特許第6979222号(P6979222)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6979222
(24)【登録日】2021年11月17日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】網戸
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/52 20060101AFI20211125BHJP
   E06B 3/12 20060101ALI20211125BHJP
   E06B 5/11 20060101ALI20211125BHJP
【FI】
   E06B9/52 E
   E06B3/12
   E06B5/11 Z
   E06B9/52 C
   E06B9/52 M
【請求項の数】11
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-123158(P2019-123158)
(22)【出願日】2019年7月1日
(65)【公開番号】特開2021-8751(P2021-8751A)
(43)【公開日】2021年1月28日
【審査請求日】2020年12月22日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成31年3月1日にソーシャルワイヤー株式会社が運営するウェブサイトにて発表
(73)【特許権者】
【識別番号】398020220
【氏名又は名称】株式会社長尾木鋼
(74)【代理人】
【識別番号】110002158
【氏名又は名称】特許業務法人上野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長尾 英二
(72)【発明者】
【氏名】玉腰 昌誠
【審査官】 野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3091658(JP,U)
【文献】 特開2016−37771(JP,A)
【文献】 特開2016−37770(JP,A)
【文献】 特表2011−526333(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/52
E06B 3/12
E06B 5/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上框、下框、および左右の縦框が枠組みされた框体と、
前記框体の開口部を塞ぐ金属製の網材と、
前記框体の室外側の面との間に前記網材を挟む型材である網押えと、を備え、
前記框体、前記網材、および前記網押えは、室内側から差し込まれる締結具で結合され、
前記締結具の先端は前記網押えの内部に留まり、室外側からは視認不能であり、
前記網押えおよび/または前記框体は、前記網押えの前記框体からの剥離を係止する係合部を有し、
前記係合部は、
前記網押えの前記開口部側への移動と、
前記網押えの少なくとも前記框体との係合箇所の室外側への移動と、を係止することを特徴とする網戸。
【請求項2】
前記係合部は、
前記網押えに設けられた爪部と、
前記框体に設けられた爪受け部と、により構成され、
前記爪部は、前記網押えから前記框体側に延び、その先端が前記開口部側に向かって折り曲げられた断面視略L字形の鉤状部であり、
前記爪受け部は、前記爪部の先端が掛けられる鉤状部または凹部であることを特徴とする請求項1に記載の網戸。
【請求項3】
上框、下框、および左右の縦框が枠組みされた框体と、
前記框体の開口部を塞ぐ金属製の網材と、
前記框体の室外側の面との間に前記網材を挟む型材である網押えと、を備え、
前記框体、前記網材、および前記網押えは、室内側から差し込まれる締結具で結合され、
前記締結具の先端は前記網押えの内部に留まり、室外側からは視認不能であり、
前記網押えおよび/または前記框体は、前記網押えの前記框体からの剥離を係止する係合部を有し、
前記框体および前記網押えには、これらの対向面に、前記網材との接触音を軽減する弾性部材である防振材が取り付けられていることを特徴とする網戸
【請求項4】
上框、下框、および左右の縦框が枠組みされた框体と、
前記框体の開口部を塞ぐ金属製の網材と、
前記框体の室外側の面との間に前記網材を挟む型材である網押えと、を備え、
前記框体、前記網材、および前記網押えは、室内側から差し込まれる締結具で結合され、
前記締結具の先端は前記網押えの内部に留まり、室外側からは視認不能であり、
前記網押えおよび/または前記框体は、前記網押えの前記框体からの剥離を係止する係合部を有し、
前記上框はその下面に、作業者が室内側から指を掛けることができるヒレ状の板状部または凹部が設けられていることを特徴とする網戸
【請求項5】
上框、下框、および左右の縦框が枠組みされた框体と、
前記框体の開口部を塞ぐ金属製の網材と、
前記框体の室外側の面との間に前記網材を挟む型材である網押えと、を備え、
前記框体、前記網材、および前記網押えは、室内側から差し込まれる締結具で結合され、
前記締結具の先端は前記網押えの内部に留まり、室外側からは視認不能であり、
前記網押えおよび/または前記框体は、前記網押えの前記框体からの剥離を係止する係合部を有し、
前記網押えを前記框体に仮固定する固定具をさらに備え、
前記網押えは、前記上框、前記下框、および左右の前記縦框にそれぞれ装着され、
前記上框用および前記下框用の前記網押えは、左右の前記縦框用の前記網押えの間に配置され、
前記固定具は、
前記縦框用網押えの上下の端部のどちらかに固定される第1結合部と、
前記框体の、室外側から視認不能な面である裏面に掛けられる第2結合部と、
前記上框用網押えの上面、または前記下框用網押えの下面を押さえる第3結合部と、を有することを特徴とする網戸
【請求項6】
上框、下框、および左右の縦框が枠組みされた框体と、
前記框体の開口部を塞ぐ金属製の網材と、
前記框体の室外側の面との間に前記網材を挟む型材である網押えと、を備え、
前記框体、前記網材、および前記網押えは、室内側から差し込まれる締結具で結合され、
前記締結具の先端は前記網押えの内部に留まり、室外側からは視認不能であり、
前記網押えおよび/または前記框体は、前記網押えの前記框体からの剥離を係止する係合部を有し、
前記框体は中桟をさらに有し、
前記中桟の室外側の面との間に前記網材を挟む型材である中桟用網押えをさらに備え、
前記中桟用網押えおよび/または前記中桟は、該中桟用網押えの上下方向への移動を係止する中桟用係合部を有しており、
前記中桟用網押えの左右への移動は、前記各縦框に装着された前記網押えにより係止されることを特徴とする網戸
【請求項7】
上框、下框、および左右の縦框が枠組みされた框体と、
前記框体の開口部を塞ぐ金属製の網材と、
前記框体の室外側の面との間に前記網材を挟む型材である網押えと、を備える網戸であって、
前記框体、前記網材、および前記網押えは、室内側から差し込まれる締結具で結合され、
前記締結具の先端は前記網押えの内部に留まり、室外側からは視認不能であり、
前記網押えおよび/または前記框体は、前記網押えの前記框体からの剥離を係止する係合部を有し、
上枠、下枠、および左右の縦枠が枠組みされた枠体である外枠をさらに備え、
戸先側の前記縦框である戸先框は2枚の板状部である框側ヒレを有し、
前記框側ヒレの前記各板状部は、その板面を室内外に向け、前記戸先框からその閉方向側に突き出しており、
前記戸先框がその閉時に接する前記縦枠は一枚の板状部である枠側ヒレを有し、
前記枠側ヒレは、その板面を室内外に向け、前記外枠の枠内側に突き出しており、
前記枠側ヒレは、前記網戸の閉時に、前記框側ヒレの前記2枚の板状部の間の空間である収容部に飲み込まれ、
前記収容部には、前記枠側ヒレを飲み込んだときの該収容部内の隙間を埋める型材である補強部材が取り付けられていることを特徴とする網戸
【請求項8】
上框、下框、および左右の縦框が枠組みされた框体と、
前記框体の開口部を塞ぐ金属製の網材と、
前記框体の室外側の面との間に前記網材を挟む型材である網押えと、を備える網戸であって、
前記框体、前記網材、および前記網押えは、室内側から差し込まれる締結具で結合され、
前記締結具の先端は前記網押えの内部に留まり、室外側からは視認不能であり、
前記網押えおよび/または前記框体は、前記網押えの前記框体からの剥離を係止する係合部を有し、
上枠、下枠、および左右の縦枠が枠組みされた枠体である外枠をさらに備え、
戸先側の前記縦框である戸先框は2枚の板状部である框側ヒレを有し、
前記框側ヒレの前記各板状部は、その板面を室内外に向け、前記戸先框から前記網戸の閉方向側に突き出しており、
前記網戸の閉時における前記戸先框近傍の前記縦枠は一枚の板状部である枠側ヒレを有し、
前記枠側ヒレは、その板面を室内外に向け、前記外枠の枠内側に突き出しており、
前記枠側ヒレには別体の型材である増設枠が取り付けられ、
前記増設枠は、前記網戸の閉時において、前記框側ヒレの前記2枚の板状部の間の空間である収容部にその一部が飲み込まれることを特徴とする網戸
【請求項9】
前記増設枠は、
前記枠側ヒレの室外側の面に押し当てられる基部と、
前記基部から前記戸先框の前記収容部内に回り込むように屈曲した目隠し部と、
前記基部から前記枠側ヒレの室内側に回り込むように屈曲した引っ張り部と、を有し、
前記引っ張り部にはねじ穴が設けられており、
前記ねじ穴に締め込まれたねじの先端が前記枠側ヒレの室内側の面に当たり、前記引っ張り部が前記基部を室内側に引っ張ることで、前記増設枠は前記枠側ヒレに固定されることを特徴とする請求項8に記載の網戸。
【請求項10】
上框、下框、および左右の縦框が枠組みされた框体と、
前記框体の開口部を塞ぐ金属製の網材と、
前記框体の室外側の面との間に前記網材を挟む型材である網押えと、を備え、
前記框体、前記網材、および前記網押えは、室内側から差し込まれる締結具で結合され、
前記締結具の先端は前記網押えの内部に留まり、室外側からは視認不能であり、
前記網押えおよび/または前記框体は、前記網押えの前記框体からの剥離を係止する係合部を有し、
戸車をさらに備え、
前記戸車の高さは室内側からのみ調節可能であることを特徴とする網戸
【請求項11】
上框、下框、および左右の縦框が枠組みされた框体と、
前記框体の開口部を塞ぐ金属製の網材と、
前記框体の室外側の面との間に前記網材を挟む型材である網押えと、を備え、
前記框体、前記網材、および前記網押えは、室内側から差し込まれる締結具で結合され、
前記締結具の先端は前記網押えの内部に留まり、室外側からは視認不能であり、
前記網押えおよび/または前記框体は、前記網押えの前記框体からの剥離を係止する係合部を有し、
上枠、下枠、および左右の縦枠が枠組みされた枠体である外枠をさらに備え、
前記外枠、または該外枠に設置される他の障子と結合される施錠部をさらに有し、
前記施錠部は、前記外枠または前記他の障子が有する対となる施錠部とともに、クレセント錠または鎌錠を構成することを特徴とする網戸
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は網戸に関し、特に、金属製の網材を用いた防犯網戸に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1および2には、ステンレス製の金網が張られた防犯網戸が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−37770号公報
【特許文献2】特開2016−37771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記各特許文献の防犯網戸は、金網の四辺を折り曲げてこれを金属製の型材に掛け、その型材とともに金網を框体に固定している。これにより金網自体の剛性が框体に対する金網の固定力にも利用され、網戸全体としての強度が高められる。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、このような高強度の金網を用いた網戸について、その防犯性能や生産効率のさらなる向上を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の網戸は、上框、下框、および左右の縦框が枠組みされた框体と、前記框体の開口部を塞ぐ金属製の網材と、前記框体の室外側の面との間に前記網材を挟む型材である網押えと、を備え、前記框体、前記網材、および前記網押えは、室内側から差し込まれる締結具で結合され、前記締結具の先端は前記網押えの内部に留まり、室外側からは視認不能であり、前記網押えおよび/または前記框体は、前記網押えの前記框体からの剥離を係止する係合部を有することを要旨とする。
【0007】
本発明の網戸は、金属製の網材を框体と網押えとの間に挟み、これらを室内側からねじ等の締結具を差し込んで結合し、さらに、框体からの網押えの剥離を係合部で係止することをその特徴としている。サッシに用いられる型材を形成する各板の厚みは一般に1−3mm程度である。このような薄肉の板や金属網を例えばねじで結合する場合、ねじの固定力はこれらの厚み分しか作用せず、これらはねじの軸線方向に引っ張られる力に比較的脆弱である。本発明の網戸は、網押えで締結具を室外側から隠し、網押えの剥離を締結具だけでなく係合部でも係止することにより、締結具による結合箇所を外部から保護することができる。
【0008】
このとき、前記係合部は、前記網押えの前記開口部側への移動と、前記網押えの少なくとも前記框体との係合箇所の室外側への移動と、を係止することが好ましい。
【0009】
網材が大きな力で押されると、締結部は網材によって開口部側に引っ張られる。ここで、網押えの開口部側への移動が框体に係止されない場合、網押えは締結部の傾きを阻止することができず、締結部が傾くことで、締結部の軸線方向に向かう成分を含む力が締結部や網材、網押えに加えられることになる。網押えの開口部側への移動が框体に係止されることにより、網材が大きな力で押されても網押えが締結具の傾きを防ぎ、締結具にはその胴部にせん断方向の力のみが加わることになる。これにより締結具による網材の保持力が高められる。そして、網押えのその少なくとも係合箇所の室外側への移動が係止されれば、係合部と締結具とが組み合わされることで、網押えを外部から引き剥がすことが困難になる。
【0010】
またこのとき、前記係合部は、前記網押えに設けられた爪部と、前記框体に設けられた爪受け部と、により構成され、前記爪部は、前記網押えから前記框体側に延び、その先端が前記開口部側に向かって折り曲げられた断面視略L字形の鉤状部であり、前記爪受け部は、前記爪部の先端が掛けられる鉤状部または凹部であることが好ましい。かかる爪部および爪受け部で係合部を構成することにより、網押えと框体との係合箇所が外部から隠され、例えば係合部に工具などを差し込んで網押えを引き剥がすことが困難になる。
【0011】
また、本発明の前記網材は、鋼またはステンレス鋼からなり、前記網材の線径は0.6mm乃至1.2mmであることが好ましい。切断が困難な線材を用いることにより、網戸の防犯性をさらに高めることができる。
【0012】
また、本発明の前記框体および前記網押えには、これらの対向面に、前記網材との接触音を軽減する弾性部材である防振材が取り付けられていることが好ましい。
【0013】
また、本発明の前記上框は、その下面に、作業者が室内側から指を掛けることができるヒレ状の板状部または凹部が設けられていることが好ましい。本発明の網戸は金属製の網材や網押えを備えており、一般的な網戸よりも重い。また、一般にガラス戸を取り付けた後で取り付けられる網戸は、網戸の左右の框をしっかりと掴んで取り付けることができない。上框の下面に指が引っかけられることで、作業者は本発明の網戸をより安全に着脱することができる。
【0014】
また、本発明の網戸は、前記網押えを前記框体に仮固定する固定具をさらに備え、前記網押えは、前記上框、前記下框、および左右の前記縦框にそれぞれ装着され、前記上框用および前記下框用の前記網押えは、左右の前記縦框用の前記網押えの間に配置され、前記固定具は、前記縦框用網押えの上下の端部のどちらかに固定される第1結合部と、前記框体の、室外側から視認不能な面である裏面に掛けられる第2結合部と、前記上框用網押えの上面、または前記下框用網押えの下面を押さえる第3結合部と、を有することが好ましい。固定具で網押えを仮固定することにより、網押えの取り付け後に網戸を容易に裏返すことができる。
【0015】
また、本発明の網戸は、前記框体は中桟をさらに有し、前記中桟の室外側の面との間に前記網材を挟む型材である中桟用網押えをさらに備え、前記中桟用網押えおよび/または前記中桟は、該中桟用網押えの上下方向への移動を係止する中桟用係合部を有しており、前記中桟用網押えの左右への移動は、前記各縦框に装着された前記網押えにより係止される構成としてもよい。
【0016】
また、本発明の網戸は、上枠、下枠、および左右の縦枠が枠組みされた枠体である外枠をさらに備え、戸先側の前記縦框である戸先框は2枚の板状部である框側ヒレを有し、前記框側ヒレの前記各板状部は、その板面を室内外に向け、前記戸先框からその閉方向側に突き出しており、前記戸先框がその閉時に接する前記縦枠は一枚の板状部である枠側ヒレを有し、前記枠側ヒレは、その板面を室内外に向け、前記外枠の枠内側に突き出しており、前記枠側ヒレは、前記網戸の閉時に、前記框側ヒレの前記2枚の板状部の間の空間である収容部に飲み込まれ、前記収容部には、前記枠側ヒレを飲み込んだときの該収容部内の隙間を埋める型材である補強部材が取り付けられていることが好ましい。補強部材により框体自体の剛性が高められる。そして、収容部の隙間が除去されることで、収容部内に工具を差し込んで網戸を引きはがすことが困難になる。
【0017】
また、本発明の網戸は、上枠、下枠、および左右の縦枠が枠組みされた枠体である外枠をさらに備え、戸先側の前記縦框である戸先框は2枚の板状部である框側ヒレを有し、前記框側ヒレの前記各板状部は、その板面を室内外に向け、前記戸先框から前記網戸の閉方向側に突き出しており、前記網戸の閉時における前記戸先框近傍の前記縦枠は一枚の板状部である枠側ヒレを有し、前記枠側ヒレは、その板面を室内外に向け、前記外枠の枠内側に突き出しており、前記枠側ヒレには別体の型材である増設枠が取り付けられ、前記増設枠は、前記網戸の閉時において、前記框側ヒレの前記2枚の板状部の間の空間である収容部にその一部が飲み込まれる構成としてもよい。増設枠で戸先框と外枠の隙間を覆うことで、これらの間に工具を差し込んで網戸を引きはがすことが困難になる。かかる構成は持ち出し式の枠に網戸を設置するときに特に有効である。
【0018】
このとき、前記増設枠は、前記枠側ヒレの室外側の面に押し当てられる基部と、前記基部から前記戸先框の前記収容部内に回り込むように屈曲した目隠し部と、前記基部から前記枠側ヒレの室内側に回り込むように屈曲した引っ張り部と、を有し、前記引っ張り部にはねじ穴が設けられており、前記ねじ穴に締め込まれたねじの先端が前記枠側ヒレの室内側の面に当たり、前記引っ張り部が前記基部を室内側に引っ張ることで、前記増設枠は前記枠側ヒレに固定されることが好ましい。このような増設枠を用いることにより、既設の枠側ヒレに対して特別な加工を行うことなく増設枠を取り付けることが可能となる。
【0019】
また、本発明の網戸は、戸車をさらに備え、前記戸車の高さは室内側からのみ調節可能であることが好ましい。室外側からの戸車の操作をできなくすることにより、例えば網戸とこれが設置される外枠との隙間を大きくするように戸車が操作され、その隙間を使って網戸が外枠から取り外されてしまうことを防ぐことができる。
【0020】
また、本発明の網戸は、上枠、下枠、および左右の縦枠が枠組みされた枠体である外枠をさらに備え、前記外枠、または該外枠に設置される他の障子と結合される施錠部をさらに有し、前記施錠部は、前記外枠または前記他の障子が有する対となる施錠部とともに、クレセント錠または鎌錠を構成することが好ましい。網戸の施錠部としてクレセント錠や鎌錠を用いることにより、網戸を室外側に引き剥がすことがより困難となる。
【発明の効果】
【0021】
このように、本発明の網戸によれば、高強度の金網を用いた網戸について、その防犯性能や生産効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の網戸の一例である網戸を室外側から見た外観図である。
図2】金網の固定構造を示す分解斜視図である。
図3】上框および上框用網押えによる金網の固定構造を示す側面視断面図である。
図4】中桟および中桟用網押えによる金網の固定構造を示す側面視断面図である。
図5】網戸の戸先框の補強構造を示す平面視断面図である。
図6】網押さえの仮固定構造を示す斜視図である。
図7】仮固定キャップの形状を示す斜視図および側面図である。
図8】網戸の戸車の構造を示す斜視図である。
図9】本発明の網戸の他の実施形態に用いられる外枠を室内側から見た内観図である。
図10】外枠に取り付けられる増設枠の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。以下の説明において「上下」とは、各図に描かれた座標軸のZ軸に平行な方向をいい、Z側を「上」、Z側を「下」とする。「左右」とは同座標軸のX軸に平行な方向をいい、X側を「右」、X側を「左」とする。同様に、「室内側」および「室外側」とは、同座標軸のY軸に平行な方向をいい、Y側を「室外側」、Y側を「室内側」とする。
【0024】
<基本構造>
図1は本発明の網戸の一例である網戸Sを室外側から見た外観図である。図2は、網戸Sが有する金網20の固定構造を示す分解斜視図である。図2(a)は上框用網押え31の装着手順を示す説明図であり、図2(b)は係合部50の部分拡大図である。以下、図1および図2を参照して網戸Sの基本構造について説明する。
【0025】
本形態の網戸Sは、框体10の開口部19に高強度の金網20が張られた防犯網戸である。網戸Sは、略角筒形状の型材である網押え30を有しており、金網20を框体10の室外側の面と網押え30との間に挟んで固定している。
【0026】
框体10は、上框11、下框12、左右の縦框である右框13、左框14、および中桟15が矩形に枠組みされた枠体である。
【0027】
網押え30は框体10を構成する各框にそれぞれ装着されている。具体的には、上框11には上框用網押え31が、下框12には下框用網押え32が、右框13には右框用網押え33が、左框14には左框用網押え34が、中桟15には中桟用網押え35がそれぞれ取り付けられている。上框用網押え31、下框用網押え32、および中桟用網押え35は、左右の縦框用網押え33,34の間に配置されている。本形態の框体10および網押え30はアルミ製の型材であるが、ステンレスや他の金属材料を用いることもできる。なお、本発明でいう「型材」とは、押出材には限られず、金属製の長手材全般を意味している。
【0028】
金網20は、高張力鋼であるSUS316の線径0.8mmの線材を、網目の目合いが1.5mmとなるよう平織りした網材である。なお、ここでいう「高張力鋼」とは、引張強さが490MPa以上の鋼材をいう。網戸Sは切断が困難な線材を用いることで高い防犯性能を実現している。本発明の網材は金網20には限られず、要求される防犯性能や許容されるコスト等に応じて、例えばSUS304などの他のステンレス鋼や、スチール、チタン、アルミ、銅、真鍮、インコネル(登録商標)、ハステロイ(登録商標)など、他の金属材料からなる線材を用いてもよい。また、線材の線径も0.8mmには限られない。線径が0.6mmから1.2mmの範囲内であれば高い防犯性能と意匠性・眺望性とをバランス良く両立させることができる。また、網材の目合いについても、主に人や鳥獣の侵入を防ぐためのものなのか、それとも蚊などの小さな虫の侵入も防ぐ必要があるのか、など、その用途に応じて適宜調節すればよい。
【0029】
また、網戸Sは図示しない施錠部を備えている。施錠部は他のガラス戸や外枠に設けられた対となる施錠部と結合され、網戸Sの位置を固定する。網戸Sの施錠部はクレセント錠か、またはいわゆる戸先鎌錠などの鎌錠である。網戸Sの施錠部としてクレセント錠や鎌錠が用いられることにより網戸Sを室外側に引き剥がすことがより困難になる。なお、網戸Sの施錠部には、これらクレセント錠や鎌錠に加え、シリンダー錠や、押し込み方式の嵌合片、いわゆるファスナーロック等の補助錠などを組み合わせて使用しても良い。
【0030】
<網材の固定構造>
図3は、框体10および網押え30による金網20の固定構造を示す断面図である。なお、図3では上框11と上框用網押え31が例として示されているが、以下に説明する網材の固定構造は、中桟15および中桟用網押え31を除く他の框12−14と網押え32−34にも共通している。
【0031】
上框11、網材20、および上框用網押え31は、室内側から差し込まれる締結具であるねじ40で結合される。ねじ40は、上框11、網材20、および、上框用網押え31の室内側の面を貫通しており、ねじ40の先端は上框用網押え31の内部に留まっている。ねじ40の先端や、これら上框11、網材20、および上框用網押え31の結合部は上框用網押え31に覆われており、外部からは見えない。
【0032】
上框11および上框用網押え31は、上框用網押え31の剥離を係止する係合部50を有している。係合部50は、上框用網押え31に設けられた爪部51と、上框11に設けられた爪受け部52とにより構成されている。爪部51は、上框用網押え31の上端部から上框11側に延び、その先端が下方に折り曲げられた断面視略L字形の鉤状部である。爪受け部52も同様に、爪部51の先端が引っ掛けられる断面視略L字形の鉤状部である。係合部50により上框用網押え31は、下方への移動と、係合部50の係合箇所の室外側への移動が係止される。
【0033】
他の框12−14および網押え32−34も同構造の係合部50を有している。より一般化して説明すると、各網押え30の爪部51は、各網押え30における開口部19側とは反対側の端部から室内側に延び、その先端が開口部19側に折り曲げられた断面視略L字形の鉤状部である。爪受け部52も同様に、爪部51の先端が引っ掛けられる断面視略L字形の鉤状部である。係合部50により各框用網押え30は、開口部19側への移動と、係合部50の係合箇所の室外側への移動が係止される。
【0034】
網戸Sは、框体10と網押え30との間に金網20を挟み、これらを室内側からねじ40を差し込んで結合し、さらに、網押え30の剥離を係合部50で係止している。サッシに用いられる型材を形成する各板の厚みは一般に1−3mm程度である。このような薄肉の板や金属網をねじで結合する場合、ねじの固定力はこれらの厚み分しか作用しないため、これらの部材はねじの軸線方向に引っ張られる力に比較的脆弱である。網戸Sは、網押え30でねじ40を室外側から隠すとともに、網押え30の剥離をねじ40だけでなく係合部50でも係止することにより、ねじ40による結合箇所を外部から保護している。
【0035】
また、金網20が大きな力で押された場合、ねじ40は金網20によって開口部19側に引っ張られる。ここで、網押え30の開口部19側への移動が框体10に係止されない場合、網押え30はねじ40の傾きを阻止することができず、ねじ40が傾くことで、ねじ40の軸線方向に向かう成分を含む力がねじ40や金網20、網押え30に加えられる。網戸Sでは、網押え30の開口部19側への移動が框体10に係止されることにより、金網20が大きな力で押されても網押え30によりねじ40の傾きが防止され、ねじ40にはその胴部にせん断方向の力のみが加わることになる。これにより網戸Sでは、ねじ40による金網20の保持力が高められている。さらに網押え30は、その係合部50の係合箇所が室外側に移動することも係止される。このような係合部50とねじ40とが組み合わされることにより、框体10から網押え30を引き剥がすことが困難になる。
【0036】
さらに、本形態では断面視略L字形の爪部51と爪受け部52とで係合部50が構成され、爪部51の先端が開口部19側に折り曲げられることで、係合部50の係合箇所が外部から隠されている。よって係合部50に工具などを差し込んで係合を解除することは困難である。なお、爪受け部52は本形態のような鉤状部には限られず、爪部51の先端が嵌合される凹部であってもよい。
【0037】
なお、本発明の係合部の具体構造は係合部50の形態には限られない。本発明の係合部は、網押え30および/または框体10に設けられ、網押え30が框体10から剥離することを係止可能な構造であればよく、公知の種々の係合構造を採用することができる。
【0038】
図4は、中桟15および中桟用網押え35による金網20の固定構造を示す側面視断面図である。図2に示すように金網20は2枚の網材で構成されており、中桟15および中桟用網押え35はこれら網材の境目を固定する。
【0039】
中桟15、網材20、および中桟用網押え35は、室内側から差し込まれる締結具であるねじ40で結合される。ねじ40は、中桟15、網材20、および、中桟用網押え35の室内側の面を貫通しており、ねじ40の先端は中桟用網押え35の内部に留まっている。ねじ40の先端や、ねじ40によるこれら中桟15、網材20、および中桟用網押え35の結合部は中桟用網押え35に覆われており、外部からは見えない。
【0040】
中桟15および中桟用網押え35は、中桟用網押え35の上下方向への移動を係止する中桟用係合部55を有している。中桟用係合部55は、中桟用網押え35に設けられた凸部56と、中桟15に設けられた凹部57とにより構成されている。凸部56はヒレ状の板部である。凸部56はその板面を上下に向け、中桟用網押え35の室内側の面から中桟15側に突き出している。凹部57は凸部56が嵌合される溝部である。凸部56が凹部57に嵌合されることにより中桟用網押え35は上下方向への移動が係止される。また、中桟用網押え55の左右への移動は縦框用網押え33,34により係止される。中桟15および中桟用網押え35による金網20の固定効果は、上述の框11−14および網押え31−34による効果と同様である。
【0041】
<騒音防止構造>
図3および図4に示すように、框体10および網押え30には、これらの対向面に、金網20との接触音を軽減するゴム部材である防振材60が取り付けられている。防振材60で金網20を挟み込むことにより金網20の振動が抑えられ、框体10または網押え30に金網20が直接触れることによる騒音が軽減される。
【0042】
<指掛け構造>
また、図3に示すように、上框11はその下面11aに、作業者が室内側から指を掛けることができる板状部である指掛けヒレ111が設けられている。網戸Sは金網20や網押え30を備え、框体10も堅牢な作りであるため、一般的な網戸よりも重い。また、一般にガラス戸を取り付けた後で取り付けられる網戸は、その取り付け時に左右の框をしっかりと把持することが困難である。網戸Sでは上框11に指掛けヒレ111が設けられていることにより、作業者は網戸Sをより安全に着脱することができる。なお、例えば上框11の下面11aに凹部を設けて指を掛けられるようにすることも考えられる。
【0043】
<戸先框の補強構造>
図5は、網戸Sの戸先框の補強構造を示す平面視断面図である。以下、図5を参照して説明する。
【0044】
網戸Sは、上枠、下枠、および左右の縦枠が枠組みされた図示しない枠体である外枠に設置される。以下の説明における「戸先框」とは、網戸Sを閉じたときに外枠の一方の縦枠93に接する縦框をいい、本形態では右框13が戸先框である。以下、戸先框にも右框13と同じ符号を付して説明する。また、「閉方向」とは網戸Sを閉じるときに網戸Sを動かす方向をいい、本形態では右方向(X方向)である。
【0045】
戸先框13は2枚の板状部である框側ヒレ131を有している。各框側ヒレ131は、その板面を室内外に向け、戸先框13から閉方向側に突き出している。網戸Sの閉時に戸先框13が接する縦枠93は、一枚の板状部である枠側ヒレ931を有している。枠側ヒレ931は、その板面を室内外に向け、外枠の内側に突き出している。枠側ヒレ931は、網戸Sが閉じられたときに、2枚の框側ヒレ131の間の空間である収容部132に飲み込まれる。
【0046】
戸先框13の収容部132には、枠側ヒレ931を飲み込んだときの余剰な隙間を埋める補強部材133がねじ固定されている。補強部材133は断面形状が略コの字形の型材である。収容部132に補強部材133が取り付けられることにより、戸先框13自体の剛性が高められるとともに、収容部132内の隙間が除去される。これにより、例えば収容部132内に工具を差し込んで網戸Sを引き剥がすような行為が阻止される。なお、本形態の補強部材133はアルミ製の型材であるが、ステンレスや他の金属材料を用いることもできる。
【0047】
<網押さえの仮固定構造>
図6は、網押さえ30の仮固定構造を示す斜視図である。図7は仮固定キャップ70の形状を示す図である。図7(a)は仮固定キャップ70の斜視図であり、図7(b)は仮固定キャップ70の側面図である。以下、図6および図7を参照して網押さえ30の仮固定構造について説明する。
【0048】
網戸Sは、その組立時に、網押え30を仮固定した状態で網戸Sを裏返すための固定具である4つの仮固定キャップ70を有している。仮固定キャップ70は、左右の縦框用網押え33,34の上下の端部のどちらかに固定される第1結合部71と、框体10の裏面に引っ掛けられる第2結合部721,722と、上框用網押え31の上面31aまたは下框用網押え32の下面32aを押さえる第3結合部73と、を有している。
【0049】
仮固定キャップ70の第1結合部71にはねじ穴711が設けられており、第1結合部71はねじで縦框用網押え33,34の端部に固定される。第2結合部721,722は框体10の裏面に掛けられる。また、框体10には第2結合部722が嵌合される穴である嵌合穴101が設けられている。なお、ここでいう「裏面」とは、框体10の内観面という意味ではなく、室外側からは見えない面という程度の意味である。第3結合部73は、網戸Sのサイズや上框用網押え31または下框用網押え32との距離に応じて、図7に示されるCやCの位置で切断されて使用されることもある。
【0050】
仮固定キャップ70が縦框用網押え33,34の各端部にねじ固定されると、縦框用網押え33,34は、第2結合部721,722により屋外側への脱落と上下方向への脱落が係止されるとともに、第2結合部722が框体10の嵌合穴101に嵌合されることで左右への脱落が係止される。そして、仮固定キャップ70の第3結合部73が上框用網押え31の上面31aおよび下框用網押え32の下面32aを押えることにより、つまり、上框用網押え31および下框用網押え32の係合部50が外れないように押さえつけることにより、上框用網押え31および下框用網押え32の脱落が防止される。なお、仮固定キャップ70の固定力は中桟用網押え35には及ばないため、中桟用網押え35については別途マスキングテープ等で仮固定される必要がある。
【0051】
このように、網戸Sに仮固定キャップ70が装着されることにより網押え30の脱落が防止され、網戸Sの組立時にこれを容易に裏返すことが可能になる。それだけでなく、仮固定キャップ70により網押さえ30が框体10に対してより強固に固定されるため、網押え30の引き剥がしがさらに困難になるという効果も得られる。
【0052】
<戸車構造>
図8は網戸Sの戸車80の構造を示す斜視図である。図8は下框12を室内側から見た図である。図8に示すように、下框12の内部には2基の戸車80がねじ固定されている。
【0053】
戸車80は、戸車80が有する車輪の上下位置を調節するねじである高さ調節ねじ81を有している。高さ調節ねじ81は金網20よりも室内側に配置されており、室内側からのみ操作することができる。また、高さ調節ねじ81は下框12の室外側の面に隠され、室外側からは見えない位置にある。網戸Sは、室外側からの戸車80の操作をできなくすることにより、例えば網戸Sとこれが設置される外枠との隙間を大きくするように戸車80が操作され、その隙間を使って網戸Sが外枠から取り外されてしまうことを防いでいる。
【0054】
<他の実施形態>
以下、本発明の網戸の他の実施形態について説明する。以下の説明では、先の実施形態と同一または同様の構成については、先の実施形態と同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0055】
図9は、本発明の網戸の他の実施形態に用いられる外枠90を室内側から見た内観図である。以下に説明する実施形態では、網戸Sは外枠90よりも室外側に設けられた持ち出し式のレール枠に設置される。網戸Sの基本的な構造は先の実施形態の網戸Sと同様であり、戸先框13から補強部材133が取り除かれている点のみが異なっている。
【0056】
外枠90は、上枠91、下枠92、左右の縦枠である右枠93、および左枠94が枠組みされた枠体であり、住宅等の壁に設けられた開口部に設置される。なお、右枠93は先の実施形態の縦枠93と同一の枠である。
【0057】
図10は外枠90に取り付けられる増設枠80の構造を示す図である。図10(a)は閉時の網戸Sに対する増設枠80の相対位置を示す平面視断面図であり、図10(b)は増設枠80の取り付け構造を示す部分拡大図である。先の実施形態と同様に、網戸Sの戸先框13には2枚の板状部である框側ヒレ131が設けられている。そして、網戸Sの閉時における戸先框13の近傍の縦枠である右枠93には、一枚の板状部である枠側ヒレ931が設けられている。
【0058】
本形態の枠側ヒレ931には、別体の型材である増設枠80が取り付けられている。図10(a)に示すように、増設枠80は、網戸Sの閉時において、框側ヒレ131の収容部132にその一部が飲み込まれる。増設枠80により戸先框13と外枠90との隙間が覆われることで、これらの間に工具を差し込んで網戸Sを引き剥がすことが困難になる。
【0059】
図10(b)に示すように、増設枠80は、枠側ヒレ931の室外側の面に押し当てられる平板部である基部81と、基部81から戸先框13の収容部132内に回り込むように屈曲した目隠し部82と、基部81から枠側ヒレ931の室内側に回り込むように屈曲した引っ張り部83と、を有している。なお、本形態の増設枠80はアルミ製の型材であるが、ステンレスや他の金属材料を用いてもよい。
【0060】
引っ張り部83にはねじ穴831が設けられており、ねじ穴831に締め込まれたねじ84の先端が枠側ヒレ931の室内側の面に当たり、これにより引っ張り部83が基部81を室内側に引っ張ることで、増設枠80は枠側ヒレ931に固定される。本形態の網戸Sは、このような増設枠80を用いることにより、既設の枠側ヒレ931に対して特別な加工を行うことなく増設枠80を取り付けることが可能とされている。
【符号の説明】
【0061】
S:網戸,10:框体,101:嵌合穴,11:上框,11a:下面,111:指掛けヒレ,12:下框,13:戸先框,右框,縦框,131:框側ヒレ,132:収容部,133:補強部材,14:左框,縦框,15:中桟,19:開口部,20:金網(網材),30:網押え,31:上框用網押え,31a:上面,32:下框用網押え,32a:下面,33:右框用網押え,34:左框用網押え,35:中桟用網押え,40:ねじ(締結具),50:係合部,51:爪部,52:爪受け部,55:中桟用係合部,56:凸部,57:凹部,60:防振材,70:仮固定キャップ(固定具),71:第1結合部,72:第2結合部,73:第3結合部,80:戸車,81:高さ調節ねじ,90:外枠,91:上枠,92:下枠,93:右枠,縦枠,931:枠側ヒレ,94:左枠,縦枠,80:増設枠,81:基部,82:目隠し部,83:引っ張り部,831:ねじ穴,84:ねじ
図1
図2
図3
図4
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図10