特許第6979249号(P6979249)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6979249情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6979249
(24)【登録日】2021年11月17日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/24 20120101AFI20211125BHJP
【FI】
   G06Q20/24
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2021-131866(P2021-131866)
(22)【出願日】2021年8月13日
【審査請求日】2021年8月13日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515239711
【氏名又は名称】BHI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】日昔 靖裕
【審査官】 岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−125532(JP,A)
【文献】 特開2015−194861(JP,A)
【文献】 特許第4964345(JP,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0371339(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クレジットカードの利用明細データを取得する利用明細取得部と、
商品に関する商品情報を記憶する商品情報記憶部と、
前記クレジットカードの利用者宛に送信された電子メールデータを取得する電子メール取得部と、
前記電子メールデータを解析して取引データを抽出する取引データ抽出部と、
前記取引データ及び前記利用明細データを対応づけるとともに、前記取引データに対応する前記商品情報を前記商品情報記憶部から特定するデータ突合部と、
前記利用明細データに前記商品情報を対応付けて出力する出力部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記データ突合部は、前記取引データと前記利用明細データとの対応付けが正しいか否かをユーザに確認すること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記取引データ抽出部は、前記電子メールデータに前記取引データが含まれておらず、前記取引データを特定する情報が含まれている場合に、前記電子メールデータを送信したECサイトにアクセスし、前記取引データを取得すること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記取引データには決済手段が含まれており、
所定の第1の決済手段以外の第2の決済手段が含まれる前記取引データに基づいて、商品をユーザに提案するとともに、前記第1の決済手段の利用を提案する商品提案部をさらに備えること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
クレジットカードの利用明細データを取得するステップと、
商品に関する商品情報を記憶するステップと、
前記クレジットカードの利用者宛に送信された電子メールデータを取得するステップと、
前記電子メールデータを解析して取引データを抽出するステップと、
前記取引データ及び前記利用明細データを対応づけるとともに、前記取引データに対応する前記商品情報を前記商品情報記憶部から特定するステップと、
前記利用明細データに前記商品情報を対応付けて出力するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
クレジットカードの利用明細データを取得するステップと、
商品に関する商品情報を記憶するステップと、
前記クレジットカードの利用者宛に送信された電子メールデータを取得するステップと、
前記電子メールデータを解析して取引データを抽出するステップと、
前記取引データ及び前記利用明細データを対応づけるとともに、前記取引データに対応する前記商品情報を前記商品情報記憶部から特定するステップと、
前記利用明細データに前記商品情報を対応付けて出力するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、クレジットカードの利用明細情報と利用履歴とを対応付けることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−162296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1ではクレジットカードの利用情報に基づいて利用履歴を作成しており、不正利用された利用情報であっても利用履歴が作成されてしまう。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、クレジットカードの利用状況を把握することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、情報処理装置であって、クレジットカードの利用明細データを取得する利用明細取得部と、商品に関する商品情報を記憶する商品情報記憶部と、前記クレジットカードの利用者宛に送信された電子メールデータを取得する電子メール取得部と、前記電子メールデータを解析して取引データを抽出する取引データ抽出部と、前記取引データ及び前記利用明細データを対応づけるとともに、前記取引データに対応する前記商品情報を特定するデータ突合部と、前記利用明細データに前記商品情報を対応付けて出力する出力部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、クレジットカードの利用状況を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る情報処理装置10のハードウェア構成例を示す図である。
図2】本実施形態の情報処理装置10のソフトウェア構成例を示す図である。
図3】電子メールデータの一例を説明する図である。
図4】本実施形態の情報処理装置10の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<発明の概要>
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、たとえば、以下のような構成を備える。
[項目1]
クレジットカードの利用明細データを取得する利用明細取得部と、
商品に関する商品情報を記憶する商品情報記憶部と、
前記クレジットカードの利用者宛に送信された電子メールデータを取得する電子メール取得部と、
前記電子メールデータを解析して取引データを抽出する取引データ抽出部と、
前記取引データ及び前記利用明細データを対応づけるとともに、前記取引データに対応する前記商品情報を特定するデータ突合部と、
前記利用明細データに前記商品情報を対応付けて出力する出力部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
[項目2]
項目1に記載の情報処理装置であって、
前記データ突合部は、前記取引データと前記利用明細データとの対応付けが正しいか否かをユーザに確認すること、
を特徴とする情報処理装置。
[項目3]
項目2に記載の情報処理装置であって、
前記データ突合部は、前記ユーザからの入力を機械学習すること、
を特徴とする情報処理装置。
[項目4]
項目1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記取引データ抽出部は、前記電子メールデータに前記取引データが含まれておらず、前記取引データを特定する情報が含まれている場合に、前記電子メールデータを送信したECサイトにアクセスし、前記取引データを取得すること、
を特徴とする情報処理装置。
[項目5]
項目1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記取引データには決済手段が含まれており、
所定の第1の決済手段以外の第2の決済手段が含まれる前記取引データに基づいて、商品をユーザに提案するとともに、前記第1の決済手段の利用を提案する商品提案部をさらに備えること、
を特徴とする情報処理装置。
[項目6]
クレジットカードの利用明細データを取得するステップと、
商品に関する商品情報を記憶するステップと、
前記クレジットカードの利用者宛に送信された電子メールデータを取得するステップと、
前記電子メールデータを解析して取引データを抽出するステップと、
前記取引データ及び前記利用明細データを対応づけるとともに、前記取引データに対応する前記商品情報を特定するステップと、
前記利用明細データに前記商品情報を対応付けて出力するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
[項目7]
クレジットカードの利用明細データを取得するステップと、
商品に関する商品情報を記憶するステップと、
前記クレジットカードの利用者宛に送信された電子メールデータを取得するステップと、
前記電子メールデータを解析して取引データを抽出するステップと、
前記取引データ及び前記利用明細データを対応づけるとともに、前記取引データに対応する前記商品情報を特定するステップと、
前記利用明細データに前記商品情報を対応付けて出力するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0011】
<システム概要>
以下、本発明の一実施形態に係る情報処理装置10について説明する。本実施形態の情報処理装置10は、クレジットカードの利用明細に表示される決済内容の詳細を、電子商取引(EC)サイトにおいて商品を購入した場合など、商取引が行われた際に発行される電子メールから取得しようとするものである。電子メールで送信される取引履歴は実世界でのレシートと同様の意味をなしているものの、大量の電子メールに埋もれて有効活用されていないのが現状である。スマートフォンのアプリやWeb上のクレジットカードの利用明細画面において、電子メールと連携することで、従来の明細に商品名の突合やヒントを与えることが可能となる。具体的には、商取引において決済された内容が、クレジットカードの利用明細とともに一覧で並び、出費の確認を容易にすることで、実際の商品を発見しやすくさせることができるようにする。また、合計金額や日時、店舗名との突合が成功した場合は、具体的な商品名を紐付けて表示させることもできる。さらに、クレジットカードの利用明細に不審な点があった場合に、ユーザは利用明細に紐付く取引を確認することができるので、クレジットカード会社に問い合わせすることなく自己完結できることが期待され、クレジットカード会社におけるサポートコストを削減することができる。
【0012】
<ハードウェア構成例>
図1は、本実施形態に係る情報処理装置10のハードウェア構成例を示す図である。情報処理装置10は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。情報処理装置は、CPU101、メモリ102、記憶装置103、通信インタフェース104、入力装置105、出力装置106を備える。記憶装置103は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース104は、通信ネットワーク3に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置105は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置106は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、後述する情報処理装置10が備える各機能部は、CPU101が記憶装置103に記憶されているプログラムをメモリ102に読み出して実行することにより実現され、情報処理装置10が備える記憶部は、メモリ102及び記憶装置103が提供する記憶領域の一部として実現されることができる。
【0013】
<ソフトウェア構成例>
図2は、本実施形態の情報処理装置10のソフトウェア構成例を示す図である。情報処理装置10は、利用明細取得部111、商品情報取得部112、電子メール取得部113、取引データ抽出部114、データ突合部115、データ出力部116、データ修正部117、アラート出力部118、商品提案部119、取引データ記憶部131、ルール記憶部132、請求名義記憶部133、商品情報記憶部134を備える。
【0014】
利用明細取得部111は、ユーザによるクレジットカードの利用明細データを取得する。利用明細取得部111は、例えば、クレジットカードを発行しているカード会社のサーバから、例えば、APIを呼び出したり、Webサービスに自動ログインして明細データの一覧をスクレイピングしたりすることで、利用明細データを取得することができる。なお、利用明細データの取得処理には公知の手法を用いることができる。利用明細データには、クレジットカードの利用日、利用店名、利用者、利用金額などが含まれうる。
【0015】
取引データ記憶部131は、商取引に関する情報(以下、取引データという。)を記憶する。取引データには、取引日、取引が行われた店舗の店舗名、商品又はサービスに対する支払金額、決済手段、商品の送料、取引に係る取引金額、商品又はサービスの名称(商品名)などが含まれうる。取引金額は、支払金額に送料を加算し、ポイントや手数料その他に応じた加算減算を行った後の最終金額であり、決済の対象となる決済金額となる。決済手段は、クレジットカードやポイント、プリペイドカード、QRコード(登録商標)決済など、各種の決済手段のうちどの決済手段により決済されたかを示す。
【0016】
ルール記憶部132は、電子メールデータを解析するためのルールを記憶する。ルール記憶部132は、店舗ごとにルールを記憶することができる。ルールは、例えば、電子メールデータを機械学習により学習した学習モデルであってもよい。ルール記憶部132は、電子メールの送信元となるアドレスのパターン(アドレスそのものであってもよいし、アドレスを正規表現等により表現したパターンであってもよい。)をさらに対応付けて記憶するようにすることもできる。
【0017】
請求名義記憶部133は、商取引の主体である店舗名と、クレジットカードの加盟店として請求を行う請求人名(明細表記)とを対応付けて記憶する。
【0018】
商品情報記憶部134は、商取引の対象となる商品に関する情報(以下、商品情報という。)を記憶する。商品情報には、商品を特定する商品IDに対応付けて、商品に関連するユーザの目的、商品のカテゴリ、消耗品フラグ、商品名、商品名パターン、メーカー名、メーカー名パターン、商品説明、ターゲット属性、定価などが含まれうる。
【0019】
目的は、複数設定することができる。例えば、ボールペンについて、「筆記」及び「装飾」の目的を設定するなどすることもできる。
【0020】
カテゴリは、目的ごとに設定することができる。カテゴリは複数階層であってもよく、例えば、大分類、中分類、小分類などを設定することができる。
【0021】
消耗品フラグは、当該商品が消耗品に該当するか否かを示す情報である。
【0022】
商品名パターンは、商品の表記揺れを特定可能なパターンとすることができる。また、商品名の正式名に加えて通称や略称等、商品の特定に用いられる名称を1つ又は複数設定するようにしてもよい。
【0023】
ターゲット属性は、例えば、この商品が想定するユーザセグメントを特定する情報(デモグラフィック情報など)としてもよいし、この商品を好きなユーザ又はセグメントを特定するための情報(セグメント情報)としてもよい。セグメント情報は、ある商品IDを含む購入データに対応するユーザに共通する特徴量とすることができる。
【0024】
商品情報取得部112は、商品情報を取得して商品情報記憶部134に登録する。商品情報取得部112は、例えば、オペレータから商品情報の入力を受け付けることができる。例えば、JANコードに付随する商品情報とすることができる。また、商品情報取得部112は、メーカーや販売店のサーバにアクセスして、例えばスクレイピングによりWebサイトで提供されている商品情報を読み取ることにより、また、サーバがAPIを提供している場合には、当該APIを呼び出すことにより、商品情報を取得することができる。商品情報取得部112は、取得した商品情報を商品情報記憶部134に登録することができる。商品情報の登録時には、
【0025】
電子メール取得部113は、ユーザ宛ての電子メールデータを取得する。電子メール取得部113は、メールサーバにアクセスして、POP(Post Office Protocol)、IMAP(Internet Message Access Protocol)などのプロトコルに従って、ユーザのメールボックスから電子メールデータを取得することができる。情報処理装置10は、アクセスするメールサーバをユーザIDに対応付けて管理するメールサーバ記憶部を備えるようにし、電子メール取得部113は、メールサーバ記憶部に登録されている全てのメールサーバにアクセスして、電子メールデータを収集するようにすることもできる。
【0026】
取引データ抽出部114は、電子メールデータを解析して取引データを抽出する。電子メールデータのうち、商取引に関連するものには、取引に関連する情報(取引データ)が含まれている。取引データ抽出部114は、ルール記憶部132に登録されているルールに従って電子メールデータから取引データを抽出することができる。取引データ抽出部114は、電子メールデータに含まれている送信元のアドレスがマッチするアドレスパターンに対応するルールをルール記憶部132から読み出して、読み出したルールに基づいて電子メールデータから取引データを抽出することができる。また、取引データ抽出部114は、ルール記憶部132に記憶されている全てのルールを適用して、取引データの抽出に成功したものを使用するようにしてもよく、この場合には、成功したルールに対応する店舗名を特定することができる。
【0027】
図3は、電子メールデータの一例を説明する図である。図3には、EC(電子商取引)サイトにおいて商品が購入された際に通知される電子メールである購入通知メール21の例が示されている。購入通知メール21には、商品が購入された日時211、購入された商品212、取引金額213(商品に対する支払金額と送料とを含む。)を示すテキストデータが含まれている。取引データ抽出部114は、ルールに従ってこれらのデータを電子メールデータから抽出し、抽出したデータに基づいて取引データを作成することができる。
【0028】
また、取引データ抽出部114は、ECサイトなどで管理されている取引履歴を特定するための情報(例えば、取引履歴を閲覧するためのURLなど)を電子メールデータから取得し、取得した情報に基づいてECサイトにアクセスして取引データを取得するようにすることができる。この場合、取引データ抽出部114は、リンク先のWebページから取引履歴として表示されている取引データを、スクレイピング等の手法により抽出するようにすることができる。また、取引データ抽出部114は、電子メールデータから抽出した取引履歴を特定するための情報を、ECサイトが提供するAPIに渡して取引データを取得するようにすることもできる。
【0029】
データ突合部115は、取引データ及び利用明細データを対応付ける。本実施形態では、クレジットカードの利用明細側で表示される利用店名の表記についてマスターデータとなる請求名義記憶部133を構築し、電子メールとして発行される購入履歴と突合する。データ突合部115は、利用明細データに含まれる利用金額(決済金額)及び利用日(決済日)と、取引データに含まれる取引金額及び取引日とが一致するか否かにより、利用明細データと取引データとを対応付けることができる。また、データ突合部115は、利用明細データに含まれる利用店名に一致する明細表記が請求名義記憶部133に登録されている場合には、当該明細表記に対応する店舗名を請求名義記憶部133から読み出して、読み出した店舗名と、取引データの店舗名とが一致するか否かを、対応づけに用いるようにしてもよい。
【0030】
また、データ突合部115は、利用明細データと突合された取引データに対応する商品情報を商品情報記憶部134から特定し、特定した商品情報を利用明細データに対応付けるようにしてもよい。データ突合部115は、例えば、取引データに含まれる商品名が、商品名パターンにマッチする商品情報を特定することができる。また、データ突合部114は、取引データにメーカー名と商品名とが含まれている場合には、メーカー名がメーカー名パターンにマッチし、かつ、商品名が商品名パターンにマッチする商品情報を特定することもできる。
【0031】
データ突合部115は、パターンマッチング以外にも、例えば、電子メールデータから抽出した取引データの各項目を入力データとして、商品情報を推測する学習モデルを用いて商品情報を特定するようにすることもできる。この場合、例えば、取引データの各項目を入力データとし、商品情報を特定する商品IDを教師データとした機械学習により学習モデルを作成及び更新することができる。
【0032】
データ突合部115はまた、事前に設定されたECサイトから送信された電子メールデータについては、突合の是非をユーザに確認するようにすることができる。データ突合部115は、例えば、利用明細データについて、取引データ又は商品情報を提示し、「この内容でしょうか?」などの確認メッセージを表示して、ユーザから正しい突合であるか否かの入力を受け付け、正しいことが入力された場合にのみ、突合が成功したと判定することができる。ここで、突合に失敗した場合には、その他のルールを用いて再度突合を行うようにしてもよい。
【0033】
データ突合部115はまた、事前に設定されたECサイト又はショップから送信された電子メールデータについては、ユーザに利用明細データと商品情報との突合を行わせるようにすることもできる。この場合、データ突合部115は、利用明細データと完全に一致しないものの類似する取引データ又は商品データについて、類似度が所定値以下であるものについて、上記のようにしてユーザに確認を行うようにすることができる。
【0034】
<表示>
データ出力部116は、利用明細データに取引データを対応付けて出力する。データ出力部116は、例えば、利用明細データと取引データとを対応付けて一覧表示するためのリストデータを、ユーザのユーザ端末に送信するようにしてもよいし、クレジットカード会社のサーバに送信するようにしてもよい。これにより、クレジットカード会社において利用明細を表示するにあたり、本実施形態の情報処理装置10からのリストデータを用いて、利用明細に紐付いた取引データを表示させるようにすることができる。
【0035】
また、データ出力部116は、取引データに代えて又は取引データに加えて、取引データに対応する商品情報を利用明細データに対応付けて出力することもできる。
【0036】
データ修正部117は、ユーザから突合の修正を受け付ける。データ修正部117は、例えば、データ出力部116が出力した取引データについて、ユーザから突合に誤りがあったことの指摘を受け付けることができる。データ修正部117は、受け付けた誤りをオペレータに報知することができる。
【0037】
また、データ修正部117は、利用明細データに対応する取引データの指定を受け付けることもできる。データ修正部117は、例えば、ユーザから誤りの指摘を受けた場合に、取引データの全て又は利用明細データとの突合がなされていないものを表示するようにユーザのユーザ端末に送信し、ユーザから正しい取引データの指定を受け付けるようにすることができる。
【0038】
また、データ修正部117は、ユーザからの誤りの指摘を学習するようにしてもよい。例えば、ルールが機械学習により作成される学習モデルである場合に、データ修正部117は、強化学習により学習モデルを更新することができる。また、学習モデルとパターンマッチングとを併用し、パターンにマッチしなかった取引データについて、学習モデルを用いて商品情報を推定するようにすることもできる。
【0039】
<不正検知・推測>
アラート出力部118は、利用明細データに取引データを対応付けることができない場合にアラートを出力することができる。アラート出力部118は、電子メールによりアラートを通知するようにしてもよいし、ソーシャルネットワーク(SNS)でのダイレクトメッセージや投稿などにより通知をするようにしてもよいし、スマートフォン等の利用者の携帯端末にプッシュ通知を行うようにしてもよいし、SMS等によりテキストメッセージを携帯電話に送信するようにしてもよい。
【0040】
また、アラート出力部118は、データ突合部115による突合(カード決済と購入履歴の合致)に成功した場合に、突合が行われたこと、あるいは、決済が行われたことなどを示すメッセージを通知するようにしてもよい。
【0041】
<商品の提案>
商品提案部119は、ユーザに商品を提案することができる。商品提案部119は、例えば、取引データ及び対応する商品情報に基づいて、ユーザの興味対象のカテゴリを特定し、特定したカテゴリの他の商品をユーザに提案することができる。
【0042】
また、商品提案部119は、当該利用明細データに係るクレジットカードとは異なる決済手段により決済された取引データのみに基づいて商品を提案することができる。この場合に、商品提案部119は、当該クレジットカードでの決済を提案するとともに、当該クレジットカードでの決済を条件としたリワード(例えば、ポイントの付与やクーポンの発行等)を行うことができる。これにより、クレジットカード会社にとってのいわゆるブランドスイッチのレコメンドを行うことができる。
【0043】
また、商品提案部119は、電子メールデータから取引データを抽出した際に、取引データに含まれる決済手段が、利用明細データに係るクレジットカードとは異なる場合に、当該クレジットカードに係る広告を表示し、又は商品の提案とともに当該クレジットカードの利用によるリワードを提案することができる。
【0044】
情報処理装置10には、クレジットカード会社からのキャンペーン情報を記憶するキャンペーン記憶部を設けるようにし、キャンペーン情報に応じて提案を行うようにしてもよい。例えば、キャンペーン情報には、商品又はカテゴリと、決済手段(クレジットカード等)の指定と、キャンペーン期間と、ターゲットとするユーザを特定する情報とが含まれており、商品提案部119は、現時点がキャンペーン期間に含まれており、かつ、ユーザがターゲットにマッチするキャンペーン情報について、指定されている商品又は指定されているカテゴリに所属する商品を、指定されている決済手段により決済することの広告を表示することができる。
【0045】
<動作>
図4は、本実施形態の情報処理装置10の動作を説明する図である。
【0046】
電子メール取得部113は、ユーザの電子メールデータを取得し(S301)、取引データ抽出部114は、当該電子メールデータから取引データを抽出する(S302)。上述したように、取引データ抽出部114は、電子メールの送信元にマッチするパターンに対応するルールをルール記憶部132から読み出して、読み出したルールに従って取引データを抽出することができる。また、ルール記憶部132に登録されているルールを、取引データの抽出に成功するまで順番に試行していってもよい。取引データ抽出部114は、抽出した取引データを取引データ記憶部131に登録する(S303)。
【0047】
利用明細取得部111は、例えば、クレジットカードのWebサイトなどから利用明細データを取得する(S304)。データ突合部115は、利用明細データの利用日及び利用金額と一致する、取引日及び取引金額を含む取引データを検索して突合処理を行う(S305)。なお、データの突合は、取引日及び取引金額(利用日及び利用金額)に加えて、店舗名を用いて行うようにしてもよい。この場合、データ突合部115は、利用明細データの利用店名に一致する明細表記に対応する店舗名を請求名義記憶部133から読み出し、読み出した店舗名と、取引データの店舗名とを突合させるようにすることができる。
【0048】
利用日及び利用金額と一致する取引日及び取引金額を含む取引データが存在した場合、すなわち、利用明細データと取引データとの突合に成功した場合(S306:YES)、データ突合部115は、取引データに対応する商品情報を商品情報記憶部134から特定し(S307)、データ出力部116は、利用明細データと商品情報とを対応付けて出力する(S308)。ここでアラート出力部118は、突合に成功した旨をユーザに通知するようにしてもよい。
【0049】
一方、利用明細データと取引データとの突合に失敗した場合には(S306:NO)、アラート出力部118は、アラートを出力する(S309)。
【0050】
以上のようにして、クレジットカードの利用明細と、電子メールで送信されてくる取引履歴とを対応付けて出力することができる。
【0051】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0052】
たとえば、本実施形態では、情報処理装置10が主体的に利用明細データを取得するものとしたが、これに限らず、外部から利用明細データが与えられ、これに応じて、与えられた利用明細データに対応する取引データを突合し、取引データに対応する商品情報を応答するようにすることもできる。例えば、利用明細を閲覧しているユーザが不審な利用明細を発見した場合(例えば、利用した覚えのない店名からの請求がされているような場合)に、利用明細データを情報処理装置10に与えて、当該利用明細データに対応する取引データを確認するようにすることができる。この場合、例えば、クレジットカード会社のWebページにおいて、あるいは、利用明細を閲覧するスマートフォンのアプリにおいて、利用明細データの一覧を表示するとともに、当該利用明細データの詳細を確認するボタンやリンクなどを配置し、当該ボタンやリンクなどにより指定された利用明細データを情報処理装置10に送信し、情報処理装置10がこれに応じて取引データを返却し、Webページやアプリにおいて応答された取引データを表示するようにすることができる。
【符号の説明】
【0053】
111 利用明細取得部
112 商品情報取得部
113 電子メール取得部
114 取引データ抽出部
115 データ突合部
116 データ出力部
117 データ修正部
118 アラート出力部
119 商品提案部
131 取引データ記憶部
132 ルール記憶部
133 請求名義記憶部
134 商品情報記憶部
【要約】
【課題】 クレジットカードの利用状況を把握することができるようにする。
【解決手段】情報処理装置であって、クレジットカードの利用明細データを取得する利用明細取得部と、商品に関する商品情報を記憶する商品情報記憶部と、クレジットカードの利用者宛に送信された電子メールデータを取得する電子メール取得部と、電子メールデータを解析して取引データを抽出する取引データ抽出部と、取引データ及び利用明細データを対応づけるとともに、取引データに対応する商品情報を特定するデータ突合部と、利用明細データに商品情報を対応付けて出力する出力部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4