特許第6979448号(P6979448)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6979448
(24)【登録日】2021年11月17日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】クリーニング装置
(51)【国際特許分類】
   B08B 6/00 20060101AFI20211202BHJP
   B08B 1/04 20060101ALI20211202BHJP
【FI】
   B08B6/00
   B08B1/04
【請求項の数】8
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2019-223386(P2019-223386)
(22)【出願日】2019年12月11日
(62)【分割の表示】特願2018-227178(P2018-227178)の分割
【原出願日】2015年5月22日
(65)【公開番号】特開2020-37110(P2020-37110A)
(43)【公開日】2020年3月12日
【審査請求日】2020年1月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005061
【氏名又は名称】バンドー化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120329
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 一規
(72)【発明者】
【氏名】金子 加津寛
(72)【発明者】
【氏名】三橋 浩
【審査官】 村山 睦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−183248(JP,A)
【文献】 特開2011−092846(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/184971(WO,A1)
【文献】 特開昭55−087527(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/183248(WO,A1)
【文献】 特開平01−068206(JP,A)
【文献】 実開昭56−046015(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 6/00
B08B 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送される対象物表面のクリーニング装置であって、
上記対象物の搬送方向と略垂直かつ対象物表面と略平行な回転軸を中心として配設され、表面を帯電させた状態で上記対象物表面に接触させるクリーニングローラと、
このクリーニングローラと略平行に配設され、帯電させた状態で上記対象物表面に接触させるクリーニングブラシと
を備え、
上記クリーニングブラシが、
上記クリーニングローラよりも上記搬送方向上流側に、上記クリーニングローラと離間して配置され、
円柱状の芯金と、この芯金の周面への複数の毛の植設により形成されるブラシ部とを有し、
上記クリーニングブラシが回転駆動され、
上記クリーニングブラシにおける対象物表面との接点部分での回転方向が上記対象物の搬送方向に対して逆方向であることを特徴とするクリーニング装置。
【請求項2】
上記ブラシ部を形成する毛が、導電性材料を含有する合成樹脂製の繊維であることを特徴とする請求項1に記載のクリーニング装置。
【請求項3】
上記導電性材料が、カーボンブラック、炭素繊維、金属粉又は金属ウィスカである請求項2に記載のクリーニング装置。
【請求項4】
上記ブラシ部の毛の断面形状が、星型形状である請求項1、請求項2又は請求項3に記載のクリーニング装置。
【請求項5】
上記ブラシ部の上記対象物への平均圧接量が、0.03mm以上1.5mm以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のクリーニング装置。
【請求項6】
上記クリーニングブラシの周速度が、1m/min以上30m/min以下である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のクリーニング装置。
【請求項7】
上記クリーニングブラシと略平行に配設され、表面を帯電させた状態で上記クリーニングブラシの外周側に接触させる集塵ローラをさらに備える請求項1に記載のクリーニング装置。
【請求項8】
上記クリーニングローラと略平行に配設され、帯電かつ回転駆動させつつ上記クリーニングローラ表面に接触させるブラシローラをさらに備える請求項1に記載のクリーニング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーニング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、フラットパネルディスプレイ(FPD)のガラス基板、電子部品を搭載するプリント基板、樹脂薄板、フィルム材料等の対象物表面に付着する塵埃などの異物を取り除くためのクリーニング装置が開発されている。
【0003】
このようなクリーニング装置として、帯電されたローラ状のクリーニングブラシで対象物表面の異物を除去し、この除去した異物を電界の力で搬送及び回収するクリーニング装置が提案されている(特開2011−92846号公報参照)。
【0004】
しかし、上記公報で提案のクリーニング装置では、比較的大きなミリサイズの異物は除去できるものの、クリーニングブラシが対象物表面に接触しない部分が発生するため、その部分に存在する微細な異物を除去できない。また、上記公報では、クリーニングブラシの回転方向は対象物の搬送方向に対して順方向及び逆方向のいずれでもよいとされているが、発明者らが確認したところ、クリーニングブラシを上記順方向に回転した場合には、比較的大きなミリサイズの異物を十分には除去できなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−92846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、ミリサイズの比較的大きな異物と共に微細な異物を除去できるクリーニング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた発明は、搬送される対象物表面のクリーニング装置であって、上記対象物の搬送方向と略垂直かつ対象物表面と略平行な回転軸を中心として配設され、表面を帯電させた状態で上記対象物表面に接触させるクリーニングローラと、このクリーニングローラと略平行に配設され、帯電させた状態で回転駆動させつつ上記対象物表面に接触させるクリーニングブラシと、上記クリーニングブラシよりも上記対象物の搬送方向上流側に、上記対象物の搬送方向と略垂直かつ対象物表面と略平行な回転軸を中心として配設され、上記対象物の進行する向きを規制する一対のガイドローラとを備え、上記クリーニングブラシにおける対象物表面との接点部分での回転方向が上記対象物の搬送方向に対して逆方向であることを特徴とする。
【0008】
当該クリーニング装置は、一対のガイドローラにより当該クリーニング装置内への対象物の進行する向きが規制される。このため、クリーニングローラ及びクリーニングブラシの帯電や、クリーニングブラシの逆回転により対象物が曲げられることを抑止できる。従って、当該クリーニング装置は、対象物表面に付着する異物を効果的に除去できる。なお、「略平行」とは、なす角度が±10°以内であることを意味する。「略垂直」とは、なす角度が90°±10°以内であることを意味する。
【0009】
上記クリーニングブラシも、帯電させた状態で上記対象物表面に接触させるとよい。このように、クリーニングブラシも帯電させた状態で対象物表面に接触させることにより、電界の力によって異物がよりクリーニングブラシに吸着され易くなるので、より効果的に対象物表面の異物を除去できる。
【0010】
上記クリーニングブラシがクリーニングローラ表面に接触しているとよい。このように、クリーニングブラシをクリーニングローラ表面に接触させることにより、クリーニングローラ表面に吸着された異物をクリーニングブラシに移動できる。これにより、クリーニングローラの吸着効果の低下を抑制できる。
【0011】
上記クリーニングブラシと略平行に配設され、表面を帯電させた状態で上記クリーニングブラシの外周側に接触させる集塵ローラをさらに備えるとよい。このように、表面を帯電させた状態でクリーニングブラシの外周側に接触させる集塵ローラをクリーニングブラシと略平行に配設することにより、例えば集塵ローラ表面をクリーニングブラシよりも高い電圧で帯電させることで、クリーニングブラシに移動させた異物をさらに集塵ローラに移動できるので、クリーニングブラシに付着した異物の除去作業を省略又は軽減できる。
【0012】
上記クリーニングローラと略平行に配設され、帯電かつ回転駆動させつつ上記クリーニングローラ表面に接触させるブラシローラをさらに備えるとよい。このように、帯電かつ回転駆動させつつクリーニングローラ表面に接触させるブラシローラをクリーニングローラと略平行に配設することにより、クリーニングローラ表面に吸着させた異物をブラシローラに移動できるので、クリーニングローラの吸着効果の低下を抑制できる。
【0013】
上記クリーニングブラシ及びブラシローラと略平行に配設され、表面を帯電させた状態で上記クリーニングブラシ及びブラシローラの外周側に接触させる1又は2の集塵ローラをさらに備えるとよい。このように、表面を帯電させた状態でクリーニングブラシ及びブラシローラの両方の外周側に接触させる1の集塵ローラをクリーニングブラシ及びブラシローラと略平行に配設することにより、例えばこの集塵ローラ表面をクリーニングブラシ及びブラシローラよりも高い電圧で帯電させることで、クリーニングブラシ及びブラシローラに移動させた異物をさらに集塵ローラに移動できるので、クリーニングブラシ及びブラシローラに付着した異物の除去作業を省略又は軽減できる。また、表面を帯電させた状態でクリーニングブラシに接触させる1の集塵ローラをクリーニングブラシと略平行に配設すると共に、表面を帯電させた状態でブラシローラに接触させる別の集塵ローラをブラシローラと略平行に配設することでも、クリーニングブラシ及びブラシローラに移動させた異物をさらにこれらの集塵ローラに移動できるので、クリーニングブラシ及びブラシローラに付着した異物の除去作業を省略又は軽減できる。
【0014】
上記クリーニングローラ及びクリーニングブラシが単一のユニットに組み込まれているとよい。このように、クリーニングローラ及びクリーニングブラシを単一のユニットに組み込むことにより、当該クリーニング装置を小型化できる。
【0015】
上記クリーニングローラが組み込まれたユニットと、上記クリーニングブラシが組み込まれたユニットとを別に備えるとよい。このようにクリーニングローラが組み込まれたユニットとクリーニングブラシが組み込まれたユニットとを別のユニットとすることにより、ユニット毎の交換が可能となり、クリーニングローラ及びクリーニングブラシのそれぞれの寿命で個別に交換できる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明のクリーニング装置は、ミリサイズの比較的大きな異物と共に微細な異物を除去できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第一実施形態に係るクリーニング装置の模式図である。
図2】本発明の第二実施形態に係るクリーニング装置の模式図である。
図3図1及び図2の実施形態とは異なる実施形態に係るクリーニング装置の模式図である。
図4A図1図2及び図3の実施形態とは異なる実施形態に係るクリーニング装置のクリーニングローラユニットの模式図である。
図4B図1図2及び図3の実施形態とは異なる実施形態に係るクリーニング装置のクリーニングブラシユニットの模式図である。
図5図1図2図3及び図4Aの実施形態とは異なる実施形態に係るクリーニング装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施形態を詳説する。
【0019】
〔第一実施形態〕
図1に示す当該クリーニング装置1は、搬送されるフィルム状又は板状対象物S表面のクリーニング装置である。当該クリーニング装置1は、対象物Sの搬送方向Cと略垂直かつ対象物S表面と略平行な回転軸を中心として回転自在に配設され、表面を帯電させた状態で対象物S表面に接触させるクリーニングローラ2と、クリーニングローラ2と略平行に配設され、回転駆動させつつ対象物S表面に接触させるローラ状のクリーニングブラシ3とを主に備える。また、当該クリーニング装置1は、クリーニングローラ2と略平行に配設され、帯電かつ回転駆動させつつクリーニングローラ2表面に接触させるブラシローラ4と、クリーニングブラシ3及びブラシローラ4と略平行に配設され、表面を帯電させた状態でクリーニングブラシ3及びブラシローラ4の外周側に接触させる1の集塵ローラ5とをさらに備える。なお、図1中の矢印は、対象物Sの搬送方向C及び各ローラの回転方向を示している。クリーニングローラ2における対象物S表面との接点部分での回転方向は、対象物Sの搬送方向Cに対して順方向であり、クリーニングブラシ3における対象物S表面との接点部分での回転方向は、対象物Sの搬送方向Cに対して逆方向である。
【0020】
また、当該クリーニング装置1は、集塵ローラ5表面に付着した異物を掻き取るスクレーパー6と、クリーニングローラ2、クリーニングブラシ3、ブラシローラ4、集塵ローラ5及びスクレーパー6を内部に収容するフレーム7とを備える。このように、当該クリーニング装置1は、クリーニングローラ2及びクリーニングブラシ3が単一のユニットに組み込まれている。
【0021】
また、当該クリーニング装置1は、クリーニングブラシ3と略平行に対向するよう配設される第1対向電極ローラ9と、クリーニングローラ2と略平行に対向するよう配設される第2対向電極ローラ10と、対象物Sの搬送方向Cと略垂直かつ対象物S表面と略平行な回転軸を中心として回転自在に配設され、対象物Sが搬送される向きを規制する一対のガイドローラ11とを備える。
【0022】
(対象物)
当該クリーニング装置1で異物除去する対象物Sは、フィルム状又は板状のものであれば、どのようなものでもよい。例えば対象物Sとして、FPDのガラス基板、電子部品を搭載するプリント基板、樹脂薄板、フィルム材料等を用いることができる。
【0023】
対象物Sの平均厚さは、特に限定されるものではないが、対象物Sの平均厚さの下限としては、例えば30μmが好ましく、50μmがより好ましい。対象物Sの平均厚さが上記下限に満たないと、対象物Sを搬送し難くなるおそれがある。
【0024】
対象物Sの搬送速度の下限は特に限定されるものではないが、例えば5m/minが好ましく、10m/minがより好ましい。一方、対象物Sの搬送速度の上限としては、30m/minが好ましく、20m/minがより好ましい。対象物Sの搬送速度が上記下限に満たないと、異物除去に要する時間が長くなり、異物の除去効率が低下するおそれがある。逆に、対象物Sの搬送速度が上記上限を超えると、クリーニングローラ2により対象物S表面の異物を十分に吸着できなくなるおそれがある。
【0025】
<クリーニングローラ>
クリーニングローラ2は、対象物Sの搬送方向Cと略垂直かつ対象物S表面と略平行な回転軸を中心として回転自在に配設される。このクリーニングローラ2は、表面を帯電させた状態で対象物S表面に接触し、対象物Sの搬送に伴って連れ回りしつつ電界の力により対象物S表面に付着の異物を吸着する。つまり、対象物S表面に付着の異物が、静電気力によってクリーニングローラ2表面に吸着される。
【0026】
クリーニングローラ2は、円柱状の芯金2aと、この芯金2aの周面を覆う円筒状の内層部2bと、この内層部2bの外周面を覆う薄膜円筒状の外層部2cとを有する。
【0027】
上記内層部2bの材質として、導電性を有する弾性部材が用いられる。このような弾性部材として、例えばカーボンを含むポリエステル系ウレタン等が挙げられる。
【0028】
上記外層部2cの材質としては、対象物S表面に付着の異物を電界の力により吸着する電荷を帯電し得るものであればよく、例えばアクリル混合ポリウレタンやフッ素混合ポリウレタンなどのポリウレタンが挙げられる。上記外層部2cをポリウレタンで形成することで、シリコーン樹脂やブチルゴムなどで形成する場合に比べて耐摩耗性が優れ、可塑剤や低分子量物による汚染を低減することができる。
【0029】
上記アクリル混合ポリウレタンとは、ポリエステルポリウレタン又はポリエーテルポリウレタンを主成分とし、さらに(1)熱可塑性ポリウレタン及びシリコン・アクリル共重合樹脂、(2)アクリル樹脂(例えばメタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体からなる主鎖にアミノエチル基がグラフトされてなるグラフト化合物)及び熱可塑性ポリウレタン、又は(3)アクリル樹脂、ポリウレタン及びフッ素系表面コーティング剤を含む混合物を意味する。外層部2cの材質としてアクリル混合ポリウレタンを用いることにより、マイナスに帯電し易い異物が対象物S表面から除去され易くなる。なお、「主成分」とは、最も含有量の多い成分であり、例えば50質量%以上含有される成分である。
【0030】
また、上記フッ素混合ポリウレタンとは、ポリウレタンを主成分とするもので、熱可塑性ポリウレタン及びウレタン・フッ素共重合体を含む混合物を意味する。外層部2cの材質としてフッ素混合ポリウレタンを用いることにより、プラスに帯電し易い異物が対象物Sから除去され易くなる。
【0031】
外層部2cの平均厚さの下限としては、2μmが好ましく、5μmがより好ましい。一方、外層部2cの平均厚さの上限としては、500μmが好ましく、50μmがより好ましい。外層部2cの平均厚さが上記下限に満たないと、クリーニングローラ2表面を十分に帯電させることができず、異物の吸着効果が十分に得られないおそれがある。逆に、外層部2cの平均厚さが上記上限を超えると、異物を吸着するための良好な帯電特性が得られないおそれがある。
【0032】
クリーニングローラ2は、表面が搬送される対象物Sと接触することにより連れ回りする。従って、クリーニングローラ2は、対象物S表面との接点部分において対象物Sの搬送方向Cと順方向となるよう回転する。クリーニングローラ2は帯電しているので、搬送される対象物S表面がクリーニングローラ2表面と近接する際、電界の力により対象物S表面の異物がクリーニングローラ2に吸着される。
【0033】
<クリーニングブラシ>
ローラ状のクリーニングブラシ3は、クリーニングローラ2よりも対象物Sの搬送方向C上流側に、クリーニングローラ2と略平行に配設される。このクリーニングブラシ3は、外周側がクリーニングローラ2表面と接触しないよう、クリーニングローラ2と離間して配設される。このクリーニングブラシ3は、対象物S表面に接触しながら、対象物S表面との接点部分での回転方向が対象物Sの搬送方向Cに対して逆方向となるよう回転駆動される。
【0034】
クリーニングブラシ3は、円柱状の芯金3aと、この芯金3aの周面への複数の毛の植設により形成されるブラシ部3bとを有する。
【0035】
ブラシ部3bを形成する毛として、物理的に異物が付着し易いものが好ましく、例えば合成樹脂製の繊維が挙げられる。また、ブラシ部3bを形成する毛として、対象物S表面に付着の異物を電界の力により吸着する電荷を帯電し得るものが好ましく、例えばカーボンブラック、炭素繊維、金属粉、金属ウィスカ等の導電性材料を含有する合成樹脂製の繊維が好適に使用できる。
【0036】
ブラシ部3bの毛の断面形状は特に限定されるものではなく、ブラシ部3bとして、例えば毛の断面形状が円形状、楕円形状、星型形状等のものを用いることができる。また、ブラシ部3bの外形も特に限定されるものではなく、ブラシ部3bとして、例えば外形が直線状、波曲線形状、曲線と直線とが組み合わされて構成された形状等のものを用いることができる。なお、ブラシ部3bの表面積が大きいほど異物を吸着し易くなるので、ブラシ部3bを形成する毛として、例えば断面形状が星型形状のものが好適に使用できる。
【0037】
クリーニングブラシ3は、対象物S表面との接点部分において対象物Sの搬送方向Cと逆方向となるよう回転駆動されることにより、対象物S表面に付着の異物を掻き起こし、この掻き起こした異物がブラシ部3bに付着する。なお、クリーニングブラシ3も、クリーニングローラ2と同様に帯電される。これにより、電界の力による吸着力も作用するので、より効果的に対象物S表面の異物をブラシ部3bに吸着及び移動させることができる。なお、電界の力が作用しなくても上記異物はブラシ部3bに付着するので、クリーニングブラシ3は必ずしも帯電させなくてもよい。
【0038】
クリーニングブラシ3の対象物Sへの平均圧接量の下限としては、0.03mmが好ましく、0.05mmがより好ましい。一方、上記平均圧接量の上限としては、1.5mmが好ましく、1mmがより好ましい。上記平均圧接量が上記下限未満であると、対象物S表面の異物を十分に掻き起こせないおそれがある。逆に、上記平均圧接量が上記上限を超えると、ブラシ部3b及び対象物S表面間の摩擦力が大きくなるため、対象物Sの搬送速度が低下するおそれがある。なお、「圧接量」とは、クリーニングブラシ3と対象物Sとの接点部分における芯金3a表面及び対象物S間の距離とブラシ部3bの毛の長さとの差を意味する。
【0039】
クリーニングブラシ3の周速度の下限としては、1m/minが好ましく、3m/minがより好ましい。一方、クリーニングブラシ3の周速度の上限としては、30m/minが好ましく、15m/minがより好ましい。クリーニングブラシ3の周速度が上記下限に満たないと、対象物S表面の異物を十分に掻き起こせないおそれがある。逆に、クリーニングブラシ3の周速度が上記上限を超えると、ブラシ部3b及び対象物S表面間の摩擦力が大きくなるため、対象物Sの搬送速度が低下するおそれがある。
【0040】
<ブラシローラ>
ブラシローラ4は、帯電かつ回転駆動されながら、外周側がクリーニングローラ2表面に接触するようクリーニングローラ2と略平行に配設される。
【0041】
ブラシローラ4は、円柱状の芯金4aと、この芯金4aの周面への複数の毛の植設により形成されるブラシ部4bとを有する。
【0042】
芯金4a及びブラシ部4bとして、例えば上述したクリーニングブラシ3の芯金3a及びブラシ部3bと同様の材質のものを用いることができる。
【0043】
ブラシローラ4には、クリーニングローラ2への印加電圧よりも高い電圧を印加する。これにより、ブラシローラ4の外周側がクリーニングローラ2表面よりも電位が高くなるので、クリーニングローラ2表面に付着した異物がブラシローラ4に吸着され、クリーニングローラ2表面の異物がブラシローラ4に移動する。
【0044】
なお、回転駆動されるブラシローラ4の回転方向は、いずれの方向でもよいが、クリーニングローラ2とブラシローラ4との接点部分において互いの周面における移動方向が逆向きとなる方が、クリーニングローラ2表面に付着の異物が掻き起こされ易くなるため、異物がブラシローラ4に移動し易くなる。従って、ブラシローラ4は、クリーニングローラ2と同じ回転方向に回転駆動することが好ましい。
【0045】
<集塵ローラ>
集塵ローラ5は、帯電かつ回転駆動されながら、表面がクリーニングブラシ3の外周側及びブラシローラ4の外周側と接触するよう、クリーニングブラシ3及びブラシローラ4と略平行に配設される。
【0046】
集塵ローラ5の材質として、導電性材料が用いられる。このような導電性材料としては、例えばステンレス、銅、アルミニウム等の金属材料が挙げられる。集塵ローラ5として銅やアルミニウム等の酸化し易い導電性材料を使用する場合には、集塵ローラ5の表面にニッケルめっきや金めっき等の耐食性のめっき処理を行なうことが好ましい。
【0047】
集塵ローラ5には、クリーニングブラシ3及びブラシローラ4への印加電圧よりも高い電圧を印加する。これにより、集塵ローラ5表面がクリーニングブラシ3及びブラシローラ4の外周側よりも電位が高くなるので、クリーニングブラシ3及びブラシローラ4に付着した異物が集塵ローラ5表面に吸着され、クリーニングブラシ3及びブラシローラ4に付着の異物が集塵ローラ5に移動する。これにより、クリーニングブラシ3及びブラシローラ4に集積される異物の除去作業を省略又は軽減できる。
【0048】
集塵ローラ5の回転方向は、いずれの方向であってもよい。集塵ローラ5は、後述するスクレーパー6により集塵ローラ5表面から掻き取られる異物が回収され易い回転方向で駆動するとよい。当該クリーニング装置1では、集塵ローラ5が上記クリーニングブラシ3の上方に配設され、集塵ローラ5の搬送方向C上流側に、スクレーパー6が搬送方向C下流側かつ下方に傾斜するよう配設される。そのため、集塵ローラ5がクリーニングブラシ3と同じ回転方向で駆動されることで、上記掻き取られる異物が回収し易くなる。
【0049】
<スクレーパー>
スクレーパー6は、例えば矩形状の板であり、軸方向に亘って集塵ローラ5表面に接触可能な部分を有している。このスクレーパー6は、搬送方向C下流側かつ下方に傾斜し、上記矩形の長辺が集塵ローラ5表面に回転軸方向に亘って接触するよう集塵ローラ5の搬送方向C上流側に配設される。ここで、スクレーパー6の集塵ローラ5表面に接触する長辺を先端部と呼ぶこととする。
【0050】
スクレーパー6は、熱硬化性ポリウレタン等の合成樹脂製の弾性体などで形成される。集塵ローラ5の回転に伴い、集塵ローラ5表面に接触するスクレーパー6の先端部によって集塵ローラ5表面に付着した異物が掻き取られる。これにより、集塵ローラ5表面が異物の除去された清浄な状態となる。なお、スクレーパー6の先端部下方にトレイ状の異物回収部8が配設されており、上記掻き取られた異物はこの異物回収部8内に落下及び回収される。
【0051】
<フレーム>
フレーム7は、対象物Sの搬送方向Cに略直交し、搬送方向Cの前後に配設される前板及び後板と、搬送方向Cに略平行かつ対象物S表面に対して略垂直に配設される一対の側板と、対象物S表面に略平行に配設される天板とを有する。上記天板は、上記一対の側板、前板及び後板の各上端に接続している。クリーニングローラ2、クリーニングブラシ3、ブラシローラ4、集塵ローラ5及びスクレーパー6は、このような形状を有するフレーム7の内側に収容される。
【0052】
また、上記後板の下部は、対象物S表面と略平行となるよう搬送方向Cの下流側に屈曲され、その屈曲された端部側は、クリーニングブラシ3と接触しないよう、さらに上方へ屈曲されている。この後板の下部の屈曲形状により、トレイ状の異物回収部8が形成されている。
【0053】
フレーム7は、絶縁性を有する材料で形成される。このような絶縁性材料としては、例えばポリアセタ―ルなどの樹脂が挙げられる。
【0054】
上記異物回収部8は、スクレーパー6の先端部が集塵ローラ5表面に接触する位置の下方に形成される。スクレーパー6の先端部との接触により集塵ローラ5表面から掻き取られた異物が、この異物回収部8内に落下及び回収される。
【0055】
<対向電極ローラ>
第1対向電極ローラ9は、表面を帯電させた状態で、対象物Sのクリーニングブラシ3と接触する面とは反対側の面と接触するよう、クリーニングブラシ3と略平行にかつ対向する位置に回転自在に配設される。この第1対向電極ローラ9は、対象物Sの搬送に伴って連れ回りする。
【0056】
第1対向電極ローラ9は、一部又は全部が導電性材料で形成される。このような導電性材料としては、例えばステンレス、銅、アルミニウム等の金属材料が挙げられる。第1対向電極ローラ9は、このような導電性材料のみで形成してもよく、このような導電性材料で形成された芯金の外周面を合成樹脂等の絶縁層が覆うような構成としてもよい。
【0057】
第1対向電極ローラ9には、クリーニングブラシ3に印加される電圧よりも低い電圧又は正負が逆の電圧が印加される。又は、第1対向電極ローラ9は接地される。これにより、クリーニングブラシ3の電界の力による吸着効果が促進され、対象物Sのクリーニングブラシ3側の面に付着の異物がクリーニングブラシ3に吸着され易くなる。
【0058】
第2対向電極ローラ10は、表面を帯電させた状態で、対象物Sのクリーニングローラ2と接触する面とは反対側の面と接触するよう、クリーニングローラ2と略平行にかつ対向する位置に回転自在に配設される。この第2対向電極ローラ10は、対象物Sの搬送に伴って連れ回りする。
【0059】
第2対向電極ローラ10は、導電性材料で形成され、例えば第1対向電極ローラ9と同様の材料で形成することができる。導電材料で形成された第2対向電極ローラ10に電圧が印加されること、又は第2対向電極ローラ10が接地されることにより、クリーニングローラ2の電界の力による吸着効果が促進される。
【0060】
<ガイドローラ>
一対のガイドローラ11は、クリーニングブラシ3及び第1対向電極ローラ9よりも対象物Sの搬送方向C上流側に、対象物Sの搬送方向Cと略垂直かつ対象物S表面と略平行な回転軸を中心として回転自在に配設される。一対のガイドローラ11は、これらのガイドローラ11間を搬送される対象物Sの両面が各ガイドローラ11の周面に接触する程度の間隙を有するよう配設される。この一対のガイドローラ11は、対象物Sの搬送に伴って連れ回りする。
【0061】
当該クリーニング装置1に対象物Sを一対のガイドローラ11間に挿入することで、当該クリーニング装置1内への対象物S先端の進行する向きが規制される。例えば対象物Sが薄いフィルム状などの場合、先端が曲がり易いが、このような場合でも一対のガイドローラ11間への挿入により上記先端の曲がりが抑制され、クリーニングブラシ3及び第1対向電極ローラ9間に対象物S先端を進入させることができる。なお、対象物Sが、例えば先端の折れ曲がり難い板状のようなものであり、先端をクリーニングブラシ3及び第1対向電極ローラ9間に進入させ易い場合、一対のガイドローラ11は省略してもよい。
【0062】
ガイドローラ11の材質は、対象物Sとの間の摩擦力が小さいものが好ましく、ガイドローラ11を形成する材料として金属や樹脂などを用いることができる。
【0063】
なお、一対のガイドローラ11は、回転駆動される構成としてもよい。例えば対象物Sの搬送方向Cに対して順方向となるよう一対のガイドローラ11を回転駆動することで、当該クリーニング装置1内における対象物Sの搬送速度を一定とすることができる。
【0064】
[クリーニング方法]
図1のクリーニング装置1を用いて、フィルム状又は板状対象物表面に付着する異物を除去するクリーニング方法について説明する。このクリーニング方法は、フィルム状又は板状対象物Sを搬送する工程(搬送工程)と、対象物S表面と接触し、対象物S表面との接点部分での回転方向が対象物Sの搬送方向Cに対して逆方向となるよう回転駆動されるクリーニングブラシ3により、対象物S表面に付着の異物を吸着する第1異物吸着工程と、回転自在に配設され、表面を帯電させた状態で対象物S表面に接触させるクリーニングローラ2により、上記異物を吸着する第2異物吸着工程とを主に備える。また、このクリーニング方法は、帯電かつ回転駆動されつつクリーニングローラ2表面に接触するブラシローラ4に、クリーニングローラ2に吸着させた異物を移動する第1異物移動工程と、表面が帯電された状態でクリーニングブラシ3及びブラシローラ4の外周側に接触する集塵ローラ5に、クリーニングブラシ3及びブラシローラ4に付着させた異物を移動する第2異物移動工程と、集塵ローラ5の表面に付着させた異物のスクレーパー6での掻き取りにより上記異物を回収する工程(異物回収工程)とをさらに備える。
【0065】
<搬送工程>
上記搬送工程では、フィルム状又は板状対象物Sの先端を一対のガイドローラ11間に挿入する。例えば上記対象物Sを搬送するベルトコンベアなどの搬送機構の端部に上記一対のガイドローラ11が配置されるようクリーニング装置1を配設することで、上記搬送機構による搬送速度でクリーニング装置1に対象物Sを挿入することができる。また、例えば人手によって対象物Sの先端を一対のガイドローラ11間に挿入してもよい。ガイドローラ11間に対象物Sの先端が挿入されると、クリーニングローラ2及び第2対向電極ローラ10間を対象物Sの両面が接触しながら通過することでクリーニングローラ2及び第2対向電極ローラ10が連れ回りし、この連れ回りによって生じるクリーニングローラ2及び第2対向電極ローラ10の回転慣性で対象物Sがクリーニング装置1内を搬送される。
【0066】
<第1異物吸着工程>
上記第1異物吸着工程では、対象物Sのクリーニングブラシ3側の面に付着の異物をクリーニングブラシ3に吸着させる。具体的には、クリーニングブラシ3が、対象物S表面との接点部分での回転方向が対象物Sの搬送方向Cに対して逆方向となるよう回転駆動されるので、クリーニングブラシ3が対象物S表面に接触する際、対象物S表面に付着の異物が掻き起こされる。また、クリーニングブラシ3を帯電させているので、電界の力により対象物S表面の異物がクリーニングブラシ3に吸着される。なお、上記掻き起こしにより比較的大きなミリサイズの異物が掻き起こされるので、第1異物吸着工程では、クリーニングブラシ3によって対象物S表面から比較的大きなミリサイズの異物が効果的に除去される。
【0067】
<第2異物吸着工程>
上記第2異物吸着工程では、対象物Sのクリーニングローラ2側の面に付着の異物をクリーニングローラ2表面に吸着させる。具体的には、クリーニングローラ2が、帯電された状態で対象物S表面に接触しながら連れ回りするので、クリーニングローラ2が対象物S表面に接触する際、電界の力により対象物S表面の異物がクリーニングローラ2に吸着される。ここで、クリーニングローラ2は、軸方向に亘って対象物S表面に接触し易いので、ミクロンサイズの微細な異物も吸着できる。従って、上記第1異物吸着工程及び第2異物吸着工程を行うことにより、対象物S表面に付着の比較的大きな異物と共に微細な異物を除去できる。
【0068】
<第1異物移動工程>
上記第1異物移動工程では、第2異物吸着工程でクリーニングローラ2に吸着させた異物をブラシローラ4に移動させる。具体的には、クリーニングローラ2に印加する電圧よりも高い電圧をブラシローラ4に印加し、このブラシローラ4をクリーニングローラ2表面に接触させつつ回転駆動することで、クリーニングローラ2に吸着させた異物がブラシローラ4に移動する。これにより、対象物S表面に接触する前のクリーニングローラ2の周面が異物のない清浄な状態となる。
【0069】
<第2異物移動工程>
上記第2異物移動工程では、第1異物吸着工程でクリーニングブラシ3に付着させた異物及び第1異物移動工程でブラシローラ4に付着させた異物を集塵ローラ5に移動させる。具体的には、クリーニングブラシ3及びブラシローラ4に印加する電圧よりも高い電圧を集塵ローラ5に印加し、この集塵ローラ5をクリーニングブラシ3及びブラシローラ4の外周側に接触させつつ回転駆動することで、クリーニングブラシ3及びブラシローラ4に付着させた異物が集塵ローラ5に吸着される。
【0070】
<異物回収工程>
上記異物回収工程では、第2異物移動工程で集塵ローラ5表面に吸着させた異物を回収する。具体的には、上記表面がスクレーパー6の先端部に接触する集塵ローラ5を回転駆動することで、集塵ローラ5表面に吸着させた異物がスクレーパー6によって掻き取られる。この掻き取られた異物は、異物回収部8内に落下及び回収される。
【0071】
[利点]
当該クリーニング装置は、対象物の搬送方向Cと略垂直かつ対象物表面と略平行な回転軸を中心として回転自在に配設されるクリーニングローラの表面を帯電させた状態で対象物表面に接触させるので、電界の力によるクリーニングローラ表面への吸着により微細な異物を効果的に除去できる。また、当該クリーニング装置は、クリーニングローラと略平行に配設されるローラ状のクリーニングブラシを帯電させた状態で回転駆動させつつ対象物表面に接触させるので、対象物表面に付着の異物を掻き起こし、ミリサイズの比較的大きな異物を効果的に除去できる。
【0072】
また、当該クリーニング装置は、クリーニングブラシ及びブラシローラと略平行に配設される集塵ローラが表面を帯電させた状態でクリーニングブラシ及びブラシローラの外周側に接触するので、クリーニングブラシ及びブラシローラに移動させた異物をさらに集塵ローラに移動できる。その結果、クリーニングブラシ及びブラシローラに付着した異物の除去作業を省略又は軽減できる。
【0073】
また、当該クリーニング装置は、クリーニングローラ及びクリーニングブラシが単一のユニットに組み込まれているので、小型化し易い。
【0074】
〔第二実施形態〕
図2に示す当該クリーニング装置21は、対象物Sの搬送方向Cと略垂直かつ対象物S表面と略平行な回転軸を中心として回転自在に配設され、表面を帯電させた状態で対象物S表面に接触させるクリーニングローラ22と、クリーニングローラ22と略平行に配設され、回転駆動させつつ対象物S表面に接触させるローラ状のクリーニングブラシ23とを主に備える。このクリーニングブラシ23は、クリーニングローラ22表面に接触している。また、当該クリーニング装置21は、クリーニングブラシ23と略平行に配設され、表面が帯電された状態でクリーニングブラシ23の外周側に接触する集塵ローラ25を備える。上記クリーニングローラ22における対象物S表面との接点部分での回転方向は、対象物Sの搬送方向Cに対して順方向であり、クリーニングブラシ23における対象物S表面との接点部分での回転方向は、対象物Sの搬送方向Cに対して逆方向である。
【0075】
また、当該クリーニング装置21は、集塵ローラ25表面に付着した異物を掻き取るスクレーパー26と、クリーニングブラシ23と略平行で対向するよう配設される第1対向電極ローラ9と、クリーニングローラ22と略平行で対向するよう配設される第2対向電極ローラ10と、対象物Sの搬送方向Cと略垂直かつ対象物S表面と略平行な回転軸を中心として回転自在に配設され、対象物Sの先端が進行する向きを規制する一対のガイドローラ11とを備える。なお、当該クリーニング装置21は、クリーニングローラ22、クリーニングブラシ23、集塵ローラ25及びスクレーパー26がフレーム内に収容され、第一実施形態のクリーニング装置1と同様に単一のユニットに組み込まれるが、図2ではフレームの図示を省略している。
【0076】
また、当該クリーニング装置21は、ブラシローラを備えていないこと、及びクリーニングローラ22とクリーニングブラシ23との相対的な配置が異なること以外は、第1実施形態のクリーニング装置1と同様の構成であるため、クリーニングローラ22、クリーニングブラシ23、集塵ローラ25及びスクレーパー26以外については同一符号を付して説明を省略する。
【0077】
<クリーニングローラ>
クリーニングローラ22は、表面を帯電させた状態で対象物S表面に接触し、対象物Sの搬送に伴って連れ回りしつつ電界の力により対象物S表面に付着の異物を吸着する。このクリーニングローラ22は、例えば第一実施形態のクリーニングローラ2と同様のものを用いることができる。
【0078】
<クリーニングブラシ>
ローラ状のクリーニングブラシ23は、クリーニングローラ22と略平行に配設され、対象物S表面に接触しながら、対象物S表面との接点部分での回転方向が対象物Sの搬送方向Cに対して逆方向となるよう回転駆動される。クリーニングブラシ23は、例えば第一実施形態のクリーニングブラシ3と同様のものを用いることができる。
【0079】
クリーニングローラ22及びクリーニングブラシ23は、第一実施形態のクリーニングローラ2及びクリーニングブラシ3とは、相対的な位置関係が異なる。つまり、第一実施形態のクリーニングローラ2及びクリーニングブラシ3が離間して配設されるのに対し、クリーニングブラシ23は、クリーニングローラ22表面に接触するよう配設される。
【0080】
クリーニングブラシ23には、クリーニングローラ22への印加電圧よりも高い電圧を印加する。これにより、クリーニングブラシ23の外周側がクリーニングローラ22表面よりも電位が高くなるので、クリーニングローラ22表面に付着した異物がクリーニングブラシ23に吸着され、クリーニングローラ22表面の異物がクリーニングブラシ23に移動する。
【0081】
<集塵ローラ>
集塵ローラ25は、クリーニングブラシ23と略平行に配設され、表面を帯電させた状態でクリーニングブラシ23の外周側と接触するよう回転駆動される。集塵ローラ25は、例えば第一実施形態の集塵ローラ5と同様のものを用いることができる。
【0082】
集塵ローラ25には、クリーニングブラシ23への印加電圧よりも高い電圧を印加する。これにより、集塵ローラ25表面がクリーニングブラシ23の外周側よりも電位が高くなるので、クリーニングブラシ23に付着した異物が集塵ローラ25表面に吸着され、クリーニングブラシ23に付着の異物が集塵ローラ25に移動する。これにより、クリーニングブラシ23に集積される異物の除去作業を省略又は軽減できる。
【0083】
集塵ローラ25の回転方向は、いずれの方向であってもよいが、スクレーパー26により集塵ローラ25表面から掻き取られる異物が回収され易い回転方向で駆動するとよい。当該クリーニング装置21では、集塵ローラ25の搬送方向C上流側に、矩形状のスクレーパー26が搬送方向C下流側かつ下方に傾斜するよう配設されるので、集塵ローラ25はクリーニングブラシ23と同じ回転方向で駆動される。
【0084】
<スクレーパー>
スクレーパー26は、搬送方向C下流側かつ下方に傾斜し、先端部が集塵ローラ25表面に回転軸方向に亘って接触する状態となるよう配設される。スクレーパー26は、例えば第一実施形態のスクレーパー6と同様のものを用いることができる。
【0085】
集塵ローラ25の回転に伴い、集塵ローラ25表面に接触するスクレーパー26の先端部によって集塵ローラ25表面に付着した異物が掻き取られる。これにより、集塵ローラ25表面が異物のない清浄な状態となる。スクレーパー26により掻き取られた異物は、不図示の異物回収部内に落下及び回収される。
【0086】
[利点]
当該クリーニング装置は、クリーニングローラ22表面に吸着させた異物をクリーニングブラシ23に移動させるので、クリーニングローラ22表面の異物を移動させるブラシローラを配設する必要がない。これにより、設備コストを低減できると共に小型化し易くなる。
【0087】
〔その他の実施形態〕
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
【0088】
上記実施形態では、クリーニングブラシがクリーニングローラよりも対象物の搬送方向上流側に配設される構成のクリーニング装置について説明したが、図3のクリーニング装置31のように、クリーニングローラ32をクリーニングブラシ33よりも対象物Sの搬送方向C上流側に配設する構成としてもよい。図3のクリーニング装置31は、第二実施形態のクリーニング装置21とは、対象物Sの搬送方向Cに対するクリーニングローラ及びクリーニングブラシの配列が異なるものである。なお、図3では、クリーニングローラ32及びクリーニングブラシ33以外の各部の図示を省略している。このクリーニング装置31では、まずクリーニングローラ32により対象物S表面に付着の異物を吸着した後、クリーニングブラシ33により対象物S表面に残存する異物を吸着除去する。ここで、クリーニングローラ32は、主に微細な異物を吸着し、クリーニングブラシ33は、対象物S表面の比較的大きな異物を掻き起こし、主にこの掻き起こした異物を吸着する。
【0089】
図2のクリーニング装置21のように、対象物Sの搬送方向C上流側にクリーニングブラシ23を配設する場合、クリーニングブラシ23により対象物S表面の異物が掻き起こされた後にクリーニングローラ22が対象物S表面の異物を吸着するので、掻き起こしにより対象物S表面に堆積した微細な異物もクリーニングローラ22により除去でき、対象物Sに付着の異物を効果的に除去できる。一方、図3のクリーニング装置31のように、対象物Sの搬送方向C上流側にクリーニングローラ32を配設する場合、クリーニングローラ32により対象物S表面の微細な異物が除去された後に、クリーニングブラシ33により対象物S表面の異物を掻き起こす。この掻き起こしでは比較的大きな異物も掻き起こされるので、クリーニングブラシ33により微細な異物と共に比較的大きな異物も吸着除去できる。従って、この場合にも、比較的大きな異物と共に微細な異物を除去できる。
【0090】
また、上記実施形態では、クリーニングローラ及びクリーニングブラシが単一のユニットに組み込まれる構成について説明したが、これらを別のユニットに組み込む構成としてもよい。具体的には、クリーニングローラ及びクリーニングブラシを組み込むユニットとして、例えば図4Aに示すクリーニングローラ42が組み込まれたクリーニングローラユニット41、及び図4Bに示すクリーニングブラシ53が組み込まれたクリーニングブラシユニット51のように別のユニットとしてもよい。上記クリーニングローラユニット41は、搬送される対象物表面にクリーニングローラ42表面が接触し連れ回りするよう配設される。このように配設されるクリーニングローラユニット41は、クリーニングローラ42が対象物表面に付着の異物を吸着し、このクリーニングローラ42に吸着させた異物がブラシローラ44に移動し、このブラシローラ44に移動した異物がさらに第1集塵ローラ45に吸着され、この第1集塵ローラ45表面に付着した異物がスクレーパー46によって掻き取られて異物回収部48で回収される。一方、上記クリーニングブラシユニット51は、クリーニングブラシ53の外周側が対象物表面に接触するよう配設される。このように配設されるクリーニングブラシユニット51は、クリーニングブラシ53が対象物表面に付着の異物を掻き起こすと共に吸着し、このクリーニングブラシ53に付着させた異物が第2集塵ローラ55に吸着され、この第2集塵ローラ55表面に付着した異物がスクレーパー56によって掻き取られて異物回収部58で回収される。なお、このクリーニング装置は、上述のようにクリーニングブラシ53の外周側に接触する集塵ローラとして、ブラシローラ44の外周側に接触する第1集塵ローラ45とは別の第2集塵ローラ55を備えている。つまり、このクリーニング装置は、2の集塵ローラを備えている。
【0091】
上記クリーニングローラユニット41及びクリーニングブラシユニット51は、例えば対象物の搬送方向Cに沿って順に配設し、それぞれのユニットが対象物表面の異物の吸着及び除去を行う。このようにクリーニングローラ42が組み込まれたクリーニングローラユニット41と、クリーニングブラシ53が組み込まれたクリーニングブラシユニット51とを別に備える構成とすることで、対象物の搬送方向Cに沿って配設する順を容易に入れ替えることができ、また対象物の搬送方向Cに沿って複数のクリーニングローラユニット41や複数のクリーニングブラシユニット51を配設することもできる。また、クリーニングローラ42の交換が必要となったときにはクリーニングローラユニット41のみを交換すればよく、クリーニングブラシ53の交換が必要となったときにはクリーニングブラシユニット51のみを交換すればよい。従って、クリーニングローラ42及びクリーニングブラシ53をそれぞれの使用可能な期間、使用し続けることができる。
【0092】
また、上記実施形態では、搬送される対象物の片面に付着の異物を除去する構成について説明したが、上記実施形態のクリーニング装置を対象物の両面側に配設し、対象物の両面に付着の異物を除去する構成としてもよい。例えば図5のクリーニングシステム61のように、図2のクリーニング装置21を2つ備える構成とすることで、対象物の両面の異物を除去できる。このクリーニングシステム61は、対象物Sの搬送方向C上流側に対象物Sの一方の面の異物を除去するクリーニング装置21が配設され、その下流側に対象物Sの他方の面の異物を除去する別のクリーニング装置21が配設される。つまり、上流側のクリーニング装置21は、クリーニングローラ及びクリーニングブラシが対象物Sの一方の面に接触するよう配設され、下流側のクリーニング装置21は、クリーニングローラ及びクリーニングブラシが対象物Sの他方の面に接触するよう配設される。なお、ここでは、第二実施形態のクリーニング装置21を対象物の両面側に配設する構成について説明したが、図1のクリーニング装置1や図3のクリーニング装置31を対象物の両面側に配設する構成としてもよいし、対象物Sの一方の面側と他方の面側とで構成の異なるクリーニング装置を配設する構成としてもよい。
【0093】
また、上記第一実施形態では、クリーニングブラシ及びブラシローラの両方の外周側に接触し、クリーニングブラシ及びブラシローラに付着の異物を吸着する1の集塵ローラを備える構成のクリーニング装置について説明したが、クリーニングブラシ及びブラシローラに付着の異物を別々に吸着する2の集塵ローラを備える構成としてもよい。このように2の集塵ローラを備える構成とすることで、表面が常に清浄な状態で集塵ローラがクリーニングブラシ及びブラシローラに接触するので、より確実にクリーニングブラシ及びブラシローラに付着の異物を集塵ローラに移動させることができる。
【実施例】
【0094】
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0095】
[実施例1]
対象物の搬送方向上流側に図4Bのクリーニングブラシユニット51を配設し、下流側に図4Aのクリーニングローラユニット41を配設したクリーニング装置を用いて、試験用の対象物表面に散布した異物の除去効果を評価した。具体的には、試験用の対象物として、平均厚さ75μm、平均幅100mm、平均長さ100mmの帯状のポリエチレンテレフタレート(PET)シートを用い、このPETシート表面に試験用異物として平均直径2mmの円形状のPETを散布し、上記クリーニング装置にこのPETシートを搬送速度12m/minで挿入した。クリーニングブラシ53としてポリエステル製のブラシ部を有するものを用い、このクリーニングブラシ53は、PETシートへの圧接量が0.5mmとなるよう配設し、PETシート表面との接点部分での回転方向がPETシートの搬送方向に対して逆方向となるよう周速度6m/minで回転駆動させた。また、クリーニングブラシ53への印加電圧を−800Vとし、集塵ローラ55への印加電圧を−1200Vとした。なお、クリーニングローラ42はPETシートの搬送に伴って連れ回りするため、クリーニングローラ42の周速度は12m/minであった。また、クリーニングローラ42への印加電圧を−400Vとし、ブラシローラ44への印加電圧を−800Vとし、集塵ローラ45への印加電圧を−1200Vとした。
【0096】
[実施例2]
PETシートへの圧接量が0.1mmとなるようクリーニングブラシ53を配設した以外は、実施例1と同様の方法により、試験用異物を散布したPETシートを上記クリーニング装置に挿入した。
【0097】
[比較例1]
PETシートへの圧接量が0.1mmとなるようクリーニングブラシ53を配設し、クリーニングブラシ53をPETシート表面との接点部分での回転方向がPETシートの搬送方向に対して順方向となるよう周速度36m/minで回転駆動させた以外は、実施例1と同様の方法により、試験用異物を散布したPETシートを上記クリーニング装置に挿入した。
【0098】
[比較例2]
クリーニングブラシ53をPETシート表面との接点部分での回転方向がPETシートの搬送方向に対して順方向となるよう周速度24m/minで回転駆動させた以外は、実施例1と同様の方法により、試験用異物を散布したPETシートを上記クリーニング装置に挿入した。
【0099】
[比較例3]
クリーニングブラシ53をPETシート表面との接点部分での回転方向がPETシートの搬送方向に対して順方向となるよう周速度12m/minで回転駆動させた以外は、実施例1と同様の方法により、試験用異物を散布したPETシートを上記クリーニング装置に挿入した。
【0100】
[比較例4]
PETシートへの圧接量が0.1mmとなるようクリーニングブラシ53を配設し、クリーニングブラシ53をPETシート表面との接点部分での回転方向がPETシートの搬送方向に対して順方向となるよう周速度6m/minで回転駆動させた以外は、実施例1と同様の方法により、試験用異物を散布したPETシートを上記クリーニング装置に挿入した。
【0101】
[クリーニング性評価]
実施例1、実施例2、比較例1〜4で、クリーニング装置挿入前のPETシート表面へ15個の試験用異物を散布し、クリーニング装置を通した後のPETシート表面に残存する異物の個数を目視でカウントした。試験用異物の散布数及びクリーニング装置を通した後の異物の個数から、下記式(1)により異物の除去率[%]を算出した。実施例1、実施例2、比較例1〜4の評価結果を表1に示す。なお、表1において「クリーニングブラシの回転方向」は、クリーニングブラシとPETシート表面との接点部分でのPETシートの搬送方向に対する移動方向を示している。
除去率[%]={(クリーニング前の異物の散布数−クリーニング後の異物の残存数)
/(クリーニング前の異物の散布数)}×100 ・・・(1)
【0102】
【表1】
【0103】
表1の結果より、実施例1及び実施例2では、異物を100%除去できることを確認できた。これは、PETシートの搬送方向に対してクリーニングブラシを逆方向に回転させたことにより、PETシート表面に付着する異物が掻き起され、帯電させたクリーニングブラシに吸着され易くなったためと考えられる。
【0104】
一方、比較例1〜4では、クリーニングブラシの周速度及び圧接量の違いによる異物除去効果への影響は特に認められず、ほとんど異物を除去できなかったことがわかる。これらのことより、PETシートの搬送方向に対してクリーニングブラシを逆方向に回転させることで、異物の除去効果を顕著に向上できることを確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明のクリーニング装置は、ミリサイズの比較的大きな異物と共に微細な異物を除去できるので、フラットパネルディスプレイのガラス基板、電子部品を搭載するプリント基板、樹脂薄板、フィルム材料等の表面に付着する塵埃などの異物を取り除くために好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0106】
1,21,31 クリーニング装置
2,22,32,42 クリーニングローラ
2a 芯金
2b 内層部
2c 外層部
3,23,33,53 クリーニングブラシ
3a 芯金
3b ブラシ部
4,44 ブラシローラ
4a 芯金
4b ブラシ部
5,25,45,55 集塵ローラ
6,26,46,56 スクレーパー
7 フレーム
8,48,58 異物回収部
9 第1対向電極ローラ
10 第2対向電極ローラ
11 ガイドローラ
41 クリーニングローラユニット
51 クリーニングブラシユニット
61 クリーニングシステム
C 搬送方向
S 対象物
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5