(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
高電圧を印加する電源部に接続された給電部材を介して前記支持筒体に連結され、前記支持筒体と通電する状態で前記高電圧極板を支持する高電圧支持部材を更に備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電気集塵装置。
前記高電圧支持部材は、前記内筒体の一端側を避けながら径方向外側に延伸して前記支持筒体に連結する連結部を含んでいることを特徴とする請求項4に記載の電気集塵装置。
前記接地支持部材および前記高電圧支持部材は、それぞれ、交差した板材によってX字状に形成され、前記板材の板厚面を空気の流通方向に向けた姿勢で配置されていることを特徴とする請求項6に記載の電気集塵装置。
前記内筒体の内部において前記集塵極板および前記高電圧極板よりも空気の流通方向下流側には、空気の臭いを除去する脱臭ユニット、空気に香りを付加する芳香ユニット、および空気を流通方向下流側に送る吸引ファンのうち少なくとも1つが設けられていることを特徴とする請求項9に記載の電気集塵装置内蔵型レンジフード。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の二段式電気集塵装置では、集塵部がイオン化部の上方に配置されているため、二段式電気集塵装置の高さ寸法が大きくなるという問題があった。つまり、二段式電気集塵装置の小型化を図ることができなかった。
【0006】
本発明は、上記した課題を解決するため、小型化を図ることができる電気集塵装置および電気集塵装置内蔵型レンジフードを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するため、本発明の第1の電気集塵装置は、コロナ放電によって空気中の粒子を帯電させて捕集する電気集塵装置であって、一端に端面部を有し、且つ他端を開放した筒状の接地電極として形成されている外筒体と、両端を開放した筒状の接地電極として形成され、前記外筒体の内部において前記外筒体の内周面と前記端面部との間に隙間を挟んで設けられている内筒体と、前記外筒体と前記内筒体との間において前記外筒体と前記内筒体とに電気的に絶縁された状態で設けられた支持筒体に支持されている複数の放電用電極と、前記内筒体の内部に設けられ、接地されている集塵極板と、前記内筒体の内部において前記集塵極板との間に隙間を挟んで設けられている高電圧極板と、前記外筒体の他端から前記外筒体と前記内筒体との隙間に流入した空気を、他端から一端に向かって流通させた後、空気の流通方向を反転して前記内筒体の内部を一端から他端に向かって流通させるように形成されている空気流路と、を備えている。
【0008】
本発明の第1の電気集塵装置によれば、集塵極板および高電圧極板が内筒体に内蔵されているため、内筒体の内部空間を有効利用することができ、且つ電気集塵装置の軸方向の寸法を小さく抑えることができる。これにより、電気集塵装置の小型化を図ることができる。また、集塵極板等が配置された内筒体の内部は空気流路の下流側を構成するため、コロナ放電によって帯電した空気中の粒子は、クーロン力によって接地電極(外筒体、内筒体)に捕集されると共に集塵極板にも捕集される。このように集塵極板等を内筒体に内蔵することで、電気集塵装置の小型化を図りながら空気に含まれる粒子の集塵効率を向上させることができる。
【0009】
本発明の第2の電気集塵装置は、上記した第1の電気集塵装置において、前記集塵極板は、両端を開放した筒状に形成され、前記高電圧極板は、両端を開放した筒状に形成され、前記集塵極板の内部または外部で前記内筒体と前記集塵極板とに対して同心となるように配置されていることが好ましい。
【0010】
本発明の第2の電気集塵装置によれば、内筒体、集塵極板および高電圧極板が中心を共有して配置されることで、内筒体の内部空間を無駄なく有効活用することができる。これにより、安定した粒子の集塵性能を長期間に亘って発揮することができる。
【0011】
本発明の第3の電気集塵装置は、上記した第1の電気集塵装置において、前記集塵極板と前記高電圧極板とは、互いに隙間を挟んで渦巻状に形成されていることが好ましい。
【0012】
本発明の第3の電気集塵装置によれば、例えば、1枚の板材を曲げ加工することで集塵極板と高電圧極板とを渦巻状に形成することができる。これにより、継目の無い集塵極板と高電圧極板とを形成することができ、粒子の集塵性能を安定させることができる。
【0013】
本発明の第4の電気集塵装置は、上記した第1ないし第3のいずれかの電気集塵装置において、高電圧を印加する電源部に接続された給電部材を介して前記支持筒体に連結され、前記支持筒体と通電する状態で前記高電圧極板を支持する高電圧支持部材を更に備えていることが好ましい。
【0014】
ところで、二段式の電気集塵装置では、放電用電極と高電圧極板とに異なる電圧を印加しなければならないこともあった。この場合、給電部材や電源部の出力ポートが2つ以上必要になるため、電気集塵装置の製造コストが増加していた。これに対し、本発明の第4の電気集塵装置によれば、支持筒体と高電圧支持部材とが単一の給電部材を介して電源部に接続されているため、電源部から給電部材を介して放電用電極と高電圧極板とに同じ値の高電圧を印加することができる。これにより、単一の給電部材を放電用電極と高電圧極板とで兼用することができるため、部品点数を削減することができ、電気集塵装置の製造コストの低減を図ることができる。
【0015】
本発明の第5の電気集塵装置は、上記した第4の電気集塵装置において、前記高電圧支持部材は、前記内筒体の一端側を避けながら径方向外側に延伸して前記支持筒体に連結する連結部を含んでいることが好ましい。
【0016】
本発明の第5の電気集塵装置によれば、連結部が内筒体の一端側を避けるように高電圧支持部材の一端部から延びているため、高電圧支持部材(高電圧極板)を内筒体に干渉させることなく支持筒体に連結することができる。これにより、別の部材を介して高電圧支持部材を支持筒体に連結する場合に比べて、部品点数の削減による低コスト化を図ることができる。
【0017】
本発明の第6の電気集塵装置は、上記した第4または第5の電気集塵装置において、前記内筒体に接続され、前記集塵極板を差し込むことで位置決めする第1のスリットを有する接地支持部材を更に備え、前記高電圧支持部材は、前記高電圧極板を差し込むことで位置決めする第2のスリットを有していることが好ましい。
【0018】
本発明の第6の電気集塵装置では、集塵極板が接地支持部材の第1のスリットに位置決めされ、高電圧極板が高電圧支持部材の第2のスリットに位置決めされる構成とした。この構成によれば、集塵極板および高電圧極板を設定された位置に精度良く配置することができる。また、この構成によれば、集塵極板を適切に接地させることができる。また、高電圧極板に対して適切に高電圧を印加することができる。
【0019】
本発明の第7の電気集塵装置は、上記した第6の電気集塵装置において、前記接地支持部材および前記高電圧支持部材は、それぞれ、交差した板材によってX字状に形成され、前記板材の板厚面を空気の流通方向に向けた姿勢で配置されていることが好ましい。
【0020】
本発明の第7の電気集塵装置によれば、接地支持部材および高電圧支持部材をX字状に形成することで、集塵極板および高電圧極板を確りと保持することができる。また、接地支持部材および高電圧支持部材は板材の板厚面を空気の流通方向に向けているため、空気の流通抵抗の増加を抑えることができ、空気流路にて空気を円滑に流すことができる。
【0021】
本発明の第8の電気集塵装置は、上記した第6または第7の電気集塵装置において、
少なくとも前記外筒体の前記端面部側となる一端を閉塞した筒状に形成され、前記内筒体の軸心部において前記接地支持部材と前記高電圧支持部材の何れか一方に接続され、前記集塵極板と前記高電圧極板の何れか一方との間に隙間を挟んで設けられ、前記空気流路において空気の流通の一部を規制する規制部材を更に備えていることが好ましい。
【0022】
本発明の第8の電気集塵装置によれば、規制部材が内筒体の内部空間に流入する気流の一部を阻止することで、帯電した粒子を含む空気が高電圧極板と集塵極板との間を通過しやすくなる。これにより、集塵極板による粒子の集塵効率を向上させることができる。また、規制部材が高電圧支持部材または接地支持部材に接続され、且つ所定の隙間を挟んで高電圧極板または集塵極板に対向しているため、規制部材を、集塵極板または高電圧極板として利用することができる。これにより、集塵極板での粒子の集塵効率をさらに向上させることができる。
【0023】
本発明の第1の電気集塵装置内蔵型レンジフードは、第1ないし第8のいずれかに記載の電気集塵装置と、前記内筒体の一部を除いて前記電気集塵装置を覆う天板と、前記天板の端部から垂れ下がるように設けられた周面板と、を含むフード本体と、前記フード本体の内部において前記周面板と前記天板との間に隙間を挟んで設けられ、前記周面板との間に空気の吸込口を構成する底部と、前記底部よりも下方に設けられ、前記吸込口から空気と共に吸い込まれて集められた粒子を回収する粒子回収部と、を備え、前記外筒体は、その一端を前記底部側に向けた姿勢で設けられ、前記電気集塵装置の内部に吸い込まれた粒子を外側の前記底部に向かって排出するための第1の排出口を有し、前記底部は、前記粒子回収部に向かって下方に傾斜して配置され、前記フード本体の内部に吸い込まれた粒子を前記粒子回収部に落下させるための第2の排出口を有している。
【0024】
本発明の第1の電気集塵装置内蔵型レンジフードによれば、外筒体の端面部を構成する底部が粒子回収部に向かって下り勾配となっているため、電気集塵装置に捕集されて底部上に落下した粒子(油や水等)を粒子回収部に向かって流すことができる。これにより、簡単な構成で、底部上の油等を粒子回収部に集めて回収することができる。その結果、廃棄処理にかかる手間を軽減することができる。
【0025】
本発明の第2の電気集塵装置内蔵型レンジフードは、上記した第1の電気集塵装置内蔵型レンジフードにおいて、前記内筒体の内部において前記集塵極板および前記高電圧極板よりも空気の流通方向下流側には、空気の臭いを除去する脱臭ユニット、空気に香りを付加する芳香ユニット、および空気を流通方向下流側に送る吸引ファンのうち少なくとも1つが設けられていることが好ましい。
【0026】
本発明の第2の電気集塵装置内蔵型レンジフードによれば、脱臭ユニット、芳香ユニットおよび吸引ファンの少なくとも1つを収容するためのケースとして内筒体を利用することができる。これにより、内筒体の内部空間を更に有効に活用することができる。また、吸引ファン等を収容するためのケースを別途設けた場合に比べて、部品点数の削減による低コスト化を図ることができる。さらに、内筒体は感電防止を兼ねて接地されているため、内筒体をフード本体から外部に露出させることもできる。
【0027】
本発明の第3の電気集塵装置内蔵型レンジフードは、上記した第1または第2の電気集塵装置内蔵型レンジフードにおいて、前記外筒体の前記端面部は、前記底部の一部によって構成されていることが好ましい。
【0028】
本発明の第3の電気集塵装置内蔵型レンジフードによれば、底部を取り外すことで、外筒体の下面が開放されるため、外筒体の内部に収容された内筒体や放電用電極等の状態を容易に確認することができる。これにより、電気集塵装置の洗浄やメンテナンスにかかる作業性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、電気集塵装置の小型化を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。なお、各図に示す「Fr」は「前」を示し、「Rr」は「後」を示し、「L」は「左」を示し、「R」は「右」を示し、「U」は「上」を示し、「D」は「下」を示している。このように、本明細書では、説明の便宜のために方向や位置を示す用語を用いるが、それらの用語は本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0032】
図1ないし
図6を参照して、本実施形態に係る電気集塵装置1について説明する。
図1は電気集塵装置1の内部を上方から示す斜視図である。
図2は電気集塵装置1の一部を分解した状態を上方から示す斜視図である。
図3は電気集塵装置1の内部を下方から示す斜視図である。
図4は電気集塵装置1の一部を分解した状態を下方から示す斜視図である。
図5は電気集塵装置1の一部を側方から示す断面図である。
図6は電気集塵装置1を上方から示す断面図である。
【0033】
電気集塵装置1は、粒子(塵埃、ミスト状の油や水等)を含んだ空気を取り込んで、コロナ放電によって空気中の粒子を帯電させて捕集する装置である。正確には、電気集塵装置1は、いわゆる二段式の集塵装置であって、空気中の粒子をコロナ放電によって帯電させると共に捕集する荷電部1Aと、荷電部1Aを通過した空気中の粒子を捕集する集塵部1Bと、を備えている(
図1参照)。電気集塵装置1には排気管(図示せず)が接続され、電気集塵装置1または排気管には電気集塵装置1の内部に空気を取り込むための排気ファン(図示せず)が設けられている。
【0034】
[電気集塵装置]
図1に示すように、電気集塵装置1は、荷電部1Aと、集塵部1Bと、給電用碍子13と、3つの支持用碍子14と、空気流路15と、を備えている。荷電部1Aはコロナ放電を発生させ、集塵部1Bは帯電した粒子にクーロン力を作用させる。給電用碍子13および各支持用碍子14は、外筒体10と放電部12との間を電気的に絶縁する。空気流路15は、粒子を含む空気の流通させる通路である。なお、以下の説明において、「流通方向」とは、空気が流れる方向を指す。また、「上流」および「下流」並びにこれらに類する用語は、空気の流通方向における「上流」および「下流」並びにこれらに類する概念を指す。
【0035】
<荷電部>
図1ないし
図4に示すように、荷電部1Aは、外筒体10と、内筒体11と、放電部12と、を備えている。外筒体10および内筒体11は、基準電位点(例えば、大地等)に接続された接地電極となっている(
図1参照)。放電部12は、高電圧電源部17に接続されて高電圧を印加される(
図1参照)。
【0036】
(外筒体)
外筒体10は、下端(一端)に端面部10Aを有し、且つ上端(他端)を開放した略円筒状に形成されている。外筒体10は、例えば、不燃性、導電性および耐腐食性に優れるステンレスで形成されている。なお、外筒体10の後側下縁部には、外筒体10の内部に取り込まれた油や水等の粒子を外部に排出するための複数の排出口20が形成されている(
図3および
図4参照)。複数の排出口20は、端面部10Aと周壁10Bとの角部に略等間隔に形成されている。
【0037】
外筒体10の周壁10Bのやや上側には、給電用碍子13と3つの支持用碍子14とを取り付けるための4つの碍子用穴が開口している(図示せず)。給電用碍子13に対応した碍子用穴(以下、給電用穴ともいう。)の直径は、他の碍子用穴よりも大きく設定されている。4つの碍子用穴は、周壁10Bの周方向に略等間隔(略90度間隔)に形成されている。また、周壁10Bの上端部には、4つの取付板22を取り付けるための4つの上側取付穴が開口している(図示せず)。周壁10Bの下側には、4つの下側取付穴が開口している(図示せず)。各上側取付穴は、各碍子用穴の上方に形成され、各下側取付穴は、各碍子用穴の下方に形成されている。
【0038】
(内筒体)
内筒体11は、外筒体10よりも上下方向に長く、上下方向両端を開放した略円筒状に形成されている。内筒体11の直径(外径)は、外筒体10よりも小さく設定されている。内筒体11は、外筒体10と同様に、ステンレスで形成されている。内筒体11の下部には、4つの切欠き部11Aが形成されている(
図3および
図4参照)。各切欠き部11Aは、内筒体11の下端から上方に向かって略長方形状に切り欠かれている。4つの切欠き部11Aは、内筒体11の周方向に略等間隔(略90度間隔)に形成されている。
【0039】
また、内筒体11の下側には、4つの取付板22を取り付けるための4つの内側取付穴が開口している(図示せず)。4つの内側取付穴は、内筒体11の周方向に略等間隔に形成されている。各取付板22は、両端部を上下逆方向に折曲させたクランク型のステンレス製金具であって、内筒体11の外側に取り付けられる。各取付板22は、その上端部と内側取付穴とを貫通した取付ネジ23の先端部に取付ナット24を噛み合わせることで内筒体11に固定される(
図2および
図6参照)。なお、取付ネジ23および取付ナット24は、ステンレスで形成されている。
【0040】
(放電部)
放電部12は、支持筒体26と、複数の放電用電極27と、を含んでいる。複数の放電用電極27は、支持筒体26に支持されている。
【0041】
支持筒体26は、外筒体10よりも上下方向に短く、上下方向両端を開放した略円筒状(略円環状)に形成されている。支持筒体26の直径(外径)は、外筒体10よりも小さく、且つ内筒体11よりも大きく設定されている。支持筒体26は、外筒体10等と同様に、ステンレスで形成されている。支持筒体26は、外側支持筒体の内側に内側支持筒体を密着させた二重構造になっている(図示せず)。支持筒体26には、周方向に略等間隔(略90度間隔)に4つの支持穴26Aが開口している(
図5参照)。
【0042】
各放電用電極27は、複数の繊維状の線電極を束ねてブラシ状に形成されている。各放電用電極27は、例えば、直径12μmのステンレス製の線電極を約100本束ねることで形成されている。
【0043】
各放電用電極27の基端部は、外側支持筒体と内側支持筒体との間に挟まれて圧着されている。
図5に示すように、複数の放電用電極27は、支持筒体26から上下両側(流通方向上流側と下流側と)に向かって延びた状態で設けられている。複数の放電用電極27は全て略同じ全長に形成され、複数の放電用電極27の先端は略揃えられている。各放電用電極27の突出長さ(支持筒体26の上端(下端)から各放電用電極27の先端までの長さ)は、約5mmに設定されている。複数の放電用電極27は、支持筒体26の周方向に沿って略等間隔(例えば、約5mm)に並んだ状態に設けられている。複数の放電用電極27は、支持筒体26の上部と下部とで同位相となるように並べられている。つまり、支持筒体26を挟んで対向する一対の放電用電極27は、上下方向に延ばした直線上に設けられている。
【0044】
<給電用碍子>
図1および
図5に示すように、給電用碍子13は、碍子本体30と、給電接続部31と、を含んでいる。碍子本体30は、給電接続部31とは別体で形成されている。碍子本体30および給電接続部31は、例えば、電気絶縁性に優れる磁器または陶器で形成されている。
【0045】
碍子本体30は、胴部30Aと、一対の鍔部30Bと、を含んでいる。胴部30Aは、軸心部に貫通穴30C(
図5参照)を有する略円筒状に形成されている。一対の鍔部30Bは、胴部30Aの長手方向両端部から径方向に広がって略円環状に形成されている。各鍔部30Bは、胴部30Aと一体に形成されている。
【0046】
給電接続部31は、鍔部30Bと略同じ直径となる略有底の円筒状に形成されている。給電接続部31には、一端面を開口した凹部31Aが形成されている。給電接続部31の他端面には、給電接続部31の最大外径よりも小さな直径となる嵌合凸部31Bが突き出すように形成されている。嵌合凸部31Bは、外筒体10の給電用穴に嵌合可能に形成されている。凹部31Aの底壁には、嵌合凸部31Bと同一軸心部に貫通穴31Cが開口している。
【0047】
<支持用碍子>
図1に示すように、3つの支持用碍子14は、それぞれ、磁器製または陶器製であり、胴部14Aの長手方向中央部から径方向に広がった鍔部14Bを含んでいる。各支持用碍子14(胴部14A)の軸心には、貫通穴(図示せず)が形成されている。
【0048】
<集塵部>
図1ないし
図4に示すように、集塵部1Bは、複数(例えば4つ)の集塵極板40と、接地支持部材41と、複数(例えば4つ)の高電圧極板42と、高電圧支持部材43と、規制部材44と、を備えている。各集塵極板40、各高電圧極板42および規制部材44は、内筒体11の内部に設けられている。接地支持部材41は4つの集塵極板40を支持し、高電圧支持部材43は4つの高電圧極板42を支持している。
【0049】
(集塵極板)
図1および
図2に示すように、4つの集塵極板40は、それぞれ、外筒体10よりも上下方向に短く、上下方向両端を開放した略円筒状に形成されている。4つの集塵極板40は、上下方向に略同じ寸法に形成され(
図5参照)、且つ互いに異なる直径に形成されている。4つの集塵極板40は、互いに隙間を挟んで略同心円状に配置されている。各集塵極板40の下部には、高電圧支持部材43との間隔を維持するために、略長方形状の4つの切欠き部40Aが周方向に略等間隔に形成されている(
図4参照)。
【0050】
各集塵極板40は、1枚のステンレス板を曲げて円筒を形成し、その円筒の継目(合せ部)を溶接することで製造される。各集塵極板40は、溶接部分(継目)に仕上げ加工を施して凹凸の少ない円筒状に仕上げることが好ましい。なお、製造コストを削減するために、溶接を省略してもよいし、継目(合せ部)に僅かな隙間を有していてもよい。
【0051】
(接地支持部材)
接地支持部材41は、各集塵極板40の上部を支持する部材である。接地支持部材41は、略直交(交差)した板材によって略X字状に形成されている。接地支持部材41は、集塵極板40よりも上下方向に短く形成されている。接地支持部材41は、交差部分から径方向外側に延びた4本のアーム部41Aを有している。各アーム部41Aには、4つの集塵極板40を差し込むための4つのスリット41Bが形成されている。各スリット41Bは、アーム部41Aの下端から上方に向かって溝状に切り欠かれている。4つのスリット41Bは、径方向に略等間隔に形成されている。各スリット41Bの幅は、集塵極板40の板厚よりも僅かに広く形成されている。各スリット41Bの突当り付近の両側には、略三角柱状の一対の接合ピース45Aが溶接されている。また。各アーム部41Aの径方向外端部の両面には、上下方向に長い略三角柱状の接合ピース45Bが溶接されている。
【0052】
[集塵極板と接地支持部材との接続]
4つの集塵極板40は、その上部を接地支持部材41のスリット41Bに差し込まれることで略等間隔に位置決めされる。各集塵極板40は、スリット41Bの突当りまで差し込まれた状態で一対の接合ピース45A等に溶接される。4つの集塵極板40は、接地支持部材41に固定されると、略等間隔で略同心円状に配置された状態になる。4つの集塵極板40を支持した接地支持部材41は、内筒体11の内部下側に配置され、接合ピース45Bを介して内筒体11の内面に溶接される。
【0053】
なお、接合ピース45A,45Bは、接地支持部材41(アーム部41A)に予め溶接されていたが、本発明はこれに限定されない。接合ピース45Aは集塵極板40をスリット41Bに差し込んだ後に接地支持部材41に溶接されてもよく、接合ピース45Bは接地支持部材41と共に内筒体11に溶接されてもよい。また、集塵極板40および接合ピース45A,45Bは、溶接することで接地支持部材41に接続されていたが、これに限らず、例えば、導電性接着剤による接着等の手法で接地支持部材41に接続されていてもよい。
【0054】
(高電圧極板)
図3および
図4に示すように、4つの高電圧極板42は、それぞれ、上下方向両端を開放した略円筒状に形成されている。4つの高電圧極板42は、集塵極板40と上下方向に略同じ寸法に形成され(
図5参照)、且つ互いに異なる直径に形成されている。4つの高電圧極板42は、互いに隙間を挟んで略同心円状に配置されている。最も外側の高電圧極板42の直径は、内筒体11の直径よりも小さく、且つ最も外側の集塵極板40の直径よりも大きく設定されている。一方、最も内側の高電圧極板42の直径は、最も内側の集塵極板40の直径よりも大きく設定されている。各高電圧極板42の上部には、接地支持部材41との間隔を維持するために、略長方形状の4つの切欠き部42Aが周方向に略等間隔に形成されている(
図2参照)。なお、各高電圧極板42は、集塵極板40と同様であって、1枚のステンレス板を曲げて継目を溶接することで製造される。
【0055】
(高電圧支持部材)
高電圧支持部材43は、略接地支持部材41を上下逆にした形状であって、各高電圧極板42の下部を支持する部材である。高電圧支持部材43は、略直交した板材によって略X字状に形成され、4本のアーム部43Aを有している。各アーム部43Aには、4つの高電圧極板42を差し込むための4つのスリット43Bが径方向に略等間隔に形成されている。4つのスリット43Bは、接地支持部材41の4つのスリット41Bに対して径方向外側にハーフピッチずれた位置に形成されている。各スリット43Bは、高電圧極板42の上端から下方に向かって溝状に切り欠かれている。各スリット43Bの幅は、高電圧極板42の板厚よりも僅かに広く形成されている。各スリット43Bの突当り付近の両側には、略三角柱状の一対の接合ピース45Cが溶接されている。
【0056】
各アーム部43Aの先端部には、アーム部43Aよりも上方に延びた連結部43Cが設けられている。各連結部43Cは、アーム部43Aの先端部を略直角に折り曲げることで形成されている。各連結部43Cの上側には、支持穴43Dが開口している。各連結部43Cの下側には、スペーサー46をネジ留めするための取付穴43Eが形成されている。各スペーサー46は、耐熱性および電気絶縁性を有する合成樹脂等で略六角柱状に形成され、各連結部43Cと周壁10Bとの間に取り付けられている。
【0057】
[高電圧極板と高電圧支持部材との接続]
4つの高電圧極板42は、その下部を高電圧支持部材43のスリット43Bに差し込まれることで略等間隔に位置決めされる。各高電圧極板42は、スリット43Bの突当りまで差し込まれた状態で一対の接合ピース45C等に溶接される。4つの高電圧極板42は、高電圧支持部材43に固定されると、略等間隔で略同心円状に配置された状態になる。
【0058】
なお、接合ピース45Cは、上記した接地支持部材41の接合ピース45A,45Bと同様に、高電圧極板42をスリット43Bに差し込んだ後に高電圧支持部材43に溶接されてもよい。また、高電圧極板42等は、溶接以外の手法(例えば、導電性接着剤による接着等)で高電圧支持部材43に接続されてもよい。
【0059】
(規制部材)
図4および
図5に示すように、規制部材44は、下端(一方)を閉塞し、且つ上端を開放した略円筒状に形成されている。規制部材44は、高電圧極板42等よりも上下方向に短く形成されている。規制部材44の直径は、最も内側(最小)の集塵極板40の直径よりも小さく設定されている。規制部材44の上端と接地支持部材41との間には、隙間が形成されている。規制部材44は、内筒体11の軸心部において高電圧支持部材43の交差部分に溶接されている。なお、規制部材44は、他の部品を介して高電圧支持部材43に接続されてもよいし、溶接以外の手法(例えば、導電性接着剤による接着等)で高電圧支持部材43に接続されてもよい。
【0060】
[電気集塵装置の組立]
ここで、電気集塵装置1の組立手順について説明する。
【0061】
まず、作業者は、4つの高電圧極板42を支持した高電圧支持部材43を外筒体10の内部に配置し、高電圧支持部材43に固定された4つのスペーサー46を外筒体10の4つの下側取付穴に位置合せする。そして、作業者は、外筒体10の外側から下側取付穴に通した取付ネジ47をスペーサー46の雌ネジ部に捩じ込む(
図1および
図2参照)。
【0062】
次に、
図5に示すように、作業者は、複数の放電用電極27を支持した支持筒体26(放電部12)を外筒体10と高電圧支持部材43の連結部43Cとの間に挿入し、支持筒体26の4つの支持穴26Aを4つの連結部43Cの支持穴43Dに位置合せする。続いて、作業者は、碍子本体30を外筒体10と支持筒体26との間に挿入し、碍子本体30を支持穴26Aに位置合せする。作業者は、給電接続部31の嵌合凸部31Bを外筒体10の外側から給電用穴に嵌合させ、給電用ネジ32を貫通穴31Cに差し込む。給電用ネジ32は貫通穴30Cおよび支持穴26A,43Dを通過し、給電用ネジ32の先端部は連結部43Cの内側に突き出す。作業者は、給電用ネジ32の先端部に給電用ナット33を噛み合わせる。なお、給電用ネジ32および給電用ナット33は、例えば、ステンレスで形成されている。
【0063】
これと同様に、作業者は、支持用碍子14を外筒体10と支持筒体26との間に挿入し、支持用ネジ34を碍子用穴に差し込む(
図1等参照)。支持用ネジ34は支持用碍子14の貫通穴および支持穴26A,43Dを通過し、支持用ネジ34の先端部は連結部43Cの内側に突き出す。作業者は、支持用ネジ34の先端部に支持用ナット(図示せず)を噛み合わせる。なお、支持用ネジ34および支持用ナットは、例えば、耐熱性および電気絶縁性を有する合成樹脂で形成されている。
【0064】
以上のように、高電圧極板42を支持した高電圧支持部材43は、ネジ32,34等によって支持筒体26(放電部12)に共締めされる(
図5参照)。また、給電用碍子13(碍子本体30)および各支持用碍子14は、外筒体10と支持筒体26との間に架設された状態になる。
【0065】
次に、作業者は、内筒体11を外筒体10の上面開口から内部に挿入する(
図1参照)。すると、
図5および
図6に示すように、内筒体11の内部に設けられた4つの集塵極板40は、それぞれ、対応する高電圧極板42に対して中心側にずれた位置に進入する。つまり、各集塵極板40は、隣り合う2つの高電圧極板42の中間に配置される。正確には、最も内側の各集塵極板40は、最も内側の高電圧極板42と規制部材44との中間に配置される。作業者は、内筒体11に固定された4つの取付板22の下端部を外筒体10の内側において4つの上側取付穴に位置合せする。作業者は、上側取付穴と取付板22の下端部とを貫通させた取付ネジ28の先端部に取付ナット29を噛み合わせる(
図1、
図2および
図5参照)。なお、取付ネジ28および取付ナット29は、ステンレスで形成されている。また、各取付板22は、予め外筒体10に固定されていてもよい。
【0066】
以上によって、電気集塵装置1の組立が完了する(
図1参照)。電気集塵装置1が組み立てられた状態で、内筒体11は、外筒体10の内部において外筒体10の内周面と端面部10Aとの間に隙間を挟んで設けられた状態になる(
図5参照)。支持筒体26(各放電用電極27)は、外筒体10と内筒体11との間において外筒体10と内筒体11とに電気的に絶縁された状態で設けられている。各放電用電極27は、外筒体10と内筒体11との間の隙間を二等分する位置に設けられている(
図5参照)。すなわち、各放電用電極27と外筒体10(周壁10B)とを結ぶ最短距離(放電ギャップ)と、各放電用電極27と内筒体11とを結ぶ最短距離(放電ギャップ)とは、略同一距離になっている。本実施形態では、放電ギャップは、15〜18mm程度に設定されているが、放電用電極27の長さや太さ、印加電圧の大きさ等を考慮して設定されることが好ましい。なお、本明細書では、「二等分」とは、完全な二等分を要求するものではなく、製造上の数ミリ程度の誤差を許容する意味である。
【0067】
また、
図5および
図6に示すように、電気集塵装置1が組み立てられた状態で、外筒体10、内筒体11、支持筒体26、4つの高電圧極板42、4つの集塵極板40および規制部材44は、側面から見て略平行に配置され、且つ平面から見て略同心となるように配置されている。4つの高電圧極板42は、それぞれ、集塵極板40との間に隙間を挟んで対向するように設けられている。規制部材44は、最も内側の集塵極板40との間に隙間を挟んで対向するように設けられている。4つの集塵極板40と4つの高電圧極板42とは、交互に略等間隔で同心円状に配置されている。正確には、最も外側の高電圧極板42は、最も外側の集塵極板40と内筒体11との間隔を二等分する位置に配置されている。また、最も内側の集塵極板40は、最も内側の高電圧極板42と規制部材44との間隔を二等分する位置に配置されている。また、規制部材44の上端部は、接地支持部材41の下端面との間に隙間を挟んで対向している。
【0068】
また、
図5に示すように、電気集塵装置1が組み立てられた状態で、電気集塵装置1の内部には、略U字状の空気流路15が形成されている。空気流路15は、上流側流路15Aと、下流側流路15Bと、を含んでいる。
【0069】
上流側流路15Aは、外筒体10の内面と内筒体11の外面との間に形成されている。上流側流路15Aは、外筒体10の上面開口から外筒体10と内筒体11との隙間に流入した空気を、上方から下方に向かって流通させるように形成されている。下流側流路15Bは、内筒体11の内部に形成されている。下流側流路15Bは、上流側流路15Aの下流端まで流通した空気の流通方向を反転して内筒体11の内部を下方から上方に向かって流通させるように形成されている。なお、接地支持部材41および高電圧支持部材43は、下流側流路15Bにおいて板材の板厚面を空気の流通方向に向けた姿勢で配置されている。
【0070】
また、電気集塵装置1が組み立てられた状態で、内筒体11は、排気管(図示せず)の上流端部に接続され、外筒体10は接地(アースに接続)される(
図1参照)。また、内筒体11は各取付板22および外筒体10を介して接地され、集塵極板40は接地支持部材41および内筒体11等を介して接地される。
【0071】
また、
図1に示すように、給電用碍子13の給電用ネジ32(給電部材)には、高電圧電源部17の出力端子が接続される。高電圧電源部17(電源部)は、高圧トランス17Aと、倍圧部17Bと、を含んでいる。高電圧電源部17は、各放電用電極27(放電部12)と各筒体10,11との間に高電圧を印加する。また、高電圧電源部17は、支持筒体26に共締めされた高電圧支持部材43を介して各高電圧極板42および規制部材44にも高電圧を印加する。高圧トランス17Aは、元電源P(商用電源)の交流電圧を昇圧する。倍圧部17Bは、高圧トランス17Aで昇圧した交流電圧を直流電圧に変換し、且つ更に昇圧することで約5kVの高電圧を生成する。また、倍圧部17Bは、放電用電極27に対する高電圧の印加を制御する出力制御部としても機能する。
【0072】
なお、内筒体11および各集塵極板40は切欠き部11A,40Aによって高電圧支持部材43の上部を跨いでいるため(
図3および
図4参照)、内筒体11等と高電圧支持部材43との間での異常放電が抑制されている。これと同様に、各高電圧極板42は、切欠き部42Aによって接地支持部材41の下部を跨いでいるため(
図1および
図2参照)、各高電圧極板42と接地支持部材41との間での異常放電が抑制されている。
【0073】
[電気集塵装置の作用]
次に、
図5を参照して、電気集塵装置1の作用について説明する。なお、
図5において、太線矢印は空気の流通方向を示し、小さな円は集塵された粒子を示している。
【0074】
粒子を含む空気は、排気管に設けた排気ファンの回転駆動によって、外筒体10の上面開口から上流側流路15Aに流入し、上流側流路15Aに沿って上方から下方に向かって流れる。高電圧電源部17は、放電部12と各筒体10,11との間に高電圧を印加する。すると、各放電用電極27の周囲に生じた電界によってコロナ放電(負極性コロナ)が発生する。
【0075】
コロナ放電は、各放電用電極27の先端部と外筒体10との間、および各放電用電極27の先端部と内筒体11との間に、略円錐状の帯電エリアEAを形成する。このコロナ放電は、上流側流路15A(帯電エリアEA)を流れる空気中の粒子を帯電させる。帯電した粒子は、接地電極である外筒体10の内面または内筒体11の外面に引き寄せられて吸着される。つまり、空気中の粒子は、空気から分離されて各筒体10,11の表面に捕集される。
【0076】
放電部12(帯電エリアEA)を通過した空気は、上流側流路15Aの下流端まで流れた後、反転(Uターン)されて下流側流路15Bに流入する。下流側流路15Bに流入した空気は、各集塵極板40と各高電圧極板42との隙間を下方から上方に向かって流れる。また、下流側流路15Bの中心付近を流れる空気は、規制部材44の下面に衝突し、その下面に沿って径方向外側に流れた後、規制部材44と集塵極板40との隙間等を下方から上方に向かって流れる。つまり、規制部材44は、空気流路15(下流側流路15B)において空気の流通の一部を規制する。上流側流路15Aの流通過程で捕集されずに残った空気中の粒子は、接地電極である内筒体11の内面と4つの集塵極板40の両面に引き寄せられて吸着される。
【0077】
以上によって、粒子を概ね除去された空気は、下流側流路15Bの下流端まで流れた後、排気管を通って外部に排気される。なお、電気集塵装置1は、定期的に分解されてメンテナンスされる。各筒体10,11や各集塵極板40に捕集された粒子は、電気集塵装置1の定期メンテナンス時に、アルカリ洗剤を用いた超音波洗浄等を実施することで除去される。
【0078】
以上説明した電気集塵装置1によれば、集塵極板40および高電圧極板42(集塵部1B)が内筒体11に内蔵されているため、内筒体11の内部空間を有効利用することができ、電気集塵装置1の軸方向(上下方向)の寸法を小さく抑えることができる。これにより、電気集塵装置1の小型化を図ることができる。また、集塵部1Bが配置された内筒体11の内部は空気流路15の下流側を構成するため、コロナ放電によって帯電した空気中の粒子は、クーロン力によって接地電極(外筒体、内筒体)に捕集されると共に集塵極板40にも捕集される。このように集塵部1Bを内筒体11に内蔵することで、電気集塵装置1の小型化を図りながら空気に含まれる粒子の集塵効率を向上させることができる。
【0079】
また、本実施形態に係る電気集塵装置1によれば、内筒体11、集塵極板40および高電圧極板42が中心を共有して配置されることで、内筒体11の内部空間を無駄なく有効活用することができる。これにより、安定した粒子の集塵性能を長期間に亘って発揮することができる。
【0080】
ところで、二段式の電気集塵装置では、放電用電極と高電圧極板とに異なる高電圧を印加しなければならないこともあった。この場合、給電部材や電源部の出力ポートが2つ以上必要になるため、電気集塵装置の製造コストが増加していた。これに対し、本実施形態に係る電気集塵装置1では、高電圧支持部材43が、高電圧を印加する高電圧電源部17に接続された給電用ネジ32(給電部材)を介して支持筒体26に連結され、その支持筒体26と通電する状態で高電圧極板42を支持する構成とした。この構成によれば、支持筒体26と高電圧支持部材43とが単一の給電用ネジ32を介して高電圧電源部17に接続されているため、高電圧電源部17から給電用ネジ32を介して放電用電極27と高電圧極板42とに同じ値の高電圧を印加することができる。これにより、単一の給電用ネジ32を放電用電極27(支持筒体26)と高電圧極板42とで兼用することができるため、部品点数を削減することができ、電気集塵装置1の製造コストの低減を図ることができる。
【0081】
また、本実施形態に係る電気集塵装置1では、高電圧支持部材43が、内筒体11の下端側を避けながら径方向外側に延伸して支持筒体26に連結する連結部43Cを含む構成とした。この構成によれば、連結部43Cが内筒体11の下端側を避けるように高電圧支持部材43の下端部から延びているため、高電圧支持部材43(高電圧極板42)を内筒体11に干渉させることなく支持筒体26に連結することができる。これにより、別の部材を介して高電圧支持部材43を支持筒体26に連結する場合に比べて、部品点数の削減による低コスト化を図ることができる。
【0082】
また、本実施形態に係る電気集塵装置1では、集塵極板40が接地支持部材41のスリット41Bに位置決めされ、高電圧極板42が高電圧支持部材43のスリット43Bに位置決めされる構成とした。この構成によれば、集塵極板40および高電圧極板42を設定された位置に精度良く配置することができる。また、この構成によれば、集塵極板40を適切に接地させることができる。また、高電圧極板42に対して適切に高電圧を印加することができる。
【0083】
また、本実施形態に係る電気集塵装置1によれば、接地支持部材41および高電圧支持部材43を略X字状に形成することで、集塵極板40および高電圧極板42を確りと保持することができる。また、接地支持部材41および高電圧支持部材43は板材の板厚面を空気の流通方向に向けているため、空気の流通抵抗の増加を抑えることができ、空気流路15にて空気を円滑に流すことができる。
【0084】
また、本実施形態に係る電気集塵装置1によれば、規制部材44が内筒体11の内部空間に流入する気流の一部を阻止することで、帯電した粒子を含む空気が高電圧極板42と集塵極板40との間を通過しやすくなる。これにより、集塵極板40による粒子の集塵効率を向上させることができる。また、規制部材44が高電圧支持部材43に接続されて所定の隙間を挟んで集塵極板40に対向しているため、規制部材44を、高電圧極板42として利用することができる。これにより、集塵部1Bでの粒子の集塵効率をさらに向上させることができる。
【0085】
[応用例]
次に、
図7および
図8を参照して、本実施形態に係る電気集塵装置1の応用例として、電気集塵装置1を備えた電気集塵装置内蔵型レンジフード2について説明する。
図7は電気集塵装置内蔵型レンジフード2の内部を上方から示す斜視図である。
図8は電気集塵装置内蔵型レンジフード2の一部を側方から示す断面図である。なお、以下の説明では、上記した電気集塵装置1の構成については同一の符号を付し、同様の説明は省略する。
【0086】
図7および
図8に示すように、電気集塵装置内蔵型レンジフード2は、上記した電気集塵装置1と、フード本体50と、底部51と、油回収部52(粒子回収部)と、吸引ファン53と、脱臭ユニット54と、芳香ユニット55と、を備えている。
【0087】
フード本体50は、下方を開放した略直方体状に形成されている。フード本体50は、左右方向に長い略長方形状に形成された天板50Aと、天板50Aの四方の端部(四辺)から垂れ下がるように設けられた周面板50Bと、を含んでいる。周面板50Bは、天板50Aを囲むように略角筒状に形成されている。天板50Aの略中央部には、内筒体11を貫通させるための円形開口部50Cが形成されている(
図8参照)。また、天板50Aには、衝突板56が垂れ下がるように設けられている(
図8参照)。衝突板56は、外筒体10よりも大きな直径となる略円筒状に形成されている。衝突板56は、周面板50Bよりも上下方向に短く形成されている。なお、衝突板56は省略されてもよい。
【0088】
電気集塵装置1は、その内筒体11の上部を天板50Aの円形開口部50Cに挿入させた状態で衝突板56との間に隙間を挟んで配置されている。電気集塵装置1は、外筒体10と衝突板56との間に架設されたステー(図示せず)によってフード本体50の内部に固定されている。なお、内筒体11と天板50Aとの間にステーが架設されてもよい。周面板50Bと衝突板56との間には第1フード内流路57Aが形成され、衝突板56と電気集塵装置1(主に外筒体10)との間には第2フード内流路57Bが形成されている。各フード内流路57A,57Bは、電気集塵装置1の空気流路15に連続している。また、内筒体11は天板50Aよりも上方に突き出し、天板50Aは内筒体11の一部を除いて電気集塵装置1を覆っている。内筒体11の上端部には、排気管(図示せず)が接続されている。内筒体11の上部がフード本体50の外部に露出しているため、排気管を容易に接続することができる。なお、内筒体11は接地されているため、感電の虞は無く安全である。
【0089】
外筒体10は、その下端(一端)を底部51側に向けた姿勢で設けられている。この電気集塵装置1では、外筒体10の端面部10Aが除去されており、後述する底部51の一部が端面部10Aを構成する。また、電気集塵装置1の内部に吸い込まれた粒子(塵埃、油、水等)を外側の底部51に向かって排出するための複数の排出口20(第1の排出口)は、外筒体10の周壁10Bの下端部に形成されている。
【0090】
底部51は、上方を開放した略トレイ状に形成され、フード本体50の内部に配置されている。底部51は、平面から見て、天板50Aよりも小さく、且つ衝突板56よりも大きな略長方形状に形成されている。底部51は、衝突板56よりも下方、且つフード本体50の下端よりも上方に配置されている。底部51は、前後方向に延びた固定片51A(
図7参照)を介して周面板50Bに着脱可能に固定されている。底部51は、フード本体50の内部において周面板50Bと天板50Aとの間に隙間を挟んで設けられている。底部51は、周面板50Bとの間に空気の吸込口58を構成している。
【0091】
底部51の略中央部には、電気集塵装置1の外筒体10の下端面が当接している。すなわち、底部51の一部は、外筒体10の下面開口を閉塞することで端面部10Aとして機能する。底部51は、左後側の角部に向かって下り勾配(例えば1〜3度程度)となる姿勢でフード本体50に固定されている。このため、底部51上に配置された電気集塵装置1も、底部51と同じ角度で傾斜した姿勢になっている。また、底部51の左後側の角部底面には、排出口59(第2の排出口)が開口している。
【0092】
油回収部52は、排出口59に対応した位置で底部51よりも下方に設けられている。油回収部52は、ホルダー52Aと、これに保持されるカップ52Bと、を含んでいる。ホルダー52Aは、フード本体50の左後側の下角部に設けられている。ホルダー52Aは、前面と上面とを開放した略直方体状に形成されている。カップ52Bは、上面を開放した略円筒状に形成されている。カップ52Bの側面には、作業者が把持するための取っ手52Cが形成されている。カップ52Bは、前後方向に着脱可能な状態でホルダー52Aに収容されている。なお、底部51の排出口59は、平面から見て、ホルダー52Aに保持されたカップ52Bの略中央に対応した位置に開口している。
【0093】
吸引ファン53、脱臭ユニット54および芳香ユニット55は、内筒体11の内部において集塵極板40および高電圧極板42よりも空気の流通方向下流側に設けられている。吸引ファン53は、内筒体11の上端部に固定されている。吸引ファン53は、内筒体11の軸心周りに回転する所謂プロペラファンである。脱臭ユニット54は、吸引ファン53と集塵部1Bとの間で内筒体11に固定されている。脱臭ユニット54は、例えば、通風性を有する容器に詰められた活性炭を含んでいる。芳香ユニット55は、吸引ファン53と脱臭ユニット54との間で内筒体11に固定されている。芳香ユニット55は、例えば、通風性を有する容器に詰められた芳香剤を含んでいる。なお、吸引ファン53は、プロペラファンに限らず、例えば、シロッコファン等であってもよい。
【0094】
[電気集塵装置内蔵型レンジフードの作用]
次に、
図8を参照して、電気集塵装置内蔵型レンジフード2の作用について説明する。なお、以下の説明では、上記した電気集塵装置1の作用と同様の説明は省略する。また、
図8において、太線矢印は空気の流通方向を示し、小さな円は集塵された油等の粒子を示している。
【0095】
吸引ファン53を回転駆動させると、粒子を含む空気は、吸込口58を通って第1フード内流路57Aに流入し、衝突板56に衝突しながら衝突板56に沿って下方に流れる。空気中の粒子のうち比較的粒径が大きく重い粒子(例えば、油や塵埃等)は、衝突板56に衝突することで、空気から分離されて底部51上に落下(滴下)する。このように、衝突板56は、電気集塵装置1による粒子の捕集に先立って、空気から一部の粒子を除去する前処理を行う機能を有している。
【0096】
前処理された空気は、衝突板56の下方で反転(Uターン)され、第2フード内流路57Bに流入し、第2フード内流路57Bに沿って下方から上方に流れる。前処理された空気は、第2フード内流路57Bの下流端まで流れた後、流通方向を反転(Uターン)されて外筒体10の上面開口から上流側流路15Aに流入する。その後、前処理された空気が荷電部1Aから集塵部1Bまで流れる過程で、空気中の粒子は空気から分離されて各筒体10,11および各集塵極板40に捕集される。
【0097】
粒子を概ね除去された空気は、脱臭ユニット54を通過することで臭いを除去された後、芳香ユニット55を通過することで香りを付加される。芳香を有する空気は、吸引ファン53の作用によって流通方向下流側に送られ、排気管を通って外部に排気される。
【0098】
各筒体10,11および各集塵極板40に捕集された油等は、底部51上に落下(滴下)する。底部51は油回収部52に向かって下方に傾斜しているため、外筒体10の内側の範囲(端面部10Aに相当する底部51)に溜まった油等は、排出口20を通って外筒体10の外側(油回収部52)に向かって流れる。また、衝突板56に衝突して底部51上に落下(滴下)した油等も油回収部52に向かって流れる。底部51の傾斜によって流れた油等は、排出口59を通って油回収部52のカップ52B内に滴下する。このように、油回収部52は、吸込口58から空気と共に吸い込まれた油等を集めて回収する。なお、油等を溜めるカップ52Bがホルダー52Aに対して着脱することができるため、カップ52Bに溜まった油等を容易に廃棄することができる。
【0099】
以上説明した電気集塵装置内蔵型レンジフード2では、底部51が、油回収部52に向かって下方に傾斜して配置され、フード本体50の内部に吸い込まれた油等を油回収部52に落下させるための排出口59を有する構成とした。この構成によれば、電気集塵装置1に捕集されて底部51上に落下した油等を油回収部52に向かって流すことができる。これにより、簡単な構成で、底部51上の油等を油回収部52に集めて回収することができる。その結果、廃棄処理にかかる手間を軽減することができる。なお、電気集塵装置内蔵型レンジフード2では、電気集塵装置1が底部51の傾斜に沿って傾斜した姿勢であったが、これに限らず、例えば、電気集塵装置1は、底部51の傾斜とは関係なく、略垂直な姿勢で設けられていてもよい。
【0100】
また、この電気集塵装置内蔵型レンジフード2によれば、脱臭ユニット54、芳香ユニット55および吸引ファン53を収容するためのケースとして内筒体11を利用することができる。これにより、内筒体11の内部空間を更に有効に活用することができる。また、吸引ファン53等を収容するためのケースを別途設けた場合に比べて、部品点数の削減による低コスト化を図ることができる。さらに、内筒体11は感電防止を兼ねて接地されているため、内筒体11をフード本体50から外部に露出させることもできる。なお、電気集塵装置内蔵型レンジフード2では、脱臭ユニット54、芳香ユニット55および吸引ファン53が内筒体11に収容されていたが、本発明はこれに限定されない。脱臭ユニット54、芳香ユニット55および吸引ファン53のうち少なくとも1つが内筒体11の内部に設けられていればよい。
【0101】
また、この電気集塵装置内蔵型レンジフード2によれば、底部51を取り外すことで、外筒体10の下面が開放されるため、外筒体10の内部に収容された内筒体11や放電用電極27等の状態を容易に確認することができる。これにより、電気集塵装置1の洗浄やメンテナンスにかかる作業性を向上させることができる。なお、この電気集塵装置1では、外筒体10の端面部10Aが除去されていたが、これに限らず、端面部10Aを除去せずに底部51上に載置してもよい。
【0102】
[変形例]
なお、本実施形態に係る電気集塵装置1(電気集塵装置内蔵型レンジフード2に内蔵された電気集塵装置1も含む。以下同じ。)では、集塵極板40と高電圧極板42とが略円筒状に形成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、
図9に示すように、集塵極板60と高電圧極板62とが、互いに隙間を挟んで渦巻状に形成されていてもよい。なお、集塵極板60の最も外側の端部は、その内側の集塵極板60に接触している。また、高電圧極板62の最も内側の端部は、その外側の高電圧極板62に接触している。この変形例に係る電気集塵装置1によれば、例えば、1枚の板材を曲げ加工することで集塵極板60と高電圧極板42とを渦巻状に形成することができる。これにより、継目の無い集塵極板60と高電圧極板42とを形成することができ、粒子の集塵性能を安定させることができる。
【0103】
また、他にも、図示は省略するが、集塵極板40,60と高電圧極板42,62とは、略円筒状に限らず、平板状に形成されてもよい(図示せず)。
【0104】
また、本実施形態に係る電気集塵装置1(変形例を含む。以下同じ。)では、外筒体10、内筒体11、支持筒体26、集塵極板40,60、高電圧極板42,62および規制部材44(以下、「外筒体10等」ともいう。)が、それぞれ、略円筒状に形成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、外筒体10等は、楕円形状断面を有する筒状に形成されていてもよいし、三角形や四角形等の多角形状断面を有する角筒状に形成されていてもよい。また、外筒体10等は、ステンレス製であったが、これに限らず、鉄、銅、アルミニウム合金等の金属で形成されていてもよい。
【0105】
また、本実施形態に係る電気集塵装置1では、集塵極板40と高電圧極板42とが、それぞれ、4つ設けられていたが、本発明はこれに限定されない。集塵極板40と高電圧極板42とは、それぞれ、1つ以上設けられていればよい。また、集塵極板40の数と高電圧極板42の数とが異なっていてもよい。
【0106】
また、本実施形態に係る電気集塵装置1では、最も外側の高電圧極板42が内筒体11に対向することで、内筒体11が集塵極板40に相当する機能を有していたが、本発明はこれに限定されない。集塵効率が若干低下するが、最も外側の集塵極板40が内筒体11に対向するように、集塵極板40と高電圧極板42との配置を変更してもよい。
【0107】
また、本実施形態に係る電気集塵装置1では、高電圧支持部材43に接続された規制部材44が最も内側の集塵極板40に対向することで、規制部材44が高電圧極板42に相当する機能を有していたが、本発明はこれに限定されない。集塵効率が若干低下するが、最も内側の高電圧極板42が規制部材44に対向するように、集塵極板40と高電圧極板42との配置を変更してもよい。なお、この場合、規制部材44を接地支持部材41に接続することで、集塵効率の低下を防ぐことができる。
【0108】
また、本実施形態に係る電気集塵装置1では、規制部材44が高電圧支持部材43に接続され、集塵極板40(60)に対向していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、規制部材44は、内筒体11の軸心部において接地支持部材41に接続され、高電圧極板42(62)との間に隙間を挟んで設けられてもよい。また、規制部材44は、下端を閉塞されていたが、これに限らず、上端を閉塞されてもよいし、上下両端を閉塞されてもよい。つまり、規制部材44は、両端の少なくとも一方を閉塞した筒状に形成されていればよい。
【0109】
また、本実施形態に係る電気集塵装置1では、放電用電極27を負極として負極性コロナを発生させるマイナス荷電方式を採用していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、放電用電極27を正極として正極性コロナを発生させるプラス荷電方式を採用してもよい。しかしながら、マイナス荷電方式は、プラス荷電方式に比べて、低い電圧でコロナ放電を発生させることができるため、マイナス荷電方式を採用することが好ましい。また、マイナス荷電方式は、プラス荷電方式に比べて、異常放電の発生頻度が少なく、異常放電時のスパーク音も小さいため、コロナ放電時の騒音等を抑制することができる。
【0110】
また、本実施形態に係る電気集塵装置1では、支持筒体26の上部に固定した放電用電極27と、支持筒体26の下部に固定した放電用電極27とが分かれていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、放電用電極27が、支持筒体26を上下方向に貫通し、且つ支持筒体26の上下両端から突き出すような長さに形成されていてもよい。つまり、上側の放電用電極27と下側の放電用電極27とが一本に繋がっていてもよい。
【0111】
また、本実施形態に係る電気集塵装置1では、複数の放電用電極27が支持筒体26の上部と下部とで同位相となるように並べられていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、支持筒体26の上部に固定された複数の放電用電極27と、支持筒体26の下部に固定された複数の放電用電極27とが、周方向に1/2ピッチずれていてもよい(図示せず)。これにより、下流側(上側)の放電用電極27で発生した帯電エリアEAが、上流側(下側)の放電用電極27で帯電エリアEAを発生させられなかったエリアを補うことができる。
【0112】
また、本実施形態に係る電気集塵装置1では、放電用電極27が外側支持筒体と内側支持筒体とに圧着されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、放電用電極27は、接着剤を介して支持筒体26に接着されていてもよい。また、例えば、放電用電極27は、静電植毛加工によって支持筒体26に植え付けられていてもよい。なお、接着や静電植毛加工を用いる場合、支持筒体26を二重構造にする必要はない。また、放電用電極27は、ステンレス製であったが、これに限らず、タングステンやチタン合金等の金属で形成されていてもよい。
【0113】
また、本実施形態に係る電気集塵装置1では、内筒体11が4つの取付板22を介して外筒体10に取り付けられていたが、本発明はこれに限定されない。内筒体11は、1つ以上の取付板22を介して外筒体10に取り付けられていればよい。また、取付板22は、取付ネジ23,28および取付ナット24,29で外筒体10等に取り付けられていたが、これに代えて、導電性接着剤による接着や溶接等の手段によって取り付けられていてもよい。
【0114】
また、本実施形態に係る電気集塵装置1では、支持筒体26が、4つの碍子13,14を介して外筒体10に支持されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、支持筒体26は、1つの給電用碍子13と1つの支持用碍子14とで外筒体10に支持されていてもよい。
【0115】
また、本実施形態に係る電気集塵装置1は縦置きにされ、空気流路15が上下方向に延びていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、電気集塵装置1は横置きにされ、空気流路15が左右方向または前後方向に延びていてもよい。
【0116】
なお、上記実施形態の説明は、本発明に係る電気集塵装置および電気集塵装置内蔵型レンジフードの一態様を示すものであって、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。