特許第6979468号(P6979468)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ハンオン システムズの特許一覧

<>
  • 特許6979468-電気素子冷却用熱交換器 図000002
  • 特許6979468-電気素子冷却用熱交換器 図000003
  • 特許6979468-電気素子冷却用熱交換器 図000004
  • 特許6979468-電気素子冷却用熱交換器 図000005
  • 特許6979468-電気素子冷却用熱交換器 図000006
  • 特許6979468-電気素子冷却用熱交換器 図000007
  • 特許6979468-電気素子冷却用熱交換器 図000008
  • 特許6979468-電気素子冷却用熱交換器 図000009
  • 特許6979468-電気素子冷却用熱交換器 図000010
  • 特許6979468-電気素子冷却用熱交換器 図000011
  • 特許6979468-電気素子冷却用熱交換器 図000012
  • 特許6979468-電気素子冷却用熱交換器 図000013
  • 特許6979468-電気素子冷却用熱交換器 図000014
  • 特許6979468-電気素子冷却用熱交換器 図000015
  • 特許6979468-電気素子冷却用熱交換器 図000016
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6979468
(24)【登録日】2021年11月17日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】電気素子冷却用熱交換器
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/473 20060101AFI20211202BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20211202BHJP
【FI】
   H01L23/46 Z
   H05K7/20 T
【請求項の数】15
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-566153(P2019-566153)
(86)(22)【出願日】2018年5月30日
(65)【公表番号】特表2020-522141(P2020-522141A)
(43)【公表日】2020年7月27日
(86)【国際出願番号】KR2018006158
(87)【国際公開番号】WO2018221959
(87)【国際公開日】20181206
【審査請求日】2019年11月29日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0067753
(32)【優先日】2017年5月31日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516011246
【氏名又は名称】ハンオン システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョ,ウィ サム
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ジュン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ソン ミ
(72)【発明者】
【氏名】イム,ホン ヨン
【審査官】 豊島 洋介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−214623(JP,A)
【文献】 特開2006−093293(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L23/29
23/34−23/36
23/373−23/427
23/44
23/467−23/473
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に冷却流体が流動する冷却流路(111)を含む冷却流路部(110)と、前記冷却流路部(110)の長さ方向の両端が挿入され、前記冷却流路部(110)の高さ方向の両端と接して結合される連結プレート(120)と、を含む冷却組立体(100)と、
高さ方向に多数積層される前記冷却組立体(100)の最上側または最下側に位置する前記連結プレート(120)のうち何れか1つに連結され、冷却流体が流入する流入部(210)と、残りの連結プレート(120)のうち何れか1つに連結され、冷却流体が排出される流出部(220)と、を含む流出入部(200)と、
前記連結プレート(120)の間に連結され、積層方向に流路を形成する連結ブロック(300)と、
前記冷却流路部(110)は、長さ方向の両側端部が開放するように形成されており、長さ方向の両端に内側が切開されて形成される切開部(112)と、前記切開部(112)の幅方向の両端に形成される固定部(113)と、
を含むことを特徴とする電気素子冷却用熱交換器。
【請求項2】
少なくとも2つ以上の前記冷却組立体(100)が積層され、前記冷却流路部(110)の間に少なくとも1つ以上の電気素子(1)が挿入されることを特徴とする請求項1に記載の電気素子冷却用熱交換器。
【請求項3】
前記冷却流路部(110)の間に挿入される電気素子(1)の高さに応じて、隣合う冷却流路部(110)との間隔が変わることを特徴とする請求項2に記載の電気素子冷却用熱交換器。
【請求項4】
前記連結プレート(120)は、
前記冷却流路部(110)の長さ方向の両端上側面の一定領域に重なるように結合される上部プレート(121)と、
前記冷却流路部(110)の長さ方向の両端下側面の一定領域に重なるように結合される下部プレート(122)と、
前記上部プレート(121)と下部プレート(122)とを高さ方向に連結する中央プレート(123)と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の電気素子冷却用熱交換器。
【請求項5】
前記連結プレート(120)は、
前記流出入部(200)および連結ブロック(300)のうち何れか1つと連結された側面に位置し、最上段の上部プレート(121)と最下段の下部プレート(122)を除く上部プレート(121)および下部プレート(122)に、前記切開部(112)の位置に対応して貫通形成される上部プレート貫通孔(121−1)または下部プレート貫通孔(122−1)を含むことを特徴とする請求項4に記載の電気素子冷却用熱交換器。
【請求項6】
前記連結ブロック(300)は、
前記下部プレート(122)の下側面に接し、前記下部プレート貫通孔(122−1)と連通する連通孔(330)が形成されている上部連結ブロック(310)と、
前記上部プレート(121)の上側面に接し、且つ前記上部連結ブロック(310)と結合され、前記上部プレート貫通孔(121−1)と連通する連通孔(330)が形成されている下部連結ブロック(320)と、
前記上部連結ブロック(310)と下部連結ブロック(320)が結合される領域に備えられ、冷却流体の漏れを防止するシール部材(340)と、を含むことを特徴とする請求項5に記載の電気素子冷却用熱交換器。
【請求項7】
前記シール部材(340)が、ゴムガスケットまたは液状ガスケットから選択される何れか1つ以上であることを特徴とする請求項6に記載の電気素子冷却用熱交換器。
【請求項8】
前記連結ブロック(300)は、
前記上部連結ブロック(310)の連通孔(330)の上側縁で上側に突出し、前記下部プレート貫通孔(122−1)に挿入される第1貫通孔挿入部(330−1)と、
前記下部連結ブロック(320)の連通孔(330)の下側縁で下側に突出し、前記上部プレート貫通孔(121−1)に挿入される第2貫通孔挿入部(330−2)と、を含むことを特徴とする請求項6に記載の電気素子冷却用熱交換器。
【請求項9】
記冷却流路部(110)には、前記冷却流路(111)に長さ方向に延びて隔壁(111−1)が形成されることを特徴とする請求項1に記載の電気素子冷却用熱交換器。
【請求項10】
前記冷却流路部(110)は、前記固定部(113)の幅方向の厚さが、前記隔壁(111−1)よりも大きく形成されることを特徴とする請求項9に記載の電気素子冷却用熱交換器。
【請求項11】
前記連結プレート(120)は、
前記上部プレート(121)、下部プレート(122)の少なくとも何れか1つ以上に、高さ方向の内側に形成される挿入制限部(124)を含むことを特徴とする請求項4に記載の電気素子冷却用熱交換器。
【請求項12】
前記流出入部(200)および連結ブロック(300)の配置によって、冷却流体の流路が変わることを特徴とする請求項1に記載の電気素子冷却用熱交換器。
【請求項13】
多段に積層された冷却組立体(100)の連結プレート(120)の間に、少なくとも1つの連結ブロック(300)が備えられることを特徴とする請求項12に記載の電気素子冷却用熱交換器。
【請求項14】
前記冷却流路部(110)の間に、一定間隔が維持されるように支持ブロック(400)が備えられることを特徴とする請求項12に記載の電気素子冷却用熱交換器。
【請求項15】
前記連結ブロック(300)および支持ブロック(400)の高さが、電気素子(1)の高さと同一に形成されることを特徴とする請求項14に記載の電気素子冷却用熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気素子冷却用熱交換器に関し、より詳細には、チューブタイプの冷却流路部の多段結合が可能であり、多段結合時における電気素子と冷却流路部の組み立てが容易であるとともに、電気素子と冷却流路部の密着結合により、電気素子の両面冷却が可能な電気素子冷却用熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
モータの駆動力を利用するハイブリッド車両、燃料電池車両、電気車両などの車両には、一般に、駆動用電池から供給される電力が所望の状態でモータに供給されるように調節するPCU(パワーコントロールユニット)がともに装着されている。
【0003】
PCUは、インバータ、平滑コンデンサ、およびコンバータなどの電気素子を含み、電力の供給に伴って電気素子で熱が発生するため、それを冷却するための別の冷却装置が必要である。
【0004】
日本特開2001−245478号(インバータの冷却装置、2001.09.07.)公報には、IGBTなどの半導体素子とダイオードを内蔵した半導体モジュールが用いられるインバータが開示されており、日本特開2008−294283号(半導体装置、2008.12.04)公報には、半導体素子の下側面に接するように設けられ、内部で流体が流れながら熱交換するように形成されるヒートシンクが開示されている。
【0005】
上述の片面冷却方式は冷却性能に限界があるため、これを改善するために考え出されたものが両面冷却方式である。両面冷却方式は、熱交換器の間に素子が挿入される構造を有し、熱交換器における電気素子の挿入間隔が電気素子の高さよりも高くなければならないとともに、熱交換器の熱伝逹性能を増大させるためには、素子と熱交換器がしっかり圧着されなければならないという条件を全て満たすべきである。
【0006】
図1に示した両面冷却方式の熱交換器は、電気素子10の両側面に位置し、内部で熱交換媒体が流動するように形成されるチューブ20と、前記チューブ20の両端に結合され、熱交換媒体が流入または排出されるタンク30と、を含んで形成される。
【0007】
この際、図1に示された両面冷却方式の熱交換器は、ロウ付け結合されて電気素子10の挿入空間が固定された後に、電気素子10を挿入しなければならないため、電気素子10の挿入作業が困難であるという問題がある。
【0008】
また、電気素子を挿入しやすくするためにチューブ20の間の間隔を広くする場合は、電気素子10とチューブ20とがしっかり圧着されず、熱交換効率が低下してしまうという問題がある。
【0009】
図2に示した両面冷却方式の熱交換器は、チューブ50の曲げ(bending)により形成され、曲げられたチューブ50の間に電気素子40を挿入して圧着する熱交換器である。
【0010】
この際、図2に示した両面冷却方式の熱交換器は、チューブ50の間に電気素子40を挿入しなければならないため、多数の電気素子を冷却することができないだけでなく、素子40の圧着のための別のプレートをさらに備えなければならない。
【0011】
また、多層に積層する場合、電気素子40の低い高さにより、それぞれのチューブ50同士を連結するためのタンク60を備えることが困難である。
【0012】
そのために、積層するタンク60をジグザグ方向に互いにずらして構成し得るが、その場合にも、多層に積層する際に、図3に示したように、内部に備えられたタンク60を連結するための連結部を構成することができない。したがって、図2および図3に示された両面冷却方式の熱交換器は、多数積層されて多段に形成することが困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上述のような問題点を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、チューブタイプの冷却流路部の多段結合が可能であり、多段結合時における電気素子と冷却流路部の組み立てが容易であるとともに、電気素子と冷却流路部の密着結合により、電気素子の両面冷却が可能な電気素子冷却用熱交換器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明による電気素子冷却用熱交換器は、内部に冷却流体が流動する冷却流路(111)を含む冷却流路部(110)と、前記冷却流路部(110)の長さ方向の両端が挿入され、前記冷却流路部(110)の高さ方向の両端と接して結合される連結プレート(120)と、を含む冷却組立体(100)と、高さ方向に多数積層される前記冷却組立体(100)の最上側または最下側に位置する前記連結プレート(120)のうち何れか1つに連結され、冷却流体が流入する流入部(210)と、残りの連結プレート(120)のうち何れか1つに連結され、冷却流体が排出される流出部(220)と、を含む流出入部(200)と、前記連結プレート(120)の間に連結され、積層方向に流路を形成する連結ブロック(300)と、前記冷却流路部(110)は、長さ方向の両側端部が開放するように形成されており、長さ方向の両端に内側が切開されて形成される切開部(112)と、前記切開部(112)の幅方向の両端に形成される固定部(113)と、を含むことを特徴とする。
【0016】
また、前記電気素子冷却用熱交換器1000は、少なくとも2つ以上の前記冷却組立体100が積層され、前記冷却流路部110の間に少なくとも1つ以上の電気素子1が挿入されることを特徴とする。
【0017】
また、前記電気素子冷却用熱交換器1000は、前記冷却流路部110の間に挿入される電気素子1の高さに応じて、隣合う冷却流路部110との間隔が変わることを特徴とする。
【0018】
また、前記連結プレート120は、前記冷却流路部110の長さ方向の両端上側面の一定領域に重なるように結合される上部プレート121と、前記冷却流路部110の長さ方向の両端下側面の一定領域に重なるように結合される下部プレート122と、前記上部プレート121と下部プレート122とを高さ方向に連結する中央プレート123と、を含むことを特徴とする。
【0019】
また、前記連結プレート(120)は、前記流出入部(200)および連結ブロック(300)のうち何れか1つと連結された側面に位置し、最上段の上部プレート(121)と最下段の下部プレート(122)を除く上部プレート(121)および下部プレート(122)に、前記切開部(112)の位置に対応して貫通形成される上部プレート貫通孔(121−1)または下部プレート貫通孔(122−1)を含むことを特徴とする。
【0020】
また、前記連結ブロック(300)は、前記下部プレート(122)の下側面に接し、前記下部プレート貫通孔(122−1)と連通する連通孔(330)が形成されている上部連結ブロック(310)と、前記上部プレート(121)の上側面に接し、且つ前記上部連結ブロック(310)と結合され、前記上部プレート貫通孔(121−1)と連通する連通孔(330)が形成されている下部連結ブロック(320)と、前記上部連結ブロック(310)と下部連結ブロック(320)が結合される領域に備えられ、冷却流体の漏れを防止するシール部材(340)と、を含むことを特徴とする。
【0021】
また、前記シール部材340は、ゴムガスケットまたは液状ガスケットから選択される何れか1つ以上であることを特徴とする。
【0022】
また、前記連結ブロック300は、前記上部連結ブロック310の連通孔330の上側縁で上側に突出し、前記下部プレート貫通孔122−1に挿入される第1貫通孔挿入部330−1と、前記下部連結ブロック320の連通孔330の下側縁で下側に突出し、前記上部プレート貫通孔121−1に挿入される第2貫通孔挿入部330−2と、を含むことを特徴とする。
【0023】
また、記冷却流路部(110)には、前記冷却流路(111)に長さ方向に延びて隔壁(111−1)が形成されることを特徴とする。
【0024】
また、前記冷却流路部(110)は、前記固定部(113)の幅方向の厚さが、前記隔壁(111−1)よりも大きく形成されることを特徴とする。
【0025】
また、前記連結プレート120は、前記上部プレート121、下部プレート122の少なくとも何れか1つ以上に、高さ方向の内側に形成される挿入制限部124を含むことを特徴とする。
【0026】
また、前記流出入部(200)および連結ブロック(300)の配置によって、冷却流体の流路が変わることを特徴とする。
【0027】
また、前記電気素子冷却用熱交換器1000は、多段に積層された冷却組立体100の連結プレート120の間に、少なくとも1つの連結ブロック300が備えられることを特徴とする。
【0028】
また、前記電気素子冷却用熱交換器1000は、前記冷却流路部110の間に、一定間隔が維持されるように支持ブロック400が備えられることを特徴とする。
【0029】
また、前記連結ブロック300および支持ブロック400の高さが、電気素子1の高さと同一に形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る電気素子冷却用熱交換器は、チューブタイプの冷却流路部の多段結合が可能であり、多段結合時における電気素子と冷却流路部の組み立てが容易であるとともに、電気素子の両面冷却が可能である利点がある。
【0031】
また、本発明に係る電気素子冷却用熱交換器は、冷却流路部と連結プレートで冷却組立体を形成し、連結ブロックを用いて機械的に多段に組み立てることができるため、電気素子の挿入が容易であるとともに、冷却流路部と電気素子との圧着力を高めることにより、冷却性能を向上させることができる利点がある。
【0032】
さらに、本発明に係る電気素子冷却用熱交換器は、冷却流路部と連結プレートのロウ付けにより冷却組立体を形成し、連結ブロックを用いて電気素子と冷却流路部を組み立てながら積層方向に力が加えられて密着されるため、冷却性能が向上するだけでなく、組立性が著しく改善される利点がある。
【0033】
また、本発明に係る電気素子冷却用熱交換器は、必要な電気素子の個数に応じて冷却流路部の積層数を増加することができるため、多数の電気素子冷却において有利であるだけでなく、選択的に冷却適用範囲を拡張させることができる利点がある。
【0034】
また、本発明に係る電気素子冷却用熱交換器は、電気素子の機能による発熱量に応じて、冷却流体が流動する流路を直列方式、並列方式だけでなく、直列と並列が混合された方式で多様に実施可能である利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】従来の電気素子冷却装置を示した図である。
図2】従来の電気素子冷却用熱交換器を示した図である。
図3】従来の電気素子冷却用熱交換器を示した他の図である。
図4】本発明の一実施形態に係る電気素子冷却用熱交換器を示した斜視図である。
図5】本発明の一実施形態に係る電気素子冷却用熱交換器を示した他の斜視図である。
図6】本発明の一実施形態に係る電気素子冷却用熱交換器の冷却流路部を示した断面図である。
図7】本発明の一実施形態に係る電気素子冷却用熱交換器を構成する冷却流路部を示した平面図である。
図8】本発明の一実施形態に係る電気素子冷却用熱交換器を構成する冷却組立体を示した図である。
図9】本発明の一実施形態に係る電気素子冷却用熱交換器を示した断面図である。
図10】本発明の一実施形態に係る電気素子冷却用熱交換器を構成する冷却流路部の実施態様を示した面である。
図11】本発明の一実施形態に係る電気素子冷却用熱交換器を構成する連結プレートの実施態様を示した図である。
図12】本発明の一実施形態に係る電気素子冷却用熱交換器を構成する連結プレートの実施態様を示した他の図である。
図13】本発明の一実施形態に係る電気素子冷却用熱交換器の冷却流体が流動する流路の実施態様を示した図である。
図14】本発明の一実施形態に係る電気素子冷却用熱交換器の冷却流体が流動する流路の実施態様を示した図である。
図15】本発明の一実施形態に係る電気素子冷却用熱交換器の冷却流体が流動する流路の実施態様を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、上述のような本発明の一実施形態に係る電気素子冷却用熱交換器を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0037】
図4および図5に示したように、本発明の一実施形態に係る電気素子冷却用熱交換器1000は、大きく、冷却組立体100と、流出入部200と、連結ブロック300と、を含んで形成される。
【0038】
前記冷却組立体100は、冷却流路部110と連結プレート120を含んで形成され、高さ方向に多数積層して形成することができる。
【0039】
図4から図7に示されたように、前記冷却流路部110は、押出工程によりチューブタイプに製造することができる。冷却流路部110は、内部に冷却流体が流動する冷却流路111を含み、長さ方向の両側端部が開放されるように形成されている。
【0040】
この際、前記冷却流路部110は、長さ方向の両端に、内側が切開されて形成される切開部112を含み、切開部112を形成するために内側が切開された両端には固定部113が形成されている。
【0041】
前記冷却流路部110は、必要に応じて、冷却効率を向上させるために、冷却流路111にインナーフィン(不図示)をさらに備えてもよく、冷却流路部110の押出工程の時に、冷却流路111の幅方向における空間を分離する隔壁111−1が長さ方向に延びて形成することができる。
【0042】
図8および図9に示したように、前記連結プレート120は、前記冷却流路部110の長さ方向の両端が挿入され、且つ前記冷却流路部110の高さ方向の両端と接して結合される。
【0043】
この際、前記連結プレート120は、上部プレート121、下部プレート122、および中央プレート123を含んで形成することができる。前記上部プレート121は、固定部113の上側面を含む冷却流路部110の長さ方向の両端上側面に一定領域が重なるように結合され、前記下部プレート122は、固定部113の下側面を含む冷却流路部110の長さ方向の両端下側面に一定領域が重なるように結合され、前記中央プレート123は、冷却流路部110の高さに対応して形成され、上部プレート121と下部プレート122を連結するように形成される。
【0044】
つまり、前記連結プレート120は、上部プレート121、下部プレート122、および中央プレート123を含む「コ」字状の断面を有するように形成されており、上部プレート121、下部プレート122、および中央プレート123が一体に形成される。そのため、冷却流路部110が挿入された後、ロウ付けにより結合することができる。
【0045】
図5に示したように、前記流出入部200は、流入部210と流出部220を含んで形成される。
【0046】
前記流入部210は、最上側または最下側に位置する連結プレート120のうち何れか1つに連結され、冷却流体が流入するように形成されており、前記流出部220は、最上側または最下側に位置する連結プレート120のうち、流入部210が連結されていない連結プレート120の何れか1つに連結され、冷却流体が排出するように形成される。
【0047】
この際、前記流入部210および流出部220には、パイプ状の入口パイプおよび出口パイプがさらに結合されてもよく、この他にも、他の形態の流出入通路が連結されてもよい。
【0048】
図9に示したように、前記連結ブロック300は前記流出入部200と連通しており、多数積層される連結プレート120の間に、積層方向に冷却流体が流動する連結流路を形成することができる。
【0049】
上述のように、冷却流路部110の間に冷却流体が流動するようにする連結流路を形成するために、連結プレート120、流出入部200、および連結ブロック300が互いに連通して形成される。
【0050】
より詳細に説明すると、上部プレート121に結合された冷却流路部110に冷却流体が流動するように、前記切開部112の位置に対応するように上部プレート貫通孔121−1を貫通形成することができ、下部プレート122には下部プレート貫通孔122−1を形成することができる。
【0051】
尚、前記連結ブロック300は上部連結ブロック310と下部連結ブロック320から構成することができる。前記上部連結ブロック310は、下部プレート122の下側面に接しており、下部プレート122に形成された下部プレート貫通孔122−1と連通する連通孔330を含み、前記下部連結ブロック320は、上部プレート121の上側面に接しており、上部プレート121に形成された上部プレート貫通孔121−1と連通する連通孔330を含む。
【0052】
この際、前記連結ブロック300は、上部連結ブロック310と下部連結ブロック320が結合される領域に備えられ、冷却流体の漏れを防止するシール部材340をさらに含んでもよい。
【0053】
前記シール部材340は、ゴムガスケットであってもよく、液状ガスケットのように、硬化される部材であってもよい。
【0054】
前記連結ブロック300は、電気素子1の高さと同一に形成されることで、電気素子1の両側面と冷却流路部110が互いに面接触されるようにする。
【0055】
上述のように、本発明の一実施形態に係る電気素子冷却用熱交換器1000は、流入部210に流入した冷却流体が、連結プレート120を介して切開部112を通過し、冷却流路部110の内部の冷却流路111に流動することとなり、積層方向に隣合う冷却流路部110への移動のために、上部プレート貫通孔121−1または下部プレート貫通孔122−1と連結した連結ブロック300の連通孔330を通過して、隣合う上部プレート貫通孔121−1または下部プレート貫通孔122−1および切開部112を経て冷却流路部110の内部の冷却流路111に移動する。
【0056】
尚、本発明の一実施形態に係る電気素子冷却用熱交換器1000は、連結プレート120と連結ブロック300の連結により、積層方向への冷却流体の流動流路を形成することになる。この際、連結プレート120と連結ブロック300の結合の容易性のために、連結ブロック300は、第1貫通孔挿入部330−1および第2貫通孔挿入部330−2を含むことができる。
【0057】
前記第1貫通孔挿入部330−1は、上部連結ブロック310の連通孔330の上側縁で上側に突出し、下部プレート貫通孔122−1に挿入結合される。また、前記第2貫通孔挿入部330−2は、下部連結ブロック320の連通孔330の下側縁で下側に突出し、上部プレート貫通孔121−1に挿入結合される。
【0058】
本発明の一実施形態に係る電気素子冷却用熱交換器1000は、上述の方式により連結ブロック300と連結プレート120を結合することで、冷却流路部110を高さ方向に多段積層することができ、冷却流路部110の間に電気素子1が配置されるようにすることができる。
【0059】
すなわち、冷却流路部110および連結プレート120を含む冷却組立体100および電気素子1を多段に積層する時に、連結プレート120および連結ブロック300を用いて機械的に組み立てることで、電気素子1の挿入が容易であるだけでなく、冷却流路部110および電気素子1の圧着力を高めることができるため、冷却性能を向上させることができる。
【0060】
尚、実施態様として、冷却流路部110の多段積層により形成された空間に電気素子1が挿入されるが、各層に挿入される電気素子1の高さに応じて、隣合う冷却流路部110の間隔が変わり得る。
【0061】
すなわち、各層毎に介在される電気素子1の高さが異なる場合、多段積層される冷却流路部110の間の離間距離が電気素子1の高さに対応するように形成することで、電気素子1が冷却流路部110と密着されて結合されるようにすることができる。
【0062】
本発明の一実施形態に係る電気素子冷却用熱交換器1000は、冷却流路部110の両端が連結プレート120に挿入して結合されることで冷却組立体を形成することになるが、この際、冷却流路部110の両端に形成された固定部113の上下側面に連結プレート120が接して結合される。
【0063】
この際、図10に示したように、前記固定部113は連結プレート120との接合性を増大するために、冷却流路111に形成された隔壁111−1よりも厚さが大きく形成されることが好ましい。
【0064】
すなわち、本発明の一実施形態に係る電気素子冷却用熱交換器1000は、冷却流路部110の長さ方向の両端内側が切開されて切開部112が形成されており、これを介して、連結プレート120に形成された上部プレート121の上部プレート貫通孔121−1および下部プレート122の下部プレート貫通孔122−1と連通するように形成される。
【0065】
これは、切開部112の形成により、冷却流路部110の長さ方向両端の一部および固定部113が連結プレート120と結合されることで、厚さの薄い固定部113と連結プレート120の接合性が低下し得るため、固定部113の厚さを隔壁111−1よりも厚く形成することで、接合性を増大することが好ましいためである。
【0066】
但し、冷却流路部110の断面形状は、固定部113と連結プレート120の接合性が改善される形状であれば、両側面の形態がラウンド状に形成される冷却流路部の他に、四角形、三角形などの種々の形状に形成可能であることは言うまでもない。
【0067】
尚、本発明の一実施形態に係る電気素子冷却用熱交換器1000は、図11図12に示したように、前記連結プレート120の上部プレート121および下部プレート122の少なくとも1つ以上に、フォーミング作業により、固定部113と接合する方向に突出した形状を有する挿入制限部124を形成することができる。
【0068】
前記挿入制限部124は、固定部113が挿入されて結合する位置を除いた位置に形成されることが好ましく、挿入制限部124により冷却流路部110の挿入位置を制限することで、冷却流路部110と連結プレート120との組立性を向上することができる。
【0069】
前記挿入制限部124の形状は限定されず、切開部112が形成された冷却流路部110の両側の一定領域が連結プレート120に挿入される位置を制限することができれば、様々な形状の実施態様が可能であることは言うまでもない。
【0070】
尚、挿入制限部124は、上部プレート121と下部プレート122の何れか1つ以上に、フォーミング作業により形成することができるが、これに限定されず、別の挿入制限部124を形成し、上部プレート121、下部プレート122から選択される何れか1つ以上に結合して形成してもよいなど、様々な形成方法の実施態様が可能であることは言うまでもない。
【0071】
本発明の一実施形態に係る電気素子冷却用熱交換器1000は、前記流入部210および流出部220を含む流出入部200および連結ブロック300の配置によって、様々な冷却流体の流路を構成することができる。
【0072】
この際、前記連結ブロック300を冷却組立体100の連結プレート120の間に少なくとも1つ備えることができる。
【0073】
換言すれば、冷却組立体100の間に、長さ方向の両端にそれぞれ連結ブロック300が備えられる場合には、冷却流体が並列方式で流路を形成することになる。
【0074】
また、長さ方向の両端から選択されるある一側にのみ連結ブロック300が備えられる場合には、冷却流体が直列方式で流路を形成することになる。
【0075】
これについての実施態様をさらに詳細に説明する。
【0076】
図13に示された電気素子冷却用熱交換器1000は、最下側に位置した連結プレート120のうち、左側の連結プレート120には流入部210が連結され、右側の連結プレート120には流出部220が連結されている。
【0077】
この際、連結ブロック300は、連結プレート120の間毎に結合されている。
【0078】
これにより、図13に示された電気素子冷却用熱交換器1000は、流入部210に冷却流体が流入され、下側から上側方向に移動しながらそれぞれの冷却流路部110に分配され、冷却流路部110の長さ方向に移動した後、切開部112、連結プレート120、および連結ブロック300の結合により形成された流路に沿って、下側に位置した流出部220を介して排出される。
【0079】
換言すれば、図13に示された電気素子冷却用熱交換器1000は、並列方式で構成されたものであって、冷却流体が全ての冷却流路部110内で同一の方向に移動する。
【0080】
図14に示した電気素子冷却用熱交換器1000は、最下側に位置した連結プレート120のうち左側の連結プレート120に流入部210が連結され、最上側に位置した連結プレート120のうち右側の連結プレート120に流出部220が連結されている。
【0081】
この際、連結ブロック300は、各層毎に交番するように連結プレート120と結合されている。
【0082】
これにより、図14に示した電気素子冷却用熱交換器1000は、流入部210に冷却流体が流入して右側に移動し、次の層では左側に移動する動作を繰り返した後、最上層に位置した流出部220を介して排出される。
【0083】
換言すれば、図14に示した電気素子冷却用熱交換器1000は、直列方式で構成されたものであって、冷却流体が、隣合う冷却流路部110とは反対方向に移動する。
【0084】
この際、連結ブロック300が備えられていない空間には、別の支持ブロック400がさらに備えられる。支持ブロック400は、連結ブロック300が備えられていなくても、冷却流路部110の間の間隔が一定に維持されるようにすることができる。
【0085】
他の実施態様として、図15に示された電気素子冷却用熱交換器1000は、最下側に位置した連結プレート120のうち左側の連結プレート120に流入部210が連結され、最上側の連結プレート120に流出部220が連結されている。
【0086】
前記実施態様では、最下側では冷却流路部110を介して左側から右側に冷却流体が移動し、次の2層では冷却流路が右側から左側に移動した後、3層と4層では冷却流体が分配されてさらに右側に移動し、最後の層では左側に移動して流出部220を介して排出される。
【0087】
換言すれば、図15に示された電気素子冷却用熱交換器1000は、直列と並列方式が混合された構成である。
【0088】
その他にも、様々な直列と並列方式が混合された構成を利用して、ユーザが所望の方向に冷却流体を移動させながら電気素子1の冷却を行うことができる。
【0089】
本発明は、上述の実施形態に限定されず、適用範囲が多様であることは言うまでもなく、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば誰でも、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく多様な変形実施が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0090】
1000 本発明の一実施形態に係る電気素子冷却用熱交換器
100 冷却組立体
110 冷却流路部
111 冷却流路
111−1 隔壁
112 切開部
113 固定部
120 連結プレート
121 上部プレート
121−1 上部プレート貫通孔
122 下部プレート
122−1 下部プレート貫通孔
123 中央プレート
124 挿入制限部
200 流出入部
210 流入部
220 流出部
300 連結ブロック
310 上部連結ブロック
320 下部連結ブロック
330 連通孔
330−1 第1貫通孔挿入部
330−2 第2貫通孔挿入部
340 シール部材
400 支持ブロック
1 電気素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15