(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記嵌合部の延出端部は、前記嵌合部に対する前記カバー部材の取付方向に直交する平らな仮想面上にあることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の魚釣用スピニングリール。
前記カバー部材は、前記嵌合部を覆うように嵌合され、1つのねじ部材で固定されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の魚釣用スピニングリール。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る魚釣用スピニングリールの実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、「前後」「上下」を言うときは、
図1に示した方向を基準とし、「左右」を言うときは、
図4に示す方向を基準とする。
【0017】
図1、
図2に示すように、魚釣用スピニングリール1は、前方に突出する駆動軸筒7(
図2参照)及びスプール軸8(
図2参照)を有するリール本体10を備えている。また、魚釣用スピニングリール1は、駆動軸筒7に装着されてリール本体10の前側に配置されるロータ3と、スプール軸8に装着されてロータ3の前側に配置されるスプール4と、を備える。
【0018】
ロータ3は、駆動軸筒7の前端に固定されるとともに後開口部が形成された円筒部を備える。また、ロータ3は、円筒部の後端部から外側に延び、さらに前側に延びる一対のアーム部3a(
図1では片側のみ図示)を備える。一対のアーム部3aには、釣糸巻取位置又は釣糸放出位置に移動自在なベール支持部材3bが回転自在に取り付けられている。さらに、ロータ3は、一対のアーム部3aの間を周方向に延び、一対のアーム部3aのそれぞれを連結する一対の補強部材3c(
図1参照)を備える。
【0019】
図1に示すように、スプール4は、前から順に、前フランジ4a、糸巻胴部4b、スカート部4cを備える。
【0020】
図1に示すように、リール本体10は、合成樹脂材又は金属材で形成されている。リール本体10は、ボディ11と、ボディ前部12(
図2参照)と、軸受部材13と、周壁部14と、カバー部材15とを備える。ボディ11は、左側に向って開口する側部開口部16及び後側に向かって開口する後部開口部17(
図2,
図3,
図6(b)参照)を備えている。なお、
図6(a)において、符号17aで示す部分は、後部開口部17から連続して形成される周壁部14の内面である。
【0021】
ボディ11の上部には、上方に延びる脚部11aが形成されている。脚部11aの先端部には、釣竿に装着される竿取付部11b(
図1参照)が形成されている。
軸受部材13は、側部開口部16を塞ぐ蓋部材である。周壁部14は、後部開口部17の周縁部(開口縁)から後方へ突出する壁部材であり、カバー部材15を嵌合する嵌合部である。カバー部材15は、周壁部14に嵌合され後部開口部17を塞ぐ部材である。以下において、ボディ11の内部の空間をボディ11内又は収容空間S1と称する場合がある。
【0022】
ボディ前部12は、
図4に示すように、円筒壁部12bと底部12cとを有する略有底円筒状を呈している。ボディ前部12の内部には、機能部品として、駆動軸筒7(駆動部)、前部軸受8c1、ローラ式一方向クラッチ9(以下、「一方向クラッチ9」という)が配置されている。ボディ前部12の前部開口部と駆動部との間は、公知の磁性流体や弾性シール材等のシール機構40によって液密にシールされている。
【0023】
駆動軸筒7は、スプール4(
図1参照)側に向けて延出しており、その先端部にロータ3(
図1参照)が取り付けられている。
前部軸受8c1は、底部12cの中央部に配置され駆動軸筒7の前部を回転自在に支持している。前部軸受8c1は、底部12cの前面にねじ12eで固定されるプレート12fによって抜け止めされている。
【0024】
一方向クラッチ9は、ハンドル5a(ロータ2、
図1参照)の釣糸放出方向への逆回転を防止する公知の逆転防止機構(ストッパ)を構成している。このような一方向クラッチ9は、ボディ前部12の円筒壁部12bによって覆われている。
磁気流体シール機構40は、一方向クラッチ9の径方向内側にてハンドル5aの操作に連動回転する駆動軸筒7(駆動部)に固着される磁性部材12g(内輪)の先端部をシールしている。
【0025】
なお、駆動軸筒7の後端は、ボディ11内に位置している。そして、駆動軸筒7の後端には、ピニオンギャ7aが形成されている。
【0026】
また、ボディ前部12は、ロータ3の円筒部内に位置している。
図2、
図3に示すように、ボディ前部12には、機能部品の収容保護や美観向上のために有底円筒状のカバー12aが装着されている。カバー12aは、ボディ前部12の外周側を覆っている。
ボディ前部12の後端は、後方から視て円形を成し(
図6(b)、
図10(a)(b)を参照)、ロータ3の後端開口を閉じるフランジを成している。
【0027】
図2に示すように、スプール軸8は、駆動軸筒7内を貫通し、前端が駆動軸筒7よりも前方に突出している。また、スプール軸8の後部は、駆動軸筒7の後端よりも後方に突出し、ボディ11内に位置している。
【0028】
ボディ11内には、左右方向に延在するハンドル軸5(
図4参照)と、ハンドル軸5に固定されるドライブギャ6及び歯車(軸筒)6aと、スプール往復動装置50と、が組み付けられている。
【0029】
図4に示すように、ハンドル軸5は、軸受5c、5dを介して、ボディ11と軸受部材13とに回転自在に支持されている。
ハンドル軸5の左端部は、軸受部材13を貫通するとともに、ハンドル5aに設けられた連結軸5bと螺合し、ハンドル軸5とハンドル5aとが一体になっている。
ハンドル軸5において左右方向の中央部よりも左寄りの位置に、ピニオンギャ7aに噛合するドライブギャ6が固定されている。
【0030】
以上から、ハンドル5aの巻き取り操作が行われると、巻き取り操作による駆動力がハンドル軸5、ドライブギャ6、ピニオンギャ7aを介して駆動軸筒7に伝達し、ロータ3が回転する。
なお、ハンドル軸5において左右方向の中央部よりも右寄りの位置に、スプール往復動装置50を駆動するための歯車6aが固定されている(
図3参照)。
【0031】
図2,
図3に示すように、スプール往復動装置50は、ガイド軸として機能するねじ部材30と、摺動子51と、連動歯車52と、を備えている。ねじ部材30は、カバー部材15をボディ11に固定するための固定具であり、ガイド軸を兼用している。ねじ部材30は、ボディ11の筒部21に形成された前後の挿通孔21a,21bを貫通して配置されている。ねじ部材30の後端はカバー部材15に螺合している。ねじ部材30の詳細は後記する。
【0032】
摺動子51は、ねじ部材30に沿って前後に移動する部材であり、右側面に案内溝53(
図4,
図5,
図10(a)参照)が形成されている。案内溝53には、連動歯車52に設けられた偏芯突部54が係合している。案内溝53は、
図10(a)に示すように、後面視でスプール軸8を跨ぐように上下方向に延在しており、案内溝53の底部の一部がスプール軸8の一部に重なる(オーバーラップする)位置関係となっている。したがって、このような位置関係としない場合に比べて、リール本体10(ボディ11)を左右方向に(ハンドル軸5方向に)小型化することができる。
【0033】
また、摺動子51の上部(ハンドル軸5に対向する対向部)には、
図3に示すように、後方に向って凹む凹部55が形成されている。このため、
図15(b)に示すように、摺動子51が前方に移動した場合に凹部55内にハンドル軸5を受け入れ可能である。これにより、摺動子51の移動範囲が前方に拡大している。以上から、ボディ11の大型化の防止を図りつつ、摺動子51の移動範囲(ストローク)を効果的に確保している。
【0034】
摺動子51の上端部には、
図3に示すように、ガイド軸挿通孔56が前後方向に貫通して形成されている。ガイド軸挿通孔56には、ねじ部材30が挿通されている。これにより、摺動子51は、ねじ部材30に沿って姿勢を保ちつつ前後方向に摺動可能となっている。
【0035】
図4に示すように、摺動子51には、スプール軸8の後端から後方に突出する突出部8aが連結している。これにより、摺動子51とスプール軸8とが一体になっている。
なお、摺動子51と突出部8aとは固定ねじ8bにより抜け止めされている。
【0036】
図2に示すように、連動歯車52は、ハンドル軸5から後方下側の位置においてボディ11の筒部21の底部に配置され、歯車6aの後側と噛合している。
以上から、ハンドル5aの巻き取り操作が行われると、巻き取り操作による駆動力が歯車6aを介して連動歯車52に伝達し、連動歯車52が回転する。また、連動歯車52の偏芯突部54が摺動子51の案内溝53の前面又は後面を押圧し、摺動子51とスプール軸8(スプール104)がガイド軸(ねじ部材30)に沿って前後方向に往復運動する。
【0037】
次に、各部を詳細に説明する。
図3,
図6(a)に示すように、ボディ11は、底部に周壁を有する有底箱状(筒状)を呈し左側に向って開口している。ボディ11は、円板状の右壁部20と、右壁部20の周端縁から左側に延びる筒状の筒部21と、を備える。なお、筒部21の左端部が側部開口部16を構成している。
ボディ11は、合成樹脂材によって一体成形されている。
【0038】
図6(a)に示すように、右壁部20の内面(左側面)には、右側中央孔23と、リブ24と、挿入孔25とが形成されている。
右側中央孔23は、ハンドル軸5の右端部が貫通する孔であり、右壁部20の中央部に設けられている。
【0039】
リブ24は、側面視略L字形状を呈しており右側中央孔23よりも前側に位置している。リブ24は、前後方向に延在する前後リブ24aと、前後リブ24aの後端部に連続して下方向に延在する上下リブ24bとを備えている。
【0040】
前後リブ24aは、板状を呈しており、前端部がボディ11の筒部21の内周面21cに接続されている。上下リブ24bは、下端部がボディ11の筒部21の下側の内周面21cに接続されている。リブ24によって右壁部20、筒部21の前側部分及び下側部分の強度が向上している。上下リブ24bには、スプール軸8の後部を後方に貫通させるための貫通孔24cが形成されている。貫通孔24cは、ハンドル軸5の中心軸O2よりも下側に位置している。このため、スプール軸8の後部は、ハンドル軸5の下側(脚部11aが配置される側と反対側)に配置されている。
【0041】
上下リブ24bの後面には、前方に窪む凹部24eが形成されている。凹部24eは、円弧状に窪んでおり、上下リブ24bと歯車6aとの干渉を回避するためのものである。
なお、貫通孔24cには、駆動軸筒7の後端を支持する後部軸受8c2が嵌め込まれている(
図3参照)。
【0042】
挿入孔25は、
図6(a),
図11,
図14に示すように、側面視略D字形状を呈している。挿入孔は、
図6(a)に示すように、右側中央孔23よりも後方の下部に形成されている。そして、この挿入孔25内には、
図5に示すように、右壁部20の外側(右側面)に取り付けられた支持部材26のボス部26b及び支持リブ26cが貫通している。これにより、ボディ11内の後部に、連動歯車52を回転自在に支持するボス部26b及び支持リブ26cが配置される。
【0043】
ボディ11の筒部21は、
図6(a)に示すように、ハンドル軸5の中心軸O2を中心とする略円筒形状に形成されている。
より詳細に説明すると、筒部21の内周面21cは、ハンドル軸5の中心軸O2を中心とする略円形状に形成され、かつ、ドライブギャ6の大きさに対応している。
また、筒部21の外周面21dも、ハンドル軸5の中心軸O2を中心とする略円形状に形成されている。
このため、筒部21の厚み(径方向の肉厚)が周方向において略均一になっている。つまり、筒部21は、一般的な魚釣用スピニングリールにおける筒部(側面視略矩形筒状の筒部)よりも小型化しており、筒部21の内周面21cとドライブギャ6との間には、不要な空間が生じないようになっている。
【0044】
図3に示すように、前後リブ24aの上方において、筒部21には、挿通孔21aが形成されている。挿通孔21aは、前後方向から視て円孔であり、前側の筒部21を前後方向に貫通し、前端がボディ前部12の底部12cの前面に開口し、後端が筒部21の後面に開口してボディ11内の上部空間(ハンドル軸5よりも上側の空間)に連通している。挿通孔21aは、スプール軸8の中心軸O1と平行である。挿通孔21aには、ガイド軸としてのねじ部材30が挿通され、ねじ部材30の前部側を支持している。
【0045】
筒部21の後部には、
図6(b),
図14に示すように、筒部21の後部を貫通する後部開口部17が形成されている。
後部開口部17は、後面視で上下方向に長い略四角形状を呈している。後部開口部17は、ボディ11内に組み付けられた部品の一部を受け入れてボディ11外に、言い換えると、ボディ11から後方に部品が突出するように配置するための開口部である。また、後部開口部17は、ボディ11内への部品の組み付け口としても機能する。さらに、後部開口部17を備えることで、ボディ11の軽量化も図られている。
【0046】
また、
図6(b)に示すように、後部開口部17は、筒部21において左右方向の略中央部のみを貫通している。このため、後部開口部17の開口(孔)と側部開口部16の開口(孔)とが連続していない。
言い換えると、側部開口部16と後部開口部17との間には、側部開口部16と後部開口部17とのそれぞれの開口の端縁を構成する円弧状の架橋部11fが延在している。
このため、後部開口部17の開口(孔)と側部開口部16の開口(孔)とが連続する場合よりも、筒部21の強度が向上している。この結果、ボディ11の耐久性が向上している。
【0047】
図6(a)(b)に示すように、筒部21の後端面である後部開口部17の開口縁(周囲)には、周壁部14が形成されている。周壁部14は、後部開口部17の周縁部(開口縁)の周方向全体からカバー部材15に向けて延出し、カバー部材15の内部に嵌まり込む筒壁状の嵌合部として機能する。また、周壁部14は、ボディ11内から後方に突出する部品の一部を収容する収容部としても機能する。
【0048】
周壁部14は、後面視で後部開口部17の開口形状に倣う略四角枠形状とされている。周壁部14の延出端部である後端部14aは、周壁部14に対するカバー部材15の取付方向に直交する平らな仮想面上にある。ここで、カバー部材15の取付方向とは、スプール軸8の中心軸O1に沿う方向であり、ねじ部材30の延在方向に沿う方向である。
【0049】
また、後端部14aの全体は、
図6(a)に示すように、ハンドル軸5の軸方向から視て(側面視で)ボディ11の最後端部11g(架橋部11fの最後端部)よりも後方に位置している。つまり、周壁部14は、カバー部材15が嵌まり込む嵌合代を備えて、ボディ11の後端部(架橋部11f)に連続して一体的に後方へ突出している。
本実施形態では、ボディ11を挟んでボディ11の前側にボディ前部12が一体的に備わり、ボディ11の後側に周壁部14が一体的に備わる。
【0050】
周壁部14は、
図6(b)に示すように、上面14bの左部14b1が上方へ向けて湾曲状に膨出している。左部14b1の内側には、断面C字形状の壁部で囲われた挿通孔21bが備わる。挿通孔21bは、後側の筒部21を前後方向に貫通し、前端が後側の筒部21の前面に開口し、後端が周壁部14の内側に開口している。挿通孔21bは、スプール軸8の中心軸O1(
図2参照)と平行であり、前側の挿通孔21aの軸方向の延長上に位置している。挿通孔21aには、ガイド軸としてのねじ部材30が前方から挿通される。挿通孔21bは、ねじ部材30の後部側を支持している。
【0051】
また、挿通孔21bは、下部側が開口しており、このように開口していない場合に比べて、後部開口部17内への突出量が小さくなっている。これにより、後部開口部17の上下方向の空間が確保され、限られたボディ11内のスペースに、スプール往復動装置50の配設を可能としている。
【0052】
挿通孔21bの左側の肉厚は、右側の肉厚に比べて厚く形成されている。これにより、実釣時の高負荷巻き取り時に生じるおそれのある摺動子51の傾き((後面視で)スプール軸8を中心とした反時計回り方向の傾き)を抑制している。つまり、負荷のかかる側の強度を確保して、高負荷巻き取り時におけるガイド軸(ねじ部材30)の傾きを抑制している。これにより、ガイド軸(ねじ部材30)に沿った摺動子51のスムーズな前後往復動が実現される。
【0053】
また、後面視で左部14b1の上側となるボディ11の後縁部には、上部係合穴14gが形成されている。上部係合穴14gは、上側が丸く形成された穴であり、所定の深さを備えている。なお、上部係合穴14gは、後面視で挿通孔21bの上方に位置しているが、挿通孔21bの左上側または右上側に位置するように形成してもよい。
【0054】
周壁部14の左側面14c、右側面14d及び下面14eは、平らな面とされている。また、周壁部14の後端部14aの左下角部には、カバー部材15を取着する際の組み込み時の位置決め穴14hが開口形成されている。この左下角部において、周壁部14の後端部14aは位置決め穴14hの上側を迂回して形成されている。
さらに、周壁部14の下面の前部には、
図3に示すように、後方へ向けて開口する下部係合穴14jが形成されている。下部係合穴14jは、後面視で左右方向に扁平な四角形状とされている。
【0055】
下部係合穴14jの前方において、ボディ11の下部には、
図3に示すように、脚部11a側の上方へ向けて凹状に切り込まれた形状の指掛け部11nが形成されている。
指掛け部11nは、係合穴4jを有するボディ11の外側面より前方に向けて脚部11a側に傾斜して形成され、手指が後方へ滑りにくく保持しやすい形状となっている。
【0056】
次にカバー部材15について説明する。
カバー部材15は、合成樹脂材からなり、
図1に示すように、側面視で略三日月状に形成されている。カバー部材15は、
図3に示すように、ボディ11の後部の周壁部14を覆うように嵌合され、1つのねじ部材30によって固定されている。カバー部材15は、前後方向に延在する下部15aと、下部15aから前方斜め上方に立ち上がる胴部15bと、胴部15bの上端から前方に延在する上部15cとから構成されている。
【0057】
カバー部材15の内面は、後方に窪んでいる。言い換えると、カバー部材15は、前方に向って開口する有底筒状を呈し、カバー部材15の前面側に空間が形成されている。よって、後部開口部17及び周壁部14を介してボディ11内から後方に突出する部品の一部をカバー部材15内に収容することができる。
以下において、カバー部材15の内側空間(周壁部14の内側空間を含む)をカバー部材15内又は収容空間S2と称する場合がある。
【0058】
カバー部材15には、
図8(a),
図9に示すように、周壁部14の延出端部である後端部14aと対向する環状の保持部(対応部)15hを備えている。保持部15hは、カバー部材15の内周面から内側に突出しており、後端部14aに対応する形状となっている。保持部15hには、環状のシール部材18(
図3,
図11参照)が周壁部14の後端部14aとの間に圧着可能に介在されている。つまり、シール部材18は、カバー部材15の内側であって、リール本体10の外面に現れることのない位置に配置されている。保持部15hの内周縁部には、前方(後部開口部17)に向けて突出する縁リブ15jが形成されている。縁リブ15jは、保持部15hに保持される環状のシール部材18の径方向の移動を規制し、シール部材18が内側へ脱落するのを防止している。
なお、後端部14aは、カバー部材15の胴部15bの内側面にシール部材18を介して圧着するように構成してもよい。
【0059】
縁リブ15jは、周壁部14の後端部14aの内周側に配置され、
図5に示すように、縁リブ15jと後端部14aとの隙間が狭小となるように後端部14aとの間に位置してラビリンス構造を構成している。縁リブ15jと後端部14aとは、ハンドル軸5の軸方向から視て(側面視で)互いに重合している。
また、周壁部14の後端部14aおよび保持部15hの対向面は、シール部材18に向けて断面山形形状に突出している。これにより、ねじ部材30の締め付けによって、周壁部14の後端部14aと保持部15hとがシール部材18の内部に食い込むようになっており、ラビリンス構造に加えてさらに防水性の向上が図られている。
【0060】
図8(a)に示すように、合成樹脂製のカバー部材15の一側である上部内面における左上角部には、有底円筒状のボス部15dが前方(ボディ11側)へ向けて突出形成されている。ボス部15dには、螺合部としての金属製の雌ねじ部材35がインサート成形又は圧入、接着等で一体化されている。雌ねじ部材35には、ねじ部材30が螺合される。ボス部15dの前端部(雌ねじ部材35の前端部)は、
図9に示すように、保持部15h及び縁リブ15jよりも前方に突出している。
なお、保持部15hは、
図8(a)に示すように、ボス部15dの外周面に沿ってボス部15dの上側を迂回している。つまり、ボス部15dは、環状のシール部材18よりも内側となる内側領域に配置されている。
【0061】
カバー部材15の上部15cの前端部には、前方へ向けて円柱状に突出する上部突起15c1が形成されている。上部突起15c1は、ボス部15dの近傍位置に形成されている。本実施形態では、ボス部15dの上側となる部分に上部突起15c1が位置している。上部突起15c1が形成される上部15cの前端面15c11は、ボディ11の後部の対向する部位の傾斜に倣う傾斜面とされている。
【0062】
また、カバー部材15の保持部15hの左下角部には、
図8(a)に示すように、突起部15eが前方(ボディ11側)へ向けて突出形成されている。突起部15eは、ボディ11の周壁部14の左下角部に備わる位置決め穴14hに対向しており、周壁部14に対してカバー部材15を嵌合する際に、位置決め穴14hに挿入される。
【0063】
カバー部材15の他側である下部15aの前端部には、
図8(a)〜(c)に示すように、係合片15a1が前方へ向けて突出形成されている。係合片15a1は、カバー部材15の下部をボディ11に係合する係合部として機能する。係合片15a1は、
図8(a)に示すように、左右方向に長く、かつ上下方向に短く、前後方向から視て扁平に形成されており、周壁部14の下面に設けられた下部係合穴14jに対応した形状となっている。係合片15a1は、周壁部14にカバー部材15を嵌合する際にボディ11の下部係合穴14jに係合し、カバー部材15の下部15a側が下方へ抜け落ちるのを防止している。
【0064】
図8(b)(c)に示すように、カバー部材15の左側面15b1の前端縁15b11の形状と、右側面15b2の前端縁15b21の形状とは、非対称の形状とされている。
図8(b)に示すように、カバー部材15の左側面15b1の前端縁15b11は、ボディ11の左後縁(架橋部の左側縁)に沿った円弧形状とされている。一方、
図8(c)に示すように、カバー部材15の右側面15b2の前端縁15b21は、一部がボディ11の右後縁(後記する支持部材26の後端縁)に沿ったアールの小さい円弧形状とされている。
【0065】
なお、カバー部材15は、
図8(d)に示すように、後面視で左右非対称の形状に形成されているが、その形状は、ボディ11の後部の形状に合わせて適宜変更することができ、左右対称の形状とすることもできる。
【0066】
次に、ねじ部材30について説明する。
ねじ部材30は、
図3に示すように、リール本体10の前後方向に全長が大きく形成されたねじである。ねじ部材30は、
図7(a)に示すように、円柱状の軸部31と、軸部31よりも大径に形成された頭部32を備えている。また、ねじ部材30は、軸部31の他端(後端)に設けられた雄ねじ33と、雄ねじ33の他端(後端)から後方へ延出し、雄ねじ33より小径に形成された小径部34とを備えている。
【0067】
軸部31は、前後の挿通孔21a,21bに亘る長さを有している。頭部32は、
図3,
図4に示すように、ボディ前部12の底部12cに形成された凹部12c1に挿入されて保持される。
【0068】
雄ねじ33は、カバー部材15の雌ねじ部材35に螺合している。小径部34は、雄ねじ33を雌ねじ部材35に螺合した際に、雌ねじ部材35の内側を通って、雌ねじ部材35の底部35aに当て付けられるようになっている。底部35aに小径部34の端面が当て付けられて、ボディ11にカバー部材15が圧接固定される。
【0069】
ボディ11にねじ部材30を挿入する際には、ねじ部材30の他端側をボディ11の前方からボディ前部12内に差し込み、凹部12c1に挿入する。ねじ部材30は、凹部12c1を通じてねじ挿通孔21aに挿通された後、収容空間S1を通じて後側のねじ挿通孔21bに挿通され、カバー部材15の雌ねじ部材35に接触する。
【0070】
ねじ部材30を締め付ける方向に回転させると、雄ねじ33が雌ねじ部材35に螺合して頭部32とカバー部材15との距離が縮まり、カバー部材が前方に移動する。このときカバー部材15は、略四角枠形状の周壁部14に対して嵌合しているので、姿勢を崩すことなく前方に移動する。これにより、シール部材18の前面に周壁部14の後端部14aが略均一に食い込むとともに、シール部材18の後面にカバー部材15の保持部15hが略均一に食い込む状態となる。これにより、カバー部材15の保持部15hおよび周壁部14の後端部14aが、シール部材18に前後両側から密着する。加えて、カバー部材15の上部15cの前端面15c11がボディ11の後部の対向する部位に当接し、カバー部材15の下部の係合片15a1が、ボディ11の下部の下部係合穴14jに対して係合が深まる方向に押し付けられる。これにより、下部係合穴14jに対して係合片15a1が強く係合し、カバー部材15の下部側がボディ11から離脱することが防止される。
【0071】
その後、軸部31の他端の小径部34が雌ねじ部材35の底部35aに近づいて当て付けられ、締め付けが制限される。つまり、ねじ部材30の螺着時における圧着力が雌ねじ部材35の底部35aに対するねじ部材30の小径部34による度当てにより抑制される(
図7(b)参照)。したがって、ねじ部材30を螺合するためにボディ11の対応する部分を肉厚に形成する必要がない。これにより、ボディ11の小型化及び軽量化が可能となり、キャスティングや巻き取り操作等の魚釣操作性が向上する。
【0072】
以上のように、1つのねじ部材30による締め付けのみによって、カバー部材15をボディ11に好適に固定することができる。
なお、
図3に示すように、ねじ部材30を締め付けてボディ11にカバー部材15を固定した状態で、雌ねじ部材35の前端部は、その前方に位置する挿通孔21bの周壁の後端面との間に隙間を備えて対峙している。これにより、カバー部材15の固定時におけるシール部材18への密着性が確保されている。
【0073】
ボディ11の右側部には、
図12(a)(b)に示すように、取付部11hが凹設されている。取付部11hは、右側面視で後端側が先細りとされたカム形状を呈しており、ボディ11の右側部に設けられた円筒状のハンドル支持部11mの周りに形成されている。取付部11hには、同じく右側面視でカム形状を呈した支持部材26が取り付けられている(
図12(a)参照)。
【0074】
支持部材26は、
図13各図に示すように、板状を呈している。支持部材26は、ハンドル支持部11m(
図12(b)参照)を挿通する円孔26aを備えている。円孔26aの外周部には、円孔26aよりも大径の円形段部26a1が形成されている(
図13(a)(c)参照)。円形段部26a1には、
図5に示すように、ハンドル支持部11mに螺合して固定されるキャップ支持部材28aが当接している。これにより、支持部材26が取付部11hに抜け止め保持されている。
【0075】
図13(b)(c)に示すように、支持部材26の後側の左側部には、左側方へ突出する支持部としてのボス部26bが一体に形成されている。また、ボス部26bを囲うように、左側面視で略D字形状とされた支持リブ26cが一体に形成されている。支持リブ26cは、ボス部26bとともに左側方へ突出している、支持リブ26cは、円弧部26c1と円弧部26c1に連続する直線部26c2とを備えている。支持リブ26cは、
図14に示すように、ボディ11の右壁部20の挿入孔25の内形状に対応しており、挿入孔25内に挿通される。ボス部26b及び支持リブ26cは、
図4,
図5に示すように、取付部11hに支持部材26を取り付けると、挿入孔25を貫通し、収容空間S1内に配置される。
【0076】
ボス部26bには、
図5に示すように、軸受26gを介して連動歯車52が支持されている。ボス部26bは、連動歯車52の支軸として機能している。つまり、連動歯車52は、ボディ11に対して直接支持されることなく、ボディ11に取り付けられる支持部材26によって支持されるように構成されている。したがって、ボディ11は、その右側部の内面に、連動歯車52を支持するためのボス部を形成する必要のない構造となっている。
【0077】
支持リブ26cは、連動歯車52の右側面を受ける受け座として機能するものである。支持リブ26cの左端面は、
図13(c)に示すように、同一平面L上にある。ボス部26bの軸線O3は、この同一平面Lに対して直交する垂線となっている。これにより、支持リブ26cは、連動歯車52とドライブギャ6の歯車6aとの歯すじが真っ直ぐに噛み合うように、ボス部26bに対する受け座の垂直度を高精度に維持することができる。
これにより、ボディ11の内面の形状に関わりなく、連動歯車52の姿勢を所定の姿勢に保持することが可能である。
【0078】
例えば、ボディ11を合成樹脂材により成形する際の金型の抜き勾配によって、連動歯車52が配置される部位の右壁部20に傾斜が存在していても、この傾斜の影響を受けることなく、連動歯車52を所定の姿勢に保持することができる。また、ボディ11が金属製である場合には、連動歯車52の姿勢を維持するために、連動歯車52を設置する部分の右壁部20の内面を略平らに形成する加工が必要なくなる。したがって、製作工程を簡略化することができる。
なお、ボス部26bや支持リブ26cは、支持部材26に一体に形成されたものを示したが、これに限られることはなく、支持部材26と別体に形成して、支持部材26に組み付けられるように構成してもよい。
【0079】
支持リブ26cと連動歯車52との間には、シート状のワッシャ27が介設されている。ワッシャ27は、連動歯車52の滑らかな回転に寄与する。
【0080】
軸受26gは、
図5に示すように、内輪の右端がボス部26bの段部に当て付けられており、外輪の右端が連動歯車52の段部に当て付けられている。また、軸受26gは、内輪の左端がボス部26bのねじ穴26b1に螺合される止めねじ26fで抜け止めされている。
【0081】
取付部11hにおける挿入孔25の周縁部には、防塵防水用としてOリング25eが配置されている。
【0082】
支持部材26の外周部には、
図13(b)に示すように、周方向に間隔を空けて位置決め用ボス部26eが形成されている。位置決め用ボス部26eは、
図13(c)に示すように、先端部が外周部よりも突出している。位置決め用ボス部26eは、取付部11hの対応する位置に設けた円穴11e(
図12(b)参照)に係合可能である。また、支持部材26の外周部には、位置決め用ボス部26e間に肉抜き部26dが形成されている。
【0083】
次に、スプール往復動装置50の各構成の配置について説明する。スプール往復動装置50は、ボディ11とカバー部材15とにより形成される空間内(収容空間S1と収容空間S2)に以下のように配置されている。
【0084】
連動歯車52は、周壁部14及び後部開口部17を貫通するように外部後方からボディ11に組み付けられる。
図3に示すように、連動歯車52の一部(後部領域)が周壁部14内およびカバー部材15内に収容されている。
ガイド軸であるねじ部材30は、
図3,
図4に示すように、後部開口部17(
図2参照)を貫通し、その後端の雄ねじ33がカバー部材15のボス部15dの雌ねじ部材35に螺合している。したがって、ボディ11の後部にねじ部材30を固定するための構造を設ける必要が無くなり、ボディ11の後部の構成が簡単になるとともに、軽量化が促進される。
【0085】
そして、
図15(a)に示すように、摺動子51が偏芯突部54の押圧によって最後端位置に移動した場合、摺動子51の一部(後部領域)がカバー部材15内に収容される。
つまり、摺動子51の前後ストロークは、ボディ11の収容空間S1に限定されず、後方に拡大している。
このため、ボディ11の筒部21が円筒状に形成されてボディ11の下部側の収容空間S1が小さくなったとしても、所望の大きさの連動歯車52を使用することができ、スプール往復動装置50の前後往復動を確保できる。
また、カバー部材15が連動歯車52及び後部開口部17を液密に覆うため、海水や塵埃が連動歯車52に付着したり、ボディ11内に浸入したりするおそれがない。
【0086】
次に、側部開口部16と軸受部材13との詳細について
図4を参照して説明する。
図4に示すように、側部開口部16(筒部21の左端部)は、ボディ11内にドライブギャ6等の部品を組み込むための孔である。側部開口部16の内周面は、筒部21の内周面(
図3参照)と略同一径の円形状に形成されている。このため、ボディ11を大型化することなく比較的大径のドライブギャ6を筒部21内に容易に組み付けることができる。
また、側部開口部16の内周面には、雌ねじ部16aが形成されている。
【0087】
軸受部材13は、側部開口部16に装着されて側部開口部16を液密に閉塞するとともに、ハンドル軸5の左端側を支持する役割を成す部品である。
軸受部材13は、側部開口部16を閉塞する環状の蓋部13aと、蓋部13aの中央部で左右方向に開口する円筒部13bと、蓋部13aの内面(右側面)から右側に突出し側部開口部16内に挿入される挿入部13cと、を備える。
なお、円筒部13b内には、軸受5cが内嵌され、その軸受5cに支持されるハンドル軸5が円筒部13b内を貫通している。
【0088】
挿入部13cは、円筒状を呈し、外径が側部開口部16の内周面の径と略同一に形成されている。挿入部13cの外周面には、雄ねじ部13dが形成されている。そして、挿入部13cは、側部開口部16に挿入され、雄ねじ部13dが雌ねじ部16aに螺合している。これにより、軸受部材13が側部開口部16に締結し、軸受部材13がボディ11に固定されている。
【0089】
このような螺合による固定構造によれば、ボディ11内に挿入部13c(軸受部材13)が螺合し、ボディ11の強度が格段に向上する。また、挿入部13cの全周が筒部21(側部開口部16)に支持されているため、ハンドル操作時において軸受部材13に作用するハンドル軸5の荷重は、筒部21(側部開口部16)の全周に分散する。よって、ボディ11の耐久性が向上する。
なお、側部開口部16の雌ねじ部16a及び軸受部材13の雄ねじ部13dは、インサート成形により一体に組み付けられる金属製のものを用いてもよい。
【0090】
以上説明した魚釣用スピニングリール1では、カバー部材15の内部で周壁部がシールされるので、シール部材18が外部に晒されることがなく、シール部材18に対する外気や外部からの負荷の影響を回避できる。したがって、リール本体10の内部に対する良好な防水性および防塵性を長期間維持できる。
【0091】
また、カバー部材15の保持部15hの内周縁部に、後部開口部17に向けて突出する縁リブ15jが形成されているので、保持部15hにシール部材18を容易に装着して保持することができる。したがって、カバー部材15に対するシール部材18の組付性が高まる。また、縁リブ15jによって、シール部材18の位置ずれが規制され、保持部15h上にシール部材18が好適に保持される。したがって、シール性能を高めることができ、リール本体10の内部に対する良好な防水性および防塵性を長期間維持できる。
【0092】
また、周壁部14の後端部14aは、周壁部14に対するカバー部材15の取付方向に直交する平らな仮想面上にあるので、後端部14aをシール部材18に好適に密着させることができる。これにより、シール性能が向上し、リール本体10の内部に対する良好な防水性および防塵性を実現することができる。
【0093】
また、カバー部材15は、周壁部14を覆うように嵌合され、1つのねじ部材30で固定される。これにより、カバー部材15は、ボディ11の後部開口部17の周縁部に嵌合取着されて位置決めされるので、保持状態が安定する。
【0094】
また、周壁部14の後端部14aの全体は、ボディ11の後端部11fより後方に位置しているので、周壁部14に対するカバー部材15の嵌合代を確保することができる。また、ボディ11の後端部11fに連続する周壁部14の大きさを確保することができるので、ボディ11が合成樹脂材で形成されている場合に、ボディ11の後端部11f周りにヒケが生じ難くなり、ボディ11の変形を防止できる。
【0095】
また、側部開口部16に軸受部材13が螺合して固定されるので、軸受部材13が側部開口部16に対して周方向に均一な締結力をもって固定される。また、軸受部材13をボディ11に固定するための複数のねじ等を不要とすることができ、部品点数の削減を図れると共に組み込み、分解性が向上する。さらに、軸受部材13の取付強度を十分に確保することができる。軸受部材13の取付強度を十分に確保することができるので、ハンドル軸5の支持精度、ひいてはボディ11の内部に備わるピニオンギャ7aに噛合するドライブギャ6の支持精度が向上維持される。また、円形の軸受部材13の螺合による取り付けによって、ボディ11の側部開口部16が補強されるのでボディ11自体の強度も向上する。
加えて、合成樹脂材のボディ11において、ボディ11の後部に周壁部14が設けられていることで、後部開口部17や側部開口部16の周りにヒケが生じ難くなる。これにより、ボディ11の変形を防止でき、側部開口部16に対する軸受部材13の螺合精度を向上することができる。
【0096】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。
例えば、周壁部14は、スプール軸8方向から視て略四角枠形状を呈するものを示したがこれに限られることはなく、楕円形状や長円形状等の種々の形状のものを採用することができる。
【0097】
また、周壁部14の後端部14aは、スプール軸8の中心軸О1(
図2参照)に直交する直交面としたものを示したが、これに限られることはなく、中心軸O1に傾斜して交差する傾斜面としてもよい。また、後端部14aは、側面視で弧状に形成してもよく、種々の形状のものを採用することができる。
【0098】
また、前記実施形態では、スプール軸8の後部の突出部8aに連結固定した摺動子51を、ハンドル軸5に連動回転する連動歯車52(構成部材)の偏芯突部54に係合させ、ハンドル軸5の回転をスプール軸8の前後往復動に変換させるスプール往復動装置50で説明したが、これに限られることはなく、例えば、ピニオンギャ7aを有する駆動軸筒7に連動回転する公知の螺軸(構成部材)に摺動子51を係合させてなるスプール往復動装置に実施してもよい。