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特許6979050予測的確認応答フィードバックメカニズム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6979050
(24)【登録日】2021年11月16日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】予測的確認応答フィードバックメカニズム
(51)【国際特許分類】
   H04L 1/00 20060101AFI20211125BHJP
   H04L 1/16 20060101ALI20211125BHJP
【FI】
   H04L1/00 A
   H04L1/16
【請求項の数】8
【外国語出願】
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-146717(P2019-146717)
(22)【出願日】2019年8月8日
(62)【分割の表示】特願2018-526588(P2018-526588)の分割
【原出願日】2016年2月26日
(65)【公開番号】特開2019-216455(P2019-216455A)
(43)【公開日】2019年12月19日
【審査請求日】2019年8月28日
(31)【優先権主張番号】62/261,544
(32)【優先日】2015年12月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100161399
【弁理士】
【氏名又は名称】大戸 隆広
(72)【発明者】
【氏名】ウェルネル, カルル
(72)【発明者】
【氏名】バルデメア, ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】ビェルケグレン, ホーカン
(72)【発明者】
【氏名】ダールマン, エリク
(72)【発明者】
【氏名】パルクバル, ステファン
【審査官】 阿部 弘
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−520388(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/149862(WO,A1)
【文献】 特開2012−054932(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02645611(EP,A1)
【文献】 国際公開第02/065734(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/124333(WO,A1)
【文献】 特表2015−521416(JP,A)
【文献】 特開2007−043550(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第103546248(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 1/00
H04L 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1通信ノード(10;110;220)との確認応答が行われる接続について適合された第2通信ノード(20;120;240)であって、
前記第1通信ノードへ送信されるコードブロックを一時記憶するためのバッファ(21)と、
前記第1通信ノードへ前記コードブロックのストリームを送信するように構成された送信機(22)であって、前記コードブロックは既定のグループにグループ化される、送信機(22)と、
受信機(23)であって、
−送信したコードブロックの前記既定のグループのうちの1つに関する確認応答を前記第1通信ノードから受信することと、
−負の値が付された確認応答に応じて、送信したコードブロックの前記既定のグループの再送を行わせることと、を行うように構成された受信機と、を備え、
前記送信機は、送信と確認応答フィードバックとの間のタイミング関係に関する指標を送信するようにさらに構成され、前記指標は、トランスポートブロックの受信後に前記第1通信ノードが自身の発意で確認応答を送信する期間の長さを示す、第2通信ノード。
【請求項2】
請求項1に記載の第2通信ノードであって、前記指標は、コードブロックの既定のグループの完全な送信と、コードブロックの前記既定のグループに関する確認応答の受信との間の許容間隔を示す、第2通信ノード。
【請求項3】
請求項1に記載の第2通信ノードであって、前記指標は、2つ以上の既定の確認応答フィードバックタイミングモードから選択される確認応答フィードバックタイミングモードを示す、第2通信ノード。
【請求項4】
請求項3に記載の第2通信ノードであって、前記確認応答フィードバックタイミングモードは、
前記第1通信ノードが、コードブロックの既定のグループの受信後に、比較的短い期間内に確認応答を自身の発意で送信することになることと、
前記第1通信ノードが、コードブロックの既定のグループの受信後に、比較的長い期間内に確認応答を自身の発意で送信することになることと、
前記第1通信ノードが、前記第2通信ノードによる明示的なリクエストに応じてのみ、確認応答を送信することになることと、のうちの2つ以上を含む、第2通信ノード。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の第2通信ノードであって、前記受信機は、コードブロックの同じ既定のグループについて2つの確認応答を受信するようにさらに構成され、前記2つの確認応答は時間について分離している、第2通信ノード。
【請求項6】
請求項5に記載の第2通信ノードであって、前記受信機は、コードブロックの既定のグループについて正の値が付された2つの確認応答が受信されるまで、前記バッファに送信済コードブロックを維持するように構成される、第2通信ノード。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載の第2通信ノードであって、確認応答フィードバックのタイミング又は許容遅延に関する前記指標は、前記第1通信ノードを含むノードへ同報される、第2通信ノード。
【請求項8】
確認応答が行われる接続を通じて第1通信ノード(10;110;220)と通信するために第2通信ノード(20;120;240)で実施される方法であって、
前記第1通信ノードへコードブロックのストリームを送信すること(502)であって、前記コードブロックは既定のグループにグループ化される、ことと、
送信したコードブロックの前記既定のグループのうちの1つに関する確認応答を前記第1通信ノードから受信すること(503)と、
負の値が付された確認応答に応じて、送信したコードブロックの前記既定のグループを再送すること(503)と、を有し、
送信と確認応答フィードバックとの間のタイミング関係に関する指標を送信する初期ステップ(501)を更に有し、前記指標は、トランスポートブロックの受信後に前記第1通信ノードが自身の発意で確認応答を送信する期間の長さを示す、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本書では、2つの通信ノード間の誤りが発生しやすい接続を通じたデジタル通信を円滑にするための技術が開示される。特に、このような接続のための予測的確認応答フィードバックメカニズムが提案される。
【背景技術】
【0002】
第3世代パートナシップロングタームエボリューション(3GPP LTE)によって標準化される無線ネットワークは、ARQ(自動再送制御)又はハイブリッドARQ(HARQ)を実装し、これからHARQは前方誤り訂正も含む。HARQは、UMTSのようなモバイル電話ネットワークのための高速データ送信を提供するHSDPA及びHSUPAや、「モバイルWiMAX」としても知られるモバイルブロードバンド無線アクセスのためのIEEE802.16−2005標準で使用される。これはEVDO及びLTE無線ネットワークでも使用される。
【0003】
このタイプのシステムで、端末は、トランスポートブロック又はコードワードを復号した結果を示す確認応答フィードバック(ACK/NACK又はACK/NAKフィードバック)をネットワークへ送信することを要求される。下りリンク送信に関するACK/NACKが上りリンクで送信される。フィードバックは、高速な再送を引き起こすために使用される。図6に概略的に示されるように、LTE周波数分割複信(FDD)において、端末は、下りリンクサブフレームnに関するARQ又はハイブリッドARQの確認応答を、上りリンクサブフレームn+4で送信することを要求される。図6で、Tは、アクセスノードから端末への伝搬遅延を示し、TTAは端末において、上りリンクサブフレームの開始を、対応する下りリンクサブフレームの開始に対して分離するオフセットを示し、TUEは端末で利用可能な処理時間を示し、TeNBはアクセスノードで利用可能な処理時間を示す。これにより、端末は、トランスポートブロックを復号し、ACK/NACKを伝える上りリンク送信を準備するために2msから3msの間が可能になる。正確な時間は、タイミングアドバンス設定に依存する。
【0004】
図7は、時分割複信(TDD)のための下りリンクデータと上りリンクハイブリッドARQ確認応答との間のタイミング関係を説明する。実際に、上りリンクサブフレーム7で送信される確認応答は、バンドルされ、サブフレーム0及び3における下りリンク送信の両方が正しく復号された場合にのみ正の値が付される。
【0005】
LTEでは、図8に概説するように、トランスポートブロックは、1つ以上のコードブロックを含む。受信された各コードブロックは、正しく復号される必要、すなわちトランスポートブロックが正しく復号されたとみなされるために誤りが検出されずに復号される必要がある。各コードブロックに巡回冗長検査(CRC)値が挿入される。CRCは、正しく復号されたか否かを端末が判定することを可能にする。
【0006】
将来の無線アクセス(「5G」)のトランスポートブロックは同様のやり方で構築されることが予想される。しかし、5Gで予想される一部のサービスでは、LTEで現在実施されるようなACK/NACKシグナリングに関連する遅延が許容されないだろう。具体的に、端末がトランスポートブロックを復号しACK/NACKフィードバックを送信するために許容される時間はLTEと比較して大幅に低減し、場合によっては数十μ秒まで低減することが予想される。5Gネットワークの一部の提案された展開で、端末は、下りリンク又は上りリンクの任意の更なるシグナリングが行われる前に、ACK/NACKフィードバックをネットワークへ送信することを要求されうる。これは、トランスポートブロックの復号を可能にするために、フレーム構造が一部のガードタイムを置き去りにしければならないことを意味する。典型的な実装で、すべてのOFDMシンボルが受信された時点でコードブロックを復号するために必要な時間は、おおよそ1つのOFDMシンボルの期間に対応する。この桁のガードタイムは、システムのリソースの浪費でありうる。したがって、端末によるACK/NACKフィードバックの送信を促進することが望ましい。
【発明の概要】
【0007】
上記セクションで概説した技術水準の観点から、本発明は、独立請求項によって規定されるようなデバイス、方法、コンピュータプログラム及びコンピュータプログラム製品を提案する。
【0008】
送信側で、第2通信ノードとの確認応答が行われる接続について適合され、受信機と、1つ以上のプロセッサと、送信機と、を少なくとも備える第1通信ノードが検討される。接続は、通常の動作中に何らかの量の送信誤り又は他の誤りを生成することが知られている又は予期される媒体を通じた無線又は有線接続である。確認応答メカニズムの提案は、このような誤りを監視し訂正することである。
【0009】
受信機は、第2通信ノードからコードブロックのストリームを受信するように構成され、各コードブロックは、誤り検出を可能にするチェック値に関連し、コードブロックの既定のグループに属する。3GPP LTEで、コードブロックは、CRC挿入が行われる最低レベルである。添付の特許請求の範囲を含む本開示で、「コードブロック」は、任意の通信システムについて、システムが独立したチェック値を関連付ける最小単位である。「コードブロック」という用語は、将来を考慮した意味で使用され、将来の均等物、特に、このような単位が具体的に「コードブロック」と呼ばれるかどうかにかかわらず、5G無線通信システム内の独立したチェック値に関連する最小単位も含むことが留意される。「ストリーム」という用語が示すように、コードブロックの連続性は、本発明で不可欠な特徴ではない。実際に、2つ以上のコードブロックからの情報が、3GPP LTEの1つの変調シンボルにマッピングされてもよく、その結果として、ほぼ間違いなくこれらの個別の送信時刻は区別できず、この事実は将来の無線アクセス技術における変更が予期されない。
【0010】
1つ以上のプロセッサは、それぞれのコードブロックに関連するチェック値を用いて、受信したコードブロック内の誤りを検出するように構成される。さらに、1つ以上のプロセッサは、受信したコードブロックについての誤り検出結果を組み合わせるように構成される。合意によって、第1通信ノードは、既定のグループ内の任意のコードブロックについて誤りが検出されるとすぐに、当該所定のグループについての負の値が付された確認応答を送信するように構成されてもよい。1つ以上のプロセッサが、正の値が誤りの存在を示す誤り検出結果e1、e2、e3、e4、e5を生み出すならば、プロセッサ(群)は、続いてe1 OR e2 OR e3 OR e4 OR e5としてこれらを組み合わせる。この式は、誤り検出結果の1つが正であるならば正となる。本開示を簡潔にするために、「組み合わせる」は、単一の誤り検出結果の自明な組み合わせも含み、これはただ1つのコードブロックが検討される必要のある既定のグループの場合でありうる。そして、グループについての誤り検出結果は、単一のコードブロックについての誤り検出結果と一致する。
【0011】
送信機は、誤り検出結果の組み合わせに基づいて、コードブロックの当該既定のグループのそれぞれに関する確認応答を第2通信ノードへ送信するように構成され、確認応答の負の値は、既定のグループ内のコードブロックの少なくとも1つについて誤りが検出されたことを示す。
【0012】
ある実施形態で、2つ以上のコードブロックの既定のグループについての確認応答は、既定のグループ内のコードブロックの部分集合についての誤り検出結果の組み合わせに基づく。「部分集合」は、既定のグループ内の少なくとも1つのコードブロックが組み合わせから除外されるという意味において真の部分集合であってもよい。上述のように、2つのコードブロックのグループについて、第1通信ノードは、確認応答を単一の誤り検出結果に基づかせる。
【0013】
この実施形態に従う第1通信ノードは、既定のグループ内のすべてのコードブロックが処理されるまで(特に、すべてのコードブロックが誤りについて検出されるまで)待つ必要がないので、それは、既定のグループ内のすべてのコードブロックについての誤り検出結果に自身の確認応答を基づかせる参照システムが必要とするだろう時間よりも少ない時間でこの既定のグループに関する確認応答を送信出来うる。特に、第1通信ノードの送信機は、プロセッサ(群)がコードブロックの対象の既定のグループ内のすべてのコードブロックの誤りの検出を完了する前に、確認応答の送信を開始するように構成されてもよい。本書で用いられるように、「送信を開始する」は、準備ステップ、例えば確認応答の値を含めることになるフィードバックメッセージを構築することを含む。このようなフィードバックメッセージを伝達する電磁波を生成する動作は、後の時点で、大幅な処理遅延の場合には受信機が最後のコードブロックを受信した後に、始まってもよい。それにも限られずこれは参照システムよりも改善する。
【0014】
別の観点で、確認応答が行われる接続を通じて第2通信ノードと通信するために第1通信ノードで実施される方法が提供される。方法は、第2通信ノードからコードブロックのストリームを受信することであって、各コードブロックは、誤り検出を可能にするチェック値に関連し、コードブロックの既定のグループに属する、ことと、受信したコードブロック内の誤りを、それぞれの関連するチェック値を用いて検出することと、コードブロックの上記既定のグループのそれぞれに関する確認応答を第2通信ノードへ送信することであって、確認応答の負の値は、既定のグループ内のコードブロックのうちの少なくとも1つについて誤りが検出されたことを示す、ことと、を有する。
【0015】
1つの実施形態で、2つ以上のコードブロックの既定のグループについての確認応答は、既定のグループ内のコードブロックの部分集合についての誤り検出結果の組み合わせに基づく。
【0016】
送信側に着目して、第1通信ノードとの確認応答が行われる接続について適合された第2通信ノードは、バッファと、送信機と、受信機と、を備える。バッファは、第1通信ノードへ送信されるコードブロックを一時記憶するように構成される。送信機は、第1通信ノードへコードブロックのストリームを送信するように構成され、コードブロックは既定のグループにグループ化される。各既定のグループはチェック値に関連する。チェック値は送信機によって挿入されてもよいし、上りストリーム処理ステップの完了から存在してもよい。受信機は、送信したコードブロックの既定のグループのうちの1つに関する確認応答を第1通信ノードから受信するように構成される。受信機は、負の値が付された確認応答に応じて、送信されたコードブロックの上記既定のグループの再送を行わせるようにさらに構成される。
【0017】
1つの実施形態で、送信機は、確認応答フィードバックのタイミング又は許容遅延に関する指標を送信するようにさらに構成される。
【0018】
この指標によって、第2通信ノードは、確認応答フィードバックがタイムクリティカルである範囲で(受信側の)第1通信ノードを制御できる。これにより、第2通信ノードは、これは保証されるある時には高速な(予測的)確認応答フィードバックから利益を得られ、またある時には、確定的(非予測的)確認応答フィードバックから利益を得られる。
【0019】
別の側面で、確認応答が行われる接続を通じて第2通信ノードと通信するために第1通信ノードで実施される方法であって、第2通信ノードからコードブロックのストリームを受信することであって、各コードブロックは、誤り検出を可能にするチェック値に関連し、コードブロックの既定のグループに属する、ことと、受信したコードブロック内の誤りを、それぞれの関連するチェック値を用いて検出することと、コードブロックの上記既定のグループのそれぞれに関する確認応答を第2通信ノードへ送信することであって、確認応答の負の値は、既定のグループ内のコードブロックのうちの少なくとも1つについて誤りが検出されたことを示す、ことと、を有する方法が提供される。
【0020】
1つの実施形態で、2つ以上のコードブロックの既定のグループについての確認応答は、既定のグループ内のコードブロックの部分集合についての誤り検出結果の組み合わせに基づく。
【0021】
他の側面で、コンピュータプログラム及びこのコンピュータプログラムを運ぶコンピュータ可読媒体も提供される。
【0022】
相互に異なる請求項で記載されたとしても、本発明は特徴のすべての組み合わせに関することが留意される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
添付の図面を参照して以下に実施形態が詳細に記載される。
図1】確認応答が行われる有線又は無線の接続を通じて通信する第1通信ノード及び第2通信ノードを説明する。
図2】無線通信デバイス(例えば、端末、移動局、ユーザ機器)と無線アクセスノード(例えば、基地局、eノードB)との間の確認応答が行われる接続で実施形態が実装されるユースケースを説明する。
図3】2つの無線アクセスノード(例えば、基地局、eノードB)の間のバックホールリンクで実施形態が実装されるユースケースを説明する。
図4】(受信する)第1通信ノードにおける方法のフローチャートである。
図5】(送信する)第2通信ノードにおける方法のフローチャートである。
図6】3GPP LTE FDDにおけるハイブリッドARQを説明する概略タイミング図である。
図7】3GPP LTE TDDにおけるハイブリッドARQを説明する概略タイミング図である。
図8】3GPP LTEにおけるトランスポートチャネル処理を説明する概観ブロック図である。
図9】本書に開示される実施形態に従って、コードブロックのグループについて確認応答フィードバックのタイミングのための3つのオプションを説明し、送信処理時間の期間は一点鎖線で示され、受信機での処理時間の期間は破線で示される。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示の文脈で、「通信ネットワーク」又は短縮して「ネットワーク」という用語は、特に、ノード又はエンティティ、関連するトランスポートリンク、サービス、例えば電話サービス又はパケットトランスポートサービスを実行するために必要な関連する管理の集まりを表しうる。サービスに依存して、サービスを実現するために様々なノードのタイプ又はエンティティが利用されうる。ネットワーク事業者は、通信ネットワークを所有し、自身の加入者に、実装されたサービスを提供する。通信ネットワークの典型例は、(WLAN/WiFi(登録商標)や、2G/GSM(登録商標)、3G/WCDMA(登録商標)、CDMA、LTEのようなセルラーネットワークのような)無線アクセスネットワーク、モバイルバックホールネットワーク、又はIMS、CSコア、PSコアのようなコアネットワークである。
【0025】
本開示の文脈で、「ユーザ機器」(UE)及び「無線通信デバイス」という用語のそれぞれは、例えば人によって自身の個人的通信のために使用されるデバイスを指す。これは、電話型のデバイス、例えば電話又はSIP電話、セルラー電話、移動局、コードレス電話、又は無線データ接続を備えるラップトップ、ノートブック、ノートパッドのような携帯情報端末タイプのデバイスでありうる。UEはまた、動物、植物、はたまた機械のような非人間に関連してもよく、そしてマシンツーマシン(M2M)通信、デバイスツーデバイス(D2D)通信又はサイドリンクとも呼ばれるマシン型通信(MTC)として構成されてもよい。UEは、UEを使用する加入者に関連するIMSI(国際移動体加入者識別番号)及び/又はTMSI(一時的移動体加入者識別番号)のような一意の識別子を備えるSIM(加入者識別モジュール)を備えてもよい。UE内のSIMの存在は、加入者の加入契約で一意にUEをカスタマイズする。
【0026】
本開示の文脈で、「基地局」及び「無線アクセスノード」という用語のそれぞれは、地上ベースのトランスポートリンクと無線ベースのトランスポートリンクとの間のインタフェースとして使用される無線アクセスネットワークのノードを指し、無線ベースのトランスポートリンクはUEと直接にやり取りする。例えば、GSM/2Gアクセスネットワークにおいて基地局はBTSを指し、WCDMA/3Gアクセスネットワークにおいて基地局はノードBを指し、LTEアクセスネットワークにおいて基地局はeノードBを指す。WLAN/WiFiアーキテクチャにおいて、基地局はアクセスポイント(AP)を指す。
【0027】
本発明は、受信機を機能的に実装するネットワーク内の任意のノードで実用化されうる。1つの典型的な実装はUEにおけるものであり、上りリンクで送信されるACK/NACKフィードバックで下りリンクトランスポートブロックを処理することに関する。別の実装は、高速フィードバックが必須であるネットワークノード間のマルチホップバックホールにおけるものでありうる。
【0028】
図1は、破線で示されるような無線又は有線の接続によって通信可能に接続されるように動作可能な2つの通信ノード10、20を示す。接続は、何らかの誤りが監視されるという意味で確認応答が行われる接続であり、送信側は、受信側によるリクエストに応じてコードブロックの既定のグループを再送するように構成される。接続は、高レイヤ再送プロトコルのような再送プロトコルを備えてもよい。一例は、LTEにおいて、典型的にはLTEコードブロックよりも大幅に大きいRLCプロトコルデータユニットの再送が要求されうる無線リンク制御(RLC)プロトコルである。
【0029】
第1通信ノード10は、第2通信ノード20からコードブロックのストリームを受信するように構成された受信機11を備え、各コードブロックは、誤り検出を可能にするチェック値に関連し、コードブロックの既定のグループに属する。特に、各コードブロックは、ちょうど1つの既定のグループに属してもよい。チェック値の挿入は本書で説明されるコードブロックの既定のグループよりも大きな単位で実装されうるが、第1通信ノード10は、好適には、コードブロックの既定のブロックよりも小さな単位に関連するチェック値がないコードブロックのストリームを処理するように構成されるか、少なくともこのレベルの任意のチェック値を破棄するように構成される。既定のグループは、変調シンボルによって符号化されたコードブロックを含む。一部の実施形態で、第1通信ノード10は、直交周波数分割多重(OFDM)シンボルのような連続した変調シンボルによって符号化された既定のグループを処理するように構成されうる。変調シンボルとコードブロックとの間に安定した数的な関係が一般には存在しないことが留意される。1つのコードブロックが1つ以上の変調シンボルによって符号化され、その反対に、1つの変調シンボルが1つ以上のコードブロックからのデータを伝えてもよいことが想定されうる。
【0030】
第1通信ノード10は、シングルプロセッサ、マルチコアプロセッサ又は協働するプロセッサのグループのような少なくとも1つのプロセッサ12を備える。少なくとも1つのプロセッサ12は、一方で、個別の関連するチェック値を用いて、受信したコードブロック内の誤りを検出し、他方で、1つ以上の受信したコードブロックについて誤り検出結果を組み合わせる。チェック値は、パリティビットと、ハッシュ値と、チェックサム値と、巡回冗長検査値、CRC値と、のうちの1つであってもよく、これらの例のそれぞれについて、誤り検出は、送信側で行われたのと同じ方式で(すなわち同等に、通信当事者が事前に合意したアルゴリズムによって)チェック値を再計算することと、これが受信したチェック値と等しいかどうかを評価することと、を含んでもよい。誤り検出は、復調プロセスの統合段階であってもよい。
【0031】
第1通信ノード10は、誤り検出結果の組み合わせに基づいて、コードブロックの上記既定のグループのそれぞれに関する確認応答を第2通信ノード20へ送信するように構成された送信機13をさらに備える。確認応答の負の値は、既定のグループ内のコードブロックの少なくとも1つについて誤りが検出されたことを示すことが合意される。確認応答の負の値は再送を引き起こす効果を有してもよい。実装に依存して、対象のコードブロックに誤りがないこと(受信したチェック値と一致)又は誤りを含むこと(受信したチェック値と不一致)の何れかを示すためにTRUE誤り検出結果が用いられてもよく、同様に、誤り検出結果の組み合わせのTRUE値が、すべてのコードブロックが満足に復号されたことを示すか、それとも1つ以上の誤りで復号されたことを示すかは取り決めの問題であり、何れの場合も、所望の組み合わせられた誤り検出結果を与える2つ以上の入力変数のOR、NOR、AND又はNANDのような論理演算を識別することは当業者の能力の範囲内である。上記で概説したように、第1通信ノード10は、2つ以上のコードブロックの既定のグループについての自身の確認応答を、当該既定のグループ内のコードブロックの部分集合についての誤り検出結果の組み合わせに基づかせるように構成される。
【0032】
第1通信ノード10及び第2通信ノード20を動作させる通信当事者は、典型的に、例えば確認応答を送信するための形式に関して3GPP LTEのような業界標準に順守することによって合意している。このような標準化された形式において、2つ以上のコードブロックの既定のグループについての確認応答が当該既定のグループ内のすべてのコードブロックについての誤り検出結果の組み合わせに基づくことが想定又は暗黙的に想定されていてもよい。ある実施形態では、既定のグループ内のコードブロックの部分集合についての誤り検出結果の組み合わせに基づくとしても、合意された形式で確認結果が送信されてもよい。特に、コードブロックの既定のグループに関する負の値が付された確認応答は、コードブロックの当該既定のグループの再送を求めるリクエストの形式で送信されてもよい。したがって、この実施形態は、送信側に気付かれないように受信側で実装されうる。これは、レガシー機器との容易に実現可能な互換性を与える。
【0033】
第1通信ノード10が正の値を付した確認応答を送信し、それが後から実際には正しくないこと(すなわち、組み合わせから失われている誤り検出結果が、確認応答の負の値を導くようなものであること)がわかったとしても、再送プロトコルは、間違って又は失敗して復号されたデータが最終的に第1通信ノード10に利用可能になることを保証しうることが留意される。
【0034】
図9はLTEの文脈での例を示し、コードブロックはまさに「コードブロック」と呼ばれ、コードブロックの既定のグループは「トランスポートブロック」と呼ばれうる。この図では、N=7個の連続したOFDMシンボルで符号化されたK=5個のコードブロック(「CB」)を有するトランスポートブロックが示され、これらはそれぞれの受信時刻を示す水平時間軸に関して配置される。1つのOFDMシンボルの期間に対応する無地の四角形が最後のOFDMシンボルの右に示される。このようなものとして送信時刻はコードブロックに関連しないが、各コードブロックエリアの右に隣接する破線の四角形は、当該コードブロックの誤り検出を含む受信側のコードブロックの処理の期間を示す。
【0035】
時間軸の真上に、トランスポートブロックに関する確認応答を準備し送信するための3つの取りうる期間が示される。送信処理時間は、UEでACK/NACKフィードバック情報が利用可能になってから、ACK/NACKフィードバックに依存するフィードバックメッセージの一部が送信可能になるまでに必要な時間として理解される。したがって、各期間の始まりは、確認応答送信の開始を指し、これは、確認応答の値をフィードバックメッセージテンプレートに投入することと、確認応答に付随する補助情報を読み出すことと、このような補助情報を生成するための処理を開始することと、合意されたメッセージ形式に準拠することを確認することと、などのうちの1つ以上を含んでもよい。これは、第1通信ノード10が、説明された送信処理時間が始まる前に何らかの動作、すなわちフィードバックメッセージの構築の開始と、確認応答に付随する補助情報の読出しと、補助情報の生成と、などを実行してもよいことを意味する。説明された各期間の終わりは、確認応答を伝える電磁波形の生成開始を表すことが更に理解される。このようなものとして、厳密な意味での送信は、説明された送信処理時間の直後に続いて起きる期間(不図示)に含まれる。
【0036】
図9にオプション1として説明される実施形態では、送信処理は、最後のOFDMシンボルが受信された後であるが、最後のコードブロックが復号される(破線の四角形)前に始まる。関連したACK/NACKフィードバックは、トランスポートブロック全体を指すが、コードブロック1、2、3、4(すなわち、具体的に、P=1として範囲[1,K−P]内のコードブロック)にのみに基づく。このオプションで、すべてのコードブロックが最終的に復号されるが、M=6個の先頭のOFDMシンボルにマッピングされるコードブロックだけがACK/NACKフィードバックに用いられる。最後のシンボルが単一のコードブロックを符号化しない場合にこの教示を一般化すると、既定のグループについての確認応答は、シーケンス内の最後のOFDMシンボルによって少なくとも部分的に符号化されるコードブロック以外のすべてのものについての誤り検出結果の組み合わせに基づいてもよい。上記の記法を用いて、M=N−1と設定する。1つのOFDMシンボルの期間は、送信処理時間、ガードタイム及び受信機処理時間の観点で、利用可能な無線通信システムで50〜100μsのオーダでありうる。
【0037】
5Gのような将来の通信システムに関して、発明者らは、コードブロックの既定のグループについての確認応答を、最後の変調シンボルによって少なくとも部分的に符号化されるコードブロック以外のすべてのものについての誤り検出結果の組み合わせに基づかせることが有利でありうることに気付いた。これは、変調シンボルの期間は、処理時間及びガードタイムの観点で設定される可能性があり、これによって発散の拡大が避けられるからである。
【0038】
図9にオプション2として説明される実施形態では、送信処理は、最後のOFDMシンボルが受信される前に始まる。この例で、最後の2つ以外のすべてのコードブロックが復号される。関連したACK/NACKフィードバック送信は、トランスポートブロック全体を指すが、コードブロック1、2、3(P=2)のみに基づく。このオプションで、M=5個の最初のOFDMシンボルにマッピングされるコードブロックだけがACK/NACKフィードバックに用いられる。
【0039】
オプション1及び2として説明される実施形態に共通する特徴は、第1通信ノード10が既定のグループ内のすべてのコードブロックの誤りの検出を完了する前に確認応答の送信が開始されることである。特に、確認応答の送信は、少なくとも1つのプロセッサが上記部分集合以外の少なくとも1つのコードブロックの誤り検出を完了する前に開始される。
【0040】
オプション1及び2として説明された実施形態の変形では、第1通信ノード10は、確認応答を、連続しないコードブロックについての誤り検出結果に基づかせてもよい。さらに、確認応答を、トランスポートブロック内の最初以外のコードブロックについての誤り検出結果に基づかせてもよい。なおもさらに、確認応答を、N=5の場合にコードブロック1、3、4のような不規則なシーケンスに基づかせてもよい。特に誤り検出が復号処理とは別の場合に、一部の非エンドポイントコードブロックのこのような排除は、処理負荷の低減を表しうる。連続したコードブロックは強い相関を有するので、発明者らが気付いたように、一部の非エンドポイントコードブロックを排除することは、信頼性をごくわずかに低減するだけである。
【0041】
オプション3は、LTEのような何らかの既存の技術で実施されてもよく、比較のために含まれる。ここで、送信処理は、下りリンク送信のすべてのコードブロックが受信され復号された後に始まる。このオプションで、トランスポートブロックに関連するフィードバックはすべてのコードブロックに基づく。図9に説明されるように、ACK/NACKフィードバックの送信は、オプション3と比較してオプション1及び2で早く完了しうる。ガードタイムが短縮されうるので、これはオーバーヘッドの観点で大きな利益をもたらす。
【0042】
このセクションに記載される実施形態に関連するトレードオフが存在しうる。ACK/NACKフィードバックに用いられるコードブロックが少なすぎるならば、(最後のコードブロックのうちの1つの復号の失敗に起因して)実際には復号に失敗するトランスポートブロックについてACKを送信するリスクが増加する。含まれるコードブロックが多すぎる場合に、ガードタイムが不要に長くなる。これらの極端な状態の間の適切なバランスを見つけることは、本開示を検討する当業者の能力の範囲内であると考えられる。
【0043】
図2は、コアネットワーク130、基地局120及びUE110を含む無線ネットワークの一部を示す。基地局120は、有線(すなわち固定)接続132を通じてコアネットワーク230に接続され、無線下りリンク接続131を通じてUE110に接続される。接続131、132の両方は、ある程度誤りが発生しやすくてもよく、本書に開示される教示から利益を得られてもよい。ある実施形態で、UE110は、下りリンク接続131を介して受信されたコードブロックに誤り検出を実行し、上りリンク(不図示)で基地局120へ確認応答を送信する。ここで、2つ以上のコードブロックの既定のグループについての確認応答は、当該既定のグループ内のコードブロックの部分集合についての誤り検出結果の組み合わせに基づく。
【0044】
図3は、コアネットワーク230、第1基地局240、第2基地局220及びUE110を含む無線ネットワークの一部を示す。第1基地局240は、有線(すなわち固定)接続233を通じてコアネットワーク230に接続され、バックホール接続232を通じて第2基地局220に接続される。第2基地局220は、続いて、UE210に無線で接続され、それによってリレーとして動作する。接続231、232、233のすべては、ある程度誤りが発生しやすくてもよく、本書に開示される教示から利益を得られてもよい。ある実施形態で、第2基地局220は、バックホール接続232を通じて受信されたコードブロックに誤り検出を実行し、第1基地局140へ確認応答を送信する。ここで、2つ以上のコードブロックの既定のグループについての確認応答は、当該既定のグループ内のコードブロックの部分集合についての誤り検出結果の組み合わせに基づく。
【0045】
図2及び図3を参照して検討される無線ネットワークは、LTE(LTEアドバンストを含む)又は5G無線ネットワークのようなセルラーネットワークであってもよい。無線接続131、231、232のそれぞれは、時分割複信(TDD)接続又は半複信周波数分割複信(FDD)接続であってもよい。
【0046】
LTEネットワークの場合に、コードブロックの既定のグループは、トランスポートブロックと呼ばれうる。5G無線通信システムで、「ブロックの既定のグループ」という文言は、上述のように、「コードブロック」という用語の取りうる変更の観点で再解釈される必要があってもよい。将来の通信技術でこのような再解釈が必要かどうかによらず、「既定のグループ」は、受信側が独立して、そして典型的には送信後の既定の時間内に確認応答を行うことを(例えば合意、標準などを通じて)要求される単位として理解されよう。本書に記載される実施形態は、このような「既定のグループ」についての確認応答が、当該既定のグループ内のコードブロックの部分集合についての誤り検出結果の組み合わせに基づいてもよいことを教示する。
【0047】
これに代えて又はこれに追加して、LTEネットワークの場合に、確認応答は、物理上りリンク制御チャネルPUCCHで送信されてもよい。
【0048】
図4に説明される方法400によって第1通信ノード10の動作が要約されうる。方法400は、第2通信ノード20からコードブロックのストリームを受信する第1ステップ401を有し、各コードブロックは、誤り検出を可能にするチェック値に関連し、コードブロックの所定のグループに属する。方法400はさらに、それぞれの関連したチェック値を用いて受信コードブロック内の誤りを検出する第2ステップ402と、コードブロックの上記既定のグループのそれぞれに関して確認応答を第2通信ノード20へ送信する第3ステップ403とを有し、確認応答の負の値は、既定のグループ内のコードブロックの少なくとも1つについて誤りが検出されたことを示す。ある実施形態で、2つ以上のコードブロックの既定のグループについての確認応答は、当該既定のグループ内のコードブロックの部分集合についての誤り検出結果の組み合わせに基づく。
【0049】
図1の記載を再び参照して、第2通信ノード20は、第1通信ノード10との確認応答が行われる接続について適合され、第1通信ノード10へ送信されるコードブロックを一時記憶するためのバッファ21を備える。第2通信ノード20は、図2及び図3で説明したのと同様のやり方で、コアネットワークからこのようなコードブロックを受信してもよい。第2通信ノード20は、第1通信ノード10へコードブロックのストリームを送信するように構成された送信機22であって、コードブロックは既定のグループにグループ化される送信機22と、受信機23とをさらに備える。受信機23は、第1通信ノード10から、送信済のコードブロックの既定のグループの1つに関する確認応答を少なくとも受信するように構成される。受信機23は、負の値が付された確認応答に応じて、送信済のコードブロックの上記既定のグループの再送を行うようにさらに構成される。
【0050】
1つの実施形態で、送信機22は、確認応答フィードバックのタイミング又は許容遅延に関する指標を送信するようにさらに構成される。指標は、(デフォルト値が合意されていない限り、)確認応答が行われる接続の最初の段階で送信されうる。確認応答フィードバックのタイミング又は許容遅延の変更、更新又は確認を行うために動作中にさらなる指標が送信されてもよい。オプションとして、有効性の制限期間すなわち有効時間に関連してもよい。指標は、ユニキャストによって送信されてもよい。これに代えて、すべての接続されたUEへの情報の同報が可能な通信ネットワークにおいて、確認応答フィードバックのタイミング又は許容遅延に関する指標は、第1通信ノード10を含むノードへ同報されてもよい。
【0051】
例えば、指標は、コードブロックの既定のグループの完全な送信と、コードブロックの当該既定のグループに関する確認応答の受信との間の最大許容間隔を示してもよい。
【0052】
これに代えて又はこれに加えて、指標は、2つ以上の既定の確認応答フィードバックタイミングモードから選択される確認応答フィードバックタイミングモードを選択する。特に、以下の確認応答フィードバックタイミングモードのうちの2つ以上が規定されてもよい。
a) 第1通信ノード10は、コードブロックの既定のグループの受信後、比較的短い期間T以内に確認応答を自身の発意で送信することになる。
b) 第1通信ノード10は、コードブロックの既定のグループの受信後、比較的長い期間T以内に確認応答を自身の発意で送信することになる。
c) 第1通信ノード10は、第2通信ノード20による明示的なリクエストに応じてのみ、確認応答を送信することになる。
【0053】
第1通信ノード10の実装の詳細に依存して、モードa)は、上述の実施形態の1つ、特に2つ以上のコードブロックの既定のグループについての確認応答が当該既定のグループ内のコードブロックの部分集合についての誤り検出結果の組み合わせに基づくものに従って、第1通信ノード10が予測的確認応答フィードバックに頼る必要があるような短い期間Tを含んでもよい。一方、モードb)は、既定のグループ内のすべてのコードブロックについての誤り検出結果の組み合わせに基づく単一の確定的確認応答を生み出すために十分な時間Tを第1通信ノード10に許容してもよい。モードa)及びb)の両方が予測的確認応答に頼ることを第1通信ノード10に強制するようなものであるならば、これらは、既定のグループに関する確認応答についての基礎として誤り検出結果の組み合わせに用いられる当該既定のグループ内のコードブロックの部分集合のサイズに関して異なる。特に、これらは、含まれるコードブロックの最大数に関して異なってもよい。
【0054】
モードc)が利用可能なシステムの詳細な説明について、米国仮出願第62/221345号及び当該出願に優先権を主張する後続の公開された本出願が参照される。
【0055】
より一般的に、確認応答フィードバックのタイミング又は許容遅延に関する指標は、以下のもののうちの1つ以上を示しうる。
i)既定のグループが有するコードブロックのサイズ。短いコードブロックは少ない処理時間を必要としうる。最後の変調シンボルによって伝搬されるコードブロックのサイズが特に重要である。
ii)既定のグループが有するコードブロックの個数。
iii)確認応答フィードバックに許容される時間に関する静的に伝達される情報。
iv)確認応答フィードバックに許容される時間に関する動的に伝達される情報。
v)複数の選択可能な確認応答フィードバックタイミングモードのうちのアクティブな確認応答フィードバックタイミングモード。
vi)リンクバジェットに影響しうる第1通信ノード10のタイミングアドバンス設定。
【0056】
一部の実施形態で、第1通信ノード10は、要因i)〜vi)のうちの1つ以上に応じて自身の確認応答フィードバックを適合するように動作可能であってもよい。第1通信ノード10は、要因i)〜vi)の変更に応じて、少なくとも限られた期間の間、確定的確認応答のみを送信する動作モードに入るように動作可能であってもよいことが留意される。第1通信ノード10の観点から、まさに第2通信ノード20から要因i)〜vi)に関する情報を受信することは必須ではなく、実際に、第1通信ノード10は、システム情報、セル情報、測定結果などを通じてこのような要因を認識してもよい。
【0057】
これに代えて(確認応答フィードバックのタイミング又は許容遅延に関する指標がない)又はこれに追加して(確認応答フィードバックのタイミング又は許容遅延に関する指標がある)、第2通信ノード20は、コードブロックの同じ既定のグループについて2つの確認応答を受信するように構成されてもよく、2つの確認応答は時間について分離している。第1通信ノード10の観点から、しかし典型的に第2通信ノード20から隠されている観点から、例えば既定のグループ内のすべてのコードブロックについての誤り検出結果の組み合わせ又は同等の情報に基づいて、第1確認応答は予測的であり第2確認応答は確定的である。確認応答の(典型的には未知の)基礎に関わらず、第2通信ノード20は、コードブロックが属する既定のグループについて正の値が付された2つの確認応答が受信されるまで、バッファ内の送信済コードブロックを維持するように構成されうる。この点の後、バッファ21内の格納スペースを解放するために、バッファされた送信済コードブロックが削除され、上書きされ、又は上書き可能として宣言されてもよい。
【0058】
具体的に、第2通信ノード20は、既定のグループのコードブロックについての負の値が付された確認応答の時点でコードブロックの同じ既定のグループについての第2確認応答の監視を停止するように構成されてもよい。同様に、第1通信ノード10は、コードブロックの既定のグループについての負の値が付された確認応答を送信したならば、コードブロックの同じ既定のグループについての確定的確認応答を省略するように構成されてもよい。これは、確定的第2確認応答の値は予測的第1確認応答の値から導出可能(負ならば負)であり、これによって確定的確認応答の送信がシステムオーバヘッドへの不当な寄与を表しうるからである。
【0059】
図5に説明される方法500によって第2通信ノード20の動作が要約されうる。方法500は、第1通信ノード10へコードブロックのストリームを送信するステップ502であって、コードブロックは既定のグループにグループ化される、ステップ502と、送信済コードブロックの既定のグループのうちの1つに関する確認応答を第1通信ノード10から受信する更なるステップ503と、負の値が付された確認応答に応じて、送信済コードブロックの上記既定のグループを再送する更なるステップ504と、を有する。なおもさらに、方法500は、確認応答フィードバックのタイミング又は許容遅延に関する指標を送信する初期ステップ501を有する。
【0060】
有利な実施形態で、第2通信ノード20は、第1通信ノード10が予測的確認応答に頼ることが既知である場合に、優先的なコードブロックに早い位置を計らうような方法でコードブロックをグループ化するように構成された送信機22を備える。特に、第2通信ノード20が、既定のグループ内のコードブロックの部分集合についての誤り検出結果の組み合わせに第1通信ノード10が自身の確認応答を基づかせなければならない(可能性がある)ような短い期間を示すならば、それに続いて送信機22は、重要であるとみなされ、高い優先度、高い重要性及び/又は低いレイテンシバジェットを有するコードブロックをコードブロックのグループ内の他のコードブロックに対して先に配置してもよい。早くに配置されるか、少なくともコードブロックのグループ内の最後ではない位置に配置された優先的なコードブロックは、それが属するコードブロックのグループの受信状態に確かに影響し、それによって必要ならば早い再送を引き起こす。
【0061】
本書の実施形態はまた、第1通信ノード10又は第2通信ノード20の少なくとも1つのプロセッサによって実行された場合に、図4及び図5に示された方法又はその変形を通信ノードにそれぞれ実行させる命令を含むコンピュータプログラムを含む。1つ以上の実施形態で、コンピュータプログラムを含むキャリアは、通信媒体(すなわち電気信号、光信号、無線信号のような一時的媒体)又はコンピュータ可読記憶媒体(すなわち非一時的媒体)のうちの1つである。コンピュータ記憶媒体という用語は、情報の記憶のための任意の方法又は技術で実装された揮発及び不揮発の両方、取り外し可能及び取り外し不能な媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、CD−ROM、デジタル多目的ディスク又は他の光学ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又は他の磁気ストレージデバイス、又は所望の情報を格納しコンピュータによってアクセス可能な任意の他の媒体を含むがこれらに限定されない。少なくとも1つの実施形態で、通信ノード又は他の装置は、非一時的コンピュータ可読媒体に格納されたコンピュータプログラム命令をノード処理回路が実行することに少なくとも部分的に基づいて、本書に開示された動作又は機能を実行するように構成される。
【0062】
本発明は、当然ながら、発明の不可欠な特徴から逸脱することなく本書で具体的に説明するものとは異なる方法で実施されてもよい。本実施形態は、すべての観点で例示的であり非制限的ではないとみなされるべきであり、添付の特許請求の範囲の文言及び均等の範囲内に含まれるすべての変更が本書に包含されることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9