【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1、3、53および54の主題により達成される。
【0008】
ホイルの転写プライを基板に塗布する方法は、
a)インクジェットプリントヘッドにより、ラジカル硬化接着剤を転写プライおよび/または基板に部分的に塗布するステップと、
b)UV照射により、接着剤を予備硬化させるステップと、
c)スタンピング装置により、転写プライを基板に塗布するステップと、
d)UV照射により、接着剤を完全に硬化させるステップと、
e)転写プライからホイルのキャリアプライを剥がすことにより、転写プライの少なくとも1つの第1部分領域を基板の塗布領域に残し、転写プライの少なくとも1つの第2部分領域をキャリアプライに残すステップと、
f)転写プライの残りの第2部分領域でキャリアプライを巻き取りまたは巻き戻すステップと、
g)ステップa)〜f)を少なくとも1回繰り返すことにより、キャリアプライに残る転写プライの少なくとも1つの別の部分領域を基板に塗布するステップと、を備える。
【0009】
ホイルの転写プライを基板に塗布する別の方法は、
a)熱可塑性トナーを、基板の少なくとも1つの部分領域および/または別のホイルの転写プライの少なくとも1つの部分領域に部分的に塗布するステップと、
b)スタンピング装置により、転写プライを基板に塗布するステップと、
c)圧力および熱を、転写プライおよび/または基板に加えるステップと、
d)ホイルのキャリアプライを剥がすことにより、転写プライの少なくとも1つの第1部分領域を基板の塗布領域に残し、転写プライの少なくとも1つの第2部分領域をキャリアプライに残すステップと、
e)転写プライの残りの第2部分領域でキャリアプライを巻き取りまたは巻き戻すステップと、
f)ステップa)〜e)を少なくとも1回繰り返すことにより、キャリアプライに残る転写プライの少なくとも1つの別の部分領域を基板に塗布するステップと、を備える。
【0010】
このような方法の実施に適した塗布装置は、
ホイルを供給する供給ローラと、
ラジカル硬化接着剤を転写プライおよび/または基板に部分的に塗布するためのインクジェットプリントヘッドと、
ホイルの搬送方向でインクジェットプリントヘッドの下流に設けられ、UV照射により接着剤を予備硬化させる第1UV光源と、
ホイルの搬送方向で第1UV光源の下流に設けられ、転写プライを基板に塗布するローラ装置と、
ホイルの搬送方向でローラ装置の下流に設けられ、UV照射により接着剤を完全に硬化させる第2UV光源と、
ホイルの搬送方向で第2UV光源の下流に設けられ、転写プライの第1部分領域が基板の塗布領域に残り、転写プライの第2部分領域がキャリアプライに残るように、ホイルのキャリアプライを剥がす剥離ユニットと、
ホイルおよび/またはホイル搬送装置の位置的特徴を検出する少なくとも1つの第1センサと、を備える。
【0011】
別の塗布装置は、
ホイルを供給する供給ローラと、
ホイルの搬送方向で供給ローラの下流に設けられ、ラジカル硬化接着剤を塗布するインクジェットプリントヘッド、および/または、熱可塑性トナーを転写プライの少なくとも1つの部分領域に塗布する印刷装置と、
ホイルの搬送方向でインクジェットプリントヘッドおよび/または印刷装置の下流に設けられ、接着剤および/またはトナーが塗布された転写プライの少なくとも1つの部分領域を基板に塗布する少なくとも1つのローラ装置と、
ホイルの搬送方向でローラ装置の下流に設けられ、転写プライの少なくとも1つの第1部分領域が基板の塗布領域に残り、転写プライの少なくとも1つの第2部分領域がキャリアプライに残るように、転写プライの少なくとも1つの部分領域からホイルのキャリアプライを剥がす剥離ユニットと、
ホイルおよび/またはホイル搬送装置の位置的特徴を検出する少なくとも1つの第1センサと、を備える。
【0012】
方法および装置において、UV硬化接着剤の使用と、熱可塑性トナーの使用とを任意に組み合わせることができる。
【0013】
記載した方法および装置により、使用されるデジタルインクジェットプリント方法によりスタンピングデザインを柔軟に構成することができる。
【0014】
また、第1塗布後、ホイルのレイアウトが認めれば、ホイルを1回以上使用することができ、転写されていない転写プライの領域を、別の塗布ステップにより、同じまたは異なる基板に転写することができる。
【0015】
したがって、所望の形状の転写プライ領域を塗布することができ、同時に、転写プライの材料の使用を最適化することでき、その結果、材料の処分を最小限にすることができる。
【0016】
基板を不透明、半透明または透明とすることができる。その結果、特に、反射光で見たとき、透過光で見たとき、ホイルの塗布された転写プライと組み合わせて、または、照明、後方からの照明および/または透過照明と組み合わせて、特別な外観および効果を達成することができる。
【0017】
ホイルの転写プライは、様々な装飾またはモチーフを有する。これらの装飾またはモチーフは、例えば、単色である、並びに/または、多色連続パターンおよび/若しくは多色レジスタ個別画像パターンである。このような個別画像パターンは、特に、基板に正確に位置決めされている。
【0018】
装飾またはモチーフは、少なくとも部分的に不透明、半透明、または、透明領域を有し、それぞれに、染料、色顔料、金属顔料および/または光学可変効果顔料が塗布されている。
【0019】
更に、装飾またはモチーフには、少なくとも部分的に、ミラー状の反射層が蒸着により設けられている。反射層は、金属、例えば、アルミニウム、銅、クロム、または、それらの合金からなり、特別な光学効果をもたらす。この場合、反射層はスパッタリング、蒸着により塗布されることが好ましい。これらの方法により、高品質で特に一定層厚を有する反射層を得ることができる。この場合、反射層は部分的に塗布されることが好ましい。これは、反射層の塗布中に、例えば、マスクまたは部分コーティング層を用いて行うことができる。マスクまたは部分コーティング層は、除去可能であり、予め塗布されている。また、反射層は、先ず全エリアに塗布され、その後、パターン化させることもできる。このパターン化は、例えば、エッチングにより達成することもできる。エッチング剤は、反射層の組成に合わせて選択され、除去される領域においてのみ反射層と接触する。これは、例えば、エッチングレジストによる反射層の部分的なマスキング、または、エッチング剤の部分印刷塗布により達成される。
【0020】
更に、装飾またはモチーフには、少なくとも部分的に、複製層が設けられている。複製層は、光学効果レリーフ構造、例えば、回折および/または反射レリーフ構造を有する。複製層の厚さは、50nm〜50μmの範囲、好ましくは200nm〜1μmの範囲である。特に、レリーフ構造は、好ましくは線状または交差正弦波回折格子、線状または交差単段または多段矩形格子、ゼロ次回折構造、非対称レリーフ構造、ブレーズ格子、好ましくは等方性または異方性、マット構造、または、光回折および/または光反射および/または光フォーカスナノ構造またはマイクロ構造、バイナリまたは連続フレネルレンズ、バイナリまたは連続フレネル自由曲面、マイクロプリズム構造、若しくは、それらの組み合わせ構造を備える。
【0021】
キャリアホイルの層厚は、6μm〜100μm、好ましくは12μm〜50μmである。
【0022】
ホイルは保護層を備えることが更に好ましい。保護層は、特に、UV硬化ニス、PVC、ポリエステル、または、アクリレートからなる。この層は、キャリアプライと、転写プライとの間に配置される。キャリアプライとは対照的に、転写プライが基板に塗布されると、このような保護層は、転写プライに残り、外表面を形成する。したがって、保護層は、転写プライの高感度な他の層を、環境効果、汚れ、傷等から保護することができる。この保護層には表面レリーフを設けることもできる。この手段により、別の興味深い光学的および/または機能的効果を組み合わせることができる。このような効果とは、例えば、装飾カラーにより触覚的な表面または動的艶消し勾配である。表面レリーフと印刷エレメントとを組み合わせるこのような組み合わせ効果は、視覚的な魅力および/またはその結果の機能性を向上させる。保護層の厚さは、通常、1μm〜20μm、好ましくは3μm〜10μmであることが有益である。表面レリーフの負型がローラの表面に彫刻またはエッチングにより作られる、若しくは、挿入エレメントにより作られるように、このような表面レリーフを保護層に組み込むことができる。塗布中、ホイルの保護層は、この金型部分に対して押し付けられ、これにより、表面レリーフは保護層に形成される。
【0023】
別の実施例では、ホイルは分離層を有する。分離層は、特に、ワックス層および/または強いフィルム構造のアクリレートからなり、キャリアプライと、保護層との間に配置される。転写プライが基板に塗布される場合、このような分離層は、容易にキャリアプライを損傷させずに、キャリアプライから転写プライを分離させることができる。この場合、通常、分離層の厚さは、5nm〜1μm、好ましくは10nm〜1μmであることが有益である。
【0024】
更に、ホイルは接着促進層を有することが好ましい。接着促進層は、キャリアプライと反対の反射層の面に設けられている。この接着促進層は、高温溶解接着剤、低温接着剤、光または熱活性可能接着剤、UV活性可能接剤等を備え、接着剤をホイルに効果的に接着させることができる。この場合、接着層の厚さは、50nm〜50μm、好ましくは0.5μm〜10μmであることが有益である。
【0025】
好ましい実施例では、装飾またはモチーフは、印刷、特に、スクリーン印刷、グラビア印刷、インクジェット、彫刻スチールグラビア印刷(凹版印刷)、または、オフセット印刷により、少なくとも部分的に塗布されている。これらの印刷方法は、互いに順番に組み合わせることができ、複数の印刷層および複雑な光学効果を有する装飾またはモチーフを生成する。代替的にまたは追加的に、装飾またはモチーフを表面コーティング、キャスティング、ディッピングおよび/または蒸着により、少なくとも部分的に塗布することができる。特に、薄膜層システムは複数の層からなる。
【0026】
接着剤の部分的な塗布とは、ここでは、接着剤が転写プライおよび/または基板の第1領域へ塗布されること、接着剤が転写プライおよび/または基板の第2領域へ塗布されないことを意図する。
【0027】
このため、インクジェットプリントヘッドは、デジタルデータセットの規定により駆動することが好ましい。デジタルデータセットは、接着剤が塗布される領域および/または塗布量を規定する。
【0028】
ラジカル硬化接着剤の予備硬化は、塗布の品質を向上させる。特に、ローラ装置において、転写プライが基板に押し付けられる前に、接着剤の粘度を上昇させる。これは、転写中、塗布された接着剤のピクセルの流出または過剰なにじみを防ぐ。このため、基板への転写プライの鮮明な塗布と、転写された層の一部での高い表面品質とを達成する。隣接する接着剤のピクセルを互いに近づけ、直接結合させるために、接着剤のピクセルのわずかなにじみは望ましい。これは、例えば、連続エリアおよび/またはモチーフエッジの場合、ピクセル化された外観、すなわち、個々のピクセルが視覚的外観を乱すことを避けるために有益である。ここでのにじみは、所望の解像度があまり低下しない程度に生じる。
【0029】
記載した方法による転写プライの特に鮮明な塗布は、塗布後にキャリアプライに残る転写プライの領域が鮮明に規定され、別の塗布に実質的に使用できないことが保証される。
【0030】
また、カチオン硬化接着剤と比較して、ラジカル硬化接着剤の使用は、ホイルの塗布前に接着剤の予備硬化を可能にする特に急速な硬化の利点をもたらす。更に、カチオン系とは対照的に、完全なラジカル硬化の場合、酸を形成しないことから、酸の相溶性に関して使用可能な基板に制限はない。
【0031】
連続デザインを有するホイルだけでなく、個別の画像デザインを有するホイルを使用することができる。いずれの場合でも、スタンピングを正確に行うことができる。したがって、特に、個々のイメージが規定の領域で正確に基板に転写されるように、ホイルを位置決めすることができる。この目的のため、UV接着剤は、接着剤を使用して単一画像を正確に基板に転写するために、ホイルまたは基板の正確な位置で、特に個別の画像に対して正確に、ホイルまたは基板に均一に印刷される必要がある。
【0032】
これは、記載した方法により、3つの基準を監視することができることから可能である。3つの基準は、基板の位置、ホイルの位置、ホイルまたは基板への接着剤の印刷の位置である。
【0033】
この目的のため、少なくとも1つの第1センサにより、ホイルおよび/またはホイル搬送装置の位置的特徴が検出され、ホイルに関係する少なくとも1つの第1位置データが生成されることが有益である。
【0034】
ホイル、基板、および、接着剤の所望の相対位置を保証するように、位置データに基づいて、装置を駆動することができる。
【0035】
第1位置データがキャリアプライに残っている転写プライの領域および/または範囲を備えることが有益である。
【0036】
この位置データに基づいて、複数塗布を行う場合、所望のデザインが完全に転写されること、最適な材料が使用されること、を保証することができる。
【0037】
更に、少なとも1つの第2センサにより、基板および/または基板搬送装置の位置的特徴が検出され、基板に関する少なくとも1つの第2位置データが生成されることが好ましい。
【0038】
装置および/またはホイルの塗布を制御するために、位置データを、単独でまたは他の位置データと組み合わせて利用することができる。基板の他のデザインエレメントまたは機能エレメントに対してホイルが正確に塗布される場合、第2位置データの生成は特に有益である。
【0039】
基板の位置的特徴および/またはホイルの位置的特徴がレジストレーションマークを備えることが有益である。レジストレーションマークは、基板の製造中に設けられたレジストレーションマーク、および/または、インクジェットプリントヘッドにより塗布されたレジストレーションマーク、および/または、デザイン特徴である。デザイン特徴は、基板および/またはホイルおよび/またはシートエッジのデザイン特徴である。シートエッジは、基板および/またはホイルのシートエッジである。
【0040】
したがって、ホイルまたは基板の位置的特徴の形状およびデザインは、実質的に、自由に選択可能であり、記載した方法はいかなるデザインの制限も必要としない。
【0041】
少なくとも1つの第3センサにより、インクジェットプリントヘッドの領域において、ホイルおよび/またはホイル搬送装置の位置的特徴が検出され、ホイルに関する少なくとも1つの第3位置データが生成されることが更に有益である。
【0042】
これにより、ホイルの正確な位置がインクジェットプリントヘッドの近くで検出されることから、インクジェットプリントヘッドと、ホイルとの相対位置を正確に設定することができる。これは、特に正確な接着剤の塗布を保証する。
【0043】
基板搬送装置および/またはホイル搬送装置および/またはインクジェットプリントヘッドに予め送信された制御指令に基づいて、第1、第2、第3位置データの少なくとも1つが生成および/または訂正/および/または検証されることが有益である。
【0044】
このようにして、既知の開始位置および前に行われたホイルまたは基板の搬送作業から始まり、ホイルおよび/または基板の位置を決定することができる。この情報は、一方で、センサなしで行うために用いることができ、他方で、センサのデータの監視および/または較正の為に使用することのできる追加のデータを生成することができる。
【0045】
少なくとも1つの部分領域および/または少なくとも1つの別の部分領域が、位置データの少なくとも1つの関数として、インクジェットプリントヘッドおよび/または基板の塗布領域に対して規定相対位置に位置決めされることが有益である。
【0046】
すなわち、この方法により、位置データに基づいて、基板の塗布領域への転写プライの部分領域の所望の正確な転写を保証することができる。
【0047】
レジスタ精度とは、お互いの少なくとも2つのエレメントおよび/または領域および/または層の位置精度を意図する。この場合、レジスタ精度は、所定の許容範囲内で変化するが、その変化をできるだけ小さくする必要がある。同時に、お互いに少なくとも2つのエレメントおよび/または層のレジスタ精度は、偽造防止セキュリティを向上させるために重要な特徴である。特に、光学的に検出可能なレジストレーションまたはレジスタマークにより、正確な位置決めを行うことができる。これらのレジストレーションまたはレジスタマークは、特定の個別エレメント、領域または層を示し、若しくは、位置決めされるエレメント、領域または層の一部である。
【0048】
合計で最大3つの入力変数と、3つの制御変数とが利用される。入力変数は、すなわち、第1から第3センサのうちの少なくとも1つから得られる測定データである。制御変数は、特に、ホイルおよび基板の搬送速度、装置の制御または規制のための
プリントヘッドの位置決めである。その結果、制御または規制ロジックの実施のための複数の可能性が得られる。
【0049】
一方、ホイル搬送装置を、少なくとも1つの第2位置データの関数として、制御または規制することができる。
【0050】
基板搬送装置および/またはインクジェットプリントヘッドは、ホイル搬送装置のための制御データと、第1および/または第3位置データの関数として、制御および/または規制されることが有益である。
【0051】
したがって、この場合、第2の位置データ、すなわち基板に関するデータは、マスタ入力変数となる。このマスタ入力変数に応じて制御が行われる。これをいくつかの方法で実施することができる。
【0052】
まず、基板の印刷マークセンサ、すなわち、第2センサを用いて制御を実施することができる。これに応じて、ホイルおよびインクジェットプリントヘッドの搬送量が制御される。
【0053】
代わりに、基板の印刷マークセンサを制御に使用することができる。これに応じて、ホイルの規制、ホイルマーク、すなわち、第1センサからの測定値により、インクジェットプリントヘッドのその後の規制および/または駆動を行う。
【0054】
ホイル搬送の規制をせずに行うことも可能である。この場合、ホイルマーク、すなわち第1センサ、または、基板の印刷マーク、すなわち第2センサにより、印刷の規制のみを行う。
【0055】
更に、基板の印刷マークセンサによる制御を、第2センサからのデータに基づいてホイルの規制により実施することができる。この場合、印刷の規制は不要である。
【0056】
代わりに、ホイルに関する少なくとも1つの第1位置データの関数として、基板搬送装置を制御または規制することができる。
【0057】
この場合、ホイル搬送装置および/またはインクジェットプリントヘッドは、基板搬送装置のための制御データと、第2および/または第3情報データとの関数として、制御および/または規制されることが有益である。この場合、第1の位置データ、すなわち、ホイルに関するデータは、マスタ入力変数となる。マスタ入力変数に応じて制御が行われる。これをいくつかの方法で実施することができる。
【0058】
ホイルの印刷マークセンサ、すなわち、第1センサを用いて制御を行うことができ、これに応じて、基板およびインクジェットプリントヘッドの搬送量が制御される。
【0059】
代わりに、ホイルの印刷マークセンサを制御に使用することができる。これに応じて、基板マーク、すなわち、第2センサからの測定値により、基板の搬送量の規制と、インクジェットプリントヘッドの駆動およびその規制とを行うことができる。
【0060】
基板搬送を規制せずに行うこともできる。この場合、基板、すなわち第2センサ、または、ホイルの印刷マーク、すなわち第1センサにより、印刷の規制のみを行う。
【0061】
更に、ホイルの印刷マークセンサによる制御を、第1センサからのデータに基づいて基板の規制により行うことできる。この場合、印刷の規制は不要である。
【0062】
搬送手段は、ホイルの伸張を1‰〜6‰、好ましくは3‰の値に設定することが好ましい。
【0063】
正確なガイドを保証するために、ホイルのある程度の基本的な伸張が必要である。ホイル搬送を監視し、ホイルと、プリントヘッドと、基板との正確な位置合わせを行うために、伸張量変えることができる。
【0064】
この場合、ホイルと、基板および/またはインジェットプリントヘッドとの間の所定の相対位置を設定するために、搬送手段は、少なくとも1つの位置データに基づいてホイルの伸張を変えることが有益である。
【0065】
接着剤は、インクジェットプリントヘッドを用いて塗布されることが好ましい。インクジェットプリントヘッドは、300〜1200ノズル/インチ(npi)の解像度を有する。これにより、高い解像度で接着剤を塗布することができ、繊細なホイル構造も鮮明に転写することができる。通常、プリントヘッドの解像度は、dpi(ドット/インチ)で転写プライの接着剤の液滴で達成された解像度に対応する。
【0066】
接着剤は、30μm〜80μmのノズル間隔を有するインクジェットプリントヘッドを用いて塗布されることが更に好ましい。
【0067】
特に、印刷方向に対して横方向に小さなノズル間隔は、転写された接着剤の液滴が転写プライで互いに十分近接している、または、重なり合っていることを保証する。これにより、有効な接着性が印刷面全体で得られる。
【0068】
接着剤が1.6g/m
2〜7.8g/m
2のコーティング重量、および/または、1.6μm〜7.8μmの層厚で塗布されることが好ましい。有効な接着性を保証するこの範囲で、使用される基板の関数、特に、基板の吸収力の関数として、接着剤の塗布率および/または層厚を変えることができ、塗布を更に最適化する。
【0069】
インクジェットプリントヘッドが6kHz〜110kHzの周波数の接着剤の液滴を提供することが有益である。10m/分〜30m/分のホイル印刷の慣習的な搬送速度では、搬送方向で300dpi〜1200dpiの所望の解像度を達成することができる。
【0070】
インクジェットプリントヘッドは、2pl〜50plの容量を有する接着剤の液滴を±6%未満の許容範囲で提供することが好ましい。したがって、記載した塗布解像度および塗布速度により、接着剤の必要な量が均一に塗布される。
【0071】
インクジェットプリントヘッドは、±15%未満の許容範囲で5m/秒〜10m/秒の対気速度を有する接着剤の液滴を提供することが好ましい。その結果、接着剤の液滴の偏りは、プリントヘッドからの転写中、空気の吸引により最小限に抑えられ、接着剤の液滴は、所望の配置で落下する。
【0072】
接着剤は、40℃〜45℃の塗布温度および/または5mPas〜20mPas、好ましくは7mPas〜15mPasの粘度で塗布されることが有益である。プリントヘッドの温度制御は、接着剤が所望の粘度を有することを保証する。粘度は、転写プライに塗布された接着剤のピクセルサイズおよびピクセル形状に依存し、所定の値により、接着剤の最適な印刷性能が保証される。
【0073】
接着剤がプリントヘッドを離れ、外気および/または転写プライと接触するとすぐに、冷却が始まる。この冷却は接着剤の粘度を上昇させる。冷却の効果は、転写された接着剤の液滴の流出または広がりを防ぐ。
【0074】
接着剤の塗布中のインクジェットプリントヘッドと、基板との間隔は、1mm未満であることが有益である。
【0075】
また、これは、接着剤への空気の吸引の影響を減らす。
【0076】
接着剤の塗布中のインクジェットプリントヘッドと、転写プライおよび/または基板との相対速度は、約10m/分〜100m/分、好ましくは約10m/分〜75m/分であることが好ましい。
【0077】
特に、上記パラメータと組み合わせたこれらの速度により、転写プライに印刷された接着剤の所望の解像度が得られる。
【0078】
この場合、接着剤が以下の組成(%は容量%を示す)により使用されることが好ましい。
2-フェノキシルエチルアクリレート 10%〜60%、好ましくは25%〜50%;
4-(1-オキソ-2-プロペニル)モルフォリン 5%〜40%、好ましくは10%〜25%;
exo-1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イルアクリレート 10%〜40%、好ましくは20%〜25%;
2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド 5%〜35%、好ましくは10%〜25%;
ジプロピレングリコールジアクリレート 1%〜20%、好ましくは3%〜10%;
ウレタンアクリレートオリゴマー 1%〜20%、好ましくは1%〜10%;
カーボンブラック顔料 0.01%〜10%、好ましくは0.1%〜0.5%。
【0079】
このような組成は、所望の特性、特に、急速な完全硬化と、粘度とを保証する。この粘度は、良好な印刷性能と、安定した鮮明な塗布とを可能にする。
【0080】
1g/ml〜1.5g/ml、好ましくは1.0g/ml〜1.1g/mlの密度を有する接着剤を使用することが有益である。
【0081】
接着剤を、塗布後、0.02秒〜0.025秒で予備硬化させることが好ましい。この方法により、接着剤は、予備硬化により、印刷後直ちに転写プライまたは基板に固定される。したがって、接着剤の液滴の流出または広がりが大幅に回避され、高い印刷解像度が実質的に維持される。
【0082】
接着剤がUV光により予備硬化されることが有益である。UV光は、エネルギーの少なくとも90%が380nm〜420nmの間の波長域で照射される。これらの波長では、上記した接着剤の組成の場合、完全なラジカル硬化が確実に開始される。
【0083】
2W/cm
2〜5W/cm
2の総照射度、および/または、0.7W/cm
2〜2W/cm
2の正味照射度、および/または、8mJ/cm
2〜112mJ/cm
2の接着剤へのエネルギー入力で、接着剤を予備硬化させることが有益である。これにより、接着剤は所望の粘度に上昇するが、完全には硬化しないことから、基板への転写プライの塗布中に、接着剤の必要な接着性が維持される。
【0084】
接着剤は、0.02秒〜0.056秒の露光時間で予備硬化されることが好ましい。基板の上記搬送速度と、上記照射度とにより、予備硬化に必要なエネルギー入力がこのように保証される。
【0085】
接着剤が予備硬化されると、接着剤の粘度が50mPas〜200mPasに上昇することが有益である。このような方法での粘度の上昇は、転写プライが基板に塗布された場合、接着剤の液滴がにじみ出ないことを保証する。これにより、接着剤の印刷中に達成された解像度で転写プライを基板に実質的に塗布することができる。
【0086】
転写プライの少なくとも1つの部分領域は、加圧ローラと対圧ローラとの間の基板に塗布されることが好ましい。このような方法により、基板の全幅に均一な線圧がかかり、高品質な転写プライが均一に塗布される。
【0087】
接着剤が塗布された転写プライの少なくとも1つの部分領域は、10N〜80Nの圧力で基板に塗布されることが有益である。方法を基板の性質に適合させ、基板の損傷または変形を防止するために、加えられる圧力を、この範囲内で変えることができる。
【0088】
転写プライを様々な基板に塗布することができる。例えば、コーティング面および非コーティング面を備える紙基板、自然紙、プラスチック(PE、PP、PET)、ラベル付き材料、並びに、ガラスまたはセラミックに、転写プライを塗布することができる。プラスチック、ガラス、または、セラミックの基板の場合、コロナ処理、プラズマ処理、または、火炎処理等により、基
板への接着剤の接着性を向上させるために、事前処理が役に立つ。より滑らかな基板面により良好な塗布結果が得られる。
【0089】
1つの実施例では、ホイルを回転転写機または線形転写機の3次元形状の基板に塗布することができる。3次元形状の基板は、例えば、円筒、楕円、矩形、または平坦基板である。ここでは、ホイルの塗布は、基板で行われる作業の一部である。このような機械では、例えば、ホイル塗布の前および/または後で、様々な印刷および/またはコーティング手順が存在する。ホイルの塗布中、特に、回転軸回りに回転するように、または、保持手段によりしっかりと固定されるように、基板は保持され、ホイルの転写プライがプレス手段により基板に押し付けられると同時に接着剤は硬化される。
【0090】
プレス手段は、UV照射に対して少なくとも部分的に透明であることが好ましい。これにより、UV照射が生じるUV照射源と、保持手段との間に、プレス手段を配置することができる。プレス層が透明である領域を、保持手段が透明である領域によりガイドすることができる。代わりに、プレス層を完全に透明にすることもでき、保持手段を部分的に透明にすることもできる。
【0091】
プレス手段および/またはプレス層は、250nm〜420nm、好ましくは380nm〜420nm、更に好ましくは380nm〜400nmの波長域でのUV照射で透明または半透明であることが好ましい。ここでの透明度または半透明度は、30%〜100%、好ましくは40%〜100%である。ここでは、透明度または半透明度はプレス層の厚さに依存する。低透明度または半透明度は高いUV強度で補償される。
【0092】
例えば、UV照射源をプレス手段のシリンダ内に配置することもできる。このため、シリンダは、少なくとも部分的に中空シリンダとして構成される。シリンダの材料は、接着剤の硬化に必要なUV照射の波長がシリンダを透過するように選択される。シリンダをUV照射で完全に透明にすることができる。代わりに、透明窓をシリンダに設けることもできる。これにより、接着剤の硬化のためにUV照射が必要な場合にのみシリンダからUV照射が発生する。
【0093】
例えば、UV照射を用いて露光される基板の領域を調整することができる。転写ホイルが接着剤に押し付けられると、UV接着剤の硬化が促進され、ホイルの転写プライが基板に接着し、転写プライをキャリア
プライから分離させることができる。このため、使用される接着剤およびUV照射の強度に応じて、基板とフィルムとの間の接触線の前で接着剤を基板に露出させることが必要である。例えば、UV照射源と、基板との間の(調整可能または交換可能な)スクリーンにより、露出する領域を調整することができる。少なくとも1つのスクリーンを、直接、プレス手段に取り付けることができる。UV照射源から出射したUV照射の発散を調整することにより、調整を行うこともできる。
【0094】
この方法の更に好ましい実施例では、加圧装置は、保持手段に柔軟なプレス層を有する。これにより、3次元基板、ホイル、および/または、機械構造における不規則性を補償することができる。柔軟なプレス層を、例えば、シリコーンから構成することができる。
【0095】
プレス手段および/またはプレス層は、シリコーンからなることが好ましく、UV照射領域では、1mm〜20mm、好ましくは3mm〜10mmの範囲の厚さを有することが好ましい。シリコーンは、20°ショアA〜70°ショアA、好ましくは20°ショアA〜50°ショアAの硬さを有することが好ましい。シリコーンを高温加硫物または低温加硫物とすることができ、好ましくは高温加硫物とすることができる。
【0096】
プレス手段および/またはプレス層を、複数のシリコーン層から構成することができる。この場合、それぞれのシリコーン層は異なる硬さを有することができる。例えば、第1内側層は、10°ショアA〜50°ショアA、好ましくは15°ショアA〜35°ショアA、の硬さを有し、外側層は、20°ショアA〜70°ショアA、好ましくは20°ショアA〜50°ショアAの硬さを有することができる。
【0097】
例えば、圧力嵌合方法および/または形状嵌合方法により、プレス手段をプレス層に接続することができる。これにより、特に耐久性のある接続が可能になる。
【0098】
プレス層の形状を、平坦または3次元(平滑または構造化/テクスチャ表面を有する3次元半球または湾曲輪郭)とすることができる。平坦なプレス層は、円筒形状へのホイルの塗布に特に適しており、3次元形状のプレス層は、非円形状、楕円形状、および、角度形状に特に適している。プレス層への構造化および/またはテクスチャ面は、ホイルの転写プライを転写する場合、重ね合わせ方法で、この構造および/またはテクスチャを基板の表面に転写するために有益である。構造および/またはテクスチャを、連続パターンまたは連続モチーフとすることができ、若しくは、個別パターンおよび/またはモチーフ、若しくは、それらの組み合わせとすることができる。
【0099】
試験では、プレス層のシリコーン面の表面が処理されるホイルに対して接着性を有することがわかっている。この場合、このような接着剤面の表面硬さ(硬さの平均値)は、約0.5μm未満、すなわち、0.06μm〜0.5μmの間、好ましくは0.1μm〜0.5μmの間である。このような接着剤面では、例えばPETからなる中間層がプレス層とホイルとの間に設けられていると有益である。ホイルがプレス層の表面に接着しなくなることから、中間層は、プレス層の接着性を低下させ、ホイルの加工を大幅に容易にする。中間層の厚さは、シリコーンダイ補償効果の有効な硬さを上昇させる。以下に、数値実施例を示す。
【0100】
15μmの中間層(PETホイル)を有するシリコーン(49°ショアA)からなる5mmのプレス層は、73°ショアAをもたらす(49%の上昇に相当)。
50μmの中間層(PETホイル)を有するシリコーン(49°ショアA)からなる5mmのプレス層は、85°ショアAをもたらす(70%の上昇に相当)。
15μmの中間層(PETホイル)を有するシリコーン(47°ショアA)からなる10mmのプレス層は、71°ショアAをもたらす(51%の上昇に相当)。
50μmの中間層(PETホイル)を有するシリコーン(47°ショアA)からなる10mmのプレス層は、78°ショアAをもたらす(59%の上昇に相当)。
【0101】
これらの情報に対し、ショアA測定方法の測定条件の定義に基づいて、プレス層と中間層とサンドイッチ構造の測定は実際には許容されないことに留意すべきである。ショアA測定方法は、0mm〜2.5mmの間の試験片の浸入深さを測定し、6mmの最小試験片厚を規定する。したがって、ショアA測定方法と併せた中間層の結果として、見かけ上の硬さは、実際に存在する硬さよりも大きい。測定値を、実際の/有効硬さについての結果を導くことに使用することはできない。サンドイッチ構造の有効硬さは、シリコーンダイの硬さよりも大きく、ホイルは、シリコーン層の厚さにかかわらず、サンドイッチ構造の全体の硬さを支配し、定義するということが全てである。
【0102】
プレス層には、非接着剤層が設けられていることが好ましい。これにより、中間層の使用を省略することができる。この場合、全体的の配置がより軟らかくなることから、小さな押付力で基板をプレス層に十分に押し付けることができる。このような非接着剤面の表面硬さ(硬さの平均値)は、約0.5μmより大きく、すなわち0.5μm〜5μmの間、好ましくは約0.6μm〜4μmの間、更に好ましくは約0.8μm〜3μmの間である。
【0103】
プレス手段またはプレス層は、規定の条件下で、3次元基板の確実且つ均一な巻き戻しを保証すると同時に、その形状および動作の許容範囲を補償する。例えば、プラスチックからなる基板の場合、プレス手段またはプレス層は、変形することから、わずかな押付力のみを有する。ガラス、磁気またはセラミックのようなより硬いまたはより耐性のある材料からなる基板の場合、プレス手段またはプレス層は、基板の一部での高い機械的安定性および/または高い形状許容範囲により、わずかに高い押付力が有益である。押付力は、約1N〜1000Nである。プラスチック基板の場合、例えば、押付力を約50N〜200Nとすることができ、ガラス、磁気またはセラミックからなる基板の場合、押付力を約75N〜300Nとすることができる。プラスチック部品の変形を防止するために、装飾される3次元基板を、スタンピング作業中に、適切に設計された保持手段で、例えば圧縮空気により充填することができる。
【0104】
接着剤が塗布された転写プライの少なくとも一部の領域は、接着剤の硬化後、0.2秒〜1.7秒で基板に塗布されることが有益である。この期間とすることで、接着力を損なう可能性のある接着剤の過剰硬化を避けつつ予備硬化を促進することができる。
【0105】
接着剤が塗布された転写プライの少なくとも1つの部分領域の塗布前に、基板が前処理されることが更に好ましい。前処理は、特に、コロナ処理、プラズマ処理、または火炎処理、若しくは、ニス層によるコーティング処理により行われる。ニス層は、特に、有色ニス層および/またはプライマ層である。この方法により、接着性の悪い基板であっても接着剤の接着性を向上させることができる。その結果、そのような基板であっても転写プライを確実且つ鮮明に塗布することができる。
【0106】
転写プライの基板への塗布後、0.2秒〜1.7秒で接着剤を完全に硬化させることが好ましい。基板およびホイルの通常の搬送速度により、ローラ装置と完全硬化ステーションとの間の十分な距離が確保される。
【0107】
接着剤は、UV光により硬化されることが有益である。UV光の少なくとも90%のエネルギーが380nm〜420nmの範囲の波長で照射される。特に、上記接着剤組成により、これらの波長でラジカル硬化が確実に開始される。
【0108】
更に、接着剤を12W/cm
2〜20W/cm
2の総照射度、および/または、4.8W/cm
2〜8W/cm
2の正味照射度、および/または、200mJ/cm
2〜900mJ/cm
2、好ましくは200mJ/cm
2〜400mJ/cm
2の接着剤へのエネルギー入力により完全に硬化することが好ましい。このようなエネルギー入力により、接着剤が確実に硬化する。完全硬化ステップ後、塗布された転写プライを損傷させずに、ホイルのキャリアプライを剥がすことができる。
【0109】
更に、接着剤を0.04秒〜0.112秒の露光時間により完全に硬化させることが有益である。規定の総照射度および通常の搬送速度により、接着剤の硬化に必要な正味エネルギー入力が得られる。
【0110】
更に、接着剤の完全硬化後、0.2秒〜1.7秒でキャリアプライが分離されることが好ましい。基板およびホイルの通常の搬送速度により、完全硬化ステーションと、分離ステーションとの間に十分な距離が確保される。
【0111】
上記UV硬化接着剤の使用の代わりに、または、加えて、接着促進剤として、熱可塑性トナーを基板および/または転写プライの少なくとも部分領域に塗布することもできる。ホイルを塗布するために、基板へのホイルの塗布後、圧力および熱がこのような層構造体においてホイルおよび/または基板に加えられる。圧力および熱は、熱可塑性トナーが溶融し、ホイルの転写プライが基板に接合するように加えられる。
【0112】
UV硬化接着剤による塗布と同様に、この接合は、プレスニップを形成する少なくとも2つの協働ローラからなるローラ装置で行われることが好ましい。ローラ装置は、少なくとも1つの加圧ローラおよび少なくとも1つの対圧ローラからなることが好ましい。ホイルおよび基板は、プレスニップを介してガイドされる。ここで、少なくとも1つのローラは、直接または間接的に加熱され、適切な熱を供給する。プレスニップで加えられた圧力は、必要な圧力を供給することができる。
【0113】
ホイルおよび基板がプレスニップを出発すると、層集合体が冷却され、トナーが再び硬化する。ここで、少なくとも部分領域において基板に転写されたホイル転写プライから、ホイルのキャリアプライを剥がすことができる。
【0114】
UV硬化接着剤を備えるホイルを基板に塗布するためのローラ装置と、熱可塑性トナーを有するホイルを塗布するためのローラ装置とを、同一または異ならせることができる。
【0115】
少なくとも1つの第1、第2、第3センサを実装するために、いくつかの可能性があり、これらの可能性を組み合わせることもできる。
【0116】
例えば、光学システムの使用が特に好ましい。これは、自身の評価ユニットを備えるまたは備えていない全ての種類のカメラシステムを意図する。生成された信号を、適切なソフトウエアで処理することができ、ガイド基準として使用することができる。明らかに処理する必要はないが、光学システムが制御パルスを出力することも考えられる。
【0117】
更に、様々なセンサシステムを利用することもできる。様々なセンサシステムは、特に、反射光センサ、色センサ、反射光スイッチ、光バリア(シートエッジを認識するためのもの)、超音波センサ(シートエッジを認識するためのもの)、レーザセンサ、透過光センサ(すかし等を認識するためのもの)、および/または、光学導波管技術のセンサである。
【0118】
このようなセンサは、外部信号増幅器を必要とするが、内蔵信号増幅器を利用することもできる。このような場合、信号を処理するために、アナログまたはデジタルのセンサ、増幅器、または、適切な出力信号を自由に選択することができる。
【0119】
センサおよび/または増幅器からの信号を、適切なソフトウエアを用いて処理することができ、ガイド基準として使用することができる。センサおよび/または増幅器からのこれらの信号を、直接、制御パルスとして使用することも考えられる。このため、信号処理のための外部ソフトウエアまたは装置は、明らかに不要である。
【0120】
更に、第1UV光源がLED光源であることが有益である。LED光源により、略単色の光を提供することができ、これにより、必要な照射強度を接着剤の硬化に必要な波長域で利用可能である。これは、通常、従来の中間圧水銀蒸気ランプでは達成することができない。
【0121】
更に、ホイルまたは基板の搬送方向において、第1UV光源が10mm〜30mmの窓幅を有することが好ましい。これにより、塗布された接着剤の平面照射が可能になる。
【0122】
通常、第1UV光源は、ホイルまたは基板の搬送方向でインクジェットプリントヘッドの下流1cm〜4cmに配置されている。ホイルの通常の搬送速度により、接着剤の塗布と予備硬化との間の上記時間を守ることができる。
【0123】
更に、ローラ装置が加圧ローラおよび機械的カウンタベアリング、特に対圧ローラ、または、平坦若しくは僅かに凹んだカウンタベアリングを備えることが有益である。
【0124】
加圧ローラおよび/または対圧ローラは、特に1cm〜3cmの直径を有する。
【0125】
更に、加圧ローラは、硬さ70
°ショアA〜90
°ショアAのプラスチックまたはゴムから形成されることが好ましい。
【0126】
対圧ローラまたはカウンタベアリングは、60°ショアA〜95°ショアA、好ましくは80°ショアA〜95°ショアAの範囲、および/または、450HV10(HV=Vickers Hardness)〜520HV10、好ましくは465HV10〜500HV10の範囲の硬さを有する材料から形成されることが好ましい。この材料は、例えば、プラスチック若しくはシリコーン、または、アルミニウム若しくはスチール等の金属である。
【0127】
上記範囲内で、処理される基板およびホイルの特性に応じて、ローラ装置の特定の幾何学および材料関係パラメータを調整することができ、転写プライと基板との最適な接着を保証し、接着剤の染み出し、および/若しくは、転写プライまたは基板への損傷を防止する。
【0128】
この場合、ローラ装置は、第1UV光源から10cm〜30cmの距離で設けられることが好ましい。
【0129】
ホイルおよび基板の通常の搬送速度では、接着剤の露光とホイルの塗布との間に上記した予備乾燥時間が得られる。
【0130】
更に、第2UV光源がLED光源であることが好ましい。LED光源により、略単色光を提供することができる。これにより、必要な照射強度が接着剤の硬化に必要な波長域で利用可能であることが保証される。従来の中間圧力水銀蒸気ランプでは、通常、これを達成することはできず、達成するには、より大きなエネルギーを消費しなければならない。
【0131】
第2UV光源は、ホイルまたは基板の搬送方向で20mm〜40mmの窓幅を有することが有益である。これは、接着剤の平面照射を保証する。
【0132】
ホイルの搬送方向において、第2UV光源は、ローラ装置の下流10cm〜30cmに設けられることが好ましい。これは、ローラ装置と完全硬化ステーションとの間の十分な距離を保証する。
【0133】
更に、剥離ユニットは、0.5cm〜2cmの直径を有するローラを備えることが有益であり、その上でキャリアプライを剥がすことができる。
【0134】
剥離ユニットは、ホイルの搬送方向で第2UV光源の下流10cm〜30cmに設けられることが好ましい。
【0135】
通常のホイルおよび基板搬送速度により、ホイルの塗布とキャリアプライの分離との間の上記乾燥時間が保証される。これにより、キャリアプライを損傷から保護することができる。
【0136】
図に示す実施例を参照して本発明を詳細に説明する。