特許第6979415号(P6979415)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6979415
(24)【登録日】2021年11月17日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】鍛造プレス及びその金型の交換方法
(51)【国際特許分類】
   B21J 13/02 20060101AFI20211202BHJP
   B21D 37/04 20060101ALI20211202BHJP
【FI】
   B21J13/02 F
   B21D37/04 A
   B21J13/02 Z
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-25832(P2019-25832)
(22)【出願日】2019年2月15日
(65)【公開番号】特開2020-131222(P2020-131222A)
(43)【公開日】2020年8月31日
【審査請求日】2020年11月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000142595
【氏名又は名称】株式会社栗本鐵工所
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森藤 真
【審査官】 山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】 実開平06−023638(JP,U)
【文献】 実開昭58−013851(JP,U)
【文献】 実開平02−114130(JP,U)
【文献】 特開2013−059769(JP,A)
【文献】 実開昭52−076537(JP,U)
【文献】 特開平05−146832(JP,A)
【文献】 特開昭56−050731(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21J 13/02
B21D 37/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースプレートを有し、該ベースプレートの上方でスライドを昇降動作させるプレス本体と、
上記スライドの下端に着脱可能に取り付けられ、上金型を保持する上ダイホルダと、
上記ベースプレートの上に着脱可能に取り付けられ、下金型を保持する下ダイホルダと、
上記上ダイホルダと上記下ダイホルダとを伸縮自在に連結するシリンダ形状のガイドポストと、
少なくとも上記スライドから外された上記上ダイホルダを支持する進退可能な支持ブロックと、
上記支持ブロックを上記上ダイホルダを支持する支持位置と該上ダイホルダの下方から退避する退避位置との間で移動させる支持ブロック駆動部と、
上記支持ブロックで支持された状態の上記上ダイホルダ及び下ダイホルダを搬出及び搬入させるダイホルダ移送部とを備えている
ことを特徴とする鍛造プレス。
【請求項2】
請求項1に記載の鍛造プレスにおいて、
上記支持ブロックは、上記ガイドポストの外側チューブの下端を支持する上端面を有する
ことを特徴とする鍛造プレス。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の鍛造プレスにおいて、
上記支持ブロック駆動部は、
上記下ダイホルダの側方に設けられ、上記支持ブロックをスライド移動可能に支持する水平台と、
上記水平台に設けられ、伸縮させることにより、上記支持ブロックをスライド移動させる支持ブロック用シリンダと、
上記支持ブロック用シリンダと上記支持ブロックとを着脱可能に連結するロック機構とを備えている
ことを特徴とする鍛造プレス。
【請求項4】
請求項3に記載の鍛造プレスにおいて、
上記ロック機構は、上記支持ブロック用シリンダによってスライド移動される連結部材の先端に設けられ、上記支持ブロックに係脱可能なフックを備え、
上記フックが、上記支持ブロックに設けた被ロック部をロック可能に構成されている
ことを特徴とする鍛造プレス。
【請求項5】
プレス本体のプレス動作を停止し、
支持ブロック駆動部によって支持ブロックを退避位置から上金型を保持する上ダイホルダを支持する支持位置に移動させ、
プレス本体に昇降動作可能に設けたスライドを下降させて上記上ダイホルダを上記支持ブロックの上に載置し、
上記上ダイホルダと上記スライドとの係合を解除し、
上記スライドから外された上記上ダイホルダを、下金型を保持する下ダイホルダと共に退避させ、
上記上金型及び上記下金型を交換し、
上記上金型及び上記下金型を交換した状態の上ダイホルダ及び下ダイホルダを該上ダイホルダを上記支持ブロックで支持した状態で上記スライドの下方に戻し、
上記上ダイホルダと上記スライドとを再び係合し、
上記スライドを上記上ダイホルダと共に上昇させ、
上記支持ブロックを上記支持ブロック駆動部によって退避位置に退避させ、
上記プレス本体のプレス動作を再開する
ことを特徴とする鍛造プレスの金型の交換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鍛造プレス及びその金型の交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、スライドを昇降動作させてその下端の上ダイホルダに設けた上金型と、下ダイホルダの下金型との間に設けた金属材料を挟み込んでプレスする鍛造プレスが知られている。このような鍛造プレスでは、上ダイホルダと下ダイホルダとが伸縮可能なガイドポストで連結されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
そして、上金型と下金型を交換する場合には、例えば特許文献2及び3のようにして、ダイホルダごとプレス機から取り出して交換する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第2571841号公報
【特許文献2】特開平8−10875号公報
【特許文献2】特許第4755035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上ダイホルダをスライドから取り外すためには、支持ブロックを作業者が上ダイホルダと下ダイホルダとの間に挟み込んでから、取り外すようにしていた。
【0006】
このため、鍛造プレスを停止した状態で、作業者がスライドの下方に近付いて取り付けなければならなかった。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、金型交換時に鍛造プレスを停止させて作業者がスライドの近傍に近付いて支持ブロックを載置することなく、金型交換を安全且つ迅速に行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、この発明では、支持ブロック駆動部によって上ダイホルダを支持する支持ブロックを出し入れできるようにした。
【0009】
具体的には、第1の発明の鍛造プレスは、
ベースプレートを有し、該ベースプレートの上方でスライドを昇降動作させるプレス本体と、
上記スライドの下端に着脱可能に取り付けられ、上金型を保持する上ダイホルダと、
上記ベースプレートの上に着脱可能に取り付けられ、下金型を保持する下ダイホルダと、
上記上ダイホルダと上記下ダイホルダとを伸縮自在に連結するシリンダ形状のガイドポストと、
少なくとも上記スライドから外された上記上ダイホルダを支持する進退可能な支持ブロックと、
上記支持ブロックを上記上ダイホルダを支持する支持位置と該上ダイホルダの下方から退避する退避位置との間で移動させる支持ブロック駆動部と、
上記支持ブロックで支持された状態の上記上ダイホルダ及び下ダイホルダを搬出及び搬入させるダイホルダ移送部とを備えている。
【0010】
上記の構成によると、支持ブロックを支持ブロック駆動部によって移動させて上ダイホルダを支持できるので、作業者がスライドの下に近付いて取り付ける必要がなく、金型の交換作業を安全且つ迅速に行うことができる。
【0011】
第2の発明では、第1の発明において、
上記支持ブロックは、上記ガイドポストの外側チューブの下端を支持する上端面を有する。
【0012】
上記の構成によると、ガイドポストを利用して確実に上ダイホルダを支持できる。
【0013】
第3の発明では、第1又は第2の発明において、
上記支持ブロック駆動部は、
上記下ダイホルダの側方に設けられ、上記支持ブロックをスライド移動可能に支持する水平台と、
上記水平台に設けられ、伸縮させることにより、上記支持ブロックをスライド移動させる支持ブロック用シリンダと、
上記支持ブロック用シリンダと上記支持ブロックとを着脱可能に連結するロック機構とを備えている。
【0014】
上記の構成によると、簡単な構成で支持ブロックを確実に移動させることができる。
【0015】
第4の発明では、第3の発明において、
上記ロック機構は、上記支持ブロック用シリンダによってスライド移動される連結部材の先端に設けられ、上記支持ブロックに係脱可能なフックを備え、
上記フックが、上記支持ブロックに設けた被ロック部をロック可能に構成されている。
【0016】
上記の構成によると、ロック機構のフックで支持ブロックの被ロック部をロックできるようにしたので、人手に頼ることなく支持ブロックを連結部材に係合させたり、係合解除したりすることができる。
【0017】
第5の発明では、
プレス本体のプレス動作を停止し、
支持ブロック駆動部によって支持ブロックを退避位置から上金型を保持する上ダイホルダを支持する支持位置に移動させ、
プレス本体に昇降動作可能に設けたスライドを下降させて上記上ダイホルダを上記支持ブロックの上に載置し、
上記上ダイホルダと上記スライドとの係合を解除し、
上記スライドから外された上記上ダイホルダを、下金型を保持する下ダイホルダと共に退避させ、
上記上金型及び上記下金型を交換し、
上記上金型及び上記下金型を交換した状態の上ダイホルダ及び下ダイホルダを該上ダイホルダを上記支持ブロックで支持した状態で上記スライドの下方に戻し、
上記上ダイホルダと上記スライドとを再び係合し、
上記スライドを上記上ダイホルダと共に上昇させ、
上記支持ブロックを上記支持ブロック駆動部によって退避位置に退避させ、
上記プレス本体のプレス動作を再開する構成とする。
【0018】
上記の構成によると、支持ブロックを支持ブロック駆動部によって移動させて上ダイホルダを支持できるので、作業者がスライドの下方に近付いて取り付ける必要がなく、金型の交換作業を安全且つ迅速に行うことができる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明によれば、支持ブロックを支持ブロック駆動部によって移動させて上ダイホルダを支持するようにしたことにより、金型交換時に作業者がスライドの近傍に近付いて支持ブロックを載置することなく、金型交換を安全且つ迅速に行える。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1A】本発明の実施形態に係る、支持ブロックで上ダイホルダを支持した状態の鍛造プレスの一部を拡大して示す正面図である。
図1B】本発明の実施形態に係る、支持位置にある支持ブロックで上ダイホルダを支持する前の状態の鍛造プレスの一部を拡大して示す正面図である。
図2】本発明の実施形態に係る、一方の支持ブロックが支持位置にあり、他方の支持ブロックが退避位置にある状態の鍛造プレスの一部を示す正面図である。
図3】本発明の実施形態に係る、一方の支持ブロックが支持位置にあり、他方の支持ブロックが退避位置にある状態の鍛造プレスの一部を示す平面図である。
図4図1AのIV方向から見た拡大矢視図である。
図5A】待機状態にあった支持ブロックを支持位置へ移動させる状態を拡大して示す平面図である。
図5B】待機状態にあった支持ブロックをストッパに当接させる状態を拡大して示す平面図である。
図5C】待機状態にあった支持ブロックの支持位置におけるロック解除状態を拡大して示す平面図である。
図6】鍛造プレスの金型の交換方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
−鍛造プレスの構成−
図2及び図3は、本発明の実施形態に係る鍛造プレスを示し、この鍛造プレスは、例えば機械式の熱間鍛造プレスよりなるプレス本体1を備え、その基本的な構造は、特に限定されない。プレス本体1は、上金型(図示省略)が取り付けられるスライド3とベースプレート2とがフレーム1a内の上下に対向するように設けられている。また、スライド3は、図示しない駆動手段によりベースプレート2の上方で昇降動作するように構成されている。鍛造プレスは、CPU、入力装置等を含むコントローラ50により全体が制御されるようになっている。
【0023】
そして、スライド3の下端には、図示しない上金型を保持する上ダイホルダ5が着脱可能に取り付けられている。詳しくは図示しないが、上ダイホルダ5は、シリンダ状の上ダイクランパ8によってスライド3に着脱可能に連結されている。
【0024】
ベースプレート2の上には、図示しない下金型を保持する下ダイホルダ4が着脱可能に取り付けられている。詳しくは図示しないが、下ダイホルダ4は、上下に昇降可能なダイリフター7によって持ち上げられた状態で取り外し可能となっている。
【0025】
図1Aにも拡大して示すように、これら上ダイホルダ5と下ダイホルダ4とは、例えば一対のシリンダ形状のガイドポスト6により伸縮自在に連結されている。このガイドポスト6は、プレス本体1のプレス動作の妨げにならないように、下ダイホルダ4に連結されるロッド6aと、このロッド6aの外周を包み、上ダイホルダ5に連結される円筒状の外側チューブ6bとを備えている。
【0026】
そして、本実施形態では、少なくともスライド3から外された上ダイホルダ5を支持する進退可能な上型支持ブロック10を備えている。この上型支持ブロック10は、支持ブロック駆動部20によって、上ダイホルダ5を支持する支持位置A(図2及び図3の左側に示す)と、この上ダイホルダ5の下方から退避する退避位置B(図2及び図3の右側に示す)との間で移動可能に構成されている。支持ブロック駆動部20は、コントローラ50によって予め指定されたプログラムに沿って又は直接操作で制御される。図5Aにも示すように、上型支持ブロック10は、ガイドポスト6の外側チューブ6bの円環状下端を支持する平面視で円弧状の上端面11を有する略馬蹄形状を有する。上型支持ブロック10は、開口部と反対側に水平に延びる一対の平板12aとこれら一対の平板12aを上下に連結する、ボルト等よりなる被ロック部12bを有する突出部12を有する。
【0027】
図4にも示すように、支持ブロック駆動部20は、下ダイホルダ4の側方に設けられ、上型支持ブロック10をスライド移動可能に支持する水平台21と、水平台21の下側に設けられ、伸縮させることにより、上型支持ブロック10をスライド移動させる支持ブロック用シリンダ22とを備えている。水平台21の形状は特に限定されないが、少なくとも上型支持ブロック10が水平移動可能な平坦面を有する。例えば、一対の支持ブロック用シリンダ22は、それぞれのロッド22aが互いに離れる方向に延びるように配置されており、各ロッド22aの先端に連結部材23が連結されている。図4に示すように、支持ブロック用シリンダ22は、水平台21の下方に平面視で水平台21に隠れるような位置に設けられている。このため、落下物等により支持ブロック用シリンダ22が損傷しにくくなっている。連結部材23は、例えば、ロッド22aに連結された棒状のロッド延長部23a、水平台21の上方に平行に配置されたフック連結部23bと、これらロッド延長部23a及びフック連結部23bを上下につなぐ上下連結部23cとを備えている。この連結部材23の形状は、特に限定されない。
【0028】
そして、この連結部材23を介し、支持ブロック用シリンダ22と上型支持ブロック10とが、ロック機構30によって着脱可能に連結されている。図5Aに拡大して示すように、ロック機構30は、支持ブロック用シリンダ22によってスライド移動されるフック連結部23bの先端に設けられ、上型支持ブロック10に係脱可能な鉤状のフック31を備えている。ロック機構30は、フック連結部23bの上端面11に設けられたロックシリンダ32も備えている。ロックシリンダ32のロッドは、支持ブロック用シリンダ22のロッド22aとは反対側に延びており、その先端にロック部32aが設けられている。このロック部32aは、上型支持ブロック10に設けた例えば一対のピン状の(ボルト状の)被ロック部12aをフック31に押さえ付けて上型支持ブロック10をロック可能に構成されている。
【0029】
詳しくは図示しないが、上型支持ブロック10で支持された状態の上ダイホルダ5及び下ダイホルダ4を搬出及び搬入させる、例えば公知の構成のダイホルダ移送部が設けられている。
【0030】
−金型の交換方法−
次いで、本実施形態に係る鍛造プレスにおける金型の交換方法について図6等を用いて説明する。以下の寸法は、あくまで一例である。
【0031】
まず、ステップS01において、作業員が手動でコントローラ50を操作し、プレス本体1のプレス動作を停止する。
【0032】
すると、コントローラ50は、予めプログラムされた手順で下記動作を行う。
【0033】
ステップS02において、支持ブロック駆動部20によって上型支持ブロック10を図1A及び図5Aに示す退避位置Bから上金型を保持する上ダイホルダ5を支持する支持位置Aに移動させる。具体的には、まず、ステップS21において、上型支持ブロック10とフック31とをロックシリンダ32で固定する操作をする。
【0034】
すると、ステップS22で支持ブロック用シリンダ22が縮小され、フック31が200mm程度押し込まれる。
【0035】
次いで、ステップS23において、図5Bに示すように、上型支持ブロック10は、195mm進んでストッパ33に当たって止まる。
【0036】
次いで、ステップS24において、図5Cに示すように、フック31は、さらに5mm進むが、ロックシリンダ32は、5mm縮む。このため、上型支持ブロック10は、さらには進まず、195mmの位置にある。
【0037】
すると、ステップS25において、上型支持ブロック10とフック31との間にスライド方向両側に5mmずつの隙間cが確保される。このように、本実施形態では、簡単な構成で上型支持ブロック10を確実に移動させることができる。
【0038】
次いで、ステップS03において、ロックシリンダ32が解除される。具体的には、ステップS31において、ロックシリンダが15mm縮み、ロック部32aによるフック31のロックを解除する。これにより、上型支持ブロック10と共に、上ダイホルダ5及び下ダイホルダ4の搬出が可能となる。本実施形態ではロック機構30を利用して、人手に頼ることなく上型支持ブロック10を連結部材23に係合させたり、係合解除したりすることができる。
【0039】
次いで、ステップS04において、図1Bに示す状態から、スライド3を下降させて図1Aに示すように、上ダイホルダ5を上型支持ブロック10の上に載置する。このとき、平面視馬蹄形状の上型支持ブロック10の上端面11にガイドポスト6の外側チューブ6bの下端が支持される。このように、本実施形態では、ガイドポスト6を利用して確実に上ダイホルダ5を支持できる。そして、ステップS041で上ダイクランパ8を開いて上ダイホルダ5とスライド3との係合を解除する。
【0040】
次いで、ステップS05において、スライド3から外された上ダイホルダ5を、下金型を保持する下ダイホルダ4と共に、ダイリフター7で上昇させ、退避させるようにしてダイホルダ移送部により、搬出する。
【0041】
次いで、ステップS06において、作業員が上金型及び下金型を交換する。例えば、搬出された上ダイホルダ5をクレーン等で取り外して上金型及び下金型を交換し、上ダイホルダ5を元の上型支持ブロック10状に載置された状態に戻す。
【0042】
次いで、ステップS07において、上金型及び下金型を交換した状態の上ダイホルダ5及び下ダイホルダ4をスライド3の下方に戻す。金型交換作業を行っている間に、別の上金型及び下金型が予めセットされた上ダイホルダ5及び下ダイホルダ4を搬入してもよい。
【0043】
そして、ステップS071において、上ダイクランパ8を締め付けて上ダイホルダ5とスライド3とを再び係合する。
【0044】
次いで、ステップS08において、スライド3を上ダイホルダ5と共に上昇させる。
【0045】
次いで、ステップS09において、ロックシリンダ32を設定する。具体的には、ロックシリンダ32を操作して、フック31により、上型支持ブロック10を移動可能にロックする。
【0046】
次いで、ステップS10において、上型支持ブロック10を支持ブロック駆動部20によって退避位置Bに退避させる。具体的には、支持ブロック用シリンダ22を伸張させて上型支持ブロック10を水平台21上でスライド移動させる。
【0047】
次いで、ステップS11において、作業者が作業可能であることを確認した上で、コントローラ50を操作してプレス本体1のプレス動作を再開する。
【0048】
このように、本実施形態では、上型支持ブロック10を支持ブロック駆動部20によって移動させて上ダイホルダ5を支持できるので、作業者が近付いて上型支持ブロック10をスライド3の真下に取り付ける必要がない。
【0049】
以上説明したように、本発明によれば、金型交換時に作業者がスライド3の近傍に近付いて上型支持ブロック10を載置することなく、金型交換を安全且つ迅速に行える。
【0050】
(その他の実施形態)
本発明は、実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0051】
すなわち、上記実施形態では、上型支持ブロック10は、ガイドポスト6の外側チューブ6bの下端を支持する構成としたが、これに限定されず、上ダイホルダ5のいずれかの部分を支持可能に構成されていればよい。
【0052】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【符号の説明】
【0053】
1 プレス本体
1a フレーム
2 ベースプレート
3 スライド
4 下ダイホルダ
5 上ダイホルダ
6 ガイドポスト
6a ロッド
6b 外側チューブ
7 ダイリフター
8 上ダイクランパ
10 上型支持ブロック
11 上端面
12 突出部
12a 平板
12b 被ロック部
20 支持ブロック駆動部
21 水平台
22 支持ブロック用シリンダ
22a ロッド
23 連結部材
23a ロッド延長部
23b フック連結部
23c 上下連結部
30 ロック機構
31 フック
32 ロックシリンダ
32a ロック部
33 ストッパ
50 コントローラ
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6