(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
例えば、半導体製造工程では、ウエハがセットされた処理室に1種又は2種以上のガスを切り替えて供給し、ウエハにエッチング処理を施す。処理室には、例えば、
図7に示す流体供給集積ユニット100が接続される。流体供給集積ユニット100は、複数の流体供給ユニット110によって、ガスを供給するガスラインが構成されている。流体供給ユニット110は、第1バルブ111と、第2バルブ112と、マスフローコントローラ(MFC)113と、第3バルブ114とを備える。
【0003】
図8は、従来の流体供給集積ユニット100の側面図である。
図9は、従来の流体供給集積ユニット100の平面図である。
図8では、流路の説明のため、流路ブロック120を断面で記載している。
【0004】
図8及び
図9に示すように、流体供給ユニット110は、流路ブロック120の図中上側に位置する取付面121に、流体の流れ方向の上流側(図中左側)から下流側(図中右側)に向かって順番に、入力側配管継手31と、第1バルブ111と、第2バルブ112と、MFC113と、第3バルブ114と、出力側配管継手32が一列に並べて配置され、それぞれ2本のねじ141,141を用いて流路ブロック120に取り付けられている。
【0005】
図8に示すように、流路ブロック120の取付面121には、入力側配管継手31に接続する接続ポート61の図中左右方向の両側に、ねじ141,141を締結するためのネジ孔51,51が形成されている。そして、取付面121には、第1バルブ111の入力ポートに接続する接続ポート62と、第1バルブ111の出力ポートに接続する接続ポート62が開設され、ねじ141を締結するためのネジ孔52,52が開設されている。接続ポート61と接続ポート62は、U字流路171を介して連通している。U字流路171は、接続ポート61と接続ポート62との間に設けられたネジ孔51,52を迂回して、流路ブロック120の長手方向(図中左右方向)の軸線に沿って設けられている。尚、他の接続ポート64〜70、ネジ孔53〜56、U字流路172〜175も、接続ポート61〜63、ネジ孔51,52、U字流路171と同様に設けられている。
【0006】
流体供給集積ユニット100は、複数の流体供給ユニット110が、それぞれ、固定ねじ181,182を用いて取付パネル130に固定されている。各流体供給ユニット110は、出力側配管継手32が相互に結合され、共通配管185を形成する(例えば特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来技術には以下の問題があった。従来の流体供給ユニット110は、
図9に示すように、入力側配管継手31と、第1バルブ111と、第2バルブ112と、MFC113と、第3バルブ114と、出力側配管継手32を流路ブロック120に一列に並べて配置していた。そのため、流体供給ユニット110の全長L11が長くなってしまっていた。
【0009】
また、
図9に示すように、流路ブロック120の幅W11は、第1バルブ111、第2バルブ112、MFC113、第3バルブ114の幅W10と同程度、つまり、10mmにされていた。一方、入力側配管継手31の最大幅W12と出力側配管継手32の最大幅W13は、流路ブロック120の幅W11より大きい。そのため、流体供給ユニット110は、
図9の図中P11、P12に示すように、入力側配管継手31のナット部311が流路ブロック120の側方に張り出したり、
図9の図中P13,P14に示すように、出力側配管継手32の結合部322,323が流路ブロック120の側方に張り出したりしていた。このような流体供給ユニット110を集積する場合、隣り合う流体供給ユニット110の間に、入力側配管継手31と出力側配管継手32の取り合いスペースを確保しなければならなかった。しかも、入力側配管継手31は、スパナを使用して他の配管に接続するタイプが多く、スパナを使うためのスペースを確保する場合、ライン間のピッチが20mm以上必要であった。よって、従来の流体供給ユニット110を集積した場合、流体供給ユニット110の間に、第1バルブ111等の幅W10と同程度、つまり、10mm程度の無駄なスペースSができてしまっていた。
【0010】
流体供給ユニット110の全長や、集積時の無駄なスペースSは、流体供給集積ユニット100の設置面積に影響するので、できるだけ小さくすることが好ましい。
【0011】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、全長を短くすることができ、集積時にライン間に形成される無駄なスペースを抑制できる流体供給ユニット、流体供給集積ユニット、及び、流路ブロックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様は、次のような構成を有している。(1)複数の流体機器と、前記複数の流体機器が取り付けられる流路ブロックとを備える流体供給ユニットにおいて、前記複数の流体機器が、前記流路ブロックの取付面に、2列に並んで交互に取り付けられていること、前記流路ブロックは、1列目に配置される流体機器に連通する第1接続ポートと、1列目の列方向に対して前記第1接続ポートの両側に設けられ、前記流体機器を前記流路ブロックに取り付けるためのねじが締結される第1ネジ孔と、2列目に配置される流体機器に連通する第2接続ポートと、2列目の列方向に対して前記第2接続ポートの両側に設けられ、前記流体機器を前記流路ブロックに取り付けるためのねじが締結される第2ネジ孔と、前記第1接続ポートと前記第2接続ポートとを接続する接続流路と、を有すること、を特徴とする。
【0013】
上記構成の流体供給ユニットは、複数の流体機器を交互に列を変えて2列に並べて配置し、流路ブロックにネジ止めするので、複数の流体機器を一列に配置して流路ブロックにネジ止めする場合より、全長が短くなる。また、流体供給ユニットは、集積時に、流体機器が流路ブロックに取り付けられていないスペースを利用して取り合いスペースや作業スペースなどを確保できるので、流路ブロックを極力近づけて集積し、ライン間に形成される無駄なスペースを抑制できる。
【0014】
(2)(1)に記載する流体供給ユニットにおいて、前記第1接続ポートと前記第2接続ポートの配置が、列方向に沿ってずれていること、前記接続流路は、前記第1ネジ孔と前記第2ネジ孔を迂回してV字形に形成されていること、が好ましい。
【0015】
上記構成の流体供給ユニットは、V字形の接続流路をネジ孔を迂回しながらジグザグ状に形成するので、流路ブロックの全長を短くできる。また、流体供給ユニットは、例えばドリルを用いてV字形の接続流路を流路ブロックに形成するので、流路加工の手間を軽減できる。
【0016】
(3)(1)又は(2)に記載する流体供給ユニットにおいて、前記複数の流体機器は、配管継手と、バルブと、マスフローコントローラとを含むこと、が好ましい。
【0017】
上記構成の流体供給ユニットは、配管継手の幅がバルブやマスフローコントローラの幅より大きい場合でも、配管継手をバルブとMFCの少なくとも一方と列をずらして配置することにより、流路ブロック上に配管継手の取り合いスペースや作業スペースを確保できるので、ライン管に形成される無駄なスペースを抑制して集積することができる。
【0018】
(4)本発明の別態様は、(1)乃至(3)の何れか1つに記載する流体供給ユニットを複数個有することを特徴とする流体供給集積ユニットである。
【0019】
上記構成の流体供給集積ユニットは、全長が短く、集積時にライン間に無駄なスペースが形成されることを抑制できる流体供給ユニットを集積したものであるので、複数の流体機器を一列に並べて配置した流体供給ユニットを集積した場合より、設置面積を小さくすることができる。
【0020】
(5)(4)に記載する流体供給集積ユニットにおいて、前記複数の流体機器の一つが、先端部にナット部を備える配管継手であること、隣り合う流体供給ユニットに取り付けられる前記配管継手は、前記ナット部の高さが異なること、が好ましい。
【0021】
上記構成の流体供給集積ユニットは、流路ブロックを近接させて流体供給ユニットを集積した場合でも、各流体供給ユニットのナット部をスパナ等で回すスペースを確保することができる。
【0022】
(6)本発明の別態様は、更に、複数の流体機器が取付面に取り付けられる流路ブロックにおいて、前記複数の流体機器が、前記取付面に2列に並んで交互に取り付けられること、前記複数の流体機器を取り付けるねじが締結される複数のネジ孔と、1列目に配置される流体機器に連通する第1接続ポートと、2列目に配置される流体機器に連通する第2接続ポートと、前記第1接続ポートと前記第2接続ポートとを接続する接続流路と、を有すること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、全長を短くすることができ、集積時にライン間に形成される無駄なスペースを抑制できる流体供給ユニット、流体供給集積ユニット、及び、流路ブロックを実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明に係る流体供給ユニット、流体供給集積ユニット、及び、流路ブロックの実施形態について図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る流体供給ユニット10の斜視図である。
図2は、流体供給ユニット10の平面図である。
図3は、流体供給ユニット10の側面図である。
図4は、流路ブロック20の平面図である。
図5は、流体供給集積ユニット1の平面図である。
図6は、流体供給集積ユニット1の正面図である。
図1〜
図3に示す流体供給ユニット10、及び、
図5〜
図6に示す流体供給集積ユニット1は、
図7に記載する回路図を具体化したものである。
【0026】
(流体供給ユニットの構成)
図1に示すように、流体供給ユニット10は、流路ブロック20の図中上側に位置する取付面21に、入力側配管継手31と第1バルブ111と第2バルブ112とMFC113と第3バルブ114と出力側配管継手32が、2列に並んで交互に位置をずらして取り付けられ、千鳥配列で配置されている。入力側配管継手31と第1バルブ111と第2バルブ112とMFC113と第3バルブ114と出力側配管継手32は、「複数の流体機器」の一例である。
【0027】
第1バルブ111と第2バルブ112と第3バルブ114は、空気圧に応じて開閉するエアオペレイトバルブである。MFC113は、流体の流量を計測する。
【0028】
第1バルブ111と、第2バルブ112と、MFC113と、第3バルブ114は、それぞれ、流体の流れ方向である図中X方向に対して上流側(図中左側)と下流側(図中右側)に位置する部分に挿通されたねじ141を流路ブロック20に締結することにより、流路ブロック20に取り付けられている。このような第1バルブ111と、第2バルブ112と、MFC113と、第3バルブ114は、4隅がネジ止めされるものと比べ、幅W10が狭く、小型である。本形態では、幅W10は、10mmとする。
【0029】
図1に示すように、入力側配管継手31は、流路ブロック20に固定される固定部313と、流体を入力する管部312と、管部312の先端部に設けられたナット部311とを備える。固定部313は、幅W10と同程度の幅で設けられている。
図2に示すように、入力側配管継手31は、ナット部311の幅W12が幅W10より大きく、ナット部311が固定部313より側方に張り出している。
【0030】
図1に示すように、出力側配管継手32は、流路ブロック20に固定される固定部324と、流体を出力する管部321と、管部321の先端部に反対向きに設けられた一対の結合部322,323とを備える。固定部324は、幅W10と同程度の幅で設けられている。
図2に示すように、出力側配管継手32は、結合部322,323の幅W13が幅W10より大きく、結合部322,323が固定部324より側方に張り出している。
【0031】
図1に示すように、流路ブロック20は、例えば、SUSなどの腐食性の高い金属を直方体形状に形成したものである。
図2に示すように、図中上側の1列目に配置される入力側配管継手31、第2バルブ112、及び、第3バルブ114と、図中下側の2列目に配置される第1バルブ111、MFC113、及び、出力側配管継手32とは、上流側と下流側の機器同士で部分的に重なり合って配置されている。そのため、
図1に示す流路ブロック20の全長L1は、
図8に示すように、入力側配管継手31と第1バルブ111と第2バルブ112とMFC113と第3バルブ114と出力側配管継手32を一列に並べて取付面121に取り付けられる流路ブロック120の全長L11より、短くなっている。
【0032】
図1に示すように、流路ブロック20の幅W1は、第1バルブ111の幅W10の2倍以上2.1倍以下に設定され、1列目に配置される入力側配管継手31、第2バルブ112、及び、第3バルブ114と、2列目に配置される第1バルブ111、MFC113、及び、出力側配管継手32とが図中Y方向に近接して配置されている。本形態では、幅W1は、21mmとする。
【0033】
図4に示すように、流路ブロック20の取付面121には、複数の接続ポート61、62,63,64,65,66,67,68,69,70と、複数のネジ孔51,51,52,52,53,53,54,54,55,55,56,56が開設されている。接続ポート61,64,65,68,69は、「第1接続ポート」の一例であり、接続ポート62,63,66,67,70は、「第2接続ポート」の一例である。ネジ孔51,51,53,53,55,55は、「第1ネジ孔」の一例であり、ネジ孔52,52,54,54,56,56は、「第2ネジ孔」の一例である。
【0034】
図2に示すように、接続ポート61は、入力側配管継手31に連通する。接続ポート62は、第1バルブ111の入力ポートに連通し、接続ポート63は、第1バルブ111の出力ポートに連通する。接続ポート64は、第2バルブ112の入力ポートに連通し、接続ポート65は、第2バルブ112の出力ポートに連通する。接続ポート66は、MFC113の入力ポートに連通し、接続ポート67は、MFC113の出力ポートに連通する。接続ポート68は、第3バルブ114の入力ポートに連通し、接続ポート69は、第3バルブ114の出力ポートに連通する。接続ポート70は、出力側配管継手に連通する。
【0035】
接続ポート61,64,65,68,69は、図中上側の1列目に配置される入力側配管継手31と第2バルブ112と第3バルブ114の配列に従って、図中X方向に一列に並んで設けられている。接続ポート62,63,66,67,70は、図中下側の2列目に配置される第1バルブ111、MFC113、出力側配管継手32の配列に従って、図中X方向に一例に並んで設けられている。
【0036】
図4に示すように、流路ブロック20の取付面21は、図中上側の1列目の列方向(図中左右方向)に対して接続ポート61の両側となる位置に、入力側配管継手31を流路ブロック20に取り付けるためのねじ141,141が締結されるネジ孔51,51が開設されている。また、取付面21には、図中下側の2列目の列方向(図中左右方向)に対して接続ポート62,63の両側となる位置に、第1バルブ111を流路ブロック20に取り付けるためのねじ141,141が締結されるネジ孔52,52が開設されている。また、取付面21には、1列目の列方向に対して接続ポート64,65の両側となる位置に、第2バルブ112を流路ブロック20に取り付けるためのねじ141,141が締結されるネジ孔53,53が開設されている。また、取付面21には、2列目の列方向に対して接続ポート66,67の両側となる位置に、MFC113を流路ブロック20に取り付けるためのねじ141,141が締結されるネジ孔54,54が開設されている。また、取付面21には、1列目の列方向に対して接続ポート68,69の両側となる位置に、第3バルブ114を流路ブロック20に取り付けるためのねじ141,141が締結されるネジ孔55,55が開設されている。取付面21は、2列目の列方向に対して接続ポート70の両側となる位置に、出力側配管継手32を流路ブロック20に取り付けるためのねじ141,141が締結されるネジ孔56,56が開設されている。
【0037】
よって、
図4に示すように、流路ブロック20の取付面21は、接続ポート61,64,65,68,69とネジ孔51,51,53,53,55,55が一列に並んで設けられている。また、取付面21は、接続ポート62,63,66,67,70とネジ孔52,52,54,54,56,56が一列に並んで設けられている。
【0038】
流路ブロック20は、図中上側の1列目に沿って設けられた接続ポート61,64,65,68,69と、図中下側の2列目に沿って設けられた接続ポート62,63,66,67,70が、列方向(図中X方向)に沿って相互にずれて設けられている。そして、流路ブロック20は、1列目の接続ポート61,64,65,68,69の横(図中下側の位置)に、2列目のネジ孔52,52,54,54,56,56がそれぞれ設けられている。また、流路ブロック20は、2列目の接続ポート62,63,66,67,70の横(図中上側の位置)に、1列目のネジ孔51,51,53,53,55,55がそれぞれ設けられている。
【0039】
流路ブロック20は、接続ポート61〜70を連通させる接続流路71〜75が形成されている。接続流路71〜75は、ネジ孔51〜56を迂回して、V字形状に形成されている。
【0040】
すなわち、
図3及び
図4に示すように、流路ブロック20は、上流側斜め流路71aが、接続ポート61からネジ孔51とネジ孔52との間に向かって斜め下向きに形成されている。また、流路ブロック20は、下流側斜め流路71bが、接続ポート62からネジ孔51とネジ孔52との間に向かって斜め下向きに形成されている。上流側斜め流路71aと下流側斜め流路71bは、ネジ孔51とネジ孔52との間で連通し、接続ポート61と接続ポート62とを連通させるV字形の接続流路71を構成する。尚、これと同様にして、流路ブロック20は、上流側斜め流路72a,73a,74a,75aと下流側斜め流路72b,73b,74b,75bにより、V字形の接続流路72,73,74,75が形成されている。
【0041】
図4に示すように、接続流路71〜75は、流路ブロック20の流体が流れる方向(図中X方向)の軸線に対して斜めに形成され、ネジ孔51〜56の間を縫うようにジグザグ状に形成されている。よって、流路ブロック20は、
図8に示すように、流体が流れる方向の軸線に沿ってU字流路171〜175が形成された流路ブロック120と比べ、全長L1を短くできる。
【0042】
また、
図3及び
図4に示す接続流路71〜75は、例えば、上流側斜め流路71a〜75aと下流側斜め流路71b〜75bを流路ブロック20にドリルで形成することにより、設けられる。一方、
図8に示すU字流路171〜175は、例えば、貫通穴171a〜175a、171b〜175bをドリルで形成し、貫通孔171a〜175aと貫通孔171b〜175bをそれぞれ連通させるように連通凹部171c〜175cを切削等により開設し、蓋191,192を流路ブロック120に溶接して連通凹部171c〜175cを気密に塞ぐことにより、設けられる。よって、接続流路71〜75は、U字流路171〜175より手間をかけず、簡単に、流路ブロック20に形成できる。
【0043】
尚、
図3に示すように、流路ブロック20の長手方向両端には、ボルト181,182が貫き通される挿通穴23,24が形成されている。
【0044】
(流体供給集積ユニットの構成)
上記流体供給集積ユニット1は、例えば
図5及び
図6に示すように、複数の流体供給ユニット10A,10Bを集積したものである。
図5、
図6において、流体供給ユニット10A,10Bは構成が同じであるが、説明の便宜上、管部312の短い入力側配管継手31を備える流体供給ユニット10とその構成部品の符号に添え字「A」を付記し、管部312の長い入力側配管継手31を備える流体供給ユニット10とその構成部品の符号に添え字「B」を付記している。尚、以下の説明において、部品を区別する必要がない場合には、添え字「A」、「B」を適宜省略する。
【0045】
図5に示すように、流体供給ユニット10A,10Bは、それぞれ、隣り合う流路ブロック20A,20B同士を近接させるように配置され、ボルト181A,182A,181B,182Bを用いて取付パネル30に固定されている。流体供給ユニット10A,10Bは、出力側配管継手32Aの結合部322A,323Aと出力側配管継手32Bの結合部322B,323Bが溶接等により相互に結合され、共通配管185を形成する。共通配管185は、例えば、半導体製造装置の処理室に接続される。
【0046】
流体供給ユニット10の全長L1は、
図8に示す従来の流体供給ユニット110の全長L11より短い。そのため、
図5及び
図6に示す流体供給集積ユニット1は、取付パネル30のパネル面積を、例えば
図9に示す従来の流体供給集積ユニット100の取付パネル130のパネル面積より小さくして、流体供給集積ユニット100より設置面積を小さくできる。
【0047】
図5に示すように、流体供給ユニット10Aは、入力側配管継手31Aと第1バルブ111Aを千鳥配列で配置している。そのため、流体供給ユニット10Aは、入力側配管継手31Aの図中右側において流路ブロック20Aの上方が空いている。流体供給ユニット10Bも同様である。そのため、例えば、流体供給ユニット10Aは、図中P5に示すように、入力側配管継手31Aのナット部311Aが固定部313Aより図中右側に張り出す部分を流路ブロック20Aの上方に配置すると共に、図中P1に示すように、ナット部311Aが固定部313Aより図中左側に張り出す部分を、隣の流体供給ユニット10Bの流路ブロック20B上に配置できる。このように、隣り合う流体供給ユニット10Aは、流路ブロック20Aを隣の流体供給ユニット10Bの流路ブロック20Bに極力近づけて配置しても、流路ブロック20A,20B上に入力側配管継手31A,31Bの取り合いスペースを確保できるので、ライン間の無駄なスペースSxを省いたり、極力小さくしたりすることができる。尚、流体供給ユニット10Bも同様である。
【0048】
ここで、
図6に示すように、隣り合う流体供給ユニット10A,10Bは、入力側配管継手31Aの管部312Aが入力側配管継手31Bの管部312Bより短いため、入力側配管継手31Aの先端部に設けたナット部311Aが、入力側配管継手31Bの先端部に設けたナット部311Bより低い位置に配置されている。流体供給ユニット10A,10Bは、ナット部311A,311Bの高さ(
図1の図中Z方向における位置)が異なっている。管部312Bの外径は、ナット部311Bの外径より小さい。そのため、図中P6に示すように、流体供給ユニット10Aのナット部311Aは、隣の流体供給ユニット10Bの管部312Bとの間に、ナット部311Bの隣に配置される場合より広いスペースを確保できる。このスペースを利用して、ユーザは、ナット部311Aにスパナを装着し、ナット部311Aを回すことができる。一方、図中P2に示すように、流体供給ユニット10Bは、ナット部311Aより高い位置にあるナット部311Bの周りにスパナを用いるスペースが形成される。
【0049】
よって、流体供給ユニット10A,10Bは、
図8に示す流体供給集積ユニット100のようにライン間に無駄なスペースSを設けなくても、ナット部311A,311Bをスパナで回すのに必要なスペースを確保でき、流路ブロック20A,20Bを近接させるように配置して無駄なスペースSxを省いたり、極力小さくしたりすることができる。
【0050】
図5に示すように、例えば、流体供給ユニット10Bは、図中P4に示すように、固定部324Bより図中右側に張り出している結合部323Bは、図中右隣の流体供給ユニット10Aの流路ブロック20A上に配置され、出力側配管継手32Aの結合部322Aに結合される。また、流体供給ユニット10Bは、図中P3に示すように、固定部324Bより図中左側に張り出す結合部322Bが、流路ブロック20B上に配置されている。結合部322Bは、流路ブロック20の上方にて、図中左隣の流体供給ユニット10Aから流体供給ユニット10B側に張り出している結合部323Aに結合される。よって、流体供給ユニット10A,10Bは、出力側配管継手32の結合部322B,323Bを配置する取り合いスペースを流路ブロック20A,20Bの間に確保する必要がなく、ライン間に形成される無駄なスペースSxを省いたり、極力小さくしたりすることができる。
【0051】
(流体供給集積ユニットの動作説明)
流体供給集積ユニット1は、それぞれ、流体供給ユニット10の入力側配管継手31が各種ガスの供給源に接続される。第1バルブ111は、それぞれ、手動弁116に接続されている。手動弁116は、通常、弁開され、第1バルブ111を弁開させる。手動弁116は、例えばメンテナンス時に弁閉され、第1バルブ111を弁閉させる。
【0052】
流体供給集積ユニット1は、半導体製造装置の図示しない処理室に特定のガスを供給する場合、特定のガスの供給源に接続する流体供給ユニット10の第2バルブ112と第3バルブ114が弁開される。MFC113は、第2バルブ112から入力したガスの流量を目標値に一致させるように流量を制御する。流量制御された特定のガスは、出力側配管継手32から共通配管185に出力され、図示しない処理室に供給される。第2バルブ112と第3バルブ114は、特定のガスが図示しない処理室に所定量供給されると、弁閉される。
【0053】
(まとめ)
以上説明したように、本形態の流体供給ユニット10は、入力側配管継手31,第1バルブ111、第2バルブ112、MFC113、第3バルブ114、出力側配管継手32(以下、「複数の流体機器31,111,112,113,114,32」ともいう)と、複数の流体機器31,111,112,113,114,32が取り付けられる流路ブロック20とを備える流体供給ユニット10において、複数の流体機器31,111,112,113,114,32が、流路ブロック20の取付面21に、2列に並んで交互に取り付けられていること、流路ブロック20は、1列目に配置される入力側配管継手31、第2バルブ112、第3バルブ114に連通する接続ポート61,64,65,68,69(以下、「第1接続ポート61,64,65,68,69」ともいう)と、1列目の列方向に対して第1接続ポート61,64,65,68,69の両側に設けられ、入力側配管継手31、第2バルブ112、第3バルブ114を流路ブロック20に取り付けるためのねじ141が締結されるネジ孔51,51,53,53,55,55(以下「第1ネジ孔51,51,53,53,55,55」ともいう)と、2列目に配置される第1バルブ111、MFC113、出力側配管継手32に連通する接続ポート62,63,66,67,70(以下「第2接続ポート62,63,66,67,70」ともいう)と、2列目の列方向に対して第2接続ポート62,63,66,67,70の両側に設けられ、第1バルブ111、MFC113、出力側配管継手32を流路ブロック20に取り付けるためのねじ141が締結されるネジ孔52,52,54,54,56,56(以下「第2ネジ孔52,52,54,54,56,56」ともいう)と、第1接続ポート61,64,65,68,69と第2接続ポート62,63,66,67,70とを接続する接続流路71,72,73,74,75と、を有すること、を特徴とする。
【0054】
上記構成の流体供給ユニット10は、複数の流体機器31,111,112,113,114,32を交互に列を変えて2列に並べて配置し、流路ブロック20にネジ止めするので、複数の流体機器31,111,112,113,114,32を一列に配置して流路ブロック120にネジ止めする場合より全長が短くなる。また、流体供給ユニット10は、集積時に、流体機器31,111,112,113,114,32が流路ブロック20に取り付けられていないスペースを利用して取り合いスペースや作業スペースなどを確保できるので、流路ブロック20を極力近づけて集積し、ライン間に形成される無駄なスペースSxを抑制できる。
【0055】
また、本形態の流体供給ユニット10は、第1接続ポート61,64,65,68,69と第2接続ポート62,63,66,67,70の配置が、列方向に沿ってずれており、接続流路71〜75は、第1ネジ孔51,51,53,53,55,55と第2ネジ孔52,52,54,54,56,56を迂回してV字形に形成されている。
【0056】
上記構成の流体供給ユニット10は、V字形の接続流路71〜75をネジ孔51〜56の間を迂回しながらジグザグ状に形成するので、流路ブロック20の全長L1を短くできる。また、流体供給ユニット10は、例えばドリルを用いてV字形の接続流路71〜75を流路ブロック20に形成するので、流路加工の手間を軽減できる。
【0057】
また、本形態の流体供給ユニット10は、複数の流体機器31,111,112,113,114,32は、入力側配管継手31と、出力側配管継手32と、第1〜第3バルブ111,112,114と、MFC113とを含む。
【0058】
上記構成の流体供給ユニット10は、入力側配管継手31と出力側配管継手32の幅W12,W13が第1〜第3バルブ111,112,114やMFC113の幅W10より大きい場合でも、入力側配管継手31を第1バルブ111やMFC113と列をずらして配置したり、出力側配管継手32を第3バルブ114と列をずらして配置したりすることにより、流路ブロック20上に入力側配管継手31と出力側配管継手32の取り合いスペースや作業スペースを確保できる。よって、本形態の流体供給ユニット10によれば、ライン間に無駄なスペースSxを抑制して集積することができる。
【0059】
本形態の流体供給集積ユニット1は、流体供給ユニット10を複数個有することを特徴とする。
【0060】
上記構成の流体供給集積ユニット1は、全長が短く、集積時にライン間に無駄なスペースSxが形成されることを抑制できる流体供給ユニット10を集積したものであるので、複数の流体機器31,111,112,113,114,32を一列に並べて配置した従来の流体供給ユニット110を集積した場合より、設置面積を小さくすることができる。
【0061】
また、本形態の流体供給集積ユニット1において、複数の流体機器31,111,112,113,114,32の一つが、先端部にナット部311を備える入力側配管継手31であり、隣り合う流体供給ユニット10A,10Bに取り付けられる入力側配管継手31A,31Bは、ナット部311A,311Bの高さが異なる。
【0062】
このような流体供給集積ユニット1は、流体供給ユニット10A,10Bを近接して配置しても、各流体供給ユニット10A,10Bのナット部311A,311Bをスパナ等で回すスペースを確保することができる。
【0063】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、色々な応用が可能である。
【0064】
例えば
図10に示す流体供給ユニット210のように、接続ポート61〜70をX方向に対して直角に設けた接続流路76〜80により接続しても良い。すなわち、流路ブロック200は、入力側配管継手31と第1バルブ111xと第2バルブ112xとMFC113と第3バルブ114xと出力側配管継手32が取付面200aに2列に並んで配置され、ねじ141をネジ孔51に締結することにより、取付面200aに固定されている。
図10及び
図11に示すように、流路ブロック200は、接続ポート61〜70がX方向に対して直交するY方向に並んで設けられ、接続ポート61〜70を接続する接続流路76〜80がY方向に沿ってV字形に形成されている。但し、
図2に示す流路ブロック20のように、接続流路71〜75がX方向に対して斜めに形成される場合、第1〜第3バルブ111,112,114は、
図9に示す第1〜第3バルブ111x,112x,114xより、入力ポートと出力ポートとの間隔が狭く、X方向の面間寸法が小さい。そのため、
図2に示す流路ブロック20は、
図9に示す流路ブロック200よりX方向の全長L1が短くなり、
図2に示す流体供給ユニット10は、
図9に示す流体供給ユニット210より設置面積が小さくなる。その結果、流体供給ユニット10を集積した流体供給集積ユニット1は、流体供給ユニット210を集積した流体供給集積ユニットより設置面積を小さくできる。
【0065】
流路ブロック20に取り付けられる機器の種類や数は、上記形態に限定されない。
【0066】
上記流体供給ユニット10、流体供給集積ユニット1、及び、流路ブロック20は、半導体製造装置以外の装置に用いても良い。また、流体は、ガスだけなく、薬液等の液体であっても良い。
【0067】
流路ブロック20は、樹脂など、金属以外の材料で形成されても良い。
【0068】
接続流路71〜75は、V字形状に限定されず、U字形などに形成しても良い。但し、接続流路71〜75をV字形に形成することにより、流路の長さを短くしたり、流路加工の手間を軽減したりすることができる。