(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
なお、添付図面は、本発明の実施形態を例示するためのものであり、本発明を図示された実施形態に限定するものではない。
【0012】
〔木炭パッケージ1〕
実施形態に係る木炭パッケージは
図1に示すように、複数の木炭11が中実支柱31、あるいは
図3に示すように中空支柱32を取り囲むように積み上げられて構成される。これら複数の木炭11と中実支柱31または中空支柱32は
図2または
図4に示すように包装材5に収められる。複数の木炭11は中実支柱31または中空支柱32と包装材5により輸送中の振動等によって崩れることなく、積み上げられた状態で保持される。なお、中実支柱31または中空支柱32と包装材5だけでは包装材5と木炭11の間に隙間が大きく、木炭11を十分に保持できない場合には、
図10に示すように、後に詳述する緩衝材6を木炭11と包装材5の間に設置して、木炭11を保持できるようにしてもよい。
【0013】
図1の例では木炭11を長手方向が水平に向くように積み重ねているが、
図3の例のように木炭11の長手方向が鉛直に向くように積み重ねてもよい。また、
図9に示すように木炭11を井桁に組んでもよい。さらに言えば、後に詳述する吸気口2aおよび排気口2bを有する空気の通り道2cが形成されていれば木炭11の積み方はどんなものでもよく、1つの木炭パッケージ1を構成する木炭11の長手方向を、あるものは水平方向に、またあるものは鉛直方向に向けてもよい。また、水平方向あるいは鉛直方向から傾けた木炭11によって木炭パッケージ1を構成してもよい。
【0014】
図1〜11では木炭パッケージ1の外形を四角柱で示しているが、これは外形を四角柱に限定するものではなく、外形は多角柱、円柱、多角錐、円錐、多角錐台、円錐台等、あるいはさらに複雑な形状であってもよい。
【0015】
〔木炭11〕
木炭11の材質は、木炭であれば特に制限はない。白炭、黒炭、成形木炭等を使用することができ、木炭パッケージ1を製作する際の工作性の観点から成形木炭が好適である。
1つの木炭パッケージ1に複数の種類の木炭を組み合わせて使用してもよい。
【0016】
図1、2、5〜8では木炭11を直方体で、また、
図3、4、9〜11では木炭11を円筒形で図示しているが、これは木炭11の形状を直方体あるいは円筒形に限定するものではなく、天然木を含む種々の形状の木炭を使用することができる。
【0017】
〔空気の通り道2c〕
木炭パッケージ1には少なくとも1通りの空気の通り道2cが備えられている必要がある。空気の通り道2cを構成する面は基本的には木炭11であるが、中実支柱31または中空支柱32がその一部または全部を構成していてもよい。ただし、空気の通り道2cを構成する面の全部が中実支柱31または中空支柱32である状態では、空気の通り道2c内部の燃焼による炎が直接木炭11に当たらないため木炭11に着火できない。このような状態は発泡樹脂や紙板、薄い木板等の数分以内で燃え尽きるような材料を中実支柱31または中空支柱32として用いた場合に、それらが燃え尽きるまでの過渡的な状態である。それら数分以内で燃え尽きる材料を用いた場合の中実支柱31または中空支柱32が燃え尽きて、無くなった状態では空気の通り道2cを構成する面の一部または全部は木炭11である必要がある。
【0018】
空気の通り道2cは木炭パッケージ1に点火された後で空気の吸入と燃焼ガスの排気ができるようになればよく、木炭パッケージ1に点火する前の状態では通り道が塞がっていてもよい。例えば、中実支柱31として発泡樹脂を使用したり、中空支柱32としてふたの付いた紙製の筒を使用したりした場合、点火前の木炭パッケージ1の状態では空気の通り道2cは塞がった状態であるが、点火後数分以内で空気の通り道2cを塞いでいた中実支柱31または中空支柱32が燃え尽きるため、空気の吸入と燃焼ガスの排気が行えるようになる。すなわち、数分以内で燃え尽きる材料を用いた中実支柱31または中空支柱32を使用する場合には木炭パッケージ1に点火する前の状態で空気の通り道2cが塞がっていてもよい。
【0019】
空気の通り道2cの下部には空気の通り道2cに燃焼に必要な空気を供給するための吸気口2aが設けられている。また、空気の通り道2cの上部には燃焼ガスを排出するための排気口2bが設けられている。
【0020】
図1では空気の通り道2cの鉛直方向に沿って見た断面形状を四角形で示しているが、これは断面形状を四角形に限定するものではなく、断面形状は多角形、円等、あるいはさらに複雑な形状であってもよい。
また、一つの断面形状で統一されている必要はなく、例えば、下部の断面形状は四角形であるが、上部の断面形状は三角形である、というように場所によって断面形状および断面積が異なっていてもよい。
【0021】
図5、6では1つの木炭パッケージ1の中に2つの空気の通り道2cを備えている。空気の通り道2cは少なくとも1つあればよいため、木炭パッケージ1に複数の独立した空気の通り道2cがあってもよい。また、1つの空気の通り道2cが複数の空気の通り道2cに枝分かれする構造となっていたり、さらに、枝分かれした空気の通り道2cが再び合流する構造になっていたりしてもよい。
図7、8では1つの空気の通り道2cに対して吸気口2aおよび排気口2bがそれぞれ2つあるため、それに繋がる空気の通り道2cが分岐している。
【0022】
図1〜8では木炭11は隙間なく積まれているが、実際には木炭11を隙間なく積むことは困難であり、空気の通り道2cには吸気口2aおよび排気口2b以外の穴が生じる。また、
図9〜11のように木炭11を井桁に組んでいる場合には必然的に空気の通り道2cには吸気口2aおよび排気口2b以外の穴が生じる。これらの穴は数が多かったり、極端に大きかったりすると燃焼時に空気の通り道2c内の温度低下の原因となるため、多くとも井桁に組んだ状態のように、空気の通り道2cの全体に分散し空気の通り道2cを構成する面の半分以下となるようにするのが好ましい。
【0023】
〔吸気口2a〕
吸気口2aは空気の通り道2cの下部にあり、空気の通り道2cに燃焼に必要な空気を供給する。なお、吸気口2aは木炭パッケージ1に点火される前の状態で包装材5、緩衝材6等により塞がれていてもよい。
図2の例では吸気口2aは包装材5により塞がれていてこのままでは空気の通り道2cに燃焼に必要な空気を供給することができない。しかし、木炭パッケージ1に点火されると包装材5は数分以内で燃え尽きるため、吸気口2aが開き空気の通り道2cに空気を供給することができるようになる。すなわち、木炭パッケージ1に点火した後、数分以内で吸気口2aが開き空気を空気の通り道2cに供給できる構造になっていればよい。
【0024】
吸気口2aは空気の通り道2c内に生じた燃焼による上昇気流により空気を吸い込むため、空気の通り道2cの下部に設けるのが好ましい。より具体的には空気の通り道2cの高さの半分よりも下方に設ける。なお、
図9〜11のように木炭11を井桁に組んでいる場合には便宜上、空気の通り道2cの最も下方にある穴を吸気口2aとする。
【0025】
図1〜4の例では吸気口2aは木炭パッケージ1の底面に設けられているが、吸気口2aの位置は木炭パッケージ1の底面だけに限られない。
図7、8のように木炭パッケージ1の側面にあってもよいし、
図5、6、9、10のように木炭パッケージ1の底面と側面にまたがって設けられていてもよい。また、1つの空気の通り道2cに対して、底面と側面の両方に吸気口2aがあってもよい。ただし、
図1〜4の例のように吸気口2aが底面にしかない木炭パッケージ1はバーベキューコンロの炭置場のように網や穴明き鋼板でできており、空気を通す面に置いて使用する必要がある。耐火レンガのように空気を通さない面に置いて使用すると十分に吸気が行えない。耐火レンガのような空気を通さない面に置いて使用する場合には、側面に吸気口2aを有する木炭パッケージ1が必要となる。
【0026】
図7および8に示すように、吸気口2aは1つの空気の通り道2cに対して複数あってもよい。
【0027】
図1および2では、吸気口2aの形状を四角形で示しているが、これは吸気口2aの形状を四角形に限定するものではなく、吸気口2aの形状は多角形、円等、あるいはさらに複雑な形状であってもよい。
【0028】
〔排気口2b〕
排気口2bは空気の通り道2cの上部にあり、空気の通り道2cで燃焼により生じたガスを排気する。なお、排気口2bは木炭パッケージ1に点火される前の状態で包装材5、緩衝材6等により塞がれていてもよい。
図13〜15の例では排気口2bは包装材5により塞がれていてこのままでは空気の通り道2cで生じた燃焼ガスを排気することができない。しかし、木炭パッケージ1に点火されると包装材5は数分以内で燃え尽きるため、排気口2bが開き空気の通り道2cから燃焼ガスを排気することができるようになる。すなわち、木炭パッケージ1に点火した後、数分以内で排気口2bが開き燃焼ガスを空気の通り道2cから排気できる構造になっていればよい。
【0029】
排気口2bは空気の通り道2c内に生じた燃焼による上昇気流により燃焼ガスを排気するため、空気の通り道2cの上部に設けるのが好ましい。より具体的には空気の通り道2cの高さの半分よりも上方に設ける。なお、
図9〜11のように木炭11を井桁に組んでいる場合には便宜上、空気の通り道2cの最も上方にある穴を排気口2bとする。
【0030】
図1〜6の例では排気口2bは木炭パッケージ1の上面に設けられているが、排気口2bの位置は木炭パッケージ1の上面だけに限られない。
図7、8のように木炭パッケージ1の側面にあってもよいし、
図9および10のように木炭パッケージ1の上面と側面にまたがって設けられていてもよい。また、1つの空気の通り道2cに対して、上面と側面の両方に吸気口2aがあってもよい。
【0031】
図7および8に示すように、排気口2bは1つの空気の通り道2cに対して複数あってもよい。
【0032】
図1および2では、排気口2bの形状を四角形で示しているが、これは排気口2bの形状を四角形に限定するものではなく、排気口2bの形状は多角形、円等、あるいはさらに複雑な形状であってもよい。
【0033】
〔中実支柱31〕
中実支柱31は可燃性の材料により構成される。木、紙、粒状あるいは粉状の木や木炭を成形したもの、複数の着火剤を樹脂フィルムで包装したものなどがその一例である。基本的には中実支柱31の燃焼熱と炎により木炭11に着火するため、10分以上継続して燃焼することができる性能を有する必要がある。ただし、後に詳述する包装材の外に設置された着火剤41または支柱の下に設置された着火剤43、あるいはその両方を備える木炭パッケージ1においては、中実支柱31として数分以内で燃え尽きるものを使用することができる。発泡樹脂等がその一例である。
【0034】
図1および2では1つの木炭パッケージ1に対して1つの中実支柱31が備えられているが、これは1つの木炭パッケージ1に使用される中実支柱31の数を1つに限定するものではない。1つの木炭パッケージ1に対して複数個の中実支柱31を用いてもよい。また、1つの木炭パッケージ1に用いられる中実支柱31の材質も1種類に限定するものではなく、1つの木炭パッケージ1に複数種類の材質の複数の中実支柱31を用いてもよい。なお、同種あるいは別種の複数の中実支柱31を1つの木炭パッケージ1に用いる場合には、全体として10分以上継続して燃焼することができる性能を有していればよい。例えば、中実支柱31として発泡樹脂と木を使用した場合、発泡樹脂が数分以内で燃え尽きたとしても、木が10分以上燃焼していればよい。あるいは、1つでは数分以内で燃え尽きる木製のチップを多数使用することで、10分以上燃焼するようにしてもよい。すなわち、このような場合においては、中実支柱31として数分以内で燃え尽きるものを使用することができる。
【0035】
1つの木炭パッケージ1に複数種類の材質の複数の中実支柱31が用いられている場合、少なくとも1つの中実支柱31の材質がライター等で簡単に着火できるものであるとき、その他の中実支柱31として、木炭11と比較して着火性に優れる木炭を使用することができる。木炭11と比較して着火性に優れる木炭とは、木炭パッケージ1に使用されている木炭11よりも相対的に着火性に優れる木炭を意味する。例えば、木炭11としてオガ炭が使用されているとすれば、マングローブ炭は木炭11と比較して着火性に優れる木炭に該当する。
【0036】
中実支柱31は空気の通り道2cの中に配置され、輸送中の振動や衝撃等により木炭11が空気の通り道2c側に崩れるのを防ぐ働きをする。前述のように中実支柱31として、数分以内で燃え尽きるものを使用する場合には、点火前の状態のとき中実支柱31によって空気の通り道2cが塞がっていてもよい。ただし、この場合には、空気の通り道2cを塞いでいる中実支柱31が燃え尽きるまでの間、燃焼に必要な空気の吸気と燃焼ガスの排気が阻害される。
図1および2に示すように、空気の通り道2cの面が木炭11と中実支柱31により構成されるようにして、点火前の状態でも空気の通り道2cが中実支柱31により塞がらない構造とすることが好ましい。
【0037】
中実支柱31は後に詳述する中空支柱32と組み合わせて使用することができる。例えば、1つの空気の通り道2cにおいて、下部には中実支柱31が、上部には中空支柱32がそれぞれ使用されているといった構造でもよい。
【0038】
〔中空支柱32〕
中空支柱32は可燃性の材料により構成される。木、紙、可燃性の樹脂などがその一例である。それら可燃性の材料を筒、箱、ガスを密封して風船状にしたもの等が中空支柱32として用いられる。中空支柱32は前述の中実支柱31、包装材の外に設置された着火剤41、中空支柱の中に設置された着火剤42、支柱の下に設置された着火剤43のいずれか、あるいは複数と組み合わせて使用される。中空支柱32自体には、燃焼の際に木炭11に着火するだけの燃焼熱と炎を生み出す火力がなくてもよい。中空支柱32はその機能上、点火前の状態で空気の通り道2cを構成する面となっていることが多いが、そのような場合には、中空支柱32が燃え尽きるまでは木炭11への着火が阻害されるため、中空支柱32は数分以内で燃え尽きるものが好ましい。
【0039】
中空支柱32は前述のとおり数分以内で燃え尽きるものが好ましい。逆に言えば、10分以上燃焼し、中空であることを除いて前述の中実支柱31としての特徴を有するものは中空支柱32ではなく、中実支柱31であると解する。例として、
図1および2に示すような中実支柱31の中心に、空気の通り道2cに沿う方向に貫通する穴が開いている場合が考えられる。この場合の中実支柱31は中空構造になっているものの、その他の点において中実支柱31としての特徴を有しているため、中空支柱32ではなく、中実支柱31として扱う。
【0040】
中空支柱32は空気の通り道2cの中に配置され、輸送中の振動や衝撃等により木炭11が空気の通り道2c側に崩れるのを防ぐ働きをする。前述のように中空支柱32として、数分以内で燃え尽きるものを使用する場合には、点火前の状態のとき中空支柱32によって空気の通り道2cが塞がっていてもよい。ただし、この場合には、空気の通り道2cを塞いでいる中空支柱32が燃え尽きるまでの間、燃焼に必要な空気の吸気と燃焼ガスの排気が阻害される。
図3〜11に示すように、中空支柱32を筒状にして、点火前の状態でも空気の通り道2cが中空支柱32により塞がらない構造とすることが好ましい。
【0041】
〔包装材の外に設置された着火剤41〕
包装材の外に設置された着火剤41は
図4に示すように包装材5の外面に設置されており、接着剤、粘着テープ、ステープラーの針等で包装材5に固定される。木炭11に着火するためには、包装材の外に設置された着火剤41の燃焼熱および炎が空気の通り道2cに導入される必要があるため、包装材の外に設置された着火剤41を設置する場所は包装材5が燃え尽きた後に、包装材の外に設置された着火剤41が吸気口2aまたは空気の通り道2cの中に位置するような場所でなければならない。
【0042】
包装材の外に設置された着火剤41の材質としては、一般的に木炭用の着火剤として使用されているものが使用できる。例として、木、紙、粒状あるいは粉状の木や木炭を成形したもの、ゲル状の燃料をパック詰めしたもの、アルコール等の有機物を固形化したもの、木炭に着火剤を塗布する等して、ライター等により容易に着火できるようにしたもの等が使用できる。
【0043】
図4の例では木炭パッケージ1は中空支柱32を備えているが、これは包装材の外に設置された着火剤41を使用する場合の支柱を中空支柱32に限定するものではなく、中実支柱31と組み合わせて使用してもよい。
【0044】
包装材の外に設置された着火剤41は1つの空気の通り道2cに対して複数個設置されていてもよい。また、そのような場合には複数個の包装材の外に設置された着火剤41の材質はそれぞれ異なっていてもよい。
【0045】
1つの空気の通り道2cに対して、包装材の外に設置された着火剤41の他に中実支柱31、中空支柱の中に設置された着火剤42、支柱の下に設置された着火剤43のうちいずれか、あるいは複数が設置されていてもよい。そのような場合において、包装材の外に設置された着火剤41、中実支柱31、中空支柱の中に設置された着火剤42、支柱の下に設置された着火剤43のうち少なくとも1つがライター等で簡単に着火できる材質である場合、その他のものには木炭11と比較して着火性に優れる木炭を使用することができる。
なお、複数種類の着火剤や木炭11と比較して着火性に優れる木炭が包装材の外に設置された着火剤41、中実支柱31、中空支柱の中に設置された着火剤42、支柱の下に設置された着火剤43として1つの木炭パッケージ1に設置されている場合、着火性の良いものほど吸気口2aに近くなるように配置するのが好ましい。
【0046】
〔中空支柱の中に設置された着火剤42〕
中空支柱の中に設置された着火剤42は
図5〜11に示すように中空支柱32の中に設置される。中空支柱の中に設置された着火剤42は中空支柱32に接着剤等で固定されている必要はなく、
図6、8、9および10に示すように中空支柱32の中に乱雑に入っていればよい。中空支柱の中に設置された着火剤42を規則正しく並べて設置してもよいが、その場合には中空支柱の中に設置された着火剤42により空気の通り道2cが塞がらないようにする必要がある。前述のように中空支柱の中に設置された着火剤42を中空支柱32の中に乱雑に入れた場合には、中空支柱の中に設置された着火剤42同士の間に空間が生じるため、空気の通り道2cが塞がらず、空気の吸入と燃焼ガスの排気が行える。
【0047】
中空支柱の中に設置された着火剤42の材質としては、一般的に木炭用の着火剤として使用されているものが使用できる。例として、木、紙、粒状あるいは粉状の木や木炭を成形したもの、ゲル状の燃料をパック詰めしたもの、アルコール等の有機物を固形化したもの、木炭に着火剤を塗布する等して、ライター等により容易に着火できるようにしたもの等が使用できる。
【0048】
図5〜11の例では中空支柱の中に設置された着火剤42は1つの空気の通り道2cに対して複数個備えられているが、これは中空支柱の中に設置された着火剤42は1つの空気の通り道2cに対して複数個備えなければならないというように限定するものではなく、1つの空気の通り道2cに備えられた中空支柱の中に設置された着火剤42が1つであってもよい。
【0049】
1つの空気の通り道2cに対して複数個の中空支柱の中に設置された着火剤42が備えられている場合には、複数個の中空支柱の中に設置された着火剤42の材質はそれぞれ異なっていてもよい。また、そのような場合において、少なくとも1つの中空支柱の中に設置された着火剤42の材質がライター等で簡単に着火できるものであるとき、その他の中空支柱の中に設置された着火剤42として、木炭11と比較して着火性に優れる木炭を使用することができる。
【0050】
1つの空気の通り道2cに対して、中空支柱の中に設置された着火剤42の他に中実支柱31、包装材の外に設置された着火剤41、支柱の下に設置された着火剤43のうちいずれか、あるいは複数が設置されていてもよい。そのような場合において、包装材の外に設置された着火剤41、中実支柱31、中空支柱の中に設置された着火剤42、支柱の下に設置された着火剤43のうち少なくとも1つがライター等で簡単に着火できる材質である場合、その他のものには木炭11と比較して着火性に優れる木炭を使用することができる。
【0051】
〔支柱の下に設置された着火剤43〕
支柱の下に設置された着火剤43は空気の通り道2cの中かつ、中実支柱31あるいは中空支柱32の下方に設置される。
図5〜8の例では、支柱の下に設置された着火剤43は中空支柱32の下方に設置されているが、これは支柱の下に設置された着火剤43の設置場所を中空支柱32の下方に限定するものではなく、前述のように、中実支柱31の下方に設置してもよい。
【0052】
支柱の下に設置された着火剤43の材質としては、一般的に木炭用の着火剤として使用されているものが使用できる。例として、木、紙、粒状あるいは粉状の木や木炭を成形したもの、ゲル状の燃料をパック詰めしたもの、アルコール等の有機物を固形化したもの、木炭に着火剤を塗布する等して、ライター等により容易に着火できるようにしたもの等が使用できる。
【0053】
図5〜8の例では支柱の下に設置された着火剤43は1つの空気の通り道2cに対して1つが備えられているが、これは支柱の下に設置された着火剤43は1つの空気の通り道2cに対して1つでなければならないというように限定するものではなく、1つの空気の通り道2cに対して複数の支柱の下に設置された着火剤43が備えられていてもよい。
【0054】
1つの空気の通り道2cに対して複数個の支柱の下に設置された着火剤43が備えられている場合には、複数個の支柱の下に設置された着火剤43の材質はそれぞれ異なっていてもよい。また、そのような場合において、少なくとも1つの支柱の下に設置された着火剤43の材質がライター等で簡単に着火できるものであるとき、その他の支柱の下に設置された着火剤43として、木炭11と比較して着火性に優れる木炭を使用することができる。
【0055】
1つの空気の通り道2cに対して、支柱の下に設置された着火剤43の他に中実支柱31、包装材の外に設置された着火剤41、中空支柱の中に設置された着火剤42のうちいずれか、あるいは複数が設置されていてもよい。そのような場合において、包装材の外に設置された着火剤41、中実支柱31、中空支柱の中に設置された着火剤42、支柱の下に設置された着火剤43のうち少なくとも1つがライター等で簡単に着火できる材質である場合、その他のものには木炭11と比較して着火性に優れる木炭を使用することができる。
【0056】
〔包装材5〕
包装材5は包装材の外に設置された着火剤41を除いた木炭パッケージ1を構成する全ての材料を包むことにより、それらが輸送中の振動や衝撃等により木炭パッケージ1から脱落したり、空気の通り道2cとは逆側に崩れたりするのを防ぐ働きをする。
【0057】
包装材5は可燃性の材料により構成される。木、紙、可燃性の樹脂等がその一例である。それらの材料を箱または袋状に成形し、包装材の外に設置された着火剤41を除いた木炭パッケージ1を構成する全ての材料を中に収めるか、あるいは、フィルム状にしたそれらの材料で包装材の外に設置された着火剤41を除いた木炭パッケージ1を構成する全ての材料を包むことにより木炭パッケージ1を形成する。
【0058】
包装材5は木炭パッケージ1に点火する前の状態で吸気口2aまたは排気口2b、あるいはその両方を塞いでいてもよい。ただし、その場合には少なくとも吸気口2aまたは排気口2bを塞いでいる部分の包装材5は点火後数分以内に燃え尽きるものを使用することが好ましい。また、
図13および14のように、包装材5の上部が閉じられている場合には、包装材5が燃え尽きるまでの間、包装材5の上部に燃焼ガスが滞留して燃焼を阻害するため、上部に穴をあけておくのが好ましい。
【0059】
木炭パッケージ1が輸送等により崩れないようにするためには、少なくとも木炭パッケージ1の底面と側面を包装材5により包む必要がある。
図12は木炭パッケージ1の底面と側面を囲う包装材5の例である。この場合の包装材5は可燃性の材料で作られた袋や箱である。なお、木炭パッケージ1の上面は開放されている必要はなく、包装材5は上面を含めた木炭パッケージの全面を囲っていてもよい。また、包装材5には内包する木炭パッケージ1を構成する材料が脱落しない範囲で穴があけられていてもよい。
【0060】
包装材5として、可燃性の袋を用いた場合には、包装材の外に設置された着火剤41を除いた木炭パッケージ1を構成する全ての材料を入れた後、
図13のように袋の上部を折畳んで閉じてもよい。とじ目は接着剤やステープラーの針等で留めるのが好ましい。
【0061】
包装材5として、可燃性のフィルム状の材料を使用する場合には、
図14のように、包装材の外に設置された着火剤41を除いた木炭パッケージ1を構成する全ての材料を包み、とじ目を接着したり、粘着テープで留めたりしてもよい。なお、このときの包み方は木炭パッケージ1を構成する材料が脱落しない方法であれば、木炭パッケージ1を構成する材料の全てが包装材5に包まれていなくてもよい。
図15は木炭11を井桁に組んだ場合の包装材5の例である。この例では木炭パッケージ1の上面と底面および対向する2つの側面を包む1つのフィルムと、木炭パッケージ1の上面と底面および残る2つの側面を包む別の1つのフィルムにより包装材5が形成されており、木炭11同士が重なり合っている部分は包装材5により包まれていない。このような構造であっても、木炭パッケージ1を構成する材料が脱落しない構造となっているため包装材5として成り立つ。
【0062】
〔緩衝材6〕
木炭11は基本的には前述の包装材5により輸送中の振動や衝撃等により木炭パッケージ1から脱落したり、空気の通り道2cとは逆側に崩れたりしないように保持される。しかし、木炭11の積み方と包装材5の形状の組み合わせによっては木炭11と包装材5の間に隙間が生じ、包装材5だけでは木炭11が崩れるのを防げない場合がある。そのような場合に木炭11と包装材5の間の隙間を埋めるために緩衝材6を用いる。
【0063】
図9〜11は木炭11を井桁に組んだものと、上面が解放された直方体の箱状の包装材5を組み合わせた例である。このような場合には必然的に木炭11と包装材5の間に隙間が生じるため、その隙間に緩衝材6を入れることで木炭11が崩れるのを防いでいる。
【0064】
緩衝材6の材料は可燃性の材料であれば何でもよく、紙、木、可燃性の樹脂等が好適である。輸送等により木炭11が崩れないようにするのが緩衝材6の目的であり、火力は必要ないため、緩衝材6としては、樹脂を風船状にしたもの、発泡樹脂、紙を乱雑に折ったもの等が好適である。
【実施例1】
【0065】
以下、
図1および2に基づいて本発明の実施例1を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。
木炭パッケージ1は中実支柱31の側面を囲うように積まれた木炭11を包装材5で包むことにより形成されている。包装材5は
図12に示す木炭パッケージの側面と底面を包む形状としているが、包装材5の形状はこの例に限定されない。
吸気口2aと排気口2bは木炭パッケージ1の底面と上面にそれぞれ位置している。なお、吸気口2aが底面にのみ設けられているため、この木炭パッケージ1はバーベキューコンロ炭置場等の通気性のある設置面に置いて使用する必要がある。
【0066】
包装材5に点火することで木炭11に着火を行うことができる。点火された包装材5が燃えることで、包装材5により塞がれていた吸気口2aが開く。また、包装材5から中実支柱31に火が燃え移る。中実支柱31の燃焼により生じた燃焼ガスと暖められた空気は、周りの空気と比べて密度が小さいため、空気の通り道2cに上昇気流が発生する。これにより、燃焼ガスは排気口2bから排気され、同時に吸気口2aから空気が取り込まれる。この煙突効果により燃焼が促進され木炭11も燃焼を開始する。
なお、説明の都合上包装材5に点火するとしたが、木炭パッケージ1全体に火が回れば良いため、点火するのは包装材5に限定されない。
【0067】
木炭11が継続して燃焼する状態になった後に、積まれている木炭11を崩して、平らに並べることで調理に用いることができる。
【実施例2】
【0068】
以下、
図3および4に基づいて本発明の実施例2を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。
木炭パッケージ1は中空支柱32の側面を囲うように積まれた木炭11を包装材5で包むことにより形成されている。包装材5は
図12に示す木炭パッケージの側面と底面を包む形状としているが、包装材5の形状はこの例に限定されない。
吸気口2aと排気口2bは木炭パッケージ1の底面と上面にそれぞれ位置している。なお、吸気口2aが底面にのみ設けられているため、この木炭パッケージ1はバーベキューコンロ炭置場等の通気性のある設置面に置いて使用する必要がある。
木炭パッケージ1の底面、吸気口2aの位置には包装材の外に設置された着火剤41が設置されている。
【0069】
包装材5に点火することで木炭11に着火を行うことができる。点火された包装材5が燃えることで、包装材5により塞がれていた吸気口2aが開く。また、包装材5から中空支柱32および包装材の外に設置された着火剤41に火が燃え移る。包装材の外に設置された着火剤41の燃焼により生じた燃焼ガスと暖められた空気は、周りの空気と比べて密度が小さいため、空気の通り道2cに上昇気流が発生する。これにより、燃焼ガスは排気口2bから排気され、同時に吸気口2aから空気が取り込まれる。この煙突効果により燃焼が促進される。中空支柱32が燃え尽きて空気の通り道2cを構成する面が木炭11になり、包装材の外に設置された着火剤41の燃焼熱と炎が木炭11に直接当たるようになると、前述の煙突効果による燃焼促進と合わさり木炭11も燃焼を開始する。
なお、説明の都合上包装材5に点火するとしたが、木炭パッケージ1全体に火が回れば良いため、点火するのは包装材5に限定されない。
【0070】
木炭11が継続して燃焼する状態になった後に、積まれている木炭11を崩して、平らに並べることで調理に用いることができる。
【実施例3】
【0071】
以下、
図5および6に基づいて本発明の実施例3を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。
木炭パッケージ1は2つの中空支柱32の側面を囲うように積まれた木炭11を包装材5で包むことにより形成されている。包装材5は
図12に示す木炭パッケージの側面と底面を包む形状としているが、包装材5の形状はこの例に限定されない。
木炭パッケージ1にはそれぞれ独立した2つの空気の通り道2cがあり、それぞれに1つずつ吸気口2aと排気口2bが設けられている。吸気口2aは木炭パッケージ1の底面から側面に連続した形状となっている。排気口2bは木炭パッケージ1の上面に位置している。なお、吸気口2aが側面にも設けられているため、この木炭パッケージ1の設置場所はバーベキューコンロ炭置場等の通気性のある設置面に限定されず、耐火レンガ等の通気性のない設置面に置いて使用することもできる。
空気の通り道2cの中、吸気口2aの近くには支柱の下に設置された着火剤43が設置されている。また、中空支柱32の中には中空支柱の中に設置された着火剤42が設置されている。
【0072】
包装材5に点火することで木炭11に着火を行うことができる。点火された包装材5が燃えることで、包装材5により塞がれていた吸気口2aが開く。また、包装材5から支柱の下に設置された着火剤43へ、さらに、支柱の下に設置された着火剤43から中空支柱32および中空支柱の中に設置された着火剤42へと火が燃え移る。中空支柱の中に設置された着火剤42および支柱の下に設置された着火剤43の燃焼により生じた燃焼ガスと暖められた空気は、周りの空気と比べて密度が小さいため、空気の通り道2cに上昇気流が発生する。これにより、燃焼ガスは排気口2bから排気され、同時に吸気口2aから空気が取り込まれる。この煙突効果により燃焼が促進される。中空支柱32が燃え尽きて空気の通り道2cを構成する面が木炭11になり、中空支柱の中に設置された着火剤42および支柱の下に設置された着火剤43の燃焼熱と炎が木炭11に直接当たるようになると、前述の煙突効果による燃焼促進と合わさり木炭11も燃焼を開始する。
なお、説明の都合上包装材5に点火するとしたが、木炭パッケージ1全体に火が回れば良いため、点火するのは包装材5に限定されない。
【0073】
木炭11が継続して燃焼する状態になった後に、積まれている木炭11を崩して、平らに並べることで調理に用いることができる。
【実施例4】
【0074】
以下、
図7および8に基づいて本発明の実施例4を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。
木炭パッケージ1は中空支柱32の底面、側面および上面を囲うように積まれた木炭11を包装材5で包むことにより形成されている。包装材5は
図12に示す木炭パッケージの側面と底面を包む形状としているが、包装材5の形状はこの例に限定されない。
木炭パッケージ1には1つの空気の通り道2cがあり、2つずつ吸気口2aと排気口2bが設けられている。吸気口2aと排気口2bは両方とも木炭パッケージ1の側面に位置している。なお、吸気口2aが側面に設けられているため、この木炭パッケージ1の設置場所はバーベキューコンロ炭置場等の通気性のある設置面に限定されず、耐火レンガ等の通気性のない設置面に置いて使用することもできる。
空気の通り道2cの中、吸気口2aの近くには支柱の下に設置された着火剤43が設置されている。また、中空支柱32の中には中空支柱の中に設置された着火剤42が設置されている。
【0075】
包装材5に点火することで木炭11に着火を行うことができる。点火された包装材5が燃えることで、包装材5により塞がれていた吸気口2aおよび排気口2bが開く。また、包装材5から支柱の下に設置された着火剤43へ、さらに、支柱の下に設置された着火剤43から中空支柱32および中空支柱の中に設置された着火剤42へと火が燃え移る。中空支柱の中に設置された着火剤42および支柱の下に設置された着火剤43の燃焼により生じた燃焼ガスと暖められた空気は、周りの空気と比べて密度が小さいため、空気の通り道2cに上昇気流が発生する。これにより、燃焼ガスは排気口2bから排気され、同時に吸気口2aから空気が取り込まれる。この煙突効果により燃焼が促進される。中空支柱32が燃え尽きて空気の通り道2cを構成する面が木炭11になり、中空支柱の中に設置された着火剤42および支柱の下に設置された着火剤43の燃焼熱と炎が木炭11に直接当たるようになると、前述の煙突効果による燃焼促進と合わさり木炭11も燃焼を開始する。
なお、説明の都合上包装材5に点火するとしたが、木炭パッケージ1全体に火が回れば良いため、点火するのは包装材5に限定されない。
【0076】
木炭11が継続して燃焼する状態になった後に、積まれている木炭11を崩して、平らに並べることで調理に用いることができる。
【実施例5】
【0077】
以下、
図9〜11に基づいて本発明の実施例5を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。
木炭パッケージ1は中空支柱32の側面を囲うように井桁に積まれた木炭11を包装材5で包むことにより形成されている。木炭11と包装材5の間には緩衝材6が設置されている。包装材5は
図12に示す木炭パッケージの側面と底面を包む形状としているが、包装材5の形状はこの例に限定されない。
吸気口2aは木炭パッケージ1の底面から側面に連続した形状となっている。排気口2bは木炭パッケージ1の上面に位置している。なお、吸気口2aが側面にも設けられているため、この木炭パッケージ1の設置場所はバーベキューコンロ炭置場等の通気性のある設置面に限定されず、耐火レンガ等の通気性のない設置面に置いて使用することもできる。
中空支柱32の中には中空支柱の中に設置された着火剤42が設置されている。
【0078】
包装材5に点火することで木炭11に着火を行うことができる。点火された包装材5が燃えることで、包装材5により塞がれていた吸気口2aが開く。また、包装材5から中空支柱32、中空支柱の中に設置された着火剤42および緩衝材6へと火が燃え移る。中空支柱の中に設置された着火剤42の燃焼により生じた燃焼ガスと暖められた空気は、周りの空気と比べて密度が小さいため、空気の通り道2cに上昇気流が発生する。これにより、燃焼ガスは排気口2bから排気され、同時に吸気口2aから空気が取り込まれる。この煙突効果により燃焼が促進される。中空支柱32が燃え尽きて空気の通り道2cを構成する面が木炭11になり、中空支柱の中に設置された着火剤42の燃焼熱と炎が木炭11に直接当たるようになると、前述の煙突効果による燃焼促進と合わさり木炭11も燃焼を開始する。
なお、説明の都合上包装材5に点火するとしたが、木炭パッケージ1全体に火が回れば良いため、点火するのは包装材5に限定されない。
【0079】
木炭11が継続して燃焼する状態になった後に、積まれている木炭11を崩して、平らに並べることで調理に用いることができる。