特許第6979042号(P6979042)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6979042
(24)【登録日】2021年11月16日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】入札装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/08 20120101AFI20211125BHJP
【FI】
   G06Q30/08
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-6973(P2019-6973)
(22)【出願日】2019年1月18日
(65)【公開番号】特開2020-119010(P2020-119010A)
(43)【公開日】2020年8月6日
【審査請求日】2020年12月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】304054334
【氏名又は名称】株式会社リバイバルドラッグ
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】特許業務法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蒲谷 亘
(72)【発明者】
【氏名】増田 信也
【審査官】 田中 寛人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−163489(JP,A)
【文献】 特開2002−117305(JP,A)
【文献】 特開2001−338177(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0150237(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が使用する端末装置からネットワークを介して入札を受け付ける入札装置であって、
一定期間内に使用可能な所定のポイント数のポイントを保有ポイントとして前記利用者に付与する付与手段と、
前記ネットワークを介してアクセスされた前記端末装置に複数の購入対象を含む入札画面を提示する提示手段と、
入札期間内に、前記端末装置から前記入札画面に含まれる前記複数の購入対象のうち選択された前記購入対象及び当該購入対象に対して入力されたポイント数を入札ポイントとして受け付ける受付手段と、
前記入札期間の終了時に、前記入札ポイントに基づいて前記選択された購入対象の落札者を決定する決定手段と、
前記利用者間の競合により前記落札者となった利用者に対しては当該利用者の前記保有ポイントから前記入札ポイントを減算し、落札できなかった前記利用者、及び前記競合なしに前記落札者となった利用者に対しては前記入札ポイントの全部又は一部を当該利用者の前記保有ポイントに戻す処理を行うポイント処理手段と、
前記落札者に対して前記購入対象の購入費の決済処理を前記ポイントの処理とは別に行う決済手段と、を備えた入札装置。
【請求項2】
前記受付手段は、入力された前記購入対象及び前記入札ポイントを前記入札期間は他の利用者に知られないようにする、
請求項1に記載の入札装置。
【請求項3】
前記提示手段は、前記入札画面が識別情報が同一のN個の購入対象を含む場合、前記N個の購入対象のそれぞれに対して異なるポイント数を入力可能な前記入札画面を提示する、請求項1又は2に記載の入札装置。
【請求項4】
前記決定手段は、最高入札ポイント数で入札した利用者を前記落札者として決定し、前記入札画面が前記識別情報が同一のN個の購入対象を含む場合、前記入札ポイントのポイント数の高い利用者からN番目までの利用者を前記購入対象の落札者として決定する、
請求項3に記載の入札装置。
【請求項5】
利用者が使用する端末装置からネットワークを介して入札を受け付けるコンピュータを、
一定期間内に使用可能な所定のポイント数のポイントを保有ポイントとして前記利用者に付与する付与手段と、
前記ネットワークを介してアクセスされた前記端末装置に複数の購入対象を含む入札画面を提示する提示手段と、
入札期間内に、前記端末装置から前記入札画面に含まれる前記複数の購入対象のうち選択された前記購入対象及び当該購入対象に対して入力されたポイント数を入札ポイントとして受け付ける受付手段と、
前記入札期間の終了時に、前記入札ポイントに基づいて前記選択された購入対象の落札者を決定する決定手段と、
前記利用者間の競合により前記落札者となった利用者に対しては当該利用者の前記保有ポイントから前記入札ポイントを減算し、落札できなかった前記利用者、及び前記競合なしに前記落札者となった利用者に対しては前記入札ポイントの全部又は一部を当該利用者の前記保有ポイントに戻す処理を行うポイント処理手段と、
前記落札者に対して前記購入対象の購入費の決済処理を前記ポイントの処理とは別に行う決済手段、
として機能させるためのプログラム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入札装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オークション方式で入札を行い、入札に成功した人がコンテンツをダウンロードすることによりコンテンツを配布するようにしたコンテンツ配布システム及びサーバが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載されたコンテンツ配布システムは、インターネットに接続されたサーバと、端末とを含み、サーバに登録されたコンテンツをインターネットを介して端末に配布するコンテンツ配布システムにおいて、配布を希望するユーザは、端末を介して個人情報を入力して会員登録をし、サーバは、その会員登録をしたユーザに対して所定数のポイントを発行し、ユーザは、発行を受けたポイントを使用し、コンテンツの配布を受けるようにしたものである。
【0004】
このコンテンツ配布システムでは、ポイントをコンテンツと交換可能なものとしており、入札期間中に入札されたポイントが最低入札ポイント以上の場合、出品部数をNとすると、入札ポイントの高い人からN番目までの人を落札者として決定し、落札者にコンテンツを配布する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−117305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
購入対象の購入者を決める方法としては、最高入札値(金額、ポイント数を含む。)で決める方法や、早い順、抽選等があるが、最高入札値では購入対象の本来の価値以上に値が釣り上がってしまい、早い順では公平に欠け、抽選では運に左右されるため、いずれの方法も負けた者が納得を得られ難い。
【0007】
そこで、本発明の目的は、入札に負けた利用者が既存の入札方法よりも納得感が得られやすい入札装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するため、利用者が使用する端末装置からネットワークを介して入札を受け付ける入札装置であって、
一定期間内に使用可能な所定のポイント数のポイントを保有ポイントとして前記利用者に付与する付与手段と、
前記ネットワークを介してアクセスされた前記端末装置に複数の購入対象を含む入札画面を提示する提示手段と、
入札期間内に、前記端末装置から前記入札画面に含まれる前記複数の購入対象のうち選択された前記購入対象及び当該購入対象に対して入力されたポイント数を入札ポイントとして受け付ける受付手段と、
前記入札期間の終了時に、前記入札ポイントに基づいて前記選択された購入対象の落札者を決定する決定手段と、
前記利用者間の競合により前記落札者となった利用者に対しては当該利用者の前記保有ポイントから前記入札ポイントを減算し、落札できなかった前記利用者、及び前記競合なしに前記落札者となった利用者に対しては前記入札ポイントの全部又は一部を当該利用者の前記保有ポイントに戻す処理を行うポイント処理手段と、
前記落札者に対して前記購入対象の購入費の決済処理を前記ポイントの処理とは別に行う決済手段と、を備えた入札装置を提供する。
【0009】
また、本発明は、上記目的を達成するため、利用者が使用する端末装置からネットワークを介して入札を受け付けるコンピュータを、
一定期間内に使用可能な所定のポイント数のポイントを保有ポイントとして前記利用者に付与する付与手段と、
前記ネットワークを介してアクセスされた前記端末装置に複数の購入対象を含む入札画面を提示する提示手段と、
入札期間内に、前記端末装置から前記入札画面に含まれる前記複数の購入対象のうち選択された前記購入対象及び当該購入対象に対して入力されたポイント数を入札ポイントとして受け付ける受付手段と、
前記入札期間の終了時に、前記入札ポイントに基づいて前記選択された購入対象の落札者を決定する決定手段と、
前記利用者間の競合により前記落札者となった利用者に対しては当該利用者の前記保有ポイントから前記入札ポイントを減算し、落札できなかった前記利用者、及び前記競合なしに前記落札者となった利用者に対しては前記入札ポイントの全部又は一部を当該利用者の前記保有ポイントに戻す処理を行うポイント処理手段と、
前記落札者に対して前記購入対象の購入費の決済処理を前記ポイントの処理とは別に行う決済手段、として機能させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、入札に負けた利用者が既存の入札方法よりも納得感が得られやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る入札システムの概略の構成例を示す図である。
図2図2は、会員テーブルの一例を示す図である。
図3図3は、入札画面の一例を示す図である。
図4図4は、入札管理テーブルの一例を示す図である。
図5図5は、サーバ装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、入札画面の変形例を示す図である。
図7図7は、図6に示す入札画面に対応する落札者決定テーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図中、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付してその重複した説明を省略する。
【0013】
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係る入札システムの概略の構成例を示す図である。この入札システム100は、会員にポイントを用いた入札の機会を与えるサーバ装置1と、会員が使用する複数の端末装置7とを備える。サーバ装置1は、入札装置の一例である。会員は、利用者の一例である。
【0014】
本実施の形態で用いるポイントは、入札時に使用できるが、決済に使用できないものである。すなわち、ポイント数は落札への期待値を表すものとして使用される。
【0015】
サーバ装置1と複数の端末装置7とは、ネットワーク8を介して接続可能に構成されている。ネットワーク8は、有線通信、無線通信等によりデータの送受信を行うインターネット等の通信網である。
【0016】
(サーバ装置の構成)
サーバ装置1は、本装置1の各部を制御する制御部2と、各種の情報を記憶する記憶部3と、液晶ディスプレイ等で実現される表示部4と、キーボード、マウス等で実現される入力部5と、ネットワーク8を介して端末装置7、決済用サーバ装置等の外部装置と通信を行う通信部6とを有して概略構成されている。
【0017】
制御部2は、CPU(Central Processing Unit)、インターフェース等によって構成され、プログラム30を実行することにより、会員登録手段20、入札画面作成手段21、入札受付手段22、ポイント処理手段23、落札者決定手段24、決済処理手段25等として機能する。これらの手段20〜25については後述する。会員登録手段20は、付与手段の一例である。入札画面作成手段21は、提示手段の一例である。入札受付手段22は、受付手段の一例である。
【0018】
記憶部3は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク等から構成され、プログラム30、会員テーブル31(図2参照)、入札画面32(図3参照)、入札管理テーブル33(図4参照)等の各種の情報を記憶する。
【0019】
(端末装置の構成)
端末装置7は、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、カメラ付き携帯電話機、多機能携帯電話機(スマートフォン)等を用いることができる。端末装置7は、液晶ディスプレイ等で実現される表示部と、キーボード、マウス等で実現される入力部と、サーバ装置1とネットワーク8を介して通信を行う通信部とを備えて構成されている。
【0020】
図2は、会員テーブル31の一例を示す図である。会員テーブル31は、会員ID、氏名、パスワード、メールアドレス、保有ポイント、有効期間等の複数の項目を有する。会員IDには、会員を識別する会員IDが記録される。氏名には、会員の氏名が記録される。パスワードには、会員のパスワードが記録される。メールアドレスには、端末装置7、携帯電話機等のメールアドレスが記録される。保有ポイントには、入会時に予め定められたポイント数(例えば、1000ポイント)が記録され、その後は会員が保有しているポイント数が記録される。有効期間には、保有ポイントを使用可能な期間、例えば入会した日から一定の期間(例えば、1年間)が記録される。なお、有効期間は、例えば、最後に使った時期(例えば、月、月日等)から一定の期間(例えば、2年間)としてもよい。入会時に入会金が有料でも無料でもよい。
【0021】
図3は、端末装置7の表示部に表示される入札画面32の一例を示す図である。入札画面32は、入札番号を表示する入札番号表示領域320、入札期間を表示する入札期間表示領域321と、入札内容を表示する入札内容表示領域322と、会員が保有する保有ポイントを表示する保有ポイント表示領域323とを含む。入札番号は、入札イベントを一義的に識別するものであり、入札イベント作成時に付与される。入札画面32は、購入対象識別情報が同一のN個の購入対象を含む場合、N個の購入対象のそれぞれに対して異なるポイント数を入力可能になっている。
【0022】
入札内容表示領域322は、管理番号、購入対象識別情報、購入対象詳細情報、価格、入札ポイント数等の複数の項目を有する。管理番号には、個々の購入対象を管理するための番号が記録される。購入対象識別情報及び購入対象詳細情報が同一(以下「同種」ともいう。)の購入対象については、同一の管理番号が付与される。なお、同種のものに対して異なる管理番号や同一の管理番号+枝番(例えば、3−1、3−2等)を付けてもよい。購入対象識別情報には、購入対象を識別する名称や型式等の識別情報が記録される。購入対象詳細情報には、購入対象に関する詳細な情報、例えば、メーカ、中古の場合は使用回数、購入対象の外観等を示す画像等が記録される。価格には、購入対象の価格が記録される。入札ポイント数には、ユーザが入力部を操作して入力されたポイント数が記録される。購入対象には、自動車、著作物、催し物のチケット、豪華寝台列車の乗車券等の物、宿泊施設の予約、時間貸し駐車場等のサービス、権利等が含まれる。購入対象は、包装形態、包装単位等の様々な形態を有するものでもよい。このような様々な形態を有するものとして、例えば薬剤の場合、例えば、購入対象識別情報に品名(例えば、○○錠5mg、○○錠10mg等)が記録され、購入対象詳細情報に包装形態(PTP(press through pack)包装シート、個装箱等)、包装単位(10錠シート、14錠シート、10錠シート×10枚等)、サイズ等が記録されてもよい。
【0023】
例えば、保有ポイント表示領域323に1000ポイントが表示されている場合に、管理番号が「1」の入札ポイント数の欄に50ポイントを入力すると、ポイント処理手段23によって保有ポイントの1000ポイントから50ポイントが減算された後の950ポイントが保有ポイント表示領域323に表示される。
【0024】
図4は、入札管理テーブル33の一例を示す図である。入札管理テーブル33は、図3の入札画面32と同様に、入札番号を表示する入札番号表示領域330と、入札期間を表示する入札期間表示領域331と、入札内容を表示する入札内容表示領域332とを含む。
【0025】
入札内容表示領域332は、図3と同様に、管理番号、購入対象識別情報、購入対象詳細情報、価格の項目を有し、さらに入札ポイント数、落札ポイント、個数等の項目を有する。入札ポイント数の欄には、会員により端末装置7の入力部を操作して入力されたポイント数と会員IDが記録される。落札ポイントの欄には、入札期間が過ぎた時点で落札者が決定された落札ポイント及び落札者の会員IDが記録される。
【0026】
次に、制御部2の各手段20〜25について説明する。
【0027】
会員登録手段20は、端末装置7から送信されたユーザ情報に会員登録に必要な情報(例えば、氏名、メールアドレス等)が含まれている場合は、会員登録する。すなわち、会員登録手段20は、会員IDを生成し、一定期間(例えば、1年)内に入札時に使用可能で決済に使用できない所定のポイント数(例えば、1000ポイント)のポイントを保有ポイントとして当該会員に付与する。また、会員登録手段20は、会員ID、保有ポイント及び有効期間を会員テーブル31に記録する。なお、会員登録手段20は、サーバ装置1が開設するサイトに会員がアクセスするごとに当該会員に所定のポイント数を付与してもよい。また、会員登録手段20は、会員からポイントの増加の要求があった場合、ポイント購入額に応じたポイント数を当該会員の保有ポイントに追加してもよい。また、購入対象を入札用に提供した会員に所定のポイント数(例えば、購入対象の価格に応じたポイント数)を付与してもよい。
【0028】
入札画面作成手段21は、主催者が入札期間及び入札する購入対象を決めて入札イベントを作成する。入札画面作成手段21は、作成した入札イベントに入札番号を付与し、入札画面32及び入札管理テーブル33を作成し、入札画面32及び入札管理テーブル33を記憶部3に記憶する。入札画面作成手段21は、端末装置7からネットワーク8を介してアクセスされると、会員テーブル31から当該会員が保有する保有ポイントを取得し、記憶部3に記憶された入札画面32の保有ポイント表示領域323に保有ポイントを書き込み、入札画面32を端末装置7に提示する。
【0029】
なお、本実施の形態では、どの購入対象を入札画面32に含めるかは、入札の機会を与える側(主催者)が決めているが、購入対象を提案する者が決めてもよい。また、最低入札ポイントを入札画面32を用意する側(主催者)、又は購入対象を提案する者が決めてもよい。
【0030】
入札受付手段22は、端末装置7から予め定められた期間内に、入札画面32に含まれる複数の購入対象のうち選択された購入対象、及び選択した当該購入対象に対して入力された落札への期待値を示すポイント数を、購入対象が選択されたこと及び入力された当該ポイント数を受付後も他の会員に知られないように、受け付ける。また、入札受付手段22は、入札ポイント数及び会員IDを入札管理テーブル33に記録する。なお、入札したポイント数は、入札期間中なら会員の操作により変更できるようにしてもよい。
【0031】
ポイント処理手段23は、入札した会員が保有する保有ポイントから入札に使用された入札ポイント数を減算して保有ポイントを算出する。ポイント処理手段23は、算出後の保有ポイントで会員テーブル31の保有ポイントを更新する。
【0032】
また、ポイント処理手段23は、利用者間の競合により落札者となった利用者に対しては、当該会員が保有する保有ポイントから入札ポイント数を減算する。ポイント処理手段23は、落札できなかった利用者、及び競合なしに落札者となった利用者に対しては入札ポイント数を当該利用者の保有ポイントに戻す処理を行う。ここで、「利用者間の競合」とは、同種の購入対象の数をn(n≧1)、その購入対象の購入を希望する利用者の数をm(m≧1)としたとき、n<mの場合をいう。n≧mの場合は、競合なしの場合となる。例えば、1個の購入対象に対して1人の利用者しか入札しなかった場合は、その1人の利用者は競合なしに落札者となった利用者である。また、3個の購入対象に対して1人、2人又は3人の利用者が入札した場合、その入札した利用者は競合なしに落札者となった利用者である。
【0033】
落札者決定手段24は、入札期間の終了時に、入札ポイント数に基づいて選択された購入対象の落札者を決定する。具体的には、落札者決定手段24は、最高入札ポイント数で入札した会員を落札者と決定する。なお、最高入札ポイント数が複数人いた場合はそれらの間で再度入札を行ってもよい。
【0034】
また、落札者決定手段24は、落札者を決定後に落札した入札ポイントを落札ポイントとし、落札ポイントを落札者及び他の会員のうち主催者により指定された会員に開示してもよい。主催者は例えば開示要求が事前に全ての入札者からあった場合は全ての入札者に開示してもよい。また、主催者が必要と判断した会員を開示相手として指定してもよい。必要と判断した場合としては、例えば、全ての入札者に開示することで落札者が公平で不利益を受けないこと、次回以降の入札に影響を与えないことや落札したポイント数の整合性の確認をすること等が考えられる。
【0035】
決済処理手段25は、落札者に対し購入対象の購入費の決済処理をポイントとは別に行う。決済処理手段25は、例えば、決済用サーバ装置にアクセスし、落札者の預金口座から購入対象の購入費の引き落とす処理を行う。
【0036】
(実施の形態の動作)
次に、入札システム100の動作の一例を説明する。図5は、サーバ装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0037】
(1)会員登録
ユーザは、端末装置7を操作して会員登録に必要なユーザ情報をネットワーク8を介してサーバ装置1に送信する。ユーザ情報には、氏名、パスワード、メールアドレス等が含まれる。
【0038】
サーバ装置1は、端末装置7から送信されたユーザ情報を通信部6を介して受信すると、会員登録手段20は、ユーザ情報に会員登録に必要な情報が含まれているか否かを判断し、含まれていると判断すると、会員登録する。すなわち、会員登録手段20は、会員IDを生成し、当該会員に対して所定のポイント数(例えば、1000ポイント)を付与する。また、会員登録手段20は、会員ID、付与したポイント数、及び有効期間を会員テーブル31に記録する。
【0039】
(2)入札の開始
入札画面作成手段21は、入札期間及び入札する購入対象を決めて入札イベントを作成する(S1)。入札画面作成手段21は、作成した入札イベントに入札番号を付与し、入札画面32及び入札管理テーブル33を作成し、入札画面32及び入札管理テーブル33を記憶部3に記憶する。
【0040】
入札受付手段22は、端末装置7からネットワーク8を介して会員ID及びパスワードとともに入札要求があると(S2)、端末装置7から送信された会員ID及びパスワードが会員テーブル31に登録されているか否かを判断する(S3)。
【0041】
会員テーブル31に登録されている場合には(S3:Yes)、入札受付手段22は、現在が入札期間内か否かを判断する(S4)。入札受付手段22は、現在が入札期間内である場合は(S4:Yes)、会員テーブル31から当該会員が保有する保有ポイントを取得し、取得した保有ポイントを含む入札画面32を生成して端末装置7に提示する(S5)。
【0042】
端末装置7は、サーバ装置1から送信された入札画面32を表示部に表示する。入札画面32の保有ポイント表示領域323には、自己が保有する保有ポイントが表示されているため、会員は自己が保有する保有ポイントを考慮して購入対象を決め、入力するポイント数を決める。
【0043】
入札画面32に対して端末装置7の入力部の操作によりポイント数が入力されると、入札受付手段22は、ポイント数が入力された購入対象に対して入札を受け付ける(S6)。入札受付手段22は、入札管理テーブル33に入力されたポイント数及び会員IDを記憶する。
【0044】
ポイント処理手段23は、入札した会員が保有する保有ポイントから入札に使用されたポイント数を減算して保有ポイントを算出する。ポイント処理手段23は、会員テーブル31の保有ポイントを更新する。
【0045】
入札受付手段22は、入札画面32の保有ポイント表示領域323の保有ポイントをポイント処理手段23により算出されたポイント数に書き替える。
【0046】
入札期間が終了したか否かを判断する(S7)。入札期間が終了していなければ(S7:No)、上記ステップS2に戻り、上記ステップS2乃至S6の処理を繰り返す。
【0047】
入札期間が終了すると(S7:Yes)、落札者決定手段24は、落札者を決定する(S8)。落札者決定手段24は、会員テーブル31に記録されているメールアドレスに落札したことを通知する。
【0048】
決済処理手段25は、落札者決定手段24により決定された落札者に対して決済処理を行う(S9)。
【0049】
ポイント処理手段23は、落札できなかった会員に対して入札ポイント数を戻すポイント返却処理を行う(S10)。すなわち、ポイント処理手段23は、会員テーブル31の保有ポイント欄のポイント数に入札ポイント数を加算して更新する。
【0050】
上記ステップS3において、ユーザが登録された会員でないと判断された場合(S3:No)、又は上記ステップS4において、入札期間内でない場合(S4:No)、入札受付手段22は、端末装置7の表示部に対してエラー表示を行う(S11)。
【0051】
(本実施の形態の作用、効果)
本実施の形態によれば、以下の作用、効果を奏する。
(1)既存の入札方法と比べて、入札に勝った利用者はポイントを没収されるが希望の購入対象が購入できることで満足感を得ることができ、入札に負けた利用者は入札時に使用したポイントが返却される事と自己の判断で入札をするために負けても納得感を得ることができる。
(2)購入対象の購入費用が入札によって変動しないため、購入対象の本来の価値で取り引きすることができる。
(3)入札画面32が購入対象識別情報が同一のN個の購入対象を含む場合、N個全ての購入を希望するか、一部の購入を希望するかに応じて入札することができる。また、入札画面32が購入対象識別情報が同一のN個の購入対象を含む場合、最低1つでも購入対象を購入したいときには、1つの購入対象に多くのポイント数を入力し、他の購入対象には少ないポイント数を入力するというように、自分の意思で入力するポイント数に差を設けて入札することができる。このため、落札しても不満が残ることは少ない。
(4)競合なしに落札した場合は、競合したときのように入札システムを活用していないことから落札者にポイントが戻される。このため、落札者は納得感を得ることができる。なお、入札システムを全く活用していない訳ではないので、入札ポイント数に対して一定の割合(例えば、80%等)のポイント数、又は一定の数(例えば、競合なしに落札した購入対象の数に応じたポイント数)を入札ポイント数から引いたポイント数を戻してもよい。
【0052】
(変形例1)
入札画面32は、入札に参加が可能な最低ポイント数を示す最低入札ポイントを含み、入札受付手段22は、最低入札ポイントよりも低い入札ポイントは受け付けないとしてもよい。
【0053】
(変形例2)
図6は、入札画面32の変形例を示す図である。図6に示すように、入札画面32が同種の購入対象に対して個数の項目を設けてもよい。この場合は、同種の購入対象の数をNとすると、入札ポイント数の高い人からN番目までの人(同一の人を含む。)を落札者として決定してもよい。ポイント数に差を設けて入力する場合は、例えば、管理番号が「3」、購入対象識別情報が「AABB」、個数が「3」の「入札ポイント数」欄に「1個に100、残りに10」や「1個に100、1個に10」(残りの1個はポイント数0の意味)のように購入を希望する数及びポイント数が分かるように入力してもよい。ポイント数に差を設けない場合は、例えば、管理番号が「4」、購入対象識別情報が「CCAA」、個数が「10」の「入札ポイント数」欄に「それぞれに70」や「それぞれに20」のように1個に対するポイント数が分かるように入力してもよい。
【0054】
図7は、図6に示す入札画面32に対応する落札者決定テーブルの一例を示す図である。図6に示す管理番号が「3」、購入対象識別情報が「AABB」、個数が3個に対して入札者が3人いた場合について説明する。落札者決定手段24は、例えば、次のように落札者を決定してもよい。
【0055】
まず、落札者決定手段24は、購入対象の個数に対応する行数の落札者決定テーブル333を作成する。購入対象には、購入対象番号に1、2、3、・・・のように割り当てる。個数が3の場合、購入対象番号は1から3までとなる。会員が入力したポイント数を大きい順に落札者決定テーブル333に記録する。会員ID(0001)の会員が1個に100、残りに10のポイント数を入力し、会員ID(0003)の会員がそれぞれに80のポイント数を入力し、会員ID(0010)の会員が1個に70、1個に60、1個に50のポイント数を入力した場合、図7に示すようにポイント数を記録し、各購入対象番号ごとに最高入札ポイント数を入力した会員を落札者として決定する。同図に示す場合は、落札者は会員ID(0001)、(0003)、(0003)となる。
【0056】
ポイント処理手段23は、会員ID(0001)の保有ポイントから100ポイントを減算し、20ポイントを戻し、会員ID(0003)の保有ポイントから160ポイントを減算し、80ポイントを戻し、会員I(0010)に180ポイントを戻す。なお、落札者の決定方法やポイントを戻す方法は、上記に限られない。
【0057】
[他の実施の形態]
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の実施の形態は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内で種々の変形、実施が可能である。上記実施の形態では、入札できる利用者を会員としたが、何らかのユーザ情報を登録したユーザでもよい。また、上記実施の形態では、保有ポイントを入会時から1年間使用可能としたが、1年後に会員を継続すれば、再び保有ポイントを付与してもよい。また、会員の入会時によらず、ある時期から一定の期間使用できるポイントを会員に付与してもよい。
【0058】
制御部2の各手段は、それぞれ一部又は全部を再構成可能回路(FPGA:Field Programmable Gate Array)、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)等のハードウエア回路によって構成してもよい。
【0059】
また、本発明の要旨を変更しない範囲内で、上記実施の形態の構成要素の一部を省くことや変更することが可能である。また、本発明の要旨を変更しない範囲内で、上記実施の形態のフローにおいて、ステップの追加、削除、変更、入替え等が可能である。また、上記実施の形態で用いたプログラムをCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して提供することができる。また、上記実施の形態で用いたプログラムをクラウドサーバ等の外部サーバに格納しておき、ネットワークを介して利用することができる。
【符号の説明】
【0060】
1…サーバ装置、2…制御部、3…記憶部、4…表示部、5…入力部、6…通信部、7…端末装置、8…ネットワーク、20…会員登録手段、21…入札画面作成手段、22…入札受付手段、23…ポイント処理手段、24…落札者決定手段、25…決済処理手段、30…プログラム、31…会員テーブル、32…入札画面、33…入札管理テーブル、100…入札システム、320…入札番号表示領域、321…入札期間表示領域、322…入札内容表示領域、323…保有ポイント表示領域、330…入札番号表示領域、331…入札期間表示領域、332…入札内容表示領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7