特許第6979452号(P6979452)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィの特許一覧

特許6979452カメラベースの周囲光推定のための方法及びシステム
<>
  • 特許6979452-カメラベースの周囲光推定のための方法及びシステム 図000002
  • 特許6979452-カメラベースの周囲光推定のための方法及びシステム 図000003
  • 特許6979452-カメラベースの周囲光推定のための方法及びシステム 図000004
  • 特許6979452-カメラベースの周囲光推定のための方法及びシステム 図000005
  • 特許6979452-カメラベースの周囲光推定のための方法及びシステム 図000006
  • 特許6979452-カメラベースの周囲光推定のための方法及びシステム 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6979452
(24)【登録日】2021年11月17日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】カメラベースの周囲光推定のための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/125 20200101AFI20211202BHJP
【FI】
   H05B47/125
【請求項の数】13
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-504076(P2019-504076)
(86)(22)【出願日】2017年7月12日
(65)【公表番号】特表2019-522332(P2019-522332A)
(43)【公表日】2019年8月8日
(86)【国際出願番号】EP2017067539
(87)【国際公開番号】WO2018019588
(87)【国際公開日】20180201
【審査請求日】2020年7月8日
(31)【優先権主張番号】16181770.5
(32)【優先日】2016年7月28日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ラジャゴパラン ルーベン
(72)【発明者】
【氏名】ブロエルス ハリー
【審査官】 田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】 特開平8−222376(JP,A)
【文献】 特表2014−519693(JP,A)
【文献】 特表平10−502766(JP,A)
【文献】 特開2004−303582(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/00
H05B 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明環境における昼光の量を推定するための照明ユニットであって、
光源と、
第1の波長範囲の入射光を遮断するように構成されているフィルタであって、前記入射光が、昼光の入射光及び非昼光の入射光の双方を含み、前記第1の波長範囲が、前記非昼光の入射光の少なくとも一部分を遮断するように設定されている、フィルタと、
フィルタリングされた前記入射光を受光して、赤色、緑色、及び/又は青色カラーチャネルの情報を含む検出信号を生成するように構成されているカメラであって、フィルタリングされた前記入射光が、前記第1の波長範囲外である、カメラと、
前記カメラと通信するコントローラであって、前記検出信号を処理して昼光の入射光の量を推定するように構成されている、コントローラと、
を備える、照明ユニット。
【請求項2】
前記第1の波長範囲の上限が、約550〜700nmである、請求項1に記載の照明ユニット。
【請求項3】
前記コントローラが、推定された前記昼光の入射光の量に基づいて、前記光源のパラメータを調節するように構成されている、請求項1に記載の照明ユニット。
【請求項4】
前記カメラが、約650〜1000nmの波長の光を受光するように構成されている、請求項1に記載の照明ユニット。
【請求項5】
前記カメラが、赤外線センサを含む、請求項1に記載の照明ユニット。
【請求項6】
照明環境における昼光の量を推定するための方法であって、
照明ユニットにおいて入射光を受光するステップであって、前記入射光が、昼光の入射光及び非昼光の入射光の双方を含む、ステップと、
前記照明ユニットのフィルタによって、前記入射光の第1の波長範囲をフィルタリングするステップであって、前記第1の波長範囲が、前記非昼光の入射光の全てを遮断するように設定されている、ステップと、
前記照明ユニットのカメラを使用して、フィルタリングされた前記入射光を検出して、赤色、緑色、及び/又は青色カラーチャネルの情報を含む検出信号を生成するステップであって、フィルタリングされた前記入射光が、前記第1の波長範囲外である、ステップと、
前記検出信号を使用して、昼光の入射光の量を推定するステップと、
を含む、方法。
【請求項7】
前記第1の波長範囲の上限が、約550〜700nmである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の波長範囲の上限が、約650nmである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記カメラが、約650〜1000nmの波長の光を受光するように構成されている、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
推定された前記昼光の入射光の量に基づいて、前記照明ユニットのパラメータを調節するステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記パラメータが、前記照明ユニットによって放出される光の強度である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記カメラが、赤外線センサを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項13】
照明環境における昼光の量を推定するための照明システムであって、
光源及びコントローラを含む、照明ユニットと、
非昼光の入射光の少なくとも一部分を遮断するように設定されている第1の波長範囲の入射光を遮断するように構成されているフィルタを含む、カメラであって、前記入射光が、昼光の入射光及び非昼光の入射光の双方を含み、前記カメラが、前記第1の波長範囲外のフィルタリングされた前記入射光を受光して、赤色、緑色、及び/又は青色カラーチャネルの情報を含む検出信号を生成するように構成されている、カメラと、を備え、
前記コントローラが、前記カメラから前記検出信号を受信して、前記検出信号を処理して昼光の入射光の量を推定するように構成されている、照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、屋内及び屋外照明システム用の、カメラベースの周囲光の推定のための方法及びシステムを対象とする。
【背景技術】
【0002】
センサ駆動型照明ユニットは、センサを使用して環境の特性を監視し、そのセンサデータを利用して、照明ユニットの光源を制御する。センサ駆動型照明ユニットの最も一般的な例は、周囲光レベルを測定する集積型光電池を使用して、光レベルを監視するシステムである。例えば、常夜灯は、周囲光レベルが低下するとオンになり、周囲光レベルが上昇するとオフになるように、周囲光を使用する。同様に、スマート街路照明は、検出された周囲光を使用して、いつ光源をオン及びオフにするべきかを決定する。殆どの場合、光レベルは、周囲光条件を観察するために空に向けられている、光電池によって監視される。いずれの方向に光電池が向けられるか、又は、いずれの表面若しくは領域が光レベル監視のために利用されるかは、主に製品設計によって決定される。殆どのデバイスでは、周囲光レベルが監視される表面又は領域と、照明される標的表面との間には、関係がない。
【0003】
多種多様な理由により、センサ駆動型の照明ユニット及び照明システムは、高度な光制御のために、周囲光の寄与に関する可能な限り正確な推定を有することが重要である。最先端の照明システム及び照明器具は、例えば、それらの統合された照明及び/又は感知システムを可能にするために、周囲光全体を推定するための照度計測機能を有する、埋め込み型センサを有する。しかしながら、これらのセンサは、周囲光の供給源又は様々な寄与因子を考慮しない。例えば、街灯及び他のユニットなどの屋外照明システムは、昼光の寄与を、近隣の光源又は他の光源と区別せず、周囲光全体を考慮するものの、それらを決して区別することはない。
【0004】
したがって、高度な光制御を提供するために、センサ駆動型照明ユニットにおいて、周囲光の様々な寄与因子を測定及び特性化する方法及びシステムが、当該技術分野において引き続き必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、屋内及び屋外照明システム用の、カメラベースの周囲光の推定のための発明的方法及び装置を対象とする。本明細書の様々な実施形態及び実装形態は、可視光及び近赤外光が通過することを許容する帯域阻止フィルタを有する、カラーカメラを備える、照明ユニットを目的とする。昼光の寄与は、例えば、赤色、青色、及び/又は緑色カラーチャネルの画素情報の信号処理を使用して、区別又は識別されることができる。このことは、周囲光を、昼光の寄与と人工光の寄与とに区別する。照明ユニットは、次いで、その照明ユニットの光源によって放出される光の1つ以上の特性を調節するために、より正確な、この周囲光の推定を利用することができる。
【0006】
概して、一態様では、照明環境における昼光の量を推定するための照明ユニットが提供される。この照明ユニットは、光源と、第1の波長範囲の入射光を遮断するように構成されているフィルタであって、入射光が、昼光の入射光及び非昼光の入射光の双方を含む、フィルタと、フィルタリングされた入射光を受光して、検出信号を生成するように構成されているカメラであって、フィルタリングされた入射光が、第1の波長範囲外である、カメラと、カメラと通信するコントローラであって、検出信号を処理して昼光の入射光の量を推定するように構成されている、コントローラとを含む。
【0007】
一実施形態によれば、第1の波長範囲は、非昼光の入射光の少なくとも一部分を遮断するように設定されている。別の実施形態では、第1の波長範囲は、非昼光の入射光の全てを遮断するように設定されている。
【0008】
一実施形態によれば、第1の波長範囲の上限は、約550〜700nmである。一実施形態によれば、第1の波長範囲の上限は、約650nmである。
【0009】
一実施形態によれば、コントローラは、推定された昼光の入射光の量に基づいて、光源のパラメータを調節するように構成されている。一実施形態によれば、このパラメータは、照明ユニットによって放出される光の強度である。
【0010】
一実施形態によれば、カメラは、約650〜1000nmの波長の光を受光するように構成されている。
【0011】
一実施形態によれば、カメラは、赤外線センサを含む。
【0012】
一態様によれば、照明環境における昼光の量を推定するための方法が提供される。この方法は、照明ユニットにおいて入射光を受光するステップであって、入射光が、昼光の入射光及び非昼光の入射光の双方を含む、ステップと、照明ユニットのフィルタによって、入射光の第1の波長範囲をフィルタリングするステップと、照明ユニットのカメラを使用して、フィルタリングされた入射光を検出して、検出信号を生成するステップであって、フィルタリングされた入射光が、第1の波長範囲外である、ステップと、検出信号を使用して、昼光の入射光の量を推定するステップとを含む。
【0013】
一態様によれば、照明環境における昼光の量を推定するための照明システムが提供される。この照明システムは、光源及びコントローラを含む、照明ユニットと、第1の波長範囲の入射光を遮断するように構成されているフィルタを含む、カメラであって、入射光が、昼光の入射光及び非昼光の入射光の双方を含み、カメラが、第1の波長範囲外のフィルタリングされた入射光を受光して、検出信号を生成するように構成されている、カメラとを含み、コントローラは、カメラから検出信号を受信して、その検出信号を処理して昼光の入射光の量を推定するように構成されている。
【0014】
本開示の目的に関して本明細書で使用されるとき、用語「LED」は、任意の電界発光ダイオード、あるいは、電気信号に応答して放射線を生成することが可能な、他のタイプのキャリア注入/接合ベースのシステムを含むように理解されるべきである。それゆえ、LEDという用語は、限定するものではないが、電流に応答して光を放出する様々な半導体ベースの構造体、発光ポリマー、有機発光ダイオード(organic light emitting diode;OLED)、電界発光ストリップなどを含む。特に、LEDという用語は、赤外スペクトル、紫外スペクトル、及び(一般に、約400ナノメートル〜約700ナノメートルの放射波長を含む)可視スペクトルの様々な部分のうちの1つ以上で放射線を生成するように構成されてもよい、(半導体ダイオード及び有機発光ダイオードを含めた)全てのタイプの発光ダイオードを指す。LEDの一部の例としては、限定するものではないが、(以下で更に論じられる)様々なタイプの赤外LED、紫外LED、赤色LED、青色LED、緑色LED、黄色LED、アンバーLED、橙色LED、及び白色LEDが挙げられる。また、LEDは、所与のスペクトルに関する様々な帯域幅(例えば、半値全幅、すなわちFWHM)(例えば、狭帯域幅、広帯域幅)と、所与の一般的色分類内の様々な主波長とを有する放射線を生成するように、構成及び/又は制御されてもよい点も理解されたい。
【0015】
例えば、本質的に白色光を生成するように構成されているLED(例えば、白色LED)の一実装形態は、それぞれが異なる電界発光スペクトルを放出する、いくつものダイを含んでもよく、それらのスペクトルは組み合わされて、実質的な白色光を形成するように混合する。別の実装形態では、白色光LEDは、第1のスペクトルを有する電界発光を、異なる第2のスペクトルに変換する、蛍光体材料に関連付けられてもよい。この実装形態の一実施例では、比較的短い波長及び狭帯域スペクトルを有する電界発光が、蛍光体材料を「ポンピング」すると、その蛍光体材料が、やや広いスペクトルを有する、より長い波長の放射線を放射する。
【0016】
また、LEDという用語は、LEDの物理的及び/又は電気的パッケージのタイプを制限しない点も理解されたい。例えば、上述のように、LEDは、それぞれが異なる放射線スペクトルを放出するように構成された(例えば、個別に制御可能であってもよく、又は制御可能でなくてもよい)複数のダイを有する、単一の発光デバイスを指してもよい。また、LEDは、そのLED(例えば、何らかのタイプの白色LED)の一体部分として見なされる、蛍光体に関連付けられてもよい。一般に、LEDという用語は、パッケージ化LED、非パッケージ化LED、表面実装LED、チップオンボードLED、T型パッケージ実装LED、放射状パッケージLED、電力パッケージLED、何らかのタイプの収容部及び/又は光学要素(例えば、拡散レンズ)を含むLEDなどを指してもよい。
【0017】
用語「光源」は、限定するものではないが、(上記で定義されたような1つ以上のLEDを含む)LEDベースの光源、白熱光源(例えば、フィラメントランプ、ハロゲンランプ)、蛍光源、燐光源、高輝度放電源(例えば、ナトリウム蒸気ランプ、水銀蒸気ランプ、及び金属ハロゲン化物ランプ)、レーザ、他のタイプの電界発光源、熱ルミネセンス源(例えば、火炎)、キャンドルルミネセンス源(例えば、ガスマントル、炭素アーク放射源)、フォトルミネセンス源(例えば、ガス状放電源)、電子飽和を使用するカソードルミネセンス源、ガルバノルミネセンス源、結晶ルミネセンス源、キネルミネセンス源、サーモルミネセンス源、トリボルミネセンス源、ソノルミネセンス源、放射ルミネセンス源、及びルミネセンスポリマーを含めた、様々な放射源のうちの任意の1つ以上を指すことを理解されたい。
【0018】
所与の光源は、可視スペクトル内、可視スペクトル外、又は双方の組み合わせの電磁放射を生成するように構成されてもよい。それゆえ、用語「光」及び用語「放射線」は、本明細書では互換的に使用される。更には、光源は、一体化構成要素として、1つ以上のフィルタ(例えば、カラーフィルタ)、レンズ、又は他の光学構成要素を含み得る。また、光源は、限定するものではないが、指標、表示、及び/又は照明を含めた、様々な用途に関して構成されてもよい点も理解されたい。「照明源」は、内部空間又は外部空間を効果的に照明するための十分な強度を有する放射線を生成するように、特に構成されている光源である。この文脈では、「十分な強度」とは、アンビエント照明(すなわち、間接的に知覚され得る光であって、例えば、全体的又は部分的に、知覚される前に様々な介在表面のうちの1つ以上から反射され得る光)を供給するために十分な、空間又は環境内で生成される可視スペクトルにおける放射力を指す(多くの場合、放射力又は「光束」の点から、光源からの全ての方向での全光出力を表すために、単位「ルーメン」が採用される)。
【0019】
用語「照明ユニット」は、本明細書では、同じタイプ又は異なるタイプの1つ以上の光源を含む装置を指すために使用される。所与の照明ユニットは、光源に関する様々な取り付け構成、エンクロージャ/ハウジングの様々な構成及び形状、並びに/又は電気的接続及び機械的接続の様々な構成のうちの、任意の1つを有し得る。更には、所与の照明ユニットは、オプションとして、光源の動作に関連する様々な他の構成要素(例えば、制御回路)に関連付けられて(例えば、含んで、結合されて、及び/又は一体にパッケージ化されて)もよい。「LEDベースの照明ユニット」とは、上述のような1つ以上のLEDベースの光源を、単独で、又は他の非LEDベースの光源と組み合わせて含む、照明ユニットを指す。「マルチチャネル」照明ユニットとは、それぞれが異なる放射線スペクトルを生成するように構成された、少なくとも2つの光源を含む、LEDベース又は非LEDベースの照明ユニットを指し、異なる光源スペクトルのそれぞれが、そのマルチチャネル照明ユニットの「チャネル」と称されてもよい。
【0020】
様々な実装形態では、プロセッサ又はコントローラは、1つ以上の記憶媒体(本明細書では「メモリ」と総称される、例えば、RAM、PROM、EPROM、及びEEPROMなどの、揮発性及び不揮発性のコンピュータメモリ、フロッピーディスク、コンパクトディスク、光ディスク、磁気テープなど)に関連付けられてもよい。一部の実装形態では、これらの記憶媒体は、1つ以上のプロセッサ及び/又はコントローラ上で実行されると、本明細書で論じられる機能の少なくとも一部を実行する、1つ以上のプログラムでエンコードされてもよい。様々な記憶媒体は、プロセッサ又はコントローラ内に固定されてもよく、あるいは、それらの記憶媒体上に記憶されている1つ以上のプログラムが、本明細書で論じられる本発明の様々な態様を実施するために、プロセッサ又はコントローラ内にロードされることができるように、可搬性であってもよい。用語「プログラム」又は用語「コンピュータプログラム」は、本明細書では、1つ以上のプロセッサ又はコントローラをプログラムするために採用されることが可能な、任意のタイプのコンピュータコード(例えば、ソフトウェア又はマイクロコード)を指すように、一般的な意味で使用される。
【0021】
1つのネットワーク実装では、ネットワークに結合された1つ以上のデバイスは、そのネットワークに結合された1つ以上の他のデバイスに対するコントローラとして(例えば、マスタ/スレーブの関係で)機能し得る。別の実装形態では、ネットワーク化された環境は、そのネットワークに結合されたデバイスのうちの1つ以上を制御するようにコンフィギュレーションされている、1つ以上の専用コントローラを含み得る。一般に、ネットワークに結合された複数のデバイスは、それぞれが、通信媒体上に存在しているデータへのアクセスを有し得るが、しかしながら、所与のデバイスは、例えば、そのデバイスに割り当てられている1つ以上の特定の識別子(例えば、「アドレス」)に基づいて、ネットワークと選択的にデータを交換する(すなわち、ネットワークからデータを受信する、及び/又はネットワークにデータを送信する)ようにコンフィギュレーションされているという点で、「アドレス可能」であってもよい。
【0022】
用語「ネットワーク」とは、本明細書で使用されるとき、任意の2つ以上のデバイス間での、及び/又はネットワークに結合された複数のデバイスの間での、(例えば、デバイス制御、データ記憶、データ交換などに関する)情報の転送を容易にする、(コントローラ又はプロセッサを含む)2つ以上のデバイスの任意の相互接続を指す。容易に理解されるように、複数のデバイスを相互接続するために好適なネットワークの様々な実装は、様々なネットワークトポロジのうちのいずれかを含み、様々な通信プロトコルのうちのいずれかを採用してもよい。更には、本開示による様々なネットワークでは、2つのデバイス間の任意の1つの接続は、それら2つのシステム間の専用接続、又は代替的に、非専用接続を表してもよい。2つのデバイスを対象とする情報の搬送に加えて、そのような非専用接続は、それら2つのデバイスのいずれかを必ずしも対象としない情報を搬送してもよい(例えば、オープンネットワーク接続)。更には、本明細書で論じられるデバイスの様々なネットワークは、そのネットワーク全体にわたる情報転送を容易にするために、1つ以上の無線リンク、有線/ケーブルリンク、及び/又は光ファイバリンクを採用してもよい点が、容易に理解されよう。
【0023】
上述の概念と、以下でより詳細に論じられる追加的概念との全ての組み合わせは(そのような概念が互いに矛盾しないという条件下で)、本明細書で開示される発明の主題の一部であると想到される点を理解されたい。特に、本開示の最後に記載されている特許請求される主題の全ての組み合わせは、本明細書で開示される発明の主題の一部であると想到される。また、参照により組み込まれるいずれかの開示にもまた現れ得る、本明細書で明示的に採用されている用語は、本明細書で開示される特定の概念と最も一致する意味が与えられるべきであることも理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図面中、同様の参照文字は、一般に、異なる図の全体にわたって同じ部分を指す。また、これらの図面は、必ずしも正しい縮尺ではなく、その代わりに、全般的に、本発明の原理を例示することに重点が置かれている。
【0025】
図1】一実施形態による、照明ユニットの概略図である。
図2】一実施形態による、照明システムの概略図である。
図3】一実施形態による、照明環境内におけるカメラ及びフィルタの概略図である。
図4】従来のカラーセンサのスペクトル特性のグラフである。
図5】一実施形態による、照明ユニットによって分析された光のスペクトル特性のグラフである。
図6】一実施形態による、カメラベースの周囲光の推定のための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示は、照明ユニットによって検出された周囲光に対する1つ以上の寄与を決定するように構成されている、センサベースの照明ユニットの様々な実施形態を説明する。より全般的には、出願者は、周囲光を昼光の寄与と人工光の寄与とに区別する、照明ユニット、照明設備、又は照明システムを提供することが有益であることを、認識し理解している。本開示の特定の実施形態を利用する特定の目標は、検出された周囲光に対する、昼光の寄与と非昼光の寄与との正確な推定を得ることによって、高度な光制御を提供することである。
【0027】
上記に鑑みて、様々な実施形態及び実装形態は、可視光及び近赤外光が通過することを許容する帯域阻止フィルタを含む、カラーカメラを備える、照明ユニット又は照明システムを目的とする。受信されたデータは、赤色、青色、及び/又は緑色カラーチャネルの画素情報の信号処理を使用して分析され、周囲光に対する昼光の寄与が決定される。次いで、照明ユニットは、検出された周囲光に対する、昼光の寄与と非昼光の寄与との正確な推定に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の光源を制御する。
【0028】
図1を参照すると、一実施形態では、1つ以上の光源12を含む、照明ユニット10が提供され、それらの光源のうちの1つ以上は、LEDベースの光源であってもよい。更には、このLEDベースの光源は、1つ以上のLEDを有してもよい。この光源は、1つ以上の光源ドライバ24によって、所定の特性(すなわち、色強度、色温度)の光を放出するように駆動されることができる。様々な異なる色の放射線を生成するように適合されている、多くの異なる数及び様々なタイプの光源(全てがLEDベースの光源、LEDベースの光源及び非LEDベースの光源を単独で、又は組み合わせて、など)が、照明ユニット10で採用されてもよい。一実施形態によれば、照明ユニット10は、限定するものではないが、常夜灯、街路灯、卓上ランプ、又は、任意の他の屋内若しくは屋外照明設備を含めた、任意のタイプの照明設備とすることができる。
【0029】
一実施形態によれば、照明ユニット10は、1つ以上の光源12を駆動して、それらの光源からの様々な強度、方向、及び/又は色の光を生成するための、1つ以上の信号を出力するように構成又はプログラムされているコントローラ22を含む。例えば、コントローラ22は、各光源によって生成される光の強度及び/又は色を独立して制御するための、光源の群を制御するための、あるいは全ての光源をまとめて制御するための、各光源に対する制御信号を生成するようにプログラム又は構成されてもよい。別の態様によれば、コントローラ22は、光源ドライバ24などの、他の専用回路を制御してもよく、この光源ドライバ24は、光源の強度を変化させるように、それらの光源を制御する。コントローラ22は、例えば、本明細書で論じられる様々な機能を実行するようにソフトウェアを使用してプログラムされたプロセッサ26とするか、又は、そのようなプロセッサ26を有することができ、メモリ28と組み合わせて利用されることができる。メモリ28は、プロセッサ26によって実行される1つ以上の照明コマンド又はソフトウェアプログラムを含めたデータ、並びに、限定するものではないが、その照明ユニットに関する固有識別子を含めた様々なタイプのデータを記憶することができる。例えば、メモリ28は、プロセッサ26によって実行可能であり、本明細書で説明される方法のステップのうちの1つ以上を本システムに実行させる、命令のセットを含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体であってもよい。
【0030】
コントローラ22は、以降でより詳細に説明されるように、特に周囲光条件などの、所定のデータに基づいて、光源12の強度及び/又は色温度を光源ドライバ24に調整させるように、プログラムされ、構造化され、及び/又は構成されることができる。一実施形態によれば、コントローラ22はまた、有線又は無線通信モジュールによって受信された通信に基づいて、光源12の強度及び/又は色温度を光源ドライバ24に調整させるように、プログラムされ、構造化され、及び/又は構成されることもできる。無線通信モジュールは、例えば、コントローラ22と通信するように位置決めされている、Wi−Fi、Bluetooth(登録商標)、IR、無線、若しくは近距離無線通信とすることができ、又は、代替的に、コントローラ22は、無線通信モジュールと統合されることもできる。
【0031】
照明ユニット10はまた、電力源30、最も典型的にはAC電源も含むが、特に、DC電源、太陽光ベースの電源、又は機械ベースの電源を含めた、他の電源も可能である。この電源は、外部電源から受け取った電力を、照明ユニットによって使用可能な形態に変換する電源変換器と、動作可能に通信してもよい。照明ユニット10の様々な構成要素に電力を供給するために、照明ユニット10はまた、外部AC電源30からAC電力を受け取り、その電力を照明ユニットの構成要素に電力供給する目的で直流電流に変換するAC/DC変換器(例えば、整流回路)も含み得る。更には、照明ユニット10は、再充電可能バッテリ又はコンデンサなどの、エネルギー貯蔵デバイスを含むことができ、このエネルギー貯蔵デバイスは、AC/DC変換器への接続を介して再充電され、AC電源30への回路が開かれると、コントローラ22及び光源ドライバ24に電力を供給することができる。
【0032】
更には、照明ユニット10は、カメラ32を含み、このカメラ32は、コントローラ22の入力に接続されており、照明ユニット10の近傍の周囲光データを収集して、そのデータをコントローラ22に、又は無線通信モジュールを介して外部に送信することができる。図2に示されるシステム200などの、一部の実施形態では、カメラ32は、照明ユニット10からリモートであり、得られたセンサデータを、照明ユニットの無線通信モジュールに送信する。一実施形態によれば、カメラ32は、1つ以上の動作目標を達成するべく、空間的に位置決めされている。このことは、カメラ32が情報を得るための、照明環境内の領域が、その照明ユニットの機能に適したものになることを保証する。カメラ32は、電磁放射線についての情報を検出することが可能な任意のカメラとすることができる。例えば、カメラ32は、特定の波長、波長範囲、及び/又はいくつかの異なる波長を検出することが可能であってもよい。一実施形態によれば、このカメラは、RBG要素、赤外線(IR)要素、RGB要素及びIR要素の双方、並びに/又は他の要素を含み得る。このカメラはまた、例えば、電磁放射線を検出することが可能な数多くのタイプの撮像システムの中でも特に、飛行時間型(Time−of−Flight;ToF)撮像システムであってもよい。
【0033】
図2を参照すると、一実施形態では、照明ユニット10を含む照明システム200が提供される。照明ユニット10は、本明細書で説明される実施形態、又は他に想到される実施形態のうちのいずれかとすることができ、数ある要素の中でも特に、1つ以上の光源12、光源ドライバ24、及びコントローラ22などの、図1に関連して説明された照明ユニットの構成要素のうちのいずれかを含み得る。照明システム200はまた、有線及び/又は無線通信リンクを介して照明ユニット10に通信するリモートカメラ32も含む。
【0034】
図3を参照すると、一実施形態における、照明システム又は照明ユニット300の一部分である。電磁放射線が、昼光310及び/又は1つ以上の光源320などの、複数の異なる光源から放出されている。1つ以上の光源320は、例えば、近隣の照明設備、建物内又は建物上のライト、様々な表面から反射された光、又は、多種多様な他の可能な光源のうちのいずれかとすることができる。この周囲電磁放射線は、カメラ32によって受け取られ、本明細書で説明されるように分析される。カメラ32は、フィルタ330を含み、このフィルタ330は、第1の範囲の特定の周波数がそのフィルタを通過することを許容する一方で、その第1の範囲外の周波数を、除去するか又は減衰させる。例えば、フィルタ330は、少なくとも実質的に550nmまでの、好ましくは約600nmまでの、更により好ましくは650nm又は700nmまでの波長範囲の、入射電磁放射線内の入射可視光を遮断してもよい。次いで、フィルタリングされた入射光332は、カラーセンサ340によって感知され、その画像データ、検出信号342は、このカメラによって検出された周囲電磁放射線に対する昼光の寄与の識別を含めた、処理及び/又は分析のために、コントローラ22に送信される。好ましくは、検出センサ340は、従来よりRGBカラーセンサによって提供されているような、赤色信号、緑色信号、及び青色信号を生成するカラーフィルタアレイを含む。
【0035】
一実施形態によれば、フィルタ330は、典型的には550〜700nmの範囲の、所定の閾値波長まで、可視光を遮断するように構成又は選択される。図4を参照すると、例えば、フィルタを使用しない場合の、青色光に関する感度曲線B、緑色光に関する感度曲線G、及び赤色光に関する感度曲線Rのグラフである。一部のカメラには、可視範囲外からの光の影響を回避するために、特に650nmを超える波長範囲の赤外光を遮断するための赤外遮断フィルタが装備されているが、一実施形態によれば、カメラ32は、そのようなIR遮断フィルタを備えておらず、取り除かれている。図4は、それゆえ、昼光及び他の周囲光源の双方の寄与を示している。特に、近隣のLEDは、一般に約400nm〜約700nmの放射波長を含めた、可視スペクトルの様々な部分の放射線を生成するように、一般に構成されている。
【0036】
図5を参照すると、一実施形態における、フィルタ330を通過することが許容されるスペクトルに関する、感度曲線R、感度曲線G、及び感度曲線Bのグラフである。この光の大部分は、直接及び/又は間接的な、周囲昼光であろう。これは、カラーセンサ340によって感知される、フィルタリングされた入射光332である。非昼光の(限定するものではないが、約400nm〜約700nmの、殆ど又は全てのLED光を含めた)電磁放射線の全て又は大部分がフィルタによって遮断されているため、カメラは、専ら、又は主として、入射昼光の電磁放射線を検出することになる。
【0037】
別の実施形態によれば、カメラは、赤外線(IR)センサを含む。例えば、検出センサ340は、赤外線センサであってもよく、あるいは、カラーセンサ及び赤外線センサの双方であってもよい。RGB要素及びIR要素の双方を有するカメラは、RBG情報及びIR情報の双方を取得するように構成されることができ、又は、この特定のプロセスに関する1つのタイプの情報のみを提供するように構成されてもよい。一実施形態によれば、フィルタ330が、典型的には550〜700nmの範囲の、所定の閾値波長まで、可視光を遮断するように構成又は選択されている場合には、そのフィルタを通過する電磁放射線332の大半は、約700nm〜1000nmの波長を有するIRとなる。したがって、検出センサ340が、RGB要素及びIR要素の双方を有するカメラである場合には、そのカメラは、好ましくは700nm又は約700nmの、フィルタの上限若しくは閾値を超える範囲の、RGB情報及びIR情報の双方を検出することができる。
【0038】
一実施形態によれば、フィルタ範囲外の波長範囲で、RGB情報及びIR情報の双方を検出する能力は、そのカメラ又は照明ユニットが多くの異なる場所に設置され得る条件において、特に有益である。例えば、照明ユニットが、内部又は外部のいずれかに設置されることが可能である場合には、その照明ユニットは、RGB情報及びIR情報の双方を検出することを必要とし得る。照明ユニットが外部に設置される場合、その照明ユニットは、カメラ32からのIR情報のみを利用することが可能である。しかしながら、照明ユニットが内部に設置される場合、その照明ユニットは、窓又はガラスに入射する赤外光の量を、意図的に若しくは意図せずに減少させるフィルム又はコーティングを有する、窓又はガラスの背後に設置されてもよい。例えば、一部のフィルム又はコーティングは、透過される赤外光の量を、著しく減少させることができる。このシナリオでは、照明ユニットは、カメラ32からのRGB情報のみを利用することが可能である。
【0039】
図6を参照すると、一実施形態における、周囲電磁放射線中の昼光を推定するための方法600を示すフローチャートである。ステップ610で、照明ユニット10が準備される。照明ユニット10は、本明細書で説明される実施形態、又は他に想到される実施形態のうちのいずれかとすることができ、数ある要素の中でも特に、1つ以上の光源12、光源ドライバ24、コントローラ22、及びカメラ32などの、図1及び図2に関連して説明された照明ユニットの構成要素のうちのいずれかを含み得る。一実施形態によれば、この照明ユニットは、IRを遮断するためのフィルタが欠如しているが、IR域の光スペクトルの光のみがカメラに到達することを許容するためのフィルタを備える。換言すれば、この照明ユニットのカメラは、約650〜700nmから1000nmの範囲の光のみを受光する。このことは、例えば、特定の範囲の周波数を減衰させる帯域阻止フィルタ、及び/又は、特定の範囲内の周波数を許容する帯域通過フィルタによって達成される。
【0040】
本方法のステップ620で、照明ユニットは、周囲電磁放射線を受ける。図3に示されるように、例えば、電磁放射線は、昼光310及び/又は1つ以上の光源320などの、複数の異なる光源から放出されることができる。1つ以上の光源320は、例えば、近隣の照明設備、建物内又は建物上のライト、様々な表面から反射された光、又は、多種多様な他の可能な光源のうちのいずれかとすることができる。典型的には、昼光310は、700nm未満の波長及び700nmを超える波長の双方を有する電磁放射線を含む一方で、1つ以上の光源320は、典型的には、700nm未満の波長を有する電磁放射線を含む。
【0041】
本方法のステップ630で、照明ユニットは、約650〜700nm未満の波長を有する電磁放射線を遮断し、約650〜700nmを超える波長を有する電磁放射線が通過することを許容する。このことは、例えば、特定の範囲の周波数を減衰させる帯域阻止フィルタ、及び/又は、特定の範囲内の周波数を許容する帯域通過フィルタによって達成される。昼光は、700nm未満の波長及び700nmを超える波長の双方を有する電磁放射線を含む一方で、非昼光の光源は、典型的には、700nm未満の波長を有する電磁放射線を含むため、約650〜700nmを超える波長が通過することを許容することは、主に昼光を検出することを可能にする。
【0042】
一実施形態によれば、フィルタは、近隣の照明ユニットについての既知の情報又はスペクトル特性に基づいて、選択及び/又は最適化されることができる。例えば、照明環境が、特定の波長の光を放出する多数の照明ユニットを含むことが既知である場合には、フィルタは、この特定の波長を含む1つ以上の波長を遮断するように選択されることができる。別の実施形態によれば、フィルタは、カメラ32の上に配置されている光学要素であるか、又は、そのような光学要素を含み、この光学要素は、照明環境における、昼光並びに他の既知及び未知の光源の、1つ以上の偏光特性に関して最適化されている。更に別の実施形態によれば、光学要素の1つ以上の時間的切り替え特性が、照明環境における既知の光源の既知の時間的変調に従って、修正及び/又は最適化される。
【0043】
本法のステップ640で、照明ユニット10のカメラ32は、フィルタ330を通過する光を検出する。カメラ32は、好ましくは、赤色光、緑色光、及び/又は青色光を検出するが、カメラ及び/又は照明ユニットは、それらのチャネルのうちの1つ又は2つのみを、更なる分析のために使用してもよい。カメラ32は、色データ及び/又は強度データなどの得られたデータを、照明ユニットのプロセッサ22に送信することができる。
【0044】
本方法のステップ650で、照明ユニット10は、照明環境における昼光及び人工電磁放射線の量を推定するために、カメラ32によって得られたデータを分析する。例えば、本システムは、赤色、緑色及び/又は青色カラーチャネルの画素情報に対する信号処理技術を利用して、照明環境に対する昼光の寄与を推定することができる。
【0045】
一実施形態によれば、照明環境に対する昼光の寄与を推定することに加えて、照明ユニット又は照明システムはまた、照明ユニットによって検出された全入射光に対する、昼光の寄与の割合を推定してもよい。更には、又は代替的に、照明ユニット又は照明システムはまた、照明ユニットによって検出された全入射光に対する、非昼光の寄与の割合を推定してもよい。例えば、カメラは、フィルタを使用して、及びフィルタを使用せずにデータを取得し、双方のデータセットを利用して、照明ユニットによって検出された全入射光に対する、昼光の寄与の割合を推定してもよい。例えば、フィルタを使用しない場合、カメラは、照明環境における全入射光を特性化する。フィルタを使用する場合、カメラは、照明環境における昼光を特性化する。それら2つを比較することによって、照明システムは、照明ユニットによって検出された全入射光に対する、昼光の寄与の割合を推定することができる。別の実施形態によれば、フィルタを使用して、及びフィルタを使用せずに、カメラがデータを取得するのではなく、照明ユニットは、この情報を得るための複数のセンサを備えてもよい。例えば、照明ユニットは、フィルタリングされた光の情報を得るためのカメラ32を備えてもよく、また、照明環境における全入射光を取得及び/又は特性化するための、第2のカメラ又は別の光センサを備えてもよい。
【0046】
本方法のオプションのステップ660で、コントローラは、推定された昼光及び/又は非昼光の寄与情報を利用して、光源のパラメータ、又は照明ユニット若しくは照明システムによって放出される光プロファイルを、調節するか又は適合させる。一実施形態によれば、コントローラは、その推定に基づいて、1つ以上の光源のビーム幅、ビーム角、及び/又はビーム強度を調節することができる。例えば、コントローラは、推定された昼光が、特定の閾値を下回ったり上回ったりしたときに、光をオンにしたりオフにしたりするように、1つ以上の光源を調節することができる。この情報はまた、誤トリガの影響を低減するべく、1つ以上の他のセンサの感度及び/又は性能を制御するために利用されることも可能である。同様に、この情報は、本システムが制御している照明環境の、特徴、パラメータ、又は特性を変更するために利用されことが可能である。例えば、コントローラは、窓のブラインドを開閉するように指示することが可能であり、あるいは、照明環境内の対象物を或る場所から別の場所に移動させるように指示することもできる。
【0047】
いくつかの発明実施形態が、本明細書で説明及び図示されてきたが、当業者は、本明細書で説明される機能を実行するための、並びに/あるいは、その結果及び/又は利点のうちの1つ以上を得るための、様々な他の手段及び/又は構造体を、容易に構想することとなり、そのような変形態様及び/又は修正態様は、本明細書で説明される発明実施形態の範囲内にあるものと見なされる。より一般的には、本明細書で説明される全てのパラメータ、寸法、材料、及び構成は、例示であることが意図されており、実際のパラメータ、寸法、材料、及び/又は構成は、本発明の教示が使用される特定の用途に応じて変化することを、当業者は容易に理解するであろう。当業者は、通常の実験のみを使用して、本明細書で説明される特定の発明実施形態に対する、多くの等価物を認識し、又は確認することが可能であろう。それゆえ、上述の実施形態は、例としてのみ提示されており、添付の請求項及びその等価物の範囲内で、具体的に説明及び特許請求されるもの以外の発明実施形態が実践されてもよい点を理解されたい。本開示の発明実施形態は、本明細書で説明される、それぞれの個別の特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法を対象とする。更には、2つ以上のそのような特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法の任意の組み合わせは、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法が相互に矛盾しない場合であれば、本開示の発明の範囲内に含まれる。
【0048】
本明細書で定義及び使用されるような、全ての定義は、辞書定義、参照により組み込まれる文書中での定義、及び/又は定義される用語の通常の意味を支配するように理解されるべきである。
【0049】
不定冠詞「a」及び「an」は、本明細書及び請求項において使用されるとき、そうではないことが明確に示されない限り、「少なくとも1つ」を意味するように理解されるべきである。
【0050】
語句「及び/又は」は、本明細書及び請求項において使用されるとき、そのように結合されている要素の「いずれか又は双方」、すなわち、一部の場合には接続的に存在し、他の場合には離接的に存在する要素を意味するように理解されるべきである。「及び/又は」で列挙されている複数の要素は、同じ方式で、すなわち、そのように結合されている要素のうちの「1つ以上」として解釈されるべきである。「及び/又は」の節によって具体的に特定されている要素以外の他の要素は、具体的に特定されているそれらの要素に関連するか又は関連しないかにかかわらず、オプションとして存在してもよい。それゆえ、非限定例として、「A及び/又はB」への言及は、「含む(comprising)」などのオープンエンドの言語と共に使用される場合、一実施形態では、Aのみ(オプションとして、B以外の要素を含む)、別の実施形態では、Bのみ(オプションとして、A以外の要素を含む)、更に別の実施形態では、A及びBの双方(オプションとして、他の要素を含む)などに言及することができる。
【0051】
本明細書及び請求項において使用されるとき、「又は」は、上記で定義されたような「及び/又は」と同じ意味を有するように理解されるべきである。例えば、リスト内の項目を分離する際、「又は」又は「及び/又は」は、包括的であるとして、すなわち、少なくとも1つを含むが、また、いくつかの要素又は要素のリストのうちの2つ以上を、オプションとして、列挙されていない追加項目も含むとして解釈されるものとする。「〜のうちの1つのみ」若しくは「〜のうちの厳密に1つ」、又は請求項で使用される場合の「〜から成る」などの、その反対が明確に示される用語のみが、いくつかの要素又は要素のリストのうちの厳密に1つを含むことに言及する。一般に、用語「又は」は、本明細書で使用されるとき、「〜のいずれか」、「〜のうちの1つ」、「〜のうちの1つのみ」、又は「〜のうちの厳密に1つ」などの、排他性の用語に先行する場合にのみ、排他的選択肢(すなわち、「一方又は他方であるが、双方ではない」)を示すとして解釈されるものとする。「〜から本質的に成る」は、請求項で使用される場合、特許法の分野で使用される際の、その通常の意味を有するものとする。
【0052】
本明細書及び請求項において使用されるとき、1つ以上の要素のリストを参照する語句「少なくとも1つ」は、その要素のリスト内の要素の任意の1つ以上から選択された、少なくとも1つの要素を意味するが、必ずしも、その要素のリスト内で具体的に列挙されているそれぞれの要素のうちの、少なくとも1つを含むものではなく、その要素のリスト内の要素の、任意の組み合わせを排除するものではないことが理解されるべきである。この定義はまた、語句「少なくとも1つ」が言及する、その要素のリスト内で具体的に特定されている要素以外の要素が、具体的に特定されているそれらの要素に関連するか又は関連しないかにかかわらず、オプションとして存在してもよいことも可能にする。それゆえ、非限定例として、「A及びBのうちの少なくとも1つ」(又は、等価的に「A又はBのうちの少なくとも1つ」、又は、等価的に「A及び/又はBのうちの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、オプションとして2つ以上を含めた、少なくとも1つのAであり、Bは存在しないこと(及び、オプションとしてB以外の要素を含む)、別の実施形態では、オプションとして2つ以上を含めた、少なくとも1つのBであり、Aは存在しないこと(及び、オプションとしてA以外の要素を含む)、更に別の実施形態では、オプションとして2つ以上を含めた、少なくとも1つのA、及び、オプションとして2つ以上を含めた、少なくとも1つのB(及び、オプションとして他の要素も含む)などに言及することができる。
【0053】
また、そうではないことが明確に示されない限り、2つ以上のステップ又は行為を含む、本明細書で特許請求されるいずれの方法においても、その方法のステップ又は行為の順序は、必ずしも、その方法のステップ又は行為が列挙されている順序に限定されるものではないことも理解されるべきである。
【0054】
上記の明細書と同様に、請求項では、「備える(comprising)」、「含む(including)」、「運ぶ(carrying)」、「有する(having)」、「包含する(containing)」、「伴う(involving)」、「保持する(holding)」、「〜で構成される(composed of)」などの全ての移行句は、オープンエンドであり、すなわち、含むが限定されないことを意味する点を理解されたい。米国特許庁の特許審査基準のセクション2111.03に記載されているように、移行句「〜から成る」及び「〜から本質的に成る」のみが、それぞれ、クローズド又は半クローズドの移行句であるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6