特許第6979104号(P6979104)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6979104タッチセンシング機能付液晶パネル、液晶表示装置および粘着剤層付き偏光フィルム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6979104
(24)【登録日】2021年11月16日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】タッチセンシング機能付液晶パネル、液晶表示装置および粘着剤層付き偏光フィルム
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1333 20060101AFI20211125BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20211125BHJP
   G02B 1/16 20150101ALI20211125BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20211125BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20211125BHJP
   C09J 7/38 20180101ALI20211125BHJP
   C09J 133/00 20060101ALI20211125BHJP
【FI】
   G02F1/1333
   G02B5/30
   G02B1/16
   G02F1/1335 510
   G09F9/00 366A
   G09F9/00 313
   G09F9/00 309A
   C09J7/38
   C09J133/00
【請求項の数】24
【全頁数】41
(21)【出願番号】特願2020-75073(P2020-75073)
(22)【出願日】2020年4月21日
(62)【分割の表示】特願2019-214299(P2019-214299)の分割
【原出願日】2019年11月27日
(65)【公開番号】特開2020-144379(P2020-144379A)
(43)【公開日】2020年9月10日
【審査請求日】2020年4月21日
(31)【優先権主張番号】特願2018-223647(P2018-223647)
(32)【優先日】2018年11月29日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 智之
(72)【発明者】
【氏名】石原 康隆
(72)【発明者】
【氏名】寳田 翔
(72)【発明者】
【氏名】藤田 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】外山 雄祐
(72)【発明者】
【氏名】三田 聡司
【審査官】 磯崎 忠昭
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2018/181415(WO,A1)
【文献】 特開平11−295522(JP,A)
【文献】 特開2017−075986(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/064551(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0059756(US,A1)
【文献】 韓国公開特許第10−2009−0101762(KR,A)
【文献】 特開2014−048497(JP,A)
【文献】 特開2016−122054(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1333
G02B 5/30
G02B 1/16
G02F 1/1335
G09F 9/00
C09J 7/38
C09J 133/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶層およびタッチセンサー部を有するタッチセンシング機能内蔵液晶セル、
前記液晶セルの視認側に配置された第1偏光フィルムと視認側の反対側に配置された第2偏光フィルム、および、
前記第1偏光フィルムと前記液晶セルとの間に配置された第1粘着剤層を有するタッチセンシング機能内蔵液晶パネルにおいて、
前記第1偏光フィルムは、偏光子、前記偏光子の片面にのみ透明保護フィルム、および前記偏光子の他の片面に、直接、形成されている10μm以下の透明層を有し、前記第1偏光フィルムは、前記透明層を介して前記第1粘着剤層に設けられており、
前記第1粘着剤層は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)、およびイオン性化合物(B)含有する粘着剤組成物より形成されており、かつ、
前記第一粘着剤層は、表面抵抗値の変動比(b/a)≦10、
(但し、前記aは、前記第1偏光フィルムの前記透明層に前記第一粘着剤層が設けられ、かつ、当該第一粘着剤層にセパレータが設けられた状態の粘着剤層付き第1偏光フィルムを作製した直後に前記セパレータを剥離した際の第一粘着剤層の表面抵抗値を、前記bは前記粘着剤層付き第1偏光フィルムを60℃/95%RHの加湿環境下に250時間投入し、さらに40℃で1時間乾燥させた後に、前記セパレータを剥離した際の第一粘着剤層の表面抵抗値を、それぞれ示す)を満足することを特徴とするタッチセンシング機能内蔵液晶パネル。
【請求項2】
前記透明層が、イソシアネート化合物と多価アルコールとの反応物であるウレタンプレポリマーを含有する形成材の硬化物であることを特徴とする請求項記載のタッチセンシング機能内蔵液晶パネル。
【請求項3】
前記イソシアネート化合物が、トリレンジイソシアネートおよびジフェニルメタンジイソシアネートから選ばれるいずれか少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項記載のタッチセンシング機能内蔵液晶パネル。
【請求項4】
前記透明層が、エポキシ樹脂を含有することを特徴とする請求項記載のタッチセンシング機能内蔵液晶パネル。
【請求項5】
前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)が、モノマー単位として、アルキル(メタ)アクリレート(a1)およびアミド基含有モノマー(a2)を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のタッチセンシング機能内蔵液晶パネル。
【請求項6】
前記アミド基含有モノマー(a2)が、N−ビニル基含有ラクタム系モノマーであることを特徴とする請求項記載のタッチセンシング機能内蔵液晶パネル。
【請求項7】
前記アミド基含有モノマー(a2)は、モノマー単位として、前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)中に0.1重量%以上含有されていることを特徴とする請求項5または6記載のタッチセンシング機能内蔵液晶パネル。
【請求項8】
前記イオン性化合物(B)が、アルカリ金属塩であり、前記aに係る、第一粘着剤層の表面抵抗値が1×1010〜1×1012Ω/□であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のタッチセンシング機能内蔵液晶パネル。
【請求項9】
前記イオン性化合物(B)が、有機カチオン−アニオン塩であり、前記aに係る、第一粘着剤層の表面抵抗値が1×10〜1×1010Ω/□であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のタッチセンシング機能内蔵液晶パネル。
【請求項10】
前記イオン性化合物(B)は、前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して0.01重量部以上含有されていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のタッチセンシング機能内蔵液晶パネル。
【請求項11】
前記透明層と前記第1粘着剤層との間に導電層を有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のタッチセンシング機能内蔵液晶パネル。
【請求項12】
前記タッチセンサー部と第1粘着剤層とは直接接していることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のタッチセンシング機能内蔵液晶パネル。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれかに記載のタッチセンシング機能内蔵液晶パネルを有する液晶表示装置。
【請求項14】
偏光子、前記偏光子の片面にのみ透明保護フィルム、および前記偏光子の他の片面に、直接、形成されている10μm以下の透明層(但し、前記透明層は、平均膜厚が0.5〜10μmであり、エチレン性不飽和基を有する高分子化合物を主成分とする活性エネルギー線硬化性高分子組成物の水性溶液より形成されたものである場合を除く)を有し、かつ、前記透明層を介して粘着剤層が設けられている粘着剤層付き偏光フィルムであって、
前記粘着剤層は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)、およびイオン性化合物(B)含有する粘着剤組成物より形成されており、かつ、
前記粘着剤層は、表面抵抗値の変動比(b/a)≦10、
(但し、前記aは、前記粘着剤層付き偏光フィルムの前記粘着剤層にセパレータが設けられた状態の粘着剤層付き偏光フィルムを作製した直後に前記セパレータを剥離した際の粘着剤層の表面抵抗値を、前記bは前記セパレータが設けられた状態の粘着剤層付き偏光フィルムを60℃/95%RHの加湿環境下に250時間投入し、さらに40℃で1時間乾燥させた後に、前記セパレータを剥離した際の粘着剤層の表面抵抗値を、それぞれ示す)を満足することを特徴とする粘着剤層付き偏光フィルム。
【請求項15】
前記透明層が、イソシアネート化合物と多価アルコールとの反応物であるウレタンプレポリマーを含有する形成材の硬化物であることを特徴とする請求項14記載の粘着剤層付き偏光フィルム。
【請求項16】
前記イソシアネート化合物が、トリレンジイソシアネートおよびジフェニルメタンジイソシアネートから選ばれるいずれか少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項15記載の粘着剤層付き偏光フィルム。
【請求項17】
前記透明層が、エポキシ樹脂を含有することを特徴とする請求項14記載の粘着剤層付き偏光フィルム。
【請求項18】
前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)が、モノマー単位として、アルキル(メタ)アクリレート(a1)およびアミド基含有モノマー(a2)を含有することを特徴とする請求項14〜17のいずれかに記載の粘着剤層付き偏光フィルム。
【請求項19】
前記アミド基含有モノマー(a2)が、N−ビニル基含有ラクタム系モノマーであることを特徴とする請求項18記載の粘着剤層付き偏光フィルム。
【請求項20】
前記アミド基含有モノマー(a2)は、モノマー単位として、前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)中に0.1重量%以上含有されていることを特徴とする請求項18または19記載の粘着剤層付き偏光フィルム。
【請求項21】
前記イオン性化合物(B)が、アルカリ金属塩であり、前記aに係る、粘着剤層の表面抵抗値が1×1010〜1×1012Ω/□であることを特徴とする請求項14〜20のいずれかに記載の粘着剤層付き偏光フィルム。
【請求項22】
前記イオン性化合物(B)が、有機カチオン−アニオン塩であり、前記aに係る、粘着剤層の表面抵抗値が1×10〜1×1010Ω/□であることを特徴とする請求項14〜20のいずれかに記載の粘着剤層付き偏光フィルム。
【請求項23】
前記イオン性化合物(B)は、前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して0.01重量部以上含有されていることを特徴とする請求項14〜22のいずれかに記載の粘着剤層付き偏光フィルム。
【請求項24】
前記透明層と前記粘着剤層との間に導電層を有することを特徴とする請求項14〜23のいずれかに記載の粘着剤層付き偏光フィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチセンシング機能付液晶パネルおよび液晶表示装置に関する。本発明のタッチセンシング機能付液晶表示装置は、モバイル機器等の各種の入力表示装置として用いることができる。また本発明は、粘着剤層付き偏光フィルムに関する。本発明の粘着剤層付き偏光フィルムは、例えば、タッチセンシング機能付液晶パネルおよび液晶表示装置に適用することができる。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、一般的にはその画像形成方式から液晶セルの両側に偏光フィルムが粘着剤層を介して貼り合されている。また、液晶表示装置の表示画面にタッチパネルを搭載するものが実用化されている。タッチパネルとしては、静電容量式、抵抗膜式、光学方式、超音波方式あるいは電磁誘導式等の種々の方式があるが静電容量式が多く採用されるようになってきている。近年では、タッチセンサー部として静電容量センサーを内蔵した、タッチセンシング機能付液晶表示装置が用いられている。
【0003】
一方、液晶表示装置の製造時、前記粘着剤層付き偏光フィルムを液晶セルに貼り付ける際には、粘着剤層付き偏光フィルムの粘着剤層から離型フィルムを剥離するが、当該離型フィルムの剥離により静電気が発生する。このようにして発生した静電気は、液晶表示装置内部の液晶層の配向に影響を与え、不良を招くようになる。静電気の発生は、例えば、偏光フィルムの外面に帯電防止層を形成することにより抑えることができる。
【0004】
一方、タッチセンシング機能付液晶表示装置における静電容量センサーは、その表面に使用者の指が接近したときに、透明電極パターンと指とが形成する微弱な静電容量を検出するものである。上記透明電極パターンと使用者の指との間に、帯電防止層のような導電層を有する場合には、駆動電極とセンサー電極の間の電界が乱れ、センサー電極容量が不安定化してタッチパネル感度が低下して、誤作動の原因となる。タッチセンシング機能付液晶表示装置では、静電気発生を抑制するとともに、静電容量センサーの誤作動を抑えることが求められる。例えば、前記課題に対して、タッチセンシング機能付液晶表示装置において、表示不良や誤作動の発生を低減するため、表面抵抗値が1.0×10〜1.0×1011Ω/□の帯電防止層を有する偏光フィルムを液晶層の視認側に配置することが提案されている(特許文献1)。
【0005】
その他、静電気による液晶パネルのムラや、異物の付着防止等を目的として、帯電防止機能を有する光学フィルム用粘着剤が提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−105154号公報
【特許文献2】特開2017−067942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の帯電防止層を有する偏光フィルムによれば、ある程度の静電気発生を抑制することができる。しかし、特許文献1では、帯電防止層の配置箇所が、静電気が発生する根本的な位置よりも離れているため、粘着剤層に帯電防止機能を付与する場合に比べて効果的でない。
【0008】
また、イオン性化合物を含有する粘着剤層は、前記偏光フィルムに設けた帯電防止層よりも静電気発生を抑制して、静電気ムラを防止するうえでは有効である。しかし、イオン性化合物を含有する粘着剤層は、経時的に帯電防止機能が劣化することが分かった。特に、加湿環境下(加湿信頼性試験後)では、粘着剤層中のイオン性化合物が光学フィルム(偏光フィルム)との界面に偏析したり、光学フィルム(偏光フィルム)中に移行したりして、粘着剤層の表面抵抗値が大きくなって、帯電防止機能を著しく低下させていることが分かった。こうした粘着剤層の帯電防止機能の低下が、タッチセンシング機能付液晶表示装置の静電気ムラの発生および誤作動の要因になっていることが分かった。
【0009】
また、粘着剤層付き偏光フィルムとしては、偏光子の片側にのみ透明保護フィルムを設け、他の片側には透明保護フィルムを設けていない片保護偏光フィルムに粘着剤層を設けたものを用いる場合がある。当該粘着剤層付き片保護偏光フィルムは、透明保護フィルムが片側にのみあるため、両側に透明保護フィルムを有する場合に比べて、偏光フィルムを薄型化でき、なおかつ透明保護フィルム一層分のコストが削減可能である。一方、前記粘着剤層付き片保護偏光フィルムにおいて、前記粘着剤層にイオン性化合物を含有させて帯電防止機能を付与する場合には、当該粘着剤層中のイオン性化合物の偏光子への影響が特に大きく、経時的に、偏光子を劣化させて、加湿試験後には光学特性が大きく低下する問題があった。
【0010】
特許文献2によれば、加湿環境下において、安定した帯電防止機能を満足することができるが、特許文献2においても、前記粘着剤層付き片保護偏光フィルムを用いる場合には、加湿環境下における粘着剤層の帯電防止機能のさらなる向上が求められる。
【0011】
本発明は、タッチセンシング機能内蔵液晶セルの視認側に、イオン性化合物を含有する粘着剤層により、偏光子の片面にのみ透明保護フィルムを有する片保護偏光フィルムが貼り合されているタッチセンシング機能付液晶パネルであっても、加湿環境下において、安定した帯電防止機能を満足することができるタッチセンシング機能付液晶パネルを提供することを目的とする。また本発明は、前記液晶パネルを用いた液晶表示装置を提供することを目的とする。さらには、本発明は、前記タッチセンシング機能付液晶パネルに適用することができる、粘着剤層付き偏光フィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、下記タッチセンシング機能付液晶パネル等により上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
即ち本発明は、
液晶層およびタッチセンサー部を有するタッチセンシング機能内蔵液晶セル、
前記液晶セルの視認側に配置された第1偏光フィルムと視認側の反対側に配置された第2偏光フィルム、および、
前記第1偏光フィルムと前記液晶セルとの間に配置された第1粘着剤層を有するタッチセンシング機能内蔵液晶パネルにおいて、
前記第1偏光フィルムは、偏光子、前記偏光子の片面にのみ透明保護フィルム、および前記偏光子の他の片面に透明層を有し、前記第1偏光フィルムは、前記透明層を介して前記第1粘着剤層に設けられており、
前記第1粘着剤層は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)、およびイオン性化合物(B)含有する粘着剤組成物より形成されており、かつ、
前記第一粘着剤層は、表面抵抗値の変動比(b/a)≦10、
(但し、前記aは、前記第1偏光フィルムの前記透明層に前記第一粘着剤層が設けられ、かつ、当該第一粘着剤層にセパレータが設けられた状態の粘着剤層付き第1偏光フィルムを作製した直後に前記セパレータを剥離した際の第一粘着剤層の表面抵抗値を、前記bは前記粘着剤層付き第1偏光フィルムを60℃/95%RHの加湿環境下に250時間投入し、さらに40℃で1時間乾燥させた後に、前記セパレータを剥離した際の第一粘着剤層の表面抵抗値を、それぞれ示す)を満足することを特徴とするタッチセンシング機能内蔵液晶パネル、に関する。
【0014】
前記タッチセンシング機能内蔵液晶パネルにおいて、前記透明層が、直接、偏光子上に形成されていることが好ましい。
【0015】
前記タッチセンシング機能内蔵液晶パネルにおいて、前記透明層の厚みが10μm以下であることが好ましい。
【0016】
前記タッチセンシング機能内蔵液晶パネルにおいて、前記透明層としては、イソシアネート化合物と多価アルコールとの反応物であるウレタンプレポリマーを含有する形成材の硬化物を用いることができる。前記イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネートおよびジフェニルメタンジイソシアネートから選ばれるいずれか少なくとも1種を用いることが好ましい。
【0017】
前記タッチセンシング機能内蔵液晶パネルにおいて、前記透明層としては、エポキシ樹脂を含有することができる。
【0018】
前記タッチセンシング機能内蔵液晶パネルにおいて、前記透明層としては、
(A)50重量部を超えるアクリル系単量体と、0重量部を超えて50重量部未満の下記一般式(1):
【化1】
(式中、Xはビニル基、(メタ)アクリル基、スチリル基、(メタ)アクリルアミド基、ビニルエーテル基、エポキシ基、オキセタン基、ヒドロキシル基、アミノ基、アルデヒド基、および、カルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の反応性基を含む官能基を表し、RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよいアリール基、または、置換基を有していてもよいヘテロ環基を表し、RおよびRは互いに連結して環を形成してもよい)で表される単量体とを重合することにより得られる重合体と、
(b)エポキシ樹脂と、を含む樹脂組成物であって、
前記重合体(a)とエポキシ樹脂(b)の含有割合が重量比で95:5〜60:40、または、40:60〜1:99であるものを用いることができる。
【0019】
前記一般式(1)におけるXで表される官能基は、
一般式(2):Z−Y−(式中、Zはビニル基、(メタ)アクリル基、スチリル基、(メタ)アクリルアミド基、ビニルエーテル基、エポキシ基、オキセタン基、ヒドロキシル基、アミノ基、アルデヒド基、および、カルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の反応性基を含む官能基を表し、Yは有機基を表す)で表される官能基であることが好ましい。
【0020】
前記タッチセンシング機能内蔵液晶パネルにおいて、前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)が、モノマー単位として、アルキル(メタ)アクリレート(a1)およびアミド基含有モノマー(a2)を含有することが好ましい。
【0021】
前記タッチセンシング機能内蔵液晶パネルにおいて、前記アミド基含有モノマー(a2)が、N−ビニル基含有ラクタム系モノマーであることが好ましい。
【0022】
前記タッチセンシング機能内蔵液晶パネルにおいて、前記アミド基含有モノマー(a2)は、モノマー単位として、前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)中に0.1重量%以上含有されていることが好ましい。
【0023】
前記タッチセンシング機能内蔵液晶パネルにおいて、前記イオン性化合物(B)が、アルカリ金属塩であり、前記aに係る、第一粘着剤層の表面抵抗値が1×1010〜1×1012Ω/□であることが好ましい。また、前記イオン性化合物(B)が、有機カチオン−アニオン塩であり、前記aに係る、第一粘着剤層の表面抵抗値が1×10〜1×1010Ω/□であることが好ましい。
【0024】
前記タッチセンシング機能内蔵液晶パネルにおいて、前記イオン性化合物(B)は、前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して0.01重量部以上含有されていることが好ましい。
【0025】
前記タッチセンシング機能内蔵液晶パネルにおいて、前記透明層と前記第1粘着剤層との間に導電層を有することができる。
【0026】
前記タッチセンシング機能内蔵液晶パネルは、前記タッチセンサー部と第1粘着剤層とは直接接している場合に好適に適用される。
【0027】
また本発明は、前記タッチセンシング機能内蔵液晶パネルを有する液晶表示装置、に関する。
【0028】
また本発明は、偏光子、前記偏光子の片面にのみ透明保護フィルム、および前記偏光子の他の片面に透明層を有し、かつ、前記透明層を介して粘着剤層が設けられている粘着剤層付き偏光フィルムであって、
前記粘着剤層は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)、およびイオン性化合物(B)含有する粘着剤組成物より形成されており、かつ、
前記第一粘着剤層は、表面抵抗値の変動比(b/a)≦10、
(但し、前記aは、前記粘着剤層付き偏光フィルムの前記粘着剤層にセパレータが設けられた状態の粘着剤層付き偏光フィルムを作製した直後に前記セパレータを剥離した際の粘着剤層の表面抵抗値を、前記bは前記セパレータが設けられた状態の粘着剤層付き偏光フィルムを60℃/95%RHの加湿環境下に250時間投入し、さらに40℃で1時間乾燥させた後に、前記セパレータを剥離した際の粘着剤層の表面抵抗値を、それぞれ示す)を満足することを特徴とする粘着剤層付き偏光フィルム、に関する。
【0029】
前記粘着剤層付き偏光フィルムにおいても、上記タッチセンシング機能内蔵液晶パネルに用いられる粘着剤層付き偏光フィルムと同様の好ましい態様を適用することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明のタッチセンシング機能内蔵パネルは、タッチセンサー部を含有する液晶セルと、当該液晶セルと当該液晶セルの視認側に配置された第1偏光フィルムの間に設けられる第1粘着剤層を有する。前記第1粘着剤層は、モノマー単位として、(メタ)アクリル系ポリマー(A)とイオン性化合物(B)含有する粘着剤組成物から形成されている。前記第1粘着剤層中には、イオン性化合物(B)が含有されており、第1粘着剤層の表面抵抗値を低下させて静電気発生を抑制することができ、帯電による液晶層の配向が乱れて光漏れ(帯電ムラ)が生じることを抑えることができる。
【0031】
一方、前記第1偏光フィルムは、偏光子の片面にのみ透明保護フィルムを有する片保護偏光フィルムであり、薄型化、低コスト化の観点で有利である。一方、前記第1粘着剤層を片保護偏光フィルムに適用した場合には、加湿環境下において第1粘着剤層への水分混入により層中での相溶バランスが崩れて、イオン性化合物が前記偏光子内部に侵入し、第1粘着剤層の表面抵抗値が変化する。また、前記偏光子にイオン性化合物が接触することで、偏光度などの光学特性が低下するおそれがある。しかし、本発明では、第1偏光フィルムの偏光子と第1粘着剤層との間に透明層を設けているため、当該透明層によって、第1粘着剤層中のイオン性化合物が、偏光子内への侵入を抑制することができる。そのため、加湿環境下においても、第1粘着剤層中のイオン性化合物(B)は偏光フィルム等の界面への偏析や移行が抑えられて、経時的な偏光子の劣化を抑制でき、第1粘着剤層は表面抵抗値を長期にわたり所望の値の範囲内に維持することができ、安定した帯電防止機能、光学特性を満足することができたものと考えられる。さらには、導電層を透明層と第1粘着剤層との間に設けることで帯電防止性能を向上させることができる。前記導電層は、前記透明層を介して設けられているため、前記導電層が直接偏光子に設けられることによる、加湿環境下での偏光子の端部の脱色の問題も生じない。
【0032】
このような本発明のタッチセンシング機能付液晶パネルによれば、静電気発生による帯電ムラを抑制することができ、また誤作動が生じることを抑えることができて、タッチパネルの感度低下を抑制することができたものと考えられる。本発明のタッチセンシング機能付液晶パネルは、タッチセンシング機能内蔵液晶セルとしてインセル型液晶セル、オンセル型液晶セルを用いる場合に特に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明のタッチセンシング機能付液晶パネルの一例を示す断面図である。
図2】本発明のタッチセンシング機能付液晶パネルの一例を示す断面図である。
図3】本発明のタッチセンシング機能付液晶パネルの一例を示す断面図である。
図4】本発明の粘着剤層付き偏光フィルムの一例を示す断面図である。
図5】本発明の粘着剤層付き偏光フィルムの一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明のタッチセンシング機能内蔵液晶パネルを、図面を参酌しながら説明する。本発明のタッチセンシング機能内蔵液晶パネルは、液晶層3およびタッチセンサー部5を有する液晶セルC、当該液晶セルCの視認側に配置された第1偏光フィルム11と視認側の反対側に配置された第2偏光フィルム12、前記第1偏光フィルム11と前記液晶セルCとの間に配置された第1粘着剤層21を有する。本発明のタッチセンシング機能内蔵液晶パネルの前記各構成は、視認側から、第1偏光フィルム11/第1粘着剤層21/液晶セルC/第2偏光フィルム12、のように簡易に示すことができる。上記タッチセンシング機能内蔵液晶パネルでは、各構成の順序を簡易に示しているが、各構成間には適宜に他の構成を有することができる。
【0035】
前記第1偏光フィルム11は、粘着剤層付き偏光フィルムとして設けることができる。図4は、粘着剤層付き偏光フィルムの一例であり、図4に示すように、偏光子a、前記偏光子aの片面にのみ透明保護フィルムbを有する片保護偏光フィルムであり、前記偏光子aの他の片面には透明層cを有する。前記第1偏光フィルム11は、前記透明層cを介して前記第1粘着剤層21に設けられている。前記透明層cは偏光子aに、直接、設けることが高温高湿環境下における偏光子の水分率の上昇を抑制できる点から好ましい。透明層cは後述する。また、前記粘着剤層付き偏光フィルムは、図5に示すように、前記透明層cと前記第1粘着剤層21との間に導電層dを有することができる。導電層dは後述する。
【0036】
本発明のタッチセンシング機能内蔵液晶パネルの具体例は、例えば、図1乃至図3に示される。
【0037】
図1は、所謂、インセル型のタッチセンシング機能内蔵液晶パネルであり、視認側から、第1偏光フィルム11/第1粘着剤層21/第1透明基板41/タッチセンサー部5/液晶層3/駆動電極兼センサー部6/第2透明基板42/第2粘着剤層22/第2偏光フィルム12、の構成を有する。図1のインセル型のタッチセンシング機能内蔵液晶パネルでは、例えば、液晶セルCは液晶層3を挟む第1、2ガラス基板41、42内(液晶セル内)にタッチセンサー部5および駆動電極兼センサー部6を有する。
【0038】
また、図2は、所謂、インセル型(セミインセル型)のタッチセンシング機能内蔵液晶パネルの変形例であり、視認側から、第1偏光フィルム11/第1粘着剤層21/タッチセンサー部5/第1透明基板41/液晶層3/駆動電極兼センサー部6/第2透明基板42/第2粘着剤層22/第2偏光フィルム12、の構成を有する。図2のインセル型のタッチセンシング機能内蔵液晶パネルでは、例えば、液晶セルCは第1透明基板41の外側でタッチセンサー部5は第1粘着剤層21に直接接しており、液晶層3を挟む第1、2ガラス基板41、42内(液晶セル内)の第2透明基板42の側に駆動電極兼センサー部6を有する。
【0039】
また、図3は、所謂、オンセル型のタッチセンシング機能内蔵液晶パネルであり、視認側から、第1偏光フィルム11/第1粘着剤層21/タッチセンサー部5/駆動電極兼センサー部6/第1透明基板41/液晶層3/駆動電極7/第2透明基板42/第2粘着剤層22/第2偏光フィルム12、の構成を有する。図3のオンセル型のタッチセンシング機能内蔵液晶パネルでは、例えば、液晶セルCは第1透明基板41の外側でタッチセンサー部5および駆動電極兼センサー部6を有し、タッチセンサー部5は第1粘着剤層21に直接接しており、液晶層3を挟む第1、2ガラス基板41、42内(液晶セル内)の第2透明基板42の側には駆動電極7を有する。
【0040】
タッチセンシング機能内蔵液晶パネルにおいて、前記液晶セルCのタッチセンサー部5と第1粘着剤層21とが、直接接している場合に、第1粘着剤層21(イオン性化合物を含有)の帯電防止機能が低下しやすく、特に加湿湿環境下において低下しやすい。従って、本発明のタッチセンシング機能内蔵液晶パネルは、前記例示のなかでも、図2に示すインセル型(変形例)または図3に示すオンセル型のタッチセンシング機能内蔵液晶パネルに好適に適用される。
【0041】
第1偏光フィルム11は、前述の構成のものが用いられるが、第2偏光フィルム12は、偏光子の片面または両面に透明保護フィルムを有するものが一般に用いられる。第1偏光フィルム11、第2偏光フィルム12は、液晶層3の両側で透過軸(または吸収軸)が直交するように配置される。
【0042】
偏光子は、特に限定されず、各種のものを使用できる。偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらの中でも、ポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素等の二色性物質からなる偏光子が好適である。これらの偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に80μm程度以下である。
【0043】
また偏光子としては厚みが10μm以下の薄型の偏光子を用いることができる。薄型化の観点から言えば当該厚みは1〜7μmであるのが好ましい。このような薄型の偏光子は、厚みムラが少なく、視認性が優れており、また寸法変化が少ないため耐久性に優れ、さらには偏光フィルムとしての厚みも薄型化が図れる点が好ましい。
【0044】
透明保護フィルムを構成する材料としては、例えば透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性等に優れる熱可塑性樹脂が用いられる。このような熱可塑性樹脂の具体例としては、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、環状ポリオレフィン樹脂(ノルボルネン系樹脂)、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、およびこれらの混合物が挙げられる。なお、偏光子の片側には、透明保護フィルムが接着剤層により貼り合わされるが、他の片側には、透明保護フィルムとして、(メタ)アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂または紫外線硬化型樹脂を用いることができる。
【0045】
前記透明保護フィルムの材料としては、第1粘着剤層の表面抵抗値の前記変動比(b/a)を小さく制御することができることからセルロース樹脂、(メタ)アクリル樹脂が好ましい。(メタ)アクリル樹脂としては、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂を用いることが好ましい。ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂としては、特開2000−230016号公報、特開2001−151814号公報、特開2002−120326号公報、特開2002−254544号公報、特開2005−146084号公報などに記載の、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂があげられる。特に、セルロース樹脂は(メタ)アクリル樹脂に比べて、片保護偏光フィルムで課題となる偏光子クラックの抑制に効果的な点で好ましい。
【0046】
前記透明保護フィルムの偏光子を接着させない面には、ハードコート層、反射防止層、スティッキング防止層、拡散層ないしアンチグレア層などの機能層を設けることができる。
【0047】
前記偏光子と透明保護フィルムの貼り合わせに用いる接着剤は光学的に透明であれば、特に制限されず水系、溶剤系、ホットメルト系、ラジカル硬化型、カチオン硬化型の各種形態のものが用いられるが、水系接着剤またはラジカル硬化型接着剤が好適である。
【0048】
なお、液晶セルCの視認側に配置される第1偏光フィルム11、前記視認側の反対側に配置される第2偏光フィルム12は、それぞれの配置箇所の適性に応じて、他の光学フィルムを積層して用いることができる。前記他の光学フィルムとしては、例えば反射板や反透過板、位相差フィルム(1/2や1/4等の波長板を含む)、視覚補償フィルム、輝度向上フィルム等の液晶表示装置等の形成に用いられることのある光学層となるものが挙げられる。これらは1層または2層以上用いることができる。これら他の光学フィルムを用いる場合にも、最も液晶層3側の粘着剤層を、前記第1粘着剤層21とすることが好ましい。
【0049】
第1粘着剤層21は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)、並びにイオン性化合物(B)含有する粘着剤組成物より形成されている。当該粘着剤組成物は、詳細を後述する。
【0050】
第2粘着剤層22は、粘着剤から形成される。粘着剤としては、各種の粘着剤を用いることができ、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリビニルピロリドン系粘着剤、ポリアクリルアミド系粘着剤、セルロース系粘着剤などが挙げられる。前記粘着剤の種類に応じて粘着性のベースポリマーが選択される。前記粘着剤のなかでも、光学的透明性に優れ、適宜な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れる点から、アクリル系粘着剤が好ましく使用される。第2粘着剤層22の厚さは、特に制限されず、例えば、1〜100μm程度である。好ましくは、2〜50μm、より好ましくは2〜40μmであり、さらに好ましくは、5〜35μmである。
【0051】
液晶セルCが有する液晶層3は、タッチセンシング機能内蔵液晶パネルに適用される、電界が存在しない状態でホモジニアス配向した液晶分子を含む液晶層が用いられる。液晶層3としては、例えばIPS方式の液晶層が好適に用いられる。その他、液晶層3としては、例えばTN型やSTN型、π型、VA型等の液晶層を任意なタイプのものを用いることができる。前記液晶層の厚さは、例えば1.5μm〜4μm程度である。
【0052】
液晶セルCにおいて、第1透明基板41および第2透明基板42は、前記液晶層3を挟んで液晶セルを形成することができる。液晶セルの内または外には、タッチセンシング機能内蔵液晶パネルの形態に応じて、タッチセンサー部5、駆動電極兼センサー部6、駆動電極7等が形成される。また、液晶セル上(第1透明基板41)にはカラーフィルター基板を設けることができる。
【0053】
前記透明基板を形成する材料は、例えば、ガラス又はポリマーフィルムが挙げられる。前記ポリマーフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロオレフィン、ポリカーボネート等が挙げられる。前記透明基板がガラスにより形成される場合、その厚みは、例えば0.3mm〜1mm程度である。前記透明基板がポリマーフィルムにより形成される場合、その厚みは、例えば10μm〜200μm程度である。上記透明基板は、その表面に易接着層やハードコート層を有することができる。
【0054】
タッチセンサー部5(静電容量センサー)、駆動電極兼センサー部6、駆動電極7は、透明導電層として形成される。前記透明導電層の構成材料としては特に限定されず、例えば、金、銀、銅、白金、パラジウム、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタン、鉄、コバルト、錫、マグネシウム、タングステン等の金属およびこれら金属の合金等が挙げられる。また、前記透明導電層の構成材料としては、インジウム、スズ、亜鉛、ガリウム、アンチモン、ジルコニウム、カドミウムの金属酸化物が挙げられ、具体的には酸化インジウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化カドミウムおよびこれらの混合物等からなる金属酸化物が挙げられる。その他、ヨウ化銅等からなる他の金属化合物などが用いられる。前記金属酸化物には、必要に応じて、さらに上記群に示された金属原子の酸化物を含んでいてもよい。例えば、酸化スズを含有する酸化インジウム(ITO)、アンチモンを含有する酸化スズなどが好ましく用いられ、ITOが特に好ましく用いられる。ITOとしては、酸化インジウム80〜99重量%及び酸化スズ1〜20重量%を含有することが好ましい。
【0055】
液晶セルCにおいてタッチセンサー層5が形成される箇所に制限はなく、タッチセンシング機能内蔵液晶パネルの形態に応じて、タッチセンサー層5は形成される。例えば、図1乃至図3では、タッチセンサー層5は、第1偏光フィルム11と液晶層3との間に配置される場合が例示されている。タッチセンサー層5は、例えば、第1透明基板41上に透明電極パターンとして形成することができる。駆動電極兼センサー部6、駆動電極7についても、タッチセンシング機能内蔵液晶パネルの形態に応じて常法に従って透明電極パターンを形成することができる。上記透明電極パターンは、通常、透明基板の端部に形成された引き回し線(不図示)に電気的に接続され、上記引き回し線は、コントローラIC(不図示)と接続される。透明電極パターンの形状は、櫛形状の他に、ストライプ形状やひし形形状など、用途に応じて任意の形状を採用することができる。透明電極パターンの高さは、例えば10nm〜100nmであり、幅は0.1mm〜5mmである。
【0056】
また、タッチセンシング機能内蔵液晶パネルは、照明システムにバックライトあるいは反射板を用いたもの等の液晶表示装置を形成する部材を適宜に用いることができる。
【0057】
以下は透明層について詳述する。
【0058】
透明層の厚さは、薄層化および光学信頼性の観点から、10μm以下であるのが好ましく、さらには5μm以下であるのが好ましく、さらには3μm以下であるのが好ましく、さらには1.5μm以下であるのが好ましく、さらには1μm以下であるのが好ましい。透明層が厚すぎる場合には、偏光フィルムの厚さが厚くなり、さらには偏光子の光学信頼性を低下させるおそれがある。一方、透明層の厚さは、粘着剤層の表面抵抗値の変動比を小さく抑える観点から、0.1μm以上であるのが好ましく、さらには0.2μm以上が好ましく、さらには0.3μm以上であるのが好ましい。
【0059】
前記透明層を形成する材料は、透明性を有し、かつ、粘着剤層の表面抵抗値の変動比が所定の値になるものを用いることができる。かかる材料としては、前記透明層の自由体積空孔径が粘着剤層に含まれるイオン性化合物(B)の水和物の分子サイズよりも小さいものが効果的であり、例えば、イソシアネート化合物と多価アルコールとの反応物であるウレタンプレポリマー(a)を含有する形成材が挙げられる。
【0060】
イソシアネート化合物としては、例えば、多官能のイソシアネート化合物が好ましく、具体的に多官能の芳香族系イソシアネート化合物、脂環族系イソシアネート、脂肪族系イソシアネート化合物またはこれらの2量体などが挙げられる。
【0061】
多官能芳香族系イソシアネート化合物としては、例えば、フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソソアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンビス4−フェニルイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、等が挙げられる。
【0062】
多官能脂環族系イソシアネート化合物としては、例えば、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,3−シクロへキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−ビスイソシアナトメチルシクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0063】
多官能脂肪族系イソシアネート化合物としては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0064】
また多官能イソシアネート化合物としては、イソシアヌル酸トリス(6−インシアネートヘキシル)などのイソシアネート基を3個以上有するものが挙げられる。
【0065】
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,8−デカンジオール、オクタデカンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ヘキサントリオール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。
【0066】
前記ウレタンプレポリマー(a)としては、本発明では、分子構造的に環状構造(ベンゼン環、シアヌレート環、イソシアヌレート環等)が構造中で占める割合の大きなリジットな構造のものを使用することが好ましい。例えば、前記多官能のイソシアネート化合物は1種を単独でまたは2種以上を併用することができるが、前記偏光子への水分混入抑制の観点からは芳香族系イソシアネート化合物が好ましい。他の多官能のイソシアネート化合物は、芳香族系イソシアネート化合物と併用することができる。特に、芳香族系イソシアネート化合物のなかでも前記イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネートおよびジフェニルメタンジイソシアネートから選ばれるいずれか少なくとも1種を用いることが好ましい。
【0067】
ウレタンプレポリマー(a)としては、トリメチロールプロパン−トリ−トリレンイソシアネート、トリメチロールプロパン−トリ−ジフェニルメタンジイソシアネート、が好ましく用いられる。なお、前記ウレタンプレポリマー(a)は、末端イソシアネート基を有する化合物であり、例えば、イソシアネート化合物と多価アルコールとを混合して攪拌し反応させることによって得られる。通常は、多価アルコールの水酸基に対して、イソシアネート基が過剰となるよう、イソシアネート化合物と多価アルコールと混合することが好ましい。
【0068】
なお、前記ウレタンプレポリマー(a)は、末端イソシアネート基に保護基を付与したものを用いることもできる。保護基としてはオキシムやラクタムなどがある。イソシアネート基を保護したものは、加熱することによりイソシアネート基から保護基を解離させ、イソシアネート基が反応するようになる。
【0069】
透明層を形成する形成材は、前記ウレタンプレポリマー(a)に加えて、イソシアネート基と反応性を有する活性水素を有する官能基を少なくとも2個有する化合物(b)を含有することができる。イソシアネート基と反応性を有する活性水素を有する官能基としては、水酸基、アミノ基当が挙げられる。前記化合物(b)が有する活性水素を有する官能基の個数は多いほど、ウレタンプレポリマー(a)のイソシアネート基との反応点が多くなり硬化物を形成しやすいため、前記官能基の個数は3以上が好ましい。
【0070】
また、化合物(b)は、その分子量を前記官能基の個数で除した値が350以下であることが好ましい。このように、分子量と官能基の個数との関係を定義することによって、化合物(b)とウレタンプレポリマー(a)のイソシアネート基との反応性を確保することができる。
【0071】
また、前記化合物(b)の分子量は1000以下であることが好ましい。化合物(b)の分子量を1000以下の範囲のものは、ウレタンプレポリマー(a)とともに形成材を溶液として調製する際の相溶性の点で好ましい。
【0072】
前記化合物(b)としては、例えば、多価アルコール、多価アミン、分子内に水酸基とアミノ基を有する化合物等を例示することができる。
【0073】
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,8−デカンジオール、オクタデカンジオール、ポリプロピレングリコール、等の2官能アルコール;グリセリン、トリメチロールプロパン等の3官能アルコール;ペンタエリスリトール、ヘキサントリオール、ソルビトール等の4官能アルコール等;その他、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレントリメチロールプロパンエーテル、ポリオキシプロピレンソルビトールエーテル等の前記多価アルコールへのアルキレンオキシド(例えば、プロピレンオキシド)付加物等が挙げられる。
【0074】
多価アミンとしては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン、ダイマージアミン等が挙げられる。
【0075】
また、分子内に水酸基とアミノ基を有する化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等の分子内に水酸基を有するジアミン類;
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類が挙げられる。
【0076】
前記化合物(b)としては、多価アルコールを用いることが、偏光子の光学信頼性の悪化を防ぐ点から好ましく、特に、トリメチロールプロパンは、ウレタンプレポリマー(a)との反応性の点から好ましい。
【0077】
前記形成材は、前記ウレタンプレポリマー(a)を主成分として含有する。ウレタンプレポリマー(a)は、形成材の固形分の50重量%以上を含有することが好ましい。
【0078】
前記ウレタンプレポリマー(a)に対する前記化合物(b)の配合割合は、前記ウレタンプレポリマー(a)と前記化合物(b)の合計100重量%(固形分比率)に対して、5重量%以上であるのが好ましい。前記化合物(b)の配合割合は、膜強度の向上の観点から10重量%以上であるのが好ましい。一方、前記化合物(b)の配合割合が多くなると偏光子の光学信頼性の悪化が起こることがあるため、前記化合物(b)の配合割合は80重量%以下、さらには50重量%以下であることが好ましい。
【0079】
前記形成材は、さらにイソシアネート基の反応性をあげるために反応触媒を用いることができる。反応触媒は特に制限されないが、スズ系触媒またはアミン系触媒が好適である。反応触媒は1種または2種以上を用いることができる。反応触媒の使用量は、通常、ウレタンプレポリマー(a)100重量部に対して、5重量部以下で使用される。反応触媒量が多いと、架橋反応速度が速くなり形成材の発泡が起こる。発泡後の形成材を使用しても十分な接着性は得られない。通常、反応触媒を使用する場合には、0.01〜5重量部、さらには0.05〜4重量部が好ましい。
【0080】
さらにイソシアネート基の反応性をあげるために反応触媒を用いることができる。反応触媒は特に制限されないが、スズ系触媒またはアミン系触媒が好適である。反応触媒は1種または2種以上を用いることができる。反応触媒の使用量は、通常、ウレタンプレポリマー100重量部に対して、5重量部以下で使用される。反応触媒量が多いと、架橋反応速度が速くなり形成材の発泡が起こる。発泡後の形成材を使用しても十分な接着性は得られない。通常、反応触媒を使用する場合には、0.01〜5重量部、さらには0.05〜4重量部が好ましい。
【0081】
スズ系触媒としては、無機系、有機系のいずれも使用できるが有機系が好ましい。無機系スズ系触媒としては、例えば、塩化第一スズ、塩化第二スズ等があげられる。有機系スズ系触媒は、メチル基、エチル基、エーテル基、エステル基などの骨格を有する脂肪族基、脂環族基などの有機基を少なくとも1つ有するものが好ましい。例えば、テトラ−n−ブチルスズ、トリ−n−ブチルスズアセテート、n−ブチルスズトリクロライド、トリメチルスズハイドロオキサイド、ジメチルスズジクロライド、ジブチルスズジラウレート等があげられる。
【0082】
またアミン系触媒としては、特に制限されない。例えば、キノクリジン、アミジン、ジアザビシクロウンデセンなどの脂環族基等の有機基を少なくとも1つ有するものが好ましい。その他、アミン系触媒としては、トリエチルアミン等があげられる。また前記以外の反応触媒としては、ナフテン酸コバルト、ベンジルトリメチルアンモニウムハイドロオキサイド等が例示できる。
【0083】
前記形成材は、通常、前記ウレタンプレポリマー(a)および前記化合物(b)を含有する溶液として用いられる。溶液は溶剤系であってもよいし、エマルジョン、コロイド分散液、水溶液等の水系であってもよい。
【0084】
有機溶剤としては、イソシアネート基と反応性を有する活性水素を有する官能基を有さず、形成材を構成する前記ウレタンプレポリマー(a)および前記化合物(b)を均一に溶解すれば特に制限はない。有機溶剤は、1種または2種以上を組わせて用いることができる。また有機溶剤は、前記ウレタンプレポリマー(a)および前記化合物(b)に対して、それぞれ別の溶剤を用いることができる。この場合には、各溶液を調製した後に、各溶液を混合することにより形成材を調製することができる。また、調製した形成材に、有機溶剤をさらに加えて形成材の粘度を調整することができる。さらに、有機溶剤に溶解した溶剤系の溶液の場合にも、下記例示のアルコール類や水等を溶剤として含ませることができる。
【0085】
有機溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類);酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族または脂環式炭化水素類;1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化アルカン類;tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アセチルアセトン等のケトン類;等が挙げられる。
【0086】
なお、水系にする場合には、例えば、n−ブチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン等のケトン類を配合することもできる。水系にする場合には、分散剤を用いたり、ウレタンプレポリマーに、カルボン酸塩、スルホン酸塩、4級アンモニウム塩等のイソシアネート基と反応性の低い官能基や、ポリエチレングリコール等の水分散性成分を導入することにより行うことができる。
【0087】
<エポキシ樹脂>
また、前記透明層を形成する材料としては、エポキシ樹脂が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、任意の適切なエポキシ樹脂を用いることができる。エポキシ樹脂としては、好ましくは芳香族環を有するエポキシ樹脂が用いられる。エポキシ樹脂を用いることにより、粘着剤層の表面抵抗値の経時変化を抑制し、より偏光子との密着性に優れ、偏光子の端部からの色抜けを防止し得る。さらに、透明層上に粘着剤層を形成した場合、粘着剤層の投錨力が向上し得る。芳香族環を有するエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ヒドロキシベンズアルデヒドフェノールノボラックエポキシ樹脂などのノボラック型のエポキシ樹脂;テトラヒドロキシフェニルメタンのグリシジルエーテル、テトラヒドロキシベンゾフェノンのグリシジルエーテル、エポキシ化ポリビニルフェノールなどの多官能型のエポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂などが挙げられる。好ましくは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が用いられる。これらのエポキシ樹脂を用いることにより、偏光子の端部からの色抜けがより防止され得る。エポキシ樹脂は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0088】
エポキシ樹脂は、好ましくは重量平均分子量(Mw)が20,000以上であり、より好ましくは30,000以上であり、さらに好ましくは37,000以上である。エポキシ樹脂の重量平均分子量が上記範囲であることにより、偏光子の端部からの色抜けをより防止することができる。重量平均分子量は、例えば、GPCにより測定することができる。
【0089】
また、前記透明層を形成する材料としては、例えば、50重量部を超えるアクリル系単量体と、0重量部を超えて50重量部未満の下記一般式(1)で表される単量体とを重合することにより得られる重合体(a)(以下、重合体(a)ともいう)と、エポキシ樹脂(b)と、を含む組成物を用いることができる。前記重合体(a)とエポキシ樹脂(b)との含有割合は重量比で95:5〜60:40、または、40:60〜1:99であることが好ましい。
【化2】
(式中、Xはビニル基、(メタ)アクリル基、スチリル基、(メタ)アクリルアミド基、ビニルエーテル基、エポキシ基、オキセタン基、ヒドロキシル基、アミノ基、アルデヒド基、および、カルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の反応性基を含む官能基を表し、RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよいアリール基、または、置換基を有していてもよいヘテロ環基を表し、RおよびRは互いに連結して環を形成してもよい)。
【0090】
前記組成物における重合体(a)とエポキシ樹脂(b)との含有割合は、重量比で95:5〜60:40、または、40:60〜1:99である。重合体(a)とエポキシ樹脂(b)との含有割合が上記範囲であることにより、粘着剤層の表面抵抗値の経時変化を抑制し、偏光子との密着性に優れ、偏光子の端部からの色抜けを防止し得る透明層用樹脂組成物が得られる。さらに、重合体(a)とエポキシ樹脂(b)との含有割合が上記範囲であることにより、透明層の上に粘着剤層を形成した場合に粘着剤層の投錨力が向上し得る。その結果、偏光子と透明層との密着性と、透明層上に形成された粘着剤層の投錨力とを両立した偏光板(透明層付き片保護偏光フィルム)を得ることができる。重合体(a)とエポキシ樹脂(b)との含有割合は、重量比で、好ましくは95:5〜80:20、または、20:80〜5:95であり、より好ましくは90:10〜70:30、または、30:70〜10:90である。重合体(a)とエポキシ樹脂(b)との含有割合が等分(50:50)に近いほど、保護層が白化するおそれがある。
【0091】
<重合体(a)>
前記重合体(a)は、50重量部を超えるアクリル系単量体と、0重量部を超えて50重量部未満の前記一般式(1)で表される単量体とを重合することにより得られる。
【0092】
前記重合体(a)は、代表的には下記式で表される構造を有する。前記一般式(1)で表される単量体とアクリル系単量体成分とを重合することにより、重合体(a)が側鎖にホウ素を含む置換基(例えば、下記式中kの繰り返し単位)を有する。これにより、偏光子と前記樹脂組成物を用いて形成される層(透明層)との密着性が向上し得る。このホウ素を含む置換基は、重合体に連続して含まれていてもよく、ランダムに含まれていてもよい。
前記重合体(a)は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【化3】
(式中、Rは任意の官能基を表し、jおよびkは1以上の整数を表す)。
【0093】
前記重合体(a)の重量平均分子量は、好ましくは10,000以上であり、より好ましくは20,000以上であり、さらに好ましくは35,000以上であり、特に好ましくは50,000以上である。また、重合体(a)の重量平均分子量は、好ましくは250,000以下であり、より好ましくは200,000以下であり、さらに好ましくは150,000以下である。重合体(a)の重量平均分子量が上記範囲であることにより、前記樹脂組成物を用いて形成される層(透明層)の耐クラック性が向上し得る。重量平均分子量は、例えば、GPC(溶媒:ジメチルホルムアミド(DMF))により測定することができる。
【0094】
前記重合体(a)のガラス転移温度は好ましくは50℃以上であり、より好ましくは60℃以上であり、さらに好ましくは80℃以上である。また、重合体(a)のガラス転移温度は、好ましくは300℃以下である。ガラス転移温度が上記範囲であることにより、前記樹脂組成物を用いて形成される層(透明層)の耐クラック性が向上し得る。
【0095】
前記重合体(a)は、50重量部を超えるアクリル系単量体と、0重量部を超えて50重量部未満の式(1)で表される単量体と、重合開始剤と、任意の他の単量体とを含む単量体組成物を、任意の適切な重合方法により重合することにより得られる。重合方法としては、好ましくは溶液重合が用いられる。溶液重合により、重合体(a)を重合することにより、より高分子量の重合体を得ることができる。
【0096】
≪アクリル系単量体≫
前記アクリル系単量体としては任意の適切なアクリル系単量体を用いることができる。例えば、直鎖または分岐構造を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体、および、環状構造を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体が挙げられる。本明細書において、(メタ)アクリルとは、アクリルおよび/またはメタクリルをいう。
【0097】
直鎖または分岐構造を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸メチル2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等が挙げられる。好ましくは、(メタ)アクリル酸メチルが用いられる。(メタ)アクリル酸エステル系単量体は、1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0098】
環状構造を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、ビフェニル(メタ)アクリレート、o−ビフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、o−ビフェニルオキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、m−ビフェニルオキシエチルアクリレート、p−ビフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、o−ビフェニルオキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、p−ビフェニルオキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、m−ビフェニルオキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−ビフェニル=カルバマート、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−p−ビフェニル=カルバマート、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−m−ビフェニル=カルバマート、o−フェニルフェノールグリシジルエーテルアクリレート等のビフェニル基含有モノマー、ターフェニル(メタ)アクリレート、o−ターフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。好ましくは、(メタ)アクリル酸1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニルが用いられる。これらの単量体を用いることにより、ガラス転移温度の高い重合体が得られる。これらの単量体は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、本明細書において、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイル基および/またはメタクリロイル基をいう。
【0099】
また、上記(メタ)アクリル酸エステル系単量体に代えて、(メタ)アクリロイル基を有するシルセスキオキサン化合物を用いてもよい。シルセスキオキサン化合物を用いることにより、ガラス転移温度が高いアクリル系重合体が得られる。シルセスキオキサン化合物は、種々の骨格構造、例えば、カゴ型構造、ハシゴ型構造、ランダム構造などの骨格を持つものが知られている。シルセスキオキサン化合物は、これらの構造を1種のみを有するものでもよく、2種以上を有するものでもよい。シルセスキオキサン化合物は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0100】
(メタ)アクリロイル基を有するシルセスキオキサン化合物として、例えば、東亜合成株式会社SQシリーズのMACグレード、および、ACグレードを用いることができる。MACグレードは、メタクリロイル基を含有するシルセスキオキサン化合物であり、具体的には、例えば、MAC−SQ TM−100、MAC−SQ SI−20、MAC−SQ HDM等が挙げられる。ACグレードは、アクリロイル基を含有するシルセスキオキサン化合物であり、具体的には、例えば、AC−SQ TA−100、AC−SQ SI−20等が挙げられる。
【0101】
アクリル系単量体は50重量部を超えて用いられる。アクリル系単量体は、前記一般式(1)で表される単量体との合計が100重量部となるよう用いられる。
【0102】
≪一般式(1)で表される単量体≫
一般式(1)で表される単量体を用いることにより、重合体(a)の側鎖にホウ素を含む置換基が導入される。そのため、代表的にはPVA系樹脂で構成される偏光子と、前記樹脂組成物を用いて形成される層(透明層)との密着性が向上し得る。また、前記樹脂組成物を用いて形成される層(透明層)自体の耐水性も向上し、偏光子の端部からの色抜けを防止し得る。単量体は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【化4】
(式中、Xはビニル基、(メタ)アクリル基、スチリル基、(メタ)アクリルアミド基、ビニルエーテル基、エポキシ基、オキセタン基、ヒドロキシル基、アミノ基、アルデヒド基、および、カルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の反応性基を含む官能基を表し、RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよいアリール基、または、置換基を有していてもよいヘテロ環基を表し、RおよびRは互いに連結して環を形成してもよい)。
【0103】
上記脂肪族炭化水素基としては、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20の環状アルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基が挙げられる。上記アリール基としては、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のフェニル基、置換基を有していてもよい炭素数10〜20のナフチル基等が挙げられる。ヘテロ環基としては、置換基を有していてもよい少なくとも1つのヘテロ原子を含む5員環基または6員環基が挙げられる。なお、RおよびRは互いに連結して環を形成してもよい。RおよびRは、好ましくは水素原子、もしくは、炭素数1〜3の直鎖または分岐のアルキル基であり、より好ましくは水素原子である。
【0104】
上記Xで表される官能基が含む反応性基は、ビニル基、(メタ)アクリル基、スチリル基、(メタ)アクリルアミド基、ビニルエーテル基、エポキシ基、オキセタン基、ヒドロキシル基、アミノ基、アルデヒド基、および、カルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種である。好ましくは、反応性基は(メタ)アクリル基および/または(メタ)アクリルアミド基である。これらの反応性基を有することにより、偏光子と前記樹脂組成物を用いて形成される層(透明層)との密着性が向上し得る。
【0105】
1つの実施形態においては、上記Xで表される官能基は、一般式(2):Z−Y−(式中、Zはビニル基、(メタ)アクリル基、スチリル基、(メタ)アクリルアミド基、ビニルエーテル基、エポキシ基、オキセタン基、ヒドロキシル基、アミノ基、アルデヒド基、および、カルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の反応性基を含む官能基を表し、Yは有機基を表す)で表される官能基であることが好ましい。前記有機基とは、具体的には、置換基を有してもよい、炭素数1〜20の有機基を意味し、より具体的には例えば、炭素数1〜20の置換基を有してもよい直鎖または分岐のアルキレン基、炭素数3〜20の置換基を有してもよい環状アルキレン基、炭素数6〜20の置換基を有してもよいフェニレン基、炭素数10〜20の置換基を有してもよいナフチレン基等が挙げられる。
【0106】
前記一般式(1)で表される単量体としては、具体的には以下の化合物を用いることができる。
【化5】
【0107】
一般式(1)で表される単量体としては、前記例示した化合物以外にも、ヒドロキシエチルアクリルアミドとホウ酸のエステル、メチロールアクリルアミドとホウ酸のエステル、ヒドロキシエチルアクリレートとホウ酸のエステル、およびヒドロキシブチルアクリレートとホウ酸のエステルなど、(メタ)アクリレートとホウ酸とのエステルを例示可能である。
【0108】
前記一般式(1)で表される単量体は、0重量部を超えて50重量部未満の含有量で用いられる。好ましくは0.01重量部以上50重量部未満であり、より好ましくは0.05重量部〜20重量部であり、さらに好ましくは0.1重量部〜10重量部である。単量体の含有量が50重量部を超えると、端部からの色抜けが生じやすくなり得る。
【0109】
≪重合開始剤≫
重合開始剤としては、任意の適切な重合開始剤を用いることができる。例えば、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ナトリウムパーオキシド等のパーオキシド;t−ブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキシド;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;などが挙げられる。重合開始剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
【0110】
重合開始剤の含有量は、任意の適切な量を用いることができる。重合開始剤の含有量は、好ましくは0.1重量部〜5重量部であり、より好ましくは0.3重量部〜2重量部である。
【0111】
≪重合方法≫
上記の通り、重合体(a)は、好ましくはアクリル系単量体および一般式(1)で表される単量体等の単量体成分を溶液重合することにより得られる。溶液重合で使用する溶媒としては、任意の適切な溶媒を用いることができる。例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン等の芳香族または脂肪族炭化水素;酢酸エチル等のエステル化合物;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル化合物等が挙げられる。これらの溶媒は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、有機溶媒と水とを併用してもよい。
【0112】
重合反応は、任意の適切な温度、および、時間で行うことができる。例えば、50℃〜100℃、好ましくは60℃〜80℃の範囲で重合反応を行うことができる。また、反応時間は、例えば、1時間〜8時間であり、好ましくは3時間〜5時間である。
【0113】
<エポキシ樹脂(b)>
エポキシ樹脂(b)としては、任意の適切なエポキシ樹脂を用いることができる。エポキシ樹脂(b)としては、好ましくは芳香族環を有するエポキシ樹脂が用いられる。芳香族環を有するエポキシ樹脂をエポキシ樹脂(b)として用いることにより、より偏光子との密着性に優れ、偏光子の端部からの色抜けを防止し得る透明層用樹脂組成物が得られる。さらに、透明層上に粘着剤層を形成した場合、粘着剤層の投錨力が向上し得る。芳香族環を有するエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ヒドロキシベンズアルデヒドフェノールノボラックエポキシ樹脂などのノボラック型のエポキシ樹脂;テトラヒドロキシフェニルメタンのグリシジルエーテル、テトラヒドロキシベンゾフェノンのグリシジルエーテル、エポキシ化ポリビニルフェノールなどの多官能型のエポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂などが挙げられる。好ましくは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が用いられる。これらのエポキシ樹脂を用いることにより、偏光子の端部からの色抜けがより防止され得る。エポキシ樹脂は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0114】
エポキシ樹脂(b)は、好ましくは重量平均分子量(Mw)が20,000以上であり、より好ましくは30,000以上であり、さらに好ましくは37,000以上である。エポキシ樹脂(b)の重量平均分子量が上記範囲であることにより、偏光子の端部からの色抜けをより防止することができる。重量平均分子量は、例えば、GPCにより測定することができる。
【0115】
<その他の成分>
透明層用樹脂組成物は、前記エポキシ樹脂、上記重合体(a)およびエポキシ樹脂(b)以外に、任意の適切な他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、溶媒、および、添加剤が挙げられる。溶媒としては、上記重合体(a)を溶液重合する際に用いることができる溶媒を用いてもよく、他の溶媒を用いてもよい。他の溶媒としては、好ましくは酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトン、シクロペンタノンが用いられる。これらの溶媒は、1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0116】
添加剤としては、任意の適切な添加剤を用いることができる。例えば、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、粘着付与剤等が挙げられる。添加剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの添加剤は任意の適切な量で用いることができる。
【0117】
<透明層用樹脂組成物の調製方法>
透明層用樹脂組成物は任意の適切な方法で調製することができる。例えば、重合体(a)、エポキシ樹脂(b)、および、必要に応じて任意の適切な添加剤を任意の適切な溶媒中で混合することにより調製することができる。また、重合体(a)を溶液重合で重合した場合には、重合体(a)の重合溶液にエポキシ樹脂(b)および任意の適切な添加剤を添加し、混合することにより調製してもよい。
【0118】
前記ウレタンプレポリマー(a)含有する形成材、前記エポキシ樹脂を含有する形成材、前記重合体(a)とエポキシ樹脂(b)とを含む組成物の形成材以外の透明層を形成する材料としては、例えば、シアノアクリレート系形成材、エポキシ系形成材、ウレタンアクリレート系形成材等が挙げられる。
【0119】
前記透明層の形成は、前記形成材の種類に応じて適宜に選択することができるが、例えば、当該形成材を偏光子等に塗布した後に硬化することにより行うことができ、透明層は塗布層として得ることができる。通常は、前記塗布後に、30〜100℃程度、好ましくは50〜80℃で、0.5〜15分間程度乾燥することにより、硬化層を形成することにより行う。さらには、前記形成材が、イソシアネート成分を含有する場合には、反応促進の為に、30〜100℃程度、好ましくは50〜80℃で、0.5〜24時間程度のアニール処理を行うことができる。
【0120】
以下は、第1粘着剤層21を形成する、粘着剤組成物について説明する。
【0121】
前記粘着剤組成物は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)、並びにイオン性化合物(B)含有する。
【0122】
(メタ)アクリル系ポリマー(A)は、モノマー単位として、アルキル(メタ)アクリレート(a1)を主成分として含有する。なお、(メタ)アクリレートはアクリレートおよび/またはメタクリレートをいい、本発明の(メタ)とは同様の意味である。
【0123】
(メタ)アクリル系ポリマー(A)の主骨格を構成する、アルキル(メタ)アクリレートとしては、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基の炭素数1〜18のものを例示できる。例えば、前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、アミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基、イソデシル基、ドデシル基、イソミリスチル基、ラウリル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、等を例示できる。これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。これらアルキル基の平均炭素数は3〜9であるのが好ましい。
【0124】
アルキル(メタ)アクリレート(a1)の重量比率は、モノマー単位として、(メタ)アクリル系ポリマー(A)を構成する全構成モノマー(100重量%)の重量比率において、70重量%以上であるのが好ましい。アルキル(メタ)アクリレート(a1)の重量比率は他の共重合モノマーの残部として考えることができる。アルキル(メタ)アクリレート(a1)の重量比率を前記範囲に設定することは、接着性を確保するうえで好ましい。
【0125】
前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)中には、前記アルキル(メタ)アクリレート(a1)のモノマーユニットの他に、接着性や耐熱性の改善を目的に、(メタ)アクリロイル基またはビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性の官能基を有する、1種類以上の共重合モノマーを共重合により導入することができる。
【0126】
前記共重合モノマーとしては、例えば、アミド基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマー、ヒドロキシル基含有モノマー等の官能基含有モノマーを例示できる。これらのなかでも、アミド基含有モノマー(a2)が好ましい。
【0127】
前記第1粘着剤層の形成に用いられる粘着剤組成物において、ベースポリマーである(メタ)アクリル系ポリマー(A)中の側鎖に導入されたアミド基が存在している場合には、当該アミド基の存在によって、加湿環境下においても、イオン性化合物(B)を配合したことにより調整された第1粘着剤層の表面抵抗値が変動して大きくなることが抑制され、所望の値の範囲内に維持するうえで好ましい。(メタ)アクリル系ポリマー(A)中の側鎖に共重合モノマーの官能基として導入されたアミド基の存在によって、(メタ)アクリル系ポリマー(A)とイオン性化合物(B)との相溶性が上がると考えられる。
【0128】
また、前記粘着剤層は、ベースポリマーである(メタ)アクリル系ポリマー(A)中の側鎖に導入されたアミド基が存在している場合には、ガラスおよび透明導電層(ITO層等)のいずれに対しても耐久性が良好であり、液晶パネルに貼り付けられた状態において剥がれや、浮き等の発生を抑えることができる。また、加湿環境下(加湿信頼性試験後)においても、耐久性を満足することができる。
【0129】
アミド基含有モノマー(a2)は、その構造中にアミド基を含み、かつ(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の重合性不飽和二重結合を含む化合物である。アミド基含有モノマー(a2)の具体例としては、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロール−N−プロパン(メタ)アクリルアミド、アミノメチル(メタ)アクリルアミド、アミノエチル(メタ)アクリルアミド、メルカプトメチル(メタ)アクリルアミド、メルカプトエチル(メタ)アクリルアミド等のアクリルアミド系モノマー;N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−(メタ)アクリロイルピペリジン、N−(メタ)アクリロイルピロリジン等のN−アクリロイル複素環モノマー;N−ビニルピロリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタム等のN−ビニル基含有ラクタム系モノマー等が挙げられる。アミド基含有モノマー(a2)は、経時的な(特に加湿環境下での)表面抵抗値の上昇を抑制したり、耐久性を満足させたりするうえで好ましい。特に、アミド基含有モノマー(a2)のなかでも、特に、N−ビニル基含有ラクタム系モノマーは、経時的(特に加湿環境下)にける表面抵抗値の上昇を抑制したり、透明導電層(タッチセンサー層)に対する耐久性を満足させたりするうえで好ましい。なお、前記では例示されていないが、水酸基を有するアミド基含有モノマーは、イオン性化合物(B)との組み合わせにおいて、導電性が向上する傾向があり、また、使用割合が多くなると、偏光フィルム(光学フィルム)との投錨力や透明導電層(タッチセンサー層)とのリワーク性に問題あるため、使用しないのが好ましい。
【0130】
アミド基含有モノマー(a2)の前記重量比率は、経時的(特に加湿環境下)な表面抵抗値の上昇を抑制する観点から、0.1重量%以上であるのが好ましい。前記重量比率は、0.3重量%以上が好ましく、さらには0.5重量%以上であるのが好ましい。一方、前記重量比率が大きくなりすぎると偏光フィルム等の基材フィルムに対する投錨性が低下する傾向があるため、前記重量比率は、35重量%以下であるのが好ましく、さらには20重量%以下が好ましく、さらには10重量%以下であるのが好ましく、さらには5重量%未満であるのが特に好ましい。
【0131】
カルボキシル基含有モノマーは、その構造中にカルボキシル基を含み、かつ(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の重合性不飽和二重結合を含む化合物である。カルボキシル基含有モノマーの具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸等が挙げられる。前記カルボキシル基含有モノマーのなかでも、共重合性、価格、および粘着特性の観点からアクリル酸が好ましい。
【0132】
ヒドロキシル基含有モノマーは、その構造中にヒドロキシル基を含み、かつ(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の重合性不飽和二重結合を含む化合物である。ヒドロキシル基含有モノマーの具体例としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート等の、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートや(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレート等が挙げられる。前記ヒドロキシル基含有モノマーのなかでも、耐久性の点から、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましく、特に4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0133】
カルボキシル基含有モノマー、ヒドロキシル基含有モノマーは、粘着剤組成物が架橋剤を含有する場合に、架橋剤との反応点になる。カルボキシル基含有モノマー、ヒドロキシル基含有モノマーは分子間架橋剤との反応性に富むため、得られる粘着剤層の凝集性や耐熱性の向上のために好ましく用いられる。またカルボキシル基含有モノマーは耐久性とリワーク性を両立させる点で好ましく、ヒドロキシル基含有モノマーはリワーク性の点で好ましい。
【0134】
カルボキシル基含有モノマーの前記重量比率は、2重量%以下であるのが好ましく、さらには0.01〜2重量%が好ましく、さらには0.05〜1.5重量%が好ましく、さらには0.1〜1重量%が好ましく、最も好ましくは0.1〜0.5重量%である。カルボキシル基含有モノマーの重量比率を0.01重量%以上とすることは耐久性の点で好ましい。一方、2重量%を超える場合にはリワーク性の点から好ましくない。
【0135】
ヒドロキシル基含有モノマーの前記重量比率は、3重量%以下であるのが好ましく、さらには0.01〜3重量%が好ましく、さらには0.1〜2重量%が好ましく、さらには0.2〜2重量%が好ましい。ヒドロキシル基含有モノマーの重量比率が0.01重量%以上とすることは、粘着剤層を架橋する観点、耐久性や粘着特性の点で好ましい。一方、3重量%を超える場合には、耐久性の点から好ましくない。
【0136】
また共重合モノマーとしては、例えば、芳香環含有(メタ)アクリレートを用いることができる。芳香環含有(メタ)アクリレートは、その構造中に芳香環構造を含み、かつ(メタ)アクリロイル基を含む化合物である。芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、またはビフェニル環が挙げられる。
【0137】
芳香環含有(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノール(メタ)アクリレートフェノキシ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性クレゾール(メタ)アクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシベンジル(メタ)アクリレート、クロロベンジル(メタ)アクリレート、クレジル(メタ)アクリレート、ポリスチリル(メタ)アクリレート等のベンゼン環を有するもの;ヒドロキシエチル化β−ナフトールアクリレート、2−ナフトエチル(メタ)アクリレート、2−ナフトキシエチルアクリレート、2−(4−メトキシ−1−ナフトキシ)エチル(メタ)アクリレート等のナフタレン環を有するもの;ビフェニル(メタ)アクリレート等のビフェニル環を有するもの挙げられる。
【0138】
前記芳香環含有(メタ)アクリレートとしては、粘着特性や耐久性の点から、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートが好ましく、特にフェノキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0139】
芳香環含有(メタ)アクリレートの前記重量比率は、25重量%以下であるのが好ましく、さらには3〜25重量%が好ましく、さらには10〜22重量%が好ましく、さらには14〜20重量%が好ましい。芳香環含有(メタ)アクリレートの重量比率が3重量%以上である場合には、表示ムラを抑制するうえで好ましい。一方、25重量%を超えると表示ムラの却って抑制が十分でなく、耐久性が低下する傾向がある。
【0140】
上記以外の他の共重合モノマーの具体例としては、;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物基含有モノマー;アクリル酸のカプロラクトン付加物;アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、等のスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート等の燐酸基含有モノマー等が挙げられる。
【0141】
また、アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミドやN−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミド等のスクシンイミド系モノマー;N−シクロヘキシルマレイミドやN−イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレイミドやN−フェニルマレイミド等のマレイミド系モノマー;N−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミド、N−オクチルイタコンイミド、N−2−エチルヘキシルイタコンイミド、N−シクロヘキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミド等のイタコンイミド系モノマー、等も改質目的のモノマー例として挙げられる。
【0142】
さらに改質モノマーとして、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニル系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアノアクリレート系モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のグリコール系(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フッ素(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレートや2−メトキシエチルアクリレート等の(メタ)アクリレートモノマー等も使用することができる。さらには、イソプレン、ブタジエン、イソブチレン、ビニルエーテル等が挙げられる。
【0143】
さらに、上記以外の共重合可能なモノマーとして、ケイ素原子を含有するシラン系モノマー等が挙げられる。シラン系モノマーとしては、例えば、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、4−ビニルブチルトリメトキシシラン、4−ビニルブチルトリエトキシシラン、8−ビニルオクチルトリメトキシシラン、8−ビニルオクチルトリエトキシシラン、10−メタクリロイルオキシデシルトリメトキシシラン、10−アクリロイルオキシデシルトリメトキシシラン、10−メタクリロイルオキシデシルトリエトキシシラン、10−アクリロイルオキシデシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0144】
また、共重合モノマーとしては、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル化物等の(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の不飽和二重結合を2個以上有する多官能性モノマーや、ポリエステル、エポキシ、ウレタン等の骨格にモノマー成分と同様の官能基として(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の不飽和二重結合を2個以上付加したポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等を用いることもできる。
【0145】
(メタ)アクリル系ポリマー(A)における前記他の共重合モノマーの割合は、前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)の全構成モノマー(100重量%)の重量比率において、0〜10%程度、さらには0〜7%程度、さらには0〜5%程度であるのが好ましい。
【0146】
本発明の(メタ)アクリル系ポリマー(A)は、通常、重量平均分子量が100万〜250万であることが好ましい。耐久性、特に耐熱性を考慮すれば、重量平均分子量は120万〜200万であるのが好ましい。重量平均分子量が100万以上であると、耐熱性の点で好ましい。また、重量平均分子量が250万よりも大きくなると粘着剤が硬くなりやすい傾向があり、剥がれが発生しやすくなる。また、分子量分布を示す、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)は、1.8以上10以下であるのが好ましく、さらには1.8〜7であり、さらには1.8〜5であるのが好ましい。分子量分布(Mw/Mn)が10を超える場合には耐久性の点で好ましくない。なお、重量平均分子量、分子量分布(Mw/Mn)は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定し、ポリスチレン換算により算出された値から求められる。
【0147】
このような(メタ)アクリル系ポリマー(A)の製造は、溶液重合、塊状重合、乳化重合、各種ラジカル重合等の公知の製造方法を適宜選択できる。また、得られる(メタ)アクリル系ポリマー(A)は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等いずれでもよい。
【0148】
なお、溶液重合においては、重合溶媒として、例えば、酢酸エチル、トルエン等が用いられる。具体的な溶液重合例としては、反応は窒素等の不活性ガス気流下で、重合開始剤を加え、通常、50〜70℃程度で、5〜30時間程度の反応条件で行われる。
【0149】
ラジカル重合に用いられる重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤等は特に限定されず適宜選択して使用することができる。なお、(メタ)アクリル系ポリマー(A)の重量平均分子量は、重合開始剤、連鎖移動剤の使用量、反応条件により制御可能であり、これらの種類に応じて適宜のその使用量が調整される。
【0150】
本発明の粘着剤組成物は、イオン性化合物(B)を含有する。イオン性化合物(B)としては、アルカリ金属塩及び/または有機カチオン−アニオン塩を好ましく用いることができる。アルカリ金属塩は、アルカリ金属の有機塩および無機塩を用いることができる。なお、本発明でいう、「有機カチオン−アニオン塩」とは、有機塩であって、そのカチオン部が有機物で構成されているものを示し、アニオン部は有機物であっても良いし、無機物であっても良い。「有機カチオン−アニオン塩」は、イオン性液体、イオン性固体とも言われる。
【0151】
<アルカリ金属塩>
アルカリ金属塩のカチオン部を構成するアルカリ金属イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムの各イオンが挙げられる。これらアルカリ金属イオンのなかでもリチウムイオンが好ましい。
【0152】
アルカリ金属塩のアニオン部は有機物で構成されていてもよく、無機物で構成されていてもよい。有機塩を構成するアニオン部としては、例えば、CHCOO、CFCOO、CHSO、CFSO、(CFSO、CSO、CCOO、(CFSO)(CFCO)NS(CFSO、PF、CO2−、や下記一般式(A)乃至(D)、
(A):(C2n+1SO (但し、nは10〜10の整数)、
(B):CF(C2mSO (但し、mは1〜10の整数)、
(C):S(CFSO (但し、lは1〜10の整数)、
(D):(C2p+1SO)N(C2q+1SO)、(但し、p、qは1〜10の整数)、で表わされるもの等が用いられる。特に、フッ素原子を含むアニオン部は、イオン解離性の良いイオン化合物が得られることから好ましく用いられる。無機塩を構成するアニオン部としては、Cl、Br、I、AlCl、AlCl、BF、PF、ClO、NO、AsF、SbF、NbF、TaF、(CN)、等が用いられる。アニオン部としては、(CFSO、(CSO、等の前記一般式(A)で表わされる、(ペルフルオロアルキルスルホニル)イミドが好ましく、特に(CFSO、で表わされるビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、および(FSO、で表わされるビス(フルオロスルホニル)イミドが好ましい。
【0153】
アルカリ金属の有機塩としては、具体的には、酢酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CFSON、Li(CSON、Li(CSON、Li(CFSOC、KOS(CFSOK、LiOS(CFSOK等が挙げられ、これらのうちLiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON、Li(CSON、Li(CFSOC等が好ましく、Li(CFSON、Li(CSON、Li(CSON等のビス(フルオロスルホニル)イミドリチウム塩であるフッ素含有リチウムイミド塩がより好ましく、特に(ペルフルオロアルキルスルホニル)イミドリチウム塩が好ましい。その他、4,4,5,5−テトラフルオロ−1,3,2−ジチアゾリジン-1,1,3,3−テトラオキシドリチウム塩等が挙げられる。
【0154】
また、アルカリ金属の無機塩としては、過塩素酸リチウム、ヨウ化リチウムが挙げられる。
【0155】
<有機カチオン-アニオン塩>
本発明で用いられる有機カチオン−アニオン塩は、カチオン成分とアニオン成分とから構成されており、前記カチオン成分は有機物からなるものである。カチオン成分として、具体的には、ピリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピロリン骨格を有するカチオン、ピロール骨格を有するカチオン、イミダゾリウムカチオン、テトラヒドロピリミジニウムカチオン、ジヒドロピリミジニウムカチオン、ピラゾリウムカチオン、ピラゾリニウムカチオン、テトラアルキルアンモニウムカチオン、トリアルキルスルホニウムカチオン、テトラアルキルホスホニウムカチオン等が挙げられる。
【0156】
アニオン成分としては、例えば、Cl、Br、I、AlCl、AlCl、BF、PF、ClO、NO、CHCOO、CFCOO、CHSO、CFSO、(CFSO、AsF、SbF、NbF、TaF、(CN)、CSO、CCOO、((CFSO)(CFCO)NS(CFSO、や下記一般式(A)乃至(D)、
(A):(C2n+1SO (但し、nは0〜10の整数)、
(B):CF(C2mSO (但し、mは1〜10の整数)、
(C):S(CFSO (但し、lは1〜10の整数)、
(D):(C2p+1SO)N(C2q+1SO)、(但し、p、qは1〜10の整数)、で表わされるもの等が用いられる。なかでも特に、フッ素原子を含むアニオン成分は、イオン解離性の良いイオン化合物が得られることから好ましく用いられる。
【0157】
有機カチオン−アニオン塩は、上記カチオン成分とアニオン成分との組み合わせからなる化合物が適宜選択して用いられる。有機カチオン−アニオン塩の好ましい具体例としては、例えば、メチルトリオクチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、エチルメチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニルイミド)が挙げられる。なかでも、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、エチルメチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニルイミド)がより好ましい。
【0158】
また、イオン性化合物(B)としては、前記のアルカリ金属塩、有機カチオン−アニオン塩の他に、塩化アンモニウム、塩化アルミニウム、塩化銅、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸アンモニウム等の無機塩が挙げられる。
【0159】
前記イオン性化合物(B)は所望の抵抗値を得るために、単独でまたは複数を併用することができる。特に、粘着剤層の表面抵抗値を1×1010〜1×1012Ω/□の範囲に制御することを目的とする場合は、前記イオン性化合物(B)としてはアルカリ金属塩が帯電防止性能を高める点で好ましく、アルカリ金属塩を用いることで少ない配合部数でも帯電防止性能の高い粘着剤を得ることができる。一方、粘着剤層の表面抵抗値を1×10〜1×1010Ω/□の範囲に制御することを目的とする場合は、前記イオン性化合物(B)としては有機カチオン−アニオン塩が帯電防止性能を高める点で好ましく、有機カチオン−アニオン塩を用いることでより少ない配合部数でも帯電防止性能の高い粘着剤を得ることができる。
【0160】
本発明の粘着剤組成物におけるイオン性化合物(B)の割合は、粘着剤層の帯電防止特性とタッチパネルの感度を満足するように適宜に調整することができる。例えば、粘着剤層の表面抵抗値が1.0×10〜1.0×1012Ω/□の範囲になるように、(メタ)アクリル系ポリマー(A)に導入されているアミド基含有モノマー(a2)の重量比率、偏光フィルムの透明保護フィルムの種類等を考慮しながら、タッチセンシング機能内蔵液晶パネルの種類に応じて、イオン性化合物(B)の割合を調整するのが好ましい。例えば、図1に示すインセル型のタッチセンシング機能内蔵液晶パネルでは、第1粘着剤層は、初期の表面抵抗値が、1×10〜1×1010Ω/□の範囲に制御するのが好ましい。また、図2に示すセミインセル型、または図3に示すオンセル型のタッチセンシング機能内蔵液晶パネルでは、第1粘着剤層は、初期の表面抵抗値が、1×1010〜1×1012Ω/□の範囲に制御するのが好ましい。
【0161】
また、前記第一粘着剤層は、表面抵抗値の変動比(b/a)≦10、を満足するように制御される。前記aは、前記第1偏光フィルムの前記透明層に前記第一粘着剤層が設けられ、かつ、当該第一粘着剤層にセパレータが設けられた状態の粘着剤層付き第1偏光フィルムを作製した直後に前記セパレータを剥離した際の第一粘着剤層の表面抵抗値であり、前記bは前記粘着剤層付き第1偏光フィルムを60℃/95%RHの加湿環境下に250時間投入し、さらに40℃で1時間乾燥させた後に、前記セパレータを剥離した際の第一粘着剤層の表面抵抗値である。前記変動比(b/a)が10を超える場合には、加湿環境下における粘着剤層の帯電防止機能を低下させることになる。前記変動比(b/a)は5以下であることが好ましく、さらには3.5以下であることが好ましく、さらには2.5以下であることが好ましく、さらには2以下であることが好ましく、1.5以下であることが最も好ましい。
【0162】
前記イオン性化合物(B)の割合は、例えば、(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して、0.01重量部以上を用いることが好ましい。前記イオン性化合物(B)が0.01重量部以上を用いることで、帯電防止性能の向上させるうえで好ましい。かかる観点から前記イオン性化合物(B)は、0.1重量部以上が好ましく、さらには0.5重量部以上であるのが好ましい。一方、前記イオン性化合物(B)が多くなると、表面抵抗値が低くなりすぎてベースライン変動(表面抵抗値が低すぎすることにより生じるタッチ時の誤作動)により、タッチパネルの感度が低下するおそれがある。また、前記イオン性化合物(B)が多くなるとイオン性化合物(B)が析出する可能性があり、さらには加湿剥がれが生じやすくなる。かかる観点から前記イオン性化合物(B)は、通常、40重量部以下であるのが好ましく、さらには30重量部以下が好ましく、さらには20重量部以下であるのが好ましく、10重量部以下であることが最も好ましい。
【0163】
本発明の粘着剤組成物は、架橋剤(C)を含有することができる。架橋剤(C)としては、有機系架橋剤や多官能性金属キレートを用いることができる。有機系架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、過酸化物系架橋剤、エポキシ系架橋剤、イミン系架橋剤等が挙げられる。多官能性金属キレートは、多価金属が有機化合物と共有結合または配位結合しているものである。多価金属原子としては、Al、Cr、Zr、Co、Cu、Fe、Ni、V、Zn、In、Ca、Mg、Mn、Y、Ce、Sr、Ba、Mo、La、Sn、Ti等が挙げられる。共有結合または配位結合する有機化合物中の原子としては酸素原子等が挙げられ、有機化合物としてはアルキルエステル、アルコール化合物、カルボン酸化合物、エーテル化合物、ケトン化合物等が挙げられる。
【0164】
架橋剤(C)としては、イソシアネート系架橋剤および/または過酸化物系架橋剤が好ましい。
【0165】
イソシアネート系架橋剤(C)としては、イソシアネート基を少なくとも2つ有する化合物を用いることができる。たとえば、一般にウレタン化反応に用いられる公知の脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート等が用いられる。
【0166】
過酸化物としては、加熱または光照射によりラジカル活性種を発生して粘着剤組成物のベースポリマーの架橋を進行させるものであれば適宜使用可能であるが、作業性や安定性を勘案して、1分間半減期温度が80℃〜160℃である過酸化物を使用することが好ましく、90℃〜140℃である過酸化物を使用することがより好ましい。
【0167】
用いることができる過酸化物としては、たとえば、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート(1分間半減期温度:90.6℃)、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(1分間半減期温度:92.1℃)、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート(1分間半減期温度:92.4℃)、t−ブチルパーオキシネオデカノエート(1分間半減期温度:103.5℃)、t−ヘキシルパーオキシピバレート(1分間半減期温度:109.1℃)、t−ブチルパーオキシピバレート(1分間半減期温度:110.3℃)、ジラウロイルパーオキシド(1分間半減期温度:116.4℃)、ジ−n−オクタノイルパーオキシド(1分間半減期温度:117.4℃)、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(1分間半減期温度:124.3℃)、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキシド(1分間半減期温度:128.2℃)、ジベンゾイルパーオキシド(1分間半減期温度:130.0℃)、t−ブチルパーオキシイソブチレート(1分間半減期温度:136.1℃)、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン(1分間半減期温度:149.2℃)等が挙げられる。なかでも特に架橋反応効率が優れることから、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(1分間半減期温度:92.1℃)、ジラウロイルパーオキシド(1分間半減期温度:116.4℃)、ジベンゾイルパーオキシド(1分間半減期温度:130.0℃)等が好ましく用いられる。
【0168】
架橋剤(C)の使用量は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して、3重量部以下が好ましく、さらには0.01〜3重量部が好ましく、さらには0.02〜2重量部が好ましく、さらには0.03〜1重量部が好ましい。なお、架橋剤(C)が0.01重量部未満では、粘着剤層が架橋不足になり、耐久性や粘着特性を満足できないおそれがあり、一方、3重量部より多いと、粘着剤層が硬くなりすぎて耐久性が低下する傾向が見られる。
【0169】
本発明の粘着剤組成物には、シランカップリング剤(D)を含有することできる。シランカップリング剤(D)を用いることにより、耐久性を向上させることができる。シランカップリング剤としては、具体的には、たとえば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有シランカップリング剤、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シランカップリング剤、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等の(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基含有シランカップリング剤等が挙げられる。前記例示のシランカップリング剤としては、エポキシ基含有シランカップリング剤が好ましい。
【0170】
また、シランカップリング剤(D)として、分子内に複数のアルコキシシリル基を有するものを用いることもできる。具体的には、たとえば、信越化学社製X−41−1053、X−41−1059A、X−41−1056、X−41−1805、X−41−1818、X−41−1810、X−40−2651などが挙げられる。これらの分子内に複数のアルコキシシリル基を有するシランカップリング剤は、揮発しにくく、アルコキシシリル基を複数有することから耐久性向上に効果的であり好ましい。特に、粘着剤層付き光学フィルムの被着体が、ガラスに比べてアルコキシシリル基が反応しにくい透明導電層(例えば、ITO等)の場合にも耐久性が好適である。また、分子内に複数のアルコキシシリル基を有するシランカップリング剤は、分子内にエポキシ基を有するものが好ましく、エポキシ基は分子内に複数有することがさらに好ましい。分子内に複数のアルコキシシリル基を有し、かつエポキシ基を有するシランカップリング剤は被着体が透明導電層(例えば、ITO等)の場合にも耐久性が良好な傾向がある。分子内に複数のアルコキシシリル基を有し、かつエポキシ基を有するシランカップリング剤の具体例としては、信越化学社製X−41−1053、X−41−1059A、X−41−1056が挙げられ、特に、エポキシ基含有量の多い、信越化学社製X−41−1056が好ましい。
【0171】
前記シランカップリング剤(D)は、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量は前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対し、5重量部以下が好ましく、さらには0.001〜5重量部が好ましく、さらには0.01〜1重量部が好ましく、さらには0.02〜1重量部がより好ましく、さらには0.05〜0.6重量部が好ましい。耐久性を向上させる量である。
【0172】
本発明の粘着剤組成物には、反応性シリル基を有するポリエーテル化合物(E)を配合することができる。ポリエーテル化合物(E)はリワーク性を向上させることができる点で好ましい。ポリエーテル化合物(E)は、例えば、特開2010−275522号公報に開示されているものを用いることができる。
【0173】
本発明の粘着剤組成物におけるポリエーテル化合物(E)の割合は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して、10重量部以下が好ましく、0.001〜10重量部が好ましい。前記ポリエーテル化合物(E)が0.001重量部未満では、リワーク性の向上効果が十分ではない場合がある。前記ポリエーテル化合物(E)は、0.01重量部以上が好ましく、さらには0.1重量部以上であるのが好ましい。一方、前記ポリエーテル化合物(E)は10重量部より多いと、耐久性の点で好ましくない。前記ポリエーテル化合物(E)は、5重量部以下が好ましく、さらには2重量部以下であるのが好ましい。前記ポリエーテル化合物(E)の割合は、前記上限値または下限値を採用して好ましい範囲を設定できる。
【0174】
さらに本発明の粘着剤組成物には、その他の公知の添加剤を含有していてもよく、たとえば、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールのポリエーテル化合物、着色剤、顔料等の粉体、染料、界面活性剤、可塑剤、粘着性付与剤、表面潤滑剤、レベリング剤、軟化剤、酸化防止剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、無機または有機の充填剤、金属粉、粒子状、箔状物等を使用する用途に応じて適宜添加することができる。また、制御できる範囲内で、還元剤を加えてのレドックス系を採用してもよい。これら添加剤は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して5重量部以下、さらには3重量部以下、さらには1重量部以下の範囲で用いるのが好ましい。
【0175】
本発明の第1粘着剤層21は、光学フィルム(偏光フィルム)に貼り合わせた粘着剤層付き光学フィルムとして用いることができる。粘着剤層付き光学フィルムは、光学フィルムの少なくとも片面に、前記粘着剤組成物により粘着剤層を形成することにより得ることができる。
【0176】
粘着剤層を形成する方法としては、例えば、前記粘着剤組成物を剥離処理したセパレータ等に塗布し、重合溶剤等を乾燥除去して粘着剤層を形成した後に光学フィルム(偏光フィルム)に転写する方法、または光学フィルム(偏光フィルム)に前記粘着剤組成物を塗布し、重合溶剤等を乾燥除去して粘着剤層を光学フィルムに形成する方法等により作製される。なお、粘着剤の塗布にあたっては、適宜に、重合溶剤以外の一種以上の溶剤を新たに加えてもよい。
【0177】
第1粘着剤層21の厚さは、特に制限されず、例えば、1〜100μm程度である。好ましくは、2〜50μm、より好ましくは2〜40μmであり、さらに好ましくは、5〜35μmである。
【0178】
<導電層>
前記導電層dの厚さは、表面抵抗値の安定性及び第1粘着剤層21との密着性の観点から1μm以下であるのが好ましく、0.01〜0.5μmであるのが好ましく、0.01〜0.2μmであるのが好ましく、さらに0.01〜0.1μmであるのが好ましい。また、前記導電層dの表面抵抗値は帯電防止機能の観点から、1×10〜1×1012Ω/□であるのが好ましく、1×10〜1×1011Ω/□であるのが好ましく、さらに1×10〜1×1010Ωであるのが好ましい。
【0179】
導電層は、各種の帯電防止剤組成物から形成することができる。導電層を形成する帯電防止剤としては、イオン性界面活性剤系、導電性ポリマー、導電性微粒子、カーボンナノチューブ等を用いることができる。
【0180】
これら帯電防止剤のなかでも導電性ポリマー、カーボンナノチューブは光学特性、外観、帯電防止効果および帯電防止効果の熱時、加湿時での安定性という観点から好ましく使用される。特に、ポリアニリン、ポリチオフェン等の導電性ポリマーが好ましく使用される。導電性ポリマーは有機溶剤可溶性、水溶性、水分散性のものを適宜使用可能だが、水溶性導電性ポリマーまたは水分散性導電性ポリマーが好ましく使用される。水溶性導電性ポリマーや水分散性導電性ポリマーは帯電防止層を形成する際の塗布液を水溶液または水分散液として調製でき、当該塗布液は非水系の有機溶剤を用いる必要がなく、当該有機溶剤による光学フィルム基材の変質を抑えることができるためである。なお、水溶液または水分散液は、水のほかに水系の溶媒を含有できる。たとえば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、tert−アミルアルコール、1−エチル−1−プロパノール、2−メチル−1−ブタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール等のアルコール類があげられる。
【0181】
また、前記ポリアニリン、ポリチオフェン等の水溶性導電性ポリマーまたは水分散性導電性ポリマーは、分子中に親水性官能基を有することが好ましい。親水性官能基としては、たとえばスルホン基、アミノ基、アミド基、イミノ基、四級アンモニウム塩基、ヒドロキシル基、メルカプト基、ヒドラジノ基、カルボキシル基、硫酸エステル基、リン酸エステル基、またはそれらの塩等があげられる。分子内に親水性官能基を有することにより水に溶けやすくなったり、水に微粒子状で分散しやすくなり、前記水溶性導電性ポリマーまたは水分散性導電性ポリマーを容易に調製することができる。
【0182】
水溶性導電ポリマーの市販品の例としては、ポリアニリンスルホン酸(三菱レーヨン社製,ポリスチレン換算による重量平均分子量150000)等があげられる。水分散性導電ポリマーの市販品の例としては、ポリチオフェン系導電性ポリマー(ナガセケムテック社製、商品名,デナトロンシリーズ)等があげられる。
【0183】
また導電層の形成材料としては、前記帯電防止剤とともに、帯電防止剤の皮膜形成性、光学フィルムへの密着性の向上等を目的に、バインダー成分を添加することもできる。帯電防止剤が水溶性導電性ポリマーまたは水分散性導電性ポリマーの水系材料の場合には、水溶性もしくは水分散性のバインダー成分を用いる。バインダーの例としては、オキサゾリン基含有ポリマー、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレングリコール、ペンタエリスリトール等があげられる。特にポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。これらバインダーは1種または2種以上を適宜その用途に合わせて用いることができる。
【0184】
帯電防止剤、バインダーの使用量は、それらの種類にもよるが、得られる導電層の表面抵抗値が1×10〜1×1012Ω/□になるように制御するのが好ましい。
【実施例】
【0185】
以下に、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、各例中の部および%はいずれも重量基準である。以下に特に規定のない室温放置条件は全て23℃65%RHである。
【0186】
<(メタ)アクリル系ポリマー(A)の重量平均分子量の測定>
(メタ)アクリル系ポリマー(A)の重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定した。Mw/Mnについても、同様に測定した。また、重合体(a)等の重量平均分子量の測定にも同様に適用(溶媒以外)した。
・分析装置:東ソー社製、HLC−8120GPC
・カラム:東ソー社製、G7000HXL+GMHXL+GMHXL
・カラムサイズ:各7.8mmφ×30cm 計90cm
・カラム温度:40℃
・流量:0.8mL/min
・注入量:100μL
・溶離液:テトラヒドロフラン
・検出器:示差屈折計(RI)
・標準試料:ポリスチレン
【0187】
(薄型偏光子Aの作製)
吸水率0.75%、Tg75℃の非晶質のイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(IPA共重合PET)フィルム(厚み:100μm)基材の片面に、コロナ処理を施し、このコロナ処理面に、ポリビニルアルコール(重合度4200、ケン化度99.2モル%)およびアセトアセチル変性PVA(重合度1200、アセトアセチル変性度4.6%、ケン化度99.0モル%以上、日本合成化学工業社製、商品名「ゴーセファイマーZ200」)を9:1の比で含む水溶液を25℃で塗布および乾燥して、厚み11μmのPVA系樹脂層を形成し、積層体を作製した。
得られた積層体を、120℃のオーブン内で周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に2.0倍に自由端一軸延伸した(空中補助延伸処理)。
次いで、積層体を、液温30℃の不溶化浴(水100重量部に対して、ホウ酸を4重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(不溶化処理)。
次いで、液温30℃の染色浴に、偏光板が所定の透過率となるようにヨウ素濃度、浸漬時間を調整しながら浸漬させた。本実施例では、水100重量部に対して、ヨウ素を0.2重量部配合し、ヨウ化カリウムを1.0重量部配合して得られたヨウ素水溶液に60秒間浸漬させた(染色処理)。
次いで、液温30℃の架橋浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを3重量部配合し、ホウ酸を3重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(架橋処理)。
その後、積層体を、液温70℃のホウ酸水溶液(水100重量部に対して、ホウ酸を4重量部配合し、ヨウ化カリウムを5重量部配合して得られた水溶液)に浸漬させながら、周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に総延伸倍率が5.5倍となるように一軸延伸を行った(水中延伸処理)。
その後、積層体を液温30℃の洗浄浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを4重量部配合して得られた水溶液)に浸漬させた(洗浄処理)。
以上により、厚み5μmの偏光子を含む光学フィルム積層体を得た。
【0188】
(透明保護フィルム)
厚み25μmのトリアセチルセルロース樹脂フィルムを用いた。
【0189】
(透明保護フィルムに適用する接着剤の作製)
アクリロイルモルホリン45重量部、1,9−ノナンジオールジアクリレート45部、(メタ)アクリルモノマーを重合してなるアクリル系オリゴマー(ARUFONUP1190,東亞合成社製)10部、光重合開始剤(IRGACURE 907,BASF社製)3部、重合開始剤(KAYACURE DETX−S,日本化薬社製)1.5部を混合し、紫外線硬化型接着剤を調製した。
【0190】
(透明層の形成材)
形成材A:ウレタンプレポリマー(a)の溶液として、トリレンジイソシアネート(TDI)とトリメチロールプロパン(TMP)よりなるウレタンプレポリマーの75%酢酸エチル溶液(東ソー社製、商品名「コロネートL」)を用いた。
一方、トリメチロールプロパンを、シクロペンタノンに固形分濃度10%となるように溶解して、トリメチロールプロパン溶液を調製した。
上記のウレタンプレポリマーの75%酢酸エチル溶液(東ソー社製、商品名「コロネートL」)100部に、上記のトリメチロールプロパン溶液を、ウレタンプレポリマー:トリメチロールプロパンの固形分比率が、90:10になるように添加し、さらに、ジオクチルスズジラウレート系触媒(東京ファインケミカル社製,商品名「エンビライザーOL−1」)0.1部を加え、さらに溶媒としてメチルイソブチルケトンにより固形分濃度10%に調製した形成材(塗工液)を調製した。
【0191】
形成材B:トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンよりなるウレタンプレポリマーの75%酢酸エチル溶液(東ソー社製、商品名「コロネートL」)100部にジオクチルスズジラウレート系触媒(東京ファインケミカル社製、商品名「エンビライザーOL−1」0.1部を加え、溶媒としてメチルイソブチルケトンにより固形分濃度10%としてウレタンプレポリマー塗工液を調製した。
【0192】
形成材C:ウレタンアクリレート樹脂(日本合成社製、製品名「紫光UV−1700」)80部に、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド(興人社製,商品名「HEAA」)20部、および光重合開始剤(BASF社製、IRGACURE 907)3部を加え、溶媒としてメチルイソブチルケトンにより固形分濃度10%としてウレタンアクリレート塗工液を調製した。
【0193】
形成材D:メタクリル酸メチル97.0部、一般式(1):で表される単量体(一般式(1e)の単量体)3.0部、重合開始剤(2,2´−アゾビス(イソブチロニトリル))0.2部をトルエン200部に溶解した。次いで、窒素雰囲気下で70℃に加熱しながら5時間重合反応を行い、重合体(a)(固形分濃度:33重量%)を得た。得られた重合体(a)の重量平均分子量は85,000であった。
前記重合体(a)15部と、エポキシ樹脂(三菱ケミカル株式会社製、商品名:jER(登録商標) YX7200B35)85部とを混合し、アクリル−エポキシ樹脂の形成材(塗工液)を調製した。
【0194】
形成材E:重合度2500、ケン化度99.0%のポリビニルアルコール樹脂(日本酢ビ・ポバール社製、商品名:JC-25)を純粋に溶解し、固形分濃度4重量%の水溶液を調製した。
【0195】
(導電層の形成材の調製)
固形分で、チオフェン系ポリマーを10〜50重量%含む溶液(商品名:デナトロンP−580W、ナガセケムテックス(株)製)8.6部、オキサゾリン基含有アクリルポリマーを含む溶液(商品名:エポクロスWS−700、(株)日本触媒製)1部、及び、水90.4部を混合し、固形分濃度が0.5重量%の導電層形成用塗布液を調製した。得られた導電層形成用塗布液は、ポリチオフェン系ポリマーを0.04重量%、オキサゾリン基含有アクリルポリマーを0.25重量%含有していた。
【0196】
実施例1
(アクリル系ポリマー(A)の調製)
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート96.2部、N−ビニル−2−ピロリドン3部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.5部、アクリル酸0.3部、を含有するモノマー混合物を仕込んだ。さらに、前記モノマー混合物(固形分)100部に対して、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部を酢酸エチル100部と共に仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を55℃付近に保って8時間重合反応を行って、重量平均分子量(Mw)160万、Mw/Mn=3.7のアクリル系ポリマーの溶液を調製した。
【0197】
(粘着剤組成物の調製)
上記で得られたアクリル系ポリマーの溶液の固形分100部に対して、イオン性化合物(B)として、エチルメチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニルイミド)7部、イソシアネート架橋剤(三井化学社製のタケネートD160N,トリメチロールプロパンヘキサメチレンジイソシアネート)0.1部、ベンゾイルパーオキサイド(日本油脂社製のナイパーBMT)0.3部およびエポキシ基含有シランカップリング剤(信越化学工業社製:X−41−1056)0.3部を配合して、アクリル系粘着剤組成物の溶液を調製した。
【0198】
(粘着剤層の作製)
次いで、上記アクリル系粘着剤組成物の溶液を、シリコーン系剥離剤で処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(セパレータフィルム:三菱化学ポリエステルフィルム(株)製,MRF38)の片面に、乾燥後の粘着剤層の厚さが20μmになるように塗布し、155℃で1分間乾燥を行い、セパレータフィルムの表面に粘着剤層を形成した。
【0199】
<片保護偏光フィルムの作製>
上記光学フィルム積層体の偏光子Aの表面に、上記紫外線硬化型接着剤aを硬化後の接着剤層の厚みが1μmとなるように塗布しながら、上記透明保護フィルム(アクリル)を貼合せたのち、活性エネルギー線として、紫外線を照射し、接着剤を硬化させた。紫外線照射は、ガリウム封入メタルハライドランプ、照射装置:Fusion UV Systems,Inc社製のLight HAMMER10、バルブ:Vバルブ、ピーク照度:1600mW/cm、積算照射量1000/mJ/cm(波長380〜440nm)を使用し、紫外線の照度は、Solatell社製のSola−Checkシステムを使用して測定した。次いで、非晶性PET基材を剥離し、薄型偏光子を用いた片保護偏光フィルムを作製した。得られた片保護偏光フィルムの光学特性は単体透過率42.8%、偏光度99.99%であった。
【0200】
<透明層付き片保護偏光フィルムの作製>
上記片保護偏光フィルムの偏光子の面(透明保護フィルムが設けられていない偏光子面)に、上記透明層の形成材Aをバーコーターにより塗布した後、60℃で5分間熱処理を施すことにより行い、厚さ3μmのウレタン樹脂層を形成した。
【0201】
<粘着剤層付き片保護偏光フィルムの作製>
次いで、片保護偏光フィルムに形成した透明層に、セパレータフィルム上に形成した粘着剤層を転写して、粘着剤層付き片保護偏光フィルムを作製した。
【0202】
実施例2〜18、比較例1〜3
実施例1において、表1に示すように、アクリル系ポリマー(A)の調製に用いたモノマー混合物の組成、粘着剤組成物の調製に用いたイオン性化合物(B)の種類(EMI−FSIもしくはLi−TFSI)またはその配合割合、粘着剤層の厚み、透明層の形成材の種類またはその厚み、導電層の有無を表1に示すように変えたこと以外は、実施例1と同様にして、透明層付き片保護偏光フィルムおよび粘着剤層付き片保護偏光フィルムを作製した。
【0203】
なお、実施例5の透明層は、上記片保護偏光フィルムの偏光子の面(透明保護フィルムが設けられていない偏光子面)に、上記透明層の形成材Bをバーコーターにより塗布した後、60℃で12時間熱処理を施すことにより行い、厚さ3μmのウレタン樹脂層を形成した。また、実施例6の透明層の形成は、上記片保護偏光フィルムの偏光子の面(透明保護フィルムが設けられていない偏光子面)に、上記形成剤Cをバーコーターにより塗布した後、90℃で1分間加熱した。加熱後に塗布層に高圧水銀ランプにて積算光量300mJ/cm2の紫外線を照射して、厚さ1μmのウレタンアクリレート樹脂層を形成することにより行った。
また、実施例16〜18の透明層は、上記片保護偏光フィルムの偏光子の面(透明保護フィルムが設けられていない偏光子面)に、上記透明層の形成材Dをバーコーターにより塗布した後、60℃で2分間熱処理を施すことにより行い、厚さ0.5μmの透明層を形成した。
比較例2の透明層の形成は、上記片保護偏光フィルムの偏光子の面(透明保護フィルムが設けられていない偏光子面)に、上記形成剤Eをバーコーターにより塗布した後、60℃で3分間加熱して、厚さ1.5μmのポリビニルアルコール樹脂層を形成することにより行った。
比較例1、3では、透明層は形成しなかった。
【0204】
実施例15では、前記導電層形成用塗布液を前記透明層付片保護偏光フィルムの透明層上に、乾燥後の厚みが0.06μmになるように塗布し、80℃で2分間乾燥して導電層を形成した。得られた導電層には、チオフェン系ポリマー、オキサゾリン基含有アクリルポリマーが、それぞれ、8重量%、50重量%含まれていた。
導電層の表面抵抗値は、粘着剤層を形成する前の導電層および透明層付きの偏光フィルムの導電層側表面について測定した。測定は、三菱化学アナリテック社製MCP−HT450を用いて行った。
【0205】
上記実施例および比較例で得られた、粘着剤層付き片保護偏光フィルムについて以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。なお、各評価において、「初期」は粘着剤層付き片保護偏光フィルムまたは液晶パネルを作製した直後に、「加湿後」は得られた粘着剤層付き偏光フィルムまたは液晶パネルを60℃/95%RHの加湿環境下に250時間投入し、さらに40℃で1時間乾燥させた後に、それぞれに測定した値である。
【0206】
<表面抵抗値(Ω/□):導電性>
粘着剤層付き偏光フィルムからセパレータフィルムを剥がした後、粘着剤層表面の表面抵抗値を測定した。測定は、三菱化学アナリテック社製MCP−HT450を用いて行った。実施例15の粘着剤層表面の表面抵抗値は、導電層と導電性粘着剤層の両方が存在する状態で、前記導電性粘着剤層の表面から測定した値である。
なお、表1の変動比(b/a)は、「初期」の表面抵抗値(a)と、「加湿後」の表面抵抗値(b)から算出された値(少数点第2位の四捨五入値)である。
また、「誤作動」が生じるおそれが少ない指標として、変動比の小さな値が好ましことを下記基準で評価した。
A:変動比が2以下。
B:変動比が2を超え、10未満。
C:変動比が10以上。
【0207】
<ESD試験>
粘着剤層付き片保護偏光フィルムからセパレータフィルムを剥がした後、表1に示すようにインセル型液晶セルまたはオンセル型液晶セルの視認側に貼り合わせて、タッチセンシング機能内蔵液晶パネルを作成した。即ち、実施例1〜10、15、比較例1〜2で得られた粘着剤層付き偏光フィルムは、図1に示すインセル型液晶セルの第1透明基板に貼り合わせて、第1粘着剤層および第1偏光フィルムを形成した。実施例11〜14、比較例3で得られた粘着剤層付き偏光フィルムは、図3に示すオンセル型液晶セルのセンサー層(タッチセンサー部)に貼り合わせて、第1粘着剤層および第1偏光フィルムを形成した。前記液晶パネルにおける、偏光フィルム面にESD(静電気放電)ガン(10kV)を発射して、電気により白抜けした部分が消失するまでの時間を測定し、下記の基準で判断した。
(評価基準)
A:1秒以内。
B:1秒を超え〜3秒以内。
C:3秒を超え〜10秒以内。
D:10秒を超える。
【0208】
【表1】
【0209】
表1中、
BAはブチルアクリレート、
NVPはN−ビニル−2−ピロリドン、
HBAは4−ヒドロキシブチルアクリレート、
AAはアクリル酸、
EMI−FSIはエチルメチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニルイミド)、
Li−TFSIはビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド リチウムを、示す。
【0210】
表1に示すように、実施例と比較例の記載から、片保護偏光フィルムを用いた場合において、アクリル系ポリマーにイオン性化合物を配合することにより、粘着剤層の初期の表面抵抗値を低く設定した場合にも、片保護偏光フィルムは所定の透明層を有する実施例では、粘着剤層の加湿後の表面抵抗値の変動比を10以下に制御することができ、表面抵抗値の上昇が抑えられることが分かる。即ち、実施例では、粘着剤層の表面抵抗値の変動比が小さいため、加湿後においても所望の範囲内に表面抵抗値を維持することができ、タッチパネル感度を良好に維持することができ、さらには、ESD試験が良好であり静電気ムラを抑えることができうる。
【符号の説明】
【0211】
11、12 第1、第2偏光フィルム
21、22 第1、第2粘着剤層
3 液晶層
41、42 第1、第2透明基板
5 タッチセンサー部
6 駆動電極兼センサー部
7 駆動電極
C 液晶セル
a 偏光子
b 透明保護フィルム
c 透明層
d 導電層
図1
図2
図3
図4
図5