(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車線に沿った所定位置で当該車線上の空間に横断面を形成するように複数の検知光を照射し、前記所定位置に位置する被検知物からの反射光により前記被検知物を検知する反射型検知器から検知結果情報を取得する検知結果情報取得部と、
前記検知結果情報に基づいて得られる前記被検知物の寸法に対応する寸法対応値が第1の閾値以上となった場合に、前記所定位置に車両が進入していると判定する進入判定部と、
前記所定位置に前記車両が進入していると判定された後、前記検知結果情報に基づいて得られる寸法対応値が前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値以下となった場合に、前記検知結果情報及び前記車両の幅方向における中央範囲を取得し当該中央範囲に基づいて前記被検知物の検知位置が前記車両の前記中央範囲と一致するか否かを判定し、前記被検知物の検知位置が前記車両の前記中央範囲と一致しないと判定した場合に、前記所定位置から前記車両が退出していると判定する退出判定部と、
を備える車両検知装置。
前記進入判定部は、前記寸法対応値が前記第1の閾値以上となった場合に、前記検知結果情報から得られる前記被検知物の前記検知位置の分散度合を示す値を求め、当該分散度合を示す値と所定の排気ガス判定値とを比較し、前記分散度合を示す値が前記所定の排気ガス判定値以下である場合に前記所定位置に前記車両が進入していると判定する
請求項1に記載の車両検知装置。
前記退出判定部は、前記所定位置に前記車両が進入していると判定された後、前記寸法対応値がゼロとなった場合に排気ガス検知フラグをOFFに設定し、前記被検知物の前記検知位置が前記車両の前記中央範囲と一致しないと判定した場合に前記排気ガス検知フラグをONに設定し、
前記進入判定部は、前記退出判定部により前記排気ガス検知フラグがONに設定されている場合にだけ、前記分散度合を示す値と前記所定の排気ガス判定値との比較を行う
請求項2に記載の車両検知装置。
前記中央範囲を決定する中央範囲決定部をさらに備え、前記中央範囲決定部は、撮影装置により撮影された前記車両の画像情報に含まれるナンバープレートの位置に基づいて前記中央範囲を決定する
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の車両検知装置。
車線に沿った所定位置で当該車線上の空間に横断面を形成するように複数の検知光を照射し、前記所定位置に位置する被検知物からの反射光により前記被検知物を検知する反射型検知器から検知結果情報を取得し、前記被検知物の寸法に対応する寸法対応値が第1の閾値以上となった場合に、前記所定位置に車両が進入していると判定する進入判定ステップと、
前記所定位置に前記車両が進入していると判定された後、前記寸法対応値が第2の閾値以下となった場合に、前記検知結果情報及び前記車両の幅方向における中央範囲に基づいて前記被検知物の検知位置が前記車両の前記中央範囲と一致するか否かを判定し、前記被検知物の検知位置が前記車両の前記中央範囲と一致しないと判定した場合に、前記所定位置から前記車両が退出していると判定する退出判定ステップと、
を備える車両検知方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、反射型検知器による検知では、車両が別の車両を牽引していない場合であっても、車両が排出する排気ガスを牽引部材と誤認識してしまう可能性がある。これは、透過光で検知を行う透過型検知器と違い、反射型検知器が、透過物である排気ガスと非透過物である牽引部材とを区別しない反射光による検知を行っているからである。特に、冬等の気温が低い時期においては、排気ガスに含まれる水蒸気が車外に放出される際に急激に冷却されて結露する為、この誤認識が発生し易い。即ち、反射型検知器を用いた場合には、本来2台として判断されるべき非連結の車両が、牽引車及び被牽引車として誤認識され、各車両のETC車線への進入及び退出を正確に検知できない可能性がある。
【0007】
従って、各車両のETC車線等への進入及び退出を正確に検知することが可能な技術が望まれている。本発明の目的は、排気ガスを牽引部材又は車両の一部と誤認識せずに、各車両のETC車線等への進入及び退出を正確に検知することが可能な車両検知装置、車両検知システム、車両検知方法及び車両検知プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、車両検知装置(30)は、車線(L)に沿った所定位置(P)で当該車線(L)上の空間に横断面を形成するように複数の検知光(B)を照射し、前記所定位置(P)に位置する被検知物(G)からの反射光(R)により前記被検知物を検知する反射型検知器(10)から検知結果情報を取得する検知結果情報取得部(32)と、前記検知結果情報に基づいて得られる前記被検知物(G)の寸法に対応する寸法対応値が第1の閾値以上となった場合に、前記所定位置(P)に車両(A)が進入していると判定する進入判定部(33)と、前記所定位置(P)に前記車両(A)が進入していると判定された後、前記検知結果情報に基づいて得られる寸法対応値が前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値以下となった場合に、前記検知結果情報及び前記車両の幅方向における中央範囲を取得し当該中央範囲(O1−O2)に基づいて前記被検知物(G)の検知位置(M4、M5、M6)が前記車両(A)の前記中央範囲(O1−O2)と一致するか否かを判定し、前記被検知物(G)の検知位置(M4、M5、M6)が前記車両(A)の前記中央範囲(O1−O2)と一致しないと判定した場合に、前記所定位置(P)から前記車両(A)が退出していると判定する退出判定部(35)と、を備える。
この構成により、先行する車両が牽引部材で接続された後続する車両を牽引して進行する場合(牽引パターン)と、先行する車両と後続する車両が接続されずに、近接して進行方向に進行する場合(非牽引パターン)と、を判別し、排気ガスを牽引部材と誤認識することを防止できる。これにより、牽引パターンの場合には、先行する牽引車及び後続する被牽引車をまとめて1台の車両として正しく認識することができる。また、非牽引パターンの場合には、先行する車両と後続する車両とを別個の2台の車両として正しく認識することができる。従って、各車両のETC車線等への進入及び退出を正確に検知することができる。
【0009】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様に係る車両検知装置(30)において、前記進入判定部(33)は、前記寸法対応値が前記第1の閾値以上となった場合に、前記検知結果情報から得られる前記被検知物(G)の前記検知位置(M4、M5、M6)の分散度合を示す値を求め、当該分散度合を示す値と所定の排気ガス判定値とを比較し、前記分散度合を示す値が前記所定の排気ガス判定値以下である場合に前記所定位置(P)に前記車両(A)が進入していると判定してよい。
この構成により、先行する車両が排出した排気ガスと、後続する車両とを正確に判別することができる。従って、先行する車両が排出した排気ガスを他の車両と誤認識してしまうことを防止でき、各車両のETC車線等への進入及び退出を正確に検知することができる。
【0010】
本発明の第3の態様によれば、第2の態様に係る車両検知装置(30)において、前記退出判定部(35)は、前記所定位置(P)に前記車両(A)が進入していると判定された後、前記寸法対応値がゼロとなった場合に排気ガス検知フラグをOFFに設定し、前記被検知物(G)の前記検知位置(M4、M5、M6)が前記車両(A)の前記中央範囲(O1−O2)と一致しないと判定した場合に前記排気ガス検知フラグをONに設定し、前記進入判定部(33)は、前記退出判定部(35)により前記排気ガス検知フラグがONに設定されている場合にだけ、前記分散度合を示す値と前記所定の排気ガス判定値との比較を行ってよい。
この構成により、排気ガス検知フラグがONである場合に限って、車両誤検知判定処理を行うので、車両検知処理の効率を向上させることができる。
【0011】
本発明の第4の態様によれば、第1から第3の態様のいずれかの態様に係る車両検知装置(30)において、前記中央範囲(O1−O2)を決定する中央範囲決定部(34)をさらに備え、前記中央範囲決定部(34)は、前記検知結果情報から前記車両(A)の側面位置(S)を算出し、前記車両(A)の側面位置(S)から前記車両(A)の幅方向(y方向)における所定範囲を前記中央範囲(O1−O2)として決定してよい。
この構成により、中央範囲決定部は、反射型検知器から得られる検知結果情報に基づいて算出された側面位置から車両Aの幅方向における所定範囲を中央範囲として決定しているので、反射型検知器以外の装置を用いずに中央範囲を決定することができる。
【0012】
本発明の第5の態様によれば、車両検知システム(1)は、第1から第4の態様のいずれかの態様に係る車両検知装置(30)と、前記反射型検知器(10)と、を備えていてよい。
この構成により、各車両のETC車線等への進入及び退出を正確に検知することができる。
【0013】
本発明の第6の態様によれば、第1から第3の態様のいずれかの態様に係る車両検知装置(30)において、前記中央範囲(O1−O2)を算出する中央範囲決定部(34)をさらに備え、前記中央範囲決定部(34)は、踏板(40)により検知された前記車両(A)のタイヤの位置(H1、H2)の情報に基づいて前記中央範囲(O1−O2)を決定してよい。
この構成により、中央範囲決定部は、踏板から得られるタイヤ位置の情報に基づいて中央範囲を決定しているので、例えば、車種によらず一律の値として仮定した車幅に基づいて中央範囲を決定する場合に比べてより精度よく中央範囲を決定することができる。
【0014】
本発明の第7の態様によれば、車両検知システム(1)は、第6の態様に係る車両検知装置(30)と、前記反射型検知器(10)と、前記踏板(40)と、を備えていてよい。
この構成により、車両が牽引車両でない場合の車両の排気ガスと、車両が牽引車両である場合の牽引部材との判別をより精度よく実施可能となり、各車両のETC車線等への進入及び退出を正確に検知することができる。
【0015】
本発明の第8の態様によれば、第1から第3の態様のいずれかの態様に係る車両検知装置(30)において、前記中央範囲(O1−O2)を決定する中央範囲決定部(34)をさらに備え、前記中央範囲決定部(34)は、撮影装置(60)により撮影された前記車両(A)の画像情報に含まれるナンバープレートの位置に基づいて前記中央範囲(O1−O2)を決定してよい。
この構成により、中央範囲算出部は、撮影装置から得られる車両の画像情報から得られるナンバープレートの位置に基づいて中央範囲を決定している。一般にナンバープレートは、車種に関わらず車両の車幅方向中央に設けられるため、ナンバープレートの位置に基づいて中央範囲を決定することで、例えば、車種によらず一律の値として仮定した車幅に基づいて中央範囲を決定する場合に比べてより精度よく中央位置を決定することができる。
【0016】
本発明の第9の態様によれば、車両検知システム(1)は、第8の態様に係る車両検知装置(30)と、前記反射型検知器(10)と、前記撮影装置(60)と、を備えていてよい。
この構成により、車両が牽引車両でない場合の車両の排気ガスと、車両が牽引車両である場合の牽引部材との判別をより精度よく実施可能となり、各車両のETC車線等への進入及び退出を正確に検知することができる。
【0017】
本発明の第10の態様によれば、車両検知方法は、車線に沿った所定位置で当該車線上の空間に横断面を形成するように複数の検知光を照射し、前記所定位置に位置する被検知物からの反射光により前記被検知物を検知する反射型検知器から検知結果情報を取得し、前記被検知物の寸法に対応する寸法対応値が第1の閾値以上となった場合に、前記所定位置に車両が進入していると判定する進入判定ステップ(S101〜S102)と、前記所定位置に前記車両が進入していると判定された後、前記寸法対応値が第2の閾値以下となった場合に、前記検知結果情報及び前記車両の幅方向における中央範囲に基づいて前記被検知物の検知位置が前記車両の前記中央範囲と一致するか否かを判定し、前記被検知物の検知位置が前記車両の前記中央範囲と一致しないと判定した場合に、前記所定位置から前記車両が退出していると判定する退出判定ステップ(S103〜S106)と、を備える。
この構成により、各車両のETC車線等への進入及び退出を正確に検知することができる。
【0018】
本発明の第11の態様によれば、車両検知プログラムは、車両検知装置としてのコンピュータ(9)を、車線に沿った所定位置で当該車線上の空間に横断面を形成するように複数の検知光を照射し、前記所定位置に位置する被検知物からの反射光により前記被検知物を検知する反射型検知器から検知結果情報を取得する検知結果情報取得部(32)と、前記被検知物の寸法に対応する寸法対応値が第1の閾値以上となった場合に、前記所定位置に車両が進入していると判定する進入判定部(33)と、前記所定位置に前記車両が進入していると判定された後、前記寸法対応値が第2の閾値以下となった場合に、前記検知結果情報及び前記車両の幅方向における中央範囲に基づいて前記被検知物の検知位置が前記車両の前記中央範囲と一致するか否かを判定し、前記被検知物の検知位置が前記車両の前記中央範囲と一致しないと判定した場合に、前記所定位置から前記車両が退出していると判定する退出判定部(35)と、して機能させる。
この構成により、各車両のETC車線等への進入及び退出を正確に検知することができる。
【発明の効果】
【0019】
上記態様のうち少なくとも1つの態様によれば、排気ガスを牽引部材又は車両の一部と誤認識せずに、各車両のETC車線等への進入及び退出を正確に検知することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。すべての図面において同一または相当する構成には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
【0022】
(車両検知システムの全体構成)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る車両検知システム1の全体構成を示す概略図である。方向を説明する為に、
図1、2、5A、5B、6A、6B、7、8、及び9においては、共通の右手系のxyz座標系が規定されている。このxyz座標系では、車線Lが延在する方向を±x方向とし、「車線方向」とも記載する。また、水平面において車線方向(±x方向)に直交する方向を±y方向とし、「車線幅方向」とも記載する。また、料金所を通過しようとする車両Aは、車線Lを−x方向側から+x方向側に走行するものとする。更に、水平面(±x方向及び±y方向)に直交する鉛直方向を±z方向とし、「高さ方向」とも記載する。そして、通常、車線Lを走行する車両Aは、その車長方向が車線方向と平行となり、その幅方向が車線幅方向と平行となる。
第1の実施形態に係る車両検知システム1は、例えば、高速道路の出入口等に設置されるETC等の料金所において、ブース等への各車両A(A1、A2)の進入及び退出を個別に検知する為に設けられる。
図1では、車両検知システム1について高速道路の入口を例にして説明する。車線Lは、+x方向に進むとETC車線を経て高速道路に接続され、−x方向に進むと一般道路に接続されている。
【0023】
車両検知システム1は、
図1に示すように、ETC車線の入口位置等の車線Lの所定位置Pへの各車両A(A1、A2)の進入及び退出を検知するように構成されている。車両検知システム1は、レーザパルス等の検知光Bを用いて車線L上の所定位置P上に位置する被検知物を検知する反射型検知器10と、当該反射型検知器10と回線20で接続され、反射型検知器10から入力される検知結果に基づいて車両Aを検知する車両検知装置30と、を備える。車両検知装置30は、例えば、車線サーバ(図示せず)等に接続され、ETC車線の入口位置等の車線Lの所定位置Pへの各車両Aの進入及び退出の検知結果を出力するように構成されていてよい。
【0024】
(反射型検知器の機能構成)
図2は、第1の実施形態に係る車両検知システム1が備える反射型検知器10を説明する説明図である。
図2は、
図1に示す反射型検知器10を車両Aの進行方向F(+x方向)に視た図である。本発明の第1の実施形態では、ETC車線付近では、車線Lの両側は車線Lよりも高さ方向(+z方向)に高いアイランド5が設けられており、反射型検知器10は車線Lの真横にアイランド5上に設置されている。
図1及び2に示す反射型検知器10は、車線Lの+y方向側に設置されているが、−y方向側に設置されていてもよいし、+y方向及び−y方向の両側に設置されていてもよい。
【0025】
反射型検知器10は、例えば、単光軸多軸型の反射型の光電センサであってよい。
図2に示すように、第1の実施形態に係る反射型検知器10は、高さ方向(z方向)に延在する直方体形状の本体11に複数のセンサ12を高さ方向(z方向)に沿って所定間隔をあけて設けた構成になっている。各センサ12は、単光軸のレーザパルスである検知光Bを車線幅方向(−y方向)に投光する投光部(図示せず)と、被検知物により反射された反射光Rを受光する受光部(図示せず)と、を備える。本発明の第1の実施形態では、反射型検知器10が備えるセンサ12の数は17であるが、17以外の任意の数であってよい。
図2に示すように、全てのセンサ12の投光部は、検知光Bを照射(投光)する方向が同じ向きの車線幅方向(−y方向)であり、同一である。即ち、反射型検知器10が備えるセンサ12は、車線Lに沿った所定位置Pで車線L上の空間に横断面(yz面)を形成するように複数の検知光を照射するように構成されている。
【0026】
センサ12から照射される複数の検知光Bが形成する横断面は、車線Lに沿った所定位置Pで車線L上の空間に形成されるのであれば、車線L(x方向)に直交する横断面(yz面)でなくてもよい。即ち、横断面は、車線L(x方向)に対して、期待する車両分離性能が得られる範囲内にある任意の角度で斜めに横断する横断面であってもよい。
また、センサ12から照射される検知光Bは、車線幅方向以外の方向、例えば、上から下に向かう向きの高さ方向(−z方向)など任意の方向であってよい。
第1の実施形態では、
図1に示す車線Lの所定位置Pは、車線L(x方向)を垂直に横断する位置として規定されているが、車線Lの所定位置Pは、車線L(x方向)に対して、期待する車両分離性能が得られる範囲内にある任意の角度で斜めに横断する位置として規定されてもよい。
【0027】
図2を用いて、反射型検知器10の各センサ12が、車線Lの所定位置Pに位置する被検知物を検知する仕組みを説明する。
図2は、被検知物が車両Aから排出された水蒸気を含む排気ガスGである場合を示している。
図2に示すように、全てのセンサ12の投光部から照射された検知光Bのうち、検知光B1〜B3だけが排気ガスGに衝突し、反射光R1〜R3となってセンサ12の受光部により受光される。ここで、被検知物の寸法が大きい場合には、被検知物によって反射される反射光Rの数が多くなり、被検知物の寸法が小さい場合には、被検知物によって反射される反射光の数Rは少なくなる。即ち、反射光Rの数は、被検知物の寸法に対応する寸法対応値である。なお、被検知物が排気ガスG等のように照射される光の一部を透過するような物である場合には、被検知物が車両等の非透過物である場合とは異なり、検知光B1〜B3の一部は透過光T1〜T3として排気ガスGを透過して進行する。反射型検知器10は、反射光R1〜R3の受光により、被検知物としての排気ガスGが車線Lの所定位置Pに位置することを検知することができる。さらに、反射型検知器10は、検知光Bの照射タイミングから反射光Rの受光タイミングまでの飛程時間を計測し、計測した飛程時間に光速を乗じることで反射型検知器10から反射位置までの距離を求めることができる。従って、反射型検知器10は、被検知物である排気ガスGのより詳細な位置を反射光R1〜R3の反射位置から検知することができる。なお、被検知物が車両等の非透過物である場合には検知光Bは被検知物の表面のみで反射されるが、被検知物が排気ガスG等のように透過物である場合には、検知光Bは排気ガスGの外側の表面で反射されるとは限らない。例えば、
図2においては、検知光B1及びB2は排気ガスG内の密度が異なる境界部分で反射され、検知光B3は排気ガスGの外側の表面で反射されている。また、排気ガスGは不定形であるので、例えば、凹状になっている内側の表面から反射される場合もある。また、排気ガスGは、気温や拡散状況等によっては、検知光Bを反射しない場合もある。
【0028】
(車両検知装置の機能構成)
図3は、第1の実施形態に係る車両検知システム1が備える車両検知装置30の構成を説明する機能構成図である。
車両検知装置30は、車両Aを個別に検知する為に必要な検知情報を記憶する記憶部31と、反射型検知器10から検知結果情報を取得する検知結果情報取得部32と、車線Lに沿った所定位置Pに車両Aが進入していることを判定する進入判定部33と、車両Aの幅方向(y方向)における中央範囲を算出する中央範囲決定部34と、車線Lに沿った所定位置Pから車両Aが退出していることを判定する退出判定部35と、を備える。
【0029】
記憶部31は、被検知物により反射された反射光Rの数、反射位置、反射時刻、及び反射光Rを受光したセンサの位置等を含む検知結果情報、車両検知の処理に用いる為に予め定められた第1の閾値及び第2の閾値、後述する排気ガス検知フラグの値(ON又はOFF)、中央範囲決定部34が決定する車両Aの中央範囲、並びに車両誤検知判定処理に用いる排気ガス判定値等を記憶してよい。また、記憶部31は、車両検知システム1が車両検知の処理に必要なその他の情報を記憶してよい。
【0030】
検知結果情報取得部32は、反射型検知器10と接続されており、反射型検知器10が検知した検知結果情報を取得し、進入判定部33、中央範囲決定部34、及び退出判定部35に出力する。なお、検知結果情報取得部32は、反射型検知器10から取得した検知結果情報を記憶部31に記憶させてよい。
【0031】
進入判定部33は、検知結果情報取得部32により取得された検知結果情報が入力されると、記憶部31を参照して第1の閾値を取得し、被検知物で反射された反射光Rの数と第1の閾値とを比較し、反射光Rの数が第1の閾値以上となった場合に、車線Lの所定位置Pに車両Aが進入していると判定する。進入判定部33は、判定結果を退出判定部35及び車線サーバ図示せず)に出力する。
【0032】
中央範囲決定部34は、検知結果情報取得部32により取得された検知結果情報が入力されると、検知結果情報から車両Aの側面位置を算出し、車両の側面位置から車両の幅方向(y方向)における所定範囲を中央範囲として決定する。中央範囲決定部34は、決定結果を退出判定部35に出力する。また、中央範囲決定部34は、決定結果を記憶部31に記憶させてもよい。
【0033】
退出判定部35は、進入判定部33により車線Lの所定位置Pに車両Aが進入していると判定された後、検知結果情報取得部32により取得された検知結果情報が入力されると、記憶部31を参照して第2の閾値を取得する。退出判定部35は、被検知物で反射された反射光Rの数が第2の閾値以下であるか否かを比較し、反射光Rの数が第2の閾値以下となった場合に、検知結果情報に含まれる被検知物の検知位置が、中央範囲決定部34から入力された車両Aの中央範囲と一致するか否かを判定する。退出判定部35は、被検知物の検知位置が車両Aの中央範囲と一致しないと判定した場合に、所定位置Pから車両Aが退出していると判定する。退出判定部35は、判定結果を車線サーバ(図示せず)に出力する。なお、退出判定部35は、被検知物で反射された反射光Rの数がゼロである場合にも車両Aが退出していると判定する。
【0034】
(車両検知装置の処理フロー)
図4は、第1の実施形態に係る車両検知システム1が備える車両検知装置30の動作を示すフローチャートである。
図5A、5B、6A、及び6Bは、第1の実施形態に係る車両検知システム1を説明する説明図である。
図4を用いて第1の実施形態に係る車両検知装置30の動作を説明する前に、
図5A、5B、6A、及び6Bを用いて、検知対象である車両Aが他の車両Aを牽引している場合(牽引パターン)と牽引していない場合(非牽引パターン)との違いについて説明する。
【0035】
図5Aは、先行する車両A1が牽引部材Dで接続された後続する車両A2を牽引して進行方向Fに進行する状況(牽引パターン)を示しており、車両A1の幅方向(+y方向)に車両A1及びA2を視た図である。
図5Bは、先行する車両A1と後続する車両A2が接続されずに、近接して進行方向Fに進行する状況(非牽引パターン)を示しており、車両A1の幅方向(+y方向)に車両A1及びA2を視た図である。なお、
図5Bに示す非牽引パターンでは、先行する車両A1が後方に排出した排気ガスGが後続する車両A2との間に存在している。
【0036】
図6Aは、
図5Aに示す牽引パターンの車両A1及びA2を上方から下方に高さ方向(−z方向)に視た図である。
図6Bは、
図5Bに示す非牽引パターンの車両A1及びA2を上方から下方に高さ方向(−z方向)視た図である。
図6Aに示すように、車両A1及びA2の間に接続される牽引部材Dは、例えば、直径が40mmの軸形状であってよく、車両A1及び車両A2の幅方向(y方向)における中央範囲に設けられている。なお、牽引部材Dの形状は軸形状以外の形状でもよいし、大きさも任意の値であってよい。また、
図6Bに示すように、排気ガスGは、車両A1の後下部の幅方向における一方(+y方向側)の端部寄りの位置に設けられた単一の排気口(図示せず)から後方に排出され、車両A1及びA2の間に拡散している。なお、排気ガスGは、車両A1の後下部の幅方向における他方(−y方向側)の端部寄りの位置に設けられた単一の排気口から後方に排出されてもよいし、車両A1の後下部の幅方向における両方(+y方向側及び−y方向側)の端部寄りの位置に分けて設けられた2以上の排気口から後方に排出されてもよい。換言すると、排気ガスGは、車両A1の幅方向(y方向)における中央範囲外に設けられた排気口から排出されてよい。
【0037】
図4を用いて第1の実施形態に係る車両検知装置30の動作を説明する。例えば、ETCの通行処理が開始されるタイミング等、ETC車線の入口位置等の車線Lの所定位置Pへの各車両A(A1、A2)の進入及び退出の検知を開始させる場合に、
図4に示すフローチャートの処理が開始されてよい。処理が開始されると、車両検知装置30の検知結果情報取得部32は、反射型検知器10が検知した検知結果情報を取得する。検知結果情報としては、例えば、被検知物により検知光Bが反射された反射光Rの数、各反射光Rが反射された反射位置、各反射光Rが反射された反射時刻、反射光Rを受光したセンサ12の位置、等が含まれてよい。検知情報取得部32は、取得した検知結果情報を進入判定部33、中央範囲決定部34、及び退出判定部35に継続的に出力する。
【0038】
進入判定部33は、記憶部31を参照して第1の閾値を取得する。進入判定部33は、事前に第1の閾値を取得していてもよい。進入判定部33は、検知結果情報取得部32から入力される検知結果情報に含まれる反射光Rの数と第1の閾値とを比較し、反射光Rの数が第1の閾値以上であるか判定する(ステップS101)。第1の閾値としては、例えば、被検知物が車両である場合に想定される反射光Rの最低数が設定されてよい。本発明の第1の実施形態では、例えば、第1の閾値として6が設定されるが、6以外の数が設定されてもよい。進入判定部33は、反射光Rの数が第1の閾値以上、即ち、6以上でない場合(ステップS101のNO)、車両Aが所定位置Pに位置していない状況であると判定し、ステップS101に戻る。従って、反射光Rの数が第1の閾値以上、即ち、6以上になる(ステップS101のYES)まで、ステップS101の処理は繰返される。
【0039】
一方、例えば、
図5Aに示す牽引パターンの車両A1が所定位置Pに位置すると、車両A1は反射型検知器10の各センサ12から投光された検知光Bを反射する為、反射光Rがセンサ12に戻る。車両A1は、高さ方向(z方向)に所定以上の高さを有する為、被検知物である車両A1に反射される反射光Rの数は事前に定めた第1の閾値以上、即ち、6以上になる。換言すると、第1の閾値は、予め車両A1の進入を検知できる所定の値に設定されている。従って、進入判定部33は、反射光Rの数が第1の閾値以上、即ち、6以上である場合(ステップS101のYES)、車線Lに沿った所定位置Pに車両A1が進入していると判定する(ステップS102)。進入判定部33は、所定位置Pに車両A1が進入していると判定した判定結果を退出判定部35及び車線サーバ(図示せず)に出力する。
【0040】
進入判定部33により所定位置Pに車両A1が進入していると判定された後、進入判定部33から判定結果が入力された退出判定部35は、記憶部31を参照して第2の閾値を取得する。退出判定部35は、事前に第2の閾値を取得していてもよい。退出判定部35は、検知結果情報取得部32から入力される検知結果情報に含まれる反射光Rの数と第2の閾値とを比較し、反射光Rの数が第2の閾値以下であるか判定する(ステップS103)。第2の閾値は、第1の閾値よりも小さい値であって、例えば、被検知物が
図5Aに示す牽引部材Dである場合に想定される反射光の最高数が設定されてもよい。本発明の第1の実施形態では、第2の閾値として3が設定されるが、3以外の数が設定されてもよい。退出判定部35は、反射光Rの数が第2の閾値以下でない場合、即ち、3以下でない場合(ステップS103のNO)、車両Aは所定位置Pから退出していない状況であると判定し、ステップS103に戻る。従って、反射光Rの数が第2の閾値以下、即ち、3以下になる(ステップS103のYES)まで、ステップS103の処理は繰返される。
【0041】
図5Aに示す牽引パターンの車両A1が所定位置Pを通過して進行方向F(+x方向)に進行する場合、進行に伴って反射光Rの数は変動し、先行する車両A1が所定位置Pを通過して退出すると、次に牽引部材Dが所定位置Pに位置する。従って、反射型検知器10の各センサ12で受光する反射光Rの数は、被検知物である牽引部材Dが検知光Bを反射する数となる。
図5Aに示すように牽引部材Dは車両A1よりも高さ方向(z方向)の寸法が小さい為、反射光Rの数は、第2の閾値以下、即ち、3以下となり(ステップS103のYES)、退出判定部35は、次の処理(ステップS104)に進む。
【0042】
退出判定部35は、反射光Rの数がゼロであるか判定を行う(ステップS104)。上述したように、
図5Aに示す牽引パターンの車両A1が通過した後、牽引部材Dが所定位置Pに位置する場合には、牽引部材Dが検知光Bを反射する為、反射光Rの数はゼロとはならず、退出判定部35は、反射光Rの数がゼロでないと判定し(ステップS104のNO)、次の処理(ステップS105)に進む。
一方、
図5Bに示す非牽引パターンの車両A1が通過した後は、後続する車両A2が所定位置Pに位置する前に、所定位置Pには先行する車両A1から排出された透過物である排気ガスGのみが存在する。例えば、気温が高い場合や排気ガスGが充分に拡散した場合等には、排気ガスGが反射する反射光Rの数はゼロとなり、この場合、退出判定部35は、反射光Rの数がゼロであると判定し(ステップS104のYES)、従って、所定位置Pから車両A1が退出していると判定する(ステップS106)。退出判定部35は、判定結果を車線サーバ(図示せず)に出力し、処理は、車両検知待ちのステップS101に戻る。これに対し、
図5Bに示す非牽引パターンの車両A1が通過した後、例えば、気温が低い場合や排気ガスGが充分に拡散できていない場合等には、排気ガスGが反射する反射光Rの数はゼロでない場合がある。この場合には、
図5Aに示す牽引パターンの車両A1が通過した後と同様に、退出判定部35は、反射光Rの数がゼロでないと判定し(ステップS104のNO)、次の処理(ステップS105)に進む。
【0043】
退出判定部35は、反射光Rの数がゼロでないと判定した場合(ステップS104のNO)、被検知物の検知位置が車両A1の幅方向(y方向)における中央範囲と一致するか判定する(ステップS105)。車両A1の幅方向(y方向)における中央範囲は、後述するように、中央範囲決定部34により決定されて退出判定部35に出力される。
例えば、
図5Bに示す非牽引パターンの場合、被検知物である排気ガスGは車両A1の幅方向(y方向)における中央範囲外の排気口から排出される為、退出判定部35は、被検知物である排気ガスGの検知位置が、中央範囲決定部34により決定される車両A1の幅方向(y方向)における中央範囲と一致しないと判定し(ステップS105のNO)、従って、所定位置Pから車両A1が退出していると判定する(ステップS106)。退出判定部35は、判定結果を車線サーバ(図示せず)に出力し、処理は、車両検知待ちのステップS101に戻る。
【0044】
一方、例えば、
図5Aに示す牽引パターンの場合、被検知物である牽引部材Dは必ず車両A1の幅方向(y方向)における中央範囲に配置されている為、退出判定部35は、被検知物である牽引部材Dの検知位置が、中央範囲決定部34により決定される車両A1の幅方向(y方向)における中央範囲と一致すると判定し(ステップS105のYES)、処理がステップS103に戻る。牽引部材Dが所定位置Pに位置する間は、上述した処理、即ち、ステップS103、ステップS103のYES、ステップS104、ステップS104のNO、ステップS105、ステップS105のYESと進み、ステップS103に戻る処理が繰返される。
【0045】
牽引部材Dが所定位置Pから退出すると、先行する車両A1に牽引される後続する車両A2が所定位置Pに位置する間は、車両A2で反射される反射光Rの数が牽引部材Dで反射される反射光Rの数よりも大きくなる。従って、後続する車両A2が所定位置Pに位置する間は、反射光Rの数は第2の閾値以下とはならず、処理はステップS103、ステップS103のNOと進み、ステップS103に戻る処理が繰返される。
図5B及び6Bには、車両A1の排出した排気ガスGだけが示されているが、後続する車両A2も車両A1と同様に図示しない排気ガスGを排出している。後続する車両A2が所定位置Pから退出すると、後続する車両A2の排出した排気ガスGが所定位置Pに位置する。気温等の条件により排気ガスGが検知光Bを反射しない場合には反射光Rの数はゼロとなる。この場合、退出判定部35は、反射光Rの数がゼロであると判定し(ステップS104のYES)、所定位置Pから車両A1が退出していると判定する(ステップS106)。即ち、車両A1に牽引される車両A2の退出が検知されることにより、車両A1が退出していると判定される。退出判定部35は、判定結果を車線サーバ(図示せず)に出力し、処理は、車両検知待ちのステップS101に戻る。
【0046】
一方、気温等の条件により後続する車両A2の排出した排気ガスGが検知光Bを反射する場合には、退出判定部35は、反射光Rの数がゼロでないと判定し(ステップS104のNO)、次のステップS105に進む。検知物である排気ガスGは車両A2の幅方向(y方向)における中央範囲外の排気口から排出される為、退出判定部35は、被検知物である排気ガスGの検知位置が、中央範囲決定部34により決定される車両A1の幅方向(y方向)における中央範囲と一致しないと判定し(ステップS105のNO)、従って、所定位置Pから車両A1が退出していると判定する(ステップS106)。即ち、車両A1に牽引される車両A2の退出が検知されることにより、車両A1が退出していると判定される。退出判定部35は、判定結果を車線サーバ(図示せず)に出力し、処理は、車両検知待ちのステップS101に戻る。
【0047】
(車両の幅方向における中央範囲の決定)
ステップS105の判定に用いられる中央範囲は、中央範囲決定部34により決定される。
図7は、第1の実施形態に係る車両検知システム1が備える車両検知装置30を説明する説明図である。
図7は、反射型検知器10を車両Aの進行方向F(+x方向)に視た図である。
図7は、車両Aが進行方向F(+x方向)に進行し、車線Lの所定位置Pを通過した直後の状況を示している。
図7を用いて、車両検知装置30が備える中央範囲決定部34が車両Aの幅方向(y方向)における中央範囲を決定する手順を説明する。
【0048】
本発明の第1の実施形態では、上述したステップS102で所定位置Pに車両Aが進入していると判定された後、中央範囲決定部34は、検知結果情報取得部32から入力される検知結果情報に含まれる反射光Rの反射位置の情報に基づいて所定位置Pを通過する車両Aの側面位置Sを算出する。車両Aの側面位置Sとしては、例えば、検知される車両Aの車高(高さ方向(z方向)における高さ)が最も高くなった際に予め定めた位置のセンサ12が検出する反射光Rの反射位置であってよい。例えば、予め定めた位置のセンサは、
図7に示すセンサ12のうち、下から3番目のセンサであってよい。
図7には車両Aが所定位置Pを通過した後の状況が示されているが、
図7に示す状況になる前に車両Aが所定位置Pを通過して検知される車両Aの車高が最も高くなるのは、下から9番目までのセンサ12が同時に車両Aを検知したタイミングである。この場合には、下から9番目までのセンサ12が同時に車両Aを検出したタイミングで下から3番目のセンサ12が検出した反射光R4の反射位置が側面位置Sとして算出されている。
【0049】
中央範囲決定部34は、算出した車両Aの側面位置Sから車両Aの幅方向(y方向)における所定範囲を中央範囲として決定してよい。例えば、中央範囲決定部34による中央範囲の決定は以下のように行われてよい。まず、車両Aの幅を2000mmと仮定しておき、車両A1の側面位置Sが算出された後、
図7に示すように、仮定した車両Aの幅の半分の1000mmだけ、側面位置Sから離れている位置を中央位置Oとして設定する。次に、中央位置Oを中心として左右に、互いの距離が、例えば、車両Aの幅方向に400mm〜600mmの所定範囲となるようにして位置O1及び位置O2を設定する。このように設定された位置O1から位置O2までの所定範囲(O1−O2)が中央範囲として決定される。上述したように、中央範囲決定部34が、検知結果情報から算出された側面位置Sから車両Aの幅方向(y方向)における所定範囲を中央範囲(O1−O2)として決定しているので、反射型検知器10以外の装置を用いずに中央範囲(O1−O2)を決定することができる。
【0050】
中央範囲決定部34は、決定した車両A1の中央範囲を退出判定部35に入力する。
図7に示す場合、被検知物である排気ガスGは3つの検知光B4〜B6を反射しており、各反射R4〜R6の反射位置である排気ガスGの検知位置はM4〜M6の3つ存在する。退出判定部35は、例えば、被検知物で排気ガスGの3つの検知位置M4〜M6のいずれもが、車両Aの幅方向(y方向)におけるO1からO2までの中央範囲内に位置しない場合に、中央範囲決定部34により決定される車両A1の幅方向(y方向)における中央範囲と一致しないと判定してよい(ステップS105のNO)。なお、排気ガスGの検知位置が複数である場合には、複数の検知位置の1つでも車両Aの幅方向における中央範囲内に位置している場合には、車両Aの中央範囲と一致すると判定するようにしてもよい。
【0051】
(作用、効果)
以上のとおり、第1の実施形態に係る車両検知システム1が備える車両検知装置30は、車線Lに沿った所定位置Pへの車両A1の進入を検知した後、検知光Bが反射された反射光Rの数が第2の閾値以下となった場合に、被検知物の被検知位置が車両A1の中央範囲と一致するか否かを判定し、被検知物の検知位置が車両Aの中央範囲と一致しないと判定した場合に、所定位置Pから車両A1が退出していると判定する。
このようにすることで、先行する車両A1が牽引部材Dで接続された後続する車両A2を牽引して進行する場合(牽引パターン)と、先行する車両A1と後続する車両A2が接続されずに、近接して進行方向Fに進行する場合(非牽引パターン)と、を判別し、排気ガスGを牽引部材と誤認識することを防止できる。これにより、牽引パターンの場合には、先行する牽引車(車両A1)及び後続する被牽引車(車両A2)をまとめて1台の車両として正しく認識することができる。また、非牽引パターンの場合には、先行する車両A1と後続する車両A2とを別個の2台の車両として正しく認識することができる。従って、各車両のETC車線等への進入及び退出を正確に検知することができる。
【0052】
<第1の実施形態の第1の変形実施例>
図8は、第1の実施形態の第1の変形実施例に係る車両検知システム1を説明する説明図である。
図8は、反射型検知器10を車両Aの進行方向F(+x方向)に視た図である。
図8は、車両Aが進行方向F(+x方向)に進行し、車線Lの所定位置Pを通過した直後の状況を示している。
図8を用いて、第1の実施形態の第1の変形実施例に係る車両検知システム1を説明する。
【0053】
図8に示す第1の実施形態の第1の変形実施例に係る車両検知システム1は、反射型検知器10及び車両検知装置30に加え、踏板40を備えている。第1の実施形態の第1の変形実施例に係る車両検知システム1は、中央範囲決定部34が踏板40を用いて車両Aの幅方向(y方向)における中央範囲を決定する点以外は、上述した第1の実施形態に係る車両検知システム1と同様に構成され、同様に動作する。
【0054】
踏板40は、
図8に示すように、車線Lの所定位置Pに車線L上に車線幅方向(y方向)に渡って敷設された平板形状の接触式センサである。なお、踏板40は、平板形状以外の形状であってよい。踏板40は、その上を接触して通過する通過物の位置を検知するように構成されている。検出される位置は、車両Aの幅方向(y方向)における位置であってよい。踏板40は、車両検知装置30に接続されており、検知した通過物の位置情報を含む踏板検知情報を車両検知装置30に出力するように構成されている。
【0055】
(車両の幅方向における中央範囲の決定)
本発明の第1の実施形態の第1の変形実施例では、上述したステップS102で所定位置Pに車両Aが進入していると判定された後、中央範囲決定部34は、踏板40から入力される踏板検知情報に含まれる車両Aの左右のタイヤ位置の情報に基づいて、車両Aの幅方向(y方向)における所定範囲を車両Aの幅方向(y方向)における中央範囲として算出して決定する。
図8に示すように、車両Aが踏板40を通過する際の左(+y方向側)のタイヤの幅方向で最外側の位置がH1であり、右(−y方向側)のタイヤの幅方向で最外側の位置がH2であるものとして説明するが、H1及びH2は各々、左右のタイヤの最内側の位置であってもよい。例えば、中央範囲決定部34は、H1とH2との間の中央の位置を車両Aの幅方向における中央位置Oとして算出し、中央位置Oが中心となるようにして車両Aの幅方向に規定される所定範囲を車両Aの幅方向における中央範囲として決定する。
図7に示す場合と同様に、
図8に示す位置O1及びO2によって中央範囲(O1−O2)が規定される。位置O1から位置O2までの車両Aの幅方向における距離は、例えば、400mm〜600mm程度の値が設定されてよい。中央範囲決定部34は、決定した車両Aの幅方向における中央範囲を退出判定部35に入力する。
【0056】
(作用、効果)
以上のとおり、第1の実施形態の第1の変形実施例に係る車両検知システム1は、踏板40で検出した左右のタイヤ位置情報に基づいて車両Aの幅方向における中央範囲を決定している。このようにすることで、車両Aの幅方向における中央範囲を決定する際に左右のタイヤ位置情報を利用し、車両Aの車幅を仮定せずに算出しているので、例えば、車種によらず一律の値として仮定した車幅に基づいて中央範囲を決定する場合に比べて車両Aの幅方向における中央範囲をより正確に決定することができる。従って、車両Aが牽引車両でない場合の車両Aの排気ガスGと、車両Aが牽引車両である場合の牽引部材Dとの判別をより精度よく実施可能となり、各車両のETC車線等への進入及び退出を正確に検知することができる。
【0057】
<第1の実施形態の第2の変形実施例>
図9は、第1の実施形態の第2の変形実施例に係る車両検知システム1を説明する説明図である。
図9を用いて、第2の実施形態の第2の変形実施例に係る車両検知システム1を説明する。
【0058】
図9に示す第1の実施形態の第2の変形実施例に係る車両検知システム1は、反射型検知器10及び車両検知装置30に加え、回線50を介して車両検知装置30に接続された撮影装置60を備えている。第1の実施形態の第2の変形実施例に係る車両検知システム1は、中央範囲算出部34が撮影装置60を用いて車両Aの幅方向(y方向)における中央範囲を決定する点以外は、上述した第1の実施形態に係る車両検知システム1と同様に構成され、同様に動作する。撮影装置60は、例えば、解析可能な画像を撮影可能な静止画用又は動画用のカメラを有していてよい。
【0059】
撮影装置60は、
図9に示すように、車線Lの所定位置Pから車両Aの進行方向F側(+x方向側)に設けられている。撮影装置60は、所定位置Pに進入してくる車両Aの正面を所定の高さの位置から撮影可能であるように構成されている。撮影装置60は、車両Aの正面の画像、即ち、ナンバープレートが含まれる車両Aの画像を撮影し、撮影した車両Aの画像情報を、回線50を介して車両検知装置30に出力するように構成されている。なお、撮影装置60は、ナンバープレートを含む車両Aの正面の画像を撮影できるその他の任意の位置に設けられてよい。
【0060】
(車両の幅方向における中央範囲の決定)
本発明の第2の実施形態の変形実施例では、上述したステップS102で所定位置Pに車両Aが進入していると判定された後、撮影装置60が所定位置Pに進入している車両Aの正面の画像を車両Aのナンバープレートが含まれるように撮影し、撮影した車両Aの画像情報を、回線50を介して車両検知装置30に出力する。車両検知装置30の中央範囲決定部34は、撮影装置60から入力されるナンバープレートが含まれる車両Aの画像情報を解析し、ナンバープレートの位置に基づいて車両Aの幅方向(y方向)における所定範囲を車両Aの幅方向(y方向)における中央範囲として算出して決定する。例えば、車両Aの幅方向におけるナンバープレートの中央位置を車両Aの幅方向における中央位置Oとし、中央位置Oが中心となるようにして車両Aの幅方向に規定される所定範囲を車両Aの幅方向における中央範囲として決定してよい。中央範囲決定部34は、決定した車両Aの幅方向における中央範囲を退出判定部35に入力する。
【0061】
なお、中央範囲決定部34は、上述したように、撮影装置60から入力されるナンバープレートを含む車両Aの画像情報を解析し、ナンバープレートの中央位置を車両Aの幅方向における中央位置Oと仮定して中央範囲を決定する以外にも以下のようにしてナンバープレートに記載されている分類番号に基づいて中央範囲を決定してよい。具体的には、中央範囲決定部34は、撮影装置60から入力される車両Aの画像情報を解析し、ナンバープレートに記載されている、例えば、2桁又は3桁の小数字である分類番号を認識し、車両Aの車種を判別する。この場合に、車両Aの各車種に対して予め車幅を定義しておくことで、車両Aの車幅が推定される。これにより、上述した第1の実施形態と同様に、車両A1の側面位置Sが算出された後、推定した車両Aの車幅の半分だけ、側面位置Sから離れている位置を中央位置Oとして設定し、中央位置Oを中心として車両Aの幅方向における左右に、互いの幅方向の距離が所定範囲となるように位置O1及び位置O2を設けることで中央範囲(O1−O2)を決定することが可能になる。
【0062】
(作用、効果)
以上のとおり、第1の実施形態の第2の変形実施例に係る車両検知システム1は、撮影装置60により撮影されたナンバープレートを含む車両Aの画像情報に基づいて車両Aの幅方向における中央範囲を決定している。このようにすることで、中央範囲算出部は、車両Aに設けられたナンバープレートを利用し、中央範囲を決定しているので、車両Aの車幅を仮定せずに算出しているので、例えば、車種によらず一律の値として仮定した車幅に基づいて中央範囲を決定する場合に比べて車両Aの幅方向における中央範囲をより正確に決定することができる。従って、車両Aが牽引車両でない場合の車両Aの排気ガスGと、車両Aが牽引車両である場合の牽引部材Dとの判別をより精度よく実施可能となり、各車両のETC車線等への進入及び退出を正確に検知することができる。
【0063】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態に係る車両検知システム1が備える車両検知装置30の動作を、
図10を参照しながら説明する。
【0064】
(車両検知装置の処理フロー)
図10は、第2の実施形態に係る車両検知システム1が備える車両検知装置30の動作を示すフローチャートである。
図10に示すフローチャートでは、第1の実施形態に係る車両検知装置30の処理フローを示す
図4のフローチャートのステップS101〜S106に新たなステップS111〜S114が追加されている。追加されたステップS111〜S114は、直前に検知されて既に退出している車両Aが排出した排気ガスGが車線Lの所定位置Pに残留して検知光Bを反射し、存在しない車両が誤検知されてしまう事態を回避する為に、先行する車両Aの排気ガスGが検知されたか否かを示す排気ガス検知フラグが導入されている。
【0065】
以下、排気ガス検知フラグを用いた処理について説明する。
車両検知装置30により車両Aの進入が検知され(ステップS102)、その後、車両Aから排出された排気ガスGが検知されない場合には、退出判定部35は、反射光Rの数がゼロと判定し(ステップS104のYES)、排気ガス検知フラグをOFFに設定する(ステップS113)。例えば、退出判定部35は、記憶部31に記憶されている排気ガス検知フラグの値をOFFに上書きしてよい。次に、退出判定部35は、所定位置Pから車両Aが退出していると判定し、判定結果を車線サーバ(図示せず)に出力し、処理は、車両検知待ちのステップS101に戻る。
【0066】
一方、車両検知装置30により車両Aの進入が検知され(ステップS102)、その後、車両Aから排出された排気ガスGが検知された場合には、退出判定部35は、被検知物である排気ガスGの検知位置が車両Aの中央範囲と一致しないと判定し(ステップS105のNO)、排気ガス検知フラグをONに設定する(ステップS114)。例えば、退出判定部35は、記憶部31に記憶されている排気ガス検知フラグの値をONに上書きしてよい。次に、退出判定部35は、所定位置Pから車両Aが退出していると判定し、判定結果を車線サーバ(図示せず)に出力し、処理は、車両検知待ちのステップS101に戻る。
【0067】
上述のように先行する車両Aが検知され、退出した後に、車両検知待ちのステップS101において進入判定部33が反射光Rの数が第1の閾値以上と判定すると(ステップS101のYES)、進入判定部33は、記憶部31を参照する。進入判定部33は、排気ガス検知フラグがONでない場合(ステップS111のNO)、先行する車両Aの検知の際に排気ガスGは検知されておらず、排気ガスGの誤検知ではないとして、所定位置Pに車両Aが進入していると判定する(ステップS102)。
【0068】
一方、進入判定部33が、記憶部31を参照し、排気ガス検知フラグがONである場合(ステップS111のYES)、先行する車両Aの検知の際に排気ガスGが検知されているので、排気ガスGによる誤検知の可能性がある為、処理は車両誤検知判定処理(ステップS112)に進められる。即ち、進入判定部33は、退出判定部35により排気ガス検知フラグがONに設定されている場合にだけ、車両誤検知判定処理(ステップS112)を行う。
【0069】
(車両誤検知判定処理)
進入判定部33は、検知結果情報取得部32により取得されて入力された検知結果情報に含まれる被検知物の検知位置の情報から検知位置の分散度合を示す値を算出する。例えば、分散度合を示す値としては、各データの値と平均の値との差を2乗した値の相加平均で定義される分散値として算出してよいし、その他の値が規定されてもよい。進入判定部33は、記憶部31を参照し、所定の排気ガス判定値を取得する。進入判定部33は、算出した被検知物の検知位置の分散度合を示す値と、取得した所定の排気ガス判定値とを比較し、分散度合を示す値が所定の排気ガス判定値以下である場合に、排気ガスGによる誤検知ではないとして、所定位置Pに車両Aが進入していると判定する(ステップS102)。
【0070】
進入判定部33は、算出した被検知物の検知位置の分散度合を示す値と、取得した所定の排気ガス判定値とを比較し、分散度合を示す値が所定の排気ガス判定値以下でない場合(ステップS112のNO)、検知した被検知物は広範囲に拡散した排気ガスGであると判定し、車両検知待ちのステップS101に戻る。
これは、排気ガスGが透過物である為、被検知物である排気ガスGで検知光Bが反射される場合には、排気ガスGの外側の表面で反射されるとは限らず、
図2に示す反射光R1及びR2のように排気ガスG内の密度が異なる境界部分で反射される可能性及び不定形である排気ガスGが凹状になっている内側の表面から反射される可能性が有るからである。結果として、被検知物が透過物である排気ガスGの場合には、反射型検知器10で検知される検知位置の分散度合は、被検知物が非透過物である車両Aの場合に比較して大きくなる為である。逆に言えば、被検知物が非透過物である場合には、検知光Bが非透過物の表面で反射されるので、被検知物が透過物である場合に比較して検知位置の分散度合は小さくなる。
【0071】
(作用、効果)
以上のとおり、第2の実施形態の変形実施例に係る車両検知システム1は、反射型検知器10で検知された被検知物の検知位置の分散度合を示す値が所定の排気ガス判定値以下である場合に、排気ガスGによる誤検知ではないとして、所定位置Pに車両Aが進入していると判定する車両誤検知判定処理を行う。
このようにすることで、先行する車両A1が排出した排気ガスGと、後続する車両A2とを正確に判別することができる。従って、先行する車両A1が排出した排気ガスGを他の車両Aと誤認識してしまうことを防止でき、各車両のETC車線等への進入及び退出を正確に検知することができる。
【0072】
また、第2の実施形態の変形実施例に係る車両検知システム1は、先行する車両Aの排気ガスGが検知されたか否かを示す排気ガス検知フラグを導入し、排気ガス検知フラグがONでない場合に、所定位置Pに車両Aが進入していると判定し、排気ガス検知フラグがONである場合に、上述した車両誤検知判定処理を行う。
このようにすることで、排気ガス検知フラグがONである場合に限って、上述した車両誤検知判定処理を行うので、車両検知処理の効率を向上させることができる。さらに、排気ガス検知フラグがONでない場合に、所定位置Pに車両Aが進入していることを正しく判定することができる。従って、先行する車両A1が排出した排気ガスGを他の車両Aと誤認識してしまうことを防止でき、各車両のETC車線等への進入及び退出を正確に検知することができる。
【0073】
以上、図面を参照して本発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、様々な設計変更等をすることが可能である。例えば、上述したいずれの実施形態においても、車両検知システム1が、車線Lの横に設置されて、検知光を水平方向に投光して被検知物を検知する反射型検知器10を備えている場合について説明したが、反射型検知器10は、車線Lの上方から下方に検知光を投光してスキャンを行うオーバーヘッドレーザスキャナ型の反射型検知器、下方から上方に検知光を投光してスキャンを行う地上型レーザスキャナ型の反射型検知器、又は車線Lに沿った所定位置で車線上の空間に横断面を形成するように複数の検知光を照射するその他の反射型検知器であってよい。また、反射型検知器10は、単光軸多軸型以外の反射型検知器であってよい。
【0074】
また、上述したいずれの実施形態においても、被検知物の寸法に対応する寸法対応値が反射光Rの数である場合について説明したが、これに限られない。寸法対応値は、実際の被検知物の寸法でも良い。例えば、上記例では、反射光Rの数に基づいて演算される車両A等被検知物の高さとしても良い。また、上記の反射型検知器が車線幅方向両側に設けられ、反射光に基づいてそれぞれ距離が測定可能な場合には、両検知器の距離測定結果に基づいて被検知物の幅寸法を測定することが可能であり、当該幅寸法を寸法対応値としても良い。また、反射型検知器がスキャン式である場合には、反射光Rによって被検知物が検知された角度を寸法対応値としても良いし、当該角度に基づいて得られる被検知物の実寸法としても良い。
【0075】
また、上述した第1の実施形態においては、中央範囲決定部34が中央範囲を決定し、決定された中央範囲に基づいて進入判定及び退出判定を行う場合について説明したが、進入判定及び退出判定は、例えば、記憶部31に予め記憶しておいた中央範囲を用いて行われてもよい。
【0076】
また、上述したいずれの実施形態においても、車両検知システム1が、反射型検知器10を1台だけ備える場合について説明したが、車両検知システム1が、反射型検知器10を複数備えていてもよい。例えば、車両検知システム1が、車線Lの−x方向側に設置された反射型検知器10と、車線Lの+x方向側に設置された反射型検知器10との2台を備えていてもよい。
【0077】
また、上述したいずれの実施形態においても、車両検知システム1が、ETCに関するETC車線に設けられる場合について説明したが、例えば、高速道路の出入口等に設置されている現金式の入口料金所又は出口料金所等のその他の設備に設けられてもよい。
【0078】
また、上述したいずれの実施形態においても、反射型検知器10の備える各センサが検知光Bが被検知物により反射された反射光Rを1回だけ受光して被検知物の検知位置を取得する場合について説明したが、透過物である排気ガスGが同じ検知光Bを複数の位置で反射した場合の複数の反射光Rを受光して被検知物の検知位置を取得するようにしてもよい。
【0079】
図11は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
コンピュータ9は、CPU91、主記憶装置92、補助記憶装置93、インタフェース94を備える。
上述の車両検知装置30は、コンピュータ9を備える。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置93に記憶されている。CPU91は、プログラムを補助記憶装置93から読み出して主記憶装置92に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。例えば、上述した検知結果情報取得部32、進入判定部33、中央位置算出部34と、及び退出判定部35は、CPU91であってよい。
また、CPU91は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置92または補助記憶装置93に確保する。例えば、上述した記憶部31が、主記憶装置92または補助記憶装置93に確保されてよい。
【0080】
補助記憶装置93の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。補助記憶装置93は、コンピュータ9のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インタフェース94または通信回線を介してコンピュータ9に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ9に配信される場合、配信を受けたコンピュータ9が当該プログラムを主記憶装置92に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、補助記憶装置93は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0081】
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、当該プログラムは、前述した機能を補助記憶装置93に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。