特許第6979353号(P6979353)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6979353
(24)【登録日】2021年11月17日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】照明制御装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/105 20200101AFI20211202BHJP
   H05B 47/165 20200101ALI20211202BHJP
   H05B 47/19 20200101ALI20211202BHJP
【FI】
   H05B47/105
   H05B47/165
   H05B47/19
【請求項の数】11
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-526635(P2017-526635)
(86)(22)【出願日】2015年11月13日
(65)【公表番号】特表2017-539056(P2017-539056A)
(43)【公表日】2017年12月28日
(86)【国際出願番号】IB2015058783
(87)【国際公開番号】WO2016079647
(87)【国際公開日】20160526
【審査請求日】2018年11月9日
(31)【優先権主張番号】62/081,622
(32)【優先日】2014年11月19日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ニュートン フィリップ スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】アレクセイユ ズミトリー ヴィクトロビッチ
(72)【発明者】
【氏名】バン デ スルイス バルテル マリヌス
(72)【発明者】
【氏名】メイソン ジョナサン デービッド
(72)【発明者】
【氏名】シュライビ サナエ
(72)【発明者】
【氏名】デッカー ティム
【審査官】 野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/181205(WO,A2)
【文献】 特開2014−007035(JP,A)
【文献】 特開2014−021798(JP,A)
【文献】 特開平05−242282(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/00、47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加速度計と、
ワイヤレス通信インターフェースと、
照明制御装置を物体に固定する及び前記物体の表面に与えられた運動を前記加速度計に伝達する運動伝達及び固定接続コンポーネントと、
前記加速度計及び前記ワイヤレス通信インターフェースに結合されたコントローラと、を含む、照明制御装置であって、
前記コントローラは、前記加速度計によって感知された運動を表す信号を当該加速度計から受信し、
前記信号が所定の運動を表す衝撃パターンに対応するかどうかを判定し、
前記信号が所定の運動を表す衝撃パターンに対応する場合、1つ又は複数の選択された属性を持つ光を1つ又は複数の照明ユニットから放射させる照明制御コマンドを、前記ワイヤレス通信インターフェースを通じて前記照明ユニット又は照明システムブリッジに送信し、
前記コントローラはさらに、学習状態に遷移し、前記学習状態で、前記コントローラは、前記加速度計からの1つ又は複数の信号の1つ又は複数の特性を学習時間にわたって監視し、監視される前記1つ又は複数の特性に基づいて1つ又は複数の運動基準を生成し、
前記コントローラはさらに、前記学習時間中に前記加速度計から受信される前記信号に基づいて、新たに生成される運動基準が割り当てられる光又は照明シーンの属性を選択する、照明制御装置。
【請求項2】
前記コントローラはさらに、前記学習時間中に表現された音声又は視覚的出力により、前記表面に第1の力を加えるようにユーザを促す、請求項に記載の照明制御装置。
【請求項3】
前記コントローラはさらに、前記第1の力が閾値を満たさなかったと判定するのに応答して、音声又は視覚的出力により、前記第1の力とは異なる第2の力を前記表面に加えるようにユーザを促す、請求項に記載の照明制御装置。
【請求項4】
前記コントローラは、前記加速度計から受信される前記信号の前記1つ又は複数の特性に基づいて、前記加速度計に関連付けられる感度閾値を決定する、請求項に記載の照明制御装置。
【請求項5】
加速度計と、
ワイヤレス通信インターフェースと、
照明制御装置を物体に固定する及び前記物体の表面に与えられた運動を前記加速度計に伝達する運動伝達及び固定接続コンポーネントと、
前記加速度計及び前記ワイヤレス通信インターフェースに結合されたコントローラと、を含む、照明制御装置であって、
前記コントローラは、前記加速度計によって感知された運動を表す信号を当該加速度計から受信し、
前記加速度計からの前記信号に基づいて、前記感知された運動が照明制御コマンドに対応する所定の運動に対応する運動基準を満たすことを判定し、
1つ又は複数の選択された属性を持つ光を1つ又は複数の照明ユニットから放射させる前記照明制御コマンドを、前記ワイヤレス通信インターフェースを通じて前記照明ユニット又は照明システムブリッジに送信し、
前記コントローラはさらに、
前記感知された運動に基づいて、力が加えられた前記表面の物理的領域を特定し、
特定された前記物理的領域に基づいて、前記1つ又は複数の照明ユニットによって放射される光の前記1つ又は複数の属性を選択する、照明制御装置。
【請求項6】
前記照明制御装置は、前記コントローラに結合されたマイクロフォンを含み、前記コントローラは、さらに前記マイクロフォンからの信号に基づいて、前記感知された運動が運動基準を満たすことを判定する、請求項1に記載の照明制御装置。
【請求項7】
前記照明制御装置は、ジャイロスコープを含み、前記コントローラは、さらに前記ジャイロスコープからの信号に基づいて、前記感知された運動が運動基準を満たすことを判定する、請求項1に記載の照明制御装置。
【請求項8】
前記コントローラはさらに、
前記加速度計からの前記信号に基づいて、前記感知された運動の大きさを判定し、
前記感知された運動の大きさに基づいて、前記1つ又は複数の照明ユニットによって放射される光の前記1つ又は複数の属性を選択する、請求項1に記載の照明制御装置。
【請求項9】
加速度計と、
ワイヤレス通信インターフェースと、
照明制御装置を物体に固定する及び前記物体の表面に与えられた運動を前記加速度計に伝達する運動伝達及び固定接続コンポーネントと、
前記加速度計及び前記ワイヤレス通信インターフェースに結合されたコントローラと、を含む、照明制御装置であって、
前記コントローラは、前記加速度計によって感知された運動を表す信号を当該加速度計から受信し、
前記加速度計からの前記信号に基づいて、前記感知された運動が照明制御コマンドに対応する所定の運動に対応する運動基準を満たすことを判定し、
1つ又は複数の選択された属性を持つ光を1つ又は複数の照明ユニットから放射させる前記照明制御コマンドを、前記ワイヤレス通信インターフェースを通じて前記照明ユニット又は照明システムブリッジに送信し、
前記コントローラはさらに、前記加速度計が発生させる割込みに応答して、当該コントローラが第1の量の電力を消費する非アクティブ状態から、当該コントローラが前記第1の量の電力よりも大きい第2の量の電力を消費するアクティブ状態に遷移し、前記加速度計は、閾値を満たす運動を感知するのに応答して割込みを発生させる、照明制御装置。
【請求項10】
加速度計と、
ワイヤレス通信インターフェースと、
照明制御装置を物体に固定する及び前記物体の表面に与えられた運動を前記加速度計に伝達する運動伝達及び固定接続コンポーネントと、
前記加速度計及び前記ワイヤレス通信インターフェースに結合されたコントローラと、を含む、照明制御装置であって、
前記コントローラは、前記加速度計によって感知された運動を表す信号を当該加速度計から受信し、
前記加速度計からの前記信号に基づいて、前記感知された運動が照明制御コマンドに対応する所定の運動に対応する運動基準を満たすことを判定し、
1つ又は複数の選択された属性を持つ光を1つ又は複数の照明ユニットから放射させる前記照明制御コマンドを、前記ワイヤレス通信インターフェースを通じて前記照明ユニット又は照明システムブリッジに送信し、
前記照明制御装置は、当該照明制御装置が前記表面に固定されたことを検出するのに応答して配置信号を発生させる配置センサを含み、前記コントローラは、前記配置信号に応答して、非アクティブ状態からアクティブ状態に遷移する、照明制御装置。
【請求項11】
照明制御装置を始動するステップと、
前記照明制御装置を物体に固定するステップと、
前記照明制御装置により、前記物体に与えられた運動を示す1つ又は複数の信号を受信するステップと、
前記1つ又は複数の信号に基づいて、前記与えられた運動が対応する1つ又は複数の所定の運動を特定するステップと、
特定された前記1つ又は複数の所定の運動に基づいて、1つ又は複数の照明ユニットによって放射されるべき光の1つ又は複数の属性を選択するステップと、
前記照明制御装置を学習状態に遷移させるステップと、
前記照明制御装置に関連付けられた運動検出器から、前記1つ又は複数の所定の運動として記憶するために1つ又は複数の衝撃パターンを取得するステップと、
前記1つ又は複数の所定の運動に関連付けるべき光の1つ又は複数の属性を特定するステップと、を含み、
前記遷移するステップは、前記固定するステップが行われたことを前記照明制御装置が判定することに応答して行われる、照明制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、一般には照明制御を対象とする。より詳細には、本明細書に開示される様々な発明的方法及び装置は、物体の表面に固定された照明制御装置によって感知された1つ又は複数の運動に基づいて、照明ユニットによって放射される光の1つ又は複数の属性を制御することに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] デジタル照明技術、すなわち発光ダイオード(「LED」)などの半導体光源に基づく照光は、伝統的な蛍光灯、HID灯、及び白熱灯に替わる実現可能な選択肢をもたらす。LEDの機能的な利点及び利益としては、高いエネルギー変換及び光効率、耐久性、動作コストの低減、及びその他多くが挙げられる。LED技術の近年の進歩により、多くの用途において多様な照明効果を可能にする、効率的で堅牢なあらゆる範囲の照明源が提供されている。例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,016,038号及び第6,211,626号に詳細に述べられるように、そのような照明源を具現化した設備の中には照明モジュールを備えるものがあり、照明モジュールは、例えば赤、緑、青などの異なる色を生成することが可能な1つ又は複数のLED、並びに、様々な色及び色を変化させる照明効果を生成するためにLEDの出力を独立して制御するプロセッサを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[0003] 放射される光をスイッチの操作以外の技術で制御するための限られた能力をユーザに提供する電灯及び照明器具が存在する。例えば、「クラッパー(clapper)」は、通例はユーザからの1回又は複数回の拍手の形態である音によって電灯を制御することを可能にする。他の電灯は、少なくとも部分的に静電容量方式のタッチ感知面を備えている。その静電容量の変化に基づいてユーザのタッチが検出され、ユーザのタッチの性質に基づいて、電灯の1つ又は複数の光源によって放射される光が変更される。しかし、そのような電灯は、変更可能な静電容量を持つように設計された特注の照明器具を必要とする。美術的及び/又は感情的な価値を持つ旧式の照明器具は、タッチ感知型の電灯に改造するには向かないことがある。また、ユーザは、額縁、壁、ドアの取っ手など、照明器具又は電灯以外の物体を触ることによって照明を制御したいと思うことがある。前述に基づき、当技術分野には、様々な身近な物体及び/又は表面を使用した、タッチに基づく照明制御を容易にする必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004] 本開示は、照明制御のための発明的方法及び装置を対象とする。例えば、照明制御装置は、様々な物体に固定され、その物体に与えられる運動又は力を測定するように構成された1つ又は複数の構成要素を備えて構成される。それら1つ又は複数の構成要素からの1つ又は複数の信号に基づいて、1つ又は複数の照明ユニットによって放射される光の1つ又は複数の属性が選択される。
【0005】
[0005] 様々な実施形態で、照明制御装置は、加速度計と、ワイヤレス通信インターフェースと、照明制御装置を表面に接続すると共に、表面に与えられた運動を加速度計に伝達するように構成された固定接続と、加速度計及びワイヤレス通信インターフェースに結合されたコントローラとを含む。コントローラは、加速度計によって感知された運動を表す信号を加速度計から受信し、加速度計からの信号に基づいて、感知された運動が運動基準を満たすことを判定し、1つ又は複数の選択された属性を持つ光を1つ又は複数の照明ユニットから放射させるように構成されたデータを、ワイヤレス通信インターフェースを通じて照明ユニット又は照明システムブリッジに送信する、ように構成される。様々な実施形態で、データは照明制御コマンドを含む。様々な実施形態で、データは、感知された運動が運動基準を満たす旨の信号を含む。
【0006】
[0006] 様々な実施形態で、コントローラはさらに、学習状態に遷移するように構成されてもよく、学習状態で、コントローラは、加速度計からの1つ又は複数の信号の1つ又は複数の特性を学習時間間隔にわたって監視し、監視される1つ又は複数の特性に基づいて1つ又は複数の運動基準を生成する。様々なバージョンで、コントローラはさらに、学習時間間隔中に表現された音声又は視覚的出力により、表面に第1の力を加えるようにユーザを促すように構成される。様々なバージョンで、コントローラはさらに、第1の力が閾値を満たさなかったと判定するのに応答して、表現された音声又は視覚的出力により、第1の力とは異なる第2の力を表面に加えるようにユーザを促すように構成される。様々なバージョンで、コントローラはさらに、学習時間間隔中に加速度計から受信される信号に基づいて、新たに生成される運動基準が割り当てられる光又は照明シーンの属性を選択するように構成される。様々なバージョンで、コントローラは、加速度計から受信される信号の1つ又は複数の特性に基づいて、加速度計に関連付けられる感度閾値を決定するように構成される。
【0007】
[0007] 様々な実施形態で、コントローラはさらに、感知された運動に基づいて、力が加えられた表面の物理的領域を特定し、特定された物理的領域に基づいて、1つ又は複数の照明ユニットによって放射される光の1つ又は複数の属性を選択するように構成される。様々な実施形態で、照明制御装置は、コントローラに結合されたマイクロフォンを含む。コントローラは、さらにマイクロフォンからの信号に基づいて、感知された運動が運動基準を満たすことを判定するように構成される。
【0008】
[0008] 様々な実施形態で、照明制御装置はジャイロスコープを含む。コントローラは、さらにジャイロスコープからの信号に基づいて、感知された運動が運動基準を満たすことを判定するように構成される。様々な実施形態で、コントローラは、加速度計からの信号に基づいて、感知された運動の大きさを判定し、その大きさに基づいて、1つ又は複数の照明ユニットによって放射される光の1つ又は複数の属性を選択するように構成される。
【0009】
[0009] 様々な実施形態で、コントローラはさらに、加速度計が発生させる割込みに応答して、コントローラが第1の量の電力を消費する非アクティブ状態から、コントローラが第1の量の電力よりも大きい第2の量の電力を消費するアクティブ状態に遷移するように構成される。加速度計は、閾値を満たす運動を感知するのに応答して割込みを発生させるように構成される。
【0010】
[0010] 様々な実施形態で、照明制御装置は、照明制御装置が表面に固定されたことを検出するのに応答して配置信号を発生させる配置センサを含む。コントローラは、配置信号に応答して、非アクティブ状態からアクティブ状態に遷移するように構成される。
【0011】
[0011] 別の態様では、照明制御方法は、照明制御装置を始動するステップと、照明制御装置を物体に固定するステップと、照明制御装置により、物体に与えられた運動を示す1つ又は複数の信号を受信するステップと、1つ又は複数の信号に基づいて、与えられた運動が対応する1つ又は複数の所定の運動を特定するステップと、特定された1つ又は複数の所定の運動に基づいて、1つ又は複数の照明ユニットによって放射されるべき光の1つ又は複数の属性を選択するステップとを含む。
【0012】
[0012] 様々な実施形態で、方法は、照明制御装置を学習状態に遷移させるステップと、照明制御装置に関連付けられた運動検出器から、1つ又は複数の所定の運動として記憶するために1つ又は複数の衝撃パターンを取得するステップと、1つ又は複数の所定の運動に関連付けるべき光の1つ又は複数の属性を特定するステップとをさらに含む。様々なバージョンで、遷移するステップは、固定が行われたことを照明制御装置が判定することに応答して行われる。
【0013】
[0013] 様々な実施形態で、始動するステップは、照明制御装置の接着面をむき出しにするステップを含む。様々な実施形態で、固定するステップは、接着面を物体の表面に固定するステップを含む。様々な実施形態で、上記方法は、物体に与えられた運動を示す1つ又は複数の信号が閾値を満たすと判定するステップを含む。いくつかのそのような実施形態では、特定するステップは、判定するステップに応答して行われる。
【0014】
[0014] 本開示の目的で本明細書において使用される場合、「LED」との用語は、任意のエレクトロルミネセンスダイオード、又は、電気信号に呼応して放射を発生できる、その他のタイプのキャリア注入/接合ベースシステム(carrier injection/junction-based system)を含むものと理解すべきである。したがって、LEDとの用語は、次に限定されないが、電流に呼応して発光する様々な半導体ベースの構造体、発光ポリマー、有機発光ダイオード(OLED)、エレクトロルミネセンスストリップ等を含む。特に、LEDとの用語は、赤外スペクトル、紫外スペクトル、及び(通常、約400ナノメートルから約700ナノメートルまでの放射波長を含む)可視スペクトルの様々な部分のうちの1つ又は複数における放射を発生させることができるすべてのタイプの発光ダイオード(半導体及び有機発光ダイオードを含む)を指す。LEDの幾つかの例としては、次に限定されないが、様々なタイプの赤外線LED、紫外線LED、赤色LED、青色LED、緑色LED、黄色LED、アンバー色LED、橙色LED、及び白色LED(以下に詳しく述べる)がある。また、LEDは、所与のスペクトルに対して様々な帯域幅(例えば半波高全幅値(FWHM:full widths at half maximum))、及び所与の一般的な色分類内で様々な支配的波長を有する放射(例えば狭帯域幅、広帯域幅)を発生させるように構成及び/又は制御することができることを理解すべきである。
【0015】
[0015] 例えば本質的に白色光を生成するLED(例えば白色LED)の一実施態様は、それぞれ、組み合わされることで混合して本質的に白色光を形成する様々なスペクトルのエレクトロルミネセンスを放射する複数のダイを含む。別の実施態様では、白色光LEDは、第1のスペクトルを有するエレクトロルミネセンスを異なる第2のスペクトルに変換する蛍光体材料に関連付けられる。この実施態様の一例では、比較的短波長で狭帯域幅スペクトルを有するエレクトロルミネセンスが、蛍光体材料を「ポンピング(pumps)」して、当該蛍光体材料は、いくぶん広いスペクトルを有する長波長放射を放射する。
【0016】
[0016] なお、LEDとの用語は、LEDの物理的及び/又は電気的なパッケージタイプを限定しないことを理解すべきである。例えば、上述した通り、LEDは、(例えば個々に制御可能であるか又は制御不能である)異なるスペクトルの放射をそれぞれ放射する複数のダイを有する単一の発光デバイスを指すこともある。また、LEDは、LED(例えばあるタイプの白色LED)の一体部分と見なされる蛍光体に関連付けられることもある。一般に、LEDとの用語は、パッケージLED、非パッケージLED、表面実装LED、チップ・オン・ボードLED、TパッケージマウントLED、ラジアルパッケージLED、パワーパッケージLED、あるタイプのケーシング及び/又は光学的要素(例えば拡散レンズ)を含むLED等を指す。
【0017】
[0017] 「光源」との用語は、次に限定されないが、LEDベース光源(上記に定義した1つ以上のLEDを含む)、白熱光源(例えばフィラメント電灯、ハロゲン電灯)、蛍光光源、りん光性光源、高輝度放電光源(例えばナトリウム蒸気ランプ、水銀蒸気ランプ及びメタルハライドランプ)、レーザー、その他のタイプのエレクトロルミネセンス源、パイロルミネセンス源(例えば火炎)、キャンドルルミネセンス源(例えばガスマントル光源、カーボンアーク放射光源)、フォトルミネセンス源(例えばガス状放電光源)、電子飽和(electronic satiation)を使用する陰極発光源(cathode luminescent source)、ガルバノルミネセンス源、結晶発光(crystallo-luminescent)源、キネルミネセンス(kine-luminescent)源、熱ルミネセンス源、摩擦ルミネセンス(triboluminescent)源、音ルミネセンス(sonoluminescent)源、放射ルミネセンス(radioluminescent)源、及び発光ポリマー(luminescent polymers)を含む、様々な放射源のうちの任意の1つ以上を指すと理解すべきである。
【0018】
[0018] 与の光源は、可視スペクトル内、可視スペクトル外、又は両者の組合せでの電磁放射を発生する。したがって、「光」及び「放射」との用語は、本明細書では同義で使用される。さらに、光源は、一体構成要素として、1つ以上のフィルタ(例えばカラーフィルタ)、レンズ、又はその他の光学的構成要素を含む。また、光源は、次に限定されないが、指示、表示、及び/又は照明を含む様々な用途に対し構成されることを理解すべきである。「照明源」とは、内部空間又は外部空間を効果的に照射するのに十分な強度を有する放射を発生するように特に構成された光源である。このコンテキストにおいて、「十分な強度」とは、周囲照明(すなわち、間接的に知覚され、また、例えば、全体的に又は部分的に知覚される前に1つ以上の様々な介在面から反射される光)を提供するために空間又は環境において発生される可視スペクトルにおける十分な放射強度(放射強度又は「光束」に関して、全方向における光源からの全光出力を表すために、単位「ルーメン」がよく使用される)を指す。
【0019】
[0019] 「スペクトル」との用語は、1つ以上の光源によって生成された放射の任意の1つ以上の周波数(又は波長)を指すものと理解すべきである。したがって、「スペクトル」との用語は、可視範囲内の周波数(又は波長)のみならず、赤外線、紫外線、及び電磁スペクトル全体の他の領域の周波数(又は波長)も指す。さらに、所与のスペクトルは、比較的狭い帯域幅(例えば、FWHMは、基本的に、周波数又は波長成分をほとんど有さない)、又は、比較的広い帯域幅(様々な相対強度を有する幾つかの周波数又は波長成分)を有してよい。当然のことながら、所与のスペクトルは、2つ以上の他のスペクトルを混合(例えば、複数の光源からそれぞれ放射された放射を混合)した結果であってよい。
【0020】
[0020] 本開示の目的で、「色」との用語は、「スペクトル」との用語と同義に使用される。しかし、「色」との用語は、通常、観察者によって知覚可能である放射の特性を主に指すために使用される(ただし、この使用は、当該用語の範囲を限定することを意図していない)。したがって、「様々な色」との用語は、様々な波長成分及び/又は帯域幅を有する複数のスペクトルを暗に指す。さらに、当然のことながら、「色」との用語は、白色光及び非白色光の両方との関連で使用される。
【0021】
[0021] 「色温度」との用語は、本明細書では、通常、白色光に関連して使用されるが、その使用は、当該用語の範囲を限定することを意図していない。色温度は、基本的に、白色光の特定の色内容又は陰(例えば、赤みを帯びた、青みを帯びた)を指す。所与の放射サンプルの色温度は、従来から、問題とされている放射サンプルと同じスペクトルを基本的に放射する黒体放射体のケルビン度数(K)の温度に応じて特徴付けられている。黒体放射体の色温度は、通常、約700度K(通常、人間の目に最初に可視となると考えられている)から10,000度K超の範囲内であり、白色光は、通常、約1500〜2000度Kより高い色温度において知覚される。
【0022】
[0022] 低色温度は、通常、より顕著な赤色成分、すなわち、「温かい印象」を有する白色光を示す一方で、高色温度は、通常、より顕著な青色成分、すなわち、「冷たい印象」を有する白色光を示す。一例として、炎は約1,800度Kの色温度を有し、従来の白熱電球は約2848度Kの色温度を有し、早朝の日光は約3,000度Kの色温度を有し、曇った日の真昼の空は約10,000度Kの色温度を有する。約3,000度Kの色温度を有する白色光の下で見られたカラー画像は、比較的赤みの帯びた色調を有する一方で、約10,000度Kの色温度を有する白色光の下で見られたカラー画像は、比較的青みの帯びた色調を有する。
【0023】
[0023] 「照明固定具」、「照明器具」との用語は、本明細書では、特定の形状因子、アセンブリ又はパッケージの1つ以上の照明ユニットの実施態様又は配置を指すために使用される。「照明ユニット」との用語は、本明細書では、同じ又は異なるタイプの1つ以上の光源を含む装置を指して使用される。所与の照明ユニットは、様々な光源の取付け配置、筐体/ハウジング配置及び形状、並びに/又は、電気及び機械的接続構成の何れか1つを有する。さらに、所与の照明ユニットは、光源の動作に関連する様々な他の構成要素(例えば制御回路)に任意選択的に関連付けられる(例えば含む、結合される、及び/又は一緒にパッケージされる)。「LEDベースの照明ユニット」とは、上記した1つ以上のLEDベースの光源を、単独で又はその他の非LEDベースの光源との組合せで含む照明ユニットを指す。「マルチチャネル」照明ユニットとは、それぞれ異なる放射スペクトルを発生する少なくとも2つの光源を含むLEDベースの又は非LEDベースの照明ユニットを指すものであり、各異なる光源スペクトルは、マルチチャネル照明ユニットの「チャネル」と呼ばれる。「照明具」との用語は、本明細書では、照明器具、照明固定具、ランプ、照明ユニットが搭載される他の装置を指すために使用される。例えば、LED光バルブの形式の照明ユニットは、デスクランプ、吊り下げランプ又はスタンドランプのような照明具のソケットにねじ止めされる。照明具はAC電源のような電源に接続され、特に、電力を搭載された照明ユニットへ供給して、照明ユニットが光を放射できるようにする。
【0024】
[0024] 「コントローラ」との用語は、本明細書では、一般に、1つ以上の光源の動作に関連する様々な装置を説明するために使用される。コントローラは、本明細書で説明した様々な機能を実行するように、数多くの方法(例えば専用ハードウエアを用いて)で実施できる。「プロセッサ」は、本明細書で説明した様々な機能を実行するように、ソフトウエア(例えばマイクロコード)を使用してプログラムすることのできる1つ以上のマイクロプロセッサを使用するコントローラの一例である。コントローラは、プロセッサを使用してもしなくても実施でき、また、幾つかの機能を実行する専用ハードウエアと、その他の機能を実行するプロセッサ(例えばプログラムされた1つ以上のマイクロプロセッサ及び関連回路)の組み合わせとして実施される。本開示の様々な実施態様において使用されるコントローラ構成要素の例としては、次に限定されないが、従来のマイクロプロセッサ、特定用途向けIC(ASIC)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)がある。
【0025】
[0025] 様々な実施態様において、プロセッサ又はコントローラは、1つ以上の記憶媒体(本明細書では総称的に「メモリ」と呼び、例えばRAM、PROM、EPROM及びEEPROM、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク、光学ディスク、磁気テープ等の揮発性及び不揮発性のコンピュータメモリ)と関連付けられる。幾つかの実施態様において、記憶媒体は、1つ以上のプロセッサ及び/又はコントローラ上で実行されると、本明細書で説明した機能の少なくとも幾つかを実行する1つ以上のプログラムによって、コード化される。様々な記憶媒体は、プロセッサ又はコントローラ内に固定されてもよいし、又は、その上に記憶された1つ以上のプログラムが、本明細書で説明した本発明の様々な態様を実施するように、プロセッサ又はコントローラにロードされるように可搬型であってもよい。「プログラム」又は「コンピュータプログラム」との用語は、本明細書では、一般的な意味で、1つ以上のプロセッサ又はコントローラをプログラムするように使用できる任意のタイプのコンピュータコード(例えばソフトウエア又はマイクロコード)を指して使用される。
【0026】
[0026] 「アドレス可能」との用語は、本明細書では、自分自身を含む複数のデバイスに向けた情報(例えばデータ)を受信して、自分自身に向けられた特定の情報に選択的に応答するデバイス(例えば、光源全般、照明ユニット又は固定具、1つ以上の光源若しくは照明ユニットに関連付けられたコントローラ又はプロセッサ、他の非照明関連デバイス等)を指すために使用される。「アドレス可能」との用語は、多くの場合、ネットワークで結ばれた環境(すなわち、以下に詳細に説明される「ネットワーク」)に関連して使用され、ネットワークで結ばれた環境では、複数のデバイスが何らかの1つ以上の通信媒体を介して互いに結合されている。
【0027】
[0027] 1つのネットワーク実施態様では、ネットワークに結合された1つ以上のデバイスが、当該ネットワークに結合された1つ以上の他のデバイスのコントローラとしての機能を果たす(例えばマスタ/スレーブ関係において)。別の実施態様では、ネットワークで結ばれた環境は、当該ネットワークに結合されたデバイスのうちの1つ以上を制御する1つ以上の専用コントローラを含む。通常、ネットワークに結合された複数のデバイスは、それぞれ、1つ以上の通信媒体上にあるデータへのアクセスを有するが、所与のデバイスは、例えば、当該デバイスに割り当てられた1つ以上の特定の識別子(例えば「アドレス」)に基づいて、ネットワークとデータを選択的に交換する(すなわち、ネットワークからデータを受信する及び/又はネットワークにデータを送信する)点で、「アドレス可能」である。
【0028】
[0028] 「ネットワーク」との用語は、本明細書において使用される場合、(コントローラ又はプロセッサを含む)任意の2つ以上のデバイス間及び/又はネットワークに結合された複数のデバイス間での(例えばデバイス制御、データ記憶、データ交換等のための)情報の転送を容易にする2つ以上のデバイスの任意の相互接続を指す。容易に理解されるように、複数のデバイスを相互接続するのに適したネットワークの様々な実施態様は、様々なネットワークトポロジのうちの何れかを含み、様々な通信プロトコルのうちの何れかを使用することができる。さらに、本開示による様々なネットワークにおいて、2つのデバイス間の接続はいずれも、2つのシステム間の専用接続を表わすか、又は、これに代えて非専用接続を表わしてもよい。2つのデバイス用の情報を担持することに加えて、当該非専用接続(例えばオープンネットワーク接続)は、必ずしも2つのデバイス用ではない情報を担持することがある。さらに、容易に理解されるように、本明細書で説明されたデバイスの様々なネットワークは、ネットワーク全体に亘る情報の転送を容易にするために、1つ以上のワイヤレス、ワイヤ/ケーブル、及び/又は光ファイバリンクのリンクを使用できる。
【0029】
[0029] 「ユーザインターフェース」との用語は、本明細書において使用される場合、人間であるユーザ又はオペレータと、当該ユーザとデバイス間の通信を可能にする1つ以上のデバイスとの間のインターフェースを指す。本開示の様々な実施態様に使用されるユーザインターフェースの例は、次に限定されないが、スイッチ、電位差計、ボタン、ダイアル、スライダ、マウス、キーボード、キーパッド、様々なタイプのゲームコントローラ(例えばジョイスティック)、トラックボール、ディスプレイスクリーン、様々なタイプのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)、タッチスクリーン、マイクロホン、及び、人間が生成した何らかの形の刺激を受信し、それに応答して信号を生成する他のタイプのセンサを含む。
【0030】
[0030] なお、前述の概念及び以下でより詳しく説明する追加の概念のあらゆる組み合わせ(これらの概念が互いに矛盾しないものであることを条件とする)は、本明細書で開示される本発明の主題の一部をなすものと考えられることを理解すべきである。特に、本開示の終わりに登場するクレームされる主題のあらゆる組み合わせは、本明細書に開示される本発明の主題の一部であると考えられる。なお、参照により組み込まれる任意の開示内容にも登場する、本明細書にて明示的に使用される用語には、本明細書に開示される特定の概念と最も整合性のある意味が与えられるべきであることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
[0031] 図面中、同様の参照符号は、全般的に様々な図を通して同じ部分を指している。さらに、図面は必ずしも縮尺通りではなく、重点は全体的に本発明の原理の説明に置かれている。
【0032】
図1】[0032] 様々な実施形態による、本開示の選択された態様を備えて構成された照明制御装置が配備される照明システムの例示的な構成要素を概略的に示す図である。
図2】[0033] 様々な実施形態による、照明システムブリッジの中で用いられる構成要素の一例の図である。
図3】[0034] 本開示の選択された態様を備えて構成された照明制御装置により、又はそれと併せて行われる例示的方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
[0035] タッチに基づくものや音に基づくもの(例えば「クラッパー」)など、放射される光をスイッチの操作以外の技術で制御するための限られた能力をユーザに提供する電灯及び照明器具が存在する。しかし、すべての電灯又は照明器具がそのような制御の技術に適するとは限らない。また、ユーザは、照明器具や電灯に関係しない物体に触れることによって照明を制御したいと思うことがある。したがって、当技術分野には、様々な身近な物体及び/又は表面を使用した、タッチに基づく照明制御を容易にする必要がある。より一般的には、本出願人らは、ユーザが照明器具又は照明ユニットをカスタマイズする必要なしに、照明ユニット及び照明器具の光出力を制御できるようにする機構を提供することが有益であろうことを認識し、理解した。例えば、任意の物体の表面へのユーザのタッチの検出と、その検出されたユーザのタッチに基づいて1つ又は複数の照明ユニットによって放射される光の1つ又は複数の属性の制御とを容易にする装置及び技術が開示される。
【0034】
[0036] 図1を参照すると、一実施形態では、照明システム100は、照明システムブリッジ102を含み、また少なくとも部分的に照明システムブリッジ102によって制御される。照明システムブリッジ102は、WiFi(登録商標)又はZIGBEE(登録商標)(登録商標)などの様々な通信技術を使用して、1つ又は複数の照明ユニット104とネットワーク通信するコンピューティングデバイスである。照明ユニット104は、LEDを利用するもの、白熱、蛍光、ハロゲン等、様々な形態のものがある。様々な実施形態で、照明ユニット104は、独自のワイヤレス通信インターフェース(図示せず)、並びに、照明ユニット104が照明システムブリッジ102などの遠隔のコンピューティングデバイスとデータを交換し、様々な属性(例えば、色相、飽和度、動的効果、強度等)を持つ光を選択的に放射することを可能にする他の制御回路を含む。
【0035】
[0037] 物体に固定されるまでは携帯可能である照明制御装置106が提供される。いくつかの実施形態では、照明制御装置106は、1つ又は複数の物体に関連して容易に取り外し及び交換することが可能であり、したがって「取り外し可能」と表現することがあるが、これは必須ではない。照明制御装置106は、1つ又は複数の照明ユニット104によって放射される光の1つ又は複数の属性を制御するために、ユーザによって操作することができる。照明制御装置106は、物体に関連して、比較的小さく目立たないか、又は隠すことができるように提供される。そのため、照明制御装置106は、効果的な場所に置かれた住宅内の個人の物又は装飾物に取り付けることができる。例えば、照明制御装置106は、食卓の上にある花瓶の中に取り付けたり、部屋の入口近くに置かれた絵の額縁の背面に取り付けたりすることができ、それにより、受動的で非対話的な物体を対話型の照明制御物体へと変える。その結果、ユーザは、単に装飾物に触れるだけで、事前に定義された照明シーンを呼び出すことができる。
【0036】
[0038] 照明制御装置106は、1つ又は複数のバス107を介するなど、様々なやり方で動作可能に結合される様々な構成要素を含む。様々な実施形態で、照明制御装置106は、コントローラ108、メモリ110、ワイヤレス通信インターフェース112、運動検出器114、及び事例によっては一体型ユーザインターフェース116を含む。様々な実施形態で、メモリ110は、本明細書に記載される様々な動作を行うためにコントローラ108によって実行可能な命令を含む。様々な実施形態で、ワイヤレス通信インターフェース112は、ZIGBEE(登録商標)(登録商標)、WiFi(登録商標)、近距離無線通信(「NFC」)、Bluetooth(登録商標)等、無線周波数(「RF」)を利用する場合もそうでない場合もある様々なワイヤレス技術を使用して、遠隔のコンピューティングデバイスと通信するように構成される。
【0037】
[0039] 様々な実施形態で、運動検出器114は、加速度計118、ジャイロスコープ120、及び/又はマイクロフォン122を含む。これらの構成要素118、120、及び/又は122の1つ又は複数が、単独で、又は組み合わせて使用されて、照明制御装置106、及び/若しくは照明制御装置106が固定された物体(例えば第1の物体)、並びに/又は第1の物体が「機械的に結合」された別の物体(例えば第2の物体)によって及ぼされる運動を感知及び/又は測定する。本明細書で使用される場合、2つの物体は、運動の伝達を容易にする何らかの種類の直接的又は間接的な物理的接触がそれらの間にある場合に、「機械的に結合」されている。例えば、テーブルの上にある花瓶は、一方に与えられた運動が少なくとも一部は他方に伝達されるので、テーブルに機械的に結合されている。
【0038】
[0040] 加速度計118は、2軸若しくは3軸加速度計又は単純な傾きセンサなど、様々な形態のものがあり、様々な軸における動きを検出し、それに対応する信号をコントローラ108に提供するように構成される。いくつかの実施形態では、加速度計118は、マサチューセッツ州ノーウッドのAnalog DevicesによるADXL345 Motion Sensorであってよい。上記のセンサに加えて、又はそれに代えて、他のセンサが使用されてもよく、それらには、容量センサ、抵抗(ポテンショメータ)センサ、圧電に基づくセンサ、光学式センサ、光に基づく(例えば赤外線)センサ、反射(発光/検出器)に基づくセンサ、並びに/又は、指若しくは他の適切な指示機構の接触及び/若しくは近接(例えば空中での停止)を検出する任意の他の種類のセンサが含まれる。運動検出器114は、物体の表面領域に配置されたセンサの配列を含む。
【0039】
[0041] 照明制御装置106は、様々な手段125を使用して物体の表面に固定される。様々な実施形態で、運動伝達及び固定接続コンポーネント125は、照明制御装置を物体の表面に固定すると共に、物体の表面に与えられた運動を運動検出器114に伝達するように構成され、よって、結果として物体に力学的な力が加えられる行為又は運動が、運動検出器114によって検出される。したがって、本開示を通じて解説するように、物体への照明制御装置106の設置(及びその後のその始動)は実質的に、その物体を、1つ又は複数の照明ユニット104によって放射される光の1つ又は複数の属性を制御するために使用できる、タッチで始動される照明制御デバイスへと変える。
【0040】
[0042] 様々な実施形態で、固定接続コンポーネントは様々な形態であってよく、照明制御装置106を、様々なレベルの力学的接続の堅固さで様々な物体に固定するように構成される。固定接続及び運動伝達コンポーネント125は、これらに限定されないが、様々な接着剤(例えばテープをはがすことによって始動される)、面ファスナ(例えばVelcro)、両面フォーム(foam)テープ(例えば始動するために取り外し可能なテープを備える)、吸盤、1つ又は複数の磁石、1つ又は複数のねじ又は留め金具等を含む。照明制御装置106は様々なフォームファクタを有してよく、これらに限定されないが、例えば、比較的平坦なステッカー、窓用ステッカー(例えば太陽電池を含む)、長い帯片、照明ユニット若しくは照明器具に接続するためのコネクタを備えたタップセンサ、又はソケット延長器が含まれる。いくつかの実施形態では、運動伝達コンポーネントは、固定接続コンポーネントとは別個であり、他の実施形態では両方が1つのユニットを構成する。
【0041】
[0043] いくつかの実施形態では、運動検出器114は、照明制御装置106とは別個であり、検出された運動信号を照明制御装置106にワイヤレス伝送するように構成される。運動検出器114は、別個の運動伝達及び固定接続コンポーネント125を備え、それにより、運動検出器を目立たないように物体の表面に配置することができる。運動検出器114は、近くの照明制御装置106から直流電力を収集するように構成された無線周波数トランスポンダを備える。
【0042】
[0044] 照明制御装置106は、物体に固定される前又はその後に、様々なやり方で始動される。いくつかの実施形態では、バッテリを始動することで照明制御装置106を始動する。他の実施形態では、始動は固定接続125に結び付けられる。例えば、照明制御装置106が表面に固定されていることを検出するのに応答して、配置センサ127が配置信号を送信することができる。コントローラ108は、配置信号に応答して非アクティブ状態からアクティブ状態に遷移するように構成される。例えば、照明制御装置106の接着面からテープをはがすと、様々な構成要素の、又はそれらの間の静電容量及び/又はインピーダンスが露出及び/又は変化し、それが配置センサ127によって感知され、それが次いで照明制御装置106の始動を引き起こす。
【0043】
[0045] いくつかの実施形態では、照明制御装置106が始動されると、照明システム100の1つ又は複数の照明ユニット104の点灯を制御するように構成されたコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ、スマートウォッチ、スマート眼鏡等)に、照明制御装置106の図像表現が描画される。ユーザは、新たに始動された照明制御装置106に、又はその近くに何らかの種類の運動(例えばタップ)を与えるように、コンピューティングデバイスによって促される。これによって照明制御装置106が照明システム100に追加される。ユーザに運動を促して運動を受け取るこの手順は、同じく照明制御装置106からのワイヤレス信号を受信する可能性のある隣人の照明システム(図示せず)でも照明制御装置106を追加してしまうことなく、照明制御装置106を照明システム100に追加する安全な手段を提供する。
【0044】
[0046] 始動(及び、事例によっては、下記でより詳細に説明する「学習モード」又は「学習状態」で動作した)後に、コントローラ108は、例えば運動検出器114から、運動検出器114によって感知された運動を表す1つ又は複数の信号を受信するように構成される。この運動は、照明制御装置106が固定された物体の運動に対応する。この運動はまた、照明制御装置106が固定された物体の表面上での運動又は行為に対応してもよい。運動のいくつかの例には、これらに限定されないが、押圧、タップ、2回のタップ、スワイプ、絞り、ズームのジェスチャ、及び手形、又はそれらの組合せ若しくは連続が含まれる。運動検出器114によって提供される1つ又は複数の信号を分析して、感知された運動が1つ又は複数の運動基準を満たすかどうか、例えば、感知された運動が1つ又は複数の所定の運動などに対応し、それが次いで1つ又は複数の照明制御コマンドに対応しているかどうかなどを判定する。
【0045】
[0047] 感知された運動が1つ又は複数の所定の運動に対応するかどうかを判定するための分析は、照明システムブリッジ102、1つ又は複数の照明ユニット104、又は照明制御装置106自体など、照明システム100の様々な構成要素によって行われる。例えば、コントローラ108は、感知された運動を示すデータを、照明システムブリッジ102などの遠隔のコンピューティングデバイスに送信することにより、信号の分析を遠隔のコンピューティングデバイスに委ねる。遠隔のコンピューティングデバイスは、感知された運動が、1つ又は複数の所定の運動に対応し、それが次いで1つ又は複数の照明制御コマンドに対応しているかどうかを判定する。他の実施形態では、コントローラ108は、この分析を自身で行うか、又は代わりに照明ユニット104に委ねることができる。
【0046】
[0048] 様々な所定の運動を表す衝撃パターンが、照明システムブリッジ102のメモリ、1つ又は複数の照明ユニット104のメモリ、又は照明制御装置106のメモリ110など、様々なデバイスのメモリに記憶されてもよい。様々な実施形態で、運動検出器114から受信された信号を、例えば照明システムブリッジ102又はコントローラ108によってこれらの衝撃パターンと比較して、存在する場合には所定の運動のうちどれが感知されたかを判定する。感知された運動を表す運動検出器114からの信号に対応する衝撃パターンが見つかった場合は、1つ又は複数の照明ユニット104が通電されて、1つ又は複数の選択された属性を持つ光を放射する。運動検出器114からの信号は、衝撃パターンと一致するか、又は十分に近い(例えば、事前に定義された誤差範囲若しくはユーザ制御可能な誤差範囲内にある)場合に、その衝撃パターンに対応する。加えて、又は代替として、運動検出器114からの信号は、信号中で表される運動が、所定の運動の衝撃応答に(例えば継続時間が)似ている、関連付けられた衝撃応答(例えば、検出された加速度に関連付けられたスワイプが、ゼロまで減るのに要する時間の長さ)を有する場合に、衝撃パターンに対応してもよい。
【0047】
[0049] いくつかの実施形態では、感知された運動が所定の運動に対応するかどうかを判定することに加えて、又はそれに代えて、感知された運動の大きさが判定される。大きさは、力の大きさ又は表面領域の大きさである。感知された運動の大きさは、物体の表面上の1つ又は複数の運動に基づく、運動検出器114からの1つ又は複数の信号に基づく。次いで、判定された大きさに基づいて、放射される光の1つ又は複数の属性が、例えば照明システムブリッジ102及び/又はコントローラ108によって選択される。例えば、強いタップは、放射される光の高いレベルの強度に対応する、より大きい量の圧力(例えば高い大きさを持つ)に対応する。同様に、大きい表面積のタップ(例えば手形)は、放射される光の強度のレベルに対応する。弱いタップは、少ない量の圧力に対応し、放射される光の低いレベルの強度に対応する。同様に、小さい表面積のタップ(例えば指の押圧)は、放射される光の低いレベルの強度に対応する。
【0048】
[0050] いくつかの実施形態では、感知された運動の大きさで、いくつの照明ユニット(又は照明ユニットの光源)が通電されるかが決定される。照明制御装置106が、照明制御装置106が壁に固定されている場所から様々な距離に置かれた複数の照明ユニットの点灯を制御するように構成されていると仮定する。照明制御装置106は、少なくとも部分的に壁へのタップの大きさに基づいて、例えば、照明制御装置の場所からの放射パターンで、それらの照明ユニットの1つ又は複数を選択的に通電する。タップが弱い場合、照明制御装置106は、装置106に最も近い数個の選択された照明ユニットだけを通電する。タップが比較的強い場合、照明制御装置106は、装置106からさらに遠い照明ユニットを含む、より多くの照明ユニットを通電する。同様に、異なる表面積のタップは、異なる数の照明ユニットが通電されることに対応してもよい。
【0049】
[0051] さらなる実施形態で、感知された運動が所定の運動に対応するかどうかを判定することに加えて、又はそれに代えて、例えば物体の表面から検出された運動検出器114からの1つ又は複数の信号に基づいて、感知された運動の方向が判定されてよい。次いで、判定された方向に基づいて、放射される光の1つ又は複数の属性が、例えば照明システムブリッジ102及び/又はコントローラ108によって選択される。例えば、ある方向(例えば上方向)へのスワイプは、放射される光の第1のレベルの強度に対応する。別の方向(例えば下方向)へのスワイプは、放射される光の低いレベルの強度に対応する(例えば減光)。大きさと同じように、ある方向を持つ感知された運動は、複数の照明源の制御に対応する。
【0050】
[0052] さらに他の実施形態では、感知された運動が所定の運動に対応するかどうかを判定することに加えて、又はそれに代えて、例えば、物体の表面から検出された運動検出器114からの1つ又は複数の信号に基づいて、感知された運動のタイミング又はパターンが判定される。次いで、判定されたタイミングに基づいて、放射される光の1つ又は複数の属性が、例えば照明システムブリッジ102及び/又はコントローラ108によって選択される。例えば、タップ−中断−タップは、事前に定義された、放射される光の一設定に対応する(例えば光の一属性)。大きさ及び方向と同じように、タイミングを持つ感知された運動(例えば複数回のタップ)は、複数の照明源の制御に対応する。
【0051】
[0053] 上記のように、運動検出器114は、加速度計118の他に、タッチに基づく照明制御を支援する他の構成要素を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、加速度計118からの信号に加えて、又はそれに代えて、ジャイロスコープ120からの信号がコントローラ108によって使用されて、感知された運動が、所定の運動を表す衝撃パターンに対応するかどうかを判定する。加えて、又は代替として、加速度計118及び/又はジャイロスコープ120からの信号に加えて、又はそれに代えて、マイクロフォン122からの信号がコントローラ108によって使用されて、感知された運動が、メモリ110に記憶された、所定の運動を表す衝撃パターンに対応するかどうかを判定する。
【0052】
[0054] 例えば、偶発的な接触(例えばペットによる)の結果生じる種類の加えられる力など、少ない量の力が、照明制御装置106が固定された物体に加えられると仮定する。コントローラ108が、1つ又は複数の照明ユニット104によって放射される光の1つ又は複数の属性を変更する決定を、加速度計118からの信号だけに基づいて行うと、コントローラ108は、変更が意図されていない時に照明の変更を生じさせる可能性がある。しかし、マイクロフォン122を伴う実施形態では、コントローラ108は、照明ユニット104によって放射される光の1つ又は複数の属性の変化を引き起こすには、測定された力に、マイクロフォン122によって検出された十分に大きい音が伴っていることを必要とする。いくつかの実施形態では、マイクロフォン122によって検出される音は、コントローラ108が加速度計118からの信号を調べ、それに応じて1つ又は複数の照明ユニットを選択的に通電する前に必要とされる。
【0053】
[0055] ユーザインターフェース116は、複数のディップスイッチ、1つ又は複数のつまみ又はボタン等、様々な形態を取ることができる。ユーザインターフェース116は、照明制御装置106を始動させるように動作できると共に、照明制御装置106を「学習モード」に遷移させ、そこから遷移させるように動作することができる。下記で詳細に説明するこの学習モードでは、ユーザは、様々な種類の運動に反応するように照明制御装置106を「訓練」することができる。この運動は、照明制御装置106が固定された物体、又は照明制御装置106が固定された物体と「機械的に結合」された物体へのタップなど、様々なユーザ行為によって引き起こされる。
【0054】
[0056] 上記のように、照明制御装置106は学習状態に遷移することができ、この学習状態で、コントローラ108は、1つ又は複数の所定の運動を検出するように訓練され、また、1つ又は複数の照明属性をそれらの所定の運動に関連付けるように訓練される。学習状態にある間、コントローラ108は、ある時間間隔にわたって運動検出器114から受信される1つ又は複数の信号の1つ又は複数の特性を監視する。次いで、コントローラ108は、監視された1つ又は複数の特性に基づいて、様々な所定の運動を表す衝撃パターン及び/又は衝撃応答を生成及び/又は記録する。後に、コントローラ108は、感知された運動(及び/又は関連付けられた衝撃応答)を、これらの所定の運動(及び/又は関連付けられた衝撃応答)と比較して、1つ又は複数の照明ユニット104によって放射されるべき光の1つ又は複数の属性を選択する。
【0055】
[0057] 照明制御装置106が学習状態にある間、ユーザは、照明制御装置106が固定された物体に力を加えるように促され、それにより、コントローラ108が、その結果生じる感知された運動を将来の参照のために学習する。例えば、いくつかの実施形態では、コントローラ108は、1つ又は複数の照明ユニット104、又はユーザによって操作されるコンピューティングデバイス(例えば図示しないスマートフォンやタブレット)から、物体に力を加えるように選択的にユーザを促す。一実施形態では、ユーザは、コントローラ108が「学習」できるように、一連の特定の運動を物体に行うようにユーザインターフェース116によって促され、次いでコントローラは、その特定の信号を特定の運動に関連付ける(例えば、タップ、スワイプ、押圧等を行うようにユーザを促す)。他の実施形態では、ユーザインターフェース116が、任意の運動を入力するようにユーザを促し、次いで、照明制御装置106が、受信された信号を、ユーザが作成した運動(例えばユーザ定義の運動)に関連付ける。次いで、コントローラ108は、運動検出器114からの入力された運動及び関連付けられた受信された信号を、そのユーザ定義の運動に関連付け、その後ユーザ定義の運動を記憶する。
【0056】
[0058] いくつかの実施形態では、コントローラ108は、所定の運動が割り当てられる光の属性を、運動検出器114からの信号に基づいて選択する。例えば、ユーザが、輝度を調節するために使用される1つ又は複数の所定の運動を記録したい場合、ユーザは、輝度の調節に関連付けられた所定の運動と一致するようなやり方で、照明制御装置106が固定された物体をタップするか、若しくは他のやり方で力を加えるか、又はその物体を移動させる。これにより、コントローラ108が輝度の調節の学習モードに入る。加えて、又は代替として、ユーザは、スマートフォン若しくはタブレットコンピュータ(図示せず)などの遠隔のコンピューティングデバイスで命令を提供することにより、又はユーザインターフェース116を操作することにより、コントローラ108を輝度の学習モードに入らせることができる。次いで、ユーザは、将来輝度の制御に関連付けたい1つ又は複数のタップを提供する。光の他の属性の制御も同様にして構成される。
【0057】
[0059] いくつかの実施形態では、照明制御装置106は、学習状態にある間、それまで未知であった運動を感知することがあり、タイマを始動することができる。次いで、ユーザは、1つ又は複数の照明ユニット104を希望の設定に調節する(又は希望の照明シーンを集合的に放射するように調節する)ための所定の時間間隔を有することができる。タイマが満了すると、1つ又は複数の照明ユニット104の設定が、実質的に、それまで未知であったその運動の検出にその後割り当てられる(そしてそれによって引き起こされる)照明シーンになる。
【0058】
[0060] いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス(例えばスマートフォン、タブレットコンピュータ、着用可能コンピューティングデバイス等)で動作する照明制御アプリケーションが、ある場所が照明制御装置106を配置するのにどれほど適するかについてのフィードバックをユーザに与える。例えば、アプリケーションは、照明制御装置106又はその近くを数回タップするか、又はその他のやり方で運動を与えるようにユーザを促し、図像出力(例えば、評価を表す棒グラフや、「よい」/「平均」/「不良」等の言葉)を描画して、その運動が実際にどれほど強く検出されるかをユーザに実証し、それはその運動の信頼度に関係する(例えばユーザにフィードバックを返す)。
【0059】
[0061] いくつかの実施形態では、照明制御アプリケーションで、ユーザが、特定の照明属性又は照明シーンを特定の運動に割り当てることができる。例えば、ユーザが複数の所定の照明シーンの中から選択し、次いで照明制御アプリケーションが、選択された照明シーンの実施をユーザが将来引き起こさせたい運動を提供するようにユーザを促す。いくつかの実施形態では、照明制御アプリケーションは、ある照明シーンがすでに1つ又は複数の照明ユニット104によって実施されている間に、照明制御装置106で運動が検出された時に1つ又は複数の照明ユニット104がどのように反応すべきかをユーザが構成できるようにする。例えば、特定の照明シーンがすでに実施されている場合、照明制御装置106は、特定の閾値を満たさない感知された運動を単に無視するか、又は1つ若しくは複数の照明ユニットをデフォルト設定に切り替える(例えば、オフ、オン、読書灯を提供する等)。
【0060】
[0062] 再度図1を参照すると、電源が、充電式バッテリ124、例えばリチウムイオン(又は「Li−ion」)バッテリの形態で設けられる。バッテリ124は、ユニバーサルシリアルバス(「USB」)充電器126を介するなど、様々なやり方で充電することができる。いくつかの実施形態では、バッテリに加えて、又はそれに代えて、照明制御装置106は、主電源に直接接続できる電源を備えることもできる。いくつかの実施形態では、照明制御装置106は、照明ユニット104又は照明ユニット104が内部に設置された照明器具(図示せず)に接続されるインターフェースを備える。昇圧変換器128が設けられて、バッテリ124によって供給される電圧レベルが、コントローラ108及び/又はワイヤレスインターフェース112に必要とされるレベルに変換されることを保証する。
【0061】
[0063] 照明制御装置106がバッテリ電源である実施形態では、電力を節減するために様々な技術が用いられてよい。いくつかの実施形態では、コントローラ108は、コントローラ108が第1の恐らくは少ない量の電力を消費する非アクティブ状態から、コントローラ108が第1の量の電力よりも大きい第2の量の電力を消費するアクティブ状態に遷移するように構成される。いくつかの実施形態では、コントローラ108は、加速度計118などの別の構成要素が発生させる割込みに応答して非アクティブ状態からアクティブ状態に遷移する。いくつかの実施形態では、加速度計118は、特定の閾値を満たす運動を感知するのに応答して割込みを発生させる。小さい量の、例えば偶発的な運動は閾値を満たさない可能性があり、加速度計118がコントローラ108を「目覚めさせ」ない可能性がある。より大きい量の運動は閾値を満たし、加速度計に割込みを発生させて、コントローラ108を目覚めさせる可能性がある。
【0062】
[0064] 図2は、様々な実施形態による、照明システムブリッジ102内で用いられることが可能な構成要素の一例を示す。アドホックネットワーク接続コンポーネント250は、ZIGBEE(登録商標) Atmegaモジュールなどの様々な形態を取り、電源254(例えば幹線)によって電力を供給されるマイクロコントローラ252、RF受信器モジュール256、及びアンテナ258を含む。WiFi(登録商標)モジュール260を備えたマイクロコントローラは、別のマイクロコントローラ262、WiFi(登録商標)インターフェース264などのワイヤレスインターフェース、及びWiFi(登録商標)アンテナ266を含む。
【0063】
[0065] 図3は、様々な実施形態による、本開示の選択された態様を備えて構成された照明制御装置106と併せて行われることが可能な例示的方法300を示す。これらの動作は特定の順序で示しているが、これは制限を意味するものではない。様々な実施形態に従って、1つ又は複数の動作を並べ替える、追加する、又は省略することが可能である。
【0064】
[0066] ブロック302で、照明制御装置106が始動される。例えば、いくつかの実施形態では、照明制御装置106は、固定接続125からテープがはがされ、それにより、事例によっては1つ又は複数のプローブの静電容量が変更されると始動される。他の実施形態では、照明制御装置106は、ユーザインターフェース116などの他の機構を使用して始動される。始動の後、しかし配置の前に、いくつかの実施形態では、照明制御装置106は、それが物体に固定されたことを示唆する1つ若しくは複数の運動又は他の刺激(例えば、一連の運動の後に突然長時間にわたって運動がなくなる)を監視する。
【0065】
[0067] ブロック304で、照明制御装置106が物体の表面に固定される。様々な物体が、その表面に照明制御装置106が固定されると、実質的にタップ感知型の照明制御デバイスへと変えられる。例えば、ユーザは、照明制御装置106を、これらに限定されないが、額縁、椅子、テーブル、ドアの枠、ドア、花瓶、電灯、照明器具等を含む様々な物体に固定することができる。
【0066】
[0068] ブロック306で、照明制御装置106が遷移して学習状態に入る。いくつかの実施形態では、これは、ブロック304で照明制御装置106が物体に固定されたことを検出するのに応答して発生する。他の実施形態では、照明制御装置106は、例えばユーザインターフェース116におけるユーザコマンドに応答して学習状態に遷移することができる。
【0067】
[0069] ブロック308で、照明制御装置106は、例えば運動検出器114からの、所定の運動を表す衝撃パターンと、それらの衝撃パターンを関連付けるべき1つ又は複数の照明属性の1つ又は複数の指示とを取得する。ブロック310で、学習がまだ完了していない場合は、方法300はブロック308に戻り、より多くの衝撃パターンが取得される。ブロック310で学習が完了している場合は、方法300は遷移して学習モードを抜け、ブロック312に進む。
【0068】
[0070] ブロック312で、照明制御装置106のコントローラ108は、例えば運動検出器114から、照明制御装置106が固定された物体又はその物体が機械的に結合された別の物体に加えられた、1つ又は複数の測定された運動(例えば衝撃パターン)を表す1つ又は複数の信号を待つ。いくつかの実施形態では、何らかの種類の閾値を満たす信号、例えば、十分に強く、物体との偶発的な接触によるものではないと見込まれる信号だけがブロック312を満たし、他の信号は無視される。他の実施形態では、ある種の信号を、別の種類の信号(例えば、加速度計からの信号、及びジャイロスコープからの信号)と比較するか、又は別の種類の信号と共に処理して閾値を満たす。閾値を満たす1つ又は複数の信号が運動検出器114からコントローラ108によって受信されると、方法300はブロック314に進む。
【0069】
[0071] ブロック314で、例えばコントローラ108により、その1つ又は複数の信号が所定の運動に関連付けられた衝撃パターン(例えばブロック308で取得された)に対応するかどうかが判定される。答えが「はい」の場合は、方法300はブロック316に進み、そこで、例えば1つ又は複数の照明ユニット104によって放射されるべき光の1つ又は複数の属性が選択される。一実施形態では、照明制御装置106は、照明ユニット104によって放射される光の属性を決定し、制御する。別の実施形態では、照明制御装置106が照明システムブリッジ102に信号を通信し、それが、照明ユニット104によって放射される光の属性を決定し、制御する。しかし、ブロック314の答えが「いいえ」の場合は、方法300はブロック312に戻る。
【0070】
[0072] 幾つかの発明実施形態を本明細書に説明し例示したが、当業者であれば、本明細書にて説明した機能を実行するための、並びに/又は、本明細書にて説明した結果及び/若しくは1つ以上の利点を得るための様々な他の手段及び/若しくは構造体を容易に想到できよう。また、このような変更及び/又は改良の各々は、本明細書に説明される発明実施形態の範囲内であるとみなす。より一般的には、当業者であれば、本明細書にて説明されるすべてのパラメータ、寸法、材料、及び構成は例示のためであり、実際のパラメータ、寸法、材料、及び/又は構成は、発明教示内容が用いられる1つ以上の特定用途に依存することを容易に理解できよう。当業者であれば、本明細書にて説明した特定の発明実施形態の多くの等価物を、単に所定の実験を用いて認識又は確認できよう。したがって、上記実施形態は、ほんの一例として提示されたものであり、添付の請求項及びその等価物の範囲内であり、発明実施形態は、具体的に説明された又はクレームされた以外に実施可能であることを理解されるべきである。本開示の発明実施形態は、本明細書にて説明される個々の特徴、システム、品物、材料、キット、及び/又は方法に関する。さらに、2つ以上のこのような特徴、システム、品物、材料、キット、及び/又は方法の任意の組み合わせも、当該特徴、システム、品物、材料、キット、及び/又は方法が相互に矛盾していなければ、本開示の本発明の範囲内に含まれる。
【0071】
[0073] 本明細書にて定義されかつ用いられた定義はすべて、辞書の定義、参照することにより組み込まれた文献における定義、及び/又は、定義された用語の通常の意味に優先されて理解されるべきである。
【0072】
[0074] 本明細書及び特許請求の範囲にて使用される「a」及び「an」の不定冠詞は、特に明記されない限り、「少なくとも1つ」を意味するものと理解されるべきである。
【0073】
[0075] 本明細書及び特許請求の範囲にて使用される「及び/又は」との表現は、等位結合された要素の「いずれか又は両方」を意味すると理解すべきである。すなわち、要素は、ある場合は接続的に存在し、その他の場合は離接的に存在する。「及び/又は」を用いて列挙される複数の要素も同様に解釈されるべきであり、すなわち、要素のうちの「1つ以上」が等位結合される。「及び/又は」節によって具体的に特定された要素以外の他の要素も、それが具体的に特定された要素に関連していても関連していなくても、任意選択的に存在してよい。したがって、非限定的な例として、「A及び/又はB」との参照は、「含む」といった非制限的言語と共に用いられた場合、一実施形態では、Aのみ(任意選択的にB以外の要素を含む)を指し、別の実施形態では、Bのみ(任意選択的にA以外の要素を含む)を指し、さらに別の実施形態では、A及びBの両方(任意選択的にその他の要素を含む)を指す。
【0074】
[0076] 本明細書及び特許請求の範囲に用いられるように、「又は」は、上に定義したような「及び/又は」と同じ意味を有すると理解すべきである。例えば、リストにおけるアイテムを分ける場合、「又は」、又は、「及び/又は」は包括的と解釈される。すなわち、多数の要素又は要素のリストのうちの少なくとも1つを含むが、2つ以上の要素も含み、また、任意選択的に、リストにないアイテムを含むと解釈される。「〜のうちの1つのみ」又は「ちょうど1つの」といった反対を明らかに示す用語、又は、特許請求の範囲に用いられる場合は、「〜からなる」という用語だけが、多数の要素又は要素のリストのうちのまさに1つの要素が含まれることを指す。一般的に、本明細書にて使用される「又は」との用語は、「いずれか」、「〜のうちの1つの」、「〜のうちの1つのみ」、又は「〜のうちのちょうど1つのみ」といった排他的な用語が先行する場合にのみ、排他的な代替(すなわち「一方又は他方であるが、両方ではない」)を示すと解釈される。「本質的に〜からなる」は、特許請求の範囲に用いられる場合、特許法の分野にて用いられる通常の意味を有する。
【0075】
[0077] 本明細書及び特許請求の範囲に用いられるように、1つ以上の要素を含むリストを参照した際の「少なくとも1つ」との表現は、要素のリストにおける任意の1つ以上の要素から選択された少なくとも1つの要素を意味すると理解すべきであるが、要素のリストに具体的に列挙された各要素の少なくとも1つを必ずしも含むわけではなく、要素のリストにおける要素の任意の組み合わせを排除するものではない。この定義は、「少なくとも1つの」との表現が指す要素のリストの中で具体的に特定された要素以外の要素が、それが具体的に特定された要素に関係していても関連していなくても、任意選択的に存在してもよいことを可能にする。したがって、非限定的な例として、「A及びBの少なくとも1つ」(又は、同等に「A又はBの少なくとも1つ」、又は、同等に「A及び/又はBの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、少なくとも1つのA(任意選択的に2つ以上のAを含む)であって、Bがない(任意選択的にB以外の要素を含む)ことを指し、別の実施形態では、少なくとも1つのB(任意選択的に2つ以上のBを含む)であって、Aがない(任意選択的にA以外の要素を含む)ことを指し、さらに別の実施形態では、少なくとも1つのA(任意選択的に2つ以上のAを含む)と、少なくとも1つのB(任意選択的に2つ以上のBを含む)を指す(任意選択的に他の要素を含む)。
【0076】
[0078] さらに、特に明記されない限り、本明細書に記載された2つ以上のステップ又は動作を含むどの方法においても、当該方法のステップ又は動作の順番は、記載された方法のステップ又は動作の順序に必ずしも限定されないことを理解すべきである。
【0077】
[0079] 特許請求の範囲においても上記明細書においても、「備える」、「含む」、「担持する」、「有する」、「含有する」、「関与する」、「保持する」、「〜から構成される」等といったあらゆる移行句は、非制限的、すなわち、含むがそれに限定されないことを意味すると理解すべきである。米国特許庁特許審査手続便覧の第2111.03項に記載される通り、「〜からなる」及び「本質的に〜からなる」といった移行句のみが、制限又は半制限移行句である。
図1
図2
図3