(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい一実施形態を添付の図面を参照して詳細に説明すれば、次の通りである。
【0022】
参考として、以下で説明される本発明の構成のうち従来技術と同じ構成に対しては、前述した従来技術を参照することとし、別途の詳細な説明は省略する。
【0023】
任意の部分が他の部分の「上に」あると言及する場合、これは、直ちに他の部分の上にあり得るか、その間に他の部分が伴うことができる。対照的に、任意の部分が他の部分の「真上に」あると言及する場合、その間に他の部分が介在されない。
【0024】
ここで使用される専門用語は、ただ特定の実施形態を言及するためのものであり、本発明を限定することを意図しない。ここで使用される単数の形態は、文句がこれと明確に反対の意味を示さない限り、複数の形態も含む。明細書で使用される「含む」の意味は、特定の特性、領域、整数、段階、動作、要素及び/又は成分を具体化し、他の特定の特性、領域、整数、段階、動作、要素及び/又は成分の存在や付加を除外させるものではない。
【0025】
「下」、「上」などの相対的な空間を示す用語は、図面に示された一つの部分の他の部分に対する関係をさらに容易に説明するために使用され得る。このような用語は、図面で意図した意味とともに使用中の装置の他の意味や動作を含むように意図される。例えば、図面中の装置をひっくり返せば、他の部分の「下」にあるものと説明された任意の部分は、他の部分の「上」にあるものと説明される。したがって、「下」という例示的な用語は、上と下方向を全部含む。装置は、90度回転又は他の角度で回転することができ、相対的な空間を示す用語もこれによって解される。
【0026】
任意の構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるか、「接続されて」いると言及されたときには、その他の構成要素に直接的に連結されているか、又は接続されていることもできるが、中間に他の構成要素が存在することもできると理解しなければならない。
【0027】
<第1実施形態>
第1実施形態によるヘッドレスト調節装置は、ヘッドレストをフォールディングさせる装置である。
【0028】
図1〜
図11に示されたように、第1実施形態のヘッドレスト調節装置は、ヘッドレストカバー200と、ステイロッド100に設置されるブラケット300と、前記ブラケット300に設置されてヘッドレストの位置を固定させるロック部材とを含み、前記ヘッドレストカバー200には、前記ステイロッド100が回動可能に結合されるステイロッド結合部が形成されることを特徴とする。
【0029】
以下では、車両の幅方向を左右方向と言い、車両の長さ方向を前後方向と言い、車両の上下方向を上下方向という。詳細には、搭乗者の頭に近接した側を前方といい、反対側を後方という。
【0030】
図1に示されたように、ヘッドレストカバー200は、ヘッドレストの形状に対応するように形成される。ヘッドレストは、ヘッドレストカバー200をクッション(不図示)で取り囲んで形成される。
【0031】
ヘッドレストカバー200は、合成樹脂材から形成され、射出などを通じて製造される。
【0032】
ヘッドレストカバー200は、前面と後面と上面と下面と両方の側面を含み、以下に記述するステイロッド100の第2ロッド120及び前記ロック部材の上下部及び前後方を覆う。すなわち、ヘッドレストカバー200は、装置の上下部及び前後方を取り囲むように形成される。
【0033】
図2〜
図5に示されたように、ステイロッド100は、上下方向に配置される第1ロッド110と、第1ロッド110の上部に左右方向に水平に配置される第2ロッド120とを含む。第1ロッド110と第2ロッド120は、一体に形成されたり、別体に形成され得る。第2ロッド120が第1ロッド110より前方に配置されるように、第1ロッド110の上端には、傾斜部111が形成される。
【0034】
ヘッドレストカバー200は、少なくとも第1ヘッドレストカバー210と、第2ヘッドレストカバー220とに分割される。
【0035】
第1ヘッドレストカバー210は、第2ヘッドレストカバー220の前方に配置される。すなわち、第1ヘッドレストカバー210には、ヘッドレストカバー200の前面が形成され、第2ヘッドレストカバー220には、ヘッドレストカバー200の後面が形成される。ヘッドレストカバー200の上下面と側面は、第1ヘッドレストカバー210及び第2ヘッドレストカバー220のうちいずれか一方にのみ形成されたり、両方に分けて形成され得る。
【0036】
第1ヘッドレストカバー210及び第2ヘッドレストカバー220は、それぞれ一体に形成される。
【0037】
ヘッドレストカバー200の内部には、ステイロッド100の第2ロッド120が回動可能に結合されるステイロッド結合部が形成される。すなわち、ヘッドレストカバー200は、ステイロッド100に回動可能に直結される。このようにヘッドレストカバー200にステイロッド100が直結されて、
図9に示されたように、第2ロッド120の中心から装置の前方の下端部までの距離R2が、従来の回動部材を具備するフォールディング装置の第2ロッドの中心から装置の前方の下端部までの距離R1より短くなることになる。
【0038】
前記ステイロッド結合部には、第2ロッド120が挿入される貫通孔が左右方向に貫通するように形成される。
【0039】
一つの前記ステイロッド結合部には、少なくとも一つの分離部が形成されて、前記貫通孔が外部と連通し得る。このような分離部を通じて第2ロッド120を前記貫通孔に挿入することができることによって、第1ロッド110と第2ロッド120を分離することなく、第2ロッド120をヘッドレストカバー200に結合させることができることになる。
【0040】
一つの前記ステイロッド結合部は、第1ヘッドレストカバー210と、第2ヘッドレストカバー220に分割されて形成される。すなわち、前記ステイロッド結合部は、第1ステイロッド結合部211と第2ステイロッド結合部221とに分割されて形成される。第1ステイロッド結合部211は、第1ヘッドレストカバー210に一体に形成され、第2ステイロッド結合部221は、第2ヘッドレストカバー220に一体に形成される。第1ステイロッド結合部211は、第2ロッド120の前方に配置され、第2ステイロッド結合部221は、第2ロッド120の後方に配置される。したがって、前記ステイロッド結合部には、前記分離部が2個形成され、前記分離部は、上部及び下部にそれぞれ形成される。これによって、一つの前記貫通孔は、第1ヘッドレストカバー210と前記第2ヘッドレストカバー220に分割されて形成される。第1ステイロッド結合部211に形成された前記貫通孔の一部は、後方が開放されるように形成され、第2ステイロッド結合部221に形成された前記貫通孔の残りの一部は、前方が開放されるように形成される。
【0041】
第1ステイロッド結合部211と第2ステイロッド結合部221は、第1ヘッドレストカバー210と第2ヘッドレストカバー220が結合することによって結合される。
【0042】
前記ステイロッド結合部は、第1ヘッドレストカバー210と第2ヘッドレストカバー220の両方の下部にそれぞれ形成される。
【0043】
第1ヘッドレストカバー210と第2ヘッドレストカバー220には、第1、第2締結部215、225が形成されて、第1ヘッドレストカバー210と第2ヘッドレストカバー220は、結合される。第1、第2締結部215、225には、ボルトが締結される。
【0044】
ヘッドレストカバー200の内部には、スライド部材結合部が形成される。前記スライド部材結合部は、前記ステイロッド結合部より上部に配置される。前記スライド部材結合部には、一側は閉塞され、一側は開放された挿入溝が左右方向に形成される。このような前記スライド部材結合部によって以下に記述するスライド部材510がヘッドレストカバー200に対して左右方向に遊動しないことになる。前記挿入溝の前後方向の垂直断面の形状は、円形状である。
【0045】
前記スライド部材結合部は、第1ヘッドレストカバー210と第2ヘッドレストカバー220に分割されて形成される。したがって、一つの前記スライド部材結合部は、第1スライド部材結合部212と第2スライド部材結合部222を含む。第1スライド部材結合部212は、第2スライド部材結合部222の前方に配置される。
【0046】
一つの前記挿入溝も、第1スライド部材結合部212と第2スライド部材結合部222に分割されて形成される。したがって、第1スライド部材結合部212に形成された前記挿入溝の一部は、後方が開放されるように形成され、第2スライド部材結合部222に形成された前記挿入溝の残りの一部は、前方が開放されるように形成される。
【0047】
第1スライド部材結合部212と第2スライド部材結合部222は、第1ヘッドレストカバー210と第2ヘッドレストカバー220が結合することによって結合される。
【0048】
前記スライド部材結合部は、第1ヘッドレストカバー210と第2ヘッドレストカバー220の両方の中間にそれぞれ形成される。
【0049】
ヘッドレストカバー200の内部には、両方の前記スライド部材結合部の間にロック部材遊動空間223が形成される。ロック部材遊動空間223には、前記ロック部材が配置されて、前記ロック部材がヘッドレストカバー200に対して円滑に回転できるようにする。
【0050】
ロック部材遊動空間223は、前方が開放された溝形状に第2ヘッドレストカバー220に形成される。これとは異なって、ロック部材遊動空間223は、第1ヘッドレストカバー210と第2ヘッドレストカバー220に分割されるように形成されることもできる。
【0051】
また、ヘッドレストカバー200の内部には、ヘッドレスト調節装置が直立時とフォールディング時にスライド部材510と接触する部分には、補強リブが形成されている。
【0052】
ヘッドレストカバー200の下面及び前面の下端には、第1ロッド110が挿入される切欠部が形成されている。前記切欠部は、ヘッドレストカバー200の両側にそれぞれ形成される。前記切欠部を介してヘッドレスト調節装置がフォールディング時にヘッドレストカバー200が第1ロッド110に干渉しないことになる。前記切欠部は、第1ヘッドレストカバー210に形成された第1切欠部216と、第2ヘッドレストカバー220に形成された第2切欠部226に分割されて形成される。
【0053】
ひいては、第1ヘッドレストカバー210の後面には、以下に記述するブラケット300の前方が挿入されるブラケット挿入部219が形成される。ブラケット挿入部219は、第1ヘッドレストカバー210の両側に配置される第1ステイロッド結合部211の間に配置される。
【0054】
ブラケット挿入部219には、ブラケット300の前方が挿入されるブラケット挿入溝が上部及び後方が開放されるように形成される。このような、ブラケット挿入部219によってブラケット300及び前記ロック部材を第1ヘッドレストカバー210に仮組立することが容易になる。
【0055】
また、第2ヘッドレストカバー220の側面には、ボタン部材設置部224が形成される。ボタン部材設置部224には、ボタン部材貫通孔が左右方向に貫通して形成される。
【0056】
ブラケット300は、ステイロッド100の第2ロッド120の上部の中央に固定設置される。ブラケット300は、金属素材から形成されて、溶接などを通じて第2ロッド120に設置され得る。
【0057】
ブラケット300は、第2ロッド120の中央に固定される底板310と、底板310の両側に垂直に形成された側板321とから構成されている。
【0058】
底板310が水平に配置されるようにブラケット300は、第2ロッド120に設置される。
【0059】
ブラケット300の下端には、第2ロッド120が保持される第2ロッド保持部322が形成される。第2ロッド保持部322は、左右方向に貫通して形成される。第2ロッド保持部322は、底板310及び側板321の下部に形成される。すなわち、第2ロッド保持部322は、上部及び下部も開放されるように形成される。これによって、ブラケット300の下端は、第2ロッド120の上端より低く、第2ロッド120の下端よりは、高く配置される。また、このような第2ロッド保持部322によってブラケット300と第2ロッド120の接触面積が最大化され得る。
【0060】
ブラケット300の左側には、メインスプリング600が配置される。メインスプリング600は、ヘッドレストカバー200を元の位置(フォールディング位置)に復帰させる役割をする。メインスプリング600は、コイル形状に形成されるコイル部603と、コイル部603の一端に形成される第1終端601と、コイル部603の他端に形成される第2終端602とを含む。コイル部503は、第2ロッド120に挟持される。
【0061】
一側の側板321の後方には、第2メインスプリング係止部301が後方に突出するように形成される。第2メインスプリング係止部301には、第2終端602が係止する。第1終端601は、第2ヘッドレストカバー220に形成された第1メインスプリング係止部(不図示)に係止する。
【0062】
ブラケット300の両側の側板321には、第1ヒンジ貫通孔が左右方向に貫通するように形成される。前記第1ヒンジ貫通孔は、第2ロッド保持部322から上部に離隔するように配置される。
【0063】
前記ロック部材は、ブラケット300に直接設置されて、ヘッドレストの位置を固定させる。また、前記ロック部材は、ブラケット300に集中して設置されて、前記ロック部材の精密度を向上させることができる。
【0064】
図2、
図3及び
図6〜
図8に示されたように、前記ロック部材は、ブラケット300に回動可能に設置されるガイドロッド540と、ガイドロッド540にスライド可能に設置されるスライド部材510と、スライド部材510がガイドロッド540に対して移動したり移動しないようにする固定手段とを含む。
【0065】
本実施形態において前記固定手段は、ガイドロッド540に形成されるノッチ541と、前記スライド部材510にスライド可能に設置され、前記ノッチ541に挿入される係止部521が形成される移動部材520とを含む。これとは異なって、韓国特許公開第2011−0029765号公報に提示されたように、前記固定手段は、シリンダーとピストンと開閉部材を含むこともできる。
【0066】
ガイドロッド540は、水平断面の形状が多角形であるロッド本体542と、ロッド本体542の下端に円筒形状に形成されたブラケット結合部543とを含む。
【0067】
ロッド本体542の外周面には、上下方向に微細突起が多数個形成されて、摩擦が最小化され得る。
【0068】
また、ロッド本体542の片方の側面には、ノッチ541が形成されているが、ノッチ541は、一定の間隔を置いて2つ以上形成される。ノッチ541は、水平面と傾斜面により形成される。本実施形態のヘッドレスト調節装置は、フォールディング装置であるから、ノッチ541が二つ形成される。直立状態を維持させるノッチ541は、傾斜面が上部に配置され、フォールディング状態を維持させるノッチ541は、傾斜面がロッド本体542の下部に配置される。すなわち、下部に配置されるノッチ541は、傾斜面が上部に配置され、上部に配置されるノッチ541は、傾斜面が下部に配置される。
【0069】
ブラケット結合部543には、左右方向に第2ヒンジ貫通孔が形成される。前記第1ヒンジ貫通孔と前記第2ヒンジ貫通孔には、ヒンジ545が挿入される。したがって、ブラケット結合部543は、ブラケット300に対して回動可能になる。
【0070】
スライド部材510には、ロッド本体542が挿入される第1貫通孔511が上下方向に貫通するように形成される。
【0071】
スライド部材510の前方の下部には、カバー結合部512が形成される。カバー結合部512は、左右方向に突出するように形成され、円筒形状に形成される。このようなカバー結合部512の両側は、第1、第2スライド部材結合部212、222に挿入される。したがって、スライド部材510は、ヘッドレストカバー200に回動可能に設置される。
【0072】
カバー結合部512の中心は、第1貫通孔511より前方に配置される。
【0073】
カバー結合部512の両端は、第1、第2スライド部材結合部212、222に係止して左右方向に遊動しないことになる。
【0074】
直立時にカバー結合部512の軸は、第2ロッド120及びヒンジ545の軸より前方の上部に配置される。ヘッドレスト調節装置が直立時にロッド本体542は、下端より上端が後方に配置されるように傾斜して配置される。
【0075】
スライド部材510には、移動部材520がスライドされるスライド溝513が形成される。スライド溝513は、左右方向に形成され、以下に記述するボタン部材530に近接した側は開放され、反対側は閉塞されるように形成される。スライド溝513は、第1貫通孔511に連通するように形成される。
【0076】
スライド部材510には、移動部材520を復帰させる移動部材スプリング550が挿入されるスプリング挿入部519が二つ形成される。スプリング挿入部519は、左右方向に形成され、スライド溝513の内部に配置される。二つのスプリング挿入部519は、前方及び後方にそれぞれ配置される。スプリング挿入部519には、コイルスプリングで備えられる移動部材スプリング550が貫通するスプリング貫通孔が左右方向に形成される。スプリング挿入部519は、第1貫通孔511の前方及び後方にそれぞれ配置される。スプリング挿入部519の左端部は、スライド部材510の内壁から離隔するように配置される。このようなスプリング挿入部519によって移動部材スプリング550が安定的に設置される。また、スプリング挿入部519は、スライド溝513を形成する底面から離隔するように配置されて、移動部材520の係止部521をガイドする役割もする。
【0077】
移動部材スプリング550の左端部は、スライド部材510の内壁により支持される。移動部材スプリング550の右端部は、移動部材520により支持される。すなわち、移動部材スプリング550は、スライド部材510と移動部材520との間に配置される。
【0078】
図8に示されたように、移動部材520とスライド部材510の一方には、係止フック526が形成され、他方には、係止フック526が挿入される長孔518が形成される。長孔518は、スライド溝513に連通する。これとは異なって、長孔518は、スライド溝513に連通しないように形成されることもできる。本実施形態では、移動部材520の下面に係止フック526が下部に突出するように形成され、スライド部材510に長孔518が左右方向に長く形成される。長孔518は、上下方向に貫通するように形成される。長孔518は、スライド部材510の下端が右側に延びて形成された突出板に形成される。したがって、スライド部材510を射出成形しても、長孔518を容易に形成することができる。組み立て時に移動部材520をスライド溝513に押し込むと、係止フック526は、長孔518に挿入される。このような係止フック526と長孔518によって移動部材520が移動部材スプリング550の弾性力を受けても、組み立て後に移動部材520がスライド部材510から離脱しないことになる。
【0079】
移動部材520は、係止部521と、係止部521の右側に形成されるスプリング支持部522とを含む。
【0080】
係止部521及びスプリング支持部522は、スライド溝513に挿入される。
【0081】
係止部521には、ロッド本体542が挿入される第2貫通孔524が上下方向に貫通するように形成される。
【0082】
係止部521の内部には、補強部材523がインサート射出されて形成される。これとは異なって、係止部521に補強部材523が組み立てられて設置されることもできる。係止部521は、合成樹脂材から形成され得、補強部材523は、金属材から形成され得る。補強部材523は、第2貫通孔524を取り囲むように四角リング形状に形成される。補強部材523がノッチ541に挿入されて係止するように、補強部材523の少なくとも一部は、外部に露出するように形成される。好ましくは、補強部材523の左側の内部は露出し、残りの部分は係止部521の内部に配置されて、移動部材520と他の部材との間の摩擦は、最小化しつつ、ノッチ541に係止する部分の剛性は、最大化されるようにすることができる。
【0083】
スプリング支持部522は、係止部521より上部に突出するように形成され、スプリング支持部522の左側面は、扁平に形成されて、移動部材スプリング550の右端部を支持する。
【0084】
スプリング支持部522の右側面も、扁平に形成されて、以下に記述するボタン部材530と円滑に接触することができる。
【0085】
スプリング支持部522の右側面の上端には、突出部525が上部に突出するように形成される。突出部525は、スライド部材510に係止する。
【0086】
移動部材520を外部でユーザが容易に移動させることができるように、本実施形態のヘッドレスト調節装置は、ボタン部材530をさらに具備する。
【0087】
ボタン部材530は、ベゼル531と、ベゼル531に挟持されるボタン534と、ボタン534を復帰させるボタンスプリング533とを含む。
【0088】
ベゼル531は、ベゼル筒部531dと、ベゼル筒部531dの一端を取り囲むベゼルフランジ531eとを含む。
【0089】
ベゼル筒部531dは、ボタンスプリング533の一端を支持する支持面と、前記支持面を囲む壁部とを含む。
【0090】
前記支持面の中央部には、ボタンロッドガイド部531bが形成される。ボタンロッドガイド部531bには、押圧ロッド534d及びガイド片534cが挿入されるガイド孔が左右方向に貫通して形成される。このようなボタンロッドガイド部531bによってボタン534がベゼル531に対して円滑にスライドし得ると同時に、ボタン534がベゼル531に対して回転しない。
【0091】
また、前記壁部には、複数個の締結長孔531cが左右方向に長く形成される。
【0092】
前記壁部には、弾性変形可能な複数個の第1締結フック531aが形成される。第1締結フック531aは、第1ヘッドレストカバー210又は第2ヘッドレストカバー220に形成された締結孔(不図示)に締結される。このような第1締結フック531aによってボタン部材530がヘッドレストカバー200に容易に結合され得る。
【0093】
ボタン534は、板形状に形成された押圧部534aと、押圧部534aに左側に突出するように形成される押圧ロッド534dとを含む。
【0094】
押圧部534aの端部には、第2締結フック534bが左側に突出するように形成される。第2締結フック534bは、締結長孔531cに挿入される。これにより、ボタン534は、ベゼル531に対して左右方向にスライド可能であると共に、ベゼル部から離脱しないことになる。
【0095】
押圧ロッド534dは、スプリング支持部522に連結されず、分離されるように備えられる。したがって、押圧ロッド534dに対してスプリング支持部522が前後方向に移動しても、ユーザの押す力が移動部材520に円滑に伝達される。
【0096】
押圧ロッド534dの外周面には、ガイド片534cが長さ方向に沿って突出するように形成される。
【0097】
ボタンスプリング533は、ベゼル531とボタン534との間に配置される。
【0098】
ボタンスプリング533は、コイルスプリングで備えられ、ボタンスプリング533は、押圧ロッド534dを取り囲むように設置される。
【0099】
ボタンスプリング533の外側は、ボタンスプリングスリーブ532により取り囲まれる。すなわち、ボタンスプリング533とベゼル筒部531dとの間にスプリングスリーブ532が配置される。
【0100】
以下、前述した構成を有する本実施形態の作用を説明する。
【0101】
図10に示されたような直立状態のヘッドレストをユーザがフォールディングさせる場合には、ボタン部材530のボタン534を押圧すると、ボタン534の押圧ロッド534dに接触した移動部材520のスプリング支持部522も押圧される。
【0102】
移動部材520が押圧されると、ノッチ541に挿入されていた係止部521の補強部材523がノッチ541から抜け出す。
【0103】
このように補強部材523がノッチ541から抜け出すことになると、スライド部材510は、ロッド本体542に対して移動可能になる。すなわち、ヘッドレストカバー200がステイロッド100の第2ロッド120を中心に回転可能になる。したがって、ヘッドレストの角度が調節可能になる。
【0104】
ボタン534を押す力を除去すると、ボタンスプリング533及び移動部材スプリング550によりボタン534及び移動部材520は、元の位置に復帰する。
【0105】
ヘッドレストは、メインスプリング600の弾性力によりフォールディング位置に(反時計回りに)回転する。
【0106】
図11に示されたように、ヘッドレストがフォールディング位置に来ることになると、補強部材523がノッチ541に挿入されて、ヘッドレストの位置は、固定される。
【0107】
<第2実施形態>
第2実施形態によるヘッドレスト調節装置は、ヘッドレストをティルティングさせる装置である。
【0108】
図12〜
図17に示されたように、第2実施形態によるヘッドレスト調節装置は、ヘッドレストカバー1200と、ステイロッド100に設置されるブラケット1300と、前記ブラケット1300に設置されてヘッドレストの位置を固定させるロック部材とを含み、前記ヘッドレストカバー1200には、前記ステイロッド100が回動可能に結合されるステイロッド結合部が形成され、前記ロック部材のガイドロッド1540にノッチ1541が3個以上形成される。
【0109】
前述した実施形態と同じ構成に対しては、詳細な説明を省略することとする。
【0110】
図12〜
図15に示されたように、ヘッドレストカバー1200は、少なくとも第1ヘッドレストカバー1210と、第1ヘッドレストカバー1210の後方に配置される第2ヘッドレストカバー1220とに分割される。
【0111】
ヘッドレストカバー1200の内部には、ステイロッド100の第2ロッド120が回動可能に結合されるステイロッド結合部が形成される。
【0112】
前記ステイロッド結合部には、第2ロッド120が挿入される貫通孔が左右方向に貫通するように形成される。
【0113】
前記ステイロッド結合部は、第1ステイロッド結合部1211と第2ステイロッド結合部1221とに分割されて形成される。第1ステイロッド結合部1211は、第1ヘッドレストカバー1210に一体に形成され、第2ステイロッド結合部1221は、第2ヘッドレストカバー1220に一体に形成される。
【0114】
第1ステイロッド結合部1211と第2ステイロッド結合部1221は、第1ヘッドレストカバー1210と第2ヘッドレストカバー1220が結合することによって結合される。
【0115】
第1ヘッドレストカバー1210と第2ヘッドレストカバー1220には、ボルトが締結される第1、第2締結部1215、1225が形成されて、第1ヘッドレストカバー1210と第2ヘッドレストカバー1220は結合される。ひいては、第1ヘッドレストカバー1210と第2ヘッドレストカバー1220の仮組立のために第1ヘッドレストカバー1210の端部には、締結フック1219が形成され、第2ヘッドレストカバー1220の端部には、締結フック1219が挿入される締結孔1229が形成される。
【0116】
ヘッドレストカバー1200の内部には、スライド部材結合部が形成される。前記スライド部材結合部は、前記ステイロッド結合部より上部に配置される。前記スライド部材結合部には、挿入溝が左右方向に貫通して形成される。
【0117】
前記スライド部材結合部は、第1ヘッドレストカバー1210と第2ヘッドレストカバー1220に分割されて形成される。したがって、一つの前記スライド部材結合部は、第1スライド部材結合部1212と第2スライド部材結合部1222を含む。
【0118】
分離した第1スライド部材結合部1212と第2スライド部材結合部1222は、第1ヘッドレストカバー1210と第2ヘッドレストカバー1220が結合することによって結合される。
【0119】
ヘッドレストカバー1200の内部には、両側の前記スライド部材結合部の間にロック部材遊動空間1223が形成される。ロック部材遊動空間1223には、前記ロック部材が配置されて、前記ロック部材がヘッドレストカバー1200に対して円滑に回転できるようにする。
【0120】
ロック部材遊動空間1223は、第1ヘッドレストカバー1210と第2ヘッドレストカバー1220に分割されるように形成される。
【0121】
第2ヘッドレストカバー1220の下面及び後面の下端には、第1ロッド110が挿入される切欠部が形成されている。前記切欠部は、上下方向に貫通して形成される。前記切欠部は、ヘッドレストカバー1200の両側にそれぞれ形成される。前記切欠部を介してフォールディング時にヘッドレストカバー1200が第1ロッド110に干渉しないことになる。
【0122】
また、第1、第2ヘッドレストカバー1210,1220の側面には、ボタン部材設置部1214、1224が分割されて形成される。ボタン部材設置部1224には、ボタン部材のベゼル1531が挿入されるボタン部材貫通孔が左右方向に貫通して形成される。
【0123】
ブラケット1300は、ステイロッド100の第2ロッド120の上部の中央に固定設置される。ブラケット1300は、底板の前端が後端より上部に配置されるように第2ロッド120の後方に傾斜して設置される。
【0124】
ブラケット1300の左側には、メインスプリング600が配置される。メインスプリング600の第2終端は、ブラケット1300に係止し、第1終端は、第2ヘッドレストカバー1220に係止する。メインスプリング600の弾性力は、ヘッドレストが時計回りに又は反時計回りに回転するようにヘッドレストカバー1200に作用する。
【0125】
前記ロック部材は、ブラケット1300に回動可能に設置されるガイドロッド1540と、ガイドロッド1540にスライド可能に設置されるスライド部材1510と、スライド部材1510がガイドロッド1540に対して移動したり移動しないようにする固定手段とを含む。
【0126】
本実施形態において前記固定手段は、ガイドロッド1540に形成されるノッチ1541と、前記スライド部材1510にスライド可能に設置され、前記ノッチ1541に挿入される係止部1521が形成される移動部材1520とを含む。
【0127】
ガイドロッド1540は、水平断面の形状が多角形であるロッド本体1542と、ロッド本体1542の下端に円筒形状に形成されたブラケット結合部1543とを含む。
【0128】
また、ロッド本体1542の片方の側面には、ノッチ1541が形成されているが、ノッチ1541は、一定の間隔を置いて3個以上形成される。これによって、本実施形態のヘッドレスト調節装置は、ヘッドレストを様々な角度で調節することができる。
【0129】
ブラケット結合部1543は、ヒンジ1545を介してブラケット1300に回動可能に結合される。
【0130】
スライド部材1510の前方の下部には、カバー結合部1512が形成される。カバー結合部1512は、左右方向に突出するように形成され、円筒形状に形成される。このようなカバー結合部1512の両側は、第1、第2スライド部材結合部1212、1222に挿入される。したがって、スライド部材1510は、ヘッドレストカバー1200に回動可能に設置される。
【0131】
ヘッドレスト調節装置が直立時にカバー結合部1512の軸は、第2ロッド120の軸の上部に配置され、ヒンジ1545の軸より前方に配置される。ヘッドレスト調節装置が直立時にロッド本体1542は、垂直に配置される。
【0132】
係止部1521の内部には、ノッチ1541に挿入される補強部材1523がインサート射出されて形成される。
【0133】
移動部材1520を外部でユーザが容易に移動させることができるように、本実施形態のヘッドレスト調節装置は、ボタン部材をさらに具備する。
【0134】
ボタン部材は、ベゼル1531と、ベゼル1531に挟持されるボタン1534と、ボタン1534を復帰させるボタンスプリング1533とを含む。
【0135】
ベゼル1531には、ボタン1534に形成されたガイド突出部1534fが挿入されるガイド孔1531fが左右方向に貫通して形成される。このようなガイド突出部1534fとガイド孔1531fによりボタン1534の押圧動作が円滑に行われ得る。ガイド突出部1534fは、ボタン1534の上部及び下部にそれぞれ形成され得る。
【0136】
ボタン1534の押圧ロッドは、二つに分割されて形成され得る。すなわち、押圧ロッドは、第1押圧ロッドと第2押圧ロッド1534dとから構成され得る。前記第1押圧ロッドは、ボタン1534に一体に形成され、第2押圧ロッド1534dは、第1押圧ロッドと分離するように備えられる。第2押圧ロッド1534dには、前記第1押圧ロッドと接触する第1接触部と、移動部材1520と接触する第2接触部が形成される。前記第1接触部と前記第2接触部は、同軸線上に配置されず、上下方向又は前後方向けにずれるように配置され得る。このような第2押圧ロッド1534dがヘッドレストカバー1200の内部で前後方向又は上下方向に遊動しないように、ヘッドレストカバー1200には、第2押圧ロッド保持部(不図示)が形成され得る。
【0137】
以下、前述した構成を有する本実施形態の作用を説明する。
【0138】
図16に示されたような直立状態のヘッドレストをユーザがティルティングさせる場合には、ボタン部材のボタン1534を押圧すると、ボタン1534の第2押圧ロッド1534dに接触した移動部材1520も押圧される。
【0139】
移動部材1520が押圧されると、ノッチ1541に挿入されていた係止部の補強部材1523がノッチ1541から抜け出す。
【0140】
このようにヘッドレスト調節装置のロックが解除されれば、スライド部材1510は、ロッド本体1542に対して移動可能になる。すなわち、ヘッドレストカバー1200がステイロッド100の第2ロッド120を中心に回転可能になる。したがって、ヘッドレストの角度が多様に調節可能になる。
【0141】
ヘッドレストを所望の位置に移動させた後に、ボタン1534を押圧する力を除去すれば、ボタンスプリング1533及び移動部材スプリング1550によりボタン1534及び移動部材1520は、元の位置に復帰する。
【0142】
これによって、
図11に示されたように補強部材1523がノッチ1541に挿入されて、ヘッドレストの位置は固定される。
【0143】
このようにヘッドレストの位置を調節することができるようになって、ヘッドレストを現在の位置からすぐに前方又は後方に移動させることができ、ヘッドレストを移動させる方法も容易である。ロッキング解除のための区間が不要になって、装置がコンパクトになる。
【0144】
上述した通り、本発明の好ましい実施形態を参照して説明したが、当該技術分野における当業者は、下記の特許請求範囲に記載された本発明の思想及び領域を逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正又は変形して実施することができる。