていない状態を示す。このように、決済用の電子マネーが選択されていない場合には、決済用の電子マネーの残高が存在しない(0(ゼロ)である)ので、決済アイコン126は、無効にされている。
【0063】
この
図5に示される支払方法選択画面120において、決済用の電子マネーを選択するための選択アイコン122a〜122dのいずれかがタッチ(選択)されると、タッチされたアイコンに対応する電子マネーが、決済用の電子マネーとして選択される。たとえば、
図6に示されるように、選択アイコン122cがタッチされると、決済用の電子マネーとして、選択アイコン122cに対応する電子マネーCが選択される。また、決済用の電子マネーが選択されると、当該決済用の電子マネーに対応するアイコン(
図6に示す例では選択アイコン122c)の表示態様が変わる。なお、
図6においては、タッチされた選択アイコン122cに模様が付されているが、これは、当該タッチされた選択アイコン122cに適当な色彩が付されていることを表現している。
【0064】
ここで、決済用の電子マネーが選択され、決済用の電子マネーの残高がサービス等の料金の金額に達している場合には、決済アイコン126は有効にされる。したがって、決済アイコン126を選択することができ、決済を実行することができる。決済用の電子マネーとして選択された電子マネーCの残高は、250円であり、サービス等の料金の金額(170円)に達している。このため、決済用の電子マネーとして電子マネーCが選択された場合には、決済を実行することができる。
【0065】
一方、決済用の電子マネーが選択されたとしても、決済用の電子マネーの残高がサービス等の料金の金額に達していない場合には、決済アイコン126は、有効にされず、無効にされたままである。たとえば、電子マネーDの残高は、120円であり、サービス等の料金の金額(170円)に達していない。このため、決済用の電子マネーとして電子マネーDが選択された場合には、決済アイコン126が有効にされず、決済することができない。この場合、他の電子マネーを決済用の電子マネーとして選択したり、電子マネーの残高を増やしてから再度決済用の電子マネーとして選択したりすれば、決済を実行することができる。
【0066】
情報処理システム100の上記のような動作は、情報処理装置10のCPU32がRAM34に記憶された情報処理装置10用の情報処理プログラムを実行し、画像形成装置70のCPU82がRAM84に記憶された画像形成装置70用の情報処理プログラムを実行することによって実現される。具体的な処理については、後でフロー図を用いて説明する。
【0067】
図7は
図2に示す情報処理装置10のRAM34のメモリマップ300の一例を示す図解図である。
図7に示すように、RAM34は、プログラム記憶領域302およびデータ記憶領域304を含む。RAM34のプログラム記憶領域302には、上述したように、情報処理装置10用の情報処理プログラムが記憶される。この情報処理装置10用の情報処理プログラムは、通信プログラム302a、操作検出プログラム302b、表示プログラム302c、記録媒体接続プログラム302d、紙片印刷プログラム302e、符号読取プログラム302f、写真印刷プログラム302g、近距離通信プログラム302h、貨幣処理プログラム302i、電子マネー検出プログラム302j、判定プログラム302kおよび決済プログラム302lを含む。
【0068】
通信プログラム302aは、画像形成装置70、サーバ等の他のコンピュータないし他の機器とネットワークを介して、データを通信(送受信)するためのプログラムである。
【0069】
操作検出プログラム302bは、タッチ入力を検出するためのプログラムであり、CPU32は、この操作検出プログラム302bに従って、タッチパネル12から出力されたタッチ座標データを取得し、取得したタッチ座標データを時系列に従ってRAM34に記憶する。
【0070】
表示プログラム302cは、後述する画像生成データ304bを用いて、表示画像データ、すなわち、上述した各種の操作画面などの画面データを生成し、ディスプレイ14に出力するためのプログラムである。
【0071】
記録媒体接続プログラム302dは、記録媒体接続部16に装着された各種の記録媒体へのデータの書込みおよび各種の記録媒体からのデータの読み出しを制御するためのプログラムである。
【0072】
紙片印刷プログラム302eは、紙片用プリンタ18を制御して、ロール紙上に文字列、画像、バーコードなどを印刷するためのプログラムである。
【0073】
符号読取プログラム302fは、符号読取部20を制御して、レーザスキャナまたはカメラによって撮影された撮影画像から符号画像を抽出し、抽出した符号画像を復号するためのプログラムである。
【0074】
写真印刷プログラム302gは、写真用プリンタ26を制御して、写真用紙上に画像を印刷するためのプログラムである。
【0075】
近距離通信プログラム302hは、近距離通信部22を制御して、通信対象(たとえば電子マネー媒体)との間でのデータ通信を実現するためのプログラムである。すなわち、この近距離通信プログラム302hが実行されると、近距離通信部22と電子マネー媒体との間での電子マネーデータの送受信が実行される。
【0076】
貨幣処理プログラム302iは、貨幣処理部24を制御して、硬貨用の格納部に収容された硬貨の種類および枚数と、紙幣用の格納部に収容された紙幣の種類および枚数とに応じて、投入金額を算出するためのプログラムである。また、貨幣処理プログラム302iは、貨幣処理部24を制御して、投入金額から所定のサービス等の料金を差し引いて残った残額に応じて、硬貨を硬貨返却口24bから返却したり、紙幣を紙幣投入口から返却したりするためのプログラムでもある。
【0077】
電子マネー検出プログラム302jは、上述したように、電子マネー媒体に対してポーリング処理を行って、近距離通信部22にかざされた電子マネー媒体から1または複数の電子マネーを検出するためのプログラムである。また、電子マネー検出プログラム302jは、ポーリング処理を行って検出した電子マネーについての電子マネー情報を検出するためのプログラムでもある。
【0078】
判定プログラム302kは、決済用の電子マネーの残高が、サービス等の料金の金額に達しているかどうかを判定するためのプログラムである。
【0079】
決済プログラム302lは、判定プログラム302kに従って決済用の電子マネーの残高が、サービス等の料金の金額に達していると判定された場合に、決済アイコン126を有効にして、決済することができる状態にするためのプログラムである。また、決済プログラム302lは、決済アイコン126が有効にされている場合に、決済アイコン126がタッチされたときに、決済を実行するためのプログラムでもある。
【0080】
なお、図示は省略するが、プログラム記憶領域302には、情報処理システム100におけるサービス等の料金を設定するためのプログラム、および情報処理装置10が備える各種の機能を選択および実行するためのプログラムなども記憶される。
【0081】
また、RAM34のデータ記憶領域304には、操作入力データ304a、画像生成データ304b、料金データ304c、投入金額データ304dおよび残高データ304eなどが記憶される。
【0082】
操作入力データ304aは、操作検出プログラム302bに従って検出されたタッチ座標データを時系列に従って記憶したデータである。
【0083】
画像生成データ304bは、ディスプレイ14に表示する各種の画面に対応する表示画像データを生成するためのポリゴンデータまたはテクスチャデータ等のデータである。
【0084】
料金データ304cは、サービス等の料金に対応するデータである。料金データ304cは、ユーザが所望するサービス等の内容が決定すると、そのサービス等の料金に応じて生成される。なお、情報処理システム100で提供される商品およびサービス毎に所定の料金が予め設定されている。
【0085】
投入金額データ304dは、貨幣処理プログラム302iに従って算出された投入金額に対応するデータである。
【0086】
残高データ304eは、近距離通信プログラム302hに従って取得された電子マネーの残高に対応するデータである。ただし、残高データ304eは、複数のブランドの電子マネーの残高に対応するデータを含むことがある。この場合、電子マネーの残高に対応するデータは、電子マネーのブランド毎に管理される。
【0087】
なお、図示は省略するが、データ記憶領域304には、情報処理装置10用の情報処理プログラムの実行に必要な他のデータが記憶されたり、情報処理装置10用の情報処理プログラムの実行に必要なタイマ(カウンタ)やレジスタが設けられたりする。
【0088】
図8は
図3に示す画像形成装置70のRAM84のメモリマップ400の一例を示す図解図である。
図8に示すように、RAM84は、プログラム記憶領域402およびデータ記憶領域404を含む。RAM84のプログラム記憶領域402には、上述したように、画像形成装置70用の情報処理プログラムが記憶される。この画像形成装置70用の情報処理プログラムは、通信プログラム402a、画像読取プログラム402bおよび画像形成プログラム402cを含む。
【0089】
通信プログラム402aは、情報処理装置10またはサーバなどの他のコンピュータまたは他の機器とネットワークを介して通信するためのプログラムである。
【0090】
画像読取プログラム402bは、画像読取部72を制御して、原稿載置台に載置された原稿の画像を読み取り(スキャンし)、読み取った画像に対応する画像信号(スキャン画像データ)を出力するためのプログラムである。
【0091】
画像形成プログラム402cは、画像形成部74を制御して、スキャン画像データまたは入力画像データなどの画像データ404aに応じて多色または単色の画像を記録媒体(用紙)に形成するためのプログラムである。
【0092】
なお、図示は省略するが、プログラム記憶領域402には、画像形成装置70が備える各種の機能を選択および実行するためのプログラムなども記憶される。
【0093】
また、RAM84のデータ記憶領域404には、画像データ404aなどが記憶される。画像データ404aは、画像読取部72で読み取った画像データまたはサーバ等の外部のコンピュータから入力される画像データなどである。
【0094】
なお、図示は省略するが、データ記憶領域404には、画像形成装置70用の情報処理プログラムの実行に必要な他のデータが記憶されたり、画像形成装置70用の情報処理プログラムの実行に必要なタイマ(カウンタ)やレジスタが設けられたりする。
【0095】
図9は、
図2に示す情報処理装置10のCPU32で実行される決済処理の一例を示すフロー図である。この決済処理は、ユーザが所望するサービス等の内容が決定された場合に開始される。
【0096】
図9に示すように、情報処理装置10のCPU32は、決済処理を開始すると、ステップS1で、ディスプレイ14に電子マネー受付画面110を表示させ、ステップS3で、上述したポーリング処理により電子マネーの検出を行い、ステップS5で、電子マネーが検出されたかどうかを判断する。ここでは、情報処理システム100で利用可能なブランドの電子マネーが検出されたかどうかを判断する。
【0097】
ステップS5で“NO”であれば、つまり、情報処理システム100で利用可能なブランドの電子マネーが検出されない場合には、決済を実行せずに、決済処理を終了する。一方、ステップS5で“YES”であれば、つまり、情報処理システム100で利用可能なブランドの電子マネーが検出された場合には、ステップS7で、支払方法選択画面120をディスプレイ14に表示する。
【0098】
続いて、ステップS9で、支払方法選択画面120において選択アイコン122が選択されたかどうかを判断する。ステップS7で“NO”であれば、つまり、選択アイコン122が選択されない場合には、ステップS9に戻る。一方、ステップS9で“YES”であれば、つまり、選択アイコン122が選択された場合には、ステップS11で、選択された選択アイコン122に対応する電子マネーを決済用の電子マネーとして決定し、ステップS13で、決済用の電子マネーの残高が足りているかどうかを判断する。ここでは、決済用の電子マネーの残高が、サービス等の料金の金額に達しているかどうかを判断する。
【0099】
ステップS13で“NO”であれば、つまり、決済用の電子マネーの残高が足りていない場合には、ステップS9に戻る。一方、ステップS13で“YES”であれば、つまり、決済用の電子マネーの残高が足りている場合には、ステップS15で、決済アイコン126を有効化して、ステップS17で、決済アイコン126が選択されたかどうかを判断する。
【0100】
ステップS17で“NO”であれば、つまり、決済アイコン126が選択されない場合には、ステップS17に戻る。一方、ステップS17で“YES”であれば、つまり、決済アイコン126が選択された場合には、ステップS19で、決済を実行して、決済処理を終了する。
【0101】
この第1実施例では、電子マネー媒体に対してポーリング処理を実行することによって複数種類の電子マネーの電子マネー情報を検出し、検出された電子マネーについての電子マネー情報をディスプレイ14に表示させる。このため、ユーザが所持する電子マネーの種類を適切に認識させることができるので、ユーザに複数の種類の電子マネーを適切に管理させることができ、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
【0102】
また、第1実施例によれば、検出された電子マネーについての電子マネー情報には、その電子マネーの残高を含むので、ユーザが電子マネーの残高を把握することができる。
【0103】
なお、第1実施例では、支払方法選択画面120において決済用の支払い方法が選択されると、ユーザに選択された選択アイコン122に適当な色彩が付すようにしたが、これに限定される必要は無い。たとえば、複数の選択アイコン122のそれぞれは、選択されていない状態では点滅せず、ユーザに選択された状態では点滅するようにしても良い。このようにすれば、ユーザは、選択アイコン122に色彩が付されなくても、いずれの選択アイコン122が選択されているかを認識することができる。
[第2実施例]
第2実施例の情報処理装置10では、近距離通信部22が、ディスプレイ14に内蔵されるようにした以外は第1実施例と同じであるため、第1実施例と異なる内容について説明し、重複した説明については省略することにする。
【0104】
図10は第2実施例における情報処理システム100の外観構成を示す斜視図である。
図11は第2実施例における電子マネー受付画面150の一例を示す図解図である。
【0105】
図10に示すように、第2実施例では、近距離通信部22が、ディスプレイ14に設けられる(内蔵される)。具体的には、ディスプレイ14の前面側の中央部に近距離通信部22の一部として機能する透明アンテナが組み込まれる。これにより、近距離通信部22は、ディスプレイ14の前面側の中央部にかざされた電子マネー媒体等の通信対象との間で無線による非接触のデータ通信を行うことができる。
【0106】
第2実施例の情報処理システム100では、ユーザが所望するサービス等の内容が決定すると、第1実施例の電子マネー受付画面110に代えて、
図11に示すような電子マネー受付画面150がディスプレイ14に表示される。
【0107】
電子マネー受付画面150の中央には、近距離通信部22と電子マネー媒体とが通信可能な領域(通信に適した領域)を表すリーダ/ライタ領域152が設けられる。このリーダ/ライタ領域152は、ディスプレイ14に組み込まれた近距離通信部22の透明アンテナに応じた位置に設けられる。また、リーダ/ライタ領域152には、当該リーダ/ライタ領域152がリーダ/ライタとして機能することを表す適宜の図形が記される。また、電子マネー受付画面150には、ユーザに対して、ユーザが所持する電子マネー媒体をリーダ/ライタ領域152にかざすように促すための適宜の文字列および図形等が表示される。
【0108】
そして、電子マネー媒体がリーダ/ライタ領域152にかざされると、近距離通信部22と電子マネー媒体とが通信する。これによって、情報処理装置10は、電子マネー媒体に含まれる電子マネーに係る電子マネーデータ(電子マネー情報)を取得する。
【0109】
この第2実施例では、近距離通信部22がディスプレイ14に内蔵され、ディスプレイ14に表示される操作画面にリーダ/ライタ領域152が設けられる。このため、電子マネー媒体をかざす位置が直感的に認識し易く、電子マネーによる支払いに使い慣れていないユーザでも、操作方法が分かり易い。
[第3実施例]
第3実施例の情報処理装置10では、決済用の電子マネーを選択する方法が異なる以外は第2実施例と同じであるため、第2実施例と異なる内容について説明し、重複した説明については省略することにする。
【0110】
図12は第3実施例における支払方法選択画面120の一例を示す図解図である。
図13は第3実施例における支払方法選択画面120の一例を示す図解図である。
図14は第3実施例における支払方法選択画面120の一例を示す図解図である。
【0111】
第3実施例では、
図11に示す電子マネー受付画面150に従って電子マネーデータが読み取られると、
図12に示すように、支払方法選択画面120がディスプレイ14に表示される。
【0112】
ここで、ディスプレイ14の表示が電子マネー受付画面150から支払方法選択画面120に切り替わったときには、電子マネー媒体は、電子マネー受付画面150のリーダ/ライタ領域152に対応する位置にかざされた状態である。つまり、電子マネー媒体は、ディスプレイ14の中央部に位置する。
【0113】
この第3実施例では、電子マネー受付画面150から支払方法選択画面120に切り替わった後に電子マネー媒体が移動された場合に、ディスプレイ14に対する電子マネー媒体の位置に応じて、決済用の電子マネーが決定される。具体的には、支払方法選択画面120において、移動された電子マネー媒体の位置に対応するアイコンに対応する電子マネーが、決済用の電子マネーとして選択される。つまり、ユーザは、ディスプレイ14の中央部から、決済用の電子マネーとして選択したいアイコンに対応する位置に電子マネー媒体を移動させれば良い。たとえば、
図12に示されるように、電子マネー媒体がディスプレイ14の中央部から左下(左手前)方向に移動されると、電子マネー媒体は、選択アイコン122cの一部に重なる。つまり、電子マネー媒体が、選択アイコン122cに対応する位置に移動される。この場合、決済用の電子マネーとして、選択アイコン122cに対応する電子マネーCが選択される。
【0114】
また、第3実施例では、電子マネー媒体の位置に応じて、複数の決済用の電子マネーを一括して選択することができる。たとえば、
図13に示されるように、電子マネー媒体がディスプレイ14の中央部から右方向に移動されると、電子マネー媒体は、選択アイコン122bおよび選択アイコン122dに重なる。つまり、電子マネー媒体が、選択アイコン122bおよび選択アイコン122dに対応する位置に移動される。この場合、
図14に示されるように、決済用の電子マネーとして、選択アイコン122bに対応する電子マネーBおよび選択アイコン122dに対応する電子マネーDが選択される。このように、複数の決済用の電子マネーが選択された場合、決済アイコン126は、複数の決済用の電子マネーの残高の合計金額が、サービス等の料金の金額に達している場合に有効にされる。
【0115】
次に、ディスプレイ14に対する電子マネー媒体の位置を検出する方法について説明する。たとえば、近距離通信部22のアンテナをディスプレイ14に複数設置し、それぞれのアンテナと電子マネー媒体との間の近距離無線通信における電波の強度に基づいて、それぞれのアンテナと電子マネー媒体との距離を算出する。そして、それぞれのアンテナと電子マネー媒体との距離(複数点からの距離)に応じて、ディスプレイ14に対する電子マネー媒体の位置を検出することができる。
【0116】
また、タッチパネル12が静電容量方式のタッチパネルが用いられる場合には、タッチパネル12における静電容量の変化に応じて、ディスプレイ14に対する電子マネー媒体の位置を検出することができる。
【0117】
さらに、ディスプレイ14に対する電子マネー媒体の位置を検出するための検出センサが情報処理装置10にさらに設けられるようにしても良い。この検出センサとしては、赤外線センサまたはカメラ等を用いることができる。たとえば、検出センサとして赤外線センサを用いる場合には、ディスプレイ14の筐体または装置本体28等に複数の赤外線センサを設けることが考えられる。このようにすれば、それぞれの赤外線センサの出力に応じて、それぞれの赤外線センサと電子マネー媒体との距離を算出し、それぞれの赤外線センサと電子マネー媒体との距離に応じて、ディスプレイ14に対する電子マネー媒体の位置を検出することができる。また、検出センサとしてカメラを用いる場合には、ディスプレイ14を含む範囲をカメラで撮影し、撮影された画像(撮影画像)に画像処理を施すことによって、撮影画像から電子マネー媒体の画像を抽出し、撮影画像における電子マネー媒体の画像の位置に応じて、ディスプレイ14に対する電子マネー媒体の位置を検出することができる。
【0118】
以下、フロー図を用いて、第3実施例における決済処理について説明するが、第1実施例で説明した決済処理と同じ処理については同じ参照符号を付し、重複した内容については、説明を省略するまたは簡単に説明することにする。
【0119】
図15は第3実施例の決済処理の一例を示すフロー図である。
図15に示すように、CPU32は、決済処理を開始すると、ステップS7で、支払方法選択画面120をディスプレイ14に表示して、ステップS31で、電子マネー媒体が移動されたかどうかを判断する。
【0120】
ステップS31で“NO”であれば、つまり、電子マネー媒体が移動されない場合は、ステップS31に戻る。一方、ステップS31で“YES”であれば、つまり、電子マネー媒体が移動された場合は、ステップS33で、ディスプレイ14に対する電子マネー媒体の位置を検出し、ステップS35で、ステップS33で検出された電子マネー媒体の位置に応じて、決済用の電子マネーを決定し、ステップS13に進む。なお、複数の決済用の電子マネーが選択された場合には、ステップS13では、複数の決済用の電子マネーの残高の合計金額が、サービス等の料金の金額に達しているかどうかを判断する。
【0121】
なお、ステップS7までの処理、ステップS13以降の処理の内容については、第1実施例と同じであるので説明を省略する。
【0122】
この第3実施例によれば、ディスプレイ14に対する電子マネー媒体の位置が検出され、検出された電子マネー媒体の位置に応じて、決済用の電子マネーが決定されるので、選択アイコン122をタッチする必要が無く、電子マネーによる支払いに使い慣れていないユーザでも、操作方法が分かり易い。
【0123】
また、第3実施例によれば、電子マネー媒体をディスプレイ14のリーダ/ライタ領域152にかざす動作に続けて、電子マネー媒体を持ったまま決済用の電子マネーを選択することができるので、便利である。
【0124】
なお、第3実施例では、ディスプレイ14に対する電子マネー媒体の位置に応じて、決済用の電子マネーが決定されるようにしたが、これに加えて、第1実施例および第2実施例と同様に、選択アイコン122を選択することによって決済用の電子マネーが決定されるようにしても良い。
【0125】
なお、上述の実施例では、支払い方法として選択可能な電子マネーが、プリペイド式の電子マネーである場合について説明したが、これに限定される必要は無い。たとえば、後払い(ポストペイ)式の電子マネーを支払い方法として選択できるようにしても良い。ポストペイ式の電子マネーでは、支払可能額が料金の金額と同じ金額に設定されるので、ポストペイ式の電子マネーが支払い方法として選択された時点で、支払可能額の総額が、サービス等の提供に係る料金の金額に達していると判断される。
【0126】
また、上述の実施例では、電子マネー媒体に記憶される電子マネーデータには、電子マネーの残高が含まれるようにしたが、これに限定される必要は無い。たとえば、電子マネーデータには、電子マネーの残高に代えて、電子マネー媒体を使用(所持)するユーザ(または電子マネー媒体自体)を特定するための識別情報が含まれるようにしても良い。この場合、情報処理装置10と通信可能なサーバ等の外部コンピュータの記憶部に、電子マネーの残高が記憶される。ただし、電子マネーの残高は、識別情報に紐づけられて記憶される。このため、情報処理装置10は、電子マネー媒体に記憶された識別情報を取得すると、外部コンピュータの記憶部にアクセスして、当該識別情報に紐づけられた電子マネーの残高を取得する。
【0127】
さらに、決済用の電子マネーの残高がサービス等の料金の金額に達している場合には、決済アイコン126を有効にすることに加えて、決済が許可された旨のメッセージおよび支払可能額の総額がサービス等の提供に係る料金の金額に達している旨のメッセージ等を含む報知画像がディスプレイ14に表示されるようにしても良い。このようにすれば、決済が許可された旨をユーザに認識させることができる。また、決済用の電子マネーの残高がサービス等の料金の金額に達していない場合には、決済アイコン126を無効にすることに加えて、決済が許可されていない旨のメッセージおよび支払可能額の総額がサービス等の提供に係る料金の金額に達していない旨のメッセージ等を含む報知画像がディスプレイ14に表示されるようにしても良い。このようにすれば、決済が許可されていない(決済用の電子マネーの残高が足りない)旨をユーザに認識させることができる。
【0128】
さらに、上述の実施例で挙げた数値、画面および具体的な構成等は一例であり、実際の製品に応じて適宜変更することが可能である。また、上述の実施例で示したフロー図の各ステップは、同じ結果が得られるのであれば、処理される順番は適宜変更することが可能である。