特許第6979425号(P6979425)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6979425
(24)【登録日】2021年11月17日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】抜け防止コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/622 20060101AFI20211202BHJP
   H01R 13/64 20060101ALI20211202BHJP
【FI】
   H01R13/622
   H01R13/64
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-116257(P2019-116257)
(22)【出願日】2019年6月24日
(65)【公開番号】特開2020-184507(P2020-184507A)
(43)【公開日】2020年11月12日
【審査請求日】2019年6月28日
(31)【優先権主張番号】108115275
(32)【優先日】2019年5月2日
(33)【優先権主張国】TW
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518263597
【氏名又は名称】昆山安費諾正日電子有限公司
【氏名又は名称原語表記】KUNSHAN AMPHENOL ZHENGRI ELECTRONICS CO., LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】518263601
【氏名又は名称】安費諾亮泰企業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】AMPHENOL LTW TECHNOLOGY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】李居學
(72)【発明者】
【氏名】何佳南
【審査官】 松永 謙一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−086295(JP,A)
【文献】 米国特許第05496189(US,A)
【文献】 登録実用新案第3223511(JP,U)
【文献】 米国特許第04536048(US,A)
【文献】 特開2014−082040(JP,A)
【文献】 中国実用新案第205376902(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/56−13/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対応コネクタと接続する抜け防止コネクタであって、
複数の端子が挿設される管体と;
前記管体の外に嵌められ、前記対応コネクタを螺着させるスレッドが設けられるナットスリーブと;
前記ナットスリーブを周回し、前記管体および前記ナットスリーブの間に配置される弾性締付リングと;を含み、
前記管体は多角環状面を有し、前記弾性締付リングは前記ナットスリーブに固定接続され、前記弾性締付リングは前記多角環状面を押さえ、
前記多角環状面は前記管体の外壁に形成され、前記多角環状面は環状に配置される複数の小さな平面を含み、前記弾性締付リングは前記ナットスリーブに固定接続され、
前記弾性締付リングにおいて相対するように少なくとも一対の直線部分が形成され、少なくとも一対の前記直線部分の内縁が少なくとも2つの前記小さな平面を押さえることで、前記弾性締付リングは、少なくとも一対の前記直線部分で前記管体を挟んで、前記ナットスリーブに対して前記管体が回転するのを阻止する、抜け防止コネクタ。
【請求項2】
前記スレッドが前記ナットスリーブの外壁に設けられる、請求項1に記載の抜け防止コネクタ。
【請求項3】
前記ナットスリーブの両端はそれぞれ螺着端および操作端であり、前記スレッドは前記螺着端に設置され、前記操作端は把持スリーブと接続され、前記ナットスリーブは前記把持スリーブに相対して同軸回転することができる、請求項1に記載の抜け防止コネクタ。
【請求項4】
前記操作端は前記把持スリーブと相互に重なる、請求項3に記載の抜け防止コネクタ。
【請求項5】
前記管体の両端にそれぞれ止め輪が設けられ、1つの前記止め輪は前記螺着端の外に留められ、もう1つの前記止め輪は前記把持スリーブ内に固定される、請求項3に記載の抜け防止コネクタ。
【請求項6】
前記止め輪は前記管体の外側壁に形成される、請求項5に記載の抜け防止コネクタ。
【請求項7】
前記止め輪は前記管体の外側壁に固定される、請求項5に記載の抜け防止コネクタ。
【請求項8】
さらに端子台を含み、前記端子台は本体を含み、前記本体から平行に間隔を空けて配置される複数の柱体が延伸して形成され、前記端子は本体に埋設され、それぞれ延伸して対応する各前記柱体の末端から縦方向に貫通し、前記管体内に前記柱体に対応する複数の導管が形成され、前記本体は前記把持スリーブ内に収容され、各前記柱体はそれぞれ対応する各前記導管内に挿設され、各前記端子はそれぞれ前記管体内に露出する、請求項5に記載の抜け防止コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコネクタに関し、特に螺着固定式の抜け防止コネクタを指す。
【背景技術】
【0002】
一般的に、静的な使用環境において、相互に接続するコネクタは、両者の間の摩擦力により抜けるのを防止することができる。動的な使用環境または常に振動している使用環境においては、相互に接続するコネクタは、両者の間の摩擦力のみでは、抜けるのを防止するには明らかに不足であるため、両者の間を常にナットおよびスレッドで固定し、これにより、より確実に抜けるのを防止する。
【0003】
しかしながら、ある特定の使用状態のとき、2つのコネクタが相対回転することを許容する必要がある可能性がある。または振動が過度に頻繁および強烈であると、ナットおよびスレッドが相対して次第に回転し、抜ける可能性がある。
【0004】
このことを考慮して、本発明人は上記既存技術について鋭意研究を行い、さらに学理的な利用に適応させ、上記問題点の解決に尽力することが、本発明人の改良の目標となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、螺着固定式の抜け防止コネクタを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、対応コネクタと接続する抜け防止コネクタを提供し、管体、ナットスリーブおよび弾性締付リングを含む。管体内に複数の端子が挿設される。ナットスリーブは管体の外に嵌められ、ナットスリーブに前記対応コネクタを螺着させるスレッドが設けられる。弾性締付リングはナットスリーブを周回し、管体およびナットスリーブの間に配置される。管体およびナットスリーブのうちの1つは多角環状面を有し、弾性締付リングは管体およびナットスリーブのもう1つに固定接続され、弾性締付リングは多角環状面を押さえる。
【0007】
本発明の抜け防止コネクタにおいて、多角環状面は管体の外壁に形成され、多角環状面は環状に配置される複数の小さな平面を含む。弾性締付リングはナットスリーブに固定接続され、弾性締付リングの内縁は少なくとも1つの小さな平面を押さえる。弾性締付リングに直線部分が形成され、直線部分の内縁が1つの小さな平面を押さえる。
【0008】
本発明の抜け防止コネクタにおいて、多角環状面はナットスリーブの内壁に形成され、多角環状面は環状に配置される複数の小さな平面を含む。弾性締付リングは管体に固定接続され、弾性締付リングの外縁は隣接する少なくとも2つの小さな平面の間を押さえる。弾性締付リングを折り曲げて凸角が形成され、凸角の外縁が隣接する少なくとも2つの小さな平面の間を押さえる。
【0009】
本発明の抜け防止コネクタにおいて、スレッドはナットスリーブの外壁に設けられる。
【0010】
本発明の抜け防止コネクタにおいて、ナットスリーブの両端はそれぞれ螺着端および操作端である。スレッドは螺着端に設置され、操作端は把持スリーブと接続され、ナットスリーブは把持スリーブに相対して同軸回転することができる。操作端は、把持スリーブと相互に重なる。
【0011】
本発明の抜け防止コネクタにおいて、管体の両端にそれぞれ止め輪が設けられ、1つの止め輪は螺着端の外に留められ、もう1つの止め輪は把持スリーブ内に固定される。止め輪は管体の外側壁に形成されるか、または止め輪は管体の外側壁に固定される。
【0012】
本発明の抜け防止コネクタはさらに端子台を含み、端子台は本体を含み、本体から平行に間隔を空けて配置される複数の柱体が延伸して形成され、前記端子は本体に埋設され、それぞれ延伸して対応する各柱体の末端から縦方向に貫通する。管体内に前記柱体に対応する複数の導管が形成され、本体は把持スリーブ内に収容される。各柱体はそれぞれ対応する各導管内に挿設され、各端子はそれぞれ管体内に露出する
【0013】
要約すると、本発明の抜け防止コネクタにおいて、そのナットスリーブおよび管体の間は弾性締付リングが多角環状面を押さえることにより固定する。多角環状面は弾性締付リングに複数の当接点を提供することができ、ナットスリーブおよび管体が緩み、相対回転するとき、弾性締付リングはすぐに次の当接点に係着することができ、再度、管体縁部およびナットスリーブを固定する。ナットスリーブが引き続き対応コネクタに対して回転するのを阻止し、これにより抜けるのを防止する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明における抜け防止コネクタの使用状態の概要図である。
図2図2は、本発明における抜け防止コネクタの使用状態の概要図である。
図3図3は、本発明の第1の実施例における抜け防止コネクタの立体分解概要図である。
図4図4は、本発明の第1の実施例における抜け防止コネクタの立体概要図である。
図5図5は、本発明の第1の実施例における抜け防止コネクタの立体概要図である。
図6図6は、本発明の第1の実施例における抜け防止コネクタ中の管体およびナットスリーブをスリーブ接続した概要図である。
図7図7は、本発明の好ましい実施例における抜け防止コネクタの縦方向断面図である。
図8図8は、本発明の好ましい実施例における抜け防止コネクタの縦方向断面図である。
図9図9は、本発明の好ましい実施例における抜け防止コネクタの横方向断面図である。
図10図10は、本発明の第2の実施例における抜け防止コネクタの概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1から図5を参照されたい。本発明の第1の実施例は、対応コネクタ10と接続する抜け防止コネクタを提供し、管体100、複数の端子200、ナットスリーブ300、弾性締付リング410、把持スリーブ500および端子台600を含む。
【0016】
本実施例において、管体100は好ましくは絶縁体であるが、本発明は絶縁体に限定されず、導体でもよい。管体100内に前記柱体620に対応する複数の導管101が形成され、各端子200はそれぞれ金属針であり、端子200はそれぞれ各導管101内に挿設される。具体的に、管体100の両端はそれぞれ外端110および内端120であり、各導管101はそれぞれ管体100の縦方向に平行に配置され、管体100の外端110および内端120の間をつなぐ。
【0017】
図3から図6を参照されたい。ナットスリーブ300は管体100の外に嵌められ、ナットスリーブ300の両端はそれぞれ螺着端310および操作端320である。管体100の外端110はナットスリーブ300の螺着端310内に挿設され、管体100の内端120はナットスリーブ300の操作端320内に挿設される。ナットスリーブ300の螺着端310にスレッド311が設けられ、対応コネクタ10を螺着させる。本実施例において、スレッド311は好ましくは螺着端310の外壁に設置されるが、対応コネクタ10の異なるスレッド311を、螺着端310の内壁に設置することもできる。
【0018】
図1から図5を参照されたい。ナットスリーブ300の操作端320は把持スリーブ500と接続され、ナットスリーブ300は把持スリーブ500に相対して同軸回転することができる。具体的に、操作端320は把持スリーブ500と相互に重なる。操作端320の外側面に素手で押さえるための滑り止めリブ321か、または挟持するための挟持平面322が設けられ、挟持平面322は好ましくは1対であり、相互に平行に配置される。したがって、使用者は把持スリーブ500、さらに素手またはレンチなどの工具によりナットスリーブ300の操作端320を回転させ、ナットスリーブ300を回転させることができ、これによりスレッド311を対応コネクタ10に螺入するか、または螺出させる。
【0019】
図3から図5を参照されたい。端子台600は本体610を含み、本体610は好ましくは円柱状を呈し、本体610の一端から本体610の縦方向に沿って複数の柱体620が延伸して形成される。端子台600の本体610は把持スリーブ500内に収容され、前記柱体620はそれぞれ管体100の各導管101に対応して配置されるため、前記柱体620は相互に平行に間隔を空けて配置される。前記端子200は本体610に埋設され、それぞれ延伸して本体610の縦方向に沿って対応する各柱体620の末端から貫通する。各柱体620はそれぞれ対応する各導管101内に挿設され、各柱体620はそれぞれ管体100の内端から各導管101内に挿入され、これにより各端子200はそれぞれ管体100の外端110内に露出する。
【0020】
図3を参照されたい。管体100およびナットスリーブ300のうちの1つは、多角環状面420を有する。本実施例において、多角環状面420は管体100の外壁上に形成される外環状面であり、多角環状面420は環状に配置される複数の小さな平面421を含む。
【0021】
図7から図9を参照されたい。弾性締付リング410はナットスリーブ300を周回して配置され、弾性締付リング410は管体100およびナットスリーブ300の間に配置される。弾性締付リング410は管体100およびナットスリーブ300の多角環状面420を有さない方に固定接続され、弾性締付リング410は多角環状面420を押さえる。本実施例において、具体的に、弾性締付リング410は金属線を折り曲げてなるC型環であり、弾性締付リング410の両端はそれぞれナットスリーブ300の内壁に固定接続され、さらに弾性締付リング410の少なくとも一部分に直線部分411が形成される。本実施例において、弾性締付リング410に好ましくは相対して配置され、同じである1対の直線部分411が設けられるが、本発明は直線部分411の数量および位置を限定しない。弾性締付リング410の内縁は少なくとも1つの小さな平面421を押さえ、本実施例において、前記対の直線部分の内縁はそれぞれ相対して配置される1対の小さな平面421を押さえる。弾性締付リング410はこれにより管体100をきつく挟み、管体100はナットスリーブ300に相対して回転することができない。
【0022】
本発明の抜け防止コネクタにおいて、その管体100の両端にそれぞれ止め輪130a/130bが設けられる。1つの止め輪130aは管体100の外端110の外側壁に形成され、ナットスリーブ300の螺着端310の外に留められる。もう1つの止め輪130bは管体100の内端120の外側壁に固定され、さらにこれは把持スリーブ500内に固定される。これにより、管体100および把持スリーブ500を固定接続する。
【0023】
本発明の抜け防止コネクタが外力または振動を受け、ナットスリーブ300を管体100に相対して回転させるとき、弾性締付リング410の直線部分411は、その当接した小さな平面421から離れる。弾性締付リング410はナットスリーブ300に従って、引き続き管体100に相対して回転し、直線部分411は回転して隣接する別の小さな平面421を押さえ、再度、管体縁部およびナットスリーブ300を固定する。ナットスリーブ300が引き続き対応コネクタ10に対して回転するのを阻止し、これにより緩みを防止する。
【0024】
図10を参照されたい。本発明の第2の実施例は抜け防止コネクタを提供し、その構造はおおよそ前記第1の実施例と同じであり、その同じ部分はここでは省略する。本実施例における、第1の実施例と異なる部分を以下に詳述する。本実施例において、多角環状面420はナットスリーブ300の内壁に形成される内環状面であり、多角環状面420は環状に配置される複数の小さな平面421を含み、隣接する任意の2つの小さな平面421の間にそれぞれ内角422が形成される。弾性締付リング410は金属線を折り曲げてなるC型環であり、弾性締付リング410の両端はそれぞれ管体100の外壁に固定接続される。弾性締付リング410を折り曲げて凸角412が形成され、凸角412の外縁はいずれか1つの内角422を押さえて、管体100およびナットスリーブ300を固定する。本発明の抜け防止コネクタが外力または振動を受けて、ナットスリーブ300を管体100に相対して回転させるとき、弾性締付リング410の凸角412は当接する内角422から離れる。弾性締付リング410はナットスリーブ300に従って、引き続き管体100に相対して回転し、凸角412は隣接する別の内角422中に係入し、再度、管体縁部およびナットスリーブ300を固定する。ナットスリーブ300が引き続き対応コネクタ10に対して回転するのを阻止し、これにより緩みを防止する。
【0025】
本発明の抜け防止コネクタにおいて、そのナットスリーブ300および管体100の間は弾性締付リング410が多角環状面420を押さえることにより固定する。多角環状面420は弾性締付リング410に複数の当接点を提供することができ、ナットスリーブ300および管体100が緩み、相対回転するとき、弾性締付リング410はすぐに次の当接点に係着することができ、再度、管体縁部およびナットスリーブ300を固定する。ナットスリーブ300が引き続き対応コネクタ10に相対して回転するのを阻止し、これにより緩みを防止する。
【0026】
以上の記載は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の特許の範囲を限定しない。本発明の特許の主旨を利用したその他の同等の変更は、いずれも本発明の特許の範囲に属するべきである。
【符号の説明】
【0027】
10 対応コネクタ
100 管体
101 導管
110 外端
120 内端
130a/130b 止め輪
200 端子
300 ナットスリーブ
310 螺着端
311 スレッド
320 操作端
321 滑り止めリブ
322 挟持平面
410 弾性締付リング
411 直線部分
412 凸角
420 多角環状面
421 小さな平面
422 内角
500 把持スリーブ
600 端子台
610 本体
620 柱体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10