特許第6979345号(P6979345)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6979345
(24)【登録日】2021年11月17日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】ブロー容器とその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 49/04 20060101AFI20211202BHJP
   B65D 1/18 20060101ALI20211202BHJP
   B65D 1/46 20060101ALI20211202BHJP
   B65D 25/20 20060101ALI20211202BHJP
【FI】
   B29C49/04
   B65D1/18 111
   B65D1/46
   B65D25/20 Q
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-234639(P2017-234639)
(22)【出願日】2017年12月6日
(65)【公開番号】特開2019-99253(P2019-99253A)
(43)【公開日】2019年6月24日
【審査請求日】2020年10月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000198802
【氏名又は名称】積水成型工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077012
【弁理士】
【氏名又は名称】岩谷 龍
(72)【発明者】
【氏名】長部 素和
(72)【発明者】
【氏名】森 研一
【審査官】 内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−159368(JP,A)
【文献】 特開2002−225942(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 49/04
B65D 1/18
B65D 1/46
B65D 25/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対する2側壁にその体積を略2等分する補強リブが形成されていると共に開口部を有し、該開口部に蓋体を篏合するための口金が設置されている、軟質合成樹脂よりなる折り畳み可能な略直方体のブロー容器であって、開口部周辺の容器の側壁に、容器に収納する収納物の名称が印字されているブロー容器の製造方法であって、略三角柱状のキャビティを有する底側金型と、キャビティ側表面に容器に収納する収納物の名称を表す凹凸部が形成されていると共に筒状部を有する筒状金型と、該筒状金型の筒状部に摺動自在に挿入されている開口部形成用冶具よりなり、該筒状金型と開口部形成用冶具の間であって、キャビティ側に口金を収納するための空間が形成されている補助金型が設置されている、略三角柱状のキャビティを有する口金側金型よりなるブロー成形用金型に、該空間に口金を設置し、軟質合成樹脂よりなる溶融状態のパリソンを供給し、型締めした後、圧縮空気を注入しパリソンを膨張成形し、次いで、開口部形成用冶具で開口部を形成した後、型開け・脱型することを特徴とするブロー容器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軟質合成樹脂よりなる折り畳み可能な略直方体のブロー容器とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
折り畳み可能な略直方体のブロー容器は、軟質合成樹脂よりなり、ブロー成形で製造された容器であり、空の時には折り畳んで体積を小さくして重ね合わせて運搬でき、使用する際には段ボール箱に設置して、液体や粉体からなる収納物を注入すると共に膨らませ、段ボール箱と一緒に配送されている。
【0003】
このようなブロー容器は種々提案されており、例えば、「ブロー成形,真空成形,等の成形法により得た,頂角が略直角である2等辺三角柱状の殻2個を,底面を対抗させ,その両者の接合部を共に外に向けて突き出した状態で周囲を溶着(当該溶着部をパーティングラインと称す)して得た直(又は立)方体を,一の三角柱体相当部分(折畳み内層と称す)をパーティングラインに沿い,他の三角柱体相当部分(折畳み外層と称す)の内側に反転して折り畳み,収容可能な構造を有する軟質プラスチック容器において,その折畳み内層となるべき側に,パーティングラインに沿い,かつ外側に向けて連続して円弧状に凸に膨出した突条(以下,単に突条と称す)を設け,その突条の中心線とパーティングラインの中心線との間隔を成形品の肉厚の薄い点において短く,厚い点において長くし,かつ突条の高さを成形品の肉厚の薄い点において低く,厚い点において高くすることを特徴とする折り畳み軟質プラスチック容器。」(例えば、特許文献1参照。)、「ブロー成形等の手段により軟質プラスチックを用いて成形される容器本体1に、その体積を実質的に二分割(1A,1B)する線に沿って外側に向けて補強リブ3を融着形成し、その一方の基体1Aの上部に開閉部2を設け、且つ、他方の折り込み体1Bに、前記補強リブ3の近傍位置で、該補強リブ3に沿って折り畳み用の薄肉の突条4を外側に向けて形成し、前記他方の折り込み体1Bを前記基体1Aの内側へ折り畳み可能に構成した軟質プラスチック容器に於いて、前記補強リブ3を、前記折り込み体1Bの充填拡張時には前記突条4の頂部4aを被覆するように変形し、且つ、前記基体1Aへの折り込み時には、前記突条4の側面4bの方に倒伏するように構成すると共に該補強リブ3の先端縁3aがその倒伏時に前記突条4の頂部4aよりも高く位置する長さLに構成してある、軟質プラスチック容器。」(例えば、特許文献2参照。)等が提案されている。
【0004】
上記容器は段ボール箱に入れて配送するのに適しているが、段ボール箱に設置されると、収納物を注入する際には、段ボール箱の上蓋を外側に折り畳んで注入することになり、側面は段ボール箱の上蓋によって目隠しされるため、何を注入するのか、及び、使用する際(収納物を排出する際)にも段ボール箱の上蓋を外側に折り畳んで使用することになり、側面は段ボール箱の上蓋によって目隠しされるため、何が収納されているのか、上方から見てもわからないという欠点があった。又、使用する際(収納物を排出する際)に、段ボール箱を除去することも度々行われているが、この場合にも収納物がわからないという欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実公平08−8995号公報
【特許文献2】特許3698482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、注入する際及び使用する際に何を注入・収納するのか及び何が収納されているのかが上部から見て確実に認識できる折り畳み可能な略直方体のブロー容器及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
即ち、本発明は、
[1]相対する2側壁にその体積を略2等分する補強リブが形成されていると共に開口部を有し、該開口部に蓋体を篏合するための口金が設置されている、軟質合成樹脂よりなる折り畳み可能な略直方体のブロー容器であって、開口部周辺の容器の側壁に、容器に収納する収納物の名称が印字されていることを特徴とするブロー容器、及び、
[2]略三角柱状のキャビティを有する底側金型と、キャビティ側表面に容器に収納する収納物の名称を表す凹凸部が形成されていると共に筒状部を有する筒状金型と、該筒状金型の筒状部に摺動自在に挿入されている開口部形成用冶具よりなり、該筒状金型と開口部形成用冶具の間であって、キャビティ側に口金を収納するための空間が形成されている補助金型が設置されている、略三角柱状のキャビティを有する口金側金型よりなるブロー成形用金型に、該空間に口金を設置し、軟質合成樹脂よりなる溶融状態のパリソンを供給し、型締めした後、圧縮空気を注入しパリソンを膨張成形し、次いで、開口部形成用冶具で開口部を形成した後、型開け・脱型することを特徴とする上記[1]記載のブロー容器の製造方法
に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明のブロー容器の構成は上述の通りであり、収納物を注入する際及び使用する際に何を注入・収納するのか及び何が収納されているのかが上部から見て確実に認識でき、空の時には折り畳んで体積を小さくして重ね合わせて運搬でき、段ボール箱に設置されていても、液体や粉体からなる収納物を間違いなく注入すると共に膨らませ、段ボール箱と一緒に配送でき、使用する際に収納物を間違うことがない。又、本発明のブロー容器の製造方法の構成は上述の通りであり、上記ブロー容器を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明のブロー容器の一例を示す平面図である。
図2】本発明のブロー容器の一例を示す側面図である。
図3図1におけるA−A断面図である。
図4図1における開口部周辺の拡大平面図である。
図5】本発明のブロー容器を折り畳んだ状態の一例を示す側面図である。
図6】本発明のブロー容器の製造方法で使用されるブロー成形用金型の一例を示す模式図である。
図7】補助金型の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のブロー容器は、相対する2側壁にその体積を略2等分する補強リブが形成されていると共に開口部を有し、該開口部に蓋体を篏合するための口金が設置されている、軟質合成樹脂よりなる折り畳み可能な略直方体のブロー容器であって、開口部周辺の容器の側壁に、容器に収納する収納物の名称が印字されていることを特徴とする。
【0011】
上記軟質合成樹脂としては、折り畳み可能な軟質合成樹脂であれば、特に限定されず、肉厚になれば硬質であっても薄肉になれば軟質になる合成樹脂であってもよく、例えば、オレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられ、オレフィン系樹脂が好ましい。オレフィン系樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体等が挙げられる。
【0012】
次に、本発明のブロー容器を、図面を参照して説明する。図1は本発明のブロー容器の一例を示す平面図であり、図2はその側面図である。図3図1におけるA−A断面図であり、図4図1における開口部周辺の拡大平面図である。又、図5は上記ブロー容器を折り畳んだ状態の一例を示す側面図である。
【0013】
図中1はブロー容器であり、軟質合成樹脂よりなる上壁1a、底壁1b、左側壁1c、右側壁1d、前壁1e及び後壁1fにより略直方体に形成されている。上壁1aには開口部2が形成され、開口部周辺は下方にへこまされた凹陥部12が形成されている。開口部周辺の凹陥部12に蓋体を篏合するための口金11が設置されており、その周辺の凹陥部12である容器の側壁に、容器に収納する収納物の名称13が印字されている。
【0014】
尚、口金11が凹陥部12の略中心部であって最も低い位置に設置されていると、ブロー容器を段ボール箱に設置した際に、蓋体が段ボール箱の蓋部分に突出した状態で当たらず運搬中に段ボール箱が壊れにくい。又、本発明のブロー容器は軟質合成樹脂よりなるので収納物を注入する際や排出する際には口金を上方に突出するように凹陥部12を突出させ、収納物を注入し口金11に蓋体を設置して密閉した後、口金11及び蓋体を下方の押し込んでもよい。こうすることにより、収納物をより容易に注入・排出でき、より多くの収納物を収納、運搬できると共に蓋体が突出した状態で段ボール箱の蓋部分に当たらず運搬中に段ボール箱が壊れにくくなるので好ましい。
【0015】
又、上記収納物の名称13の印字方法は、従来公知の任意の方法が採用されればよく、例えば、マジックインキ等の筆記用具で記入する方法、インクジェットプリンターで印刷する方法、溶融状態の容器表面に金型で刻印する方法等が挙げられる。
【0016】
図中14は補強リブであり、左側壁1c側から右側壁1d側方向に、前壁1e及び後壁1fの対角線に設けられており、補強リブ14に沿って、底壁1b及び右側壁1dをブロー容器1の内側方向に押すことにより、図5に示したように、補強リブ14に沿って、折り畳み可能になされている。
【0017】
本発明の請求項1記載のブロー容器の製造方法は、略三角柱状のキャビティを有する底側金型と、キャビティ側表面に容器に収納する収納物の名称を表す凹凸部が形成されていると共に筒状部を有する筒状金型と、該筒状金型の筒状部に摺動自在に挿入されている開口部形成用冶具よりなり、該筒状金型と開口部形成用冶具の間であって、キャビティ側に口金を収納するための空間が形成されている補助金型が設置されている、略三角柱状のキャビティを有する固定金型よりなるブロー成形用金型に、該空間に口金を設置し、軟質合成樹脂よりなる溶融状態のパリソンを供給し、型締めした後、圧縮空気を注入しパリソンを膨張成形し、次いで、開口部形成用冶具で開口部を形成した後、型開き・脱型することを特徴とする。
【0018】
次に、本発明のブロー容器の製造方法を、図面を参照して説明する。図6は上記ブロー成形用金型の一例を示す断面図であり、図7は補助金型のキャビティ側表面の一例を示す断面図である。
【0019】
図中3は底側金型であり、略三角柱状のキャビティ31を有する。4は口金側金型であり、キャビティ31と略同一形状の略三角柱状のキャビティ41を有する。底側金型3と口金側金型4は、キャビティ31とキャビティ41が対向し、型締めされた際に略直方体のキャビティを形成するように設置されている。
【0020】
5は口金側金型4に設置されている補助金型であり、口金側金型4のキャビティ41の一面に対し、略垂直に設置されている。補助金型5は筒状金型51と開口部形成用冶具52よりなる。筒状金型51の長さ方向中心部には筒状に開口された筒状部51aが穿設され、キャビティ側表面51bには容器に収納する収納物の名称を表す凹凸部51cが形成されている。開口部形成用冶具52は、略棒状体であって、筒状金型51の筒状部51aに摺動自在に挿入されている。
【0021】
筒状金型51の出口部付近(キャビティ側表面付近)は切削され、開口部形成用冶具52の間に口金を収納するための空間53が形成されている。又、筒状金型51のキャビティ側表面はブロー成形した際に凹陥部12を成形できるようになだらかな凸状に形成されている。
【0022】
ブロー容器を製造するには、最初に補助金型5の空間53に口金11を設置する。次に、軟質合成樹脂よりなる溶融状態のパリソンを型開きしている底側金型3と口金側金型4の間のキャビティ31、41に、図6において垂直方向から垂れるように供給する。
【0023】
次いで、底側金型3と口金側金型4を型締めして略直方体のキャビティ形成した後、圧縮空気を注入しパリソンを膨張成形する。パリソンが膨張することによりキャビティ表面に沿った形状に成形された後、開口部形成用冶具52を前後に摺動することにより開口部2を形成する。
【0024】
尚、底側金型3と口金側金型4を型締めして略直方体のキャビティ形成した際の、その接するところに補強リブ14が形成されるので、補強リブ14を太くするために底側金型3と口金側金型4キャビティの接触部に凹条を形成してもよい。
【0025】
又、開口部2をより正確に形成するために、開口部形成用冶具52のキャビティ側表面に開口部の形状の切断刃を立設し、開口部形成用冶具52を内側方向に押圧すると共に回転させて開口部を形成してもよい。
【0026】
パリソンが膨張することによりキャビティ表面に沿った形状に成形される際に、凹陥部12が成形されると共に、キャビティ側表面51bに形成されている容器に収納する収納物の名称を表す凹凸部51cが、その外表面に転写され、容器に収納する収納物の名称が刻印される。又、同時に、空間53に設置されている口金11は凹陥部12の略中心部に熱融着される。
【0027】
最後に、冷却し、型開きして脱型することによりブロー容器が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明のブロー容器は、空の時には折り畳んで体積を小さくして重ね合わせて運搬し、使用する際には段ボール箱に設置して、液体や粉体からなる収納物を注入すると共に膨らませ、段ボール箱と一緒に配送するのに適しており、液体や粉体を搬送する包装資材分野で広く使用できる。
【符号の説明】
【0029】
1 ブロー容器
11 口金
12 凹陥部
13 収納物の名称
14 補強リブ
2 開口部
3 底側金型
4 口金側金型
31、41 キャビティ
5 補助金型
51 筒状金型
51a 筒状部
51b キャビティ側表面
51c 凹凸部
52 開口部形成用冶具
53 空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7