特許第6979113号(P6979113)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6979113
(24)【登録日】2021年11月16日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】撮像光学レンズ
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/00 20060101AFI20211125BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20211125BHJP
【FI】
   G02B13/00
   G02B13/18
【請求項の数】10
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2020-210866(P2020-210866)
(22)【出願日】2020年12月19日
【審査請求日】2021年1月29日
(31)【優先権主張番号】202010918113.5
(32)【優先日】2020年9月3日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】320011719
【氏名又は名称】エーエーシー オプティックス (ソシュウ) カンパニーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【弁理士】
【氏名又は名称】大行 尚哉
(74)【代理人】
【識別番号】100087859
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 秀治
(72)【発明者】
【氏名】石栄宝
【審査官】 岡田 弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭60−263113(JP,A)
【文献】 特開平10−221601(JP,A)
【文献】 特開昭61−109012(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0199360(US,A1)
【文献】 特開昭61−133925(JP,A)
【文献】 特開平02−018510(JP,A)
【文献】 特開2010−266577(JP,A)
【文献】 特開2011−013469(JP,A)
【文献】 特開2011−053663(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00−17/08
G02B 21/02−21/04
G02B 25/00−25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像光学レンズであって、
物体側から像側に向かって、順に、正の屈折力を有する第1レンズ、負の屈折力を有する第2レンズ、第3レンズ、第4レンズ、正の屈折力を有する第5レンズ、及び負の屈折力を有する第6レンズから構成され
前記撮像光学レンズ全体の焦点距離をf、前記第1レンズの焦点距離をf1、前記第5レンズの像側の面から前記第6レンズの物体側の面までの軸上距離をd10、前記撮像光学レンズの光学全長をTTL、前記第6レンズの物体側の面の曲率半径をR11、前記第6レンズの像側の面の曲率半径をR12にしたときに、以下の関係式を満たすことを特徴とする撮像光学レンズ。
0.25≦d10/TTL≦0.50
0.55≦f1/f≦1.00
−0.35≦(R11+R12)/(R11−R12)≦0.47
【請求項2】
撮像光学レンズであって、
物体側から像側に向かって、順に、正の屈折力を有する第1レンズ、負の屈折力を有する第2レンズ、第3レンズ、第4レンズ、正の屈折力を有する第5レンズ、及び負の屈折力を有する第6レンズから構成され、
前記撮像光学レンズ全体の焦点距離をf、前記第1レンズの焦点距離をf1、前記第5レンズの像側の面から前記第6レンズの物体側の面までの軸上距離をd10、前記撮像光学レンズの光学全長をTTL、前記第6レンズの焦点距離をf6、前記第6レンズの物体側の面の曲率半径をR11、前記第6レンズの像側の面の曲率半径をR12、前記第6レンズの軸上厚みをd11にしたときに、以下の関係式を満たすことを特徴とする撮像光学レンズ。
0.25≦d10/TTL≦0.50
0.55≦f1/f≦1.00
−1.82≦f6/f≦−0.50
−0.35≦(R11+R12)/(R11−R12)≦0.47
0.08≦d11/TTL≦0.31
【請求項3】
前記第2レンズの焦点距離をf2にしたときに、以下の関係式を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像光学レンズ。
−2.10≦f2/f≦−1.00
【請求項4】
前記第5レンズの物体側の面の曲率半径をR9、前記第5レンズの像側の面の曲率半径をR10にしたときに、以下の関係式を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像光学レンズ。
−3.00≦R10/R9≦−1.00
【請求項5】
前記第1レンズの物体側の面の曲率半径をR1、前記第1レンズの像側の面の曲率半径をR2、前記第1レンズの軸上厚みをd1にしたときに、以下の関係式を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像光学レンズ。
−1.01≦(R1+R2)/(R1−R2)≦0.27
0.03≦d1/TTL≦0.10
【請求項6】
前記第2レンズの物体側の面の曲率半径をR3、前記第2レンズの像側の面の曲率半径をR4、前記第2レンズの軸上厚みをd3にしたときに、以下の関係式を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像光学レンズ。
1.60≦(R3+R4)/(R3−R4)≦6.07
0.01≦d3/TTL≦0.05
【請求項7】
前記第3レンズの焦点距離をf3、前記第3レンズの物体側の面の曲率半径をR5、前記第3レンズの像側の面の曲率半径をR6、前記第3レンズの軸上厚みをd5にしたときに、以下の関係式を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像光学レンズ。
−2.50≦f3/f≦20.33
−3.68≦(R5+R6)/(R5−R6)≦17.54
0.01≦d5/TTL≦0.06
【請求項8】
前記第4レンズの焦点距離をf4、前記第4レンズの物体側の面の曲率半径をR7、前記第4レンズの像側の面の曲率半径をR8、前記第4レンズの軸上厚みをd7にしたときに、以下の関係式を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像光学レンズ。
−25.39≦f4/f≦88.25
−354.59≦(R7+R8)/(R7−R8)≦30.09
0.01≦d7/TTL≦0.05
【請求項9】
前記第5レンズの焦点距離をf5、前記第5レンズの物体側の面の曲率半径をR9、前記第5レンズの像側の面の曲率半径をR10、前記第5レンズの軸上厚みをd9にしたときに、以下の関係式を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像光学レンズ。
0.37≦f5/f≦1.40
−0.98≦(R9+R10)/(R9−R10)≦−0.02
0.02≦d9/TTL≦0.11
【請求項10】
前記撮像光学レンズの像高をIH、前記撮像光学レンズの光学全長をTTLにしたときに、以下の関係式を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像光学レンズ。
TTL/IH≦1.88
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学レンズの分野に関し、特に、スマートフォン、デジタルカメラなどの携帯端末装置、モニター、PCレンズなどの撮像装置に適用される撮像光学レンズに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンの登場に伴い、小型化の撮像レンズに対するニーズがますます高まっているが、撮像レンズの感光素子は、通常、感光結合素子(Charge Coupled Device、CCD)又は相補型金属酸化物半導体素子(Complementary Metal−OxideSemicondctor Sensor、CMOS Sensor)の2種類程度しかなく、また、半導体製造工程技術の向上により、感光素子の画素サイズが縮小され、さらに、現在の電子製品は、優れた機能および軽量化・薄型化・小型化の外観への要求が高まっているので、良好な結像品質を有する小型化の撮像レンズは、現在の市場において既に主流となる。
【0003】
優れた結像品質を得るために、携帯電話のカメラに搭載されるレンズは、3枚式又は4枚式のレンズ構造を用いることが多い。また、技術の進化及びユーザの多様化ニーズの増加に伴い、感光素子の画素面積が縮小しつつあり、システムが結像品質に対する要求が高くなってきているなか、5枚式、6枚式のレンズ構造も徐々にレンズの設計に現れている。一般的な6枚式のレンズは優れた光学性能を備えているが、その屈折力と、レンズの間隔とレンズの形状との設定は依然として不合理であるため、レンズ構造は優れた光学性能を有するとともに、大きな絞り、極薄化、広角化の設定要求を満たすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、高結像性能を得るとともに、大きな絞り、広角化、極薄化の設定要求を満たすことができる撮像光学レンズを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題を解決するために、本発明の実施形態は、撮像光学レンズを提供する。前記撮像光学レンズは、物体側から像側に向かって、順に、正の屈折力を有する第1レンズ、負の屈折力を有する第2レンズ、第3レンズ、第4レンズ、正の屈折力を有する第5レンズ、及び負の屈折力を有する第6レンズを備え、
前記撮像光学レンズ全体の焦点距離をf、前記第1レンズの焦点距離をf1、前記第5レンズの像側の面から前記第6レンズの物体側の面までの軸上距離をd10、前記撮像光学レンズの光学全長をTTLにしたときに、以下の関係式を満たす。
0.25≦d10/TTL≦0.50
0.55≦f1/f≦1.00
【0006】
また、前記第2レンズの焦点距離をf2にしたときに、以下の関係式を満たすことが好ましい。
−2.10≦f2/f≦−1.00
【0007】
また、前記第5レンズの物体側の面の曲率半径をR9、前記第5レンズの像側の面の曲率半径をR10にしたときに、以下の関係式を満たすことが好ましい。
−3.00≦R10/R9≦−1.00
【0008】
また、前記第1レンズの物体側の面の曲率半径をR1、前記第1レンズの像側の面の曲率半径をR2、前記第1レンズの軸上厚みをd1にしたときに、以下の関係式を満たすことが好ましい。
−1.01≦(R1+R2)/(R1−R2)≦0.27
0.03≦d1/TTL≦0.10
【0009】
また、前記第2レンズの物体側の面の曲率半径をR3、前記第2レンズの像側の面の曲率半径をR4、前記第2レンズの軸上厚みをd3にしたときに、以下の関係式を満たすことが好ましい。
1.60≦(R3+R4)/(R3−R4)≦6.07
0.01≦d3/TTL≦0.05
【0010】
また、前記第3レンズの焦点距離をf3、前記第3レンズの物体側の面の曲率半径をR5、前記第3レンズの像側の面の曲率半径をR6、前記第3レンズの軸上厚みをd5にしたときに、以下の関係式を満たすことが好ましい。
−2.50≦f3/f≦20.33
−3.68≦(R5+R6)/(R5−R6)≦17.54
0.01≦d5/TTL≦0.06
【0011】
また、前記第4レンズの焦点距離をf4、前記第4レンズの物体側の面の曲率半径をR7、前記第4レンズの像側の面の曲率半径をR8、前記第4レンズの軸上厚みをd7にしたときに、以下の関係式を満たすことが好ましい。
−25.39≦f4/f≦88.25
−354.59≦(R7+R8)/(R7−R8)≦30.09
0.01≦d7/TTL≦0.05
【0012】
また、前記第5レンズの焦点距離をf5、前記第5レンズの物体側の面の曲率半径をR9、前記第5レンズの像側の面の曲率半径をR10、前記第5レンズの軸上厚みをd9にしたときに、以下の関係式を満たすことが好ましい。
0.37≦f5/f≦1.40
−0.98≦(R9+R10)/(R9−R10)≦−0.02
0.02≦d9/TTL≦0.11
【0013】
また、前記第6レンズの焦点距離をf6、前記第6レンズの物体側の面の曲率半径をR11、前記第6レンズの像側の面の曲率半径をR12、前記第6レンズの軸上厚みをd11にしたときに、以下の関係式を満たすことが好ましい。
−1.82≦f6/f≦−0.50
−0.35≦(R11+R12)/(R11−R12)≦0.47
0.08≦d11/TTL≦0.31
【0014】
また、前記撮像光学レンズの像高をIH、前記撮像光学レンズの光学全長をTTLにしたときに、以下の関係式を満たすことが好ましい。
TTL/IH≦1.88
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、撮像光学レンズは、優れた光学特性を有し、且つ大きな絞り、広角化、極薄化の特性を有するので、特に高画素用のCCD、CMOSなどの撮像素子から構成される携帯電話の撮像レンズ部品とWEB撮像レンズに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の実施例における技術考案をより明確に説明し、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。明らかに、以下の図面の説明が、本発明のいくつかの実施例のみを説明するためのものであり、当業者にとっては、創造的な努力を払わなくて、これらの図面からほかの図面も得られる。
【0017】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る撮像光学レンズの構造を示す図である。
図2図2は、図1に示す撮像光学レンズの球面収差を示す図である。
図3図3は、図1に示す撮像光学レンズの倍率色収差を示す図である。
図4図4は、図1に示す撮像光学レンズの像面湾曲及び歪曲収差を示す図である。
図5図5は、本発明の第2実施形態に係る撮像光学レンズの構造を示す図である。
図6図6は、図5に示す撮像光学レンズの球面収差を示す図である。
図7図7は、図5に示す撮像光学レンズの倍率色収差を示す図である。
図8図8は、図5に示す撮像光学レンズの像面湾曲及び歪曲収差を示す図である。
図9図9は、本発明の第3実施形態に係る撮像光学レンズの構造を示す図である。
図10図10は、図9に示す撮像光学レンズの球面収差を示す図である。
図11図11は、図9に示す撮像光学レンズの倍率色収差を示す図である。
図12図12は、図9に示す撮像光学レンズの像面湾曲および歪曲収差を示す図である。
図13図13は、本発明の第4実施形態に係る撮像光学レンズの構造を示す図である。
図14図14は、図13に示す撮像光学レンズの球面収差を示す図である。
図15図15は、図13に示す撮像光学レンズの倍率色収差を示す図である。
図16図16は、図13に示す撮像光学レンズの像面湾曲および歪曲収差を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の目的、技術方案及び利点をより明確にするために、以下に、図面を参照しながら本発明の各実施形態を詳しく説明する。ただ、本発明の各実施形態において、本発明に対する理解を便宜にするために、多くの技術的細部まで記載されているが、これらの技術的細部および以下の各実施形態に基づく各種の変化及び修正がなくても、本発明が保護しようとする技術方案を実現可能であることは、当業者にとっては自明なことである。
【0019】
(第1実施形態)
図面を参照すれば分かるように、本発明は、撮像光学レンズ10を提供する。図1には、本発明の第1実施形態の撮像光学レンズ10を示しており、該撮像光学レンズ10は、6枚のレンズを備えており、具体的には、前記撮像光学レンズ10は、物体側から像側に向かって、順に、第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4、第5レンズL5、絞りS1及び第6レンズL6を備え、第6レンズL6と像面Siとの間には間隔をあけて設置する。
【0020】
本実施形態において、第1レンズL1は正の屈折力を有し、第2レンズL2は負の屈折力を有し、第3レンズL3は負の屈折力を有し、第4レンズL4は負の屈折力を有し、第5レンズL5は正の屈折力を有し、第6レンズL6は負の屈折力を有する。
【0021】
本実施形態において、第1レンズL1の材質がプラスチックで、第2レンズL2の材質がプラスチックで、第3レンズL3の材質がプラスチックで、第4レンズL4の材質がプラスチックで、第5レンズL5の材質がプラスチックで、第6レンズL6の材質がプラスチックである。
【0022】
ここで、撮像光学レンズ10全体の焦点距離をf、第1レンズL1の焦点距離をf1、第5レンズL5の像側の面から第6レンズL6の物体側の面までの軸上距離をd10、撮像光学レンズ10の光学全長をTTLにしたときに、以下の関係式を満たす。
0.25≦d10/TTL≦0.50 (1)
0.55≦f1/f≦1.00 (2)
【0023】
そのなかで、d10/TTLが条件を満たす時、第5レンズL5と第6レンズL6の間の空気間隔距離(すなわち、第5レンズL5の像側の面から第6レンズL6の物体側の面までの軸上距離d10である)を有効的に配分することができ、レンズの組み立てに有利である。
【0024】
関係式(2)より第1レンズL1の焦点距離f1と撮像光学レンズ10全体の焦点距離fとの比が規定され、この関係式の範囲以内であると、収差の補正と結像品質の向上に有利である。
【0025】
撮像光学レンズ10全体の焦点距離をf、第2レンズL2の焦点距離をf2にしたときに、−2.10≦f2/f≦−1.00の関係式が設立される。この関係式より第2レンズL2の焦点距離f2と撮像光学レンズ10全体の焦点距離fとの比が規定され、関係式の範囲以内であると、撮像光学レンズ10の性能を向上させることに有利である。
【0026】
第5レンズL5の物体側の面の曲率半径をR9、第5レンズL5の像側の面の曲率半径をR10にしたときに、−3.00≦R10/R9≦−1.00の関係式が設立される。この関係式が第5レンズL5の形状が規定され、関係式の範囲以内であると、レンズを通過する光の偏向を緩和し、収差を効果的に低減することができる。
【0027】
本実施形態において、第1レンズL1は、その物体側の面が近軸において凸面に形成され、像側の面が近軸において凸面に形成される。
【0028】
第1レンズL1の物体側の面の曲率半径をR1、第1レンズL1の像側の面の曲率半径をR2にしたときに、−1.01≦(R1+R2)/(R1−R2)≦0.27の関係式が設立され、第1レンズL1の形状が合理的に制御することで、第1レンズL1はシステムの球面収差を効率的に校正することができる。また、−0.63≦(R1+R2)/(R1−R2)≦0.21であることが好ましい。
【0029】
第1レンズL1の軸上厚みをd1、撮像光学レンズ10の光学全長をTTLにしたときに、0.03≦d1/TTL≦0.10の関係式が設立され、関係式の範囲以内であると、極薄化の実現に有利である。また、0.05≦d1/TTL≦0.08であることが好ましい。
【0030】
本実施形態において、第2レンズL2は、その物体側の面が近軸において凸面に形成され、像側の面が近軸において凹面に形成される。
【0031】
第2レンズL2の物体側の面の曲率半径をR3、第2レンズL2の像側の面の曲率半径をR4にしたときに、1.60≦(R3+R4)/(R3−R4)≦6.07の関係式が設立され、この関係式より第2レンズL2の形状が規定される。関係式の範囲以内であると、レンズの極薄・広角化が進むに従って、軸上色収差の補正に有利である。また、2.56≦(R3+R4)/(R3−R4)≦4.86であることが好ましい。
【0032】
撮像光学レンズ10の光学全長をTTL、第2レンズL2の軸上厚みをd3にしたときに、0.01≦d3/TTL≦0.05の関係式が設立される。関係式の範囲以内であると、極薄化の実現に有利である。また、0.02≦d3/TTL≦0.04であることが好ましい。
【0033】
本実施形態において、第3レンズL3は、その物体側の面が近軸において凹面に形成され、像側の面が近軸において凸面に形成される。
【0034】
撮像光学レンズ10全体の焦点距離をf、第3レンズL3の焦点距離をf3にしたときに、−2.50≦f3/f≦20.33の関係式が設立され、第3レンズL3の負の屈折力の配分を適切にすることにより、システムとして、優れた結像品質及び低い感度を有する。また、−1.56≦f3/f≦16.27であることが好ましい。
【0035】
第3レンズL3の物体側の面の曲率半径をR5、第3レンズL3の像側の面の曲率半径をR6にしたときに、−3.68≦(R5+R6)/(R5−R6)≦17.54の関係式が設立される。この関係式より第3レンズL3の形状が規定され、関係式の範囲以内であると、レンズを通過する光の偏向を緩和し、収差を効果的に低減することができる。また、−2.30≦(R5+R6)/(R5−R6)≦14.03であることが好ましい。
【0036】
撮像光学レンズ10の光学全長をTTL、第3レンズL3の軸上厚みをd5にしたときに、0.01≦d5/TTL≦0.06の関係式が設立され、関係式の範囲以内であると、極薄化の実現に有利である。また、0.02≦d5/TTL≦0.05であることが好ましい。
【0037】
本実施形態において、第4レンズL4は、その物体側の面が近軸において凸面に形成され、像側の面が近軸において凹面に形成される。
【0038】
撮像光学レンズ10全体の焦点距離をf、第4レンズL4の焦点距離をf4にしたときに、−25.39≦f4/f≦88.25の関係式が設立され、第4レンズL4の屈折力の配分を適切にすることにより、システムとして、優れた結像品質及び低い感度を有する。また、−15.87≦f4/f≦70.60であることが好ましい。
【0039】
第4レンズL4の物体側の面の曲率半径をR7、第4レンズL4の像側の面の曲率半径をR8にしたときに、−354.59≦(R7+R8)/(R7−R8)≦30.09の関係式が設立され、この関係式より第4レンズL4の形状が規定される。関係式の範囲以内であると、極薄・広角化が進むに従って、軸外画角の収差の補正などの問題に有利である。また、−221.62≦(R7+R8)/(R7−R8)≦24.07であることが好ましい。
【0040】
撮像光学レンズ10の光学全長をTTL、第4レンズL4の軸上厚みをd7にしたときに、0.01≦d7/TTL≦0.05の関係式が設立され、関係式の範囲以内であると、極薄化の実現に有利である。また、0.02≦d7/TTL≦0.04であることが好ましい。
【0041】
本実施形態において、第5レンズL5は、その物体側の面が近軸において凸面に形成され、像側の面が近軸において凸面に形成される。
【0042】
撮像光学レンズ10全体の焦点距離をf、第5レンズL5の焦点距離をf5にしたときに、0.37≦f5/f≦1.40の関係式が設立される。このように第5レンズL5に対して限定することにより、撮像光学レンズ10の光線角度を緩やかにして、公差感度を低減することができる。また、0.59≦f5/f≦1.12であることが好ましい。
【0043】
第5レンズL5の物体側の面の曲率半径をR9、第5レンズL5の像側の面の曲率半径をR10にしたときに、−0.98≦(R9+R10)/(R9−R10)≦−0.02の関係式が設立され、この関係式より第5レンズL5の形状が規定される。関係式の範囲以内であると、極薄・広角化が進むに従って、軸外画角の収差の補正などの問題に有利である。また、−0.61≦(R9+R10)/(R9−R10)≦−0.02であることが好ましい。
【0044】
撮像光学レンズ10の光学全長をTTL、第5レンズL5の軸上厚みをd9にしたときに、0.02≦d9/TTL≦0.11の関係式が設立され、関係式の範囲以内であると、極薄化の実現に有利である。また、0.04≦d9/TTL≦0.09であることが好ましい。
【0045】
本実施形態において、第6レンズL6は、その物体側の面が近軸において凹面に形成され、像側の面が近軸において凹面に形成される。
【0046】
撮像光学レンズ10全体の焦点距離をf、第6レンズL6の焦点距離をf6にしたときに、−1.82≦f6/f≦−0.50の関係式が設立され、第6レンズL6の屈折力の配分を適切にすることにより、システムとして、優れた結像品質及び低い感度を有する。また、−1.14≦f6/f≦−0.63であることが好ましい。
【0047】
第6レンズL6の物体側の面の曲率半径をR11、第6レンズL6の像側の面の曲率半径をR12にしたときに、−0.35≦(R11+R12)/(R11−R12)≦0.47の関係式が設立され、この関係式より第6レンズL6の形状が規定される。関係式の範囲以内であると、極薄・広角化が進むに従って、軸外画角の収差の補正などの問題に有利である。また、−0.22≦(R11+R12)/(R11−R12)≦0.38であることが好ましい。
【0048】
撮像光学レンズ10の光学全長をTTL、第6レンズL6の軸上厚みをd11にしたときに、0.08≦d11/TTL≦0.31の関係式が設立され、極薄化の実現に有利である。また、0.13≦d11/TTL≦0.25であることが好ましい。
【0049】
本実施形態において、撮像光学レンズ10の像高をIH、撮像光学レンズ10の光学全長をTTLにしたときに、TTL/IH≦1.88の関係式を満たし、極薄化の実現に有利である。
【0050】
本実施形態において、撮像光学レンズ10の絞り値FNOは、FNO≦2.25の関係式を満たし、大きな絞りを実現する。
【0051】
本実施形態において、撮像光学レンズ10の画角FOVは64.00°以上である。これにより、広角化を実現できる。
【0052】
実施形態において、撮像光学レンズ10全体の焦点距離をf、第1レンズL1と第2レンズL2の合成焦点距離をf12にしたときに、0.39≦f12/f≦6.90の関係式が設立される。この関係式の範囲以内であると、前記撮像光学レンズ10の収差と歪曲を除去することができ、且つ撮像光学レンズ10のバックフォーカスを抑え、結像レンズ系の小型化を維持することができる。また、0.62≦f12/f≦5.52であることが好ましい。
【0053】
また、本実施形態に係る撮像光学レンズ10において、各レンズの表面を非球面とすることができ、非球面は球面以外の形状とすることが容易であり、多くの制御変数が得られ、収差を低減することに用いられ、さらにレンズの使用数を減少させることができるので、撮像光学レンズ10の全長を効果的に低減させることができる。本発明の実施例において、各レンズの物体側の面及び像側の面はいずれも非球面である。
【0054】
本発明の前記撮像光学レンズ10の焦点距離、各レンズの焦点距離と曲率半径が上記の関係式を満たす場合に、撮像光学レンズ10は優れた光学性能を有するとともに、大きな絞り、広角化及び極薄化の設定要求を満たすことができる。この撮像光学レンズ10の特性により、この撮像光学レンズ10は特に高画素用のCCD、CMOSなどの撮像素子から構成される携帯電話の撮像レンズ部品とWEB撮像レンズに適用することができる。
【0055】
以下、実施例を用いて、本発明に係る撮像光学レンズ10について説明する。各実施例に記載の符号は以下の通りであり、焦点距離、軸上距離、曲率半径、軸上厚み、変曲点位置及び停留点位置の単位は、mmである。
【0056】
TTL:光学全長(第1レンズL1の物体側の面から像面Siまでの軸上距離)、単位はmmであり、
絞り値FNO:撮像光学レンズの有効焦点距離と入射瞳径ENPDとの比である。
【0057】
また、高品質な結像性能を得られるように、各レンズの物体側の面及び/又は像側の面に、変曲点及び/又は停留点がさらに設けられていてもよい。具体的な実施方案については、後述する。
【0058】
以下、図1に示される撮像光学レンズ10の設定データを示す。
【0059】
表1には、本発明の第1実施形態における撮像光学レンズ10を構成する第1レンズL1〜第6レンズL6の物体側の面の曲率半径と像側の面の曲率半径R、各レンズの軸上厚み、及び隣接する2つのレンズの間の距離d、屈折率nd及びアッベ数vdを示す。なお、本実施形態において、Rとdの単位はいずれもミリメートル(mm)である。
【0060】
【表1】
【0061】
ここで、各符号の意味は、以下の通りである。
S1 :絞り
R :光学面中心の曲率半径
R1 :第1レンズL1の物体側の面の曲率半径
R2 :第1レンズL1の像側の面の曲率半径
R3 :第2レンズL2の物体側の面の曲率半径
R4 :第2レンズL2の像側の面の曲率半径
R5 :第3レンズL3の物体側の面の曲率半径
R6 :第3レンズL3の像側の面の曲率半径
R7 :第4レンズL4の物体側の面の曲率半径
R8 :第4レンズL4の像側の面の曲率半径
R9 :第5レンズL5の物体側の面の曲率半径
R10 :第5レンズL5の像側の面の曲率半径
R11 :第6レンズL6の物体側の面の曲率半径
R12 :第6レンズL6の像側の面の曲率半径
d :レンズの軸上厚み、又は、レンズ間の軸上距離
d0 :絞りS1から第1レンズL1の物体側の面までの軸上距離
d1 :第1レンズL1の軸上厚み
d2 :第1レンズL1の像側の面から第2レンズL2の物体側の面までの軸上距離
d3 :第2レンズL2の軸上厚み
d4 :第2レンズL2の像側の面から第3レンズL3の物体側の面までの軸上距離
d5 :第3レンズL3の軸上厚み
d6 :第3レンズL3の像側の面から第4レンズL4の物体側の面までの軸上距離
d7 :第4レンズL4の軸上厚み
d8 :第4レンズL4の像側の面から第5レンズL5の物体側の面までの軸上距離
d9 :第5レンズL5の軸上厚み
d10 :第5レンズL5の像側の面から第6レンズL6の物体側の面までの軸上距離
d11 :第6レンズL6の軸上厚み
d12 :第6レンズL6の像側の面から像面までの軸上距離
nd :d線の屈折率
nd1 :第1レンズL1のd線の屈折率
nd2 :第2レンズL2のd線の屈折率
nd3 :第3レンズL3のd線の屈折率
nd4 :第4レンズL4のd線の屈折率
nd5 :第5レンズL5のd線の屈折率
nd6 :第6レンズL6のd線の屈折率
vd :アッベ数
v1 :第1レンズL1のアッベ数
v2 :第2レンズL2のアッベ数
v3 :第3レンズL3のアッベ数
v4 :第4レンズL4のアッベ数
v5 :第5レンズL5のアッベ数
v6 :第6レンズL6のアッベ数
【0062】
表2は、本発明の第1実施形態に係る撮像光学レンズ10における各レンズの非球面のデータを示す。
【0063】
【表2】
【0064】
ここで、kは円錐係数であり、A4、A6、A8、A10、A12、A14、A16、A18、A20は非球面係数である。
y=(x/R)/{1+[1−(k+1)(x/R)]1/2
+A4x+A6x+A8x+A10x10+A12x12+A14x14+A16x16+A18x18+A20x20 式(3)
ここで、xは非球面曲線上の点と光軸との垂直距離であり、yは非球面の深さ(非球面における光軸から離れた距離がxである点と、非球面光軸上の頂点に接する接平面との垂直距離)である。
【0065】
各レンズ面の非球面は、便宜上、上記式(3)で表される非球面を使用しているが、本発明は、この式(3)の非球面多項式に限定されるものではない。
【0066】
表3、表4は、本実施形態に係る撮像光学レンズ10における各レンズの変曲点及び停留点の設定データを示す。ここで、P1R1、P1R2は、それぞれ第1レンズL1の物体側の面と像側の面を示し、P2R1、P2R2は、それぞれ第2レンズL2の物体側の面と像側の面を示し、P3R1、P3R2は、それぞれ第3レンズL3の物体側の面と像側の面を示し、P4R1、P4R2は、それぞれ第4レンズL4の物体側の面と像側の面を示し、P5R1、P5R2は、それぞれ第5レンズL5の物体側の面と像側の面を示し、P6R1、P6R2は、それぞれ第6レンズL6の物体側の面と像側の面を示す。また、「変曲点位置」欄の対応するデータは、各レンズの表面に設けられた変曲点から撮像光学レンズ10の光軸までの垂直距離であり、「停留点位置」欄の対応するデータは、各レンズの表面に設けられた停留点から撮像光学レンズ10の光軸までの垂直距離である。
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】
なお、後記の表17には、第1実施形態の諸数値及び関係式で規定されたパラメーターに対応する値を示す。
【0070】
表17に示すように、第1実施形態は、各関係式を満たしている。
【0071】
図2図3は、それぞれ波長460nm、540nm、及び620nmの光が第1実施形態に係る撮像光学レンズ10を通った後の球面収差及び倍率色収差を示す図である。図4は、波長460nmの光が第1実施形態に係る撮像光学レンズ10を通った後の像面湾曲及び歪曲収差を示す図であり、図4の像面湾曲Sは、サジタル方向の像面湾曲であり、Tは、子午方向の像面湾曲である。
【0072】
本実施形態において、撮像光学レンズ10の入射瞳径ENPDが5.200mmであり、全視野の像高IHが7.500mmであり、対角線方向の画角FOVが65.50°であり、撮像光学レンズ10は、大きな絞り、広角化、極薄化の設定要求を満たし、軸上、軸外の色収差が十分に補正されて、優れた光学特性を有する。
【0073】
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態に係る撮像光学レンズ20の構造を示す図である。第2実施形態は、第1実施形態とほぼ同じであり、以下の表の符号の意味も第1実施形態と同様であるため、同じ部分を省略する。
【0074】
当該撮像光学レンズ20は6枚のレンズを備える。具体的には、前記撮像光学レンズ20は、物体側から像側に向かって、順に、第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4、絞りS1、第5レンズL5及び第6レンズL6を備え、第6レンズL6と像面Siとの間には間隔をあけて設置する。
【0075】
本実施形態において、第3レンズL3は正の屈折力を有する。
【0076】
表5は、本発明の第2実施形態に係る撮像光学レンズ20の設定データを示す。
【0077】
【表5】
【0078】
表6は、本発明の第2実施形態に係る撮像光学レンズ20における各レンズの非球面のデータを示す。
【0079】
【表6】
【0080】
表7、表8は、本発明の第2実施形態に係る撮像光学レンズ20における各レンズの変曲点及び停留点の設定データを示す。
【0081】
【表7】
【0082】
【表8】
【0083】
なお、後記の表17には、第2実施形態の諸数値及び関係式で規定されたパラメーターに対応する値を示す。
【0084】
表17に示すように、第2実施形態は、各関係式を満たしている。
【0085】
図6図7は、それぞれ波長460nm、540nm、及び620nmの光が第2実施形態に係る撮像光学レンズ20を通った後の球面収差及び倍率色収差を示す図である。図8は、波長460nmの光が第2実施形態に係る撮像光学レンズ20を通った後の像面湾曲及び歪曲収差を示す図である。
【0086】
本実施形態において、撮像光学レンズ20の入射瞳径ENPDが5.200mmであり、全視野の像高IHが7.500mmであり、対角線方向の画角FOVが65.20°である。撮像光学レンズ20は、大きな絞り、広角化、極薄化の設定要求を満たし、軸上、軸外の色収差が十分に補正されて、優れた光学特性を有する。
【0087】
(第3実施形態)
図9は、本発明の第3実施形態に係る撮像光学レンズ30の構造を示す図である。第3実施形態は、第1実施形態とほぼ同じであり、以下の表の符号の意味も第1実施形態と同様であるため、同じ部分の説明を省略して、異なる点のみを以下に示す。
【0088】
当該撮像光学レンズ30は6枚のレンズを備える。具体的には、前記撮像光学レンズ30は、物体側から像側に向かって、順に、第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4、絞りS1、第5レンズL5及び第6レンズL6を備え、第6レンズL6と像面Siとの間には間隔をあけて設置する。
【0089】
本実施形態において、第3レンズL3は、その像側の面が近軸において凹面に形成される。
【0090】
表9は、本発明の第3実施形態に係る撮像光学レンズ30の設定データを示す。
【0091】
【表9】
【0092】
表10は、本発明の第3実施形態に係る撮像光学レンズ30における各レンズの非球面のデータを示す。
【0093】
【表10】
【0094】
表11、表12は、本発明の第3実施形態に係る撮像光学レンズ30における各レンズの変曲点および停留点の設定データを示す。
【0095】
【表11】
【0096】
【表12】
【0097】
なお、後記の表17には、第3実施形態の諸数値及び関係式で規定されたパラメーターに対応する値を示す。
【0098】
表17に示すように、第3実施形態は、各関係式を満たしている。
【0099】
図10図11は、それぞれ波長460nm、540nm、及び620nmの光が第3実施形態に係る撮像光学レンズ30を通った後の球面収差及び倍率色収差を示す図である。図12は、波長460nmの光が第3実施形態に係る撮像光学レンズ30を通った後の像面湾曲及び歪曲収差を示す図である。
【0100】
本実施形態において、撮像光学レンズ30の入射瞳径ENPDが5.200mmであり、全視野の像高IHが7.500mmであり、対角線方向の画角FOVが65.32°である。撮像光学レンズ30は大きな絞り、広角化、極薄化の要求を満たし、軸上、軸外の色収差が十分に補正されて、優れた光学特性を有する。
【0101】
(第4実施形態)
図13は、本発明の第4実施形態に係る撮像光学レンズ40の構造を示す図である。第4実施形態は、第1実施形態とほぼ同じであり、下記の表の符号の意味も第1実施形態と同様であるため、同じ部分の説明を省略して、異なる点のみを以下に示す。
【0102】
当該撮像光学レンズ40は6枚のレンズを備える。具体的には、前記撮像光学レンズ20は、物体側から像側に向かって、順に、第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4、絞りS1、第5レンズL5及び第6レンズL6を備え、第6レンズL6と像面Siとの間には間隔をあけて設置する。
【0103】
本実施形態において、第3レンズL3は正の屈折力を有し、第4レンズL4は正の屈折力を有する。
【0104】
表13は、本発明の第4実施形態に係る撮像光学レンズ40の設定データを示す。
【0105】
【表13】
【0106】
表14は、本発明の第4実施形態に係る撮像光学レンズ40における各レンズの非球面のデータを示す。
【0107】
【表14】
【0108】
表15、表16は、本発明の第4実施形態に係る撮像光学レンズ40における各レンズの変曲点および停留点の設定データを示す。
【0109】
【表15】
【0110】
【表16】
【0111】
なお、後記の表17には、第4実施形態の諸数値及び関係式で規定されたパラメーターに対応する値を示す。
【0112】
表17に示すように、第4実施形態は、各関係式を満たしている。
【0113】
図14図15は、それぞれ波長460nm、540nm、及び620nmの光が第4実施形態に係る撮像光学レンズ40を通った後の球面収差及び倍率色収差を示す図である。図16は、波長460nmの光が第4実施形態に係る撮像光学レンズ40を通った後の像面湾曲及び歪曲収差を示す図である。
【0114】
本実施形態において、撮像光学レンズ40の入射瞳径ENPDが5.200mmであり、全視野の像高IHが7.500mmであり、対角線方向の画角FOVが64.88°であり、撮像光学レンズ40は大きな絞り、広角化、極薄化の設定要求を満たし、軸上、軸外の色収差が十分に補正されて、優れた光学特性を有する。
【0115】
以下の表17は、上記条件式に基づいて、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、及び第4実施形態における条件式の数値、及びその他の関連パラメータの値を示している。
【0116】
【表17】
【0117】
上記の各実施形態は本発明を実現するための具体的な実施形態であるが、実際の応用において、本発明の主旨及び範囲から逸脱しない範囲での形式及び細部に対する各種の変更は、いずれも本発明の保護範囲に属することは、当業者であれば理解できるはずである。
【要約】
【課題】本発明は、光学レンズの分野に関し、撮像光学レンズを提供する。
【解決手段】撮像光学レンズは、物体側から像側に向かって、順に、正の屈折力を有する第1レンズ、負の屈折力を有する第2レンズ、第3レンズ、第4レンズ、正の屈折力を有する第5レンズ、及び負の屈折力を有する第6レンズを備え、前記撮像光学レンズ全体の焦点距離をf、前記第1レンズの焦点距離をf1、前記第5レンズの像側の面から前記第6レンズの物体側の面までの軸上距離をd10、前記撮像光学レンズの光学全長をTTLにしたときに、0.25≦d10/TTL≦0.50、0.55≦f1/f≦1.00の関係式を満たす。本発明の撮像光学レンズは、大きな絞り、広角化、極薄化などの優れた光学性能を有する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16