特許第6979166号(P6979166)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6979166挟持構造及び該挟持構造を備える接地端子
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6979166
(24)【登録日】2021年11月17日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】挟持構造及び該挟持構造を備える接地端子
(51)【国際特許分類】
   F16B 2/12 20060101AFI20211125BHJP
   H01R 11/26 20060101ALI20211125BHJP
   H01R 4/64 20060101ALI20211125BHJP
【FI】
   F16B2/12 B
   H01R11/26
   H01R4/64 A
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-83597(P2017-83597)
(22)【出願日】2017年4月20日
(65)【公開番号】特開2018-179251(P2018-179251A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2020年3月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100114432
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 寛昭
(74)【代理人】
【識別番号】100138416
【弁理士】
【氏名又は名称】北田 明
(72)【発明者】
【氏名】河田 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】大西 修造
(72)【発明者】
【氏名】安藤 隆章
(72)【発明者】
【氏名】赤木 確
(72)【発明者】
【氏名】板谷 怜
(72)【発明者】
【氏名】太田 栄司
(72)【発明者】
【氏名】平野 憲二
(72)【発明者】
【氏名】藤原 恭彦
【審査官】 後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−095025(JP,A)
【文献】 特開2011−066952(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 2/00− 2/26
H01R 11/26
H01R 4/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向配置される一対の挟持部であって、互いに対向する対向方向において相対的に接離する一対の挟持部を備え、該挟持部は、前記対向方向で隣り合う挟持部に向けて配置される対向面を有し、前記一対の挟持部のうちの一方の挟持部の前記対向面には、挟持対象とする挟持対象物を前記一対の挟持部の間に対して抜き差しする抜差方向における奥側に位置する平らな平面領域と、前記抜差方向において前記平面領域の手前側に位置する切欠領域とが含まれ、該切欠領域は、前記対向方向において前記一対の挟持部のうちの他方の挟持部の前記対向面から離れる方向に向けて切り欠かれた形状であり、前記一対の挟持部のうちの他方の挟持部の前記対向面は、前記対向方向において前記平面領域及び前記切欠領域のそれぞれに対向している、挟持構造。
【請求項2】
前記切欠領域は、前記挟持部の前記抜差方向における奥側から手前側になるにつれて前記対向方向において前記一対の挟持部のうちの他方の挟持部の前記対向面から離れるように傾斜し、且つ前記抜差方向における手前側の端が前記対向面とは反対側の面と交わるように形成される傾斜面で構成される請求項1に記載の挟持構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の挟持構造を備える接地端子であって、導電性を有する端子本体部と、該端子本体部を接地構造物に固定するための固定部とを備え、前記端子本体部は、前記接地構造物に当接させる当接部を有し、前記固定部は、前記当接部に対向配置され且つ前記当接部に対して接離可能な押圧部を有し、前記当接部と前記押圧部とで前記挟持構造の前記一対の挟持部を構成する接地端子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品や構造物等を挟み込む挟持構造及び該挟持構造を備える接地端子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、鉄塔等の構造物に取り付けて使用する器具(例えば、接地端子)や、ワーク等の物品を保持するための器具(例えば、万力)等には、該構造物や物品等の挟持対象物を挟み込む挟持構造が設けられている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されている接地端子(アースクランプ)は、前記挟持構造として、鉄塔のアングル材等の挟持対象物に当接させる固定側受座と、該固定側受座に対向配置された押圧片とを備え、該押圧片が固定側受座に対して接離可能に構成されている。
【0004】
また、固定側受座と押圧片とには、互いに対向する対向方向における内側に向けて配置されている対向面が含まれており、該固定側受座の対向面と該押圧片の対向面とは互いに平行な姿勢となっている。
【0005】
かかる接地端子によれば、固定側受座と押圧片との間に前記挟持対象物を介在させ後に押圧片を固定側受座に接近させると、固定側受座の対向面が押圧片の対向面に対して平行な姿勢のまま接近するため、固定側受座の対向面全体と押圧片の対向面全体とによって前記挟持対象物が挟み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭53−19531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、従来の接地端子の挟持構造では、接地対象物を挟み込むための固定側受座の対向面と押圧片の対向面とが互いに平行な姿勢のまま接離するように構成されているため、各対向面の間に対する挟持対象物の挿し込み方が浅くても、固定側受座に押圧片が接近すると該挟持対象物の縁部のみが各対向面に挟み込まれてしまう。
【0008】
この場合、接地端子や挟持対象物に対して外力や振動が加わると、挟持対象物が各対向部の間からすぐに外れてしまう。従って、従来の接地端子の挟持構造は、挟持している挟持対象物から外れやすい状態のまま使用されることがあった。なお、このような問題は、例えば、万力やクランプ等の他の器具に設けられている挟持構造においても同様に起こり得る。
【0009】
そこで、本発明は、かかる実情に鑑み、各挟持部により挟持対象物の縁部のみを挟持してしまうことを防止できる挟持構造及び該挟持構造を備える接地端子を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の挟持構造は、対向配置される一対の挟持部であって、互いに対向する対向方向において相対的に接離する一対の挟持部を備え、該挟持部は、前記対向方向で隣り合う挟持部に向けて配置される対向面を有し、前記一対の挟持部のうちの一方の挟持部の前記対向面には、挟持対象とする挟持対象物を前記一対の挟持部の間に対して抜き差しする抜差方向における奥側に位置する平らな平面領域と、前記抜差方向において前記平面領域の手前側に位置する切欠領域とが含まれ、該切欠領域は、前記対向方向における外方側に向けて切り欠かれた形状である。
【0011】
かかる構成によれば、一対の挟持部の間に介在させた挟持対象物が各対向面の奥深くまで到達している場合、一対の挟持部を接近させると、前記一方の挟持部の平面領域の全域又は略全域と、一対の挟持部のうちの他方の挟持部の対向面とで挟持対象物の縁部よりも中央部に近い部分が挟持されるため、挟持対象物が一対の挟持部の間から外れ難くなる。
【0012】
そして、各対向面の間への挟持対象物の差し込み方が浅く、該挟持対象物が切欠領域に対応する位置までしか到達していない場合は、一対の挟持部を接近させても挟持部の切欠領域が前記対向方向で隣り合う挟持部に対して十分に接近しないため、挟持対象物が一対の挟持部により適切に挟持されず、挟持構造物が一対の挟持部の間から外れる。
【0013】
このように、前記挟持構造は、一対の挟持部の間に介在させた挟持対象物が各対向面の奥深くまで到達していない状態においては、該挟持対象物を挟持せずに一対の挟持部の間から外れるように構成されている。
【0014】
また、本発明の挟持構造において、前記切欠領域は、前記挟持部の前記抜差方向における手前側になるにつれて前記対向方向における外方側に向かうように傾斜した傾斜面で構成されていてもよい。
【0015】
かかる構成によれば、挟持対象物が一対の挟持部の間に十分に差し込まれていない状態で各挟持部を互いに接近させると、一対の挟持部を接近させた際に挟持対象物が切欠領域に当接する。そのため、傾斜面に沿って挟持対象物と挟持部との位置がずれ、これにより、挟持対象物が一対の挟持部の間から外れるようにすることができる。
【0016】
本発明の接地端子は、上記何れかの挟持構造を備える接地端子であって、導電性を有する端子本体部と、該端子本体部を接地構造物に固定するための固定部とを備え、前記端子本体部は、前記接地構造物に当接させる当接部を有し、前記固定部は、前記当接部に対向配置され且つ前記当接部に対して接離可能な押圧部を有し、前記当接部と前記押圧部とで前記挟持構造の前記一対の挟持部を構成する。
【0017】
かかる構成によれば、当接部と押圧部の間に介在させた挟持対象物が各対向面の奥深くまで到達している場合、当接部に押圧部を接近させると、前記一方の挟持部の平面領域の全域又は略全域と、一対の挟持部のうちの他方の挟持部の対向面とで挟持対象物の縁部よりも中央部に近い部分が挟持されるため、挟持対象物が当接部と押圧部との間から外れ難くなる。
【0018】
そして、当接部と押圧部との間に介在させた挟持対象物が各対向面の手前側までしか到達していない場合は、当接部に押圧部を接近させても、挟持対象物が一対の挟持部により適切に挟持されず、挟持構造物が一対の挟持部の間から外れる。
【0019】
このように、前記接地端子は、一対の挟持部を構成する当接部と押圧部の間に介在させた挟持対象物が各対向面の奥深くまで到達していない状態においては、該挟持対象物を挟持せずに当接部と押圧部の間から外れるように構成されている。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明の挟持構造及び該挟持構造を備える接地端子によれば、各挟持部により挟持対象物の縁部のみを挟持してしまうことを防止できるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る接地端子の側面図である。
図2図2は、図1におけるII−II線における断面図である。
図3図3は、図1におけるIII−III線における断面図である。
図4図4は、同実施形態に係る接地端子の使用状態の説明図である。
図5図5は、同実施形態に係る接地端子の使用状態の説明図であって、(a)は当接部と対向部の間に接地構造物を介在させようとしている状態の説明図であり、(b)は接地構造物から接地端子が外れている状態の説明図である。
図6図6は、本発明の他実施形態に係る接地端子の部分断面図である。
図7図7は、本発明の別の実施形態に係る接地端子の説明図であって、(a)は側面図であり、(b)は(a)のIIV−IIV線における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態にかかる挟持構造について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0023】
挟持構造は、物品や構造物等の挟持対象物を挟み込むように構成されたものであり、鉄塔等の構造物に取り付けて使用する器具(例えば、接地端子)や、ワーク等の物品を保持するための器具(例えば、万力)等に設けられている。なお、本実施形態では、接地端子を一例に挙げて挟持構造についての説明を行うこととする。
【0024】
接地端子は、図1に示すように、接地構造物に取り付ける接地端子1であって、導電性を有する端子本体部2と、該端子本体部2を接地構造物に固定するための固定部3とを備えている。
【0025】
端子本体部2は、接地構造物に当接させる当接部20と、該当接部20に対向する対向部21と、対向部21と当接部20とに繋がる連設部22と、該端子本体部2に設けられる接続部23であって、接地線を電気的に接続するための接続部23とを有する。なお、接地線とは、電線に取り付けるアースフック等の接地器具と接地端子1とを電気的に接続するための長尺なケーブルである。
【0026】
端子本体部2は、側面視においてコの字状であり、接地構造物を抜差な凹部を画定するように構成されている。
【0027】
本実施形態に係る端子本体部2では、当接部20と対向部21とが連設部22から同方向に延出している。また、本実施形態に係る端子本体部2では、当接部20の先端と対向部21の先端との間が開放されているため、この当接部20の先端と対向部21の先端との間を通じて接地構造物を当接部20と対向部21の間に抜き差しできるようになっている。
【0028】
本実施形態では、当接部20と対向部21とが対向する方向を対向方向と称し、当接部20と対向部21との間に接地構造物を抜き差しする方向を抜差方向と称し、前記対向方向及び該抜差方向のそれぞれに直交する方向を横幅方向と称して以下の説明を行うこととする。なお、本実施形態においては、当接部20と対向部21とが連設部22から延出する方向と、前記抜差方向とは同じ方向である。
【0029】
当接部20は、対向部21に向けて配置された対向面(以下、当接側対向面と称する)200を有する。また、当接側対向面200には、前記対向方向に直交する各方向(すなわち、前記抜差方向及び前記横幅方向)に広がる平面領域200aと、前記抜差方向において平面領域200aの手前側に位置し且つ前記対向方向における外方側に向けて切り欠かれた形状の切欠領域200bが含まれている。
【0030】
このように、平面領域200aは、対向部21の基端部側(前記抜差方向における奥側)に位置し、切欠領域200bは、平面領域200aよりも対向部21の先端部側(前記抜差方向において平面領域200aよりも手前側)に位置している(図3参照)。
【0031】
平面領域200aは、前記対向部21の基端部から前記抜差方向における対向部21の中央部よりも先端部側の位置まで形成されている。そのため、前記抜差方向において、平面領域200aの寸法は、切欠領域200bの寸法よりも大きくなっている。
【0032】
切欠領域200bは、該平面領域200aの外縁から前記抜差方向における一方向側(当接部20と対向部21との間から接地構造物を引き抜く方向側)に延出しつつ、前記対向方向において対向部21とは反対側に向かうように傾斜した傾斜面によって構成されている。
【0033】
さらに、当接部20には、前記対向部21に向けて開口するねじ孔201が形成されている。ねじ孔201は、平面領域200a内であり且つ前記抜差方向における当接部20の中央部に形成されている。また、本実施形態では、ねじ孔201が前記対向方向において当接部20を貫通するように形成されている。
【0034】
対向部21は、当接部20に向けて配置された対向面(以下、対面側対向面と称する)210を有する。対面側対向面210は、前記対向方向に直交する各方向(前記抜差方向及び前記横幅方向)に広がる平面である。
【0035】
対向部21には、前記対向方向で貫通するスライド孔211が形成されている。スライド孔211は、対面側対向面210の略中央部に形成されており、前記対向方向においてねじ孔201と同一直線上に並ぶように形成されている。
【0036】
連設部22は、板状に形成された部分であり、各板面が前記抜差方向に向くように配置されている。そして、本実施形態では、当接部20と対向部21とが連設部22の一対の板面のうちの一方の板面(以下、連設内面と称する)220から前記抜差方向における前記一方向側に向けて延出している。そのため、連設内面220は、前記抜差方向における接地端子1の内底を構成している。
【0037】
接続部23は、連設部22の一対の板面のうちの他方の板面(以下、連設外面と称する)221に設けられている。また、接続部23は、連設外面221から前記対向方向に対して直交する方向に向けて延出している。接続部23の先端には、接地線が電気的に接続される。
【0038】
なお、本実施形態に係る接続部23には、接続孔230が形成されている。接続孔230は、接続部23を貫通するように形成されていてもよいし、接続部23に対して非貫通であってもよい。
【0039】
前記固定部3は、軸状であり且つ軸線方向における一端が当接部20と対向部21との間に配置されるようスライド孔211にスライド可能に挿通されるスライド軸部30と、該スライド軸部30の前記一端に延設された固定軸部であって、外面にねじ山が形成された固定軸部31と、スライド軸部30の前記一端部に設けられる押圧部であって、外周側端が該スライド軸部30の外面よりも外側に位置する押圧部32と、スライド軸部30の軸線方向における他端に設けられた摘部33とを有する。
【0040】
スライド軸部30の前記軸線方向における長さは、平面領域200aから対向部21の外面(対向部21の対面側対向面210とは反対側の面)までの距離よりも長くなっていることが好ましい。また、スライド軸部30の外径は、接地構造物の貫通穴の内径よりも僅かに小さくなっている。
【0041】
固定軸部31は、スライド軸部30に対して同心である。そして、固定軸部31の長さは、当接部20の厚み(前記対向方向における厚み)よりも大きくなっている。また、固定軸部31の外径は、接地構造物の貫通穴の内径よりも小さく、且つスライド軸部30の外径よりも僅かに小さくなっている。
【0042】
なお、固定部3におけるスライド軸部30と固定軸部31とは、いわゆる、半ねじ状に形成された部分である。
【0043】
押圧部32は、平板状(本実施形態では、円板状)に形成されている(図2参照)。また、押圧部32の中央部には、スライド軸部30が挿通された状態で固定されている。
【0044】
さらに、押圧部32は、スライド軸部30の前記一端からスライド軸部30の他端側にずれた位置に設けられている。そのため、固定部3では、スライド軸部30の前記一端と固定軸部31とが押圧部32よりも当接部20側に配置されている。
【0045】
押圧部32の一方の板面は当接部20側に向けて配置され、押圧部32の他方の板面は対向部21側に向けて配置されている。そして、押圧部32の一方の板面は、前記対向方向において平面領域200a及び切欠領域200bのそれぞれに対向している。
【0046】
そのため、本実施形態に係る接地端子1は、押圧部32を対向部21に接離させることで押圧部32と対向部21との間に介在している接地構造物の挟持、及び接地構造物に対する挟持を解除できるようになっている。
【0047】
すなわち、本実施形態に係る接地端子1では、押圧部32と対向部21とが挟持構造の一対の挟持部C1を構成し、押圧部32の一方の板面と対向部21の当接側対向面200とが挟持部C1の対向面C10を構成している。
【0048】
摘部33は、スライド軸部30の外周面よりも外方(スライド軸部30の径方向における外方向)に張り出した形状になっている。そのため、スライド軸部30の前記対向方向におけるスライド量は、摘部33と押圧部32との間隔に対応している。
【0049】
続いて、接地端子1の使用方法について説明する。なお、本実施形態では、図4に示すように、接地端子1には接地線Lを介して接地器具であるアースフックFが接続されていること、及び挟持対象物として接地構造物G(本実施形態では、鉄塔のアングル材)に該接地端子1を設置することを前提として、接地端子1の使用方法についての説明を行うこととする。なお、アングル材には貫通孔が形成されている。
【0050】
接地端子1をアングル材に固定するにあたり、押圧部32を当接部20から十分に離間させた状態にする。そして、図5(a)に示すように、当接部20と押圧部32の間にアングル材が介在するよう、接地端子1の位置を調整した後、当接部20をアングル材にあてがう。
【0051】
そして、前記抜差方向において、アングル材が当接側対向面200と押圧部32の一方の板面の間の奥深くまで差し込まれている場合は、一対の挟持部C1、すなわち、当接部20と押圧部32との間隔を狭めると、当接部20の一方の板面全体と、押圧部32の平面領域200aとでアングル材の縁部よりも中央部側の部分が挟持されるため、アングル材が当接部20と押圧部32の間から外れ難くなる。
【0052】
なお、本実施形態に係る接地端子1では、図5(b)に示すように、アングル材が当接側対向面200と押圧部32の一方の板面の間の奥深くまで差し込んだ状態で固定軸部31をアングル材の貫通孔Hに挿通させ、さらに摘部33を操作して固定軸部31をねじ孔201に螺合させることにより、アングル材が押圧部32と当接部20とで完全に挟持された状態になる。
【0053】
一方、当接側対向面200と押圧部32の一方の板面の間に対するアングル材の差し込み方が浅く、該アングル材が切欠領域200bに対応する位置までしか到達していない場合、押圧部32を当接部20に接近させても押圧部32の一方の板面と切欠領域200bとの間隔が十分に狭まらないため、アングル材が一対の挟持により適切に挟持されず、接地端子1がアングル材から外れる。
【0054】
また、本実施形態では、切欠領域200bが、平面領域200aの外縁から延出するとともに前記対向方向において対向部21とは反対側に向かうように傾斜しているため、アングル材が切欠領域200bに当接すると、切欠領域200bの形状に沿ってアングル材と接地端子1とが位置ずれし、これにより、接地端子1がアングル材から外れる。
【0055】
従って、本実施形態に係る接地端子1によれば、一対の挟持部C1である当接部20と押圧部32の間に介在させたアングル材が押圧部32の一方の板面と当接部20の当接側対向面200の間の奥深くまで到達していない状態においては、該アングル材が適切に挟持されないようになっている。
【0056】
より具体的に説明すると、本実施形態に係る接地端子1は、切欠領域200bが傾斜面で構成されているため、押圧部32を当接部20に接近させた際に切欠領域200bがアングル材に当接すると、アングル材と接地端子1との位置がずれるため、接地端子1がアングル材から外れるようになっている。
【0057】
従って、本実施形態に係る接地端子1は、当接部20と押圧部32とで挟持対象物Gの縁部のみを挟持してしまうことを防止できるという優れた効果を奏し得る。
【0058】
なお、本発明の挟持構造及び接地端子は、上記一実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更を行うことは勿論である。
【0059】
上記実施形態において、接地端子1は、位置ずれ防止機能を発揮できるように構成されていたが、この構成に限定されない。例えば、接地端子1は、接地構造物Gを挟持する機能のみを発揮するように構成されていてもよい。この場合、スライド軸部30の一端には固定軸部31を設けず、また、スライド軸部30の一端と対応する位置に押圧部32を設けるようにすればよい。
【0060】
上記実施形態において、ねじ孔201は、前記対向方向において当接部20を貫通するように形成されていたが、この構成に限定されない。例えば、ねじ孔201は、当接部20に対して非貫通の凹部であってもよい。
【0061】
上記実施形態において、切欠領域200bは、平面領域200aから延出するとともに前記対向方向において対向部21とは反対側に向かうように傾斜していたが、この構成に限定されない。例えば、切欠領域200bは、平面領域200aと平行に広がり且つ前記対向方向において平面領域200aよりも外側に位置する平面であってもよい。すなわち、当接側対向面200は、段状に形成されていてもよい。
【0062】
上記実施形態において、押圧部32は、スライド軸部30の一端からスライド軸部30の他端側にずれた位置に設けられていたが、この構成に限定されない。例えば、押圧部32は、スライド軸部30の一端と対応する位置に設けられていてもよい。
【0063】
上記実施形態おいて、特に言及しなかったが、接地端子1は、図6に示すように、ねじ孔201に対する固定軸部31の螺合を規制すべく、ねじ孔201の開口上に配置され、且つ接地構造物Gに押されることによって、固定軸部31がねじ孔201に対して螺合可能となるようにねじ孔201の開口上から退避する螺合規制部4を備えていてもよい。
【0064】
螺合規制部4は、板ばねで構成されており、弾性変形可能である。また、螺合規制部4は、当接側対向面200の平面領域200aに設けられており、当接部20の基端部から当接部20の先端部側に向かって延出している。
【0065】
さらに、螺合規制部4は、前記抜差方向及び前記対向方向に対して交差するように傾斜している。より具体的に説明すると、螺合規制部4は、当接部20の基端部側から当接部20の先端部側に向かうにつれて、対向部21に接近するように傾斜している。
【0066】
なお、ねじ孔201の開口上には螺合規制部4のうちの先端部が配置されている。
【0067】
かかる構成によれば、螺合規制部4を接地構造物Gに当接させて螺合規制部4が退避するように当接部20と押圧部32との間に接地構造物Gを十分に差し込むと、螺合規制部4がねじ孔201と固定軸部31との間から十分に退避するため、固定軸部31を接地構造物Gの挿込孔に差し込むことができ、さらに、該固定軸部31をねじ孔201に螺合させることができる状態になる。
【0068】
一方、当接部20と押圧部32との間への接地構造物Gの差し込みが浅い場合は、螺合規制部4がねじ孔201と固定軸部31との間から完全に退避していない状態のままとなるため、固定部3全体を接地構造物G側にスライドさせると固定軸部31が螺合規制部4に干渉し、固定軸部31をねじ孔201に螺合させることができない状態になる。
【0069】
従って、前記接地端子1は、当接部20と押圧部32との間への接地構造物Gの差し込みが浅い場合において、当接部20と押圧部32とで接地構造物Gを挟持できないようにすることにより、当接部20と押圧部32(各挟持部C1)により挟持対象物Gの縁部のみを挟持してしまうことを防止できる。
【0070】
なお、螺合規制部4は、図7(a)、図7(b)に示すように、前記抜差方向及び前記横幅方向に対して交差するように傾斜していてもよい。より具体的に説明すると、螺合規制部4は、先端部の位置と基端部の位置とが前記横幅方向でずれるように傾斜していてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1…接地端子、2…端子本体部、3…固定部、4…螺合規制部、20…当接部、21…対向部、22…連設部、23…接続部、30…スライド軸部、31…固定軸部、32…押圧部、33…摘部、200…当接側対向面、200a…平面領域、200b…切欠領域、201…孔、210…対面側対向面、211…スライド孔、220…連設内面、221…連設外面、230…接続孔、C1…挟持部、C10…対向面、F…アースフック、G…挟持対象物、G…接地構造物、H…貫通孔、L…接地線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7