特許第6979224号(P6979224)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6979224
(24)【登録日】2021年11月17日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】自動充填包装装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 5/06 20060101AFI20211125BHJP
【FI】
   B65B5/06
【請求項の数】7
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2019-232984(P2019-232984)
(22)【出願日】2019年12月24日
(65)【公開番号】特開2021-100861(P2021-100861A)
(43)【公開日】2021年7月8日
【審査請求日】2021年5月7日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000103932
【氏名又は名称】オリオン機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】特許業務法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】川島 広衛
【審査官】 新田 亮二
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭53−120992(JP,A)
【文献】 特開2004−238005(JP,A)
【文献】 特開2017−190186(JP,A)
【文献】 特開平9−77003(JP,A)
【文献】 特開2013−86850(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装袋の開口端部から被包装物を押し込みながら充填するプッシャ部材と、
該プッシャ部材により被包装物を包装袋内に充填した状態で位置決めする位置決め手段と、
該プッシャ部材により被包装物を包装袋内に充填した後、該包装袋の開口端部をガセット状に折り畳む複数のガセット爪と、
前記包装袋の、前記各ガセット爪によりガセット状に折り畳んだ部分をシールしつつ、先端側の余分な部分を切断する刃付きシール装置と、を備え、
前記位置決め手段、前記各ガセット爪及び前記刃付きシール装置は、ユニット化されてなるユニット本体として構成され、
該ユニット本体と前記プッシャ部材とは、互いに近接・遠退自在に移動可能に構成され、
前記ユニット本体の各ガセット爪が前記プッシャ部材に対して後退しながら、前記プッシャ部材が前記包装袋内から完全に後退したら、前記各ガセット爪により、包装袋の開口端部をガセット状に折り畳むように制御する作動制御手段を備えることを特徴とする自動充填包装装置。
【請求項2】
前記ユニット本体の移動方向と、前記プッシャ部材の移動方向とは、同一線上にあることを特徴とする請求項1に記載の自動充填包装装置。
【請求項3】
前記作動制御手段は、前記ユニット本体と前記プッシャ部材とが互いに近接した際に、前記プッシャ部材により、被包装物が包装袋の開口端部から押し込まれて充填され、前記ユニット本体と前記プッシャ部材とが互いに遠退する際、前記ユニット本体が後退しながら前記刃付きシール装置により、包装袋のガセット状に折り畳まれた開口端部がシールされるように制御する制御ロジックを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の自動充填包装装置。
【請求項4】
前記プッシャ部材は、その外形が略直方体状に形成され、
前記プッシャ部材の進退方向両側面には、前記ガセット爪を収容する逃げ溝が進退方向全域に形成されることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の自動充填包装装置。
【請求項5】
前記ユニット本体が初期位置に後退した際に、該ユニット本体の一部と上下方向で重なるように配置され、包装袋に被包装物が充填されその開口端部がシールされた物品を前記ユニット本体から排出する排出手段を備えることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の自動充填包装装置。
【請求項6】
前記排出手段は、前記ユニット本体が前進する際、前記物品の移動を規制するストッパ部材を備えることを特徴とする請求項5に記載の自動充填包装装置。
【請求項7】
前記作動制御手段は、前記プッシャ部材が前進して被包装物を包装袋内に充填した後、該包装袋から完全に後退する前に、前記各ガセット爪により前記包装袋の開口端部を略矩形状の開口姿勢に支持する制御ロジックを備えることを特徴とする請求項3〜6いずれかに記載の自動充填包装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、紙おむつや生理用ナフキン等の被包装物を包装袋に包装するための自動充填包装装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動充填包装機は、包装袋の開口端部から被包装物を押し込みながら充填するプッシャ部材と、包装袋内に被包装物を充填した状態で位置決めする排出ストッパと、プッシャ部材に設けられ、包装袋の開口端部をガセット状に折り込むガセット形成手段と、該ガセット形成手段によりガセット状に折り込んだ部分を上下方向から押圧、加熱しながらシールすると共に、余分な部分を切断する刃付きシール装置と、を概略備えている。プッシャ部材は、長手方向に移動自在に構成される。ガセット形成手段(特許文献1参照)は、プッシャ部材の側面に設けられ、長手方向に延びるV字状凹部と、該V字状凹部の底部に長手方向に間隔を置いて複数設けられる吸引孔と、該各吸引孔に接続されるブロワー等の空気吸引源と、を概略備えている。
【0003】
そして、被包装物を包装袋に充填するには、まず、プッシャ部材により、被包装物を包装袋内に押し込むようにして充填しつつ、その状態を排出ストッパにより位置決めする。続いて、プッシャ部材を包装袋から引き抜くとき、空気吸引源により吸引孔から空気を吸い込み、包装袋内の空気を抜くと共に、包装袋の開口端部を外気圧によりプッシャ部材の側面に設けたV字状凹部に密着させてガセット状に折り込む。続いて、刃付きシール装置の上下一対のシール体を、互いに近接させてその開口端部を上下方向から折り畳むようにしてヒートシールすると共に、刃付きシール装置の上下一対のカッタ部材を互い近接させて交差させることで、シール部位から先端側の余った部分を切断する。続いて、刃付きシール装置を開きながら、排出ストッパを初期位置に戻して、包装完了した物品を排出ベルトの駆動により排出方向に沿って排出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公昭63−11054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した、従来の自動充填包装装置では、刃付きシール装置などはその位置に拘束された状態であり、プッシャ部材だけが進退運動するために、一包装袋に一被包装物を充填して包装袋の開口端部をシールするまでのトータル時間が長く、生産速度に限界がある。また、従来の自動充填包装装置では、包装袋の開口端部をガセット状に折り込む際、空気の吸引力により、包装袋の開口端部を折り込むために、その仕上がりにばらつきが発生しやすく、不良品が発生して歩留まりが悪く、改善する必要がある。
【0006】
さらに、従来の自動充填包装装置では、プッシャ部材を包装袋から引き抜くときに、包装袋の開口端部をガセット状に折り込み、刃付きシール装置によりシールしているために、包装の作業効率を上げるべく高速運転する際には、プッシャ部材の移動速度や、包装袋の開口端部をシールした後の物品の排出速度等を速める必要がある。しかしながら、このように、プッシャ部材の移動速度や物品の排出速度等を速めると、刃付きシール装置によるシール時間が短くなり、シール不良が発生しやすく、これによっても歩留まりが悪く、改善する必要がある。
【0007】
なお、上述した物品の排出速度を速める点について詳しく説明すると、従来の自動充填包装装置では、包装完了した物品が排出された後、次の包装袋内に被包装物が充填されつつ、排出ストッパにより位置決めた状態でシールされ、その後、刃付きシール装置と共に排出ストッパが開いて物品が排出される。このために、高速化するには、いかにして物品の排出速度を速めるかが問題となる。これに対処するために、サーボモータ駆動による排出ベルトの速度を速めたり、バキュームベルトを採用することが考慮される。しかしながら、排出ベルトの速度を過度に速めたりすると、シールしたての融着部が引っ張られて開く虞があり、また、排出ベルト上で物品が滑る等の現象が発生して、その場合、排出ストッパが降りて物品を損傷させる虞があり、不良品が多く発生して歩留まりが悪く、改善する必要がある。
【0008】
このように、従来の自動充填包装装置は、プッシャ部材以外はその位置に拘束された状態であり、刃付きシール装置を開き、包装袋に被包装物を充填する工程と、包装袋の開口端部をガセット状に折り込みながら刃付きシール装置を閉じる工程と、刃付きシール装置により折り込んだ部分をシールして余分な部分を切断する工程と、刃付きシール装置を開きながら、排出ストッパを初期位置に戻して、物品を排出させる工程との4工程を実行するものである。このような従来の自動充填包装装置では、高速化に対応できず、包装の作業効率を向上させることが困難であり、しかも、不良品も多く発生して、歩留まりが悪かった。
【0009】
そして、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、包装の作業効率を向上させると共に、不良品の発生を抑制して歩留まりを良好にする自動充填包装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明は、包装袋の開口端部から被包装物を押し込みながら充填するプッシャ部材と、該プッシャ部材により被包装物を包装袋内に充填した状態で位置決めする位置決め手段と、該プッシャ部材により被包装物を包装袋内に充填した後、該包装袋の開口端部をガセット状に折り畳む複数のガセット爪と、前記包装袋の、前記各ガセット爪によりガセット状に折り畳んだ部分をシールしつつ、先端側の余分な部分を切断する刃付きシール装置と、を備え、前記位置決め手段、前記各ガセット爪及び前記刃付きシール装置は、ユニット化されてなるユニット本体として構成され、該ユニット本体と前記プッシャ部材とは、互いに近接・遠退自在に移動可能に構成され、前記ユニット本体の各ガセット爪が前記プッシャ部材に対して後退しながら、前記プッシャ部材が前記包装袋内から完全に後退したら、前記各ガセット爪により、包装袋の開口端部をガセット状に折り畳むように制御する作動制御手段を備えることを特徴とするものである。
【0011】
請求項1の発明では、ユニット本体とプッシャ部材とを互いに近接・遠退させる過程において、包装袋に被包装物を充填し、当該包装袋の開口端部をガセット状に折り畳み、その部位をシールしてカットする一連の作業工程を実行することができる。その結果、従来に比べて、一包装袋に一被包装物を充填してその開口端部をシールするまでのトータル時間を短縮することができる。
要するに、請求項1の発明では、刃付きシール装置が開きながら包装袋に被包装物を充填しつつ、その状態で位置決めする工程と、包装袋の開口端部をガセット状に折り畳む工程と、折り畳まれた部位をシールしてカットする工程との3工程が、ユニット本体及びプッシャ部材を移動させながら実行することが可能になる。その結果、従来と比較すると、物品を排出する工程が含まれておらず、すなわち、高速化を実現すべく不確実な要素が多い、包装完了した物品を排出する工程を刃付きシール装置が動作する工程から切り離すことで、従来に比べて、一包装袋に一被包装物を充填してその開口端部をシールするまでのトータル時間を大幅に短縮可能で、高速化に容易に対応することができ、しかも、シール不良等の不良品の発生も抑制することができる。
【0012】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した発明において、前記ユニット本体の移動方向と、前記プッシャ部材の移動方向とは、同一線上にあることを特徴とするものである。
請求項2の発明では、自動充填包装装置の作業工程を簡素化することができ、自動充填包装装置の生産速度を速くすることができる。
【0013】
請求項3に記載した発明は、請求項1または2に記載した発明において、前記作動制御手段は、前記ユニット本体と前記プッシャ部材とが互いに近接した際に、前記プッシャ部材により、被包装物が包装袋の開口端部から押し込まれて充填され、前記ユニット本体と前記プッシャ部材とが互いに遠退する際、前記ユニット本体が後退しながら前記刃付きシール装置により、包装袋のガセット状に折り畳まれた開口端部がシールされるように制御する制御ロジックを備えることを特徴とするものである。
請求項3の発明では、特に、ユニット本体が後退している間に、刃付きシール装置により、包装袋の、ガセット状に折り畳まれた開口端部がシールされるので、高速運転した場合でも、刃付きシール装置によるシール時間を稼ぐことができ、シール不良を抑制することができる。
【0014】
請求項4に記載した発明は、請求項1〜3いずれかに記載した発明において、前記プッシャ部材は、その外形が略直方体状に形成され、前記プッシャ部材の進退方向両側面には、前記ガセット爪を収容する逃げ溝が進退方向全域に形成されることを特徴とするものである。
請求項4の発明では、プッシャ部材が包装袋内に侵入している間に、包装袋の開口端部内に各ガセット爪を挿入することができる。
【0015】
請求項5に記載した発明は、請求項1〜4いずれかに記載した発明において、前記ユニット本体が初期位置に後退した際に、該ユニット本体の一部と上下方向で重なるように配置され、包装袋に被包装物が充填されその開口端部がシールされた物品を前記ユニット本体から排出する排出手段を備えることを特徴とするものである。
請求項5の発明では、ユニット本体が初期位置に後退した際、ユニット本体に保持されていた物品を、容易に排出手段上に自重にて移動させることができる。すなわち、上述の一連の作業工程中に、ユニット本体から包装完了した物品の切り離し作業を同時並行的に行うことができる。
【0016】
請求項6に記載した発明は、請求項5に記載した発明において、前記排出手段は、前記ユニット本体が前進する際、前記物品の移動を規制するストッパ部材を備えることを特徴とするものである。
請求項6の発明では、ユニット本体が前進した際、その前進動作に連動して、ストッパ部材により、物品をユニット本体から容易に切り離すことができる。
【0017】
請求項7に記載した発明は、請求項3〜6いずれかに記載した発明において、前記作動制御手段は、前記プッシャ部材が前進して被包装物を包装袋内に充填した後、該包装袋から完全に後退する前に、前記各ガセット爪により前記包装袋の開口端部を略矩形状の開口姿勢に支持する制御ロジックを備えることを特徴とするものである。
請求項7の発明では、包装袋の開口端部の開口姿勢を、プッシャ部材の正面形状(略矩形状)に沿って容易に略矩形状に形成することができ、各ガセット爪によって、その開口姿勢を略矩形状に形成しやすく、また保持しやすくもなる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る自動充填包装装置では、包装の作業効率を向上させると共に、不良品の発生を抑制することができ、結果的に、歩留まりを良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明の実施形態に係る自動充填包装装置の全体像を示す模式図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る自動充填包装装置に採用したプッシャ部材の斜視図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る自動充填包装装置に採用した位置決め手段の一対のベース板の斜視図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る自動充填包装装置に採用した位置決め手段の一対のサイドガイド板の斜視図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る自動充填包装装置に採用した位置決め手段のストッパ部材の斜視図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係る自動充填包装装置に採用した刃付きシール装置の概略斜視図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係る自動充填包装装置に採用した、左右一対の上部ガセット爪、左右一対の中間ガセット爪及び左右一対の下部ガセット爪の斜視図である。
図8図8は、図7に示す、左右一対の上部ガセット爪、左右一対の中間ガセット爪及び左右一対の下部ガセット爪により、包装袋の開口端部をガセット状に折り畳む工程を段階的に示す図である。
図9図9は、本発明の実施形態に係る自動充填包装装置に採用した被包装物供給手段の概略斜視図である。
図10図10は、本発明の実施形態に係る自動充填包装装置に採用した排出手段の斜視図である。
図11図11は、本発明の実施形態に係る自動充填包装装置の動作を段階的に示す図である。
図12図12は、本発明の実施形態に係る自動充填包装装置の動作を段階的に示す図である。
図13図13は、本発明の実施形態に係る自動充填包装装置の動作を段階的に示す図である。
図14図14は、本発明の実施形態に係る自動充填包装装置の動作を段階的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態を図1図14に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明では、被包装物4が包装袋5に充填されてその開口端部がシールされる流れにおいて、その上流側または下流側と称するものとする。また、以下の説明において、包装袋5内に被包装物4を充填しているが、まだ開口端部がシールされていないものを仮包装物6と称し、包装袋5内に被包装物4が充填されると共に、開口端部がシールされて、包装完了したものを物品7と称して説明する。
【0021】
本発明の実施形態に係る自動充填包装装置1は、自動で、被包装物4を、一端部が閉塞され、他端部が開放された包装袋5内にその開口端部から充填して、その開口端部をシールする装置である。本発明の実施形態に係る自動充填包装装置1は、図1に示すように、包装袋5の開口端部から被包装物4を押し込みながら充填するプッシャ部材10と、該プッシャ部材10により被包装物4を包装袋5内に充填した状態で位置決めする位置決め手段11と、プッシャ部材10により被包装物4を包装袋5内に充填した後、該包装袋5の開口端部をガセット状に折り畳む、左右一対の上部ガセット爪12H、12H、左右一対の中間ガセット爪12M、12M及び左右一対の下部ガセット爪12L、12Lと、これら左右一対の上部ガセット爪12H、12H、左右一対の中間ガセット爪12M、12M及び左右一対の下部ガセット爪12L、12Lによりガセット状に折り畳んだ部分を押圧、加熱しながらシールしつつ、そのシール部位から先端側の余分な部分を切断する刃付きシール装置13と、左右一対の上部ガセット爪12H、12H、左右一対の中間ガセット爪12M、12M及び左右一対の下部ガセット爪12L、12Lの上流側に備えられ、包装袋5を供給する袋供給手段14と、該袋供給手段14の上流側に備えられ、被包装物4を供給する被包装物供給手段15と、包装袋5に被包装物4が充填されその開口端部がシールされた物品7を外部に排出する排出手段16と、上述した各構成部材の作動を制御する作動制御手段17と、を概略備えている。
【0022】
図2も参照して、プッシャ部材10は、その外形が直方体状に形成される。プッシャ部材10は、その正面形状が略矩形状に形成される。この正面形状が、包装袋5の開口端部を開く際、その開口姿勢の形状となる。プッシャ部材10の長手方向一端面に、板状スライド部23が接続される。該板状スライド部23は、薄厚であって、プッシャ部材10の長手方向に沿って延びる。プッシャ部材10は、図示しない駆動装置の駆動による板状スライド部23の移動により、その長手方向に沿って進退自在に移動可能に構成される。当該駆動装置は、作動制御手段17と電気的に接続されており、該作動制御手段17からの信号により作動される。
【0023】
プッシャ部材10の進退方向両側面には、逃げ溝25、25がそれぞれ形成される。逃げ溝25、25は、上下方向に間隔を置いて3箇所形成される。各逃げ溝25、25は、プッシャ部材10の進退方向全域に形成される。各逃げ溝25、25の深さは同じである。プッシャ部材10の両側面でその上部の逃げ溝25、25に、左右一対の上部ガセット爪12H、12Hがそれぞれ収容される。プッシャ部材10の両側面でその下部の逃げ溝25、25に、左右一対の下部ガセット爪12L、12Lがそれぞれ収容される。
【0024】
図3図5に示すように、図1も参照して、位置決め手段11は、プッシャ部材10により包装袋5内に被包装物4を押し込み充填した仮包装物6の状態で、その開口端部が刃付きシール装置13によりシールされるまでの間、その仮包装物6を所定位置に位置決めするためのものである。位置決め手段11は、仮包装物6が載置される一対のベース板27、27(図3参照)と、仮包装物6を両側面から挟み込むように位置決めする一対のサイドガイド板28、28(図4参照)と、仮包装物6の下流側への移動を規制するストッパ部材29(図5参照)と、を備えている。図3に示すように、ベース板27は略矩形状に形成される。一対のベース板27、27の間には、直線状の空間部30が形成される。この空間部30に、後述する排出手段16のストッパ部材67の軸部78が相対移動自在に配置される。なお、該空間部30は、後述する排出手段16のストッパ部材67のストッパ部79が挿通できる程度の幅長を有している。各ベース板27、27は、上流側の端部が下方に傾斜して延びている。
【0025】
図1及び図4に示すように、一対のサイドガイド板28、28は、各ベース板27、27の上方に互いに間隔を置いて略平行に立設される。図4に示すように、各サイドガイド板28は、薄くて細長い略矩形板状に形成される。各サイドガイド板28は、その上流側端部が外方に向かって若干傾斜して延びている。その結果、一対のサイドガイド板28、28は、全体として上流側に向かって一対のサイドガイド板28、28間の距離が次第に大きくなるように平面視ハ字状に形成される。一対のサイドガイド板28、28は、対応するサーボモータ31、31の駆動により、互いに近接・遠退自在に移動可能に構成される。サーボモータ31、31は、作動制御手段17と電気的に接続され、作動制御手段17からの信号により作動される。
【0026】
図1及び図5に示すように、図12も参照して、ストッパ部材29は、シリンダ35に連結される略矩形状の連結板状部33と、該連結板状部33に一体的に接続され、仮包装物6の底面(下流側の面)に接触されるストッパ部34とからなるL字状に形成される。ストッパ部34は、略矩形状に形成される。ストッパ部材29(ストッパ部34)は、シリンダ35の駆動により上下方向に沿って進退自在に移動可能に構成される。なお、シリンダ35を、サーボモータにて代替することもできる。また、ストッパ部材29(ストッパ部34)は、図示しない駆動装置の駆動により、プッシャ部材10の進退方向と同じ方向に沿って、後述するユニット本体20に対して進退自在に移動可能に構成される。シリンダ35及び駆動装置は、作動制御手段17に電気的にそれぞれ接続され、作動制御手段17からの信号によりそれぞれ作動される。
【0027】
そして、当該位置決め手段11では、仮包装物6が一対のベース板27、27上に配置されると、一対のサイドガイド板28、28が互いに近接する方向に移動して、該一対のサイドガイド板28、28により仮包装物6の両側面を支持することで、仮包装物6がその左右方向に対して位置決めされる。また、ストッパ部材29のストッパ部34が下方及び上流側に移動して、一対のベース板27、27上の仮包装物6の底面(下流側の面)に当接されて、仮包装物6の下流側への移動を規制することで、仮包装物6がその進行方向に対して位置決めされる。
【0028】
そして、仮包装物6の状態であって、その包装袋5の開口端部が刃付きシール装置13によりシールされるまでの間、仮包装物6は、位置決め手段11、すなわち、一対のサイドガイド板28、28及びストッパ部材29のストッパ部34により、一対のベース板27、27上の所定位置に位置決めされる。その後、包装袋5の開口端部が刃付きシール装置13によりシールされると、一対のサイドガイド板28、28が、互いに遠退する方向に移動して、物品7の両側面から離れる。また、ストッパ部材29のストッパ部34が上方及び下流側に移動して、物品7の底面(下流側の面)から離れる。その結果、位置決め手段11による物品7の位置決めが解除される。
【0029】
図1に示すように、位置決め手段11の上流側に刃付きシール装置13が配置される。図6も参照して、刃付きシール装置13は、上下一対のシール本体37、37と、一対のシール本体37、37の上流側の面に設けられる上下一対のカッタ部材38、38と、を備えている。上下一対のシール本体37、37は、図示しない駆動装置の駆動により、互いに近接・遠退する方向に移動可能に構成される。当該駆動装置は、作動制御手段17に電気的に接続され、作動制御手段17からの信号により作動される。そして、仮包装物6の、ガセット状に折り畳まれた状態の開口端部を、上下一対のシール本体37、37により挟み込んで押圧、加熱することでシールすることができる。
【0030】
上下一対のカッタ部材38、38は、シリンダ41、41の駆動により、互いに近接・遠退する方向に移動可能に構成される。当該シリンダ41、41は、作動制御手段17に電気的に接続され、作動制御手段17からの信号により作動される。そして、上下一対のカッタ部材38、38を互い近接させて交差させることで、シール部位から先端側の余った部分を切断することができる。なお、刃付きシール装置13には、上側のシール本体37及び上側のカッタ部材38に連結される吸引ノズル40が備えられている。この吸引ノズル40は、吸引装置(図示略)に接続されている。これにより、上下一対のカッタ部材38、38により切断された先端側の余った部分を吸引ノズル40により外部に排出することができる。
【0031】
図1に示すように、刃付きシール装置13の上流側に、左右一対の上部ガセット爪12H、12H、左右一対の中間ガセット爪12M、12M及び左右一対の下部ガセット爪12L、12Lが配置される。図7も参照して、上部ガセット爪12H、12Hは、上部であって、その左右一対に配置される。上部ガセット爪12Hは、所定幅で薄厚の板材が横設されて構成される。上部ガセット爪12Hは、プッシャ部材10の移動方向に沿って延びている。上部ガセット爪12Hの先端側に刃付きシール装置13が配置される。下部ガセット爪12L、12Lは、下部であって、その左右一対に配置される。下部ガセット爪12Lは、所定幅で薄厚の板材が横設されて構成される。下部ガセット爪12Lは、プッシャ部材10の移動方向に沿って延びている。下部ガセット爪12Lの先端側に刃付きシール装置13が配置される。
【0032】
上下一対の、上部ガセット爪12Hと、下部ガセット爪12Lとは、上下方向で重なる位置に配置される。上下一対の、上部ガセット爪12H、12Hと、下部ガセット爪12L、12Lとは、サーボモータ42、42の駆動により互いに近接・遠退自在に移動可能に構成される。サーボモータ42、42は、作動制御手段17に電気的に接続され、作動制御手段17からの信号により作動される。中間ガセット爪12M、12Mは、上部ガセット爪12Hと下部ガセット爪12Lとの間の上下方向中間位置であって、その左右一対に配置される。中間ガセット爪12Mは、所定幅で薄厚の板材が横設されて構成される。中間ガセット爪12Mは、プッシャ部材10の移動方向に沿って延びている。中間ガセット爪12Mの先端側に刃付きシール装置13が配置される。左右一対の中間ガセット爪12M、12Mは、図示しない駆動装置の駆動により互いに近接・遠退自在に移動可能に構成される。当該駆動装置は、作動制御手段17に電気的に接続され、作動制御手段17からの信号により作動される。
【0033】
そして、まず、図8(a)に示すように、左右一対の上部ガセット爪12H、12H及び左右一対の下部ガセット爪12L、12Lが、包装袋5の開口端部の4隅に挿入される。なお、図8(a)は、包装袋5の内部にプッシャ部材10が挿入された状態の図である。すると、包装袋5の開口端部が、内側から略矩形状の開口姿勢にて支持される。これと略同時に、左右一対の中間ガセット爪12M、12Mが、略矩形状にて開口された状態の開口端部の両側面であって、その上下方向中央位置の近辺にそれぞれ配置される。
【0034】
そして、図8(b)に示すように、左右一対の中間ガセット爪12M、12Mが、その位置から互いに近接するようにして移動すると共に、上下一対の、上部ガセット爪12H、12Hと下部ガセット爪12L、12Lとが互いに近接するようにして、左右一対の中間ガセット爪12M、12Mと水平方向に沿って略重なる位置するまで移動する。その結果、これら、左右一対の上部ガセット爪12H、12H、左右一対の中間ガセット爪12M、12M及び左右一対の下部ガセット爪12L、12Lにより、包装袋5の開口端部をガセット状に折り畳むことができる。
【0035】
図1に示すように、袋供給手段14は、左右一対の上部ガセット爪12H、12H、左右一対の中間ガセット爪12M、12M及び左右一対の下部ガセット爪12L、12Lの上流側に配置される。袋供給手段14は、回動部材50と、該回動部材50の上流側の面に周方向に沿って間隔を置いて複数配置される袋支持部材51、51と、を備えている。回動部材50は、図示しない駆動装置の駆動により、半周ピッチで正逆方向に交互に回動するものである。当該駆動装置は、作動制御手段17に電気的に接続され、作動制御手段17からの信号により作動される。
【0036】
袋支持部材51、51は、回動部材50の上流側の面から後述するユニット本体20に向かって周方向に間隔を置いて複数突設される。袋支持部材51、51は、本実施形態では、180°ピッチで2箇所設けられている。袋支持部材51は、包装袋5を開いた状態で支持するものである。詳しくは、包装袋5は、その開口端部から袋支持部材51の周りに被せられる。包装袋5は、袋支持部材51の周りに被せられ、その開口端部が略矩形状で開口した状態で、プッシャ部材10と対向する。なお、袋支持部材51は、一対の断面コ字状の分割支持部材53、53を、その開放側が対向する向きに配置して構成される。そして、一対の分割支持部材53、53の間には、正面視略矩形状の開口部が形成されることになる。
【0037】
一対の分割支持部材53、53は、回動部材50を貫通するように設けられている。一対の分割支持部材53、53間を、プッシャ部材10が進退自在に移動する。その結果、被包装物4が、プッシャ部材10に押されるようにして、一対の分割支持部材53、53間を後述するユニット本体20に向かって移動するようになる。そして、回動部材50が正方向に半周回動して、その袋支持部材51が上方に位置する。続いて、図示しない袋装着手段により、包装袋5がその開口端部から当該袋支持部材51の周りに被せられる。続いて、回動部材50が逆方向に半周回動することで、包装袋5が被せられた袋支持部材51が下方に位置する。この状態で、プッシャ部材10が被包装物4を押しながら、回動部材50を介して袋支持部材51内を移動することで、被包装物4が包装袋5内に押し込まれて充填されてなる仮包装物6が構成される。その後、当該仮包装物6は、プッシャ部材10に近接するように前進してきたユニット本体20の位置決め手段11の一対のベース板27、27上に載置される。
【0038】
図1に示すように、被包装物供給手段15は、袋供給手段14の上流側に配置される。図9も参照して、被包装物供給手段15は、間隔を置いて複数立設される仕切板56、56を有する搬送コンベア57と、該搬送コンベア57の各仕切板56、56間に配置される被包装物4を押しながら移動させる投入プッシャ部材58と、該投入プッシャ部材58により移動された被包装物4を受け取る受取部材59と、を備えている。搬送コンベア57は、投入プッシャ部材58の移動方向に対して略直交する方向に延びている。搬送コンベア57は、各仕切板56、56間の被包装物4を投入プッシャ部材58の前方に、時間間隔を置いて順次搬送させるものである。搬送コンベア57の駆動装置(図示略)は、作動制御手段17に電気的に接続され、作動制御手段17からの信号により作動される。
【0039】
搬送コンベア57上に間隔を置いて複数の仕切板56、56が立設される。各仕切板56、56間に被包装物4が載置される。投入プッシャ部材58は、プッシャ部材10の下方に配置される。投入プッシャ部材58は、図示しない駆動装置の駆動により、プッシャ部材10と同じ方向に進退自在に移動可能に構成される。当該駆動装置は、作動制御手段17に電気的に接続され、作動制御手段17からの信号により作動される。投入プッシャ部材58は、略矩形状の上部板62と、該上部板62の端部から下方に向かって延びる押出板63と、を備えている。
【0040】
受取部材59は、投入プッシャ部材58の移動方向と対向する位置に配置されている。受取部材59は、図示しない駆動装置の駆動により、上下方向に沿って進退自在に移動可能に構成される。当該駆動装置は、作動制御手段17に電気的に接続され、作動制御手段17からの信号により作動される。そして、搬送コンベア57の各仕切板56、56間に載置された被包装物4は、搬送コンベア57の駆動により、投入プッシャ部材58の押出板63と対向する位置に搬送される。続いて、投入プッシャ部材58が前進することで、その上部板62が被包装物4の上方に位置しつつ、その押出板63により被包装物4が受取部材59内に押し出される。続いて、受取部材59が、駆動装置の駆動により上方に移動することで、被包装物4がプッシャ部材10と対向する位置に供給される(図1参照)。
【0041】
図1に示すように、上述した、位置決め手段11と、刃付きシール装置13と、左右一対の上部ガセット爪12H、12H、左右一対の中間ガセット爪12M、12M及び左右一対の下部ガセット爪12L、12Lとは、図示しない多数の連結部材や枠体等を用いて互いに連結されることでユニット化されたユニット本体20として構成される。当該ユニット本体20は、図示しない駆動装置の駆動により、プッシャ部材10に対して、水平方向であって、近接・遠退する方向に移動可能に構成される。当該駆動装置は、作動制御手段17に電気的に接続され、作動制御手段17からの信号により作動される。ユニット本体20の移動方向と、プッシャ部材10の移動方向とは、水平方向に沿って同一線上にある。
【0042】
なお、ユニット本体20は、刃付きシール装置13が開きながら包装袋5に被包装物4を充填しつつ、その状態で位置決めする工程と、包装袋5の開口端部をガセット状に折り畳む工程と、折り畳まれた部位をシールしてカットする工程との3工程を、ユニット本体20が移動する際に実行できるように、位置決め手段11と、刃付きシール装置13と、左右一対の上部ガセット爪12H、12H、左右一対の中間ガセット爪12M、12M及び左右一対の下部ガセット爪12L、12Lとをユニット化したものである。また、図1に示すように、ユニット本体20及びプッシャ部材10の動作により包装完了した物品7を、ユニット本体20から所定方向に排出する排出手段16が備えられている。
【0043】
図1及び図10に示すように、排出手段16は、物品7を受け取って、所定方向に排出する排出本体66と、該排出本体66の上流側端部から上方に向かって出没可能に設けられたストッパ部材67と、を備えている。排出本体66は、下流側に設けられる一対の駆動軸69、69と、上流側に設けられ、回転自在に支持される一対の従動軸70、70と、各駆動軸69、69と各従動軸70、70との間に設けられる支持台71と、駆動軸69、支持台71及び従動軸70に巻回される排出ベルト74と、を備えている。排出ベルト74、74は、間隔を置いて2本配置される。符号75は、駆動軸69を回転駆動させるためのサーボモータである。これら駆動軸69、69の回転により排出ベルト74、74が支持台71の周りを回転する。サーボモータ75、75は、作動制御手段17に電気的に接続され、作動制御手段17からの信号により作動される。
【0044】
排出ベルト74、74(各駆動軸69、69)は、排出ベルト74、74上の物品7が、ストッパ部材67から離れて排出される方向に回転する。ストッパ部材67は、軸部78と、該軸部78の端部に接続されるT字状のストッパ部79と、を備えている。ストッパ部材67は、一対の従動軸70、70間に配置される。ストッパ部材67の軸部78に、図示しないシリンダが連結される。このシリンダの駆動により、ストッパ部材67のストッパ部79が、排出本体66の支持台71から上方に出没自在となる。当該シリンダは、作動制御手段17に電気的に接続され、作動制御手段17からの信号により作動される。なお、当該シリンダを、サーボモータにて代替することもできる。そして、図1から解るように、ユニット本体20が初期位置に後退した際、排出手段16の排出本体66の直上に、ユニット本体20に備えた位置決め手段11の一対のベース板27、27が配置される。
【0045】
作動制御手段17は、上述したように、プッシャ部材10と、位置決め手段11と、左右一対の上部ガセット爪12H、12H、左右一対の中間ガセット爪12M、12M及び左右一対の下部ガセット爪12L、12Lと、刃付きシール装置13と、袋供給手段14と、被包装物供給手段15と、排出手段16と、ユニット本体20とを作動させるためにそれぞれに対応して備えられるサーボモータやシリンダ等の駆動装置に電気的に接続されている。本自動充填包装装置1には、図示は省略するが、上述した各構成部材の移動や包装経過等を検出する光電センサー等の検出センサーが多数配置されており、各検出センサーからの検出信号が作動制御手段17に送信される。
【0046】
そして、作動制御手段17では、各検出センサーからの検出結果に基づいて、プッシャ部材10と、位置決め手段11と、左右一対の上部ガセット爪12H、12H、左右一対の中間ガセット爪12M、12M及び左右一対の下部ガセット爪12L、12Lと、刃付きシール装置13と、袋供給手段14と、被包装物供給手段15と、排出手段16と、ユニット本体20との作動を制御している。この作動制御手段17の制御方法については、以下に詳しく説明する。
【0047】
次に、本発明の実施形態に係る自動充填包装装置1の動作(作用)、すなわち、作動制御手段17の制御方法を図11図14に基づいて、図1も適宜参照しながら説明する。なお、以下の説明では、袋供給手段14及び被包装物供給手段15を除く、ユニット本体20及びプッシャ部材10の動作を詳しく説明する。
まず、図11の状態は、ユニット本体20が、袋供給手段14から離れて、初期位置に後退している状態である。このとき、ユニット本体20を構成する位置決め手段11の一対のベース板27、27と、排出手段16の排出本体66とが上下方向で重なっている状態となる。また図11の状態では、ユニット本体20を構成する位置決め手段11の一対のベース板27、27上に、包装袋5内に被包装物4が充填され開口端部がシールされた物品7が置かれた状態である。
【0048】
またこのとき、位置決め手段11にあっては、その一対のサイドガイド板28、28(図1参照)が、物品7から離れた初期位置に後退しており、また、ストッパ部材29のストッパ部34も、物品7から離れた初期位置に後退している。排出手段16にあっては、ストッパ部材67のストッパ部79が排出本体66から上方に突出されている。また、左右一対の上部ガセット爪12H、12H、左右一対の中間ガセット爪12M、12M及び左右一対の下部ガセット爪12L、12Lは、初期位置にて待機している。袋供給手段14にあっては、下方に位置する袋支持部材51に、包装袋5がその開口端部から被された状態で待機している。被包装物供給手段15にあっては、受取部材59が被包装物4を受け取って、被包装物4がプッシャ部材10と対向する位置に上昇した状態で待機している。プッシャ部材10は、初期位置に後退した状態で待機している。
【0049】
次に、図11の状態からユニット本体20とプッシャ部材10とが互いに近接するように、ユニット本体20が前進すると共に、プッシャ部材10が前進する。まず、ユニット本体20が前進すると、位置決め手段11の一対のベース板27、27が前進するが、このとき、排出手段16のストッパ部材67のストッパ部79が排出本体66から上方に突出している状態であるので、一対のベース板27、27上の物品7は、ストッパ部材67のストッパ部79により、ユニット本体20と同方向への移動が規制される図12を参照)。そのために、物品7は、一対のベース板27、27が前進すると、それに連動するように、各ベース板27、27上から排出手段16の排出本体66上に自重で移動する。その後、物品7は、排出手段16の各排出ベルト74、74の回転により排出方向に導かれる図12及び図13を参照)
【0050】
なお、ユニット本体20が最大限前進した後、初期位置に後退するまでの間は、ストッパ部材67のストッパ部79は排出本体66から下方に没入している状態であり、ユニット本体20が初期位置に後退した時点でストッパ部材67のストッパ部79は排出本体66から上方に突出するようになる。また、ストッパ部材67のストッパ部79が排出本体66から上方に突出された状態であっても、ストッパ部材67の軸部78は、ユニット本体20の位置決め手段11の一対のベース板27、27間の空間部30に相対移動自在に配置されているために、ユニット本体20(一対のベース板27、27)の前進運動を妨げることはない。
【0051】
一方、プッシャ部材10が前進すると、当該プッシャ部材10が被包装物供給手段15の受取部材59上の被包装物4を押し出しながら前進し、袋供給手段14の回動部材50及び袋支持部材51内を経て、包装袋5内に被包装物4を押し込みつつ、包装袋5を袋支持部材51から引き離して、仮包装物6として、前進してきたユニット本体20の位置決め手段11の一対のベース板27、27上に導かれる。これと略同時に、位置決め手段11のストッパ部材29のストッパ部34が、プッシャ部材10による仮包装物6のそれ以上の移動を規制するようにして、仮包装物6の底面(下流側の面)に接触する位置に移動する。また、位置決め手段11の一対のサイドガイド板28、28が互いに近接するように移動して、仮包装物6を両側面から支持して、仮包装物6が一対のベース板27、27上に位置決めされる。なお、ユニット本体20とプッシャ部材10とが最大限前進して、プッシャ部材10が被包装物4を包装袋5内に充填したと略同時に、図示しない袋装着手段により、回動部材50の上方に位置している袋支持部材51の周りに、包装袋5がその開口端部から被せられる。
【0052】
このようにして、ユニット本体20とプッシャ部材10とが最大限前進して、プッシャ部材10が被包装物4を包装袋5内に押し込む際には、図8(a)も参照して、プッシャ部材10の両側面でその上部の逃げ溝25、25に左右一対の上部ガセット爪12H、12Hが収容され、またプッシャ部材10の両側面でその下部の逃げ溝25、25に左右一対の下部ガセット爪12L、12Lが収容される。このとき、まだプッシャ部材10が包装袋5内に侵入している間に、左右一対の上部ガセット爪12H、12H及び左右一対の下部ガセット爪12L、12Lが包装袋5の開口端部の4隅に挿入される。すると、これら左右一対の上部ガセット爪12H、12H及び左右一対の下部ガセット爪12L、12Lにより、包装袋5の開口端部が、内側から略矩形状の開口姿勢にて保持される。
【0053】
続いて、図13に示すように、プッシャ部材10により被包装物4が包装袋5内に充填された後、プッシャ部材10が包装袋5内から完全に後退すると、図8(b)も参照して、左右一対の中間ガセット爪12M、12Mが、包装袋5の、略矩形状にて開口された状態の開口端部の両側面であってその上下方向中央位置の近辺に配置され、その位置から互いに近接するようにして移動すると共に、上下一対の、上部ガセット爪12H、12Hと下部ガセット爪12L、12Lとが互いに近接するようにして、左右一対の中間ガセット爪12M、12Mと水平方向に沿って略重なる位置まで移動する。その結果、包装袋5の開口端部がガセット状に折り畳まれる。その後、プッシャ部材10は、回動部材50を含む袋支持部材51内を経由して初期位置まで後退する。
【0054】
一方、図13に示すように、ユニット本体20は、左右一対の上部ガセット爪12H、12H、左右一対の中間ガセット爪12M、12M及び左右一対の下部ガセット爪12L、12Lにより仮包装物6の開口端部をガセット状に折り畳んだ後、それを保持しながら後退し始める。そして、ユニット本体20が後退しながら、刃付きシール装置13の上下一対のシール本体37、37により、仮包装物6の、ガセット状に折り畳まれた開口端部であって、左右一対の上部ガセット爪12H、12H、左右一対の中間ガセット爪12M、12M及び左右一対の下部ガセット爪12L、12Lの先端よりも下流側の部位を挟み込んで押圧、加熱することでシールする。
【0055】
これと略同時に、刃付きシール装置13の上下一対のカッタ部材38、38を互い近接させて交差させることで、物品7のシール部位から先端側の余った部分を切断する。切断された先端側の余った部分は、左右一対の上部ガセット爪12H、12H、左右一対の中間ガセット爪12M、12M及び左右一対の下部ガセット爪12L、12Lから抜けて、吸引ノズル40(図6参照)に吸引されて外部に排出される。これにより、ユニット本体20が後退して初期位置に戻るまでの時間、仮包装物6の、ガセット状に折り畳まれた開口端部を、刃付きシール装置13の上下一対のシール本体37、37により挟み込んで押圧、加熱することができる。
【0056】
そして、図14に示すように、ユニット本体20が初期位置まで後退すると、包装完了された物品7が位置決め手段11の一対のベース板27、27上に載置された状態となる。このとき、図11の状態と同じように、ユニット本体20を構成する、位置決め手段11、左右一対の上部ガセット爪12H、12H、左右一対の中間ガセット爪12M、12M、左右一対の下部ガセット爪12L、12L及び刃付きシール装置13は初期位置に戻る。プッシャ部材10も初期位置に後退した状態となる。袋供給手段14にあっては、その回動部材50が正または逆方向に半周回動して、包装袋5が被せられた袋支持部材51が下方に位置している。被包装物供給手段15にあっては、受取部材59が被包装物4を載せて、プッシャ部材10と対向する位置に上昇している。一方、このとき、排出手段16では、そのストッパ部材67のストッパ部79が排出手段16の排出本体66から上方に突出した状態となる。
【0057】
その後、ユニット本体20が、再びプッシャ部材10と共に前進すると、上述したような動作が繰り返される(図12図14参照)。そして、この動作が繰り返されることで、被包装物4が包装袋5に充填され、包装袋5の開口端部がガセット状にシールされてなる物品7が、順次、ユニット本体20から排出手段16に至り、該排出手段16より排出方向に導かれる。
【0058】
以上説明したように、本発明の実施形態に係る自動充填包装装置1では、位置決め手段11、左右一対の上部ガセット爪12H、12H、左右一対の中間ガセット爪12M、12M、左右一対の下部ガセット爪12L、12L及び刃付きシール装置13をユニット化してなるユニット本体20が構成されており、該ユニット本体20とプッシャ部材10とは、水平方向に沿って互いに近接・遠退自在に移動可能に構成される。これにより、ユニット本体20とプッシャ部材10とを互いに近接・遠退させる過程において、包装袋5に被包装物4を充填し、当該包装袋5の開口端部をガセット状に折り畳み、その部位をシールする一連の作業工程を実行することができる。
【0059】
その結果、従来よりも、一包装袋5に一被包装物4を充填してその開口端部をシールするまでのトータル時間を短縮することができ、包装の作業効率を向上させることができる。また、包装袋5の開口端部をガセット状に折り畳む際には、左右一対の上部ガセット爪12H、12H、左右一対の中間ガセット爪12M、12M及び左右一対の下部ガセット爪12L、12Lを採用しているので、従来よりも、シール部の仕上がりに対して、そのばらつきが抑制され、歩留まりを良好にすることができる。
【0060】
また、本発明の実施形態に係る自動充填包装装置1では、ユニット本体20の移動方向と、プッシャ部材10の移動方向とは同一線上にある。これにより、本自動充填包装装置1の作業工程を簡素化することができ、また、本自動充填包装装置1の生産速度を速くすることができる。
【0061】
さらに、本発明の実施形態に係る自動充填包装装置1では、ユニット本体20とプッシャ部材10とが互いに近接した際に、プッシャ部材10により、被包装物4が包装袋5の開口端部から押し込まれて充填される。一方、ユニット本体20とプッシャ部材10とが互いに遠退する際、ユニット本体20が後退しながら刃付きシール装置13により、包装袋5の、ガセット状に折り畳まれた開口端部がシールされる。これにより、例えば、高速運転した場合でも、刃付きシール装置13によるシール時間を稼ぐことができるので、シール不良の発生を抑えることができ、歩留まりを良好にすることができる。
【0062】
このように、本発明の実施形態に係る自動充填包装装置1では、刃付きシール装置13が開きながら包装袋5に被包装物4を充填しつつ、その状態で位置決めする工程と、包装袋5の開口端部をガセット状に折り畳む工程と、折り畳まれた部位をシールしてカットする工程との3工程が、ユニット本体20及びプッシャ部材10が移動しながら実行される。これにより、一包装袋5に一被包装物4を充填してその開口端部をシールするトータル時間を大幅に短縮することができ、包装の作業効率をさらに向上させることができる。さらに、高速運転した場合でも、シール不良が抑えられて、歩留まりが良いので、包装の作業効率をさらに向上させたうえで、包装作業において、その信頼性を向上させることができる。
【0063】
要するに、本発明の実施形態に係る自動充填包装装置1では、従来と比較すると、物品を排出する工程が含まれておらず、すなわち、高速化を実現すべく不確実な要素が多い、包装完了した物品を排出する工程を刃付きシール装置13が動作する工程から切り離すことで、従来に比べて、一包装袋5に一被包装物4を充填してその開口端部をシールするまでのトータル時間を大幅に短縮可能となり、高速化に容易に対応することができ、しかも、シール不良等の不良品の発生も抑制することができる。
【0064】
さらにまた、本発明の実施形態に係る自動充填包装装置1では、プッシャ部材10は、その外形が略直方体状に形成されており、該プッシャ部材10の進退方向両側面に、左右一対の上部ガセット爪12H、12H及び左右一対の下部ガセット爪12L、12Lを収容する逃げ溝25、25がその進退方向全域にそれぞれ形成されている。これにより、プッシャ部材10が包装袋5内に侵入している間に、左右一対の上部ガセット爪12H、12H及び左右一対の下部ガセット爪12L、12Lを包装袋5の開口端部内に挿入することができる。その結果、左右一対の上部ガセット爪12H、12H及び左右一対の下部ガセット爪12L、12Lにより、包装袋5の開口端部を、容易に略矩形状の開口姿勢に保持することができる。
【0065】
さらにまた、本発明の実施形態に係る自動充填包装装置1では、包装袋5に被包装物4が充填されその開口端部がシールされた物品7をユニット本体20から排出する排出手段16を備え、該排出手段16の排出本体66は、ユニット本体20が初期位置に後退した際に、該ユニット本体20の位置決め手段11の一対のベース板27、27と上下方向で重なるように配置される。これにより、ユニット本体20が初期位置に後退した際に、ユニット本体20にて保持されていた物品7を、容易に、排出手段16の排出本体66上に自重で移動させることができる。これにより、物品7をユニット本体20から排出手段16に移動させるための新たな移動手段等を備える必要はなく、その構造を簡素化することができる。またこれにより、ユニット本体20とプッシャ部材10とを互いに近接・遠退させる過程において、包装袋5に被包装物4を充填し、当該包装袋5の開口端部をガセット状に折り畳み、その部位をシールする一連の作業工程中に、ユニット本体20から包装完了した物品7の切り離し作業を同時並行的に行うことができ、高速化に対応することができる。
【0066】
さらにまた、本発明の実施形態に係る自動充填包装装置1では、排出手段16は、ユニット本体20が前進する際、物品7の移動を規制するストッパ部材67を備えている。これにより、ユニット本体20が前進した際、その前進動作に連動して、ストッパ部材67により、物品7をユニット本体20から容易に引き離して排出手段16に移動させることができる。
【0067】
さらにまた、本発明の実施形態に係る自動充填包装装置1では、プッシャ部材10が前進して被包装物4を包装袋5内に充填した後、該包装袋5から完全に後退する前に、左右一対の上部ガセット爪12H、12H及び左右一対の下部ガセット爪12L、12Lにより包装袋5の開口端部を略矩形状の開口姿勢に支持する。その結果、包装袋5の開口端部の開口姿勢を、プッシャ部材10の正面形状(略矩形状)に沿って容易に略矩形状に形成することができる。これにより、左右一対の上部ガセット爪12H、12H及び左右一対の下部ガセット爪12L、12Lによって、その開口姿勢を略矩形状に形成しやすく、また保持しやすくなる。
【0068】
さらにまた、本発明の実施形態に係る自動充填包装装置1では、左右一対の上部ガセット爪12H、12H、左右一対の中間ガセット爪12M、12M及び左右一対の下部ガセット爪12L、12Lにより包装袋5の開口端部をガセット状に折り畳んでいる。その結果、ガセット状に折り込むべく、プッシャ部材に設けられる多数の吸引孔と、吸引孔に接続される空気供給源を含む吸引ラインと、を備えた従来技術に比べて、プッシャ部材の加工費を削減でき、また吸引ラインも不要となるので、全体としての設備費を削減することができる。
【符号の説明】
【0069】
1 自動充填包装装置,4 被包装物,5 包装袋,6 仮包装物,7 物品,10 プッシャ部材,11 位置決め手段,12H 上部ガセット爪,12M 中間ガセット爪,12L 下部ガセット爪,13 刃付きシール装置,16 排出手段,17 作動制御手段,20 ユニット本体,25 逃げ溝,67 ストッパ部材,79 ストッパ部
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