(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記滞在施設推定部は、前記対象移動体の現在位置に基づいて、前記対象移動体が現在滞在している施設、又は、前記対象移動体が最後に滞在していた施設を、前記滞在施設として推定することを特徴とする請求項1記載の訪問施設推奨装置。
前記施設推奨部は、選択した次に訪問を推奨する施設の滞在目安時間と、前記複数の移動体の過去の前記複数の施設間の移動履歴から推定される施設間の移動時間から、次に訪問を推奨する施設の退出見込み時間を算出することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の訪問施設推奨装置。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の好ましい一実施形態について、図を参照しながら詳細に説明する。
【0025】
<訪問施設推奨システム1の全体構成>
本発明の好ましい一実施形態に係る訪問施設推奨システム1について説明する。
図1に、訪問施設推奨システム1の全体構成を示す。
【0026】
図1に示すように、訪問施設推奨システム1は、車載ナビゲーション装置10と、携帯端末20と、訪問施設推奨装置30と、を含んで構成される。これら各装置及び各端末は、通信網40を介して相互に通信可能に接続される。なお、図中では、これら各装置及び各端末にて送受信される位置情報、識別情報、目的地情報、及び施設推奨情報について図示しているが、これらの情報は送受信される一例である。本実施形態にて、これらの情報以外の情報が送受信されるようにしてもよい。
【0027】
車載ナビゲーション装置10は、車両50aに乗車したユーザに対して、ナビゲーション(経路案内)を行う装置である。車載ナビゲーション装置10は、ユーザの要求に基づき、現在位置から目的地までの経路案内を行う。また、車載ナビゲーション装置10は、車載ナビゲーション装置10の位置情報を測位する機能も有する。車載ナビゲーション装置10が測位した位置情報は、車載ナビゲーション装置10を識別するための識別情報や、位置情報を測位した時刻を示す時刻情報と共に訪問施設推奨装置30に対して適宜送信される。ここで、車載ナビゲーション装置10と車両50aは1対1の組として利用されているので、送信される位置情報及び識別情報は、実質的に、車両50aの位置情報及び識別情報とみなすことができる。
車載ナビゲーション装置10は、移動体である車両50aに据え付けられたカーナビゲーション装置や、移動体である車両50aに簡易的に設置され可搬可能なPND(Portable Navigation Device)によりにより実現することができる。
【0028】
携帯端末20は、車両50bに乗車したユーザが利用する携帯端末である。携帯端末20は、上述した車載ナビゲーション装置10と同様に、携帯端末20の位置情報(すなわち、車両50bの位置情報)を測位する機能を有する。携帯端末20が測位した位置情報は、車載ナビゲーション装置10が測位した位置情報と同様に、携帯端末20を識別するための識別情報や、位置情報を測位した時刻を示す時刻情報と共に訪問施設推奨装置30に対して適宜送信される。ここで、携帯端末20と車両50aは1対1の組として利用されているので、送信される位置情報及び識別情報は、実質的に、車両50aの位置情報及び識別情報とみなすことができる。
携帯端末20は、スマートフォン、携帯電話機、タブレット端末、ノートパソコン、その他の携帯可能な電子機器により実現することができる。
【0029】
なお、図中では、車載ナビゲーション装置10と車両50aの組と、携帯端末20と車両50bの組をそれぞれ一組ずつ図示しているが、これらの組数に特に制限はなく、本実施形態には任意の数だけ組が含まれていてよい。また、以下の説明において、車載ナビゲーション装置10が搭載された車両50aや、携帯端末20を利用するユーザが乗車する車両50bを区別することなく呼ぶ場合には、末尾のアルファベットを省略して、単に「車両50」と呼ぶ。
【0030】
訪問施設推奨装置30は、訪問する施設を推奨する装置であり、車両50を利用するユーザに対して、これから訪れる商業施設等の施設(POI(Point Of Interest)と呼ばれることもある。)を推奨(リコメンドと呼ばれることもある。)する。ここで、訪問施設推奨装置30は、かかる施設の推奨を、車両50の位置情報等に基づいて行う。そのため、本実施形態では、各施設への専用設備の設置を要することなく、訪問する施設を推奨することが可能となる。訪問施設推奨装置30による施設の推奨方法の具体的な内容については、後述する。
訪問施設推奨装置30は、例えばサーバ装置により実現することができる。
【0031】
通信網40は、インターネットや携帯電話網といったネットワークや、これらを組み合わせたネットワークにより実現される。
【0032】
車両50は、車載ナビゲーション装置10や携帯端末20のユーザが乗車する移動体である。車両50は、例えば、四輪自動車や自動二輪車や自転車等により実現される。
【0033】
<車載ナビゲーション装置10が備える機能ブロック>
次に、車載ナビゲーション装置10が備える機能ブロックについて
図2のブロック図を参照して説明をする。
ここで、車載ナビゲーション装置10は、車両50aから電源の供給を受けており、車両50aに乗車したユーザにより車両50aのイグニッションスイッチがオン(エンジンを起動)にされることによって自動起動する。そして、車載ナビゲーション装置10は、車両50aに乗車したユーザにより車両50aのイグニッションスイッチがオフ(エンジンを停止)にされるまで稼働する。
【0034】
図2に示すように、車載ナビゲーション装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、センサ部14と、表示部15と、入力部16とを含んで構成される。
【0035】
制御部11は、マイクロプロセッサ等の演算処理装置から構成され、10を構成する各部の制御を行う。制御部11の詳細については、後述する。
【0036】
記憶部12は、半導体メモリ等で構成されており、ファームウェアやオペレーティングシステムと呼ばれる制御用のプログラムや、経路案内処理を行うためのプログラムや、訪問施設推奨装置30に対する位置情報等の送信処理を行うためのプログラムといった各プログラム、更にその他、地図情報等の種々の情報が記憶される。図中には、記憶部12が記憶する情報として、本実施形態の説明に関わる、位置情報121、移動体ID122及び地図情報123を図示する。
【0037】
位置情報121は、後述のセンサ部14により測位された車載ナビゲーション装置10の位置情報(すなわち、車両50aの位置情報)である。位置情報121は、例えば、位置を示す緯度と経度の情報により実現される。また、位置情報121には、測位された位置を示す情報のみならず、測位を行った測位時刻を示す情報も含まれるようにする。
【0038】
移動体ID122は、車載ナビゲーション装置10を識別するための情報である。移動体ID122としては、例えば車載ナビゲーション装置10に一意に割り当てられた製造番号等を利用することができる。また、他にも、通信部13が携帯電話網等のネットワークである通信網40に接続するために、通信部13に挿入されたSIM(Subscriber Identity Module)に付与された電話番号を移動体ID122として利用することができる。また、他にも、車両50aに固有に付与されたVIN(車両識別番号)やナンバープレートの番号を移動体ID122として利用することができる。
【0039】
更に、地図情報123には、道路や施設等の地物に関する情報として、例えば、道路情報、施設位置情報、駐車場情報等の情報が含まれる。また、地図情報123には他にも、道路及び道路地図等の背景を表示するための表示用地図データ、ノード(例えば道路の交差点、屈曲点、端点等)の位置情報及びその種別情報、各ノード間を結ぶ経路であるリンクの位置情報及びその種別情報、全てのリンクのコスト情報(例えば距離、所要時間等)に関するリンクコストデータ等を含む道路ネットワークデータ等が含まれる。
【0040】
道路情報としては道路の種別や信号機等のいわゆる道路地図の情報が保存されている。
施設位置情報としては、各施設の位置情報が緯度経度の情報として保存されている。また、施設位置情報として、施設の識別情報(施設ID)、名称、施設種別(及び/又はジャンル)、電話番号、住所、営業時間、施設が飲食店であれば提供するメニュー、商品役務等に関する施設情報、等の付帯的な情報が含まれていてもよい。
【0041】
駐車場情報としては、駐車場の位置情報が保存されている。駐車場の位置情報は、位置情報121と同様に、例えば、位置を示す緯度と経度の情報により実現される。駐車場が各施設の駐車場である場合には、施設と駐車場を紐付けて保存される。また他にも、駐車場情報として、駐車場の駐車可能時間や、駐車可能台数や、駐車可能な車両50の大きさ等の情報が保存されている。
【0042】
地図情報123は、車載ナビゲーション装置10の製造時点で記憶部32に予め記憶しておく構成としてもよいし、通信網40に接続された訪問施設推奨装置30や他のサーバ装置(図示を省略する。)等から必要に応じて適宜ダウンロードされる構成としてもよい。更に、ユーザの入力等に応じて適宜修正されてもよい。
【0043】
通信部13は、DSP(Digital Signal Processor)等を有し、3G(3rd Generation)、LTE(Long Term Evolution)やWi−Fi(登録商標)といった規格に準拠して、通信網40を介して通信網40を介した他の装置(例えば、訪問施設推奨装置30)との間の無線通信を実現する。通信部13は、例えば、後述の位置情報送信部112が、記憶部12に格納されている位置情報121及び移動体ID122や、経路案内部111に設定された目的地の情報(例えば目的地とした施設の施設ID)を、訪問施設推奨装置30に対して送信するために利用される。ただし、通信部13と他の装置との間で送受信されるデータに特に制限はなく、位置情報121及び移動体ID122以外の情報が送受信されるようにしてもよい。
【0044】
センサ部14は、例えばGPS(Global Positioning System)センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ、加速度センサ等により構成される。センサ部14は、位置情報を検出する位置検出手段としての機能を備え、GPSセンサによりGPS衛星信号を受信し、車載ナビゲーション装置10の位置情報(緯度及び経度)を測位する。センサ部14による測位は、上述したように所定の時間間隔(例えば3秒間隔)で行われる。測位した位置情報は、位置情報121として記憶部12に格納される。
なお、センサ部14は、ジャイロセンサ、加速度センサにより測定される角速度や、加速度に基づいて車載ナビゲーション装置10の位置情報の測位精度を更に高めることも可能である。
また、センサ部14は、GPS通信が困難又は不可能となった場合に、AGPS(Assisted Global Positioning System)通信を利用し、通信部13から取得される基地局情報によって車載ナビゲーション装置10の位置情報を算出することも可能である。
【0045】
表示部15は、液晶ディスプレイ、又は有機エレクトロルミネッセンスパネル等の表示デバイスにより構成される。表示部15は、制御部11からの指示を受けて画像を表示する。表示部15が表示する情報としては、例えば、車載ナビゲーション装置10の現在位置、地図情報123から読み出された車載ナビゲーション装置10の現在位置周辺の地図情報、ユーザに設定された目的地、他の車載ナビゲーション装置10から通知された待ち合わせ情報、ルート情報、各種のユーザインタフェース等が挙げられる。
【0046】
入力部16は、テンキーと呼ばれる物理スイッチや表示部15の表示面に重ねて設けられたタッチパネル等の入力装置(図示を省略する。)等で構成される。入力部16からの操作入力、例えばユーザによるテンキーの押下、タッチパネルのタッチに基づいた信号を制御部11に出力することで、ユーザによる選択操作や、地図の拡大縮小等の操作を実現することができる。
【0047】
なお、この他、図示しないが、スピーカやマイク等を備えることもできる。スピーカは、運転者に対して音声出力を行い、マイクは、運転者によって発せられた音声等を集音する。
そうすることで、情報をスピーカから音声で出力したり、マイクを介して音声入力された運転者による各種の選択、指示を音声認識技術により、制御部11に入力したりすることもできる。
【0048】
次に、制御部11の詳細について説明をする。制御部11はCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random access memory)、ROM(Read Only Memory)、及びI/O(Input / output)等を有するマイクロプロセッサにより構成される。CPUは、ROM又は記憶部12から読み出した各プログラムを実行し、その実行の際にはRAM、ROM、及び記憶部12から情報を読み出し、RAM及び記憶部12に対して情報の書き込みを行い、通信部13、センサ部14、表示部15、及び入力部16と信号の授受を行う。そして、このようにして、ハードウェアとソフトウェア(プログラム)が協働することにより本実施形態における処理は実現される。
【0049】
制御部11は、機能ブロックとして、経路案内部111及び位置情報送信部112を備える。
経路案内部111は、ユーザによって入力又は選択された施設等の目的地までの経路案内処理を行う部分である。
目的地までの経路案内処理は、一般的なカーナビゲーションシステムにおける経路案内処理と同等である。すなわち、経路案内部111は、記憶部12に記憶されている地図情報123に基づいて目的地までの地図を生成し、この地図上にセンサ部14により測位された車載ナビゲーション装置10の現在位置と目的地の位置と目的地までのルート情報とを重ね、これを表示部15に表示することにより経路案内を行うことができる。
【0050】
この場合に、更に、図示を省略したスピーカから経路案内用の音声を出力するようにしてもよい。また、道路の混雑状況の情報や天気の情報等を通信部13による通信により取得して、この取得した情報を経路案内処理に利用するようにしてもよい。なお、目的地までの経路案内処理については、当業者によく知られているので、これ以上の詳細な説明は省略する。
【0051】
また、経路案内部111は、例えばユーザの操作に基づいて、訪問施設推奨装置30に対して次に訪問する施設の推奨を要求する。訪問施設推奨装置30は、かかる要求を受信すると、後述する処理を行うことにより、次に訪問を推奨する施設を選択する。そして、訪問施設推奨装置30は、選択した施設の情報を、次に訪問を推奨する施設の情報として、経路案内部111に送信する。経路案内部111は、かかる次に訪問を推奨する施設の情報を表示部15に表示したり、図示を省略したスピーカから出力したりすることによりユーザに通知する。これにより、ユーザは次に訪問する施設の推奨を受けることができ、例えば、自宅から離れた生活圏以外のエリア等であっても、次に訪問する施設を適切に選択することができる。
【0052】
この場合に、訪問施設推奨装置30は、施設の情報の全てを経路案内部111に送信してもよいが、施設の情報の一部(例えば施設ID)を経路案内部111に送信してもよい。この場合、経路案内部111が、受信した施設IDに対応する施設の情報を地図情報123から読み出して、この読み出した施設の情報をユーザに対して通知するようにしてもよい。
【0053】
位置情報送信部112は、通信部13を利用した無線通信により、記憶部12に格納されている位置情報121及び移動体ID122を、訪問施設推奨装置30に対して送信する部分である。また、位置情報送信部112は、経路案内部111に設定された目的地の情報も訪問施設推奨装置30に対して送信するようにしてもよい。
【0054】
位置情報送信部112による、訪問施設推奨装置30に対する位置情報121及び移動体ID122の送信は、車両50aに乗車したユーザにより車両50aのイグニッションスイッチがオン(エンジンを起動)にされ、車載ナビゲーション装置10が自動起動してから、車両50aのイグニッションスイッチがオフ(エンジンを停止)にされるまでの間、周期的に行われる。例えば、所定の時間間隔(例えば3秒間隔)でセンサ部14が測位を行う都度、リアルタイムに送信が行われる。また、リアルタイムに訪問施設推奨装置30に送信する代わりに、複数個まとめて(例えば3分間分の間に3秒間隔で更新された位置情報121と、移動体ID122とをまとめて)、一度に送信するようにしてもよい。すなわち、いわゆるバースト送信をするようにしてもよい。かかる、所定の時間間隔の長さや、リアルタイムに送信するか、それともバースト送信するかは、本実施形態を適用する環境等に応じて、任意に設定することができる。
【0055】
このようにして、リアルタイム送信やバースト送信を行うことにより、位置情報送信部112は、センサ部14が測位した車両50aの移動経路を特定するための位置情報121と、移動体ID122とを、訪問施設推奨装置30に対して送信する。なお、上述したように、位置情報121には測位された位置を示す情報のみならず、測位を行った測位時刻を示す情報も含まれるようにする。
【0056】
更に、位置情報送信部112は、イグニッションスイッチがオン(エンジンを起動)にされ、車載ナビゲーション装置10が自動起動した直後に測位された位置情報121により特定される位置を最初の車両位置、すなわち出発位置として訪問施設推奨装置30に送信することができる。更に、イグニッションスイッチがオフ(エンジン停止)される直前に測位された位置情報121により特定される位置を最終の車両位置、すなわち到着位置として訪問施設推奨装置30に送信することができる。
【0057】
この場合、出発位置を表す位置情報121であることを示す起動情報や、到着位置を表す位置情報121であることを示す停止情報を、位置情報121に追加してから、訪問施設推奨装置30に送信するようにする。例えば、起動情報であることを示すフラグを1にして送信したり、停止情報であることを示すフラグを1にして送信したりするとよい。なお、イグニッションスイッチがオフ(エンジン停止)される直前に測位された位置情報121(すなわち、到着位置)については、その後イグニッションスイッチが再度オン(エンジンを起動)にされ、車載ナビゲーション装置10が再度起動した際に送信されてもよい。
【0058】
また、バースト送信を行う場合であっても、経路案内部111により車両50aが目的地(例えば、或る施設)に到着したと判断された場合には、位置情報送信部112は、リアルタイムに送信を行うように切り替えるとよい。このようにすれば、或る施設に到着後、到着位置の位置情報121が送信される前に、イグニッションスイッチがオフ(エンジン停止)されてしまい、施設等の目的地の位置情報121が訪問施設推奨装置30に対して送信されない、という事態を防止することができる。
【0059】
また、位置情報送信部112は、通信部13を利用した無線通信により、上述した位置情報121及び移動体ID122に加えて、経路案内部111に設定された目的地の情報も訪問施設推奨装置30に対して送信するようにしてもよい。例えば、ユーザが経路案内部111に目的地を設定した場合に、この目的地の位置情報(緯度及び経度)や、この目的地に対応する施設の施設IDを、目的地の情報として訪問施設推奨装置30に対して送信する。これにより、後述の訪問施設推奨装置30における滞在施設推定部312は、車両50が訪問しようとしている施設を特定することができる。
【0060】
<携帯端末20が備える機能ブロック>
次に、携帯端末20が備える機能ブロックについて
図3のブロック図を参照して説明をする。
ここで、上述した車載ナビゲーション装置10は、車両50aから電源の供給を受けていたが、携帯端末20は自身が備えるバッテリ(図示を省略する。)から電源の供給を受ける。ただし、バッテリを充電するために携帯端末20が車両50bのシガーソケット等から電源の供給を受けるようにしてもよい。
【0061】
図2に示すように、携帯端末20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、センサ部24と、表示部25と、入力部26と、近距離通信部27とを含んで構成される。
ここで、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、センサ部24と、表示部25と、入力部26は、上述した車載ナビゲーション装置10が含む同名の機能ブロックと同等の機能を有している。
【0062】
また、記憶部22は、位置情報221と、移動体ID222と、地図情報223を記憶している。これらの情報は、上述した車載ナビゲーション装置10の記憶部22が記憶する同名の情報と同等の情報である。
つまり、上述した車載ナビゲーション装置10の説明における「車載ナビゲーション装置10」の文言を「携帯端末20」を置き換え、「車両50a」の文言を「車両50b」と置き換えることにより、携帯端末20の各機能ブロックの説明となるので、重複する再度の説明は省略する。
【0063】
一方で、携帯端末20は、近距離通信部27を含んでいる点等で、車載ナビゲーション装置10と相違するので、この相違点について、以下説明をする。
近距離通信部27は、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)といった規格に準拠した非接触の近距離通信、又はUSB(Universal Serial Bus)ケーブル等を介した有線による近距離通信を行うための部分である。
【0064】
これに対して、車両50bは、近距離通信部27と通信を行うための近距離通信部を備える。例えば車両50bのECU(Electronic Control Unit)が近距離通信部を備える。
そして、携帯端末20がECUと近距離通信により通信することができる場合とは、すなわち、携帯端末20が車両50bの車内に存在する場合である。この場合、携帯端末20のセンサ部24が測位する位置情報は、車両50bの位置情報に相当することになる。携帯端末20の記憶する移動体ID222は、車両50bの識別情報に相当することになる。
【0065】
そこで、携帯端末20は、近距離通信部27を介してECUと近距離通信できる間は、位置情報送信部212を起動させる。そして、起動した位置情報送信部212が、車載ナビゲーション装置10の位置情報送信部112と同様にして、センサ部24が測位した車両50bの移動経路を特定するための位置情報221と、移動体ID222とを、訪問施設推奨装置30に対して送信する。
【0066】
例えば、ユーザが携帯端末20を所持して車両50bに乗車し、イグニッションスイッチ等の車両50bの起動スイッチをオンにすると、車両50bと携帯端末20とが接続(ペアリング)され、携帯端末20で測位した位置情報221及び移動体ID222が携帯端末20から訪問施設推奨装置30に送信される。この場合、車両50bと携帯端末20とのペアリング直後に測位された位置情報121により特定される位置を最初の車両位置、すなわち出発位置として訪問施設推奨装置30に送信することができる。
【0067】
更に、イグニッションスイッチ等の車両50bの起動スイッチがオフにされると、車両50bと携帯端末20とのペアリングが解除される。この場合、解除された直前に測位された位置情報121により特定される位置を最終の車両位置、すなわち到着位置として訪問施設推奨装置30に送信することができる。
この場合に、位置情報221に測位を行った測位時刻を示す情報も含まれる点や、リアルタイムで送信してもよく、バースト送信してもよい点や、到着位置に到着したと判断された場合には、バースト送信をリアルタイムの送信に切り替えても良い点や、出発位置又は到着位置であることを示す起動情報や停止情報を追加しても良い点や、再起動時に到着位置を送信しても良い点や、目的地の情報も送信するようにしても良い点も位置情報送信部112と同様である。
【0068】
なお、車両50bが位置情報を測位する機能を有している場合には、センサ部24が測位する位置情報ではなく、車両50bが測位する位置情報を位置情報221として訪問施設推奨装置30に送信するようにしてもよい。この場合、携帯端末20から、センサ部24を省略するようにしてもよい。
【0069】
<訪問施設推奨装置30が備える機能ブロック>
次に、訪問施設推奨装置30が備える機能ブロックについて
図4のブロック図を参照して説明をする。
【0070】
図4に示すように、訪問施設推奨装置30は、制御部31と、記憶部32と、通信部33と表示部34と、入力部35と、を含んで構成される。
【0071】
制御部31は、マイクロプロセッサ等の演算処理装置から構成され、訪問施設推奨装置30を構成する各部の制御を行う。制御部31の詳細については、後述する。
【0072】
記憶部32は、半導体メモリ等で構成されており、ファームウェアやオペレーティングシステムと呼ばれる制御用のプログラムや、訪問する施設を推奨する処理を行うためのプログラムといった各プログラム、更にその他、地図情報等の種々の情報が記憶される。図中には、記憶部32が記憶する情報として、位置情報の分析処理に特に関する情報である、地図情報321、及び移動履歴データベース322を図示する。
【0073】
地図情報321は、基本的に上述した地図情報123や地図情報223と同じ情報である。ただし、地図情報321には、施設を推奨するために、地図情報123や地図情報223よりも、更に詳細な施設情報を含んでいる。
地図情報321は、地図情報123や地図情報223と同様に、予め記憶しておく構成としてもよいし、通信網40に接続されたサーバ装置(図示を省略する。)等から必要に応じて適宜ダウンロードされる構成としてもよい。更に、ユーザの入力等に応じて適宜修正されてもよい。また、例えば、地図情報321に含まれる施設情報の「平均滞在時間」等の情報については、後述の情報更新部311により更新されるようにするとよい。
なお、地図情報321に含まれる施設情報については、
図6を参照して後述する。
【0074】
移動履歴データベース322は、車載ナビゲーション装置10及び携帯端末20のそれぞれから受信した位置情報121及び位置情報221と移動体ID122及び移動体ID222とに基づいて構築されたデータベースである。移動履歴データベース322は、後述の情報更新部311により構築される。移動履歴データベース322の詳細については、情報更新部311の説明の際に
図5を参照して後述する。なお、以下の説明では、位置情報121及び位置情報221を区別することなく説明する際は、符号を省略して「位置情報」と呼ぶ。また、同様に移動体ID122及び移動体ID222を区別することなく説明する際は、符号を省略して「移動体ID」と呼ぶ。
【0075】
通信部33は、DSP(Digital Signal Processor)等を有し、3G(3rd Generation)LTE(Long Term Evolution)やWi−Fi(登録商標)といった規格に準拠して、通信網40を介して通信網40を介した他の装置との間の無線通信を実現する。通信部33は、例えば、車載ナビゲーション装置10及び携帯端末20のそれぞれから送信される位置情報及び移動体ID等の情報を受信するために利用される。また、他にも通信部33は、例えば、車載ナビゲーション装置10及び携帯端末20に対して地図情報を送信するために利用される。
ただし、通信部33と他の装置との間で送受信されるデータに特に制限はなく、これらの情報以外の情報が送受信されるようにしてもよい。
【0076】
表示部34は、液晶ディスプレイ、又は有機エレクトロルミネッセンスパネル等の表示デバイスにより構成される。表示部15は、制御部11からの指示を受けて画像を表示する。表示部15が表示する情報としては、例えば、地図情報321から読み出された地図情報や、移動履歴データベース322から読み出された移動履歴データベース内の各情報、各種のユーザインタフェース等が挙げられる。
【0077】
入力部35は、キーボードやマウス等の入力装置(図示を省略する。)等で構成される。入力部16からの操作入力に基づいて、例えば、地図情報321や移動履歴データベース322の修正や、訪問を推奨する施設の情報の送信先とする車載ナビゲーション装置10や携帯端末20の選択等の処理を行うことが可能となる。これらの操作は、例えば、訪問施設推奨装置30を管理する事業者により行われる。
【0078】
次に、制御部31の詳細について説明をする。制御部31はCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random access memory)、ROM(Read Only Memory)、及びI/O(Input / output)等を有するマイクロプロセッサにより構成される。CPUは、ROM又は記憶部32から読み出した各プログラムを実行し、その実行の際にはRAM、ROM、及び記憶部32から情報を読み出し、RAM及び記憶部32に対して情報の書き込みを行い、通信部33、表示部34、及び入力部35と信号の授受を行う。そして、このようにして、ハードウェアとソフトウェア(プログラム)が協働することにより本実施形態における処理は実現される。
【0079】
制御部31は、機能ブロックとして、情報更新部311、滞在施設推定部312、移動相関算出部313、及び施設推奨部314を備える。
情報更新部311は、移動履歴データベース322を構築すると共に、移動履歴データベース322を適宜更新する部分である。移動履歴データベース322の、データ構造の一例について
図5を参照して説明する。
【0080】
図5に示すように、移動履歴データベース322には、移動履歴ID、出発時刻、出発施設ID、到着時刻、及び到着施設IDといった情報が紐付けて格納される。
情報更新部311は、1回のドライブ単位でこれらの情報を紐付けて格納する。すなわち、車両50のイグニッションスイッチがオン(エンジンを起動)されて位置情報の送信が開始されてから、イグニッションスイッチがオフ(エンジン停止)されて位置情報の送信が終了するまでの間に受信した移動体IDや位置情報に基づいた情報を1つの単位として紐付けて格納する。また、情報更新部311は、新たなドライブが行われる都度、新たなドライブの情報を時系列順に格納する。このように、移動履歴データベース322は、車両50を利用するユーザの回遊行動を示すデータベースとして構築される。
【0081】
また、情報更新部311は、このようなデータベースを移動体それぞれについて作成する。つまり、情報更新部311は、位置情報の送信元である車載ナビゲーション装置10や携帯端末20を識別するための「移動体ID」それぞれについて作成する。
【0082】
ここで、移動履歴データベース322内の「移動履歴ID」は、移動履歴それぞれを識別するための識別情報である。なお、上述したように、情報更新部311は、1回のドライブ単位で各情報を紐付けて格納する。
【0083】
移動履歴データベース322内の「出発時刻」は、車両50のイグニッションスイッチがオン(エンジンを起動)されて位置情報の送信が開始された時刻である。出発時刻は、位置情報に含まれる時刻情報と、位置情報に含まれるイグニッションスイッチがオンになったことを示す起動情報に基づいて特定される。
【0084】
移動履歴データベース322内の「出発施設ID」は、車両50のイグニッションスイッチがオン(エンジンを起動)されて位置情報の送信が開始された出発時点での位置情報(すなわち、ドライブにおいて最初に送信された位置情報)に対応する施設のIDである。情報更新部311は、位置情報の送信が開始された出発時点での位置情報と、地図情報321に含まれる施設情報とを照らし合わせることにより、出発施設IDを特定することができる。
【0085】
なお、出発した位置が、例えば個人の自宅駐車上等の施設IDを割り当てられていない場所の場合には、出発時点での位置情報と施設情報とを照らし合わせたとしても施設IDは特定されない。この場合は、情報更新部311は、例えば、図中の移動履歴ID「20171015_1」の出発施設IDに「−」と記載するように、出発施設IDは特定できない旨の情報を格納する。
【0086】
移動履歴データベース322内の「到着時刻」は、車両50のイグニッションスイッチがオフ(エンジン停止)されて位置情報の送信が終了した時刻である。到着時刻は、位置情報に含まれる時刻情報と、位置情報に含まれるイグニッションスイッチがオフになったことを示す停止情報に基づいて特定される。
【0087】
移動履歴データベース322内の「到着施設ID」は、車両50のイグニッションスイッチがオフ(エンジン停止)されて位置情報の送信が終了した到着時点での位置情報(すなわち、ドライブにおいて最後に送信された位置情報)に対応する施設のIDである。情報更新部311は、出発施設IDと同様に、位置情報の送信が終了した到着時点での位置情報と、地図情報321に含まれる施設情報とを照らし合わせることにより、到着施設IDを特定することができる。なお、到着した位置が、例えば個人の自宅駐車上等の施設IDを割り当てられていない場所の場合には、情報更新部311は、到着施設IDは特定できない旨の情報を格納する点も、出発施設IDと同様である。
【0088】
なお、
図5に図示している情報以外の情報が更に移動履歴データベース322内に含まれていてもよい。例えば、位置情報の送信が開始されて終了するまでの間に受信した全ての位置情報が含まれていてもよい。これらの位置情報は、車両50の移動に伴い時間離散的に変化する、車両50の移動経路を表す情報であり、実際に施設間を利用する際に用いた移動経路の特定や分析等の用途に活用することができる。
【0089】
情報更新部311は、何れかの車載ナビゲーション装置10及び携帯端末20から位置情報及び移動体IDの送信が一度開始されてから終了する都度、受信した位置情報及び移動体IDに基づいて新たなフィールドに、上述した各情報を格納することにより移動履歴データベース322を更新する。
【0090】
次に、滞在施設推定部312について説明をする。滞在施設推定部312は、訪問を推奨する施設の通知先となる車載ナビゲーション装置10や携帯端末20(以下、「対象移動体」と呼ぶ。)の滞在施設を推定する。ここで、訪問を推奨する施設の要求を訪問施設推奨装置30に対して送信した、送信元の車載ナビゲーション装置10や携帯端末20が対象移動体となる。例えば、或る車両50に搭載された車載ナビゲーション装置10の経路案内部111が、訪問を推奨する施設の要求の送信元であれば、この或る車両50に搭載された車載ナビゲーション装置10が対象移動体となる。
【0091】
対象移動体の滞在施設の推定方法としては、例えば、3つの方法が考えられる。
まず、第1の方法として、対象移動体から受信した位置情報に基づいて、対象移動体が現在滞在している施設を推定する方法が考えられる。この方法の場合、滞在施設推定部312は、対象移動体から受信した現在位置を示す位置情報と、地図情報321に含まれる施設情報とを照らし合わせることにより、対象移動体が現在滞在している施設を滞在施設として推定することができる。
【0092】
また、第2の方法として、対象移動体から受信した位置情報に基づいて、対象移動体が最後に滞在している施設を推定する方法が考えられる。この方法の場合、滞在施設推定部312は、対象移動体から受信した現在位置を示す位置情報と、地図情報321に含まれる施設情報とを照らし合わせることにより、対象移動体が最後に滞在した施設を滞在施設として推定することができる。
これらの方法で推定を行う場合に、例えば滞在施設推定部312は、移動履歴データベース322を参照して、過去に受信した現在位置を示す位置情報等を考慮して推定を行うようにしてもよい。
【0093】
また、更に第3の方法として、対象移動体から、経路案内における目的地の情報を受信している場合には、この目的地の情報に基づいて、現在対象移動体が目的地としている施設を滞在施設として推定することができる。例えば、対象移動体から目的地の情報として、目的地の施設の施設IDを受信している場合には、この施設IDに基づいて現在対象移動体が目的地としている施設を滞在施設として推定することができる。
滞在施設推定部312は、推定した滞在施設を移動相関算出部313も対して出力する。
【0094】
移動相関算出部313は、滞在施設推定部312が推定した滞在施設と、他の施設それぞれとの移動相関を算出する。滞在施設推定部312は、移動相関を、移動履歴データベース322に格納された移動履歴に基づいて算出する。移動相関の算出方法の一例について
図5に示す「移動体ID:XX1」の移動履歴に基づいて説明をする。
【0095】
この移動履歴を参照すると、「移動体ID:XX1」の移動体は、不明な施設(例えば自宅駐車場)から出発して、「施設ID:aaa」の施設、「施設ID:bbb」の施設、「施設ID:ccc」の施設、「施設ID:ddd」の施設の順で移動し、不明な施設(例えば自宅駐車場)に到着している。これにより、滞在施設推定部312は、例えば「施設ID:aaa」の施設に移動相関が高いのは、次に移動している「施設ID:bbb」の施設であると算出できる。同様にして、滞在施設推定部312は、例えば「施設ID:bbb」の施設に移動相関が高いのは、次に移動している「施設ID:ccc」の施設であると算出できる。
【0096】
滞在施設推定部312は、このようにして各移動体の各移動履歴それぞれについて移動相関を算出し、算出した移動相関を積算することにより、各施設について移動相関が高い施設を特定することができる。
【0097】
ただし、全ての移動履歴を用いると、適切に移動相関が算出できない場合もあり得る。例えば、訪問する施設を推奨する観点において、目的としている施設に向かう途中で一時的に立ち寄るコンビニエンスストアやガソリンスタンド等は、移動相関の算出に用いない方がよい場合もあり得る。一般的に、コンビニエンスストアやガソリンスタンド等は、簡単な買い物やガソリンの補給等の理由があって、一時的に立ち寄る施設であり、観光や旅行といったレジャーの目的で訪問を推奨するべき施設ではないからである。
【0098】
そこで、滞在施設推定部312は、例えば、或る施設への到着時刻と、この或る施設から出発時刻との差分を、この或る施設への滞在時間として算出する。そして、この滞在時間が短い場合(例えば20分以下の場合)、この或る施設は、目的としている施設に向かう途中で一時的に立ち寄るコンビニエンスストアやガソリンスタンド等であると判断して、移動相関の算出に用いないようにしてもよい。
【0099】
例えば、「移動履歴ID20171015_4」における「施設ID:ccc」の施設への到着時刻と、「移動履歴ID20171015_5」における「施設ID:ccc」の施設からの出発時刻との差分は5分のみである。そのため、「施設ID:ccc」の施設については、5分しか滞在しておらず、一時的に立ち寄った施設に過ぎないとして、移動相関の算出に用いないようにする。その結果、「施設ID:bbb」の施設と移動相関が高いのは、「施設ID:ccc」の施設ではなく、「施設ID:ddd」の施設であると算出できる。
なお、このように一時的に立ち寄る場所であるコンビニエンスストアやガソリンスタンド等であるか否かを、滞在時間に基づいて判断するのではなく、地図情報321に含まれる施設情報に基づいて判断するようにしてもよい。そして、施設情報に基づいて、一時的に立ち寄る場所であると判断できた施設については、移動相関の算出に用いないようにしてもよい。
【0100】
移動相関算出部313は、このようにして移動相関を算出し、滞在施設推定部312が推定した滞在施設と、他の施設それぞれとの移動相関の高さを示す値を施設推奨部314に対して出力する。
【0101】
なお、上記の例では、仮に施設A、施設B、施設C、施設Dの順で移動した場合に、施設Bと移動相関が高いのは、次に移動した施設である施設Cとして算出していた。これを変形して施設Bと移動相関が高いのは、1つ前の移動元の施設である施設Aとして算出してもよい。また、施設Bと移動相関が高いのは、施設Aと施設Cの双方であると算出してもよい。この場合に、重み付けをして、例えば、施設Bについては、施設Cと最も移動相関が高く、次に施設Aと移動相関が高く、次に施設Dと移動相関が高い、というように算出してもよい。
【0102】
施設推奨部314は、移動相関算出部313から入力された、滞在施設推定部312が推定した滞在施設と、他の施設それぞれとの移動相関の高さを示す値とに基づいて、次に訪問する施設として推奨する施設を選択する。施設推奨部314は、例えば、滞在施設推定部312が推定した滞在施設と最も移動相関が高い施設を選択する。そして、施設推奨部314は、選択した推奨する施設についての詳細な情報を、地図情報321に含まれる施設情報から取得する。
【0103】
地図情報321に含まれる施設情報の一例について
図6を参照して説明をする。
図6に示すように、施設情報には、施設ID、施設名称、施設位置情報、駐車場位置情報、施設カテゴリ、及び平均滞在時間が含まれる。
【0104】
施設情報に含まれる「施設ID」は、各施設を識別するための識別情報である。また、施設情報に含まれる「施設名称」は、各施設の名称である。例えば、施設が店舗である場合には、その店舗名である。
【0105】
また、施設情報に含まれる「施設位置情報」は、施設が存在する位置を示す位置情報(例えば、緯度及び経度)である。また、施設情報に含まれる「駐車場位置情報」は、施設に付帯する駐車場の位置を示す位置情報(例えば、緯度及び経度)である。
【0106】
また、施設情報に含まれる「施設カテゴリ」は、施設の種類を示す情報である。例えば、「博物館」、「映画館」、「飲食店」、「温泉施設」といった情報である。
また、施設情報に含まれる「平均滞在時間」は、各施設にユーザが滞在した時間の平均値である。平均滞在時間は、情報更新部311が移動履歴データベース322を更新する際に、併せて適宜更新される。情報更新部311は、移動履歴データベース322に更新時に、移動履歴を参照し、或る施設への到着時刻と、この或る施設から出発時刻との差分を、この或る施設への滞在時間として算出する。そして、情報更新部311は、この或る施設への滞在時間として、今まで算出した時間を平均することにより、施設情報に含まれる「平均滞在時間」を適宜更新する。
【0107】
なお、これらの情報は施設情報に含むことのできる情報の一部に過ぎず、これ以外にも、例えば施設の発行しているクーポンの情報や、施設の営業時間や電話番号等の付帯情報を更に施設情報に含んでいてもよい。
【0108】
施設推奨部314は、推奨する施設についての詳細な情報として、これら施設情報に含まれる情報を取得し、取得した推奨施設の情報を対象移動体に対して送信することにより、施設推奨情報の通知を行う。
ただし、1つの施設ではなく、複数の施設(例えば3つの施設)を訪問する施設として推奨する場合は、移動相関が高い順に上から複数の施設(例えば上から3つの施設)それぞれの施設の情報を、移動相関の高さの順位と共に対象移動体に対して送信することにより、施設推奨情報の通知を行う。
【0109】
対象移動体は、通知された施設推奨情報を自身が備える表示部15や表示部25に表示する等してユーザに対して通知する。これにより、ユーザは次に訪問する施設の推奨を受けることができ、例えば、自宅から離れた生活圏以外のエリア等であっても、次に訪問する施設を適切に選択することができる。
【0110】
<本実施形態の動作>
次に、本実施形態の具体的な処理について、
図11のフローチャートを参照して説明する。
ステップS11において、情報更新部311は、何れかの車載ナビゲーション装置10及び携帯端末20から位置情報及び移動体ID等の情報を、通信部33にて受信したか否かを判定する。何れかの車載ナビゲーション装置10及び携帯端末20から位置情報及び移動体ID等の情報を受信した場合には、ステップS11においてYesと判定され、処理はステップS12に進む。一方で、何れの車載ナビゲーション装置10及び携帯端末20からも位置情報及び移動体ID等の情報を受信していない場合には、ステップS11においてNoと判定され、処理はステップS13に進む。
【0111】
ステップS12において、情報更新部311は、ステップS12において受信した位置情報等に基づいて、移動履歴データベース322を更新する。また、情報更新部311は、他にも例えば、ステップS12において受信した位置情報等に基づいて、地図情報321に含まれる施設情報の「平均滞在時間」を適宜更新する。
【0112】
ステップS13において、滞在施設推定部312は、何れかの車載ナビゲーション装置10及び携帯端末20から、訪問する施設の推奨要求を受け付けたか否かを判定する。何れかの車載ナビゲーション装置10及び携帯端末20から、訪問する施設の推奨要求を受け付けた場合は、ステップS13においてYesと判定され、処理はステップS14に進む。一方で、何れの車載ナビゲーション装置10及び携帯端末20からも、訪問する施設の推奨要求を受け付けていない場合は、ステップS13においてNoと判定され、処理はステップS11に戻り、上述した処理が繰り返される。
【0113】
ステップS14において、滞在施設推定部312は、訪問する施設の推奨要求の送信元である、対象移動体の滞在施設を推定する。また、滞在施設推定部312は、推定した滞在施設を移動相関算出部313に対して出力する。
【0114】
ステップS15において、移動相関算出部313は、ステップS14にて入力された滞在施設と、他の施設それぞれとの移動相関を算出する。また、移動相関算出部313は、算出した移動相関を施設推奨部314に対して出力する。
【0115】
ステップS16において、施設推奨部314は、ステップS13にて入力された移動相関に基づいて、訪問する施設として推奨する施設を選択する。また、施設推奨部314は、選択した推奨する施設の詳細な情報を地図情報321に含まれる施設情報から取得する。
【0116】
ステップS17において、施設推奨部314は、ステップS16において取得した、推奨する施設の詳細な情報を、施設推奨情報として、通信部33を用いて、対象移動体に対して通知する。
そして、対象移動体は、通知された施設推奨情報を自身が備える表示部15や表示部25に表示する等してユーザに対して通知する。これにより、本処理は終了する。
【0117】
以上説明した処理により、ユーザは次に訪問する施設の推奨を受けることができ、例えば、自宅から離れた生活圏以外のエリア等であっても、次に訪問する施設を適切に選択することができる。また、以上説明した処理では、各施設から映像等の情報を取得する必要がないので、各施設への専用設備の設置を要することなく、訪問する施設を推奨することが可能となる。
【0118】
<ハードウェア及びソフトウェアについて>
なお、上記の訪問施設推奨システムに含まれる各機器のそれぞれは、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。また、上記の訪問施設推奨システムに含まれる各機器のそれぞれが協働することにより行なわれる訪問施設推奨方法も、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
【0119】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0120】
<変形例>
上述した実施形態は、本発明の好適な実施形態ではあるが、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0121】
<第1の変形例>
上述した実施形態では、施設推奨部314は、移動相関算出部313が算出した移動相関にのみ基づいて、次に訪問する施設として推奨する施設を選択していた。これに限らず、他の情報を加味して推奨する施設を選択するようにしてもよい。
例えば、VICS(登録商標)(Vehicle Information and Communication System)等の規格に準拠して、渋滞情報等の交通情報を取得する交通情報取得部を、訪問施設推奨装置30に更に追加する。そして、施設推奨部314が、この交通情報取得部が取得した交通情報を加味して推奨する施設を選択するようにするとよい。
例えば、施設推奨部314は、移動相関が最も高い施設であっても、その施設までの経路が渋滞しているような場合には、次に移動相関が高い施設を、推奨する施設として選択するようにするとよい。これにより、訪問するための経路が渋滞しているような施設を推奨することを防止することができる。また、また訪問するユーザが集中してしまい。施設が混雑してしまうことを避けることが可能となる。
【0122】
<第2の変形例>
また、施設推奨部314は、更に他の情報を加味して推奨する施設を選択するようにしてもよい。例えば、温泉施設を訪問したユーザが、次に他の温泉施設を訪問することや、映画館を訪問したユーザが、次に他の映画館を訪問する場面は少ない。そこで、施設推奨部314は、地図情報321に含まれる施設情報の「施設カテゴリ」に基づいて、例えば、同じ施設カテゴリの施設が連続しないように推奨する施設を選択するようにしてもよい。例えば、現在の滞在施設が飲食店である場合に、移動相関が最も高い施設であっても、その施設の施設カテゴリが飲食店である場合には、次に移動相関が高い飲食店以外のカテゴリの施設を、推奨する施設として選択するようにするとよい。
【0123】
<第3の変形例>
また、施設推奨部314は、更に他の情報を加味して推奨する施設を選択するようにしてもよい。例えば、移動履歴データベース322の移動履歴に基づいて同日又は近日訪問したと分かった施設については、現在の滞在施設との移動相関が高かったとしても推奨しないようにするとよい。これにより、短い期間の間に同じ施設を何度も推奨してしまうことを防止することができる。
【0124】
<第4の変形例>
また、施設推奨部314は、対象移動体に通知する施設推奨情報に、上述した実施形態で例示した情報以外の情報を含ませるようにしてもよい。例えば、施設推奨部314は、移動履歴データベース322を参照することにより、各移動履歴における各施設間を移動するのに要した時間を算出する。そして、施設推奨部314は、算出した移動に要した時間の平均を更に算出し、各施設間の移動について必な移動時間を推定する。例えば、施設推奨部314は、各移動履歴における第1の施設と第2の施設間を移動するのに要した時間を算出する。そして、施設推奨部314は、算出した移動に要した時間の平均を更に算出することにより、第1の施設と第2の施設間の移動について必な移動時間を推定する。
【0125】
また、施設推奨部314は、この移動に必要な時間と、地図情報321に含まれる施設情報での平均滞在時間(すなわち、滞在する時間の長さの目安となる時間の長さ)とに基づいて、推奨する施設を訪問した場合の退出見込み時間を算出する。例えば、施設推奨部314は、対象移動体が第1の施設に滞在しており、第2の施設を推奨する場合に、第1の施設と第2の施設間の移動について必な移動時間と、第2の施設の平均滞在時間を、現在の時刻に加算することにより、退出見込み時間を算出する。
【0126】
そして、施設推奨部314は、対象移動体に通知する施設推奨情報に、算出した退出見込み時間を含ませる。この退出見込み時間を参照したユーザは、推奨された施設に訪れたとして、予想よりも早く退出できそうな場合に、この推奨された施設を訪問しようと判断することができる。また、予想よりも退出できる時間が遅くなるような場合に、この推奨された施設を訪問するのは、後日にしようと判断することができる。
【0127】
<第5の変形例>
上述した実施形態において、移動相関算出部313は、移動履歴データベース322に含まれる全ての移動履歴に基づいて、移動相関を算出していた。これに限らず、移動相関算出部313は、一部の移動履歴に基づいて、移動相関を算出するようにしてもよい。
例えば、移動相関を算出する時間帯(すなわち、施設を推奨を行う時間帯)と同じ時間帯の移動履歴のみに基づいて、移動相関を算出するようにしてもよい。これにより、各ユーザが、その時間帯に、次に訪問している施設を推奨することができる。そのため、例えば、夜間に推奨を行う場合に、昼に訪れるべき動物園といった施設を推奨してしまうことを防止できる。同様の観点で、時間帯ではなく、曜日や季節が共通する移動履歴のみに基づいて、移動相関を算出するようにしてもよい。これにより、例えば、スキーを行う時期ではないのに、スキー場等の施設を推奨してしまうことを防止できる。
【0128】
<他の変形例>
図2、
図3及び
図4の機能的構成は例示に過ぎず、本実施形態の機能的構成を限定するものではない。すなわち、本発明の情報分析機能に関する一連の処理を全体として実行できる機能が各機器に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に
図2、
図3、
図3及び
図4の例に限定されない。
【0129】
また、更に他の変形例として、車載ナビゲーション装置10や携帯端末20を、経路案内機能を有さない他の装置により実現してもよい。すなわち、車載ナビゲーション装置10や携帯端末20による経路案内機能は、必須の構成ではない。この場合に、訪問施設推奨装置30が更に経路案内機能を備えており、訪問施設推奨装置30が、車載ナビゲーション装置10や携帯端末20と通信を行うことにより経路案内を行うようにしてもよい。
【0130】
更に、更に他の変形例として、上述の実施形態では、訪問施設推奨装置30を1つのサーバ装置等により実現すると説明したが、訪問施設推奨装置30の各機能を、適宜複数のサーバ装置に分散する、分散処理システムとしてもよい。また、クラウド上で仮想サーバ機能等を利用して、訪問施設推奨装置30の各機能を実現してもよい。