(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述した従前の飛行装置においては、駆動系の機構において改善の余地があった。
【0007】
具体的には、前述したように、パラレル型ハイブリッドドローンでは、エンジンから発生する駆動力をメインロータに伝達する駆動伝達機構と、サブロータを回転させるモータに電力を伝導する電力伝達機構とが構築される。よって、パラレル型ハイブリッドドローンは、伝達機構の構成が複雑化し、機体重量が増大してしまう恐れがあった。
【0008】
更に、メインロータはエンジンから発生する動力により回転するが、エンジンとメインロータとの間には複数のギアが介在し、このことが動力伝達機構そのものの伝達効率を低下させていた。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、動力を伝達する機構が簡素化された飛行装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の飛行装置は、機体と、メインロータと、エンジンと、動力伝達軸と、を具備し、前記メインロータは、回転することにより、前記機体が浮遊するための駆動力を発生させ、前記エンジンは、クランクシャフトを有し、前記動力伝達軸は、前記クランクシャフトと接続し、前記エンジンは、前記動力伝達軸を経由して、前記メインロータを回転させ、前進する方向に沿う方向を第1方向、前記第1方向に直交する方向を第2方向とした場合、前記動力伝達軸は、前記第2方向に対して傾斜していることを特徴とする。
【0011】
更に、本発明の飛行装置は、機体と、メインロータと、エンジンと、動力伝達軸と、を具備し、前記メインロータは、回転することにより、前記機体が浮遊するための駆動力を発生させ、前記エンジンは、前記動力伝達軸を経由して、前記メインロータを回転させると共に、第1エンジン部と、第2エンジン部と、を有し、前記第1エンジン部は、第1クランクシャフトを有し、前記第2エンジン部は、第2クランクシャフトを有し、前記動力伝達軸は、前記第1クランクシャフトと接続する第1動力伝達軸と、前記第2クランクシャフトと接続する第2動力伝達軸と、を有し、前記メインロータは、前記第1動力伝達軸を経由して伝達される動力により回転される第1メインロータと、前記第2動力伝達軸を経由して伝達される動力により回転される第2メインロータと、を有し、前進する方向に沿う方向を第1方向、前記第1方向に直交する方向を第2方向とした場合、前記第1動力伝達軸および前記第2動力伝達軸は、前記第2方向に対して傾斜していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の飛行装置は、機体と、メインロータと、エンジンと、動力伝達軸と、を具備し、前記メインロータは、回転することにより、前記機体が浮遊するための駆動力を発生させ、前記エンジンは、クランクシャフトを有し、前記動力伝達軸は、前記クランクシャフトと接続し、前記エンジンは、前記動力伝達軸を経由して、前記メインロータを回転させ、前進する方向に沿う方向を第1方向、前記第1方向に直交する方向を第2方向とした場合、前記動力伝達軸は、前記第2方向に対して傾斜していることを特徴とする。本発明の飛行装置によれば、エンジンのクランクシャフトと接続する動力伝達軸を介して、メインロータを回転させるため、クランクシャフトと動力伝達軸との間のギアを排除することができる。よって、飛行装置の駆動系の構造を簡素化でき、ギアによる動力の損失を低減することができる。
【0013】
更に、飛行装置は、機体と、メインロータと、エンジンと、動力伝達軸と、を具備し、前記メインロータは、回転することにより、前記機体が浮遊するための駆動力を発生させ、前記エンジンは、前記動力伝達軸を経由して、前記メインロータを回転させると共に、第1エンジン部と、第2エンジン部と、を有し、前記第1エンジン部は、第1クランクシャフトを有し、前記第2エンジン部は、第2クランクシャフトを有し、前記動力伝達軸は、前記第1クランクシャフトと接続する第1動力伝達軸と、前記第2クランクシャフトと接続する第2動力伝達軸と、を有し、前記メインロータは、前記第1動力伝達軸を経由して伝達される動力により回転される第1メインロータと、前記第2動力伝達軸を経由して伝達される動力により回転される第2メインロータと、を有し、前進する方向に沿う方向を第1方向、前記第1方向に直交する方向を第2方向とした場合、前記第1動力伝達軸および前記第2動力伝達軸は、前記第2方向に対して傾斜していることを特徴とする。本発明の飛行装置によれば、エンジンの第1クランクシャフトおよび第2クランクシャフトと接続する第1動力伝達軸および第2動力伝達軸を介して、第1メインロータおよび第2メインロータを回転させるため、駆動系のギアを排除することができる。よって、飛行装置の駆動系の構造を簡素化でき、ギアによる動力の損失を低減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図を参照して本形態の飛行装置の構成を説明する。以下の説明では、同一の構成を有する部位には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。尚、以下の説明では上下前後左右の各方向を用いるが、これらの各方向は説明の便宜のためである。また、飛行装置10は、ドローンとも称される。
【0016】
図1は、飛行装置10を示す模式図である。ここでは、第1方向D1は、飛行装置10が前進または後進する方向である。第2方向D2は、第1方向D1に直交する方向である。ここでは、第1方向D1は前後方向であり、第2方向D2は左右方向である。
【0017】
飛行装置10は、機体19と、メインロータ14と、エンジン30と、動力伝達軸25と、を具備する。飛行装置10は、電気的駆動系と、機械的駆動系との並列した2つの駆動系を有するパラレル型ハイブリッドドローンである。電気的駆動系は、後述するモータ21およびサブロータ15を回転させる駆動系である。機械的駆動系は、後述するメインロータ14を回転させる駆動系である。
【0018】
機体19は、飛行装置10を構成する各機器を支える本体であり、合成樹脂、金属またはこれらの複合材から成る。
【0019】
メインロータ14は、回転することにより、機体19が浮遊するための駆動力を発生させる。メインロータ14は、後述する第1動力伝達軸26を経由して伝達される動力により回転される第1メインロータ141と、後述する第2動力伝達軸27を経由して伝達される動力により回転される第2メインロータ142と、を有する。第1メインロータ141は、機体19の左方側に配置される。第2メインロータ142は、機体19の右方側に配置される。ここで、第1メインロータ141と第2メインロータ142とは、回転方向は逆であり、等しい回転速度で回転する。
【0020】
エンジン30は、動力伝達軸25を経由して、メインロータ14を機械的に回転させる。エンジン30は、機体19に内蔵され、第1メインロータ141および第2メインロータ142を所定の回転速度で回転させる。第1メインロータ141および第2メインロータ142と、エンジン30とは、後述する動力伝達軸25等により駆動的に接続されている。更に、エンジン30は、
図3を参照して後述するように、第1エンジン部40と、第2エンジン部41と、を有する。
【0021】
動力伝達軸25は、第1クランクシャフト42と接続する第1動力伝達軸26と、第2クランクシャフト45と接続する第2動力伝達軸27と、を有する。
【0022】
第1動力伝達軸26は、例えば鋼棒である。第1動力伝達軸26の機体19の側の端部は、エンジン30の駆動軸に接続され、第1動力伝達軸26の外側端はギア171と接続している。ギア171は、例えば、傘歯車であり、伝達された回転力を、垂直軸周りの回転力に変換する。係る回転力により第1メインロータ141が回転する。第1動力伝達軸26は、第1メインフレーム121に収納される。第1メインフレーム121は、エンジン30と第1メインロータ141とを接続する支持材である。
【0023】
第2動力伝達軸27の概略構成は第1動力伝達軸26と略同一である。第2動力伝達軸27の機体19の側の端部は、エンジン30の駆動軸に接続され、第1動力伝達軸26の外側端はギア172と接続している。ギア172の構成は、ギア171と同様である。第1動力伝達軸26は、第2メインフレーム122に収納される。第2メインフレーム122は、エンジン30と第2メインロータ142とを接続する支持材である。
【0024】
飛行装置10は、サブロータ15を有する。サブロータ15は、サブロータ151ないしサブロータ154を有する。
【0025】
サブロータ151は、機体19の左側前方に配置され、サブフレーム131を経由して機体19に接続されており、モータ211により回転する。
【0026】
サブロータ152は、機体19の左側後方に配置され、サブフレーム132を経由して機体19に接続されており、モータ212により回転する。
【0027】
サブロータ153は、機体19の右側前方に配置され、サブフレーム133を経由して機体19に接続されており、モータ213により回転する。
【0028】
サブロータ154は、機体19の右側後方に配置され、サブフレーム134を経由して機体19に接続されており、モータ214により回転する。
【0029】
本実施形態では、第1動力伝達軸26および第2動力伝達軸27は、第2方向D2に対して傾斜している。また、第1動力伝達軸26と第2動力伝達軸27とは互いに略平行である。
【0030】
具体的には、第1動力伝達軸26は、左方に向かって前方に傾斜するように配置されている。このようにすることで、エンジン30の駆動軸であるクランクシャフトを、そのまま第1メインフレーム121として用いることができる。よって、エンジン30と第1メインロータ141との間には、伝達装置としてギア171のみが存在する。このようにすることで、エンジン30と第1メインロータ141との間に存在する伝達機構を簡素化し、且つ、駆動エネルギのロスを低減できる。
【0031】
かかる事項は、第2メインフレーム122に関しても同様である。即ち、第2動力伝達軸27は、右方に向かって後方に傾斜するように伸びている。このようにすることで、エンジン30の駆動軸をそのまま第2メインフレーム122として用いることができる。よって、エンジン30と第2メインロータ142との間には、伝達装置としてギア172のみが存在する。従って、エンジン30と第2メインロータ142との間に存在する伝達機構を簡素化し、且つ、駆動エネルギのロスを低減できる。
【0032】
更に、第1メインロータ141の回転中心と、第2メインロータ142の回転中心とを、第2方向D2に沿って配置できる。よって、飛行装置10の構成を、第1方向D1に対して線対称に構成でき、重量配分を最適化できる。
【0033】
図2は、飛行装置10を示す図であり、各部位の接続構成を示すブロック図である。
【0034】
飛行装置10は、演算制御部31と、エンジン30と、発電機16と、バッテリ18と、電力変換部24と、モータ21と、サブロータ15と、を有する。
【0035】
演算制御部31は、CPU、ROM、RAM等を有し、ここでは図示しない各種センサやコントローラからの入力に基づいて、飛行装置10を構成する各機器の挙動を制御する。また、演算制御部31は、各種センサからの入力に基づいて、各メインロータ14および各サブロータ15の回転数を制御するフライトコントローラでもある。
【0036】
エンジン30は、演算制御部31からの入力信号に基づいて動作し、飛行装置10が飛行するためのエネルギを発生させる。エンジン30の具体構成は
図3を参照して後述する。
【0037】
発電機16は、エンジン30の駆動力の一部を用いて電力を発生する装置であり、発電機161および発電機162を有する。発電機161は、後述するエンジン30の第1エンジン部40により駆動される。発電機162は、後述するエンジン30の第2エンジン部41により駆動される。
【0038】
バッテリ18は、発電機16と電力変換部24との間に介装される。バッテリ18は、発電機16により充電される。バッテリ18から放電された電力は、後述する電力変換部24に供給される。
【0039】
電力変換部24は、個々のサブロータ15に対応して設けられる。電力変換部24としては、発電機162から供給される交流電力を、一旦直流化した後に所定の周波数の交流電力に変換するコンバータおよびインバータを採用できる。また、電力変換部24としては、バッテリ18から供給される直流電力を所定の周波数に変換するインバータを採用できる。具体的には、電力変換部24は、電力変換部241、電力変換部242、電力変換部243および電力変換部244を有する。
【0040】
モータ21は、個々のサブロータ15に対応して設けられ、モータ211、モータ212、モータ213およびモータ214を有する。モータ211、モータ212、モータ213およびモータ214は、夫々、電力変換部241、電力変換部242、電力変換部243および電力変換部244から供給される電力により所定の速度で回転する。
【0041】
サブロータ15は、前述したように、サブロータ151、サブロータ152、サブロータ153およびサブロータ154を有する。サブロータ151、サブロータ152、サブロータ153およびサブロータ154は、夫々、モータ211、モータ212、モータ213およびモータ214により回転する。
【0042】
ここで、飛行装置10の動作を簡単に説明する。飛行装置10は、ホバリング状態、昇降状態または水平移動状態で稼働される。
【0043】
ホバリング状態では、飛行装置10は、演算制御部31からの指示に基づいて、エンジン30から発生する駆動力によりメインロータ14を回転させ、飛行装置10を空中の所定位置に浮遊させる。この際、演算制御部31からの指示に基づいて、各サブロータ15は回転している。演算制御部31は、飛行装置10が所定の高度および姿勢を維持できるように、各電力変換部24を制御することで、各モータ21およびサブロータ15の回転速度を所定のものにしている。
【0044】
昇降状態では、エンジン30の回転数を制御することで、飛行装置10を上昇または下降させる。この際も、演算制御部31は、飛行装置10が所定の高度および姿勢を維持できるように、各電力変換部24を制御することで、各モータ21およびサブロータ15の回転速度を所定のものにしている。
【0045】
水平移動状態では、演算制御部31は、各電力変換部24を制御することで、各モータ21およびサブロータ15の回転数を制御することにより、飛行装置10を傾斜状態にする。この際にも、演算制御部31は、エンジン30の駆動状態を制御することで、メインロータ14を所定速度で回転させる。
【0046】
図3は、飛行装置10のエンジン30の構成および配置を示す図である。
【0047】
エンジン30は、第1エンジン部40と、第2エンジン部41と、を有する。第1エンジン部40と第2エンジン部41とは対向配置され、第1エンジン部40は左側後方に配置され、第2エンジン部41は右側前方に配置される。
【0048】
第1エンジン部40は、往復運動する第1ピストン43と、第1ピストン43の往復運動を回転運動に変換する第1クランクシャフト42と、第1ピストン43と第1クランクシャフト42とを回転可能に連結する第1コネクティングロッド44と、を有する。
【0049】
第2エンジン部41は、往復運動する第2ピストン46と、第2ピストン46の往復運動を回転運動に変換する第2クランクシャフト45と、第2ピストン46と第2クランクシャフト45とを回転可能に連結する第2コネクティングロッド47と、を有する。
【0050】
第1エンジン部40の第1ピストン43と、第2エンジン部41の第2ピストン46で、燃焼室48を共有する。換言すると、第1ピストン43と第2ピストン46とは、連通する一つのシリンダの内部を往復運動する。よって、第1エンジン部40および第1ピストン43が中心部に向かって同時にストロークすることで、ストローク量を少なくしつつ、燃焼室48における混合ガスの高膨張比をとることができる。
【0051】
ここでは図示していないが、エンジン30には、燃焼室48から連通する容積空間が形成されており、この容積空間に点火プラグが配置されている。また、燃焼室48には、ここでは図示しない吸気口および排気口が形成されており、ガソリンなどの燃料を含む混合気が吸気口から燃焼室48に導入され、燃焼後の排気ガスが排気口を経由して燃焼室から外部に排気される。
【0052】
上記した構成のエンジン30は、次のように動作する。先ず、吸込行程では、第1ピストン43および第2ピストン46がシリンダ49の内部で中央部から外側に向かって移動することで、燃料と空気との混合物である混合気をシリンダ49の内部に導入する。次に、圧縮行程では、回転する第1クランクシャフト42および第2クランクシャフト45の慣性により、第1ピストン43および第2ピストン46が中央部に向かって押し出され、シリンダ49の内部で混合気が圧縮される。次に、燃焼行程では、図示しない点火プラグが燃焼室48で点火することで、シリンダ49の内部で混合気が燃焼し、これにより第1ピストン43および第2ピストン46が下死点である外側の端部まで押し出される。その後、排気行程では、回転する第1クランクシャフト42および第2クランクシャフト45の慣性により第1ピストン43および第2ピストン46が内側に押し出され、シリンダ49の内部に存在する燃焼後のガスは、外部に排出される。
【0053】
エンジン30では、一つのシリンダ49の内部で往復運動する2つの第1ピストン43および第2ピストン46で、ストロークを分割することができる。よって、通常のガソリンエンジンと比較して、混合ガスの圧縮比を大きくすることができる。また、シリンダ49の内部で第1ピストン43および第2ピストン46が対向するので、一般的なエンジンで必要とされるシリンダヘッドが不要と成り、エンジン30の構成が簡素であり且つ軽量とされている。また、エンジン30を構成している各部材、即ち、第1ピストン43および第2ピストン46、第1クランクシャフト42および第2クランクシャフト45等が対向して配置され、かつ対向するように動作している。このことから、エンジン30の各部材から発生する振動が相殺され、エンジン30全体から外部に発生する振動を少なくすることができる。よって、このような構造のエンジン30を飛行装置10に搭載することで、飛行装置10の小型化、軽量化および低振動化を達成することができる。特に、低振動化により、姿勢制御、モータ出力制御などの演算制御装置やGPSセンサ等の精密機器への悪影響を防止することが出来る。また、飛行装置10が輸送する配送荷物が振動で損傷してしまうことを防止することができる。
【0054】
本実施形態では、第1エンジン部40の第1クランクシャフト42は、第1動力伝達軸26を兼ねている。即ち、第1クランクシャフト42は、
図1に示した第1メインロータ141の中心まで伸び、ギア171に接続している。同様に、第2エンジン部41の第2クランクシャフト45は、第2動力伝達軸27を兼ねている。即ち、第2クランクシャフト45は、
図1に示した第2メインロータ142の中心まで伸び、ギア172に接続している。
【0055】
また、エンジン30には、ここでは図示しない逆転同期機構が備えられている。逆転同期機構は、第1クランクシャフト42と第2クランクシャフト45との回転方向を逆とする。更に、逆転同期機構は、第1ピストン43と第2ピストン46の往復運動を同期する。よって、エンジン30において、原理的に、第1クランクシャフト42と第2クランクシャフト45とでは、回転方向は逆とされている。よって、第1クランクシャフト42の延長軸である第1動力伝達軸26と、第2クランクシャフト45の延長軸である第2動力伝達軸27とは、専用の反転機構を設けることなく、逆方向に回転するようになる。よって、
図1に示した、第1メインロータ141と第2メインロータ142とは、専用の反転機構を設けなくても、等しい回転速度で、逆方向に回転するようになる。
【0056】
図4は、他形態にかかる飛行装置10を示す模式図である。
図4に示す飛行装置10の基本構成は、
図1に示した飛行装置10と略同様であり、サブロータ15を有しない点が異なる。換言すると、
図4に示す飛行装置10は、エンジンの駆動力により機械的に回転するメインロータ14のみを有する、エンジン式ドローンである。
【0057】
飛行装置10は、機体19を浮遊させるための機構として、メインロータ14のみを有している。メインロータ14は、機体19を空中に浮遊させるための推力を発生させ、更に、位置姿勢の制御も担う。具体的には、メインロータ14は、飛行装置10の位置姿勢を制御するコントロール機構を由有している。かかるコントロール機構としては、例えば、メインロータ14のブレードのピッチ角を適宜変更するピッチ・コントロールを採用することができる。
【0058】
メインロータ14のコントロール機構により、サブロータ15を有さない場合であっても、飛行装置10は、ホバリング状態、上昇状態、下降状態、水平移動状態を実行することができる。
【0059】
前述した本実施形態により、以下のような主要な効果を奏することができる。
【0060】
即ち、エンジン30のクランクシャフトと接続する動力伝達軸25を介して、メインロータ14を回転させるため、クランクシャフトと動力伝達軸25との間のギアを排除することができる。よって、飛行装置10の駆動系の構造を簡素化でき、ギアによる動力の損失を低減することができる。
【0061】
更に、エンジン30の第1クランクシャフト42および第2クランクシャフト45と接続する第1動力伝達軸26および第2動力伝達軸27を介して、第1メインロータ141および第2メインロータ142を回転させるため、駆動系のギアを排除することができる。よって、飛行装置10の駆動系の構造を簡素化でき、ギアによる動力の損失を低減することができる。
【0062】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更が可能である。また、前述した各形態は相互に組み合わせることが可能である。
【0063】
図3を参照して、エンジン30では、第1エンジン部40と第2エンジン部41とは、燃焼室48を共有したが、第1エンジン部40および第2エンジン部41は、個別に燃焼室を有しても良い。
【0064】
図3を参照して、エンジン30は、第1エンジン部40および第2エンジン部41を有していたが、第1エンジン部40のみから構成されても良い。この場合、第1エンジン部40からの動力を、ギアを介して、第2動力伝達軸27に伝達させるようにする。
【0065】
図1を参照して、第1動力伝達軸26は、
図3に示した第1クランクシャフト42の延長軸として形成されていたが、第1動力伝達軸26の途中に、相対回転不能な接手が形成されても良い。
【解決手段】飛行装置10は、機体19と、メインロータ14と、エンジン30と、動力伝達軸25と、を具備する。メインロータ14は、回転することにより、機体19が浮遊するための駆動力を発生させる。エンジン30は、クランクシャフトを有する。動力伝達軸25は、クランクシャフトと接続する。更に、エンジン30は、動力伝達軸25を経由して、メインロータ14を回転させる。動力伝達軸25は、第2方向D2に対して傾斜している。