(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る容器について、具体化した本実施形態に基づき、図面を参照しつつ説明する。本実施形態の容器は、容器本体と仕切板を備え、ポリプロピレン等の樹脂を材料とした金型成形によって形作られている。
【0019】
(1)容器本体の概要
図1及び
図2に表されたように、容器本体10は、底壁部20、一対の長辺側側壁部30,30、後方短辺側側壁部40、及び前方短辺側側壁部50等を備えている。
【0020】
尚、
図1及び
図2において、符号D1の方向は、上下方向(つまり、容器本体10の高さ方向)を示している。符号D2の方向は、前後方向(つまり、底壁部20及び長辺側側壁部30の幅方向)を示している。符号D3の方向は、左右方向(つまり、後方短辺側側壁部40及び前方短辺側側壁部50の幅方向)を示している。各方向D1,D2,D3は、互いに直交する関係にある。これらの点は、後述する
図3乃至
図18においても、同様である。
【0021】
底壁部20は、長方形状である。底壁部20では、相対する一対の長辺から一対の長辺側側壁部30,30が上下方向D1の上方へ延出すると共に、相対する一対の短辺から後方短辺側側壁部40と前方短辺側側壁部50が上下方向D1の上方へ延出している。
【0022】
尚、一対の長辺側側壁部30,30、後方短辺側側壁部40、及び前方短辺側側壁部50は、金型成形時の抜き勾配等の観点から、容器本体10の上方へ上下方向D1に沿って向かうに連れて、僅かに容器本体10の外方へ向かうように傾斜している。
【0023】
底壁部20の外面22には、縁周リブ24、縦リブ26、及び横リブ28A,28Bが成形されている。縁周リブ24は、底壁部20の長方形状の縁部に沿った状態で立設されている。縦リブ26は、縁周リブ24の短辺(つまり、底壁部20の短辺)を2等分する位置を起点として縁周リブ24の内側から延設され、縁周リブ24の長辺(つまり、底壁部20の長辺と平行な前後方向D2)に沿った状態で立設されている。横リブ28A,28Bは、縁周リブ24の長辺(つまり、底壁部20の長辺)を3等分する位置を起点として縁周リブ24の内側から延設され、縁周リブ24の短辺(つまり、底壁部20の短辺と平行な左右方向D3)に沿った状態で立設されている。これにより、縦リブ26と横リブ28A,28Bは、縁周リブ24内において、互いに直交した状態にある。尚、以下の説明では、横リブ28A,28Bの各々を区別せずに総称して説明する場合には、横リブ2
8と表記する。
【0024】
これに対して、縁周リブ24の外側では、横リブ28Aの両端と対向する位置において、隣合部60,60が底壁部20の外面22に成形されている。この点は、横リブ28Bについても、同様である。これにより、各隣合部60は、縁周リブ24の長辺(つまり、底壁部20の長辺)を3等分する位置に設けられている。尚、隣合部60の詳細な説明は、後述する。
【0025】
後方短辺側側壁部40及び前方短辺側側壁部50は、それらの両側辺が一対の長辺側側壁部30,30の両側辺に連なっている。底壁部20の上方には、一対の長辺側側壁部30,30の各上端面32、後方短辺側側壁部40の上端面42、及び前方短辺側側壁部50の上端面52によって、開口部12が形成されている。これにより、容器本体10の上方側が開放されている。
【0026】
一対の長辺側側壁部30,30は、前方短辺側側壁部50の近傍に位置する部分を除いて、後方短辺側側壁部40と同じ高さである。これに対して、前方短辺側側壁部50の高さは、後方短辺側側壁部40の高さと比べて低い。そのため、一対の長辺側側壁部30,30の各上端面32のうち、前方短辺側側壁部50の近傍に位置する傾斜部分32Aは、前後方向D2に沿って前方へ向かうに連れて、上下方向D1の下方へ向かうように傾斜している。これにより、開口部12の一部である前側開口部14が、一対の長辺側側壁部30,30の各上端面32の傾斜部分32Aと前方短辺側側壁部50の上端面52とに囲まれることによって形成され、容器本体10の前方側上部を開放している。
【0027】
尚、後方短辺側側壁部40の上端面42及び前方短辺側側壁部50の上端面52は、後方短辺側側壁部40及び前方短辺側側壁部50から容器本体10の外方へ突出したフランジ部の一部を構成している。
【0028】
一対の長辺側側壁部30,30には、それらの長辺を3等分する位置において、仕切機構70,70が配設されている。これにより、一方の長辺側側壁部30に設けられた仕切機構70,70は、他方の長辺側側壁部30に設けられた仕切機構70,70に対して、左右方向D3で対向している。更に、各仕切機構70の下方には、各隣合部60が設けられている。
【0029】
次に、仕切機構70について説明する。
図3に表されたように、各仕切機構70は、一対の仕切支持部72,72、仕切挿入部74、及び係止部76等を備えている。一対の仕切支持部72,72は、容器本体10の長辺側側壁部30の内面36において、長辺側側壁部30の上端面32の近傍から底壁部20の長辺に至るまで、上下方向D1に沿った状態で成形されている。これにより、一対の仕切支持部72,72は、長辺側側壁部30の長辺と平行な前後方向D2で対向している。
【0030】
仕切挿入部74は、一対の仕切支持部72,72の各対向面78(後述する
図4参照)で区画された空間である。つまり、仕切挿入部74は、一対の仕切支持部72,72の間に形成されている。係止部76は、上方側が開放された略コ字の形状であり、長辺側側壁部30の上端部38及び一対の仕切支持部72,72が切り欠かれたような状態にある。これにより、係止部76は、仕切挿入部74と連通する。更に、係止部76では、仕切挿入部74が設けられた側とは反対の側が開放されている。
【0031】
尚、各長辺側側壁部30の上端部38は、僅かに容器本体10の外方へ突出しているが、フランジ部を構成するものではない。本実施形態の容器本体10では、効率よく棚等に並べて複数陳列させることを優先しているためである。そのため、各長辺側側壁部30は
、その内面36に一対の仕切支持部72,72が立設されているにも拘わらず、外力が作用すると変形し易い。また、各長辺側側壁部30の上端面32においては、容器本体10の内方側の角が無い状態に成形された逃げ面34が設けられている。
【0032】
以下、仕切機構70について、更に詳しく説明する。
図4及び
図5に表されたように、一対の仕切支持部72,72は、対向面78、非対向面80、上面82、第1傾斜面84、第2傾斜面86等で構成されている。
【0033】
対向面78は、一対の仕切支持部72,72が長辺側側壁部30の長辺と平行な前後方向D2で互いに対向する側に配設されている。非対向面80は、長辺側側壁部30の長辺と平行な前後方向D2において、対向面78が設けられた側とは反対の側に成形されている。
【0034】
上面82は、長辺側側壁部30の逃げ面34の下辺から第1傾斜面84の上辺まで、容器本体10の内方へ左右方向D3に沿って延出した面である。第1傾斜面84は、上面82の内辺から第2傾斜面86の上辺まで延出した面である。第1傾斜面84は、容器本体10の下方へ上下方向D1に沿って向かうに連れて、容器本体10の内方へ向かうように傾斜している。第2傾斜面86は、第1傾斜面84の下辺から底壁部20まで延出した面である。第2傾斜面86は、容器本体10の下方へ上下方向D1に沿って向かうに連れて、僅かに容器本体10の内方へ向かうように傾斜している。
【0035】
尚、第2傾斜面86の傾斜は、金型成形時の抜き勾配を配慮して設けられている。この点は、一対の対向面78,78及び一対の非対向面80,80についても、同様である。つまり、一対の対向面78,78は、容器本体10の上方へ上下方向D1に沿って向かうに連れて、僅かに互いが離間するように傾斜している。これに対して、一対の非対向面80,80は、容器本体10の上方へ上下方向D1に沿って向かうに連れて、僅かに互いが近付くように傾斜している。
【0036】
一対の仕切支持部72,72の各対向面78の間には、側面88、底面90、及びコーナー面92が成形されている。側面88は、長辺側側壁部30の内側に配設された平面である。側面88は、長辺側側壁部30の長辺と平行な前後方向D2の両側において、各対向面78に略直角で交わった状態で連なっている。底面90は、底壁部20の上側に配設された平面である。底面90は、底壁部20の長辺と平行な前後方向D2の両側において、各対向面78に略直角で交わった状態で連なっている。コーナー面92は、側面88と底面90の間に配設され、容器本体10の外方へ向けて突出した曲面である。コーナー面92は、長辺側側壁部30及び底壁部20の各長辺と平行な前後方向D2の両側において、各対向面78に略直角で交わった状態で連なっている。
【0037】
尚、側面88は、金型成形時の抜き勾配の観点から、容器本体10の上方へ上下方向D1に沿って向かうに連れて、僅かに容器本体10の外方へ向かうように傾斜している。
【0038】
仕切挿入部74は、一対の仕切支持部72,72の各対向面78に加えて、側面88、底面90、及びコーナー面92に囲まれることによって形成されている。従って、仕切挿入部74は、容器本体10の上方に向かう側と容器本体10の内方に向かう側とが開放されている。
【0039】
尚、底壁部20では、一対の仕切支持部72,72の各対向面78の間を高くするための段差100を設けることによって、底面90が設けられた側とは反対の側において、隣合部60の仕切保持部68(後述する
図6参照)が形成されるスペースを確保している。
【0040】
係止部76は、一対の第1側面94,94、一対の第2側面96,96、及び底面98で構成されている。一対の第1側面94,94は、長辺側側壁部30の上端部38及び一対の仕切支持部72,72に形成された平面であって、長辺側側壁部30の長辺と平行な前後方向D2で対向している。一対の第1側面94,94は、それらの下側において、底面98に略直角で交わった状態で連なっている。これに対して、一対の第1側面94,94は、それらの上側において、長辺側側壁部30の上端面32と逃げ面34、及び一対の仕切支持部72,72の各上面82に略直角で交わった状態で連なっている。また、一対の第1側面94,94は、容器本体10の外方側において、長辺側側壁部30の上端部38の外面39に略直角で交わった状態で連なっている。更に、一対の第1側面94,94は、容器本体10の内方側において、一対の第2側面96,96に略直角で交わった状態で連なっている。
【0041】
一対の第2側面96,96は、一対の仕切支持部72,72において、長辺側側壁部30の長辺と平行な前後方向D2に沿って形成された平面であって、仕切挿入部74を挟んだ状態にある。つまり、一対の第2側面96,96は、仕切挿入部74側において、一対の仕切支持部72,72の各対向面78に略直角で交わった状態で連なっている。また、一対の第2側面96,96は、その下側において、底面98に略直角で交わった状態で連なっている。更に、一対の第2側面96,96は、その上側において、一対の仕切支持部72,72の各上面82に略直角で交わった状態で連なっている。
【0042】
底面98は、長辺側側壁部30の上端部38及び一対の仕切支持部72,72において、長辺側側壁部30の長辺と平行な前後方向D2に沿って形成された平面であって、一対の第1側面94,94の下辺間に設けられている。底面98は、容器本体10の外方側において、長辺側側壁部30の上端部38の外面39に略直角で交わった状態で連なっている。また、底面98は、容器本体10の内方側において、一対の第2側面96,96及び側面88に略直角で交わった状態で連なっている。更に、底面98は、容器本体10の内方側において、一対の第2側面96,96の下辺と側面88の上辺の間で、一対の仕切支持部72,72の各対向面78に略直角で交わった状態で連なっている。
【0043】
以上より、係止部76は、長辺側側壁部30の上端部38に加え、一対の仕切支持部72,72の長辺側側壁部30側までも切り欠かれたような状態にある。そのため、一対の仕切支持部72,72では、長辺側側壁部30側を補強するため、各傾斜部102が成形されている。各傾斜部102は、長辺側側壁部30の内面36の近傍において、一対の仕切支持部72,72の各非対向面80が、長辺側側壁部30の内面36へ左右方向D3に沿って向かうに連れて、係止部76から離間する方へ向かうように傾斜したものである。これにより、一対の仕切支持部72,72では、長辺側側壁部30の内面36の近傍に位置する部分が肉厚にされている。また、一対の仕切支持部72,72は、それらの下側において、非対向面80及び傾斜部102から底壁部20に渡って、肉盛り部104が成形されている。これにより、一対の仕切支持部72,72は、底壁部20の近傍に位置する部分が補強されている。
【0044】
また、係止部76は、一対の第2側面96,96の間において、仕切挿入部74と連通している。従って、仕切挿入部74は、その上端部において、容器本体10の外方に向かう側が係止部76を介して開放されている。
【0045】
尚、係止部76において、一対の第1側面94,94は、金型成形時の抜き勾配の観点から、容器本体10の上方へ上下方向D1に沿って向かうに連れて、僅かに互いが離間するように傾斜している。同様な観点から、一対の第2側面96,96は、容器本体10の上方へ上下方向D1に沿って向かうに連れて、僅かに容器本体10の内方へ向かうように傾斜している。
【0046】
次に、隣合部60について説明する。
図6に表されたように、各隣合部60は、一対の対向リブ62,62及び一対の傾斜リブ64,64等を備えている。一対の対向リブ62,62及び一対の傾斜リブ64,64は、底壁部20の外面22に成形されている。一対の対向リブ62,62は、縁周リブ24において、横リブ28が設けられた位置から前後方向D2の両方へ等間隔を置いた位置を起点として、横リブ28が設けられた内側とは反対の外側から、容器本体10の外方へ左右方向D3に沿って延設されている。これにより、一対の対向リブ62,62は、前後方向D2で対向している。
【0047】
一対の傾斜リブ64,64は、一対の対向リブ62,62において、それらの先端を起点として、一対の対向リブ62,62が互いに対向する側とは反対の側から、前後方向D2に沿って延設されている。一対の傾斜リブ64,64は、それらの下端面66が、対向リブ62から離間するに連れて、底壁部20へ向かうように傾斜している。
【0048】
各隣合部60では、一対の対向リブ62,62の間において、仕切保持部68が形成されている。仕切保持部68は、一対の対向リブ62,62に加えて、上面21及び側面29に囲まれた空間である。上面21は、底壁部20に形成された平面である。側面29は、縁周リブ24の外側に形成された平面である。側面29は、その上側において、上面21に略直角で交わった状態で連なっている。そのため、仕切保持部68は、容器本体10の外方に向かう側と容器本体10の下方に向かう側とが開放されている。
【0049】
このようにして、各隣合部60は、一対の対向リブ62,62、一対の傾斜リブ64,64、上面21、及び側面29等で構成されている。
【0050】
(2)仕切板の概要
図7及び
図8に表されたように、仕切板110は、略平板状である。仕切板110の縁周は、前後方向D2へ向けて突出した突縁状に成形されている。仕切板110の下辺には、第1下面112、及び一対の第2下面114,114が設けられている。第1下面112は、仕切板110の下辺中央において、左右方向D3に沿って設けられている。各第2下面114は、仕切板110の下辺において、第1下面112の左右方向D3の両方側に設けられている。第1下面112と各第2下面114の間には、一対の段差116,116が設けられている。これにより、各第2下面114は、第1下面112と比べ、上下方向D1の上方に配設されている。
【0051】
仕切板110の上辺には、第1上面118、及び一対の第2上面120,120が設けられている。第1上面118は、仕切板110の上辺中央において、左右方向D3に沿って設けられている。一対の第2上面120,120は、仕切板110の上辺において、第1上面118の左右方向D3の両方側に設けられている。第1上面118と各第2上面120の間には、一対の傾斜面122,122が設けられている。各傾斜面122は、仕切板110の外方へ左右方向D3に沿って向かうに連れて、上下方向D1の上方へ向かうように傾斜している。これにより、各第2上面120は、第1上面118と比べ、上下方向D1の上方に配設されている。
【0052】
仕切板110の両側辺には、第1側面124、第2側面126、及び第3側面128が設けられている。第1側面124は、第2下面114に略直角で交わった状態で連なると共に、第2下面114から上下方向D1に沿って、仕切板110の側辺上端部130まで延出している。第1側面124は、仕切板110の上方へ上下方向D1に沿って向かうに連れて、僅かに仕切板110の外方へ向かうように傾斜している。第2側面126は、仕切板110の側辺において、第1側面124の上下方向D1の上方側に設けられている。第1側面124と第2側面126の間には、傾斜面132が設けられている。傾斜面13
2は、仕切板110の上方へ上下方向D1に沿って向かうに連れて、仕切板110の外方へ向かうように傾斜している。これにより、第2側面126は、第1側面124と比べ、仕切板110の外方に配設されている。
【0053】
第3側面128は、第2上面120に略直角で交わった状態で連なると共に、側辺上端部130において、第2上面120から仕切板110の下方へ上下方向D1に沿って延出している。側辺上端部130では、第3側面128と第2側面126の間において、段差134が設けられている。これにより、第3側面128は、第2側面126と比べ、仕切板110の外方に配設されている。
【0054】
更に、側辺上端部130では、第3側面128の前後方向D2の両方側において、前後方向D2の両方へ向けて突出した一対の突出部136,136が成形されている。各突出部136は、第3側面128、段差134、及び第2上面120と共に、被係止部138を構成している。つまり、被係止部138は、仕切板110の両側辺において、側辺上端部130に設けられている。尚、各突出部136は、その左右方向D3側の側面(仕切板110の外方側の側面)が第3側面128とは段差が無い略フラットな状態である。更に、各突出部136は、その上面が第2上面120とは段差が無い略フラットな状態である。
【0055】
(3)容器の概要
図9に表されたように、本実施形態の容器1では、容器本体10の各長辺側側壁部30の間において、左右方向D3で対向する一対の仕切機構70,70により、仕切板110が着脱される。各仕切機構70では、仕切板110が、容器本体10の開口部12から一対の仕切支持部72,72の間(つまり、仕切挿入部74)に差し込まれる。更に、仕切板110が、一対の仕切支持部72,72の間(つまり、仕切挿入部74)から容器本体10の開口部12へ抜き出される。
【0056】
一対の仕切機構70,70は、2組設けられている。従って、各仕切機構70において仕切板110が各仕切支持部72の間(つまり、仕切挿入部74)に差し込まれると、容器本体10は、2枚の仕切板110,110によって、3つの収容空間140,142,144に区画される。各収容空間140,142,144には、ボルトやネジ等の小物を分別して収納させることが可能である。
【0057】
図10及び
図11に表されたように、本実施形態の容器1では、仕切板110が各仕切支持部72の間(つまり、仕切挿入部74)に差し込まれると、容器本体10の長辺側側壁部30に設けられた係止部76に対して、仕切板110の被係止部138が係止される。
【0058】
仕切板110の被係止部138が容器本体10の係止部76に係止された状態では、被係止部138を構成する第3側面128及び各突出部136が、切り欠き形状の係止部76の中に納められると共に、長辺側側壁部30の上端部38の外面39から僅かに容器本体10の内方へずれた状態で配置される。つまり、被係止部138を構成する第3側面128、及び各突出部136の左右方向D3側の側面(仕切板110の外方側の側面)は、長辺側側壁部30の上端部38の外面39と略面一である。
【0059】
更に、仕切板110の被係止部138が容器本体10の係止部76に係止された状態では、被係止部138を構成する第2上面120、及び各突出部136の上面は、各仕切支持部72の上面82と略面一の状態にある。
【0060】
図12に表されたように、本実施形態の容器1では、仕切板110の被係止部138が
容器本体10の係止部76の中に納められると、係止部76を形成する各第1側面94及び各第2側面96に対して、被係止部138を構成する各突出部136の前後方向D2側の側面、及び左右方向D3側の側面(仕切板110の内方側の側面)が当接する。これにより、仕切板110の被係止部138が容器本体10の係止部76に係り合って止まる。
【0061】
このような係止は、仕切板110の左右方向D3の両方において、各側辺上端部130で行われる。そのため、仕切板110は、左右方向D3に沿って外力が作用しても、容器本体10の内方又は外方へ動くことがない。
【0062】
図13に表されたように、本実施形態の容器1では、仕切板110が各仕切支持部72の間に差し込まれることによって、つまり、仕切板110の側辺部が仕切挿入部74に挿入されることによって、仕切板110の被係止部138が容器本体10の係止部76に係止される。その際、仕切板110の下辺側では、仕切板110の第1下面112が容器本体10の底壁部20に当接し、仕切板110の第2下面114が容器本体10の底面90に当接し、仕切板110の段差116と容器本体10の段差100とが遊嵌する。
【0063】
更に、仕切板110の側辺側では、被係止部138を構成する段差134が係止部76の底面98に係合し、仕切板110の第1側面124が、仕切挿入部74を囲む長辺側側壁部30の側面88と対向している。仕切板110の第1側面124と、長辺側側壁部30の側面88とは、容器本体10の上方へ上下方向D1に沿って向かうに連れて、僅かに容器本体10の外方へ向かうように傾斜している。但し、その傾きの度合いは、長辺側側壁部30の側面88の方よりも、仕切板110の第1側面124の方が大きい。そのため、仕切板110は、容器本体10の上方から仕切挿入部74にスムーズに挿入させることが可能である。
【0064】
これに対して、仕切板110の被係止部138と第1側面124の間では、仕切板110の第2側面126が、仕切挿入部74を囲む長辺側側壁部30の側面88に圧接している。そのため、仕切板110の左右方向D3のガタツキが防止され、ひいては、仕切板110が容器本体10の内方又は外方へ動くことが一層に防止される。更に、長辺側側壁部30の上端部38が容器本体10の内方へ反ることが防止される。
【0065】
尚、仕切板110の被係止部138が容器本体10の係止部76に係止された状態では、仕切板110の上辺を構成する第1上面118、第2上面120、及び傾斜面122は、容器本体10の後方短辺側側壁部40の上端面42及び長辺側側壁部30の上端面32より、上下方向D1の下方に配置される。
【0066】
(4)段積み時の容器の構成
本実施形態の容器1は、上下に段積み可能である。以下では、段積み時の下段側容器と上段側容器とについて説明するが、上記容器1と実質的に共通する部分には同一の符号を付することによって、詳しい説明を省略する。更に、下段側容器に関する符号には英文字の「L」を添付し、上段側容器に関する符号には英文字の「U」を添付する。
【0067】
段積み時においては、
図14に表されたように、下段側容器1Lの容器本体10Lに対して、上段側容器1Uの容器本体10Uが載せられる。その際には、
図15に表されたように、下段側容器1Lにおいて、容器本体10Lの係止部76Lに仕切板110Lの被係止部138Lが係止された状態にあり、そのような状態の被係止部138Lを構成する第2上面120Lに対して、上段側容器1Uの容器本体10Uの隣合部60Uを構成する上面21Uが載上する。
【0068】
また、下段側容器1Lの仕切板110Lの傾斜面122Lに対し、上段側容器1Uの容
器本体10Uの隣合部60Uを構成する側面29Uが間隔を置いて左右方向D3で対向する。更に、下段側容器1Lの仕切板110Lの第1上面118Lに対し、上段側容器1Uの容器本体10Uの横リブ28U及び縁周リブ24Uが間隔を置いて上下方向D1で対向する。この点は、上段側容器1Uの容器本体10Uの縦リブ26Uにおいても、同様である。これにより、下段側容器1Lに上段側容器1Uが段積みされた状態では、下段側容器1Lの仕切板110Lは、上段側容器1Uの容器本体10Uの縦リブ26U、横リブ28U、及び縁周リブ24Uに突き当たらない。
【0069】
更に、
図16に表されたように、下段側容器1Lの仕切支持部72Lの上面82Lにおいて、上段側容器1Uの容器本体10Uの隣合部60Uを構成する上面21Uが載上する。
【0070】
このようにして、段積みされた時の下段側容器1Lでは、容器本体10Lの一対の仕切支持部72L,72Lの各上面82L、及び一対の仕切支持部72L,72Lの間(つまり、仕切挿入部74L)に差し込まれた仕切板110Lの第2上面120Lにおいて、上段側容器1Uの容器本体10Uの隣合部60Uを構成する上面21Uが載上する。これにより、下段側容器1Lに対する上段側容器1Uの段積みが安定する。
【0071】
但し、下段側容器1Lに対する上段側容器1Uの段積みが安定するのであれば、上段側容器1Uの容器本体10Uの隣合部60Uを構成する上面21Uは、下段側容器1Lにおいて、容器本体10Lの一対の仕切支持部72L,72Lのいずれかの上面82Lのみに載上してもよいし、一対の仕切支持部72L,72Lの間(つまり、仕切挿入部74L)に差し込まれた仕切板110Lの第2上面120Lのみに載上してもよい。
【0072】
尚、段積み時においては、下段側容器1Lの仕切支持部72Lの第1傾斜面84Lに対して、上段側容器1Uの容器本体10Uの隣合部60Uを構成する側面29Uが間隔を置いて左右方向D3で対向する。これにより、下段側容器1Lに上段側容器1Uが段積みされた状態では、下段側容器1Lの各仕切支持部72Lは、上段側容器1Uの容器本体10Uの縦リブ26U、横リブ28U、及び縁周リブ24Uに突き当たらない。
【0073】
更に、上段側容器1Uが段積みされた下段側容器1Lでは、容器本体10Lの長辺側側壁部30Lの逃げ面34によって、上段側容器1Uの容器本体10Uの長辺側側壁部30Uとの干渉を防止している。
【0074】
図17及び
図18に表されたように、下段側容器1Lに上段側容器1Uが段積みされた状態では、上段側容器1Uの容器本体10Uの隣合部60Uを構成する仕切保持部68Uにおいて、下段側容器1Lの容器本体10Lの一対の仕切支持部72L,72L、及び一対の仕切支持部72L,72Lの間(つまり、仕切挿入部74L)に差し込まれた仕切板110Lが遊嵌されている。これにより、上段側容器1Uの容器本体10Uでは、隣合部60Uの各対向リブ62U,62Uに対して、下段側容器1Lの容器本体10Lの一対の仕切支持部72L,72Lの各非対向面80Lが前後方向D2で隣り合う。
【0075】
更に、上段側容器1Uの容器本体10Uの隣合部60Uを構成する傾斜リブ64Uの下端面66Uは、下段側容器1Lの容器本体10Lの一対の仕切支持部72L,72Lの各非対向面80Lから遠ざかるに連れて、上段側容器1Uの容器本体10Uの底壁部20Uに近づくように傾斜している。
【0076】
このようにして、段積み時では、下段側容器1Lの容器本体10Lの一対の仕切支持部72L,72Lは、上段側容器1Uの容器本体10Uの隣合部60Uを構成する仕切保持部68Uに遊嵌され、上段側容器1Uの容器本体10Uの隣合部60Uを構成する一対の
対向リブ62U,62U、上面21U、及び側面29に囲まれる。そのため、下段側容器1Lに上段側容器1Uが段積みされた状態では、下段側容器1Lの容器本体10Lの前方側上部が前側開口部14Lで開放されているにも拘わらず、下段側容器1Lに対する上段側容器1Uの段積みが安定する。
【0077】
(5)まとめ
以上詳細に説明した通り、本実施形態の容器1では、容器本体10の各長辺側側壁部30の内面36に成形された一対の仕切支持部72,72の間であって、一対の仕切支持部72,72の各対向面78,78で区画された仕切挿入部74に対して、仕切板110が挿入される。これにより、容器本体10が仕切板110で仕切られる。仕切板110が仕切挿入部74に挿入された状態では、容器本体10の各長辺側側壁部30に形成された係止部76に対して、仕切板110の被係止部138が係止される。このような係止によって、容器本体10の各長辺側側壁部30は、容器本体10の外方へ移動して開くことが防止され、安定する。そのため、本実施形態の容器1では、仕切板110が容器本体10の仕切挿入部74から外れ難い。
【0078】
更に、本実施形態の容器1は、棚等に複数陳列された状態で引き出される際において、上述した係止部76と被係止部138の係止によって、容器本体10の各長辺側側壁部30の外方へ移動して開くこと、つまり、容器本体10の各長辺側側壁部30が膨らむことが防止されるので、そのような棚等からスムーズに引き出されることが可能となると共に、その引き出し作業中において、容器本体10内の収容物が、仕切板110を超えて一方の収容空間140,142,144から他方の収容空間140,142,144へ移動することが防止される。
【0079】
本実施形態の容器1では、一対の仕切支持部72,72及び仕切挿入部74に隣接する、容器本体10の各長辺側側壁部30の上端部38等が切り欠かれたような状態の係止部76に対して、仕切板110の側辺上端部130に設けられた被係止部138が係止される。このようにして、仕切板110の被係止部138が容器本体10の係止部76に係止されると、被係止部138を構成する第3側面128、及び各突出部136の左右方向D3側の側面(仕切板110の外方側の側面)が、長辺側側壁部30の上端部38の外面39と略面一となる。そのため、本実施形態の容器1は、効率よく棚等に並べて複数陳列させることが可能となると共に、棚等に複数陳列された状態で引き出される際において、仕切板110の被係止部138が隣の容器1に引っ掛かることが防止されるので、そのような棚等から一層にスムーズに引き出されることが可能となる。
【0080】
本実施形態の容器1では、上下の段積み状態において、上段側容器1Uの容器本体10Uの底壁部20Uの外面22Uに設けられた隣合部60Uの各対向リブ62Uは、下段側容器1Lの容器本体10Lの一対の仕切支持部72L,72Lの各非対向面80Lに対して前後方向D2で隣り合う。そのため、本実施形態の容器1では、上下の段積みが行われると、上段側容器1Uの容器本体10Uの隣合部60Uによって、下段側容器1Lの容器本体10Lの一対の仕切支持部72L,72Lが互いに離間する方向(つまり、前後方向D2)へ移動して開くことが防止されるので、仕切板110Lが容器本体10Lの仕切挿入部74Lから一層に外れ難くなる。
【0081】
更に、本実施形態の容器1は、上下の段積みが行われると、下段側容器1Lの容器本体10Lの一対の仕切支持部72L,72Lによって、上段側容器1Uの容器本体10Uの隣合部60Uの位置決めが行われ、下段側容器1Lの容器本体10Lと上段側容器1Uの容器本体10Uのガタツキが防止されるので、上下の段積み状態が安定する。
【0082】
本実施形態の容器1は、上下の段積み状態になると、上段側容器1Uの容器本体10U
の隣合部60Uを構成する傾斜リブ64Uの下端面66Uは、その隣合部60Uと隣り合う下段側容器1Lの容器本体10Lの仕切支持部72Lの位置から遠ざかるに連れて、その隣合部60Uが設けられた底壁部20Lに近づくように傾斜している。
【0083】
そのため、本実施形態の容器1では、段積み時において、下段側容器1Lの容器本体10L(の仕切支持部72L)に載上された上段側容器1Uの容器本体10Uをスライドさせると、下段側容器1Lの容器本体10Lの仕切支持部72Lに対して、上段側容器1Uの容器本体10U(の隣合部60U)の傾斜リブ64Uの下端面66Uがスムーズに滑ることが可能となるので、上下の段積みが行われる際の作業性が良好である。
【0084】
ちなみに、本実施形態において、容器本体10Lは、「下段側容器本体」の一例である。長辺側側壁部30は、「側壁部」の一例である。長辺側側壁部30の上端部38の外面39は「側壁部の外面」の一例である。隣合部60の傾斜リブ64は、「リブ」の一例である。各対向面78,78は、「一対の仕切支持部の互いに対向する面」の一例である。各非対向面80,80は、「一対の仕切支持部の非対向面」の一例である。仕切板110の第3側面128、及び各突出部136の左右方向D3側の側面(仕切板110の外方側の側面)は、「被係止部の外面」の一例である。
【0085】
(6)変更例
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本実施形態の容器1は、直方体状に形作られているが、立方体状に形作られてもよい。
【0086】
また、本実施形態の容器1では、仕切板110の被係止部138が容器本体10の係止部76に係止された状態において、被係止部138を構成する第3側面128、及び各突出部136の左右方向D3側の側面(仕切板110の外方側の側面)が、長辺側側壁部30の上端部38の外面39とは段差が無いフラットな状態、つまり面一であってもよいし、長辺側側壁部30の上端部38の外面39から僅かに容器本体10の外方へずれた状態で配置されてもよい。
【0087】
また、本実施形態の容器1において、容器本体10の係止部76は、長辺側側壁部30の上端部38のみが切り欠かれた状態であってもよい。
【0088】
また、下段側容器1Lに上段側容器1Uが段積みされた状態では、上段側容器1Uの容器本体10Uの隣合部60Uの各対向リブ62U,62Uに対して、下段側容器1Lの容器本体10Lの一対の仕切支持部72L,72Lの各非対向面80Lが隣接してもよい。
【0089】
また、本実施形態の容器1では、長辺側側壁部30の下辺側に前後方向D2に沿って設けられた一対の隣合部60,60において、横リブ28A,28Bの対向側(つまり、容器本体10の内方側)の対向リブ62及び傾斜リブ64を省いてもよいし、あるいは、横リブ28A,28Bの非対向側(つまり、容器本体10の外方側)の対向リブ62及び傾斜リブ64を省いてもよい。