(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
連続した強化繊維と樹脂とを含有する複合材料で構成され、管軸方向に延びる管形状を有する複合材管であって、前記複合材管が、管径方向に前記強化繊維が積層されて構成され、前記強化繊維の配向方向が、軸方向寄与率と周方向寄与率との和を100%としたときに、軸方向寄与率が20%〜90%であるように構成され、前記管軸方向と垂直な断面における前記複合材管の空孔率が40%〜87%であり、前記複合材管が、前記強化繊維として、前記管軸方向に対する配向方向が−20°〜+20°の第一強化繊維を20%〜90%を有すると共に、前記管軸方向に対する配向方向が+70°〜+110°の第二強化繊維を10%〜80%有している前記複合材管を作製する管製造工程と、
前記管製造工程の後に、複数の前記複合材管を平行に束ねることで複数のブロック体を製造するブロック体製造工程と、
前記ブロック体製造工程の後に、前記ブロック体における複数の前記複合材管の配列方向の端部同士を互いに接続して組み立てる組み立て工程と、
を実施する緩衝体の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明に係る各種実施形態について、図面を用いて説明する。
【0034】
<第一実施形態>
以下、本発明の第一実施形態に係る緩衝体を備えたキャスクについて
図1〜
図9を参照して説明する。
図1に示すように、キャスク100は、輸送容器10及び一対の緩衝体20によって構成されている。
【0035】
輸送容器10は、円筒形状をなす容器本体10aを有している。容器本体10aは中心軸線O1に沿って延びる筒状をなしており、中心軸線O1方向の両端が閉塞されている。容器本体10aの中心軸線O1方向の一端は、開閉可能とされている。容器本体10aの内部には、放射性物質を含む使用済み核燃料11が収容されている。使用済み核燃料11は、容器本体10aの一端を開状態とすることで収容され、輸送時には当該一端が閉塞される。これにより輸送時は容器本体10aの内部は密封状態とされる。
【0036】
緩衝体20は、ケーシング30及び衝撃吸収手段40を備えている。
ケーシング30は、中心軸線O1を中心とした円盤状をなす部材であって、内部が中空状に形成されている。ケーシング30は輸送容器10の中心軸線O1の両端部に一対が設けられている。ケーシング30における輸送容器10側を向く面には、該輸送容器10の両端部が嵌め込まれる凹部31がそれぞれ形成されている。ケーシング30の凹部31に輸送容器10の端部が嵌め込まれることで、輸送容器10の両端部が中心軸線O1方向及び中心軸線O1の径方向からの荷重に対して保護される。
【0037】
ケーシング30の内部空間は、中心軸線O1方向における凹部31の形成範囲の部分が環状をなす環状空間32とされており、凹部31よりもさらに中心軸線O1方向の外方の部分が円盤状空間33とされている。
【0038】
衝撃吸収手段40は、第一衝撃吸収部材40Aと第二衝撃吸収部材40Bを備える。第一衝撃吸収部材40Aは、ケーシング30内における円盤状空間33内に充填されている。第一衝撃吸収部材40Aとしては任意の構成を採用することができる。第二衝撃吸収部材40Bは、ケーシング30内における環状空間32に収容されている。以下では、本発明が適用されている第二衝撃吸収部材40Bを単に衝撃吸収部材40Bと称する。
【0039】
以下、衝撃吸収部材40Bについて、
図2〜4を参照して説明する。
図2に示されるように、衝撃吸収部材40Bは、中心軸線O1を中心とした環状をなす部材であって、ケーシング30を介して輸送容器10の両端における外周に装着される。衝撃吸収部材40Bは、複数のブロック体50によって構成されている。
【0040】
図3に示されるように、ブロック体50は、複数の複合材管60を密集して束ねることによって構成されている。ブロック体50は、中心軸線O1方向から見た概略形状が台形状をなしており、当該形状を維持したまま中心軸線O1方向に厚さを有する形状とされている。
【0041】
複合材管60の全体の構成について説明する。
図4に示すように、複合材管60は、一定の径で延び、中空部60h(空孔)を有する中空管状の部材である。
本実施形態において、複合材管60は、管軸O2方向と垂直な断面において円形を有する。
【0042】
複合材管60は、強化繊維として繊維62を、樹脂61によって包含した強化繊維プラスチックによって形成されている。
【0043】
具体的には、複合材管60は、連続した繊維をプラスチック樹脂で含浸したFRPシートによって形成されている。FRPシートは、例えば、CFRPやGFRP等で構成されている。
【0044】
ここで連続した繊維とは、完全に連続した繊維だけでなく、長さ100mm以上、又は管周方向一周以上、又は管軸方向両端間の長さと同程度の長さのものを含む。
【0045】
繊維62は、CF(カーボンファイバ)、GF(グラスファイバ)、アラミド、その他有機繊維等である。好ましくはCF、GFがよく、CFがより好ましい。
【0046】
樹脂61は、硬化性樹脂又は可塑性樹脂である。
硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂等が例示される。
熱可塑性樹脂としては、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリケトンサルファイド(PKS)、ポリアリルエーテルケトン(PAEK)、芳香族ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリイミド(PI)等が例示される。
エネルギー吸収性の点からは靱性に優れる樹脂がよい。耐熱性とコストの点からはエポキシ樹脂がよい。
【0047】
複合材管60は、複合材料における繊維体積含有率が40%以上、好ましくは50%以上、さらに好ましくは55%以上となるように構成される。
【0048】
このようなFRPシートを筒状に巻きながら積層させることによって、複合材管60が構成されている。
【0049】
複合材管60は、強化繊維の配向方向に関し、(管軸O2方向の寄与率である)軸方向寄与率と(管周方向の寄与率である)周方向寄与率との和を100%としたときに、軸方向寄与率が20%〜90%となるように構成されている。言い換えると、複合材管60は、周方向寄与率が10%〜80%となるように構成されている。
ここで、軸方向寄与率とは、各繊維の配向方向を三角関数に従って管軸方向成分と管周方向成分に分けて全繊維の配向を考えた際に、全繊維中における管軸方向成分の総量の割合である。
また、同様に、周方向寄与率とは、各繊維の配向方向を三角関数に従って管軸方向成分と管周方向成分に分けて全繊維の配向を考えた際に、全繊維中における管周方向成分の総量の割合である。
【0050】
複合材管60において、軸方向寄与率は、20%〜90%とされるが、好ましくは25%〜80%、さらに好ましくは37.5%〜75%、さらに好ましくは50%〜70%、最も好ましくは55%〜65%とされる。
言い換えると、複合材管60において、周方向寄与率は、10%〜80%とされるが、好ましくは20%〜75%、さらに好ましくは25%〜62.5%、さらに好ましくは30%〜50%、最も好ましくは35%〜45%とされる。
【0051】
本実施形態の場合、複合材管60の強化繊維の配向方向は、軸方向寄与率が60%であるように構成されている。
【0052】
複合材管60は、空孔率が40%〜87%となるように構成されている。
ここで、空孔率とは、複合材管60の管軸と垂直断面における、複合材管60の内周の断面積(中空部の断面積)を複合材管60の外周の断面積で除した値である。
【0053】
複合材管60の空孔率は、40%〜87%とされるが、好ましくは40%〜81%、さらに好ましくは44%〜77%、最も好ましくは49%〜59%とされる。
【0054】
複合材管60の肉厚tは、好ましくは1mm以上、さらに好ましくは2mm以上、さらに好ましくは3mm以上、最も好ましくは4mm以上である。
【0055】
本実施形態の場合、複合材管60は、外径φ=30mm、肉厚t=4mmである。これにより、複合材管60の空孔率は、54%であるように構成されている。ただし、この寸法や空孔率に限定されるものではない。
【0056】
複合材管60の各層について詳しく説明する。
図5に示されるように、複合材管60は、管軸O2の径方向(以下「管径方向」ともいう。)の外側から順に、3つの同一積層層として、外層63、中間層64及び内層65を備える。
【0057】
ここで同一積層層とは、同一の材料が同一の繊維配向方向に1層以上積層された積層部分を指し、例えば、ある一方向材料を90°に配向させた層を1層以上積層した場合、その積層数に関係なく1つと数える。
また、積層の数え方として、肉厚方向に重なっている数で考えれば良く、仮に管周方向に(渦巻き状に)連続して繋がっていたとしても肉厚断面での重なりを考えればよい。
同一積層層における積層の数は、1層以上、好ましくは2層以上、さらに好ましくは3層以上、最も好ましくは4層以上で多い方が好ましい。
【0058】
外層63、中間層64及び内層65の各層は、それぞれ複合材管60の延在方向(管軸O2方向)に一定の径で延びる中空管の形状を有している。
外層63、中間層64及び内層65の各層は、それぞれ積層されたFRPシートで構成されている。
【0059】
中間層64は、内層65の外周を覆うように積層されている。外層63は、中間層64の外周を覆うように積層されている。このように積層されることによって、外層63、中間層64及び内層65は、一体となって複合材管60を構成している。
【0060】
本実施形態の場合、
図6に示されるように、中間層64の繊維62は、管軸O2方向に対する配向方向が−20°〜+20°である第一強化繊維62aのみで構成されている。具体的には、繊維62が第一強化繊維62aのみであるFRPシートが複数層積層されることによって、中間層64は形成されている。
【0061】
中間層64において、第一強化繊維62aの配向方向は、上記では−20°〜+20°とされているが、好ましくは−10°〜+10°、さらに好ましくは−5°〜+5°、さらに好ましくは−2°〜+2°、最も好ましくは0°とされる。
【0062】
図7に示されるように、外層63の繊維62は、管軸O2方向に対する配向方向が+70°〜+110°である第二強化繊維62bのみで構成されている。具体的には、繊維62が第二強化繊維62bのみであるFRPシートが複数層積層されることによって、外層63は形成されている。
内層65も同様に、繊維62は、管軸O2方向に対する配向方向が+70°〜+110°である第二強化繊維62bのみで構成されている。具体的には、繊維62が第二強化繊維62bのみであるFRPシートが複数層積層されることによって、内層65は形成されている。
外層63の積層数と内層65の積層数とは、同じ積層数であることが好ましい。
【0063】
外層63及び内層65において、第二強化繊維62bの配向方向は、上記では+70°〜+110°とされているが、好ましくは+80°〜+100°、さらに好ましくは+85°〜+95°、さらに好ましくは+88°〜+92°、最も好ましくは90°とされる。
【0064】
各同一積層層の肉厚は各々で異なっていても良いが、肉厚の中心線からみて肉厚の表層方向に向かって線対称に配されている積層が好ましい。
【0065】
配向方向が−20°〜+20°の強化繊維の層は、外層63、中間層64、内層65のいずれとされてもよいが、中間層64とされることが好ましい。
配向方向が+70°〜+110°の強化繊維からなる層は、外層63、中間層64、内層65のいずれとされてもよいが、外層63及び内層65とされることが好ましい。
【0066】
同一積層層の数としては、肉厚が厚くなる程数を増やせるため特に上限はないが、3つ以上で且つ少ない方が好ましい。例えば3〜11つ程度、好ましくは3〜7つ程度がよい。
【0067】
各層を形成する積層材料としてプリプレグ材を用いる場合、プリプレグ材の厚みは薄い方が好ましく、例えば0.25mm以下が好ましく、0.125mm以下がさらに好ましい。また、さらに薄いプリプレグを予め積層済みの多層プリプレグを用いてもよく、この際、0.05mmのような薄いプリプレグを予め積層した多層プリプレグが好ましい。
【0068】
このような複合材管60によってブロック体50が構成されている。ブロック体50を構成する複合材管60のうち少なくとも一の複合材管60は、中心軸線O1の径方向に平行に配置されている。本実施形態では、各ブロック体50において、複合材管60の配列方向である幅方向の中央(中心軸線O1の周方向の中央)に配置された複合材管60が中心軸線O1の径方向に平行に配置されており、当該複合材管60に他の複合材管60が平行となるように配列されている。なお、ブロック体50の製造過程では、単に複数の複合材管60を互いに平行となるように配列させており、ブロック体50を組み立てることで環状の衝撃吸収部材40Bを形成する過程で、そのうちの複合材管60のいずれかが中心軸線O1に平行に配置される。
【0069】
ブロック体50では、中心軸線O1方向から見た際に、幅方向の両端が斜めに切り欠かれた形状をなしている。すなわち、ブロック体50の両端は、中心軸線O1の径方向外側から内側に向かうにしたがってブロック体50の中央に向かって斜めに切り欠かれている。
本実施形態では複数の複合材管60が互いに接着剤によって接着されることによって、ブロック体50が構成されている。なお、複合材管60同士が互いに隙間なく結合されるのであれば、接着剤以外の手段でこれら複合材管60が結合されていてもよい。
【0070】
このようなブロック体50が、幅方向の両端で互い対向するように配置されることで、環状をなす衝撃吸収部材40Bが構成されている。すなわち、軸線方向視で台形状をなすブロック体50が、該ブロック体50の幅方向に順次配列されていることで、全体として円形に近い形状を有する環状の衝撃吸収部材40Bが構成されている。
【0071】
なお、ブロック体50がケーシング30によって収容されて保持されることで、複数のブロック体50による環状の衝撃吸収部材40Bが構成されてもよいし、ブロック体50の幅方向の端部が互いに接着剤等によって接合されることで環状の衝撃吸収部材40Bが構成されていてもよい。
【0072】
次に、本実施形態の衝撃吸収部材40Bの製造方法について
図8に示されるフローチャートを用いて説明する。当該製造方法は、管製造工程S1、ブロック体製造工程S2及び組み立て工程S3と含む。
【0073】
管製造工程S1では、上述した複合材管60を製造する。複合材管60は、FRPシートを多層に巻き付けることで管形状に形成される。この際、繊維62が第一強化繊維62aのみであるFRPシートAと、繊維62が第二強化繊維62bのみであるFRPシートBとが多層に巻き付けられる。
例えば、FRPシートBを複数層(又は一層)に巻いて内層65を形成し、次にFRPシートAを複数層(又は一層)に巻いて中間層64を形成し、さらにFRPシートBを複数層(又は一層)に巻いて外層63を形成する。
【0074】
管製造工程S1の後に、ブロック体製造工程S2を実行する。ブロック体製造工程S2は、より詳細には、複合材管60を一体化させる工程、部分的に切削を行う工程の2つの工程を含む。
まず、多数の複合材管60を互いに平行となるように接着剤によって密集させ、一体に束ねる。この際、衝撃吸収部材40Bの周方向のみならず、中心軸線O1方向にも複数の複合材管60が重なるようにする。次いで、束ねた多数の複合材管60の配列方向の両端部(衝撃吸収部材40Bの周方向の両端部)を斜めに平面状に切り取る。これによって、ブロック体50が製造される。
【0075】
ブロック体製造工程S2の後に、組み立て工程S3を行う。この組み立て工程S3は、製造された複数のブロック体50の幅方向の端面同士を対向させることで、全体として環状の衝撃吸収部材40Bを組み立てる工程である。上述したように、ケーシング30に各ブロック体50を収容することで、環状の衝撃吸収部材40Bを構成してもよいし、各ブロック体50同士を接合することで衝撃吸収部材40Bを構成してもよい。
【0076】
次に、上記構成の衝撃吸収部材40B、緩衝体20及びキャスク100の作用効果について説明する。
【0077】
キャスク100の輸送時に緩衝体20に対して中心軸線O1の径方向外側から外力が加わったとする。本実施形態では、緩衝体20の内部の衝撃吸収部材40Bを構成する複合材管60が、中心軸線O1の径方向に延びている。そのため、複合材管60による高い衝撃吸収性能を発揮することができる。すなわち、複合材管60は第一強化繊維62a及び第二強化繊維62bからなる繊維62を有しているため、複合材管60の延在方向(管軸O2方向)からの荷重に対する衝撃を効果的に吸収できる。
なお、「中心軸線O1の径方向に延びている」とは、当該径方向に平行に延びている状態を含むことはもちろん、多少傾斜して延びている場合も含む。
【0078】
ここで仮に複合材管60の繊維62が第二強化繊維62bのみである場合、中心軸線O1の径方向外側から、管軸O2方向に大きな荷重が加わった際には、衝撃を十分に吸収することができず、複合材管60自体が座屈し、場合によっては折損してしまう。すなわち、複合材管60の管軸O2方向の荷重に対して対抗する繊維62がないため、どうしても強度不足が生じてしまう。
さらに、吸収しきれなかった荷重が周囲の複合材管60に作用することにより、これら周囲の複合材管60も損傷を受ける。この場合、周囲の複合材管60には、予期せぬ方向から荷重が付与されることになるため、やはり衝撃吸収性能を発揮することはできない。
【0079】
他方、仮に複合材管60の繊維62が第一強化繊維62aのみである場合、複合材管60は第一強化繊維62aの配向方向にしたがって管軸O2方向に容易に裂けてしまい、やはり十分に衝撃を吸収することができない。この場合も、上記同様、周囲の複合材管60にも荷重が作用してしまい、これら周囲の複合材管60が衝撃吸収性能を発揮することなく損傷する。
【0080】
これに対して本実施形態では、複合材管60の繊維62が第一強化繊維62a及び第二強化繊維62bを有している。そのため、管軸O2方向に大きな荷重が加わった際には、管軸O2方向に裂けながらも裂けた部分同士が第二強化繊維62bによって拘束されているため、当該拘束力に基づいて衝撃を吸収しながら分離するといった破壊態様を示す。したがって、第一強化繊維62aにしたがって裂ける過程で、第二強化繊維62bによる拘束力が生じることで、複合材管60が破壊される過程で管軸O2方向の荷重が効果的に吸収される。以上から、本実施形態によれば、中心軸線O1の径方向外側からの荷重を効果的に吸収することができる。
【0081】
本実施形態では、複合材管60は、中間層64と、中間層64の軸径方向の外側及び内側をそれぞれ覆う外層63及び内層65と、を備える。
そのため、管軸O2方向に大きな荷重が加わった際に、まず、第一強化繊維62aを含む中間層64が、荷重に対して対抗する。さらに荷重が加わり複合材管60が破壊に到っても、外層63及び内層65の裂けた部分同士が、裂けながらも拘束されているため、各層の分離剥離を抑え込んでいる。
また、
図9に示されるように、本実施形態では、複合材管60が破壊されるとき、内層65は管軸O2方向に裂けながら管径方向に剥離された破砕屑となる。このとき、複合材管60は空孔(中空部60h)を有するため、破砕屑は、カールされながら複合材管60の空孔に収容される。特に本実施形態では、複合材管60は、空孔率40%〜87%の空孔を有するため、カールされた破砕屑を空孔に収容することができる。
したがって、複合材管60に加わった管軸O2方向からの荷重の分力が予期せぬ方向に作用することを抑制できる。そのため、複合材管60の折損、座屈を回避することができる。すなわち、荷重による衝撃を吸収しきれない破壊態様となることが回避できる。
【0082】
さらに、複合材管60は、管軸O2方向と垂直な断面において円形を有する。このため、複数の複合材管60が密接に多数並べられていても、複合材管60と周囲の複合材管60との間に隙間が形成される。したがって、複合材管60が破壊されるとき、外層63も同様に、管径方向外側にカールされた破砕屑となり、複合材管60は周辺に隙間に収容され、複合材管60の折損、座屈を回避することができる。
【0083】
本実施形態では、衝撃吸収部材40Bが複数のブロック体50から構成されており、各ブロック体50は、複数の複合材管60が平行に密集されることで構成されている。これによって、製造コストを抑えながら、高い衝撃吸収性能を実現することができる。
【0084】
例えば仮に全ての複合材管60が緩衝体20の中心軸線O1の径方向に平行となるように放射状に配列した場合、各複合材管60同士の間には中心軸線O1の径方向外側に向かう程に広がる隙間が形成される。
このように隙間が形成されてしまえば、中心軸線O1の径方向外側からの荷重によって、各複合材管60同士の隙間を広げる方向に分力が作用してしまう。上述の通り、各複合材管60はその延在方向の荷重に対して最も衝撃吸収能力を発揮する。しかしながら、荷重が他の方向に分散してしまえば、複合材管60に座屈や折損が生じてしまい、当該衝撃吸収能力を発揮できない。そのため、緩衝体20全体として衝撃吸収能力が低下してしまう。
【0085】
これに対して、本実施形態では、各ブロック体50で複合材管60が互いに平行に密集して配置されている。そのため、中心軸線O1の径方向外側の部分のみで複合材管60同士の隙間が大きくなることはない。したがって、不用意な複合材管60の間の隙間の拡大を回避できる。さらに、当該隙間の拡大を回避することで、中心軸線O1の径方向外側からの荷重の分力が予期せぬ方向に作用することを抑制できる。そのため、周囲の複合材管60の折損、座屈を回避することができる。すなわち、荷重による衝撃を吸収しきれない破壊態様となってしまうことを回避できる。
【0086】
さらに、例えば複合材管60を放射状に配列する場合には、位置調整を行うための特殊な治具が必要となる。その他、複合材管60をテーパ状に形成する等の労力が生じコストが増加してしまう。これに対して、本実施形態では単に複合材管60同士を平行に束ねればよいため、製作コストを低減できる。
【0087】
また、本実施形態では、ブロック体50の周方向の両端が斜めに、中心軸線O1の径方向に沿うように切り欠かれた形状とされているため、当該ブロック体50を周方向に順次配列することで、環状をなす衝撃吸収部材40Bを容易に構成することができる。
さらに、ブロック体50は複合材管60を接着剤によって互いに接合することで構成されているため、容易にブロック体50を製造することができる。
【0088】
<第二実施形態>
次に本発明の第二実施形態について
図10を参照して説明する。第二実施形態で第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
第一実施形態のブロック体50は複数の複合材管60を接着剤で接合して密集及び一体化させていた。これに対して第二実施形態のブロック体150では、複数の複合材管60を被埋込部材160によって密集及び一体化させている。
【0089】
被埋込部材160は、例えば発泡樹脂や木材や多孔質材等によって構成されており、複数の複合材管60が埋め込まれることによって、これら複合材管60が互いに平行に密集及び一体化される。なお、被埋込部材160は、上記以外の材料から構成されていてもよい。
被埋込部材160が発砲樹脂の場合、複合材管60を発砲樹脂に埋め込みながら該発砲樹脂内に収容空間を形成してもよいし、複合材管60を互いに平行に組んだ後に、その間に発砲樹脂を供給して固化させて形成してもよい。また、被埋込部材160が木材の場合、複合材管60を収容するための孔部を予め形成しており、複合材管60を当該孔部に嵌め込むことによって設置してもよい。
【0090】
このような第二実施形態のブロック体150を用いた場合であっても、第一実施形態同様、複数が配列されることで全体として環状をなす衝撃吸収部材40Bが構成される。したがって、第一実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0091】
<変形例>
上記実施形態では、ブロック体を中心軸線O1から見て台形状に形成した。しかしながらこれに限定されることはなく、例えばブロック体が扇形状をなすように構成してもよい。この場合、複合材管60を互いに平行に密集及び一体化させた後に、切削することで扇形状を構成してもよい。また、複合材を配列する過程で、ブロック体における中心軸線O1の径方向内側の端部及び径方向外側の端部が円弧状をなすようにしてもよい。
【0092】
上記実施形態では、複合材管60を有する衝撃吸収部材が、第二衝撃吸収部材40Bに適用されているが、変形例として複合材管60を有する衝撃吸収部材は、第一衝撃吸収部材40Aに適用されてもよい。
【0093】
上記実施形態では、衝撃吸収部材を用いた緩衝体20を、使用済み核燃料11を輸送する輸送容器10に適用したキャスク100を例に説明した。しかしながらこれに限定することはなく、例えば輸送時や設置時に衝撃が及ぶことを回避することが必要なあらゆる物に適用されてもよい。
変形例として、輸送時や設置時に衝撃が及ぶことを回避することが必要な物が衝突する物に、上記実施形態の衝撃吸収部材や緩衝体が設けられてもよい。例えば、キャスクが輸送される周辺の壁や床、キャスクが設置される床や壁に、上記実施形態の衝撃吸収部材や緩衝体が設けられてもよい。
【0094】
上記実施形態では、衝撃吸収部材としての第二衝撃吸収部材40Bを環状に構成した例について説明したが、必ずしも環状でなくてもよい。
【0095】
衝撃吸収部材は、中心軸線O1方向にブロック体が積層されることで構成されていてもよい。この際、互いに積層されるブロック体における複合材管60の姿勢は互いに異なっていてもよい。さらに、互いに積層されるブロック体同士において、中心軸線O1の周方向の端部が、互いにずらされてもよい。
中心軸線O1の径方向に沿うように切り欠かれた形状をなす層を複数層積層する場合は、各層で端部をずらすことによって、切り欠き面が一か所に集中しない。このため、応力の集中を回避することができる。
【0096】
上記実施形態では、ブロック体は、中心軸線O1の周方向の両端が、中心軸線O1の径方向に沿うように切り欠かれた形状をなしている。
変形例として、中心軸線O1の径方向に沿うように切り欠かれた形状をなす層の単層または各層において、層を構成する各管の内、長管とそれより短い短管では異なる特性の管を用いてもよい。その際、長管には衝撃吸収性能が高い管を用いることが好ましい。
【0097】
周方向に配列される各ブロック体は、例えば
図11〜
図13に示されるように、中心軸線O1に直交する平面状に互いに平行に配列して束ねてなる層状構造体70を中心軸線O1方向に複数積層させて構成してもよい。この際、
図11〜
図13に示されるように、各層構造体同士で、それぞれ複合材管60の姿勢が異なるものであってもよい。さらに、各層状構造体70の周方向の端部(
図11〜
図13の左右方向の端部)が、互いにずらされてもよい。端部をずらすことによって、切り欠き面が一か所に集中しないため、応力の集中を回避することができる。
【0098】
さらに、ブロック体は、荷重が付与される方向となる中心軸線O1の径方向に積層されていてもよい。また、中心軸線O1の径方向に積層されたブロック体50同士は、中心軸線O1の周方向の端部の位置が互いに異なっていてもよい。
【0099】
変形例として、複合材管60は、複数の特性が異なる材質を含んでもよい。
他の変形例として、複合材管60は、衝撃エネルギーを吸収する方向に複数重ねた形態であってもよい。
【0100】
変形例として、複合材管60の中空部60hに、多孔質体が配置されていてもよい。
他の変形例として、複合材管60は、二重管又は多重管となるように構成されてもよい。具体的には、複合材管60は、複合材管60の中空部60hにさらに管形状の部材を有してもよく、複合材管60の外郭外部にさらに管形状の部材を有してもよい。また、前述のような形で複数の管形状を配する際、各々の管形状の間(例えば外管と内管の間)に別の材料を配してもよい。
【0101】
上記実施形態では、複合材管60は、管径方向に異なる層として、第一強化繊維62aの層と第二強化繊維62bの層を有している。
変形例として、複合材管60は、さらに、材種、繊維種、配向方向等のあらゆる観点からみて異なる層を有するものであってもよい。
例えば、複合材管60は、管径方向に互いに樹脂種が異なる層を有してもよい。
また、複合材管60は、管径方向に互いに繊維グレードが異なる層を有してもよい。
また、複合材管60は、管径方向に互いに繊維種(CFとGF等)が異なる層を有してもよい。
また、複合材管60は、管径方向に互いにプリプレグ種(一方向材プリプレグ、織物プリプレグ等)が異なる層を有してもよい。
さらに、複合材管60は、CFRP及びGFRPのハイブリットであってもよい。
【0102】
複合材管60は、イニシエータを有してもよい。ここでイニシエータとは、初期破壊開始誘導部位である。
複合材管60は、イニシエータを1以上で有すればよく、管軸O2方向の一端にイニシエータを有することが好ましい。複合材管60は、管軸O2方向の両端にイニシエータを有するものであってもよい。
【0103】
イニシエータは、複合材管60の周面がテーパ部であることが好ましい。
一例として、複合材管60は、テーパ部として、管軸O2方向の一端に向かって、外周面の径が小さくなると共に内周面の径が大きくなるテーパ形状を有する(外側テーパ/内側テーパ)。
他の例として、複合材管60は、テーパ部として、管軸O2方向の一端に向かって、一定の径を有する内周面に対し、外周面の径が小さくなるテーパ形状(外側テーパ/内側ストレート)を有してもよい。
さらに他の例として、複合材管60は、テーパ部として、管軸O2方向の一端に向かって、一定の径を有する外周面に対し、内周面の径が大きくなるテーパ形状(外側ストレート/内側テーパ)を有してもよい。
テーパ部の形状は、外側テーパ/内側ストレート、外側ストレート/内側テーパ、外側テーパ/内側テーパのいずれでもよいが、外側テーパがより好ましい。
【0104】
また、テーパ部を設ける場合、テーパ部における複合材管の肉厚は、複合材管60の管周方向に向かって、一定であってもよく、異なっていてもよい。
管周方向に向かって肉厚が異なる場合、外側の周長が長いほど(複合材管60の端部から離れるほど)肉厚が厚くなる構造が好ましい。
管軸O2に対するテーパ部の傾斜度としては、一様な衝撃エネルギー吸収という点からは、20°以下が好ましく、10°以下がさらに好ましく、5°以下が最も好ましい。
【0105】
他のイニシエータの導入方法としては、例えば複合材管60の管軸O2端面のテーパ加工や面落とし加工するという方法を用いてもよい。複合材管60の管軸O2端面のテーパ加工する場合、テーパの傾斜度としては、20°〜70°が好ましく、30°〜60°がさらに好ましく、40°〜50°がさらに好ましく、45°が最も好ましい。
【0106】
また、他のイニシエータの導入方法としては、複合材管60の端部に、イニシエータとして孔空けや欠陥導入等するという方法がある。
孔空けでは、孔の大きさや数でイニシエータの効果が調整可能である。
例えば、複合材管60の端部から管軸O2に沿って設けられた複数の孔の大きさを、管軸O2に沿って端部から離れるほど徐々に小さくする。
また、複合材管60の端部から管軸O2に沿って設けられた複数の孔の数を、管軸O2に沿って端部から離れるほど徐々に少なくする。
このように、複合材管60の孔の大きさや数を管軸O2に沿って変化させることで、テーパと同様の効果を発現可能である。
孔の形状としては円に限定されるものではなく、スリット、楕円、ひし形、多角形等とされてもよい。
【0107】
さらに、他のイニシエータの導入方法としては、欠陥導入する方法が用いられてもよい。
欠陥としては異物の導入、例えば樹脂粒子や樹脂フィルムを導入する等がある。
特に管径方向に層間を有する複合材管60の場合、層間への異物が導入される、特に樹脂フィルムが導入されると効果が大きい。
異物の導入量や大きさ、導入箇所の数で、イニシエータの効果が制御可能である。
例えば、複合材管60の端部から管軸O2に沿って設けられた異物の導入量を、管軸O2に沿って端部から離れるほど徐々に少なくする。
また、複合材管60の端部から管軸O2に沿って設けられた複数の異物の大きさを、管軸O2に沿って端部から離れるほど徐々に小さくする。
このように、複合材管60の異物の導入量や大きさを管軸O2に沿って変化させることで、テーパと同様の効果を発現可能である。
異物やフィルムの種類としては、マトリクス樹脂との接着性又は密着性が低い材質が好ましく、例えば、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂等があるが、これに限定されない。
【0108】
イニシエータの導入箇所としては、少なくとも一端にイニシエータがあることが好ましい。衝撃吸収の形態や構造によってはイニシエータが両端にあることが好ましい。両端にイニシエータがある場合や、複数のイニシエータがある場合には、それぞれのイニシエータの効き具合を変化させることで衝撃吸収の順番(破壊の順番)や衝撃吸収挙動(部材の破壊挙動)を制御することができる。
【0109】
また、複合材管60のイニシエータとしては、端部の形状に山谷をつけて鋸刃状とする方法があり、その形状の大きさ、数、山谷の角度によって破壊挙動を制御することができる。特に鋸刃状の数については、その後の破壊挙動の分割数を制御することができ有用である。また、山谷の角度については制御する点からは鋭角な方が好ましい。
また、山谷をつけて鋸刃状とするイニシエータ形状については、その鋸刃状の山の向き(刃の向き)を一様な向きではなく多様化な向きを有する山(刃)を有してもよい。鋸刃状の山の向き(刃の向き)が多様となることで衝撃荷重方向へのロバスト性が向上する。 これらのイニシエータの各種方法は、複数を組み合わせられてもよい。
【0110】
衝撃吸収部材は、複合材管60の一端にドーム形状のキャップをさらに備えてもよい。
ドーム形状のキャップとは、半球形状やお椀型に限定されるものではなく、錐状や傘状のもの、これらの中間形状のもの等あるが、これらに限定されるものではない。半球形状やお椀型が好ましい。球形状(中実、中空を含む)の一部分や、試験管の様の形状も好ましい。ドーム形状のキャップを有することで衝撃荷重方向へのロバスト性が向上する。
【0111】
複合材管60の端部へのキャップの設置方法としては、キャップの底を凸部とし、複合材管60の端部へ押し込む形態と、キャップの底を凹部とし、複合材管の端部へ被せる形態とがあるが、どちらも有効である。
複合材管60が密集している場合や狭い空間にある場合には、キャップの底を凹部とし、複合材管60の端部へ被せる形態が好ましい。
キャップの底を凸部とし、複合材管60の端部へ押し込む形態の場合、ドーム形状の最大径は、複合材管60の端部の内周の径以上であり、好ましくは複合材管60の外周の径以上である。
キャップの底を凹部とし、複合材管60の端部へ被せる形態の場合、ドーム形状の底付近の最大径は、複合材管60の外周の径以上である。
また、キャップの底を凹部とし、複合材管60の端部へ被せる形態の場合、ドーム形状の底付近は、広がっている形状(ラッパ形状)が好ましい。
【0112】
また、キャップは、複合材管60のどちらか一方の端部への設置だけでなく、複合材管60の両端へ設置されてもよい。
【0113】
ドーム形状のキャップは、複合材管60を固定するために用いられてもよい。ドーム形状のキャップを固定する方法として、ピン止めやネジ締め、接着、接合を用いることが好ましい。
【0114】
衝撃吸収部材は、複合材管60の周囲に衝撃吸収補助部材をさらに備えてもよい。
複合材管60の周囲に配される衝撃吸収補助部材としては、材質として金属、セラミック、樹脂、ゴム、木材等があるがこれに限定されるものではない。樹脂の材質としては、アクリル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ウレタン、ポリエステル、フェノール、ポリフェニルサルフォン、ポリイミド、ポリメタクリルイミド等あるが、これに限定されるものではない。例えば、アクリル、特殊ポリエステル、ポリメタクリルイミド、ポリフェニルサルフォン等が好ましい。
複合材管60の周囲に配される衝撃吸収補助部材の構造としては、多孔質構造(ポーラス構造)又は穴あき構造がよく、多孔質構造が好ましい。
【0115】
多孔質構造を有する多孔質体の材質としては、金属、セラミック、樹脂、ゴム、木材等があるがこれに限定されるものではない。樹脂の材質としては、アクリル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ウレタン、ポリエステル、フェノール、ポリフェニルサルフォン、ポリイミド、ポリメタクリルイミド等あるが、これに限定されるものではない。アクリル、特殊ポリエステル、ポリメタクリルイミド、ポリフェニルサルフォンが好ましい。木材としてはバルサ材、米スギ材等が好ましい。
多孔質体の空隙率は40%〜95%であり、好ましくは40%〜87%、さらに好ましくは40%〜81%で、さらに好ましくは44%〜70%で、最も好ましくは49%〜59%である。
多孔質体の比重としては、0.05〜0.6が好ましく、その必要性に応じて0.1〜0.2又は0.2〜0.4がさらに好ましい。
【0116】
上記実施形態では、衝撃吸収部材が環状をなし、複合材管60が、衝撃吸収部材の中心軸線O1の径方向に延びる姿勢で中心軸線O1の周方向に配列されている。
このように、複数の複合材管60がまとまって同様の方向に配される場合、各衝撃吸収部材同士で、互いの複合材管60の向きは同様でなくてもよい。
【0117】
例えば、衝撃吸収部材が、中心軸線の周方向に配列された複数のブロック体を中心軸線に沿って複数層を積層させることで構成されている場合について例示する。
この場合、互いに積層されたブロック体同士で、複合材管60の姿勢が互いに異なっていてもよい。
異なる向きの単層が集積されることで、荷重に対する方向性がロバストになる。方向性のズレ幅としては、荷重方向を0°とした場合に好ましくは±10°、より好ましくは±5°、最も好ましくは±2°である。
さらに、互いに積層されたブロック体同士で、中心軸線O1の周方向の端部が、互いにずれていてもよい。
各層の端部をずらすことで、周期的に高性能部分や低強度部分が集中することを抑制し、均一な性能を得られるだけでなく、組立時に隣り合うブロックを配する際、互いに嵌め合う形となり、組立のずれを防止できる。
【0118】
同様に、衝撃吸収部材が、中心軸線O1の周方向に配列された複数のブロック体から構成されており、ブロック体が、複数の複合材管60を中心軸線の直交する平面状で束ねてなる層状構造体を、中心軸線O1に沿って複数層を積層させたものを含んで構成されている場合について例示する。
この場合、互いに積層された各層状構造体同士で、複合材管60の姿勢が互いに異なっていてもよい。
異なる向きの単層が集積されることで、荷重に対する方向性がロバストになる。方向性のズレ幅としては、荷重方向を0°とした場合に好ましくは±10°、より好ましくは±5°、最も好ましくは±2°である。
さらに、互いに積層された前記層状構造体同士は、前記中心軸線の周方向の端部が互いにずれていてもよい。
この場合も、各層の端部をずらすことで、周期的に高性能部分や低強度部分が集中することを抑制し、均一な性能を得られるだけでなく、組立時に隣り合うブロックを配する際、互いに嵌め合う形となり、組立のずれを防止できる。
【0119】
ブロック体は、荷重方向に積み重ねて構成されてもよい。
ブロック体を積み重ねる形態とすることで、各ブロック体の大きさを小さくすることができ、ブロック体の成形性向上、品質の安定化が可能となる。
また、各ブロック体の特性を変更することで、破壊形態や破壊の順番を制御することができる。
各ブロック体の大きさや形状は異なっていても良く、ブロック体が積み重ねられた各層毎にブロック体の大きさや形状を変えることで設計自由度の向上が図れる。
さらに、ブロック体をずらして積み重ねることで、周期的に高性能部分や低強度部分が集中することを抑制し、均一な性能を得られる。
【0120】
上記実施形態では、単層のFRPシートAを複数回巻いて内層65を形成し、次に単層のFRPシートBを複数回巻いて中間層64を形成し、さらに単層のFRPシートAを複数回巻いて外層63を形成している。
変形例として、単層のFRPシートAと単層のFRPシートBとを重ねて複数回(又は一回)巻いて、複合材管が形成されてもよいし、複数層のFRPシートAと複数層のFRPシートBとを重ねて複数回(又は一回)巻いて、複合材管が形成されてもよい。この場合、複合材管は、FRPシートAの単層(又は複数層)と、FRPシートBの単層(又は複数層)とが交互に管径方向に積層された複合材管となる。
他の変形例として、単に複数層のFRPシートAを複数回(又は一回)巻いた後に、複数層のFRPシートBを巻いて、複合材管が形成されてもよい。逆に、複数層のFRPシートBを巻いた後に、複数層のFRPシートAを複数回(又は一回)巻いて、複合材管が形成されてもよい。
【0121】
上記実施形態において、複合材管60の断面形状は円形であるが、変形例として、楕円形、多角形(四角形、六角形等)等であってもよく、加えて、六角形の場合、複合材管60の集合断面がハニカム断面でもあってもよく、さらにこれらに限定されない。衝撃吸収特性および成形性の観点からは円形が好ましい。
【0122】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。