特許第6979080号(P6979080)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 6979080-JAK阻害剤を含む医薬組成物 図000011
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6979080
(24)【登録日】2021年11月16日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】JAK阻害剤を含む医薬組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/541 20060101AFI20211125BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20211125BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20211125BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20211125BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20211125BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20211125BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20211125BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20211125BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20211125BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20211125BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20211125BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20211125BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20211125BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20211125BHJP
   A61P 17/14 20060101ALI20211125BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20211125BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20211125BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20211125BHJP
   A61P 19/00 20060101ALI20211125BHJP
【FI】
   A61K31/541
   A61K47/12
   A61K9/20
   A61K47/38
   A61K47/26
   A61K47/36
   A61K47/04
   A61K47/10
   A61K47/32
   A61K47/02
   A61P43/00 111
   A61P29/00
   A61P19/02
   A61P29/00 101
   A61P1/04
   A61P17/14
   A61P37/06
   A61P13/12
   A61P17/06
   A61P19/00
【請求項の数】10
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-550213(P2019-550213)
(86)(22)【出願日】2018年3月12日
(65)【公表番号】特表2020-510057(P2020-510057A)
(43)【公表日】2020年4月2日
(86)【国際出願番号】US2018022027
(87)【国際公開番号】WO2018169875
(87)【国際公開日】20180920
【審査請求日】2019年11月6日
(31)【優先権主張番号】62/471,171
(32)【優先日】2017年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/536,614
(32)【優先日】2017年7月25日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504064364
【氏名又は名称】ガラパゴス・ナムローゼ・フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】Galapagos N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】アロンゾ, デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】リ, ベイ
(72)【発明者】
【氏名】ステファニディス, ディミトリオス
【審査官】 新熊 忠信
(56)【参考文献】
【文献】 特表2017−505329(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00−33/44
A61K 9/00− 9/72
A61K 47/00−47/69
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療有効量のフィルゴチニブマレイン酸塩形態Iを含む医薬組成物であって、フマル酸をさらに含み、
該フィルゴチニブマレイン酸塩形態Iが、Cu−Kα線を使用して回折計で決定した場合に、28.9、16.4、8.2、18.9、20.0、11.9、14.9、18.1、20.5および22.6°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする前記医薬組成物。
【請求項2】
ステアリン酸マグネシウムをさらに含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
ステアリン酸マグネシウム、微結晶性セルロース、ラクトース一水和物、アルファ化デンプンおよびコロイド状二酸化ケイ素をさらに含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
ステアリン酸マグネシウム、微結晶性セルロース、ラクトース一水和物、アルファ化デンプン、コロイド状二酸化ケイ素、PEG 3350、ポリビニルアルコール、タルク、二酸化チタンおよび弁柄をさらに含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
32wt%のフィルゴチニブマレイン酸塩形態I;
36wt%の微結晶性セルロース;
20wt%のラクトース一水和物;
5.0wt%のアルファ化デンプン;
1.0wt%のコロイド状二酸化ケイ素;
1.5wt%のステアリン酸マグネシウム;および
5.0wt%のフマル酸
を含み、
該フィルゴチニブマレイン酸塩形態Iが、Cu−Kα線を使用して回折計で決定した場合に、28.9、16.4、8.2、18.9、20.0、11.9、14.9、18.1、20.5および22.6°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする、医薬組成物。
【請求項6】
前記組成物が錠剤の形態である、請求項1から5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記フィルゴチニブマレイン酸塩形態Iが、下記図1に記載されるXRPDパターンを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の医薬組成物
【化1】
【請求項8】
JAKにより媒介される疾患または障害を処置するための、請求項1から5のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記疾患または障害が炎症性疾患または障害である、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記炎症性疾患または障害が、関節リウマチ、クローン病、潰瘍性大腸炎、円形脱毛症、ブドウ膜炎、急性移植片対宿主病、皮膚ループス腎炎、膜性ループス腎炎、アトピー性皮膚炎、乾癬、強直性脊椎炎および乾癬性関節炎からなる群より選択される、請求項9に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
ヤヌスキナーゼ(JAK)は、JAK−STAT経路を介してサイトカイン媒介性シグナルを伝達する細胞内非受容体チロシンキナーゼのファミリーである。フィルゴチニブは、JAK1選択的阻害剤である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
概要
本開示は、治療有効量のフィルゴチニブマレイン酸塩形態Iを含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、フィルゴチニブマレイン酸塩形態Iは、Cu−Kα線を使用して回折計で決定した場合に、8.2、11.9、16.4および18.9°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、フィルゴチニブマレイン酸塩形態Iは、図1に示されているのと実質的に同じXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、フィルゴチニブマレイン酸塩形態Iは、図2に示されているのと実質的に同じ示差走査熱量測定(DSC)曲線を特徴とする。いくつかの実施形態では、フィルゴチニブマレイン酸塩形態Iは、図2に示されているのと実質的に同じサーモグラムを含む熱重量分析(TGA)を特徴とする。いくつかの実施形態では、フィルゴチニブマレイン酸塩形態Iは、図3に示されているのと実質的に同じプロトン核磁気共鳴スペクトル(H NMR)を特徴とする。
【0003】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、フマル酸をさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、ステアリン酸マグネシウムをさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、フマル酸およびステアリン酸マグネシウムをさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、フマル酸、ステアリン酸マグネシウム、微結晶性セルロース、ラクトース一水和物、アルファ化デンプンおよびコロイド状二酸化ケイ素をさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、フマル酸、ステアリン酸マグネシウム、微結晶性セルロース、ラクトース一水和物、アルファ化デンプン、コロイド状二酸化ケイ素、PEG 3350、ポリビニルアルコール、タルク、二酸化チタンおよび弁柄をさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、錠剤の形態である。
【0004】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、JAKにより媒介される疾患または障害を処置するために、それを必要とする患者に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、炎症性疾患または障害を処置するために、それを必要とする患者に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、関節リウマチ、クローン病、潰瘍性大腸炎、円形脱毛症、ブドウ膜炎、急性移植片対宿主病、皮膚ループス腎炎、膜性ループス腎炎、アトピー性皮膚炎、乾癬、強直性脊椎炎および乾癬性関節炎からなる群より選択される疾患または障害を処置するために、それを必要とする患者に投与される。
特定の実施形態では、例えば、以下が提供される:
(項目1)
治療有効量のフィルゴチニブマレイン酸塩形態Iを含む、医薬組成物。
(項目2)
フマル酸をさらに含む、項目1に記載の医薬組成物。
(項目3)
ステアリン酸マグネシウムをさらに含む、項目1または2に記載の医薬組成物。
(項目4)
ステアリン酸マグネシウム、微結晶性セルロース、ラクトース一水和物、アルファ化デンプンおよびコロイド状二酸化ケイ素をさらに含む、項目1または2に記載の医薬組成物。
(項目5)
ステアリン酸マグネシウム、微結晶性セルロース、ラクトース一水和物、アルファ化デンプン、コロイド状二酸化ケイ素、PEG 3350、ポリビニルアルコール、タルク、二酸化チタンおよび弁柄をさらに含む、項目1または2に記載の医薬組成物。
(項目6)
約32wt%のフィルゴチニブマレイン酸塩形態I;
約36wt%の微結晶性セルロース;
約20wt%のラクトース一水和物;
約5.0wt%のアルファ化デンプン;
約1.0wt%のコロイド状二酸化ケイ素;
約1.5wt%のステアリン酸マグネシウム;および
約5.0wt%のフマル酸
を含む、医薬組成物。
(項目7)
約29wt%〜約35wt%のフィルゴチニブマレイン酸塩形態I;
約32wt%〜約40wt%の微結晶性セルロース;
約18wt%〜約22wt%のラクトース一水和物;
約4.5wt%〜約5.5wt%のアルファ化デンプン;
約0.9wt%〜約1.1wt%のコロイド状二酸化ケイ素;
約1.3wt%〜約1.8wt%のステアリン酸マグネシウム;および
約4.5wt%〜約5.5wt%のフマル酸
を含む、医薬組成物。
(項目8)
前記組成物が錠剤の形態である、前記項目のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目9)
前記フィルゴチニブマレイン酸塩形態Iが、Cu−Kα線を使用して回折計で決定した場合に、8.2、11.9、16.4および18.9°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする、前記項目のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目10)
前記フィルゴチニブマレイン酸塩形態Iが、図1に示されているのと実質的に同じXRPDパターンを特徴とする、前記項目のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目11)
前記フィルゴチニブマレイン酸塩形態Iが、図2に示されているのと実質的に同じ示差走査熱量測定(DSC)曲線を特徴とする、前記項目のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目12)
前記フィルゴチニブマレイン酸塩形態Iが、図2に示されているのと実質的に同じサーモグラムを含む熱重量分析(TGA)を特徴とする、前記項目のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目13)
前記フィルゴチニブマレイン酸塩形態Iが、図3に示されているのと実質的に同じプロトン核磁気共鳴スペクトル(H NMR)を特徴とする、前記項目のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目14)
JAKにより媒介される疾患または障害を処置する方法であって、前記項目のいずれかに記載の医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む、方法。
(項目15)
前記疾患または障害が炎症性疾患または障害である、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記炎症性疾患または障害が、関節リウマチ、クローン病、潰瘍性大腸炎、円形脱毛症、ブドウ膜炎、急性移植片対宿主病、皮膚ループス腎炎、膜性ループス腎炎、アトピー性皮膚炎、乾癬、強直性脊椎炎および乾癬性関節炎からなる群より選択される、項目15に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1図1は、フィルゴチニブマレイン酸塩形態IのX線粉末回折(XRPD)パターンである。
【0006】
図2図2は、フィルゴチニブマレイン酸塩形態Iの示差走査熱量測定(DSC)曲線および熱重量分析(TGA)である。
【0007】
図3図3は、フィルゴチニブマレイン酸塩形態Iのプロトン核磁気共鳴(H NMR)スペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
詳細な説明
フィルゴチニブは、N−(5−(4−((1,1−ジオキシドチオモルホリノ)メチル)フェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)シクロプロパンカルボキサミドの化学名および以下の構造:
【化1】
を有する。
【0009】
フィルゴチニブならびにその調製および治療的使用の方法は、米国特許第8,563,545号に記載されている。フィルゴチニブを含む医薬組成物は、国際公開第2015/117980号に記載されている。特に、国際公開第2015/117980号には、フィルゴチニブの塩酸、より具体的には塩酸塩三水和物を含む製剤が記載されている。国際公開第2015/117980号には、フィルゴチニブ塩またはその溶媒和物もしくは水和物を含む医薬組成物において滑沢化剤としてステアリン酸マグネシウムを使用した場合、安定性の問題に直面したことが記述されている。
【0010】
フィルゴチニブマレイン酸塩形態I
本開示は、治療有効量のフィルゴチニブマレイン酸塩形態Iを含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、フィルゴチニブマレイン酸塩形態Iは、Cu−Kα線を使用して回折計で決定した場合に、8.2、11.9、16.4および18.9°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、フィルゴチニブマレイン酸塩形態Iは、Cu−Kα線を使用して回折計で決定した場合に、28.9、16.4、8.2、18.9、20.0、11.9、14.9、18.1、20.5および22.6°2θ±0.2°2θからなる群より選択される1つまたはそれより多くのピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、フィルゴチニブマレイン酸塩形態Iは、Cu−Kα線を使用して回折計で決定した場合に、28.9、16.4、8.2、18.9、20.0、11.9、14.9、18.1、20.5および22.6°2θ±0.2°2θからなる群より選択される1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つまたはそれより多くのピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、フィルゴチニブマレイン酸塩形態Iは、Cu−Kα線を使用して回折計で決定した場合に、28.9、16.4、8.2、18.9、20.0、11.9、14.9、18.1、20.5および22.6°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも4つのピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、フィルゴチニブマレイン酸塩形態Iは、Cu−Kα線を使用して回折計で決定した場合に、28.9、16.4、8.2、18.9、20.0、11.9、14.9、18.1、20.5および22.6°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも5つのピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、フィルゴチニブマレイン酸塩形態Iは、Cu−Kα線を使用して回折計で決定した場合に、28.9、16.4、8.2、18.9、20.0、11.9、14.9、18.1、20.5および22.6°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、フィルゴチニブマレイン酸塩形態Iは、図1に示されているのと実質的に同じXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、フィルゴチニブマレイン酸塩形態Iは、図2に示されているのと実質的に同じ示差走査熱量測定(DSC)曲線を特徴とする。いくつかの実施形態では、フィルゴチニブマレイン酸塩形態Iは、図2に示されているのと実質的に同じサーモグラムを含む熱重量分析(TGA)を特徴とする。いくつかの実施形態では、フィルゴチニブマレイン酸塩形態Iは、図3に示されているのと実質的に同じプロトン核磁気共鳴スペクトル(H NMR)を特徴とする。
【0011】
定義
本明細書で使用される場合、以下の単語および句は、一般に、それらが使用されている文脈が別途指示している範囲を除いて、以下に記載されている意味を有することが意図される。
【0012】
「約」という用語は、特に指定がない限り、±10%の範囲を指す。
【0013】
例えば、XRPDパターン、DSCサーモグラムまたはTGAグラフに言及する場合、「実質的に同じ」という用語は、本明細書に示されるものと必ずしも同一ではないが、当業者が検討した場合に実験誤差または偏差の限界内に入るパターン、サーモグラムまたはグラフを含む。
【0014】
「治療有効量」という用語は、以下に定義される処置を、当該処置を必要とする哺乳動物、例えばヒトに施した場合に達成するのに十分な量を指す。治療有効量は、処置される被験体、被験体の体重および年齢、病状の重症度、投与方法などに応じて変わり、当業者により容易に決定され得る。
【0015】
本明細書で使用される場合、「処置」または「処置する」は、有益なまたは所望の結果を得るためのアプローチである。本開示の目的上、有益なまたは所望の結果としては、限定されないが、症候の緩和ならびに/または疾患もしくは状態に関連する症候の程度の縮小、が挙げられる。一実施形態では、「処置」または「処置する」は、以下:a)疾患または状態の阻害(例えば、疾患もしくは状態から生じる1つもしくはそれより多くの症候の低減、および/または疾患もしくは状態の範囲の縮小)、b)疾患または状態に関連する1つまたはそれより多くの症候の発生の減速または停止(例えば、疾患または状態の安定化、疾患または状態の悪化または進行の遅延)、ならびにc)疾患または状態の軽減、例えば臨床症候の退縮を引き起こすこと、病態の寛解、疾患進行の遅延、生活の質の向上および/または生存の延長の1つまたはそれよりも多くを含む。
【0016】
本明細書で使用される場合、「予防」または「予防する」は、疾患の臨床症候が発症しないように、疾患または障害の発生から保護するレジメンを指す。したがって、「予防」は、被験体において疾患の徴候が検出可能になる前に、治療を被験体に施すこと(例えば、治療物質を投与すること)(例えば、被検体において検出可能な感染因子(例えば、ウイルス)の非存在下で治療物質を被験体に投与すること)に関する。被験体は、疾患または障害を発症するリスクがある個体、例えば疾患または障害の発症または発生に関連することが公知の1つまたはそれより多くのリスク因子を有する個体であり得る。
【0017】
本明細書で使用される場合、「炎症性疾患」または「炎症性障害」という用語は、過剰または異常な炎症を特徴とする状態の一群を指す。「炎症性疾患」または「炎症性障害」の症候は、慢性疼痛、発赤、腫脹、硬直および正常組織の損傷を含み得る。「炎症性疾患」または「炎症性障害」の非限定的な例としては、関節リウマチ、クローン病、潰瘍性大腸炎、円形脱毛症、ブドウ膜炎、急性移植片対宿主病、皮膚ループス腎炎、膜性ループス腎炎、アトピー性皮膚炎、乾癬、強直性脊椎炎および乾癬性関節炎が挙げられる。
【0018】
医薬組成物
本明細書に記載される医薬組成物は、全般的に、経口投与のためのものである。経口投与を対象とする医薬組成物は、味のよい調製物を提供するために、甘味剤、矯味矯臭剤、着色剤、コーティング剤および/または保存剤をさらに含み得る。一実施形態では、医薬組成物は、錠剤の形態である。錠剤は、圧縮または成形により調製され得る。圧縮錠剤は、適切な機械で自由流動形態(例えば粉末または顆粒など)の活性成分を、結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤または保存剤と必要に応じて混合して、圧縮することにより調製され得る。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末活性成分の混合物を適切な機械で成形することにより作製され得る。錠剤は、必要に応じてコーティングまたはスコアリングされ得る。
【0019】
単一剤形を生成するために担体材料と組み合わされる活性成分の量は、処置される患者に応じて変わる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、約127.24mgのフィルゴチニブマレイン酸塩形態Iを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、約127.2mgのフィルゴチニブマレイン酸塩形態Iを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、約127mgのフィルゴチニブマレイン酸塩形態Iを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、約254.48mgのフィルゴチニブマレイン酸塩形態Iを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、約254.5mgのフィルゴチニブマレイン酸塩形態Iを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、約254mgのフィルゴチニブマレイン酸塩形態Iを含む。
【0020】
使用方法
本明細書に開示される医薬組成物は、JAKにより媒介される疾患または障害を処置するための治療方法において投与され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、炎症性疾患または障害を処置するために、それを必要とする患者に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、関節リウマチ、クローン病、潰瘍性大腸炎、円形脱毛症、ブドウ膜炎、急性移植片対宿主病、皮膚ループス腎炎、膜性ループス腎炎、アトピー性皮膚炎、乾癬、強直性脊椎炎および乾癬性関節炎からなる群より選択される疾患または障害を処置するために、それを必要とする患者に投与される。
【0021】
併用療法
本明細書に開示される医薬組成物は、JAKにより媒介される疾患または障害を処置するために有効な1つまたはそれより多くのさらなる治療剤と組み合わせて、治療方法において投与され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、炎症性疾患または障害を処置するために有効な1つまたはそれより多くのさらなる治療剤と組み合わせて、それを必要とする患者に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、関節リウマチ、クローン病、潰瘍性大腸炎、円形脱毛症、ブドウ膜炎、急性移植片対宿主病、皮膚ループス腎炎、膜性ループス腎炎、アトピー性皮膚炎、乾癬、強直性脊椎炎および乾癬性関節炎からなる群より選択される疾患または障害を処置するために有効な1つまたはそれより多くのさらなる治療剤と組み合わせて、それを必要とする患者に投与される。
【実施例】
【0022】
実施例1:N−(5−(4−((1,1−ジオキシドチオモルホリノ)メチル)フェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)シクロプロパンカルボキサミドマレイン酸塩(フィルゴチニブマレイン酸塩)形態Iの調製および特性評価
N−(5−(4−((1,1−ジオキシドチオモルホリノ)メチル)フェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)シクロプロパンカルボキサミドを2.1mol当量のマレイン酸と共にアセトン/水(95:5 v/v)中、約50℃で約16時間加熱することにより、フィルゴチニブマレイン酸塩形態Iを調製した。その後、反応内容物を約1.5時間かけて約20℃に冷却し、約20℃で約2時間維持した。次に、反応内容物を濾過した。ウェットケーキをアセトンで洗浄し、撹拌しながら真空下、約50℃で乾燥させた。
【0023】
また、N−(5−(4−((1,1−ジオキシドチオモルホリノ)メチル)フェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)シクロプロパンカルボキサミドを2.1mol当量のマレイン酸とアセトニトリル/水(3:1容量)中、約55℃で混合することにより、フィルゴチニブマレイン酸塩形態Iを生成した。次に、少量のN−(5−(4−((1,1−ジオキシドチオモルホリノ)メチル)フェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)シクロプロパンカルボキサミドマレイン酸塩形態Iを種晶として添加した。反応内容物を同じ温度で約4時間維持した。その後、反応内容物を約0.1℃/分で約0℃〜約5℃に冷却し、一晩維持した。次いで、固体を濾過し、琥珀色ボトルに保存した。
【0024】
また、N−(5−(4−((1,1−ジオキシドチオモルホリノ)メチル)フェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)シクロプロパンカルボキサミドを約1.1mol当量のマレイン酸と共にアセトニトリル/水に約72℃で溶解させることにより、N−(5−(4−((1,1−ジオキシドチオモルホリノ)メチル)フェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)シクロプロパンカルボキサミドマレイン酸塩形態Iを生成した。次に、約25mLのアセトニトリル/水に溶解させた約1.0mol当量のマレイン酸からなる溶液を入れた。次いで、反応内容物を約65℃に冷却し、少量のN−(5−(4−((1,1−ジオキシドチオモルホリノ)メチル)フェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)シクロプロパンカルボキサミドマレイン酸塩形態Iを種晶として加え、撹拌しながら同じ温度で約4時間維持した。その後、反応内容物を約0.1℃/分で約0℃に冷却した。次に、反応内容物に対して2回加熱サイクルを行った。各加熱サイクルは、反応内容物を約1℃/分で約50℃に加熱し、次いで、約0.1℃/分で約0℃に冷却することからなっていた。最後の冷却段階の後、反応内容物を撹拌しながら約0℃で約24時間維持した。次に、反応内容物を濾過し、アセトニトリル/水で2回洗浄した。次いで、単離固体をNパージしながら真空オーブン中、約50℃で乾燥させた。
【0025】
また、N−(5−(4−((1,1−ジオキシドチオモルホリノ)メチル)フェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド、約1mol当量のマレイン酸およびTHFを反応器に入れることにより、N−(5−(4−((1,1−ジオキシドチオモルホリノ)メチル)フェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)シクロプロパンカルボキサミドマレイン酸塩形態Iを生成した。反応内容物を約55℃に加熱した。次に、高純度水を反応容器に入れた。次いで、反応内容物を約65℃に加熱した。次に、THFを反応器に入れた。反応内容物を約63℃に加熱し、透明溶液が観察された。次いで、マレイン酸溶液(約1.1mol当量の酸を含む水)、続いて水を反応容器に入れた。反応内容物を約65℃で約1時間熟成させた。次に、反応内容物を約45℃に冷却し、少量のN−(5−(4−((1,1−ジオキシドチオモルホリノ)メチル)フェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)シクロプロパンカルボキサミドマレイン酸塩形態Iを種晶として添加した。次いで、反応内容物を約3時間かけて約5℃に冷却し、約5℃で一晩熟成させた。次いで、反応内容物を濾過し、約5℃のTHFで洗浄した。次いで、固体を約50℃で乾燥させた。
【0026】
フィルゴチニブマレイン酸塩形態IのX線粉末回折(XRPD)パターンは、図1に示されている。XRPDパターンの主なピークを、表1に要約する。
【0027】
【表1】
【0028】
フィルゴチニブマレイン酸塩形態Iは、8.2、11.9、16.4および18.9°2θ±0.2°2θにおけるXRPDピークに特徴付けられ得る。
【0029】
フィルゴチニブマレイン酸塩形態Iの示差走査熱量測定(DSC)曲線および熱重量分析(TGA)は、図2に示されている。DSC曲線はグラフ中の上の曲線であり、TGA曲線はグラフ中の下の曲線である。
【0030】
フィルゴチニブマレイン酸塩形態Iのプロトン核磁気共鳴スペクトル(H NMR)は図3に示されており、このプロトン核磁気共鳴スペクトルにより、フィルゴチニブ1分子当たり1分子のマレイン酸が存在することが実証されている。
【0031】
以下の実験設定:45kV、40mA、Kα1=1.5406Å、スキャン範囲2〜40°2θ、ステップサイズ0.0167°2θ、カウント時間:15.875秒または48.260秒を使用してPANalytical X’Pert PRO MPD回折計により、フィルゴチニブマレイン酸塩形態IのXRPDパターンを収集した。約2〜3mgの材料を使用して、(−30℃)〜300℃または20℃〜350℃の典型的な範囲にわたって10℃/分の加熱速度でTA Instruments Q2000示差走査熱量計により、DSC分析を行った。約2〜5mgの材料を使用して、25℃〜350℃の典型的な範囲にわたって10℃/分の加熱速度でTA Instruments 2950およびQ5000熱重量分析装置により、TGAデータを得た。
【0032】
実施例2:ファモチジン前処置イヌへの、フマル酸と共におよびフマル酸なしでフィルゴチニブマレイン酸塩形態Iを含む医薬組成物の経口投与後の薬物動態パラメータ
制酸剤(ARA)の同時投与の効果を評価するために、ファモチジン前処置イヌにおいて、フィルゴチニブマレイン酸塩形態Iを含む様々な製剤の薬物動態パラメータを試験した。フィルゴチニブマレイン酸塩形態Iを含む医薬組成物へのフマル酸の添加は、フマル酸を含有しない対照製剤と比較して、ファモチジン前処置イヌにおけるフィルゴチニブの曝露の増加をもたらすことが見出された。同様の結果がクエン酸で得られた。さらに、フマル酸およびフィルゴチニブマレイン酸塩形態Iを含む医薬組成物は、国際公開第2015/117980号に記載されている製剤(「参照製剤」)と比べて、ファモチジン前処置イヌにおけるフィルゴチニブの優れた曝露をもたらした。結果を、表2に要約する。100mg用量のフィルゴチニブを各製剤にて投与した。
【0033】
【表2】
平均値が報告されており、標準偏差がカッコ内である。
【0034】
実施例3:フィルゴチニブマレイン酸塩形態Iを含む医薬組成物
実施例2に示されているデータを考慮して臨床試験において使用するために、フィルゴチニブマレイン酸塩形態Iおよびフマル酸を含む医薬組成物を開発した。医薬組成物(「試験製剤」)中の成分および成分量は、表3に記載されている。
【0035】
【表3】
【0036】
実施例4:第一相研究
試験製剤を用いて第一相単一施設非盲検複数コホート研究を行って、ヒトにおける参照製剤と比較した試験製剤の相対的バイオアベイラビリティと、ヒトにおけるフィルゴチニブの薬物動態に対する制酸剤(ARA)の同時投与の効果とを評価した。研究設計は、以下に記載されている。
【0037】
相対的バイオアベイラビリティ
スクリーニングの完了後、適格被験体をコホート内で処置シーケンスに無作為化した。施した処置は、以下のとおりであった:
処置A:絶食でAMに単回200mg用量のフィルゴチニブを含む参照製剤(2×100mgの錠剤)を投与する
処置B:絶食でAMに単回200mg用量のフィルゴチニブを含む試験製剤(1×200mgの錠剤)を投与する
処置C:絶食でAMに単回100mg用量のフィルゴチニブを含む参照製剤(1×100mgの錠剤)を投与する
処置D:絶食でAMに単回100mg用量のフィルゴチニブ試験製剤(1×100mgの錠剤)を投与する
【0038】
【表4】
【0039】
処置A〜D:一晩絶食(水を除き、少なくとも8時間にわたって食物も飲料もなし)後の午前中に、研究処置を施した。治験薬投与に対して、4時間PKサンプルの収集後まで、被験体は引き続き絶食した。加えて、研究処置と共に与えた240mLの水を除いて、投与の1時間前から投与の2時間後まで、被験体は水消費を制限された。
【0040】
研究センターにおいて、午前中のほぼ同じ時間に毎日、240mLの炭酸抜きの(無炭酸)水を用いてすべての研究処置を経口で施した。
【0041】
以下の、1日目および10日目:0(投与前)、投与後0.5、1、2、3、4、6、8、12、18、24、36、48、72、96および120時間の時点で、フィルゴチニブの午前投与に対して、集中的なPKサンプリングを行った。
【0042】
有効なLC−MS/MS法を使用して、フィルゴチニブの血漿濃度を決定した。Phoenix WinNonlin(登録商標)(Phoenix WinNonlin Professional, version 6.4;Pharsight Corporation, Mountain View, California)を使用してフィルゴチニブの非コンパートメントPKパラメータを推定し、各コホートについて処置別に記述統計学を使用して要約した。固定効果として処置、期間およびシーケンス、ならびに変量効果として被験体を用いた混合効果モデルを使用したパラメトリック(正規理論)分散分析(ANOVA)を、フィルゴチニブのPKパラメータ(AUCinfおよびCmax)の自然対数変換にフィッティングした。試験製剤対参照製剤間の比較におけるPKパラメータの幾何最小二乗平均(GLSM)の比と、比の両側90%信頼区間(CI)とを計算した。
【0043】
フィルゴチニブPKパラメータ、および試験製剤と参照製剤との間の関連統計比較を、以下の表に要約する。データは、試験製剤および参照製剤が、100mgおよび200mgの両方においてフィルゴチニブの同程度の血漿曝露(AUCinfおよびCmax)をもたらしたこと、ならびにGLSM比の90%CIが、70%〜143%の事前指定された同程度の境界内に含まれることを実証している。フィルゴチニブの90%CI(200mgにおけるAUCinfおよびCmax;100mgにおけるAUCinf)も80%〜125%の生物学的同等性境界内であった。両方の用量レベルにおいて試験製剤および参照製剤について、フィルゴチニブのTmaxおよびt1/2も同程度であった。
【0044】
【表5】
AUCinf=0から無限までの血漿濃度対時間曲線下面積;Cmax=最大血漿濃度;Tmax=Cmaxの時間;t1/2=最終消失半減期;GLSM=幾何最小二乗平均;CI=信頼区間;中央値(Q1、Q3)
【0045】
ARA効果
スクリーニングの完了後、以下の処置を適格被験体に投与した:
処置M:絶食でAMに単回200mg用量のフィルゴチニブを含む試験製剤(1×200mgの錠剤)を投与する
処置N:ファモチジン40mg(1×40mgの錠剤)を約12時間あけて1日2回投与する
処置O:絶食状態でAMにファモチジン40mg(1×40mgの錠剤)を投与し、続いて、ファモチジンのAM投与の2時間後に単回用量のフィルゴチニブを含む試験製剤(1×200mgの錠剤)を投与し、フィルゴチニブのAM投与の約12時間後に午後用量のファモチジン40mg(1×40mgの錠剤)を投与する
【0046】
【表6】
【0047】
処置M:一晩絶食(水を除き、少なくとも8時間にわたって食物も飲料もなし)後に、フィルゴチニブを投与した。治験薬投与に対して、4時間PKサンプルの収集後まで、被験体は引き続き絶食した。加えて、研究処置と共に与えた240mLの水を除いて、投与の1時間前から投与の2時間後まで、被験体は水消費を制限された。
【0048】
処置N:食物に関係なくファモチジンを投与した。
【0049】
処置O:一晩絶食(水を除き、少なくとも8時間にわたって食物も飲料もなし)後に、AM用量のファモチジンを投与し、続いて、ファモチジンのAM投与の2時間後に、単回用量のフィルゴチニブを投与した。フィルゴチニブ投与に対して、4時間PKサンプルの収集後まで、被験体は引き続き絶食した。加えて、研究処置と共に与えた240mLの水を除いて、ファモチジンのAM投与の1時間前からフィルゴチニブ投与の2時間後まで、被験体は水消費を制限された。食物に関係なく午後用量のファモチジンを投与した。
【0050】
研究センターにおいて、午前中のほぼ同じ時間に毎日、240mLの炭酸抜きの(無炭酸)水を用いてすべての研究処置を経口で施した。
【0051】
被験体が臨床研究施設に滞在する間に被験体に与えたすべての食事および/または間食は、すべての被験体について標準化されており、カロリーおよび脂肪含有量が同様であり、ほぼ同じ時間に毎日摂取された(例えば、07:30、12:00および18:00)。承認された食事スケジュールにしたがって個別の割当て(例えば、大さじ1杯)単位で、食事成分(例えば、マーガリン、ゼリー、パン)を被験体に与えた。一括による食事成分の提供(例えば、被験体によるゼリー瓶の共用)は実施されなかった。
【0052】
以下の、1日目および10日目:0(投与前)、投与後0.5、1、2、3、4、6、8、12、18、24、36、48、72、96および120時間の時点で、フィルゴチニブの午前投与に対して、集中的なPKサンプリングを行った。6日目の治験薬投与前に、1日目のフィルゴチニブ処置後の120時間PKサンプルを収集した。
【0053】
有効なLC−MS/MS法を使用して、血漿フィルゴチニブ濃度を決定した。Phoenix WinNonlin(登録商標)(Phoenix WinNonlin Professional, version 6.4;Pharsight Corporation, Mountain View, California)を使用してフィルゴチニブの非コンパートメントPKパラメータを推定し、各コホートについて処置別に記述統計学を使用して要約した。固定効果として処置、および変量効果として被験体を用いた混合効果モデルを使用したANOVAを、フィルゴチニブのPKパラメータ(AUCinfおよびCmax)の自然対数変換にフィッティングする。ファモチジンと組み合わせて投与したフィルゴチニブと、単独で投与したフィルゴチニブとの間の比較におけるPKパラメータのGLSMの比と、比の両側90%CIとを計算した。
【0054】
試験製剤の投与後のフィルゴチニブPKに対するファモチジンの効果を、以下の表に要約する。データは、(2時間ずらした)ファモチジンと試験製剤との共投与が、フィルゴチニブPKに対する臨床関連効果をもたらさなかったことを実証している。
【0055】
【表7】
CmaxおよびAUCinfは平均(%CV)で示されている;Tmaxおよびt1/2は中央値(Q1、Q3)で示されている。
図1
図2
図3