【課題を解決するための手段】
【0015】
本目的は、請求項1に記載の構成を有する水中船によって達成される。有益な開発が、従属請求項、以下の説明及び図面から明らかになる。
【0016】
本発明による、探知される可能性がより低い水中船は、外殻を有する。水中船は、船首部、船尾部及び船体中央部を有する。船体中央部の外殻は、水中船の長手方向に対して横方向に多角形の断面を有する。さらに、船体中央部の外殻は、船体中央部の全長に亘って水中船の長手方向に沿った湾曲部を有する
多角形の断面それ自体は、探知波を送信機とは異なる方向へ標的反射させることで知られている。これは、原則として、航空機製造や造船、例えばシーシャドウで知られている。ここでは、大きく平坦で傾斜した表面が反射板として使用される。
【0017】
これ自体は、高次の反射が異なる角度でも発生するので、臨界的な浅い角度範囲でも探知可能性が生じ得るという欠点を有する。さらに、潜水艦は送信機へ向けての反射が起こり得る複数の境界面によって囲まれているので、潜水艦の場合、このような配置それ自体も、例えば航空機の場合ほど有効ではない。このような境界面とは、例えば、とりわけ海底及び水面であるが、海水の層状化から生じて反射面を構成する可能性のある表面もある。
【0018】
この欠点を最小限にするために、本発明により、船体中央部外殻は、水中船の長手方向に沿った湾曲部を有する。本手段により、反射と分散という2つの効果が発生する。1つの効果は、臨界的な浅い角度範囲における探知波のエネルギーを大幅に最小化できるということである。船体中央部外殻の湾曲部は、船体中央部の全長に及ぶ。ここで、湾曲部は長さに亘って変化する曲率半径を有してもよいが、曲率半径は無限大であってはならない。この結果、入射ビームを分散せずに反射する平坦面が、少なくとも1つの点で形成されるであろう。
【0019】
船体中央部は船首部と船尾部との間に配置される。船首部は、水中船の全長の5%〜40%、好ましくは5%〜30%、特に好ましくは5%〜20%の長さを有し、船首部は水中船の船首から始まる。船尾部は、水中船の全長の5%〜40%、好ましくは5%〜30%、特に好ましくは5%〜20%の長さを有し、船尾部は水中船の船尾から始まる。したがって、船体中央部は、水中船の全長の20%〜90%、好ましくは40%〜90%、特に好ましくは60%〜90%の長さを有する。
【0020】
これにより、送信機方向に反射された波の強度を、従来の円筒状水中船と比較して、例えば10000分の1に低減することが可能になる。本手段により、探知される可能性のある距離は、最大で1桁減少する。これにより、水中船の移動の自由度が大幅に向上する。
【0021】
多角形の断面の例に、三角形又は正方形が含まれる場合があるが、前記2つの多角形は適応可能性がほとんどないためにあまり好ましくない。一方、5〜10の角又は辺を有する多角形が好ましく、辺の長さは異なるのがさらに好ましい。各場合において、対になって対向する辺が同一の長さであるのが特に好ましい。
【0022】
本発明のさらなる実施形態では、多角形の断面は丸みを帯びた角領域を具備する。これは製造上及び流体力学的に有利である。
【0023】
本発明のさらなる実施形態では、多角形の断面は、長手方向の軸に垂直な鏡面を具備する。これは、左舷側と右舷側の外側形状が同一であることを意味する。
【0024】
本発明のさらなる実施形態では、船体中央部外殻は、水中船の長手方向に対して横方向の断面全体に亘って、水中船の長手方向に沿った湾曲部を有する。
【0025】
本発明のさらなる実施形態では、外殻は少なくとも1つの第1のセグメントを具備し、第1のセグメントは水中船の長手方向に第1の円錐形状部を形成するか、又は2つ以上の円錐形状部から構成される。セグメントは、多角形の断面の縁部によって上下で囲まれる領域として画定される。セグメントの範囲は、船体中央部の範囲によって長手方向に制限される。円錐形状部は、円錐の凸面の一部の領域である。第1のセグメント及び船の反対側にある対応する第2のセグメントは、特に好ましくは、鏡面反転した円錐形状部を具備する。円錐は、高さと半径で定義される幾何学的図形である。円錐状セグメントの場合、したがって、曲率半径は、水中船の長手方向に対して横方向に連続的に変化する。もちろん、それはまた、垂直軸が円形基部に対して中心に位置しない、斜円錐の円錐状セグメントでもあり得る。
【0026】
本発明のさらなる実施形態では、外殻は少なくとも1つの第3のセグメントを具備し、第3のセグメントは、水中船の長手方向に少なくとも部分的に、好ましくは完全に、第3の円錐形状部を形成し、第3の円錐形状部の高さ及び/又は半径は、第1の円錐形状部の高さ及び/又は半径とは異なる。
【0027】
本発明のさらなる実施形態では、円錐形状部の円錐は高さを有し、高さ対水中船の長さの比は0.5〜1000、好ましくは3.5〜130、特に好ましくは8.0〜35である。
【0028】
本発明のさらなる実施形態では、円錐形状部の円錐は直径を有し、円錐の直径対水中船の長さの比は2〜100、好ましくは6〜50、特に好ましくは10〜20である。
【0029】
本発明のさらなる実施形態では、水中船は船体中央部にタワーを具備する。タワーは、垂線に対して少なくとも10°、特に好ましくは少なくとも20°傾斜した外壁を具備することが特に好ましい。
【0030】
タワーは、タワーの下方の多角形の断面の隣接側面と同じ角度を有することが特に好ましい。
【0031】
本発明のさらなる実施形態では、船体中央部の湾曲部は曲率半径を有し、曲率半径対水中船の長さの比は、5〜1000、好ましくは10〜250、特に好ましくは25〜100である。
【0032】
船体中央部の湾曲部は、全長に亘って一定である必要はない。特に船首部及び/又は船尾部に隣接する船体中央部の湾曲部は、例えば移行部を設けるために、これら部分に向かって増大してもよい。好ましくは、湾曲部は、船体中央部領域から船首部への移行部で増大し、船体中央部領域から船尾部の領域への移行部で減少する。
【0033】
例えば、80mの長さを有する水中船の場合、したがって、船体中央部に湾曲部が生じ、この湾曲部により、湾曲していない直線的な円筒形状との関連で、船体中央部領域を囲む仮想円の断面は約0.5m〜2m拡大し、ここではタワーやその他の上部構造や拡張部分は概念的に考慮されていない。
【0034】
本発明のさらなる実施形態では、多角形の断面は最大幅位置を含み、多角形の断面の最大幅位置は中心の下方又は上方に配置され、中心は多角形の断面の高さの半分として定義される。
【0035】
対称的な構成から逸脱すると、目標とする方法で、到来する探知波の大部分を同じ方向に偏向させることが可能になる。最大幅位置が中心より下方にある場合、大部分は上方に、したがって水面に向けて反射される。最大幅位置が中心より上方にある場合、大部分は下方に、したがって海底に向けて反射される。第1の変化形は船の安定性のために好ましく、第2の変化形は目標サイズを縮小するためのものである。
【0036】
本発明のさらなる実施形態では、多角形の断面の最大幅位置は、中心の下方又は上方に、多角形の断面の高さの半分の少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%に配置される。
【0037】
本発明のさらなる実施形態では、多角形の断面の全ての平面は、垂線に対して少なくとも10°、好ましくは少なくとも20°の傾斜を有する。
【0038】
本発明のさらなる実施形態では、多角形の断面の全ての平面は、垂線に対して10°〜40°又は50°〜80°の傾斜を有する。45°の角度も避けるべきであり、この場合、例えば水面に向けて反射された到来波は、水面によって反射され、次いで再び直接に送信機に向けて反射されるからである。多重反射のために強度は弱いが、それにもかかわらず他の角度と比較して大幅に増大する。
【0039】
本発明のさらなる実施形態では、外殻は吸音特性を有する。最適化された形状に加えて、外殻は吸音材料からなるか、吸音材料を含むか、又は吸音材料で被覆することができる。完全な吸収はあり得ないので、両方の効果の組合せが好ましい。
【0040】
本発明のさらなる実施形態では、外殻は、100Hz〜100kHzの周波数範囲、特に1kHz〜25kHzの範囲の音波に対して実質的に反射性及び/又は吸収性である。他の最適化されていない構造を外殻の下に配置することができるので、外殻を貫通する透過をできるだけ低く維持する必要がある。定義により、反射率、吸収率及び透過率の合計は1である。実質的に反射する及び/又は吸収するとは、反射率及び/又は透過率が少なくとも0.75、好ましくは少なくとも0.9、特に好ましくは少なくとも0.95であるときであると考えられる。
【0041】
本発明
によれば、水中船は、外殻の下方に略円筒状の圧力容器を有する。
【0042】
本発明のさらなる実施形態では、外殻は円筒状圧力容器を完全には取り囲んでいない。したがって、圧力容器は、複数の領域内で外殻を形成する。これは、例えば、より重要度の低い場所で、例えば下側で当てはまる。
【0043】
本発明のさらなる実施形態では、センサ、特にパッシブソナーセンサ及び/又は燃料貯蔵庫は、外殻と圧力容器との間に配置される。
【0044】
燃料貯蔵庫は潜水艦の運航に必要なあらゆる形態の貯蔵品を具備しており、例えば、これらはガソリンタンク又はディーゼルタンク、例えば圧縮ガス貯蔵庫の形態の水素貯蔵庫、液体水素貯蔵又は金属水素化物貯蔵庫、例えば、圧縮ガス貯蔵庫又は液体酸素貯蔵庫の形態の酸素貯蔵庫、メタノール貯蔵庫、エタノール貯蔵庫、バッテリー、蓄圧器及びガスタービン用圧縮ガス貯蔵庫、並びに自律型又は遠隔制御型の水中船、及び、例えば魚雷やミサイル、又はデコイなどの兵器である。
【0045】
本発明のさらなる実施形態では、プロペラは外皮の最大幅位置と同じ高さに配置される。
【0046】
本発明のさらなる実施形態では、水中船は潜水艦である。水中船は、好ましくは軍用水中船、特に好ましくは軍用潜水艦である。
【0047】
本発明による水中船を、図面に示されている例示的な実施形態を参照して、以下により詳細に説明する。