特許第6979360号(P6979360)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6979360
(24)【登録日】2021年11月17日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】核燃料貯蔵ラック
(51)【国際特許分類】
   G21C 19/07 20060101AFI20211202BHJP
【FI】
   G21C19/07 500
【請求項の数】14
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2018-5111(P2018-5111)
(22)【出願日】2018年1月16日
(65)【公開番号】特開2019-124579(P2019-124579A)
(43)【公開日】2019年7月25日
【審査請求日】2020年12月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100210572
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 太一
(72)【発明者】
【氏名】猫本 善続
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 晃久
(72)【発明者】
【氏名】谷口 勝彦
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 友
【審査官】 関口 英樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−157072(JP,A)
【文献】 特開2014−071049(JP,A)
【文献】 特開平08−233984(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0174801(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21C19/00−19/10
19/12−19/313
19/32−19/50
23/00
G21F9/00−9/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
核燃料貯蔵ピット内に貯えられた液体に浸漬される核燃料貯蔵ラックであって、
ベースプレート、平面視した状態で格子状をなし、水平面方向に配置された複数の開口部を含み、前記ベースプレートの上方に間隔を空けて配置された複数の支持格子、及び前記ベースプレートの上面から上方に延び、前記複数の支持格子を支持するフレームを有するラック本体と、
上下方向に配置された複数の前記開口部に挿入され、前記上下方向に延びる筒状をなし、内側に核燃料集合体が収容される燃料収容空間を有するラックセルと、
を備え、
前記ラックセルは、平面視した状態で複数に分割され、互いに相対移動可能な複数のラックセル片からなるラックセル本体を有しており、
前記ラックセルと前記複数の支持格子との間には、それぞれ隙間が形成されている核燃料貯蔵ラック。
【請求項2】
前記複数のラックセル片は、板状部材であり、
互いに隣り合う前記ラックセル片のうち、一方のラックセル片には、挿入溝が形成され、他方のラックセル片は、前記一方のラックセル片に対する相対移動を許容しつつ、前記挿入溝に挿入可能な突出部を有する請求項1記載の核燃料貯蔵ラック。
【請求項3】
前記複数のラックセル片は、同一形状とされた板状部材であり、
前記複数のラックセル片の両端部のうち、一方の端部には突出部が設けられ、他方の端部には挿入溝が形成されており、
前記突出部は、互いに隣り合うラックセル片に対する相対移動を許容しつつ、他のラックセル片に形成された前記挿入溝に挿入されている請求項1記載の核燃料貯蔵ラック。
【請求項4】
前記複数のラックセル片は、板状部材であり、
前記複数のラックセル片は、前記核燃料集合体と対向する内面、該内面の反対側に配置された外面、及び両端部に配置され、前記外面と前記内面とを結ぶ傾斜面をそれぞれ有しており、
前記傾斜面は、前記外面から前記内面に向かうにつれて前記ラックセル片の厚さを薄くするように傾斜しており、
互いに隣り合う前記ラックセル片の前記傾斜面同士が接触する請求項1または2記載の核燃料貯蔵ラック。
【請求項5】
前記ラックセル本体と前記複数の支持格子との間には、隙間が形成されており、
前記ラックセルは、前記ラックセル本体の外周面のうち、前記支持格子と対向する部分に設けられた隙間調節部を有する請求項1から4のうち、いずれか一項記載の核燃料貯蔵ラック。
【請求項6】
前記隙間調節部は、前記ベースプレートの上面から上方に離れるにつれて、厚さが厚くなる形状とされており、
前記隙間調節部は、前記支持格子と対向する傾斜面を有する請求項5記載の核燃料貯蔵ラック。
【請求項7】
前記ラックセルは、互いに隣り合う前記ラックセル片の相対移動を許容した状態で、前記ラックセル本体の外周面を囲むワイヤと、
前記ラックセル本体の外周面に設けられ、前記ワイヤを支持するワイヤ支持部と、
を有する請求項1から6のうち、いずれか一項記載の核燃料貯蔵ラック。
【請求項8】
前記ワイヤ及び前記ワイヤ支持部からなる構造体は、前記上下方向に間隔を空けて複数配置されている請求項7記載の核燃料貯蔵ラック。
【請求項9】
前記ラックセルは、前記ラックセル本体の外周面に一端が接続されたばね部と、
前記ばね部の他端と接続され、互いに隣り合う位置に配置された他のラックセルの外周面と接触する接触部と、
を有する請求項1から8のうち、いずれか一項記載の核燃料貯蔵ラック。
【請求項10】
前記複数のラックセル片は、板状部材であり、下端側に切欠き部が形成されている請求項1から9のうち、いずれか一項記載の核燃料貯蔵ラック。
【請求項11】
前記ラックセル本体の下端を支持する支持脚部を有しており、
前記支持脚部は、前記ラックセル本体の下端を支持する支持板と、
該支持板の上面から上方に突出し、前記ラックセル本体の内側に配置される第1の位置規制部と、
を有する請求項1から10のうち、いずれか一項記載の核燃料貯蔵ラック。
【請求項12】
前記支持脚部は、前記支持板の外周部から上方に立ち上がり、かつ前記ラックセル本体の下端側を囲む立ち上がり部を有しており、
前記立ち上がり部には、貫通部が形成されている請求項11記載の核燃料貯蔵ラック。
【請求項13】
前記ラックセルは、前記ラックセル本体の外周面に設けられ、前記支持格子の上面または該支持格子の下面と接触する第2の位置規制部を有する請求項1から12のうち、いずれか一項記載の核燃料貯蔵ラック。
【請求項14】
前記複数のラックセルは、板状部材であり、
前記複数のラックセル片の材料は、ボロン含有ステンレス鋼である請求項1から13のうち、いずれか一項記載の核燃料貯蔵ラック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、核燃料貯蔵ラックに関する。
【背景技術】
【0002】
原子炉から取り出された使用済み核燃料は、核燃料集合体内に収容された状態で、再利用施設に搬出するまでの間、原子力発電所内の核燃料貯蔵ピットにおいて貯蔵及び冷却される。このとき、複数の核燃料集合体を収容するラックとして、核燃料貯蔵ラックが用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
核燃料貯蔵ラックは、ラック本体と、複数のラックセルと、を有する。
ラック本体は、ベースプレートと、水平方向に配置された複数の開口部を有し、ベースプレートの上方に間隔を空けて配置された複数の支持格子と、を有する。
【0004】
ラックセルは、鉛直方向に配置された複数の開口部を通過するように配置されている。ラックセルの内部には、鉛直方向に延びる柱状とされた燃料収容空間が形成されている。燃料収容空間には、核燃料集合体が収容されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3206421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ラックセル自体に高い剛性を持たせた場合において、大きな地震が発生すると、剛性の高いラックセルと核燃料集合体との間に、大きな衝突荷重が発生する恐れがあった。
【0007】
そこで、本発明は、ラックセルと核燃料集合体との間に、大きな衝突荷重が発生することを抑制可能な核燃料貯蔵ラックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る核燃料貯蔵ラックは、核燃料貯蔵ピット内に貯えられた液体に浸漬される核燃料貯蔵ラックであって、ベースプレート、平面視した状態で格子状をなし、水平面方向に配置された複数の開口部を含み、前記ベースプレートの上方に間隔を空けて配置された複数の支持格子、及び前記ベースプレートの上面から上方に延び、前記複数の支持格子を支持するフレームを有するラック本体と、上下方向に配置された複数の前記開口部に挿入され、前記上下方向に延びる筒状をなし、内側に核燃料集合体が収容される燃料収容空間を有するラックセルと、を備え、前記ラックセルは、平面視した状態で複数に分割され、互いに相対移動可能な複数のラックセル片からなるラックセル本体を有しており、前記ラックセルと前記複数の支持格子との間には、それぞれ隙間が形成されている。
【0009】
本発明によれば、平面視した状態で複数に分割され、互いに相対移動可能な複数のラックセル片からなるラックセル本体を有することで、ラックセル本体の剛性を低くすることが可能となる。
これにより、地震等が発生して、ラックセルと核燃料集合体とが衝突した際、ラックセル本体を構成する複数のラックセル片を互いに分離させることが可能となる。したがって、ラックセルと核燃料集合体との間に、大きな衝突荷重が発生することを抑制できる。
【0010】
また、上記本発明の一態様に係る核燃料貯蔵ラックにおいて、前記複数のラックセル片は、板状部材であり、互いに隣り合う前記ラックセル片のうち、一方のラックセル片には、挿入溝が形成され、他方のラックセル片は、前記一方のラックセル片に対する相対移動を許容しつつ、前記挿入溝に挿入可能な突出部を有してもよい。
【0011】
このように、互いに隣り合うラックセル片のうち、一方のラックセル片に挿入溝を形成し、他方のラックセル片が一方のラックセル片に対する相対移動を許容しつつ、挿入溝に挿入可能な突出部を有することで、ラックセルと核燃料集合体とが衝突する前の段階(地震等が発生する前の段階)において、複数のラックセル片が分離されてしまうことを抑制できる。
また、複数のラックセル片を板状部材とすることで、複数のラックセル片を加工しやすくなるため、複数のラックセル片の生産性を向上させることができるとともに、複数のラックセル片の製造コストを低減させることができる。
【0012】
また、上記本発明の一態様に係る核燃料貯蔵ラックにおいて、前記複数のラックセル片は、同一形状とされた板状部材であり、前記複数のラックセル片の両端部のうち、一方の端部には突出部が設けられ、他方の端部には挿入溝が形成されており、前記突出部は、互いに隣り合うラックセル片に対する相対移動を許容しつつ、他のラックセル片に形成された前記挿入溝に挿入されていてもよい。
【0013】
このように、複数のラックセル片に突出部及び挿入溝をそれぞれ設けるとともに、複数のラックセル片を同一形状とされた板状部材とすることで、加工しやすい形状とされた1種類のラックセル片のみを製造すればよい。このため、複数のラックセル片の生産性を向上させることができるとともに、複数のラックセル片の製造コストを低減することができる。
【0014】
また、上記本発明の一態様に係る核燃料貯蔵ラックにおいて、前記複数のラックセル片は、板状部材であり、前記複数のラックセル片は、前記核燃料集合体と対向する内面、該内面の反対側に配置された外面、及び両端部に配置され、前記外面と前記内面とを結ぶ傾斜面をそれぞれ有しており、前記傾斜面は、前記外面から前記内面に向かうにつれて前記ラックセル片の厚さを薄くするように傾斜しており、互いに隣り合う前記ラックセル片の前記傾斜面同士が接触してもよい。
【0015】
このように、複数のラックセル片として板状部材を用いるとともに、ラックセル片の両端部に配置され、ラックセル片が外面から内面に向かうにつれてラックセル片の厚さを薄くするように傾斜する傾斜面を有し、さらに互いに隣り合うラックセル片の傾斜面同士を接触させる構成とすることで、複数のラックセル片の形状を同一かつ簡便な形状にすることが可能となる。
これにより、複数のラックセル片の生産性を向上させることができるとともに、製造コストを低減することができる。
【0016】
また、上記本発明の一態様に係る核燃料貯蔵ラックにおいて、前記ラックセル本体と前記複数の支持格子との間には、隙間が形成されており、前記ラックセルは、前記ラックセル本体の外周面のうち、前記支持格子と対向する部分に設けられた隙間調節部を有してもよい。
【0017】
このように、ラックセル本体の外面のうち、支持格子と対向する部分に隙間調節部を設けることで、ラックセルと複数の支持格子との間に形成された隙間を小さくすることが可能となる。これにより、地震等が発生して、ラックセルと核燃料集合体とが衝突した際、分離された複数のラックセル片が勢いよく(強い衝撃で)複数の支持格子に衝突することを抑制できる。
したがって、複数のラックセル片の衝突に起因するラックセル片の損傷を抑制することができる。
【0018】
また、上記本発明の一態様に係る核燃料貯蔵ラックにおいて、前記隙間調節部は、前記ベースプレートの上面から上方に離れるにつれて、厚さが厚くなる形状とされており、
前記隙間調節部は、前記支持格子と対向する傾斜面を有してもよい。
【0019】
このような構成とすることで、上下方向に配置された複数の開口部に対して容易にラックセルを挿入することができる。
【0020】
また、上記本発明の一態様に係る核燃料貯蔵ラックにおいて、前記ラックセルは、互いに隣り合う前記ラックセル片の相対移動を許容した状態で、前記ラックセル本体の外周面を囲むワイヤと、前記ラックセル本体の外周面に設けられ、前記ワイヤを支持するワイヤ支持部と、を有してもよい。
【0021】
このように、互いに隣り合うラックセル片の相対移動を許容した状態で、ラックセル本体の外周面を囲むワイヤと、ラックセル本体の外周面に設けられ、ワイヤを支持するワイヤ支持部と、を有することで、ラックセルと核燃料集合体との衝突により分離された複数のラックセル片の状態を、ワイヤの剛性により、ラックセルと核燃料集合体とが衝突する前の状態に戻すことができる。
【0022】
また、上記本発明の一態様に係る核燃料貯蔵ラックにおいて、前記ワイヤ及び前記ワイヤ支持部からなる構造体は、前記上下方向に間隔を空けて複数配置されていてもよい。
【0023】
このように、ワイヤ及びワイヤ支持部からなる構造体を、上下方向に間隔を空けて複数配置させることで、ラックセルと核燃料集合体との衝突により分離された複数のラックセル片の状態を、上下方向に配置された複数のワイヤの剛性により、ラックセルと核燃料集合体とが衝突する前の状態に戻す効果を高めることができる。
【0024】
また、上記本発明の一態様に係る核燃料貯蔵ラックにおいて、前記ラックセルは、前記ラックセル本体の外周面に一端が接続されたばね部と、前記ばね部の他端と接続され、互いに隣り合う位置に配置された他のラックセルの外周面と接触する接触部と、を有してもよい。
【0025】
このように、ラックセル本体の外周面に一端が接続されたばね部と、ばね部の他端と接続され、互いに隣り合う位置に配置された他のラックセルの外周面と接触する接触部と、を有することで、地震等の発生により、ラックセルと核燃料集合体とが衝突して複数のラックセル片が分離された際、ばね部の弾性力により、複数のラックセル片の状態をラックセルと核燃料集合体とが衝突する前の状態に戻すことができる。
【0026】
また、上記本発明の一態様に係る核燃料貯蔵ラックにおいて、前記複数のラックセル片は、板状部材であり、下端側に切欠き部が形成されていてもよい。
【0027】
このように、複数のラックセル片の下端側に切欠き部を形成することで、核燃料貯蔵ピット内に貯えられ、核燃料貯蔵ピットの底部に存在する温度の低い液体を、切欠き部を介して、ラックセル本体内に導入させることが可能になる。
そして、ラックセル本体の下端部から上端部に向かう方向に液体を導くことが可能となるので、ラックセル内に収容された核燃料集合体を効率良く冷却することができる。
【0028】
また、上記本発明の一態様に係る核燃料貯蔵ラックにおいて、前記ラックセル本体の下端を支持する支持脚部を有しており、前記支持脚部は、前記ラックセル本体の下端を支持する支持板と、該支持板の上面から上方に突出し、前記ラックセル本体の内側に配置される第1の位置規制部と、を有してもよい。
【0029】
このように、ラックセル本体の下端を支持する支持板、及び支持板の上面から上方に突出し、ラックセル本体の内側に配置される第1の位置規制部を含む支持脚部を有することで、第1の位置規制部により、複数のラックセル片の位置を規制することが可能となる。
これにより、ラックセル本体と核燃料集合体とが衝突した際、分離された複数のラックセル片が第1の位置規制部よりも内側に移動することを抑制できる。
【0030】
また、上記本発明の一態様に係る核燃料貯蔵ラックにおいて、前記支持脚部は、前記支持板の外周部から上方に立ち上がり、かつ前記ラックセル本体の下端側を囲む立ち上がり部を有しており、前記立ち上がり部には、貫通部が形成されていてもよい。
【0031】
このように、支持脚部が立ち上がり部を有することで、ラックセル本体と核燃料集合体とが衝突した際、分離された複数のラックセル片が立ち上がり部よりも外側に移動することを抑制できる。
また、支持脚部を構成する立ち上がり部に貫通部を形成することで、貫通部を介して、切欠き部に容易に液体を導くことができる。
【0032】
また、上記本発明の一態様に係る核燃料貯蔵ラックにおいて、前記ラックセルは、前記ラックセル本体の外周面に設けられ、前記支持格子の上面または該支持格子の下面と対向する第2の位置規制部を有してもよい。
【0033】
このように、ラックセル本体の外周面に設けられ、支持格子の上面または下面と対向する第2の位置規制部を有することで、ラックセル本体の上下方向への位置を規制することができる。
【0034】
また、上記本発明の一態様に係る核燃料貯蔵ラックにおいて、前記複数のラックセルは、板状部材であり、前記複数のラックセル片の材料は、ボロン含有ステンレス鋼であってもよい。
【0035】
このように、複数のラックセル片を板状部材にするとともに、複数のラックセル片の材料としてボロン含有ステンレス鋼を用いることで、複数のラックセルの加工を容易に行うことができるとともに、生産性を向上させることができる。
また、複数のラックセル片の材料としてボロン含有ステンレス鋼を用いることで、放射能の遮蔽効果を高めることができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、ラックセルと核燃料集合体との間に、大きな衝突荷重が発生することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明の第1の実施形態に係る核燃料貯蔵ラックが核燃料貯蔵ピット内に配置された状態を模式的に示す図である。
図2図1に示す核燃料貯蔵ラックを上面側から平面視した図である。
図3図1に示す核燃料貯蔵ラックのA−A線方向の断面図である。
図4図1に示す核燃料貯蔵ラックのB−B線方向の断面図である。
図5図2に示す核燃料貯蔵ラックのうち、領域Cで囲まれた部分を拡大した平面図である。
図6図5に示す核燃料貯蔵ラックのE−E線方向の断面図である。
図7図5に示す第1のラックセル片の側面図である。
図8図5に示す第2のラックセル片の側面図である。
図9】本発明の第2の実施形態に係る核燃料貯蔵ラックを上面側から平面視した図である。
図10図9に示す核燃料貯蔵ラックのF−F線方向の断面図である。
図11図10に示すラックセルを構成するラックセル片の側面図である。
図12】本発明の第3の実施形態に係る核燃料貯蔵ラックを上面側から平面視した図である。
図13図12に示す核燃料貯蔵ラックのうち、領域Gで囲まれた部分を拡大した平面図である。
図14図13に示す構造体のH−H線方向の断面図である。
図15】本発明の第4の実施形態に係る核燃料貯蔵ラックを上面側から平面視した図である。
図16図15に示す核燃料貯蔵ラックのうち、領域Iで囲まれた部分を拡大した平面図である。
図17図16に示す核燃料貯蔵ラックのJ−J線方向の断面図である。
図18図17に示すラックセル本体を構成するラックセル片の側面図である。
図19】本発明の第4の実施形態の変形例に係る核燃料貯蔵ラックの主要部を模式的に示す図である。
図20図19に示す核燃料貯蔵ラックを上面側から平面視した図である。
図21】本発明の第5の実施形態に係る核燃料貯蔵ラックの主要部を模式的に示す図である。
図22図21に示すラックセルを上面側から平面視した図である。
図23図21に示すラックセル本体を構成するラックセル片の側面図である。
図24図23に示すラックセル片を上面側から平面視した図である。
図25】本発明の第6の実施形態に係る核燃料貯蔵ラックの主要部を模式的に示す図である。
図26図25に示すラックセルを上面側から平面視した図である。
図27図26に示すラックセル片、ばね部、及び接触部からなる構造体の側面図である。
図28図27に示す構造体を上面側から平面視した図である。
図29】本発明の第7の実施形態に係る核燃料貯蔵ラックの主要部を模式的に示す図である。
図30図29に示す支持脚部を上面側から平面視した図である。
図31図30に示す支持脚部の側面図である。
図32図29に示すラックセル片の側面図である。
図33図32に示すラックセル片を上面側から平面視した図である。
図34】本発明の第8の実施形態に係る核燃料貯蔵ラックの主要部を模式的に示す図である。
図35】本発明の第8の実施形態の変形例に係る核燃料貯蔵ラックの主要部を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、図面を参照して本発明を適用した実施の形態について詳細に説明する。
【0039】
(第1の実施形態)
図1図4を参照して、第1の実施形態の核燃料貯蔵ラック10について説明する。なお、図1では、一例として、核燃料貯蔵ラック10がフリースタンディングラックの場合を例に挙げて以下の説明を行う。
また、図1では、核燃料貯蔵ピット5を断面で図示し、核燃料貯蔵ラック10を側面視した状態で図示する。図1において、X方向は核燃料貯蔵ラック10の長さ方向を示しており、Z方向はX方向に対して直交する上下方向(鉛直方向)を示している。
【0040】
図2において、Y方向は図1に示すZ方向、及びX方向に対して直交する核燃料貯蔵ラック10の幅方向、Cは領域(以下、「領域C」という)をそれぞれ示している。図2において、図1に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
図3では、図1及び図2に示すラックセル13、及び図2に示す核燃料集合体8の図示を省略する。図3において、図1及び図2に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
図4では、図1及び図2に示すラックセル13、及び図2に示す核燃料集合体8の図示を省略する。図4において、図1及び図2に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
【0041】
なお、X方向及びY方向を含む面方向を水平面方向という。また、第1の実施形態では、ラックセル13がラックセル本体(2つの第1のラックセル片31、及び第2のラックセル片32から構成された構造体)のみで構成されている場合を例に挙げて以下の説明をする。
【0042】
核燃料貯蔵ラック10は、核燃料貯蔵ピット5内に蓄えられた液体6(例えば、冷却水)に浸漬されている。
核燃料貯蔵ピット5は、複数の壁部5Aと、床面5Baを含む床部5Bと、を有する。
核燃料貯蔵ピット5の深さは、核燃料貯蔵ラック10の高さの値よりも大きくなるように構成されている。そして、核燃料貯蔵ピット5に貯えられた液体6の液面6aは、核燃料貯蔵ラック10よりも上方に配置されている。
【0043】
核燃料貯蔵ラック10は、ラック本体12と、複数のラックセル13と、を有する。
核燃料貯蔵ラック10は、ベースプレート16と、複数の脚部18と、複数のフレーム21と、複数の支持格子を構成する上部支持格子25、中部支持格子26、及び下部支持格子27と、を有する。
【0044】
ベースプレート16は、矩形とされた金属製の板材である。ベースプレート16は、4つの角部を有する。
複数の脚部18は、ベースプレート16の下面16bに設けられている。複数の脚部18の下端は、床面5Ba上に載置されている。複数の脚部18は、ベースプレート16を支持している。
【0045】
複数のフレーム21(第1の実施形態の場合は、一例として4つのフレーム)は、L字形状とされている。フレーム21は、ベースプレート16の4つの角部にそれぞれ設けられている。フレーム21の下端は、ベースプレート16の角部に固定されている。
複数のフレーム21は、ベースプレート16の上面16aから上方に延びている。複数のフレーム21の内面21aは、上部支持格子25の角部、中部支持格子26の角部、及び下部支持格子27の角部と接触する面である。
【0046】
上部支持格子25は、平面視した状態で格子状をなし、外形が矩形とされている。上部支持格子25は、ベースプレート16の上面16aの上方に配置されている。上部支持格子25は、複数のフレーム21の上端に固定されている。上部支持格子25は、水平面方向に配置された複数の開口部25Aを有する。
上部支持格子25の4つの角部は、複数のフレーム21に固定されている。これにより、上部支持格子25は、複数のフレーム21により支持されている。
【0047】
中部支持格子26は、平面視した状態で格子状をなし、外形が矩形とされている。中部支持格子26は、ベースプレート16の上面16aの上方で、かつ上部支持格子25の下方に配置されている。中部支持格子26は、複数のフレーム21の中部に固定されている。中部支持格子26は、水平面方向に配置され、かつ開口部25Aと対向する複数の開口部26Aを有する。
中部支持格子26の4つの角部は、複数のフレーム21に固定されている。これにより、中部支持格子26は、複数のフレーム21により支持されている。
【0048】
下部支持格子27は、平面視した状態で格子状をなし、外形が矩形とされている。下部支持格子27は、ベースプレート16の上面16aに対して間隔を空けた状態で、ベースプレート16の上面16aの上方で、かつ中部支持格子26の下方に配置されている。下部支持格子27は、水平面方向に配置され、かつ開口部25A,26Aと対向する複数の開口部27Aを有する。
下部支持格子27の4つの角部は、複数のフレーム21の下部に固定されている。これにより、下部支持格子27は、複数のフレーム21により支持されている。
【0049】
ベースプレート16、上部支持格子25、中部支持格子26、及び下部支持格子27は、Z方向に間隔を空けた状態で配置されている。
【0050】
次に、図1図8を参照して、ラックセル13について説明する。図5において、図2に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。図5において、図1図4に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
図6において、図1図5に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。図7において、図5及び図6に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。図8において、図5及び図6に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
【0051】
ラックセル13は、Z方向に延びる筒状をなした部材である。ラックセル13は、内側に核燃料集合体8(使用済み核燃料集合体)が収容される燃料収容空間13Aを有する。燃料収容空間13Aは、四角柱形状とされた空間である。
【0052】
ラックセル13は、上部支持格子25との間に隙間25B、中部支持格子26との間に隙間26B、下部支持格子27との間に隙間27Bを介在させた状態で、Z方向に配置された開口部25A〜27Aに挿入されている。
ラックセル13の下端は、ベースプレート16の上面16aと接触している。
【0053】
ラックセル13は、平面視した状態で複数(第1の実施形態の場合、一例として4つ)のラックセル片に分割さている。
具体的には、ラックセル13は、2つの第1のラックセル片31と、2つの第2のラックセル片32と、から構成されている。
2つの第1のラックセル片31は、板状部材であり、Y方向において対向配置されている。2つの第2のラックセル片32は、板状部材であり、X方向において対向配置されている。
【0054】
第1のラックセル片31(他方のラックセル片)は、板状部35と、複数の突出部36と、を有する。板状部35は、Z方向が長手方向となる矩形の部材である。複数の突出部36は、X方向における板状部35の両端から板状部35から離間する方向に突出して設けられている。
【0055】
突出部36は、X方向における板状部35の両端に、それぞれ2つ設けられている。4つの突出部36のうち、2つの突出部36は、上部支持格子25と中部支持格子26との間に配置されており、残りの2つの突出部36は、中部支持格子26と下部支持格子27との間に配置されている。
【0056】
第2のラックセル片32(一方のラックセル片)は、板状部38と、複数の挿入溝39と、を有する。板状部38は、Z方向が長手方向となる矩形の部材である。Y方向の板状部38の幅は、X方向の板状部35の幅よりも大きくなるように構成されている。
複数の挿入溝39は、Y方向における板状部38の両端部を切り欠くことで形成されている。
【0057】
挿入溝39は、Y方向における板状部38の両端に、それぞれ2つ設けられている。4つの挿入溝39のうち、2つの挿入溝39は、上部支持格子25と中部支持格子26との間に配置されており、残りの2つの挿入溝39は、中部支持格子26と下部支持格子27との間に配置されている。複数の挿入溝39は、突出部36を挿入可能な位置に形成されている。
上述した突出部36は、第2のラックセル片32に対する第1のラックセル片31の相対移動を許容しつつ、挿入溝39に挿入されている。
【0058】
このように、互いに隣り合う第1及び第2のラックセル片31,32のうち、第2のラックセル片32に挿入溝39を形成し、第1のラックセル片31が第2のラックセル片32に対する相対移動を許容しつつ、挿入溝39に挿入可能な突出部36を有することで、ラックセル13と核燃料集合体8とが衝突する前の段階(地震等が発生する前の段階)において、第1及び第2のラックセル片31,32が分離されてしまうことを抑制できる。
【0059】
また、第1及び第2のラックセル片31,32を板状部材とすることで、第1及び第2のラックセル片31,32を加工しやすくなるため、第1及び第2のラックセル片31,32の生産性を向上させることができるとともに、第1及び第2のラックセル片31,32の製造コストを低減させることができる。
【0060】
第1の実施形態において、「互いに相対移動可能」とは、挿入溝39に突出部36が係合されている状態(第1のラックセル片31と第2のラックセル片32とが固定されている状態)ではなく、挿入溝39に突出部36が挿入された状態で、Z方向において突出部36と挿入溝39との間に隙間が形成されている状態のことをいう。
つまり、ラックセル13が衝撃を受けた際、第1のラックセル片31と第2のラックセル片32とが容易に分離可能な状態のことをいう。
【0061】
Z方向における突出部36の厚さM1は、Z方向における挿入溝39の幅W1よりも小さくなるように構成されている。
【0062】
上記構成とされたラックセル13は、地震等が発生すると、内側に収容した核燃料集合体8と衝突する。そして、ラックセル13は、互いに相対移動可能な第1及び第2のラックセル片31,32で構成されている。
このため、ラックセル13に核燃料集合体8が衝突した際、挿入溝39から突出部36が外れて、複数の第1及び第2のラックセル片31,32が分離される。これにより、ラックセル13に核燃料集合体8が衝突した際に、複数の第1及び第2のラックセル片31,32が受ける衝突荷重を緩和することが可能となる。
【0063】
上記構成とされた第1及び第2のラックセル片31,32の材料としては、例えば、ボロン含有ステンレス鋼を用いることが好ましい。
このように、第1及び第2のラックセル片31,32の材料として、ボロン含有ステンレス鋼を用いることで、核燃料集合体8から放出される放射能の遮蔽効果を高めることができる。
【0064】
また、ラックセル13を板状部材である第1及び第2のラックセル片31,32を用いて構成することで、複雑な形状を加工することの困難なボロン含有ステンレス鋼を用いて、第1及び第2のラックセル片31,32の加工を容易に行うことができる。これにより、ボロン含有ステンレス鋼を用いた第1及び第2のラックセル片31,32の生産性を向上させることができる。
【0065】
第1の実施形態の核燃料貯蔵ラック10によれば、平面視した状態で複数に分割され、互いに相対移動可能な複数の第1及び第2のラックセル片31,32からなるラックセル13を有することで、ラックセル13の剛性を低くすることが可能となる。
【0066】
これにより、地震等が発生して、ラックセル13と核燃料集合体8とが衝突した際、ラックセル13を構成する複数の第1及び第2のラックセル片31,32を互いに分離させることが可能となる。これにより、ラックセル13と核燃料集合体8との間に、大きな衝突荷重が発生することを抑制できる。
【0067】
なお、第1の実施形態では、一例として、ラックセル13を周方向に4つに分割させた場合を例に挙げて説明したが、例えば、4つのラックセル片(2つの第1のラックセル片31、及び2つの第2のラックセル片32)をZ方向に2つに分割して、8つのラックセル片によりラックセル13を構成してもよい。この場合も第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0068】
また、第1の実施形態では、一例として、ラックセル13を周方向に4つに分割させた場合を例に挙げて説明したが、例えば、ラックセル13を周方向に2つに分割して、L字形状とされた2つのラックセル片によりラックセル13を構成してもよい。
【0069】
また、第1の実施形態では、一例として、第1のラックセル片31が4つの突出部36を有し、かつ第2のラックセル片32が4つの挿入溝39を有する場合を例に挙げて説明したが、突出部36及び挿入溝39の数は、適宜設定することが可能であり、図7及び図8に示す数に限定されない。
さらに、突出部36及び挿入溝39の形成位置についても適宜設定することが可能であり、図6図8に示す位置に限定されない。
【0070】
(第2の実施形態)
図9図11を参照して、第2の実施形態の核燃料貯蔵ラック40について説明する。
図9において、図2に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。図10において、図6及び図9に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。図11において、図7図8、及び図10に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
【0071】
核燃料貯蔵ラック40は、第1の実施形態の核燃料貯蔵ラック10を構成する複数のラックセル13に替えて、複数のラックセル41を有すること以外は、核燃料貯蔵ラック10と同様に構成されている。
【0072】
ラックセル41は、Z方向に配置された開口部25A〜27Aに挿入されている。上部支持格子25、中部支持格子26、及び下部支持格子27とラックセル41との間には、隙間25B〜27Bが形成されている。
【0073】
ラックセル41は、平面視した状態で複数に分割され、互いに相対移動可能な複数のラックセル片43(第2の実施形態の場合、一例として4つ)で構成されている。4つのラックセル片43は、同一の形状とされた板状部材である。
4つのラックセル片43のうち、2つのラックセル片43は、X方向において対向配置されており、残り2つのラックセル片43は、Y方向において対向配置されている。
【0074】
ラックセル片43は、板状部44と、複数(第2の実施形態の場合、一例として2つ)の突出部36と、複数(第2の実施形態の場合、一例として2つ)の挿入溝39と、を有する。
板状部44は、矩形とされ、Z方向に延びる板状部材である。板状部44の両端部(Z方向に対して直交する両端部)には、それぞれ他のラックセル片43が接触している。
【0075】
板状部44の両端部のうち、一方の端部には複数(第2の実施形態の場合、一例として2つ)の突出部36が設けられており、他方の端部には複数(第2の実施形態の場合、一例として2つ)の挿入溝39が形成されている。
突出部36は、互いに隣り合うラックセル片43の相対移動を許容可能な状態で、互いに隣り合うラックセル片43に形成された挿入溝39に挿入されている。
【0076】
複数のラックセル片43の材料としては、例えば、ボロン含有ステンレス鋼を用いるとよい。ボロン含有ステンレス鋼は、複雑な形状の物を加工することが困難な材料であるが、複数のラックセル片43を板状部材とすることで、複数のラックセル片43の形状を容易な形状にすることが可能となる。これにより、ボロン含有ステンレス鋼を用いた場合でも複数のラックセル片43を容易に製造することができる。
また、複数のラックセル片43の材料として、ボロン含有ステンレス鋼を用いることで、核燃料集合体8から放射される放射能を遮蔽する効果を高めることができる。
【0077】
第2の実施形態の核燃料貯蔵ラック40によれば、複数のラックセル片43に突出部36及び挿入溝39をそれぞれ設けるとともに、複数のラックセル片43を同一形状とされた板状部材とすることで、加工しやすい形状とされた1種類のラックセル片43のみを製造すればよいため、複数のラックセル片43の生産性を向上させることができるとともに、複数のラックセル片43の製造コストを低減することができる。
【0078】
なお、第2の実施形態では、一例として、ラックセル41を周方向に4つに分割させた場合を例に挙げて説明したが、例えば、4つのラックセル片43をZ方向に2つに分割して、8つのラックセル片によりラックセル41を構成してもよい。この場合も第2の実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0079】
また、第2の実施形態では、一例として、ラックセル41を周方向に4つに分割させた場合を例に挙げて説明したが、例えば、周方向に2つに分割して、L字形状とされた2つのラックセル片によりラックセルを構成してもよい。
【0080】
また、第2の実施形態では、一例として、ラックセル片43が2つの突出部36及び2つの挿入溝39を有する場合を例に挙げて説明したが、突出部36及び挿入溝39の数は、適宜設定することが可能であり、図11に示す数に限定されない。
さらに、突出部36及び挿入溝39の形成位置についても適宜設定することが可能であり、図10及び図11に示す位置に限定されない。
【0081】
(第3の実施形態)
図12図14を参照して、第3の実施形態の核燃料貯蔵ラック50について説明する。
図12において、図2に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。図12において、Gは領域(以下、「領域G」という)を示している。
図13において、図5及び図12に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。図14において、図6、及び図13に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
【0082】
核燃料貯蔵ラック50は、第1の実施形態の核燃料貯蔵ラック10を構成する複数のラックセル13に替えて、複数のラックセル51を有すること以外は、核燃料貯蔵ラック10と同様に構成されている。
【0083】
ラックセル51は、Z方向に配置された開口部25A〜27Aに挿入されている。上部支持格子25、中部支持格子26、及び下部支持格子27とラックセル51との間には、隙間25B〜27Bが形成されている。
【0084】
ラックセル51は、平面視した状態で複数に分割され、互いに相対移動可能な複数のラックセル片53(第3の実施形態の場合、一例として4つ)で構成されている。4つのラックセル片53は、同一の形状とされた板状部材である。
【0085】
ラックセル片53は、内面53aと、外面53bと、一対の傾斜面53cと、を有する。内面53aは、核燃料集合体8と対向している。外面53bは、内面53aの反対側に配置されている。
【0086】
傾斜面53cは、ラックセル片53の横方向(X方向又はY方向)の両端部にそれぞれ形成されている。一対の傾斜面53cは、外面53bと内面53aとを結んでいる。一対の傾斜面53cは、外面53bから内面53aに向かうにつれてラックセル片53の厚さを薄くするように傾斜している。
傾斜面53cは、互いに隣り合うラックセル片53に形成された一方のラックセル片53の傾斜面53cと接触している。
【0087】
複数のラックセル片53の材料としては、例えば、ボロン含有ステンレス鋼を用いてもよい。ボロン含有ステンレス鋼は、複雑な形状の物を加工することが困難な材料であるが、複数のラックセル片53を加工しやすい板状部材とすることで、複数のラックセル片53を容易に製造することができる。
また、複数のラックセル片53の材料として、ボロン含有ステンレス鋼を用いることで、核燃料集合体8から放射される放射能を遮蔽する効果を高めることができる。
【0088】
第3の実施形態の核燃料貯蔵ラック50によれば、複数のラックセル片53として板状部材を用いるとともに、ラックセル片53の両端部に配置され、ラックセル片53が外面53bから内面53aに向かうにつれてラックセル片53の厚さを薄くするように傾斜する傾斜面53cを有し、さらに互いに隣り合うラックセル片53の傾斜面53c同士を接触させる構成とすることで、複数のラックセル片53の形状を同一かつ簡便な形状にすることが可能となる。
これにより、複数のラックセル片53の生産性を向上させることができるとともに、製造コストを低減することができる。
【0089】
なお、第3の実施形態では、一例として、ラックセル51を周方向に4つに分割させた場合を例に挙げて説明したが、例えば、周方向に2つに分割して、L字形状とされた2つのラックセル片によりラックセル51を構成してもよい。
【0090】
(第4の実施形態)
図15図17を参照して、第4の実施形態の核燃料貯蔵ラック60について説明する。
図15において、Iは領域(以下、「領域I」という)を示している。図15において、図9に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。図16において、図15に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。図17において、図10、及び図16に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
【0091】
核燃料貯蔵ラック60は、第2の実施形態の核燃料貯蔵ラック40を構成する複数のラックセル13に替えて、複数のラックセル61を有すること以外は、核燃料貯蔵ラック40と同様に構成されている。
【0092】
ラックセル61は、Z方向に配置された開口部25A〜27Aに挿入されている。上部支持格子25、中部支持格子26、及び下部支持格子27とラックセル61との間には、隙間25B〜27Bが形成されている。
【0093】
ラックセル61は、ラックセル本体63と、複数の隙間調節部64と、を有する。
ラックセル本体63は、第2の実施形態で説明したラックセル41と同様な構成とされている。つまり、ラックセル本体63は、4つのラックセル片43により構成されている。
【0094】
隙間調節部64は、ラックセル本体63の外周面63aのうち、上部支持格子25、中部支持格子26、及び下部支持格子27と対向する部分に設けられている。
隙間調節部64は、中央部が肉厚とされ、中央部から下方及び上方に向かうにつれて厚さが薄くなるような構成とされている。
隙間調節部64は、隙間25B〜27Bを狭くするための部材である。隙間調節部64は、上部支持格子25、中部支持格子26、及び下部支持格子27から離間している。
【0095】
第4の実施形態の核燃料貯蔵ラック60によれば、ラックセル本体63の外周面63aのうち、上部支持格子25、中部支持格子26、及び下部支持格子27と対向する部分に隙間調節部64を設けることで、上部支持格子25、中部支持格子26、及び下部支持格子27とラックセル61との間に形成された隙間25B〜27Bを小さくすることが可能となる。
これにより、地震等が発生して、ラックセル61と核燃料集合体8とが衝突した際、分離された複数のラックセル片が勢いよく(強い衝撃で)複数の支持格子に衝突することを抑制できる。したがって、複数のラックセル片の衝突に起因するラックセル61の損傷を抑制することができる。
【0096】
なお、第4の実施形態では、4つのラックセル片43で構成されたラックセル本体63に隙間調節部64を設けた場合を例に挙げて説明したが、例えば、図5に示すラックセル13、及び図13に示すラックセル51に隙間調節部64を設けてもよい。
【0097】
次に、図19、及び図20を参照して、第4の実施形態の変形例に係る核燃料貯蔵ラック70について説明する。
図19では、核燃料貯蔵ラック70の主要部のみ図示する。図19において、図14に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。図20において、図13及び図19に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
【0098】
核燃料貯蔵ラック70は、第3の実施形態の核燃料貯蔵ラック50を構成するラックセル51に替えて、ラックセル71を有すること以外は、核燃料貯蔵ラック50と同様な構成とされている。
ラックセル71は、Z方向に配置された開口部25A〜27Aに挿入されている。上部支持格子25、中部支持格子26、及び下部支持格子27とラックセル71との間には、隙間25B〜27Bが形成されている。
【0099】
ラックセル71は、ラックセル本体73と、複数の隙間調節部74と、を有する。
ラックセル本体73は、第3の実施形態で説明した4つのラックセル片53で構成されている。
【0100】
隙間調節部74は、4つのラックセル片53のうち、1つのラックセル片53のみに設けられている。隙間調節部74は、ラックセル片53の外面53bのうち、上部支持格子25、中部支持格子26、及び下部支持格子27と対向する部分に設けられている。
隙間調節部74は、ベースプレート16の上面16aから上方に離れるにつれて、厚さが厚くなる形状とされている。隙間調節部74は、上部支持格子25、中部支持格子26、及び下部支持格子27のうち、いずれか1つの支持格子と対向する傾斜面74aを有してもよい。
【0101】
第4の実施形態の変形例の核燃料貯蔵ラック70によれば、ベースプレート16の上面16aから上方に離れるにつれて、厚さが厚くなる形状とされ、上部支持格子25、中部支持格子26、及び下部支持格子27のうちのいずれか1つと対向する傾斜面74aを含む隙間調節部74を有することで、Z方向に配置された開口部25A〜27Aに対して容易にラックセル71を挿入することができる。
【0102】
なお、第4の実施形態の変形例では、4つのラックセル片53のうち、1つのラックセル片53のみに隙間調節部74を設けた場合を例に挙げて説明したが、2つ以上のラックセル片53に隙間調節部74を設けてもよい。
また、図6に示すラックセル13や図10に示すラックセル51に、隙間調節部74を設けてもよい。
【0103】
(第5の実施形態)
図21図24を参照して、第5の実施形態の核燃料貯蔵ラック80について説明する。
図21において、図10及び図11に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。図22において、図21に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
【0104】
核燃料貯蔵ラック80は、第2の実施形態の核燃料貯蔵ラック40を構成するラックセル41に替えて、ラックセル81を有すること以外は、核燃料貯蔵ラック40と同様に構成されている。
【0105】
ラックセル81は、Z方向に配置された開口部25A〜27Aに挿入されている。上部支持格子25、中部支持格子26、及び下部支持格子27とラックセル81との間には、隙間25B〜27Bが形成されている。
【0106】
ラックセル81は、4つのラックセル片43から構成されたラックセル本体63(図9参照)と、複数のワイヤ支持部85と、複数のワイヤ87と、を有する。
【0107】
ワイヤ支持部85は、4つのラックセル片43の外面43a(ラックセル本体63の外周面63a)にそれぞれ2つ設けられている。ワイヤ支持部85は、ラックセル片43の外面43aから離間するとともに、外面43aに対して直交する方向に延出している。
2つのワイヤ支持部85のうち、一方のワイヤ支持部85は、上部支持格子25と中部支持格子26との間に配置されており、他方のワイヤ支持部85は、中部支持格子26と下部支持格子27との間に配置されている。
【0108】
ワイヤ87は、ラックセル本体63の外形と同様な形状とされたリング状のワイヤである。ワイヤ87は、各ワイヤ支持部85上に配置されている。ワイヤ87は、ラックセル本体63との間に隙間を介在させた状態で、ラックセル本体63を囲んでいる。
つまり、ワイヤ87は、互いに隣り合うラックセル片43の相対移動を許容した状態で、ラックセル本体63の外周面63aを囲んでいる。
ワイヤ87としては、例えば、金属製ワイヤを用いることができる。
【0109】
第5の実施形態の核燃料貯蔵ラック80によれば、互いに隣り合うラックセル片43の相対移動を許容した状態で、ラックセル本体63の外周面63aを囲むワイヤ87と、ラックセル本体63の外周面63aに設けられ、ワイヤ87を支持するワイヤ支持部85と、を有することで、ラックセル81と核燃料集合体8との衝突により分離された複数のラックセル片43の状態を、ワイヤ87の剛性により、ラックセル81と核燃料集合体8とが衝突する前の状態に戻すことができる。
【0110】
なお、第5の実施形態では、一例として、ワイヤ87及びワイヤ支持部85からなる構造体をZ方向に間隔を空けて2つ配置した場合を例に挙げて説明したが、Z方向に対して、該構造体を3つ以上配置してもよい。
【0111】
このように、ワイヤ支持部85及びワイヤ87からなる構造体を、Z方向に間隔を空けて複数配置させることで、ラックセル81と核燃料集合体8との衝突により分離された複数のラックセル片43の状態を、Z方向に配置された複数のワイヤ87の剛性により、ラックセル81と核燃料集合体8とが衝突する前の状態に戻す効果を高めることができる。
【0112】
また、第5の実施形態では、ラックセル本体63にワイヤ支持部85及びワイヤ87を設けた場合を例に挙げて説明したが、例えば、図5に示すラックセル13、図13に示すラックセル51に、ワイヤ支持部85及びワイヤ87を設けてもよい。
【0113】
(第6の実施形態)
図25図28を参照して、第6の実施形態の核燃料貯蔵ラック90について説明する。
図25において、図10に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。図26図28において、図25に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
【0114】
核燃料貯蔵ラック90は、第2の実施形態の核燃料貯蔵ラック40を構成するラックセル41に替えて、ラックセル91を有すること以外は、核燃料貯蔵ラック40と同様に構成されている。
【0115】
ラックセル91は、Z方向に配置された開口部25A〜27Aに挿入されている。上部支持格子25、中部支持格子26、及び下部支持格子27とラックセル91との間には、隙間25B〜27Bが形成されている。
【0116】
ラックセル91は、ラックセル本体63(図9参照)と、複数のばね部94と、複数の接触部95と、を有する。
【0117】
ばね部94は、Z方向に対して各ラックセル片43に複数設けられている。
複数のばね部94のうち、一部のばね部94は、上部支持格子25と中部支持格子26との間に設けられており、残りのばね部94は、中部支持格子26と下部支持格子27との間に設けられている。複数のばね部94の一端は、ラックセル片43の外面43a(ラックセル本体63の外周面63a)と接続されている。
【0118】
複数の接触部95のうち、一部の接触部95は、上部支持格子25と中部支持格子26との間に設けられたばね部94の他端と接続されており、残りの接触部95は、中部支持格子26と下部支持格子27との間に設けられたばね部94の他端と接続されている。
このように、ばね部94の他端と接触部95とを接続することで、接触部95は、ばね部94によりばね部94と同じ高さに支持されている。
【0119】
接触部95は、接続されたばね部94の伸縮方向に変位可能な構成とされている。接触部95は、互いに隣り合う他のラックセル91に設けられた接触部95と接触している。
【0120】
第6の実施形態の核燃料貯蔵ラック90によれば、ラックセル本体63の外周面63aに一端が接続されたばね部94と、ばね部94の他端と接続され、互いに隣り合う位置に配置された他のラックセル91を構成する接触部95(他のラックセル91の外周面の一例)と接触する接触部95と、を有することで、地震等の発生により、ラックセル91と核燃料集合体8とが衝突して複数のラックセル片43が分離された際、ばね部94の弾性力により、複数のラックセル片43の状態をラックセル91と核燃料集合体8とが衝突する前の状態に戻すことができる。
【0121】
なお、第6の実施形態では、一例として、複数のラックセルをラックセル91のみで構成した場合を例に挙げて説明したが、例えば、ラックセル91とラックセル13(図5参照)、ラックセル41(図9及び図10参照)、及びラックセル51(図12及び図13参照)のうち少なくとも1種のラックセルとを組み合わせて複数のラックセルを構成してもよい。
【0122】
この場合、ラックセル91と隣り合うX方向及びY方向に、ラックセル13、ラックセル41、及びラックセル51のうちのいずれかのラックセルを配置させ、ラックセル91の接触部95とラックセル13,41,51の外周面とを接触させるとよい。
【0123】
また、ラックセル61(図16参照)、及びラックセル71(図19及び図20参照)に、上述したばね部94及び接触部95からなる構造体を設けてもよい。この場合、第6の実施形態の核燃料貯蔵ラック90と同様な効果を得ることができる。
【0124】
(第7の実施形態)
図29図33を参照して、第7の実施形態の核燃料貯蔵ラック100について説明する。
図29において、図10に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。図30では、説明の便宜上、複数のラックセル片113を二点鎖線で図示する。
図30及び図31において、図29に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。図32において、図11及び図29に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。図33において、図32に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
【0125】
核燃料貯蔵ラック100は、第2の実施形態の核燃料貯蔵ラック40を構成するラックセル41に替えて、ラックセル101を有すること以外は、核燃料貯蔵ラック40と同様に構成されている。
【0126】
ラックセル101は、Z方向に配置された開口部25A〜27Aに挿入されている。上部支持格子25、中部支持格子26、及び下部支持格子27とラックセル101との間には、隙間25B〜27Bが形成されている。
【0127】
ラックセル101は、ラックセル本体102と、支持脚部103と、を有する。
ラックセル本体102は、図11に示すラックセル片43の下端側に切欠き部113Aが形成された4つのラックセル片113から構成されている。
核燃料貯蔵ラック100が核燃料貯蔵ピット内に貯えられた液体に浸漬させられた状態において、切欠き部113Aは、液体をラックセル本体102の下端部内に導く。
ラックセル本体102の下端部に導入された液体は、核燃料集合体8とラックセル本体102との隙間をラックセル本体102の下端部から上端部に向って移動する。
【0128】
このように、複数のラックセル片113の下端側に切欠き部113Aを形成することで、核燃料貯蔵ピット内に貯えられ、核燃料貯蔵ピットの底部に存在する温度の低い液体を、切欠き部113Aを介して、ラックセル本体102内に導入させることが可能になる。
そして、ラックセル本体102の下端部から上端部に向かう方向に液体を導くことが可能となるので、ラックセル101内に収容された核燃料集合体8を効率良く冷却することができる。
【0129】
支持脚部103は、下部支持格子27とベースプレート16との間に配置されている。支持板105と、第1の位置規制部107と、立ち上がり部109と、複数の貫通部109Aと、を有する。
【0130】
支持板105は、矩形とされた板材であり、ラックセル本体102の下端が載置される上面105aを有する。支持板105のX方向及びY方向の幅は、ラックセル本体102のX方向及びY方向における幅よりも大きくなるように構成されている。
支持板105の下面105bは、ベースプレート16の上面16aと接触している。
支持板105は、ラックセル本体102の下端を支持するための部材である。
【0131】
第1の位置規制部107は、支持板105の上面の中央部から上方に突出している。第1の位置規制部107は、核燃料集合体8の下端が載置される上面107aを有する。
【0132】
第1の位置規制部107のX方向及びY方向の幅は、第1の位置規制部107との間に隙間を形成可能な大きさとされている。
このように、第1の位置規制部107のX方向及びY方向の幅を、第1の位置規制部107との間に隙間を形成可能な大きさにすることで、地震等が発生した際、複数のラックセル片113を第1の位置規制部107に近づく方向に変位させることができる。
【0133】
また、ラックセル本体102の内側に第1の位置規制部107を設けることで、地震等が発生した際、複数のラックセル片113が第1の位置規制部107側に大きく変位した際、複数のラックセル片113の内面と第1の位置規制部107の外面とを接触させることが可能となるので、複数のラックセル片113の内側への変位量を規制することができる。
【0134】
立ち上がり部109は、支持板105の外周部から上方に立ち上がり、かつラックセル本体102の下端側を囲むように設けられている。立ち上がり部109とラックセル本体102との間には、隙間が形成されている。
支持板105の上面105aを基準としたときの立ち上がり部109の高さは、第1の位置規制部107の高さよりも低くなるように構成されている。
【0135】
このように、支持脚部103が立ち上がり部109を有することで、ラックセル本体102と核燃料集合体8とが衝突した際、分離された複数のラックセル片113が立ち上がり部109よりも外側に移動することを抑制できる。
【0136】
貫通部109Aは、立ち上がり部109をX方向またはY方向に貫通するように複数形成されている。複数の貫通部109Aは、立ち上がり部109の周方向に配置されている。
このような構成とされた貫通部109Aを立ち上がり部109に形成することで、貫通部109Aを介して、切欠き部113Aに容易に液体を導くことができる。
【0137】
第7の実施形態の核燃料貯蔵ラック100によれば、ラックセル本体102の内側に配置される第1の位置規制部107を含む支持脚部103を有することで、ラックセル本体102と核燃料集合体8とが衝突した際、分離された複数のラックセル片113が第1の位置規制部107よりも内側に移動することを抑制できる。
【0138】
また、支持脚部103が立ち上がり部109を有することで、ラックセル本体102と核燃料集合体8とが衝突した際、分離された複数のラックセル片113が立ち上がり部109よりも外側に移動することを抑制できる。
また、立ち上がり部109に複数の貫通部109Aを形成することで、貫通部109Aを介して、ラックセル片113の切欠き部113Aに容易に液体を導くことができる。
【0139】
なお、図5に示すラックセル13の下端側に切欠き部を形成したラックセルと支持脚部103とを組み合わせて用いてもよい。
また、図13に示すラックセル51の下端側に切欠き部を形成したラックセルと支持脚部103とを組み合わせて用いてもよい。
また、図16に示すラックセル61の下端側に切欠き部を形成したラックセルと支持脚部103とを組み合わせて用いてもよい。
【0140】
また、図19に示すラックセル71の下端側に切欠き部を形成したラックセルと支持脚部103とを組み合わせて用いてもよい。
また、図21に示すラックセル81の下端側に切欠き部を形成したラックセルと支持脚部103とを組み合わせて用いてもよい。
さらに、図25に示すラックセル91の下端側に切欠き部を形成したラックセルと支持脚部103とを組み合わせて用いてもよい。
【0141】
(第8の実施形態)
図34を参照して、第8の実施形態の核燃料貯蔵ラック120について説明する。図34において、図19に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
【0142】
核燃料貯蔵ラック120は、第4の実施形態の変形例に係る核燃料貯蔵ラック70を構成するラックセル71に替えて、ラックセル121を有すること以外は、核燃料貯蔵ラック70と同様に構成されている。
【0143】
ラックセル121は、ラックセル71を構成する隙間調節部74に替えて、第2の位置規制部125〜127を有すること以外は、ラックセル71と同様に構成されている。
つまり、ラックセル121は、ラックセル本体73(図19参照)と、第2の位置規制部125と、を有する。
【0144】
第2の位置規制部125〜127は、ラックセル本体73を構成する4つのラックセル片53のうち、1つのラックセル片53に設けられている。
第2の位置規制部125は、上部支持格子25の下方で、かつ上部支持格子25の近傍に位置するラックセル片53の外面53bに設けられている。第2の位置規制部125の一部は、Z方向において上部支持格子25の下面と対向している。
【0145】
第2の位置規制部126は、中部支持格子26の下方で、かつ中部支持格子26の近傍に位置するラックセル片53の外面53bに設けられている。第2の位置規制部126の一部は、Z方向において中部支持格子26の下面と対向している。
【0146】
第2の位置規制部127は、下部支持格子27の下方で、かつ下部支持格子27の近傍に位置するラックセル片53の外面53bに設けられている。第2の位置規制部127の一部は、Z方向において下部支持格子27の下面と対向している。
【0147】
第8の実施形態の核燃料貯蔵ラック120によれば、上述した第2の位置規制部125〜127をラックセル片53の外面53bに設けることで、ラックセル121を上方に移動させる際、上部支持格子25、中部支持格子26、及び下部支持格子27と第2の位置規制部125〜127とが当接させられる。これにより、地震等が発生した際に、ラックセル121がラック本体から上方に飛び出すことを抑制することができる。
【0148】
なお、第8の実施形態では、各支持格子に対してそれぞれ1つの第2の位置規制部(第2の位置規制部125〜127のうちのいずれか1つ)を設けた場合を例に挙げて説明したが、ラックセル片53に設ける第2の位置規制部の数は、1つ以上であればよく、3つに限定されない。
【0149】
また、第8の実施形態では、1つのラックセル片53に第2の位置規制部125〜127を設けた場合を例に挙げて説明したが、ラックセル本体73を構成する複数のラックセル片53に第2の位置規制部を設けてもよい。
【0150】
次に、図35を参照して、第8の実施形態の変形例に係る核燃料貯蔵ラック130について説明する。図35において、図29に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
【0151】
核燃料貯蔵ラック130は、第7の実施形態の核燃料貯蔵ラック100の構成に、さらに第2の位置規制部131〜133を有すること以外は核燃料貯蔵ラック100と同様に構成されている。
【0152】
第2の位置規制部131は、上部支持格子25の上方で、かつ上部支持格子25の近傍に位置するラックセル片113の外面113aに設けられている。第2の位置規制部131の一部は、Z方向において上部支持格子25の上面と対向している。
【0153】
第2の位置規制部132は、中部支持格子26の上方で、かつ中部支持格子26の近傍に位置するラックセル片113の外面113aに設けられている。第2の位置規制部132の一部は、Z方向において中部支持格子26の上面と対向している。
【0154】
第2の位置規制部133は、下部支持格子27の上方で、かつ下部支持格子27の近傍に位置するラックセル片113の外面113aに設けられている。第2の位置規制部133の一部は、Z方向において下部支持格子27の上面と対向している。
【0155】
第8の実施形態の変形例に係る核燃料貯蔵ラック130によれば、上述した第2の位置規制部131〜133をラックセル片113の外面113aに設けることで、ラックセル本体102が下方に移動することを抑制できる。
【0156】
なお、第8の実施形態の変形例では、各支持格子に対してそれぞれ1つの第2の位置規制部(第2の位置規制部131〜133のうちのいずれか1つ)を設けた場合を例に挙げて説明したが、ラックセル片113に設ける第2の位置規制部の数は、1つ以上であればよく、3つに限定されない。
【0157】
また、第8の実施形態の変形例では、1つのラックセル片113に第2の位置規制部131〜133を設けた場合を例に挙げて説明したが、ラックセル本体102を構成する複数のラックセル片113に第2の位置規制部を設けてもよい。
【0158】
さらに、第8の実施形態の変形例に係る核燃料貯蔵ラック130に、第8の実施形態で説明した第2の位置規制部125〜127を設けてもよい。
【0159】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0160】
例えば、上述したラックセル13,41,51,61,71,81,91,101,121の構成を組み合わせて、ラックセルを構成してもよい。
また、上述したラックセル13,41,51,61,71,81,91,101,121は、フリースタンディング以外の核燃料貯蔵ピットにも適用可能である。
【符号の説明】
【0161】
5…核燃料貯蔵ピット
5A…壁部
5B…床部
5Ba…床面
6…液体
6a…液面
8…核燃料集合体
10,40,50,60,70,80,90,100,120,130…核燃料貯蔵ラック
12…ラック本体
13,41,51,61,71,81,91,101,121…ラックセル
13A…燃料収容空間
16…ベースプレート
16a,105a,107a…上面
16b,105b…下面
18…脚部
21…フレーム
21a,53a…内面
25…上部支持格子
25A〜27A…開口部
25B〜27B…隙間
26…中部支持格子
27…下部支持格子
31…第1のラックセル片
32…第2のラックセル片
35,38,44…板状部
36…突出部
39…挿入溝
43,53,113…ラックセル片
43a,53b,113a…外面
53c,74a…傾斜面
63,73,102…ラックセル本体
63a…外周面
64,74…隙間調節部
85…ワイヤ支持部
87…ワイヤ
94…ばね部
95…接触部
103…支持脚部
105…支持板
107…第1の位置規制部
109…立ち上がり部
109A…貫通部
113A…切欠き部
125〜127,131〜133…第2の位置規制部
C,G,I…領域
M1…厚さ
W1…幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図16
図17
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