(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記のような車両用窓センサにおいて、静電容量は、利用者が窓ガラスにもたれ掛かったり、窓ガラスの外表面に雨水などの液体が付着したりする場合などにも変化し得る。そのため、上記のような車両用窓センサは、ドアを開くべき状況でないときにドアを開くおそれがある。
【0005】
なお、こうした実情は、利用者の車両に対する接近によりドアを動作させる車両用窓センサに限らず、利用者の操作を検出して車両の開閉体を開閉作動させる車両用操作検出装置においても概ね共通するものとなっている。
【0006】
本発明の目的は、利用者の操作の誤検出により開閉体を開閉作動させることを抑制できる車両用操作検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する車両用操作検出装置は、検出対象の接近に伴って静電容量が大きくなる主センサ電極と、前記主センサ電極に隣り合って設けられ、前記検出対象の接近に伴って静電容量が大きくなる副センサ電極と、アクチュエータを制御して車両の開閉体を開閉作動させる制御部とを備え、前記制御部は、前記主センサ電極の静電容量と予め設定された接近判定値との大小比較を行う主判定の結果、及び前記副センサ電極の静電容量に基づく追加判定の結果に基づいて、前記開閉体を開閉作動させる
ものであって、前記副センサ電極は、前記車両に搭載された状態で前記主センサ電極に対して水平方向の少なくとも一方に隣り合うように設けられる第1副センサ電極を含み、前記追加判定は、前記第1副センサ電極の静電容量と、予め設定された第1絶対値判定値との大小比較を含み、前記制御部は、前記主センサ電極の静電容量が前記接近判定値以上となり、前記第1副センサ電極の静電容量が前記第1絶対値判定値未満となる場合に、前記開閉体を開閉作動させる。
【0008】
上記構成によれば、主センサ電極の静電容量と接近判定値との大小比較である主判定の結果に加え、副センサ電極の静電容量に基づく追加判定の結果を考慮して開閉体を開閉作動させるため、利用者の操作の誤検出により開閉体を開閉作動させることを抑制できる。
上記のように、例えば利用者が開閉体にもたれ掛かる場合には、第1副センサ電極の静電容量が大きくなり易く、利用者の操作が行われる場合には、第1副センサ電極の静電容量が大きくなり難い。したがって上記構成のように、追加判定として第1副センサ電極の静電容量と第1絶対値判定値との大小比較を行うことにより、利用者の操作の誤検出を好適に抑制できる。
上記課題を解決する車両用操作検出装置は、検出対象の接近に伴って静電容量が大きくなる主センサ電極と、前記主センサ電極に隣り合って設けられ、前記検出対象の接近に伴って静電容量が大きくなる副センサ電極と、アクチュエータを制御して車両の開閉体を開閉作動させる制御部とを備え、前記制御部は、前記主センサ電極の静電容量と予め設定された接近判定値との大小比較を行う主判定の結果、及び前記副センサ電極の静電容量に基づく追加判定の結果に基づいて、前記開閉体を開閉作動させるものであって、前記副センサ電極は、前記車両に搭載された状態で前記主センサ電極に対して上下方向上側に隣り合うように設けられる第2副センサ電極を含み、前記追加判定は、前記第2副センサ電極の静電容量と、予め設定された第2絶対値判定値との大小比較を含み、前記制御部は、前記主センサ電極の静電容量が前記接近判定値以上となり、前記第2副センサ電極の静電容量が前記第2絶対値判定値を超える場合に、前記開閉体を開閉作動させる。
上記構成によれば、主センサ電極の静電容量と接近判定値との大小比較である主判定の結果に加え、副センサ電極の静電容量に基づく追加判定の結果を考慮して開閉体を開閉作動させるため、利用者の操作の誤検出により開閉体を開閉作動させることを抑制できる。
利用者の操作が行われる場合には、主センサ電極の静電容量とともに、主センサ電極に対して上下方向上側に隣り合って設けられた第2副センサ電極の静電容量も大きくなり易い。一方、例えば降雨などにより開閉体に水が掛かる場合には、第2副センサ電極の静電容量が大きくなり難い。したがって上記構成のように、追加判定として第2副センサ電極の静電容量と第2絶対値判定値との大小比較を行うことにより、利用者の操作の誤検出を好適に抑制できる。
【0009】
上記車両用操作検出装置において、前記副センサ電極は、前記車両に搭載された状態で前記主センサ電極に対して水平方向の少なくとも一方に隣り合うように設けられる第1副センサ電極を含み、前記追加判定は、前記主センサ電極の静電容量と前記第1副センサ電極の静電容量との比率と、予め設定された比率判定値との大小比較を含み、前記制御部は、前記主センサ電極の静電容量が前記接近判定値以上となり、前記比率が前記比率判定値以上となる場合に、前記開閉体を開閉作動させることが好ましい。
【0010】
例えば利用者が開閉体にもたれ掛かる場合には、利用者の身体のうち背中などの大きな面積を有する部分が検出対象として接近する。この場合には、主センサ電極の静電容量が大きくなるだけでなく、主センサ電極に対して水平方向に隣り合って設けられた第1副センサ電極の静電容量も大きくなり易く、主センサ電極の静電容量と第1副センサ電極の静電容量との比率が大きくなり難い。一方、利用者の操作が行われる場合には、利用者の身体のうち手などの小さな面積を有する部分が検出対象として接近する。この場合には、主センサ電極の静電容量が大きくなっても、第1副センサ電極の静電容量が大きくなり難く、主センサ電極の静電容量と第1副センサ電極の静電容量との比率が大きくなり易い。したがって上記構成のように、追加判定として比率と比率判定値との大小比較を行うことにより、利用者の操作の誤検出を好適に抑制できる。
【0011】
上記車両用操作検出装置において、前記副センサ電極は、前記車両に搭載された状態で前記主センサ電極に対して水平方向の少なくとも一方に隣り合うように設けられる第1副センサ電極を含み、前記追加判定は、前記主センサ電極の静電容量と前記第1副センサ電極の静電容量との差分と、予め設定された差分判定値との大小比較を含み、前記制御部は、前記主センサ電極の静電容量が前記接近判定値以上となり、前記差分が前記差分判定値以上となる場合に、前記開閉体を開閉作動させることが好ましい。
【0012】
例えば利用者が開閉体にもたれ掛かる場合には、上記のように主センサ電極の静電容量が大きくなるだけでなく、第1副センサ電極の静電容量も大きくなり易いため、主センサ電極の静電容量と第1副センサ電極の静電容量との差分が大きくなり難い。一方、利用者の操作が行われる場合には、上記のように主センサ電極の静電容量が大きくなっても、第1副センサ電極の静電容量が大きくなり難いため、主センサ電極の静電容量と第1副センサ電極の静電容量との差分が大きくなり易い。したがって上記構成のように、追加判定として差分と差分判定値との大小比較を行うことにより、利用者の操作の誤検出を好適に抑制できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、利用者の操作の誤検出により開閉体を開閉作動させることを抑制できる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、車両用操作検出装置(以下、「検出装置」とも言う。)の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、自動車などの車両1のボデー2の側部には開口2aが形成されている。また、ボデー2の側部には、開閉体の一例として、車両前後方向への移動に伴って開口2aを開閉するスライド式の車両ドア3が搭載されている。つまり、車両ドア3の開閉方向は、水平方向と略一致する。車両ドア3は、その下部を構成する略袋状のドア本体4と、該ドア本体4から上下方向に進退する窓ガラス5とを備えている。ドア本体4には、閉状態にある車両ドア3を施解錠するドアロック6が設置されている。
【0020】
車両ドア3には、ドア駆動ユニット11が設置されている。ドア駆動ユニット11は、例えば電動モータなどの駆動源を主体に構成されており、図示しないドア駆動機構を介して車両ドア3を開閉作動させる。本実施形態では、ドア駆動ユニット11が車両ドア3を開閉作動させるアクチュエータの一例に相当する。
【0021】
また、車両ドア3には、例えばドアロック6に隣接して、ドアロック駆動ユニット12が設置されている。このドアロック駆動ユニット12は、例えば電動モータなどの駆動源を主体に構成されており、適宜のロック駆動機構を介してドアロック6を施解錠する。
【0022】
ドア駆動ユニット11及びドアロック駆動ユニット12は、それぞれマイコンなどからなるドアECU10に電気的に接続されており、該ドアECU10によって個別にその作動が制御される。ドアECU10は、利用者により携帯される携帯機である電子キー及び後述する検出装置30から開作動指令信号が入力された場合に、ドア駆動ユニット11を駆動し、車両ドア3を開作動させる。一方、ドアECU10は、電子キー及び検出装置30から閉作動指令信号が入力された場合に、ドア駆動ユニット11を駆動し、車両ドア3を閉作動させる。
【0023】
図2に示すように、ドア本体4は、例えば金属板からなる略皿状のドアアウタパネル21及びドアインナパネル22の開口端同士が嵌め合わされることで略袋状に形成されている。ドアインナパネル22には、車両1の室内の意匠を形成するドアトリム23が取り付けられている。ドアトリム23の上部には、利用者の車両外側からの操作を検出する検出装置30が配置されている。
【0024】
次に、検出装置30について説明する。
図1及び
図3に示すように、検出装置30は、車両ドア3の開閉方向に間隔をあけて配置される第1センサ電極31、第2センサ電極32及び第3センサ電極33を備えている。また、検出装置30は、第1センサ電極31、第2センサ電極32及び第3センサ電極33の上下方向上側に間隔を空けて配置される第4センサ電極34を備えている。検出装置30は、第1センサ電極31、第2センサ電極32、第3センサ電極33及び第4センサ電極34に接続される検出回路35と、ドアECU10に制御信号を出力する制御回路36とを備えている。さらに、検出装置30は、第1センサ電極31、第2センサ電極32、第3センサ電極33、第4センサ電極34、検出回路35及び制御回路36が実装される基板37と、検出装置30の構成部材を収容する筐体38とを備えている。
【0025】
筐体38は、長尺状に形成されている。筐体38の長手方向における長さは、車両ドア3の窓ガラス5の前後方向における長さよりも短くなっている。
第1センサ電極31、第2センサ電極32及び第3センサ電極33は、四角形板状に形成されており、これらの板厚方向と直交する面積は互いに略等しくなっている。第1センサ電極31、第2センサ電極32及び第3センサ電極33は、列をなすように、車両前後方向に沿って直線状に配置されている。詳しくは、第1センサ電極31は最も車両前方に位置し、第3センサ電極33は最も車両後方に位置し、第2センサ電極32は第1センサ電極31と第3センサ電極33との間に位置している。なお、各々のセンサ電極31,32,33は、車両前後方向における長さが利用者の手に応じた長さ(例えば、10cm〜20cm)を有することが好ましい。第4センサ電極34は、細長い長方形板状に形成されている。第4センサ電極34の車両前後方向における長さは、一列に並べられた第1センサ電極31、第2センサ電極32及び第3センサ電極33全体の車両前後方向の長さと略等しくなっている。
【0026】
第1センサ電極31、第2センサ電極32、第3センサ電極33及び第4センサ電極34は、各々のセンサ電極31,32,33,34に接近した検出対象とともに擬似的なコンデンサを形成する。そのため、第1センサ電極31、第2センサ電極32、第3センサ電極33及び第4センサ電極34は、各々のセンサ電極31,32,33,34に検出対象が接近するほど、検出対象との位置関係で定まる静電容量が大きくなる。各々のセンサ電極31,32,33,34は、車両外側から検出対象が接近する際に静電容量が大きくなるように、検出対象の検出範囲が車両外側に広がっている。
【0027】
なお、説明の便宜上、本明細書では、センサ電極と検出対象との位置関係で定まる静電容量を単に「センサ電極における静電容量」とも言う。また、第1センサ電極31の静電容量を「第1静電容量C1」とも言い、第2センサ電極32の静電容量を「第2静電容量C2」とも言い、第3センサ電極33の静電容量を「第3静電容量C3」とも言い、第4センサ電極34の静電容量を「第4静電容量C4」とも言う。さらに、各々のセンサ電極31,32,33,34のうちの任意のセンサ電極を説明する場合には符号を省略する。
【0028】
検出回路35は、第1センサ電極31、第2センサ電極32、第3センサ電極33及び第4センサ電極34に発振信号を出力することで、第1センサ電極31、第2センサ電極32、第3センサ電極33及び第4センサ電極34の静電容量を示す信号を出力させる。そして、検出回路35は、第1センサ電極31、第2センサ電極32、第3センサ電極33及び第4センサ電極34から出力される信号をそれぞれA/D(アナログ/デジタル)変換した信号を制御回路36に出力する。
【0029】
制御回路36は、検出回路35から出力される信号に基づいて各種の演算処理を実行し、その結果に応じた制御信号をドアECU10に出力する。詳しくは、制御回路36は、利用者の操作により、第1センサ電極31、第2センサ電極32、第3センサ電極33及び第4センサ電極34の静電容量が特定の条件を満たすように変化する場合に、車両ドア3を開作動させるための開作動指令信号又は車両ドア3を閉作動させるための閉作動指令信号をドアECU10に出力する。
【0030】
以下、制御回路36がドアECU10に開作動指令信号、及び閉作動指令信号を出力する条件について説明する。
本実施形態の検出装置30は、利用者の操作として、第2センサ電極32に手を接近させた状態を暫くの間に亘って維持する操作、すなわち利用者が検出対象となる手を第2センサ電極32にかざす操作を想定している。そして、制御回路36は、第1センサ電極31、第2センサ電極32、第3センサ電極33及び第4センサ電極34の静電容量が利用者の操作に応じた変化となる場合に、ドアECU10に開作動指令信号、及び閉作動指令信号を出力する。
【0031】
つまり、検出装置30では、第2センサ電極32が主センサ電極に相当するセンサ電極として用いられるとともに、第1センサ電極31、第3センサ電極33及び第4センサ電極34が副センサ電極に相当するセンサ電極として用いられている。そして、検出装置30が車両に搭載された状態で、第2センサ電極32に対して車両前後方向、すなわち水平方向に隣り合うように設けられた第1センサ電極31及び第3センサ電極33がそれぞれ第1副センサ電極に相当する。また、検出装置30が車両に搭載された状態で、第2センサ電極32に対して上下方向上側に隣り合うように設けられた第4センサ電極34が第2副センサ電極に相当する。
【0032】
検出装置30には、センサ電極に検出対象が接近したことを判定するための接近判定値Cthが予め設定されている。そのため、制御回路36は、第2センサ電極32の第2静電容量C2が接近判定値Cth以上となる場合を第2センサ電極32に検出対象が接近している場合と判定し、第2静電容量C2が接近判定値Cth未満となる場合を第2センサ電極32に検出対象が接近していない場合と判定する。なお、接近判定値Cthは、検出装置30における検出感度に応じて適宜に設定すればよい。
【0033】
ところで、例えば車両ドア3に利用者がもたれ掛かる場合や、降雨により窓ガラス5の外表面に雨水などが付着する場合、あるいは図示しないウインドウレギュレータの駆動により窓ガラス5が開閉する場合などに、第1センサ電極31、第2センサ電極32、第3センサ電極33及び第4センサ電極34の静電容量が変化し得る。そのため、第2静電容量C2と接近判定値Cthとの大小比較である主判定の結果のみに基づいて、開作動指令信号又は閉作動指令信号を出力するように構成した比較例の検出装置では、上述した場合に車両ドア3が誤って開閉作動するおそれがある。
【0034】
ここで、例えば利用者が車両ドア3にもたれ掛かる場合には、利用者の身体のうち背中などの大きな面積を有する部分が検出対象として接近し、第2静電容量C2が大きくなるだけでなく、第2センサ電極32に対して水平方向に隣り合って設けられた第1センサ電極31の第1静電容量C1及び第3センサ電極33の第3静電容量C3も大きくなり易い。また、窓ガラス5が開閉作動する場合にも、検出対象となる窓ガラス5と第1センサ電極31、第2センサ電極32及び第3センサ電極33との間隔が変化することで、第1静電容量C1、第2静電容量C2及び第3静電容量C3が同様の傾向で変化する。一方、利用者の操作が行われる場合には、利用者の身体のうち手などの小さな面積を有する部分が検出対象として接近するため、第2静電容量C2が大きくなっても、第1静電容量C1及び第3静電容量C3が大きくなり難い。
【0035】
また、利用者の操作が行われる場合には、第2静電容量C2が大きくなると、第2センサ電極32に対して上下方向上側に隣り合って設けられた第4センサ電極34の第4静電容量C4も大きくなり易い。一方、例えば車両ドア3に雨水などの液体が付着する場合には、第2静電容量C2が大きくなっても、第4静電容量C4が大きくなり難い。
【0036】
上記の点を踏まえ、制御回路36は、第2静電容量C2と接近判定値Cthとの大小比較を行う主判定に加え、第1静電容量C1、第3静電容量C3及び第4静電容量C4に基づく追加判定を行う。そして、制御回路36は、主判定及び追加判定が成立する場合に、開作動指令信号又は閉作動指令信号を出力する。
【0037】
制御回路36は、主判定として、上記のように第2静電容量C2と接近判定値Cthとの大小比較を行う。そして、第2静電容量C2が判定時間Tthに亘って接近判定値Cth以上となる場合に、主判定が成立したと判定する。なお、判定時間Tthは、利用者の操作性を考慮して適宜に決定すればよく、例えば1秒程度の時間とすればよい。
【0038】
制御回路36は、追加判定として次の4つの判定を行う。第1の追加判定では、第2静電容量C2と第1静電容量C1との比率R21(R21=C2/C1)、及び第2静電容量C2と第3静電容量C3との比率R23(R23=C2/C3)を用いる。検出装置30には、第2センサ電極32に検出対象が接近するとともに、第1センサ電極31又は第3センサ電極33に検出対象が接近していないことを判定するための比率判定値Rthが予め設定されている。制御回路36は、第1の追加判定として、比率R21,R23と比率判定値Rthとの大小比較をそれぞれ行う。そして、制御回路36は、比率R21,R23が判定時間Tthに亘ってそれぞれ比率判定値Rth以上である場合に、第1の追加判定が成立したと判定する。
【0039】
第2の追加判定では、第2静電容量C2と第1静電容量C1との差分δ21(δ21=C2−C1)、及び第2静電容量C2と第3静電容量C3との差分δ23(δ23=C2−C3)を用いる。検出装置30には、第2センサ電極32に検出対象が接近するとともに、第1センサ電極31又は第3センサ電極33に検出対象が接近していないことを判定するための差分判定値δthが予め設定されている。制御回路36は、第2の追加判定として、差分δ21,δ23と差分判定値δthとの大小比較をそれぞれ行う。そして、制御回路36は、差分δ21,δ23が判定時間Tthに亘ってそれぞれ差分判定値δth以上である場合に、第2の追加判定が成立したと判定する。
【0040】
第3の追加判定では、第1静電容量C1及び第3静電容量C3を用いる。検出装置30には、第1センサ電極31又は第3センサ電極33に検出対象が接近していないことを判定するための第1絶対値判定値Ath1が予め設定されている。制御回路36は、第3の追加判定として、第1静電容量C1及び第3静電容量C3と第1絶対値判定値Ath1との大小比較をそれぞれ行う。そして、制御回路36は、第1静電容量C1及び第3静電容量C3が判定時間Tthに亘ってそれぞれ第1絶対値判定値Ath1未満である場合に、第3の追加判定が成立したと判定する。
【0041】
第4の追加判定では、第4静電容量C4を用いる。検出装置30には、第4センサ電極34には検出対象が接近していないことを判定するための第2絶対値判定値Ath2が設定されている。制御回路36は、第4の追加判定として、第4静電容量C4と第2絶対値判定値Ath2との大小比較を行う。そして、制御回路36は、第4静電容量C4が判定時間Tthに亘って第2絶対値判定値Ath2を超える場合に、第4の追加判定が成立したと判定する。
【0042】
以上説明したように、本実施形態では、検出装置30が複数の第1静電容量C1、第2静電容量C2、第3静電容量C3及び第4静電容量C4の変化態様に基づいて利用者の操作が行われたか否かを判定し、その判定結果に基づいて、車両ドア3を作動させるための信号を出力する点で、検出装置が制御部41を有していると言える。
【0043】
次に、
図4に示すフローチャートを参照して、全閉位置にある車両ドア3を開作動させるために制御回路36が実行する処理の流れについて説明する。本処理は、車両ドア3が全閉位置に位置するときに所定の制御サイクル毎に実行される処理である。なお、全開位置にある車両ドア3を閉作動させるために制御回路36が実行する処理の流れについても、同様の処理の流れとしてよい。
【0044】
図4に示すように、制御回路36は、第1静電容量C1、第2静電容量C2、第3静電容量C3及び第4静電容量C4を含む各種状態量を取得する(ステップ101)。続いて、制御回路36は、第2静電容量C2が接近判定値Cth以上か否かを判定する(ステップ102)。第2静電容量C2が接近判定値Cth未満の場合(ステップ102:NO)、すなわち、利用者の手が第2センサ電極32に接近していない場合、制御回路36は、本処理を終了する。
【0045】
一方、第2静電容量C2が接近判定値Cth以上の場合(ステップ102:YES)、すなわち、利用者の手が第2センサ電極32に接近している場合、制御回路36は、比率R21,R23を演算する(ステップ103)。続いて、制御回路36は、比率R21が比率判定値Rth以上、かつ比率R23が比率判定値Rth以上か否かを判定し(ステップ104)、比率R21,R23の少なくとも一方が比率判定値Rth未満の場合(ステップ104:NO)、すなわち、例えば利用者が窓ガラス5にもたれ掛かっているような場合、本処理を終了する。一方、比率R21が比率判定値Rth以上、かつ比率R23が比率判定値Rth以上の場合(ステップ104:YES)、すなわち、利用者が手を第2センサ電極32にかざしている場合、差分δ21,δ23を演算する(ステップ105)。
【0046】
続いて、制御回路36は、差分δ21が差分判定値δth以上、かつ差分δ23が差分判定値δth以上か否かを判定し(ステップ106)、差分δ21,δ23の少なくとも一方が差分判定値δth未満の場合(ステップ106:NO)、すなわち、例えば窓ガラス5が開閉作動しているような場合、本処理を終了する。一方、差分δ21が差分判定値δth以上、かつ差分δ23が差分判定値δth以上の場合(ステップ106:YES)、すなわち、利用者が手を第2センサ電極32にかざしている場合、制御回路36は、第1静電容量C1及び第3静電容量C3がそれぞれ第1絶対値判定値Ath1未満か否かを判定する(ステップ107)。
【0047】
続いて、制御回路36は、第1静電容量C1及び第3静電容量C3の少なくとも一方が第1絶対値判定値Ath1以上の場合(ステップ107:NO)、すなわち、例えば降雨や洗車などにより窓ガラス5に水が掛かっているような場合、本処理を終了する。一方、第1静電容量C1及び第3静電容量C3がそれぞれ第1絶対値判定値Ath1未満の場合(ステップ107:YES)、すなわち、利用者が手を第2センサ電極32にかざしている場合、制御回路36は、第4静電容量C4が第2絶対値判定値Ath2を超えるか否かを判定する(ステップ108)。
【0048】
続いて、制御回路36は、第4静電容量C4が第2絶対値判定値Ath2以下の場合(ステップ108:NO)、すなわち、例えば降雨や洗車などにより窓ガラス5に水が掛かっているような場合、本処理を終了する。一方、第4静電容量C4が第2絶対値判定値Ath2を超える場合(ステップ108:YES)、すなわち、利用者が手を第2センサ電極32にかざしている場合、制御回路36は、経過時間Teを取得する(ステップ109)。経過時間Teは、ステップ108が最初に肯定判定されてからの経過時間である。そのため、経過時間Teは、
図4に示す一連の処理が終了するまでの間、ステップ109が実行される度に更新される。
【0049】
そして、制御回路36は、経過時間Teが判定時間Tth以上か否かを判定する(ステップ110)。経過時間Teが判定時間Tth未満の場合(ステップ110:NO)、制御回路36は、ステップ101に移行する。一方、経過時間Teが判定時間Tth以上の場合(ステップ110:YES)、制御回路36は、ドアECU10に向けて開作動指令信号を出力する(ステップ111)。
【0050】
次に、
図5〜
図9を参照して、全閉位置に位置する車両ドア3を開作動させる場合の本実施形態の作用について説明する。なお、全開位置に位置する車両ドア3を閉作動させる場合についても、同様の作用を奏するため、その説明を省略する。
【0051】
まず、
図5を参照して、利用者が検出装置30に対して操作を行う場合について説明する。例えば同図に示すように、利用者が操作を行うと、第1静電容量C1及び第4静電容量C4が大きくなるが、第2静電容量C2及び第3静電容量C3はほとんど変化しない。そして、タイミングt1で第2静電容量C2が接近判定値Cth以上になり、略同じタイミングで第4静電容量C4が第2絶対値判定値Ath2以上になる。一方、第1静電容量C1及び第3静電容量C3は、第1絶対値判定値Ath1未満となる。その結果、比率R21,R23がそれぞれ比率判定値Rth以上となり、差分δ21,δ23がそれぞれ差分判定値δth以上となる。したがって、主判定及び全ての追加判定が成立することで、利用者の操作が行われていると判定され、そのまま判定時間Tthだけ経過すると車両ドア3が開作動する。
【0052】
一方、例えば
図6に示すように、利用者が車両ドア3にもたれ掛かる場合は、第1静電容量C1、第2静電容量C2、第3静電容量C3及び第4静電容量C4がそれぞれ大きくなるような静電容量変化を示す。そのため、比率R21,R23が小さくなり、比率R21,R23がそれぞれ比率判定値Rth未満となる。その結果、第1の追加判定において利用者の操作でないと判定されることで、車両ドア3は開作動しない。
【0053】
また、例えば
図7に示すように、窓ガラス5が開閉作動する場合は、第1静電容量C1、第2静電容量C2、第3静電容量C3及び第4静電容量C4がそれぞれ大きくなるような静電容量変化を示す。そのため、差分δ21,δ23が小さくなり、差分δ21,δ23がそれぞれ比率判定値Rth未満となる。その結果、第2の追加判定において利用者の操作でないと判定されることで、車両ドア3は開作動しない。
【0054】
また、例えば
図8に示すように、洗車などにより窓ガラス5に水が掛かる場合は、第1静電容量C1が大きくなるだけでなく、第3静電容量C3が大きくなるような静電容量変化を示す。その結果、第3静電容量C3が第1絶対値判定値Ath1以上となり、第3の追加判定において利用者の操作でないと判定されることで、車両ドア3は開作動しない。
【0055】
また、例えば
図9に示すように、降雨などにより窓ガラス5に水が掛かる場合は、第1静電容量C1が大きくなるものの、第4静電容量C4がほとんど変化しないような静電容量変化を示す。その結果、第4静電容量C4が第2絶対値判定値Ath2未満となり、第4の追加判定において利用者の操作でないと判定されることで、車両ドア3が開作動しない。
【0056】
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)制御回路36は、第2静電容量C2と接近判定値Cthとの大小比較の結果に加え、第1静電容量C1、第3静電容量C3及び第4静電容量C4に基づく追加判定の結果を考慮して車両ドア3を開閉作動させる。そのため、利用者の操作の誤検出により車両ドア3を開閉作動させることを抑制できる。
【0057】
(2)第1の追加判定を、第2静電容量C2と第1静電容量C1との比率R21、及び第2静電容量C2と第3静電容量C3との比率R23と、比率判定値Rthとの大小比較とし、制御回路36は、比率R21,R23がそれぞれ比率判定値Rth以上である場合に、車両ドア3を開閉作動させる。上記のように、例えば利用者が開閉体にもたれ掛かる場合には、比率R21,R23が大きくなり難い一方、利用者の操作が行われる場合には、比率R21,R23が大きくなり易い。したがって、比率R21,R23と比率判定値Rthとの大小比較を行うことにより、利用者の操作の誤検出を好適に抑制できる。
【0058】
(3)第2の追加判定を、第2静電容量C2と第1静電容量C1との差分δ21、及び第2静電容量C2と第3静電容量C3との差分δ23と、差分判定値δthとの大小比較とし、制御回路36は、差分δ21,δ23がそれぞれ差分判定値δth以上である場合に、車両ドア3を開閉作動させる。上記のように、例えば窓ガラス5が開閉作動する場合には、差分δ21,δ23が大きくなり難い一方、利用者の操作が行われる場合には、差分δ21,δ23が大きくなり易い。したがって、差分δ21,δ23と差分判定値δthとの大小比較を行うことにより、利用者の操作の誤検出を好適に抑制できる。
【0059】
(4)第3の追加判定を、第1静電容量C1及び第3静電容量C3と、第1絶対値判定値Ath1との大小比較とし、制御回路36は、第1静電容量C1及び第3静電容量C3がそれぞれ第1絶対値判定値Ath1未満である場合に、車両ドア3を開閉作動させる。上記のように、例えば洗車などにより水が窓ガラス5に掛かる場合には、第1静電容量C1及び第3静電容量C3が大きくなり易く、利用者の操作が行われる場合には、第1静電容量C1及び第3静電容量C3が大きくなり難い。したがって、第1静電容量C1及び第3静電容量C3と第1絶対値判定値Ath1との大小比較を行うことにより、利用者の操作の誤検出を好適に抑制できる。
【0060】
(5)第4の追加判定を、第4静電容量C4と、第2絶対値判定値Ath2との大小比較とし、制御回路36は、第4静電容量C4が第2絶対値判定値Ath2を超える場合に、車両ドア3を開閉作動させる。上記のように利用者の操作が行われる場合には、第2静電容量C2とともに第4静電容量C4も大きくなり易い一方、例えば降雨により窓ガラス5に水が掛かる場合には、第4静電容量C4が大きくなり難い。したがって、第4静電容量C4と第2絶対値判定値Ath2との大小比較を行うことにより、利用者の操作の誤検出を好適に抑制できる。
【0061】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態において、判定時間Tthは、利用者の好みに応じて適宜に設定すればよく、また主判定及び第1〜第4の追加判定の間で異なる判定時間を設定してもよい。また、主判定及び第1〜第4の追加判定の少なくとも1つについて、判定時間Tthをゼロ、すなわち判定時間に亘って判定が成立するか否かを判定しなくてもよい。
【0062】
・上記実施形態において、第1の追加判定で用いる比率判定値Rthを、比率R21と比率R23とで異なる値としてもよい。同様に、第2の追加判定で用いる差分判定値δthを、差分δ21と差分δ23とで異なる値としてもよく、さらに第3の追加判定で用いる第1絶対値判定値Ath1を第1静電容量C1と第3静電容量C3とで異なる値としてもよい。
【0063】
・上記実施形態では、第2センサ電極32を主センサ電極としたが、これに限らず、例えば第1センサ電極31を主センサ電極とし、第2センサ電極32を第1副センサ電極としてもよい。
【0064】
・上記実施形態では、第1の追加判定で比率R21,R23と比率判定値Rthとの大小比較を行ったが、これに限らず、比率R21,R23のいずれか一方と比率判定値Rthとの大小比較のみを行うようにしてもよい。同様に、第2の追加判定で差分δ21,δ23と差分判定値δthとの大小比較のみを行うようにしてもよい。
【0065】
・上記実施形態では、検出装置30が第1センサ電極31、第2センサ電極32、第3センサ電極33及び第4センサ電極34を備えたが、これに限らず、主センサ電極となるセンサ電極と、副センサ電極となる少なくとも1つのセンサ電極を備えれば、センサ電極の数及び配置は適宜変更可能である。具体的には、例えば検出装置30が第1センサ電極31及び第2センサ電極32のみを有する構成としてもよい。
【0066】
・上記実施形態では、第2静電容量C2と接近判定値Cthとの大小比較に加え、第1〜第4の追加判定の結果に基づいて車両ドア3を開閉作動させたが、これに限らず、第2静電容量C2と接近判定値Cthとの大小比較に加え、第1〜第4の追加判定の少なくとも1つの結果に基づいて車両ドア3を開閉作動させてもよい。換言すれば、制御回路36が第1〜第4の追加判定のいずれかを行わずに車両ドア3を開閉作動させてもよい。
【0067】
・上記実施形態において、検出装置30の設置箇所は適宜変更可能であり、例えばボデー2に設けてもよい。
・上記実施形態では、車両ドア3を開閉体の一例としたが、これに限らず、スイングドアやバックドア、あるいはアクチュエータの駆動により開閉作動する窓ガラス5を開閉としてもよい。なお、この場合、第1センサ電極31、第2センサ電極32及びは第3センサ電極33は、開閉体の開閉方向に並ぶように配置することが好ましい。
【0068】
・上記実施形態において、制御回路36は、コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する専用のハードウェア(特定用途向け集積回路:ASIC)などの1つ以上の専用のハードウェア回路又はこれらの組み合わせを含む回路として構成し得る。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROMなどのメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリ、すなわち記憶媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。