特許第6979314号(P6979314)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6979314
(24)【登録日】2021年11月17日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/11 20060101AFI20211125BHJP
【FI】
   H01R13/11 302F
【請求項の数】11
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-179852(P2017-179852)
(22)【出願日】2017年9月20日
(65)【公開番号】特開2019-57370(P2019-57370A)
(43)【公開日】2019年4月11日
【審査請求日】2020年6月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117341
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】林 寿和
(72)【発明者】
【氏名】黒岩 正和
【審査官】 関 信之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−250175(JP,A)
【文献】 特開2012−146518(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
雌端子と、前記雌端子を保持するハウジングとを備えるコネクタであって、
前記雌端子は、本体部と、接点と、支持部と、保護部とを有しており、
前記本体部は、前後方向において前方に開口しかつ前記前後方向に沿って雄端子を受容する受容部を有しており、
前記接点は、前記受容部内に位置しており、
前記支持部は、前記接点を支持しており、
前記保護部は、前記前後方向において前記支持部よりも前方に位置し、かつ前記支持部を部分的に保護しており、
前記保護部は、前記雄端子を前記受容部へガイドするガイド部であって、前記前後方向と交差するガイド部を有しており、
前記ハウジングは、前記雌端子を収容する収容部と、前記収容部につながる挿入口と、開口部とを有しており、
前記挿入口は、前記前後方向において前記収容部の前方に位置しており、
前記挿入口は、前記前後方向と直交する所定方向において開いており、それによって、前記開口部とつながっており、
前記前後方向において前方から前記コネクタを見た場合に、前記ガイド部は前記挿入口内において少なくとも部分的に視認可能である
コネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のコネクタであって、
前記保護部は、前記本体部から前記受容部内に向かって延びており、
前記ガイド部は、前記前後方向と斜交している
コネクタ。
【請求項3】
請求項2に記載のコネクタであって、
前記保護部は、前記前後方向と斜交している
コネクタ。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のコネクタであって、
前記支持部は、固定端と、前記前後方向において前記固定端よりも後方に位置する自由端とを有しており、
前記保護部は、前記前後方向において前記支持部の前記固定端よりも前方に位置しており、
前記コネクタを前記前後方向において前方から見た場合に、前記保護部は、前記支持部の前記固定端の全体を覆っている
コネクタ。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれに記載のコネクタであって、
前記保護部は、前記前後方向において後方へ向いた端部を有しており、
前記本体部は、前記保護部の前記端部が前記前後方向において後方へ移動することを規制する第1規制部を有している
コネクタ。
【請求項6】
請求項5に記載のコネクタであって、
前記本体部は、底壁と、一対の側壁とを有しており、
前記底壁は、前記所定方向において前記接点と対向しており、
前記側壁は、前記前後方向及び前記所定方向の双方と直交する横方向において互いに対向するように、前記底壁の両側から前記所定方向に沿って延びており、
前記第1規制部は、前記側壁に夫々形成されている
コネクタ。
【請求項7】
請求項6に記載のコネクタであって、
前記本体部は、前記保護部の前記端部が前記底壁の方へ移動することを規制する第2規制部を有しており、
前記第2規制部は、前記側壁に夫々形成されており、
前記第1規制部及び前記第2規制部は、前記側壁に夫々形成された切り欠きによって構成されている
コネクタ。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれかに記載のコネクタであって、
前記コネクタを前記前後方向において前方から見た場合に、前記保護部と前記本体部との境界部分は前記開口部内において視認可能である
コネクタ。
【請求項9】
請求項1から請求項8までのいずれかに記載のコネクタであって、
前記挿入口には、前記雄端子をガイドするテーパー部が形成されている
コネクタ。
【請求項10】
請求項1から請求項9までのいずれかに記載のコネクタであって、
前記所定方向は上下方向であり、
前記挿入口は、前記上下方向において、上方に開いており、
前記保護部は、前記上下方向において、前記本体部の上部から前記受容部内に向かって延びている
コネクタ。
【請求項11】
請求項1から請求項10までのいずれかに記載のコネクタであって、
前記雌端子は、一枚の金属板からなる
コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに関し、特に保護部を有する雌端子を備えるコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
図13を参照すると、特許文献1に記載されたコネクタ90は、複数のコンタクト(雌端子)92と、コンタクト92を保持するインシュレータ(ハウジング)94とを備えている。インシュレータ94は、コンタクト92を夫々収容するコンタクト収容部942と、コンタクト収容部942の前方に位置するガイド壁面944とを有している。ガイド壁面944には、相手コンタクト(雄端子)96をコンタクト収容部942へ挿入するためのガイド穴(挿入口)946が形成されている。
【0003】
図14に示されるように、コンタクト92は、その断面が略四角形の筒状の接触部(本体部)922を有している。図13から理解されるように、接触部922は、相手コンタクト(雄端子)96を受容する受容部924を有している。受容部924内には、接点とそれを支持する支持部とを兼ねる接触バネ片926が設けられている。
【0004】
図13から理解されるように、コンタクト92は、インシュレータ94の後方から前方へ向かってコンタクト収容部942に挿入される。コンタクト92は、図13の最も下側に示されているように、ガイド壁面944に突き当たるまでコンタクト収容部942内に押し込まれる。コンタクト92の接触部922の前方上部には、保護部928が設けられている。保護部928は、コンタクト92がコンタクト収容部942に挿入される際に、接触バネ片926が、インシュレータ94のガイド壁面944やその他の部分に衝突することによって変形することを防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−134109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のコネクタ90において、インシュレータ94のガイド壁面944に形成されたガイド穴946は、前後方向と直交する面内において閉じている。換言すると、インシュレータ94は、クローズドエントリー構造を採用している。そのため、製造ばらつきなどにより、ガイド穴946とコンタクト92の受容部924との間に位置ズレが生じると、相手コンタクト96をコンタクト92の受容部924へ挿入できなくなる可能性がある。
【0007】
そこで、本発明は、雌端子の受容部への雄端子の挿入性を向上させたコネクタを提供することを目的とする。
【0008】
具体的には、本発明は、挿入口(ガイド穴)を規定する壁のうち、雌端子(コンタクト)の保護部に対応する部分を開放するとともに、その部分において保護部が雌端子の受容部への雄端子の挿入を邪魔することがないように、保護部にガイド部を設けて、雄端子を雌端子の受容部内にガイドするようにした。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、第1のコネクタとして、雌端子と、前記雌端子を保持するハウジングとを備えるコネクタであって、
前記雌端子は、本体部と、接点と、支持部と、保護部とを有しており、
前記本体部は、前後方向において前方に開口しかつ前記前後方向に沿って雄端子を受容する受容部を有しており、
前記接点は、前記受容部内に位置しており、
前記支持部は、前記接点を支持しており、
前記保護部は、前記前後方向において前記支持部よりも前方に位置し、かつ前記支持部を部分的に保護しており、
前記保護部は、前記雄端子を前記受容部へガイドするガイド部であって、前記前後方向と交差するガイド部を有しており、
前記ハウジングは、前記雌端子を収容する収容部と、前記収容部につながる挿入口と、開口部とを有しており、
前記挿入口は、前記前後方向において前記収容部の前方に位置しており、
前記挿入口は、前記前後方向と直交する所定方向において開いており、それによって、前記開口部とつながっており、
前記前後方向において前方から前記コネクタを見た場合に、前記ガイド部は前記挿入口内において少なくとも部分的に視認可能である
コネクタを提供する。
【0010】
また、本発明は、第2のコネクタとして、第1のコネクタであって、
前記保護部は、前記本体部から前記受容部内に向かって延びており、
前記ガイド部は、前記前後方向と斜交している
コネクタを提供する。
【0011】
また、本発明は、第3のコネクタとして、第2のコネクタであって、
前記保護部は、前記前後方向と斜交している
コネクタを提供する。
【0012】
また、本発明は、第4のコネクタとして、第1から第3のコネクタのうちのいずれかであって、
前記支持部は、固定端と、前記前後方向において前記固定端よりも後方に位置する自由端とを有しており、
前記保護部は、前記前後方向において前記支持部の前記固定端よりも前方に位置しており、
前記コネクタを前記前後方向において前方から見た場合に、前記保護部は、前記支持部の前記固定端の全体を覆っている
コネクタを提供する。
【0013】
また、本発明は、第5のコネクタとして、第1から第4のコネクタのうちのいずれかであって、
前記保護部は、前記前後方向において後方へ向いた端部を有しており、
前記本体部は、前記保護部の前記端部が前記前後方向において後方へ移動することを規制する第1規制部を有している
コネクタを提供する。
【0014】
また、本発明は、第6のコネクタとして、第5のコネクタであって、
前記本体部は、底壁と、一対の側壁とを有しており、
前記底壁は、前記所定方向において前記接点と対向しており、
前記側壁は、前記前後方向及び前記所定方向の双方と直交する横方向において互いに対向するように、前記底壁の両側から前記所定方向に沿って延びており、
前記第1規制部は、前記側壁に夫々形成されている
コネクタを提供する。
【0015】
また、本発明は、第7のコネクタとして、第6のコネクタであって、
前記本体部は、前記保護部の前記端部が前記底壁の方へ移動することを規制する第2規制部を有しており、
前記第2規制部は、前記側壁に夫々形成されており、
前記第1規制部及び前記第2規制部は、前記側壁に夫々形成された切り欠きによって構成されている
コネクタを提供する。
【0016】
また、本発明は、第8のコネクタとして、第1から第7のコネクタのうちのいずれかであって、
前記コネクタを前記前後方向において前方から見た場合に、前記保護部と前記本体部との境界部分は前記開口部内において視認可能である
コネクタを提供する。
【0017】
また、本発明は、第9のコネクタとして、第1から第8のコネクタのうちのいずれかであって、
前記挿入口には、前記雄端子をガイドするテーパー部が形成されている
コネクタを提供する。
【0018】
また、本発明は、第10のコネクタとして、第1から第9のコネクタのうちのいずれかであって、
前記所定方向は上下方向であり、
前記挿入口は、前記上下方向において、上方に開いており、
前記保護部は、前記上下方向において、前記本体部の上部から前記受容部内に向かって延びている
コネクタを提供する。
【0019】
また、本発明は、第11のコネクタとして、第1から第10のコネクタのうちのいずれかであって、
前記雌端子は、一枚の金属板からなる
コネクタを提供する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ハウジングの挿入口が所定方向において開放されていることに加え、雌端子の保護部にガイド部が形成され、かつ少なくともその一部が挿入口に露出している。その結果、ハウジングの挿入口と雌端子の受容部の開口との間の位置ズレに影響されることなく、雄端子は雌端子のガイド部にガイドされるので、雄端子を雌端子の受容部へ挿入する際の挿入性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施の形態によるコネクタを示す斜視図である。ハウジングは一つの雌端子を保持している。他の一つの雌端子は、ハウジングに未だ保持されていない。
図2図1のコネクタを示す部分斜視断面図である。ハウジングは二つの雌端子を保持している。破線四角内の部分が拡大して示されている。拡大図において、雌端子の補助バネ部の一部が一点鎖線で示されている。
図3図1のコネクタを示す部分正面図である。ハウジングの一つのコンタクト収容部に対応する部分が示されている。コンタクト収容部には雌端子が収容されている。開口部と挿入口との境界が一点鎖線で示されている。
図4図1のコネクタに含まれる雌端子を示す正面右上斜視図である。
図5図4の雌端子を示す正面左上斜視図である。
図6図4の雌端子を示す正面右下斜視図である。
図7図4の雌端子を示す正面左下斜視図である。
図8図4の雌端子を示す正面図である。
図9図4の雌端子を示す平面図である。
図10図4の雌端子を示す底面図である。
図11図4の雌端子を示す右側面図である。破線円内の部分が拡大して示されている。
図12図4の雌端子を示す左側面図である。破線円内の部分が拡大して示されている。
図13】特許文献1に記載されたコネクタを示す断面図である。ハウジングのコンタクト収容部に、三つのコンタクトが挿入されている。上側の二つのコンタクトは、収容途中の状態にあり、最も下側のコンタクトは収容完了状態にある。
図14図13のコネクタに含まれるコンタクトを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1を参照すると、本発明の一実施の形態によるコネクタ10は、少なくとも一つの雌端子20と、ハウジング30とを備えている。本実施の形態において、ハウジング30は、ハウジング本体31とフロントインシュレータ40とを有している。但し、本発明はこれに限られない。ハウジング30は、ハウジング本体31のみで構成されていてもよい。本実施の形態において、雌端子20は金属製であり、ハウジング本体31及びフロントインシュレータ40は、絶縁樹脂製である。図1から理解されるように、雌端子20は、夫々ケーブル50の一端に取り付けられ、ハウジング30に保持される。
【0023】
図1に示されるように、ハウジング本体31は、夫々雌端子20を収容するための複数のコンタクト収容部(収容部)32を有している。コンタクト収容部32は、前後方向において、後方に開いている。本実施の形態において、前後方向はX方向であり、−X方向が前方、+X方向が後方である。また、コンタクト収容部32は、上下方向に二列に並んでいる。本実施の形態において、上下方向はZ方向であり、+Z方向が上方、−Z方向が下方である。コンタクト収容部32は、前後方向及び上下方向と直交する横方向に沿って配列されている。本実施の形態において、横方向はY方向である。図1から理解されるように、雌端子20は、前後方向において、ハウジング本体31の後方から前方に向かって、コンタクト収容部32に挿入され、収容される。こうして、ハウジング本体31(ハウジング30)は、雌端子20を保持する。
【0024】
図1に示されるように、本実施の形態において、コンタクト収容部32の数は、26個である。但し、本発明はこれに限られない。ハウジング本体31は、一つ以上のコンタクト収容部32を有していればよい。ここで、コンタクト収容部32の数は、通常、雌端子20の数と同数である。しかしながら、コンタクト収容部32の数は、雌端子20の数よりも多くてもよい。換言すると、ハウジング本体31は、コネクタ10の用途に応じて必要な数の雌端子20を保持していればよい。また、本実施の形態において、コンタクト収容部32は、二列に配列されているが、本発明はこれに限られない。コンタクト収容部32は、一列に配列されてもよいし、三列以上に配列されてもよい。
【0025】
図1に示されるように、フロントインシュレータ40は、ハウジング本体31に取り付けられている。詳しくは、フロントインシュレータ40は、ハウジング本体31の前部に取り付けられている。後述するように、フロントインシュレータ40は、ハウジング本体31の開口部360(図2及び図3参照)を部分的に塞いでいる。図2から理解されるように、本実施の形態において、フロントインシュレータ40は、前後方向において前方から見たとき、水平格子を形成する。
【0026】
図4から図7を参照すると、雌端子20は、本体部22と、ワイヤーバレル部26と、インシュレーションバレル部28とを有している。本体部22、ワイヤーバレル部26及びインシュレーションバレル部28は、この順番に、前後方向に沿って一列に並んでいる。本体部22は、雄端子(図示せず)との接続に利用される部分であり、ワイヤーバレル部26及びインシュレーションバレル部28は、ケーブル50(図1参照)との接続に利用される接続部である。詳しくは、ワイヤーバレル部26は、ケーブル50の芯線に圧着され、インシュレーションバレル部28は、ケーブル50の芯線が被覆部で覆われた部分に圧着される。本実施の形態において、雌端子20は、一枚の金属板を打ち抜き加工及び曲げ加工して作製されている。
【0027】
図4から図12に示されるように、雌端子20の本体部22は、底板部(底壁)220と、一対の側板部(側壁)222,224と、内側前天板部226と、外側前天板部228と、内側後天板部230と、外側後天板部232とを有している。
【0028】
図10に示されるように、底板部220は、前後方向に長い略長方形の形状を有している。図4から図8までの図から理解されるように、側板部222,224は、底板部220の横方向両側の縁から、所定方向に沿って延びている。本実施の形態において、所定方向は、前後方向及び横方向の双方と直交する上下方向である。即ち、側板部222,224は、上下方向に沿って延びており、横方向において互いに対向している。
【0029】
図4から図6までの図から理解されるように、内側後天板部230は、側板部222の上端から延びている。内側前天板部226は、内側後天板部230と同様に、側板部222の上端から延びている。図2から理解されるように、内側前天板部226及び内側後天板部230は、夫々、前後方向に長い長方形の形状を有している。内側前天板部226の後側側縁部が側板部222の上端に連続し、内側後天板部230の前側側縁部が側板部222の上端に連続している。
【0030】
図4及び図5に示されるように、外側前天板部228及び外側後天板部232は、側板部224の上端から延びている。外側前天板部228及び外側後天板部232は、夫々、前後方向に長い略長方形の形状を有している。外側前天板部228は、前後方向において内側前天板部226よりも長い。外側前天板部228は、上下方向において、内側前天板部226の上方に位置し、内側前天板部226を覆っている。外側後天板部232は、前後方向において内側後天板部230よりも僅かに長い。外側後天板部232は、上下方向において、内側後天板部230の上方に位置し、内側後天板部230を覆っている。
【0031】
図4から図12に加え、図2を参照すると、底板部220、側板部222,224、内側前天板部226、外側前天板部228、内側後天板部230、及び外側後天板部232は、前後方向において前方へ開口しかつ前後方向に沿って雄端子(図示せず)を受容する受容部234を規定している。即ち、本体部22は、受容部234を有している。
【0032】
図2を参照すると、雌端子20は、さらに、接点236と、支持部238と、補助バネ部240と、保護部242とを有している。
【0033】
図2に示されるように、接点236は、受容部234内に位置している。また、接点236は、上下方向において底板部220と対向している。換言すると、底板部220は、所定方向において接点236と対向している。接点236は、プレス加工によって支持部238に形成されている。換言すると、支持部238は、接点236を支持している。詳しくは、支持部238は、接点236が受容部234内に位置しかつ底板部220と対向するように、接点236を支持している。より詳しくは、支持部238は、固定端244と、前後方向において固定端244よりも後方に位置する自由端246とを有している。固定端244は、内側前天板部226の前端に一致する。支持部238は、固定端244から弧を描くように下側へ延び、それから後方へ延び、さらに斜め下後方へ延びた後、さらに後方へ延びている。支持部238は、弾性を有しており、自由端246は、少なくとも上下方向に移動可能である。接点236は、前後方向において、支持部238の固定端244と自由端246との間に位置しており、支持部238の弾性変形により、少なくとも上下方向において移動可能である。但し、本発明はこれに限られない。接点236は、支持部238の自由端246に設けられていてもよい。
【0034】
図2に示されるように、底板部220には、受容部234内へ突出する一対の補助接点221が形成されている。前後方向において、接点236は、補助接点221の間に位置している。受容部234に受容された雄端子(図示せず)は、接点236に接触し、支持部238を弾性変形させる。そして、支持部238の復元力により、接点236は、雄端子を底板部220の方へ押す。こうして、受容部234に受容された雄端子は、接点236と補助接点221とに接触し、雌端子20に電気的に接続される。
【0035】
図2に示されるように、補助バネ部240は、内側後天板部230の後端から弧を描くように下方へ延び、それから前方へ延び、さらに斜め下前方へ延びた後、さらに前方へ延びている。補助バネ部240の自由端248及びその周辺部は、支持部238の自由端246及びその周辺部の上方に位置している。補助バネ部240は、弾性を有している。そして、補助バネ部240は、支持部238の自由端246が上方へ移動すると、自由端246又はその近傍に接触してその移動を抑制する。これにより、支持部238の大きな変形を防止し、支持部238の塑性変形を防止する。本実施の形態では、補助バネ部240の自由端248及びその周辺部が、支持部238に接触するよう構成されている。但し、本発明はこれに限られない。補助バネ部240は、支持部238と複数個所において接触するようにしてもよい。例えば、補助バネ部240は、前後方向において、接点236の前方と後方の二か所において支持部238に接触するようにしてもよい。これは、補助バネ部240の形状を波形にすることで実現できる。
【0036】
図2及び図4から図7までの図に示されるように、保護部242は、本体部22から受容部234内へ向かって延びている。本実施の形態において、保護部242は、本体部22の上部、即ち外側前天板部228の前端から受容部234内へ向かって延びている。詳しくは、図11及び図12に示されるように、保護部242は、外側前天板部228の前端、即ち境界部分243から延びる矩形の板状部を曲げ加工して形成されている。保護部242は、外側前天板部228の前端から弧を描くように延び、斜め下後方へ延びた後、さらに後方へ延びている。また、本実施の形態において、保護部242は、外側前天板部228から延びている。但し、本発明は、これに限られない。保護部242は、側板部222、224のいずれか一方から保護部242内へ向かって延びていてもよい。しかしながら、製造の容易さや動作の安定性等の点で、保護部242は、外側前天板部228から延びている方が望ましい。また、本実施の形態において、保護部242の端部252は後方に向けられているが、端部252は斜め下後方に向けられていてもよい。
【0037】
図2図11及び図12から理解されるように、保護部242は、前後方向において支持部238よりも前方に位置している。図2及び図3から理解されるように、保護部242は、支持部238を部分的に隠しかつ保護している。詳しくは、保護部242は、前後方向において支持部238の固定端244よりも前方に位置する。そして、前後方向において前方からコネクタ10を見た場合、保護部242は、支持部238の固定端244の全体を覆っている。本実施の形態のように、支持部238の一部が固定端244よりも前方に位置する場合には、保護部242は、その部分をも保護する。
【0038】
図6から図8及び図10から図12に示されるように、保護部242は、雄端子(図示せず)を受容部234へガイドするガイド部250を有している。本実施の形態において、ガイド部250は、前後方向と交差している平面である。詳しくは、ガイド部250は、前後方向と斜交している平面である。本実施の形態において、ガイド部250は、斜め下前方へ向けられている。但し、本発明は、これに限られない。ガイド部250は、曲面で構成されてもよいし、平面と曲面の組み合わせで構成されてもよい。
【0039】
図11及び図12に示されるように、本体部22は、保護部242の端部252が前後方向において後方へ移動することを規制する第1規制部254を有している。また、本体部22は、保護部242の端部252が底板部220の方へ移動することを規制する第2規制部256を有している。第1規制部254及び第2規制部256は、側板部222,224に夫々形成されている。詳しくは、側板部222,224に夫々形成された切り欠き258によって、第1規制部254及び第2規制部256は構成されている。
【0040】
図2及び図3から理解されるように、ハウジング本体31は、コンタクト収容部32の前端を規定する前壁34を有している。前壁34には、コンタクト収容部32につながる挿入口340が形成されている。換言すると、ハウジング本体31は、コンタクト収容部32につながる挿入口340を有している。挿入口340は、前後方向において、コンタクト収容部32の前方に位置している。図3に示されるように、本実施の形態において、挿入口340の形状は、前後方向に沿って見たとき長方形である。但し、本発明はこれに限られない。前後方向に沿って見たとき、挿入口340の形状は、円や楕円の一部、あるいは多角形であってもよい。
【0041】
図2に示されるように、ハウジング本体31は、また、その一部がコンタクト収容部32内に突出するランス36を有している。ランス36は、弾性変形可能であり、雌端子20がコンタクト収容部32に収容される動きを許容する。その一方で、ランス36は、雌端子20がコンタクト収容部32の所定位置に一旦達した後は、雌端子20の後方への移動を規制する。雌端子20の本体部22の前端の一部が前壁34に突き当たることで、雌端子20がコンタクト収容部32の所定位置に達したことを知ることができる。これにより、雌端子20は、ハウジング本体31に保持される。ハウジング本体31は、ランス36を形成するために必然的に形成される開口部360を有している。開口部360は、少なくとも部分的にコンタクト収容部32と連通している。
【0042】
図3に示されるように、ハウジング本体31の挿入口340は、前後方向と直交する所定方向において開いており、それによって、開口部360とつながっている。所定方向は、雌端子20の保護部242の位置に依存する。換言すると、挿入口340は、保護部242に対応する位置において開いている。本実施の形態において、所定方向は上方である。即ち、本実施の形態において、挿入口340は、上方に開いており、開口部360とつながっている。
【0043】
図2及び図3から理解されるように、ハウジング本体31の挿入口340には、雄端子(図示せず)をガイドするテーパー部342が形成されている。本実施の形態においてテーパー部342は、前後方向において、挿入口340の前端から中央部までを占めている。但し、本発明は、これに限られない。テーパー部342は、挿入口340の前端から後端までに形成されてもよい。また、本実施の形態において、テーパー部342は、三つの平面で構成されている。但し、本発明は、これに限られない。テーパー部342は、曲面で構成されてもよいし、平面と曲面の組み合わせで構成されてもよい。また、テーパー部342は、必ずしも必要ではなく、省略されてもよい。
【0044】
図3に示されるように、コネクタ10を前後方向において前方から見た場合、開口部360内に保護部242を少なくとも部分的に視認することができる。このとき、保護部242と本体部22との境界部分243も開口部360内に視認することができる。このように開口部360内に保護部242を視認することができるので、雌端子20の短絡試験等を行うための試験用治具を雌端子20に容易に接触させることができる。なお、このような試験は、フロントインシュレータ40を取り外した状態でも可能である。フロントインシュレータ40を取り外すことで、試験をより容易に行うことができる。
【0045】
図3に示されるように、前後方向において前方からコネクタ10を見た場合、保護部242は、開口部360内のみならず挿入口340内においても部分的に視認することができる。詳しくは、前後方向において前方からコネクタ10を見た場合、挿入口340内においてガイド部250を少なくとも部分的に視認することができる。このとき、ガイド部250は、テーパー部342と部分的に重なって見える。ガイド部250は、支持部238を部分的に隠しているが、接点236を隠していない。換言すると、挿入口340において、受容部234内に位置する接点236とそれを支持する支持部238の一部は、視認可能である。また、挿入口340において、補助接点221もまた視認可能である。
【0046】
図3から理解されるように、ガイド部250とテーパー部342とは、クローズドエントリー構造に類似する構造を形成している。したがって、ガイド部250とテーパー部342とは、雄端子(図示せず)が、挿入口340に挿入されたとき、雄端子を受容部234内へ向かってガイドする。ガイド部250は、受容部234の開口と挿入口340との間に相対的な位置に関係なく、雄端子を受容部234内に向かってガイドする。これにより、受容部234の開口と挿入口340との間に位置ズレが生じても、雄端子は適切に受容部234へガイドされる。その結果、雄端子は、容易かつ確実に接点236及び補助接点221に接触することができる。このように、本実施の形態によるコネクタ10によれば、雌端子20の受容部234への雄端子の挿入性が向上する。
【0047】
図2及び図3から理解されるように、フロントインシュレータ40は、前後方向において前方からコネクタ10を見たとき、ランス36を部分的に隠して、ランス36を操作できないようにしている。ランス36を操作する場合には、フロントインシュレータ40をハウジング本体31から取り外せばよい。フロントインシュレータ40をハウジング本体31から取り外すことで、治具(図示せず)を用いてランス36を操作することが可能になる。
【0048】
以上、本発明について、実施の形態を掲げて説明してきたが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変形、変更が可能である。たとえば、上記実施の形態において、雌端子20は、一枚の金属板からなるが、雌端子20は、複数の部品で構成されてもよい。その場合、保護部242を本体部22とは別に形成して、保護部242を本体部22に取り付けるようにしてもよい。また、上記実施の形態において、雌端子20は、ワイヤーバレル部26及びインシュレーションバレル部28を有していたが、本発明は、インシュレーションバレル部28を持たない雌端子や、他の形状の接続部を持つ雌端子にも適用できる。
【符号の説明】
【0049】
10 コネクタ
20 雌端子
22 本体部
220 底板部(底壁)
221 補助接点
222,224 側板部(側壁)
226 内側前天板部
228 外側前天板部
230 内側後天板部
232 外側後天板部
234 受容部
236 接点
238 支持部
240 補助バネ部
242 保護部
243 境界部分
244 固定端
246 自由端
248 自由端
250 ガイド部
252 端部
254 第1規制部
256 第2規制部
258 切り欠き
26 ワイヤーバレル部
28 インシュレーションバレル部
30 ハウジング
31 ハウジング本体
32 コンタクト収容部(収容部)
34 前壁
340 挿入口
342 テーパー部
36 ランス
360 開口部
40 フロントインシュレータ
50 ケーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図14