(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記大動脈情報は、前記冠状動脈の入口部から、前記冠状動脈の入口部に対向する上行大動脈の内壁までの距離と、前記冠状動脈の入口部から、腕頭動脈の入口部までの距離と、前記冠状動脈の入口部から、前記冠状動脈の入口部と対向するバルサルバ洞の内壁までの距離と、を含む、請求項3または請求項4に記載の支援システム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0015】
支援システム100は、
図1に示すように、過去の手術情報D1を用いて、予定している手術に適した冠状動脈用のガイディングカテーテルC1を提案するシステムである。なお、
図4Aおよび
図4Bに示すように、冠状動脈用のガイディングカテーテル(図では、C0で示す)とは、その先端部が、大動脈V0を通って冠状動脈V6、V7の入口部に係合した状態で留置されるカテーテルである。術者は、留置された冠状動脈用のガイディングカテーテルの内腔を介して、冠状動脈V6、V7内に造影剤や各種の治療デバイスを導入し、冠状動脈V6、V7内の病変部Nの診断・治療を行う。以下、本実施形態では、冠状動脈用のガイディングカテーテルを、単に「カテーテル」と称する。
【0016】
支援システム100は、
図1に示すように、複数の院内端末200に院内ネットワークNW1を介して接続しており、院内端末200との間でデータの送受信を行うサーバとして構成している。また、支援システム100は、カテーテルのサプライヤ300に、院外ネットワークNW2を介して接続しており、サプライヤ300に提案したカテーテルC1の製造を依頼することができる。支援システム100の使用者は、一の院内端末200(操作端末)を操作して、支援システム100に対して、手術に使用するカテーテルC1の提案、および提案したカテーテルC1の製造依頼を要求することができる。以下、支援システム100について詳述する。
【0017】
まず、支援システム100のハードウェアの構成について説明する。
【0018】
支援システム100は、
図2Aに示すように、CPU(Central Processing Unit)110、記憶部120、入出力I/F130、通信部140、および読み取り部150を備えている。CPU110、記憶部120、入出力I/F130、通信部140、および読み取り部150は、バス160に接続されており、バス160を介して相互にデータ等をやり取りする。以下、各部について説明する。
【0019】
CPU110は、記憶部120に記憶されている各種プログラムに従って、各部の制御や各種の演算処理などを実行する。
【0020】
記憶部120は、各種プログラムや各種データを記憶するROM(Read Only Memory)、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶するRAM(Randam Access Memory)、オペレーティングシステムを含む各種プログラムや各種データを記憶するハードディスク等によって構成している。
【0021】
入出力I/F130は、特に限定されないが、例えば、キーボード、マウス等の入力装置およびディスプレイ、プリンタ等の出力装置を接続するためのインターフェースである。
【0022】
通信部140は、複数の院内端末200およびサプライヤ300等と通信するためのインターフェースである。
【0023】
読み取り部150は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体MD(
図1参照)に記録されたデータを読み取る。コンピュータ読み取り可能な記録媒体MDは、特に限定されないが、例えば、CD−ROM、DVD−ROM等の光ディスク、USBメモリ、SDメモリーカード等によって構成できる。読み取り部150は、特に限定されないが、例えば、CD−ROMドライブ、DVD−ROMドライブ等によって構成できる。
【0024】
次に、支援システム100の主要な機能について説明する。
【0025】
記憶部120は、手術に使用するカテーテルを提案する支援プログラムを記憶する。支援プログラムは、本実施形態では、コンピュータ読み取り可能な記録媒体MDによって提供される。
【0026】
記憶部120は、院内で医師が過去に行った手術に関する過去の手術情報D1を記憶する。
【0027】
過去の手術情報D1は、
図3に示すように、手術番号(図では「No」と記載)、疾患情報、病変部情報、血管情報、使用されたカテーテルC0の形状、アクセス部位、および他のデバイス情報(図示省略)を含む。これらの情報は、手術ごとに紐付けられた状態で記憶部120に記憶されている。
【0028】
疾患情報は、例えば、疾患名および疾患部位を含むことができる。
【0029】
病変部情報は、病変部の状態(例えば、血管が狭窄している場合は、血管内での狭窄部の位置、狭窄部の長さ、狭窄部の狭窄の程度、狭窄部の石灰化の有無)を抽出できるものである限り特に限定されないが、例えば、CAG(Coronary AngioGraphy)等の血管造影、X線、CT、MRI等の方法によって撮影された病変部画像によって構成できる。
【0030】
血管情報は、患者の血管においてカテーテルC0に接触してバックアップ力を付与可能な部分の形状を抽出できるものを含む限り特に限定されないが、例えば、CAG等の血管造影、X線、CT、MRI等の方法によって撮影された血管画像によって構成できる。なお、例えば、
図4Aに示すように、病変部Nが左冠状動脈V6内にある場合、術者は、カテーテルC0の先端部を、左冠状動脈V6の入口部に係合させる。この際、左冠状動脈V6の入口部に対向する上行大動脈V1の内壁V11等が、患者の血管においてカテーテルC0に接触してカテーテルC0にバックアップ力を付与可能な部分に相当する。また、例えば、
図4Bに示すように、病変部Nが右冠状動脈V7内にある場合、術者は、カテーテルC0の先端部を、右冠状動脈V7の入口部に係合させる。この際、右冠状動脈V7の入口部に対向する上行大動脈V1の内壁V12等が、患者の血管においてカテーテルC0に接触してカテーテルC0にバックアップ力を付与可能な部分に相当する。このように、病変部Nが冠状動脈V6、V7内にある場合、血管情報は、冠状動脈V6、V7の入口部に対向する上行大動脈V1の内壁V11、V12を含む大動脈V0の形状に関する大動脈情報(大動脈画像)によって構成することができる。
【0031】
なお、病変部情報は、血管情報に含まれていてもよい。すなわち、大動脈画像には、大動脈だけでなく、病変部および冠状動脈を含んでいてもよい。
【0032】
使用されたカテーテルC0の形状は、カテーテルC0のうち、血管壁と接触してカテーテルC0にバックアップ力を発生する部分の形状に関するものを含む限り、特に限定されない。本実施形態では、カテーテルC0の先端部がカテーテルC0にバックアップ力を発生させるため、例えば、
図3に示すように、カテーテルC0の形状としては、カテーテルC0の先端部の基本形状、カテーテルC0の先端部の寸法、カテーテルC0の外径等が挙げられる。カテーテルC0の先端部の基本形状とは、例えば、ジャドキンスレフト(JL)、アンプラッツレフト(AL)、イカリレフト(IL)、ジャドキンスライト(JR)、アンプラッツライト(AR)等が挙げられる。なお、本明細書において、先端部とは、カテーテルにおいて、患者の血管に挿入される側の端部(先端)および先端から一定の範囲のことを言う。カテーテルC0の先端部の寸法は、例えば、基本形状がJLの場合、
図5Aに示すように、先端側から順に、一つ目の曲がり部の位置を第1地点P1、二つ目の曲がり部の位置を第2地点P2、三つ目の曲がり部の位置を第3地点P3として、第1地点P1と第2地点P2の距離X1、第2地点P2と第3地点P3の距離X2等が挙げられる。また、カテーテルC0の先端部の寸法は、例えば、基本形状がALの場合、
図5Bに示すように、先端側から順に、一つ目の曲がり部の位置を第1地点P1、二つ目の曲がり部の位置を第2地点P2として、第1地点P1と第2地点P2の距離X1、二つ目の曲がり部の曲率半径R1等が挙げられる。また、カテーテルC0の先端部の寸法は、例えば、基本形状がILの場合、
図5Cに示すように、先端側から順に、一つ目の曲がり部の位置を第1地点P1、二つ目の曲がり部の位置を第2地点P2、三つ目の曲がり部の位置を第3地点P3、四つ目の曲がり部の位置を第4地点P4として、第1地点P1と第2地点P2の距離X1、第2地点P2と第3地点P3の距離X2、第3地点P3と第4地点P4の距離X3等が挙げられる。カテーテルC0の先端部の寸法およびカテーテルC0の外径等は、数値データとして記憶部120に記憶されていてもよいし、カテーテルC0の画像を記憶部120に記憶させ、カテーテルC0の画像をから上記の寸法を抽出してもよい。
【0033】
アクセス部位は、カテーテルC0を血管内に挿入するための穿刺位置を示す限り特に限定されないが、例えば、
図3に示すように、右腕の橈骨動脈(右radial)、左腕の橈骨動脈(左radial)、右大腿動脈(右Femoral)、左大腿動脈(左Femoral)等が挙げられる。
【0034】
他のデイバス情報は、手術の際、カテーテルC0の内腔に挿入されたデバイスの外径および長さ等を含むことができる。
【0035】
また、記憶部120は、複数種類のイントロデューサに関するイントロデューサ情報を記憶する。イントロデューサ情報は、イントロデューサの備えるシースの内径等を含むことができる。
【0036】
CPU110は、
図2Bに示すように、記憶部120に記憶されている支援プログラムを実行することによって、予定情報取得部111、予定情報分析部112、過去情報取得部113、提案部114、および依頼部115として機能する。以下、各部について説明する。
【0037】
まず、予定情報取得部111について説明する。
【0038】
予定情報取得部111は、
図1に示すように、使用者が操作している院内端末200から、予定している手術に関する手術予定情報D2を取得する。
【0039】
手術予定情報D2は、例えば、予定している手術の疾患情報、病変部情報、血管情報(大動脈情報)、および予定しているアクセス部位を含むことができる。疾患情報は、過去の手術情報と同様に、疾患名および疾患部位を含むことができる。病変部情報は、過去の手術情報と同様に、病変部の状態を把握できるものである限り特に限定されないが、例えば、CAG等の血管造影、X線、CT、MRI等の方法によって撮影された病変部画像によって構成できる。血管情報は、過去の手術情報と同様に、患者の血管においてカテーテルに接触してカテーテルにバックアップ力を付与可能な部分の形状を抽出可能なものを含む限り特に限定されないが、例えば、CAG等の血管造影、X線、CT、MRI等の方法によって撮影された血管画像(大動脈画像)によって構成できる。
【0040】
次に、予定情報分析部112について説明する。
【0041】
予定情報分析部112は、血管情報から、
図6Aに示すように、上行大動脈V1の体積、上行大動脈V1の角度θ1、下行大動脈V2の角度θ2、および大動脈弓V3の外側部分の曲率を算出する。予定情報分析部112は、例えば、大動脈V0のうち、大動脈弁B1と、大動脈弓V3の頂点B2を通過する接平面T1に直交する平面T2と、に囲まれた部分(図の灰色で塗りつぶされた部分)の体積を、上行大動脈V1の体積として算出する。また、予定情報分析部112は、例えば、平面T2と平行な直線T2aに対する大動脈弁B1の軸T3の角度θ1を、上行大動脈V1の角度θ1として算出する。また、予定情報分析部112は、例えば、下行大動脈V2の中心軸を直線T4で近似し、平面T2と平行な直線T2bに対する近似した直線T4の角度θ2を、下行大動脈V2の角度θ2として算出する。また、予定情報分析部112は、例えば、大動脈弓V3の外側(身体の上方側)の内壁のうち、少なくとも頂点B2および左鎖骨下動脈V4の入口部を含む部分を円近似し、近似した円の半径の逆数を、大動脈弓V3の外側部分の曲率として算出することができる。なお、本実施形態では、予定情報分析部112は、大動脈弓V3の外側の内壁のうち、腕頭動脈V5の入口部、頂点B2、および左鎖骨下動脈V4の入口部を含む部分(図の太い曲線で示す部分)を円近似し、近似した円の半径の逆数を、大動脈弓V3の外側部分の曲率として算出する。なお、上記の計算方法は、例であり、上行大動脈V1の体積、上行大動脈V1の角度θ1、下行大動脈V2の角度θ2、および大動脈弓V3の外側部分の曲率の算出方法は、上行大動脈V1の体積、上行大動脈V1の角度θ1、下行大動脈V2の角度θ2、および大動脈弓V3の外側部分の曲率を評価できる方法であれば、特に限定されない。
【0042】
また、予定情報分析部112は、血管情報から、
図6Bおよび
図6Dに示すように、カテーテルC1の先端部が係合する冠状動脈V6、V7の入口部から、冠状動脈V6、V7の入口部に対向する上行大動脈V1の内壁V11、V12までの距離L1(以下、単に「上行大動脈V1の内壁までの距離L1」と称する)と、カテーテルC1の先端部が係合する冠状動脈V6、V7の入口部から、腕頭動脈V5の入口部までの距離L2(以下、単に「腕頭動脈V5までの距離L2」と称する)と、カテーテルC1の先端部が係合する冠状動脈V6、V7の入口部から、冠状動脈V6、V7の入口部と対向するバルサルバ洞B6、B7の内壁までの距離L3(以下、単に「バルサルバ洞までの距離L3」と称する)と、算出する。
【0043】
上記の寸法について、
図6Bを参照して、左冠状動脈V6の入口部にカテーテルC1の先端部を係合させる場合を例に説明する。上行大動脈V1までの距離L1は、例えば、左冠状動脈V6の入口部の中心地点B3から、左冠状動脈V6に対向する上行大動脈V1の内壁V11までの距離L1として、定義できる。腕頭動脈V5までの距離L2は、例えば、左冠状動脈V6の入口部の中心地点B3から、腕頭動脈V5の入口部の中心地点B5までの距離L2として定義できる。バルサルバ洞までの距離L3は、例えば、左冠状動脈V6の入口部の中心地点B3から、左冠状動脈V6と対向するバルサルバ洞B6までの距離L3として定義できる。
【0044】
また、上記の寸法について、
図6Dを参照して、右冠状動脈V7の入口部にカテーテルC1の先端部を係合させる場合を例に説明する。上行大動脈V1までの距離L1は、例えば、右冠状動脈V7の入口部の中心地点B4から、右冠状動脈V7に対向する上行大動脈V1の内壁V12までの距離L1として、定義できる。腕頭動脈V5までの距離L2は、例えば、右冠状動脈V7の入口部の中心地点B4から、腕頭動脈V5の入口部の中心地点B5までの距離L2として定義できる。バルサルバ洞までの距離L3は、例えば、右冠状動脈V7の入口部の中心地点B4から、右冠状動脈V7に対向するバルサルバ洞B7までの距離L3として定義できる。
【0045】
また、予定情報分析部112は、血管情報から、カテーテルの先端部が係合する冠状動脈V6、V7の上行大動脈V1に対する角度θ3(以下、単に「冠状動脈の角度θ3」と称する)と、冠状動脈V6、V7の入口部の内径と、を算出する。予定情報分析部112は、例えば、
図6Cに示すように、左冠状動脈V6の入口部にカテーテルC1の先端部を係合させる場合、左冠状動脈V6の入口部の接平面T7に対する、左冠状動脈V6の起始部の中心軸T8の角度θ3を、冠状動脈の角度θ3として算出する。また、予定情報分析部112は、例えば、
図6Eに示すように、右冠状動脈V7の入口部にカテーテルC1の先端部を係合させる場合、右冠状動脈V7の入口部の接平面T9に対する、右冠状動脈V7の起始部の中心軸T10の角度θ3を、冠状動脈の角度θ3として算出する。
【0046】
次に、過去情報取得部113について説明する。
【0047】
過去情報取得部113は、記憶部120に記憶されている過去の手術情報D1から、予定している手術と疾患情報が一致し、かつ、予定している手術とアクセス部位が一致し、かつ、予定している手術と血管情報が類似する、過去の類似手術を取得する。なお、本明細書では、血管情報が類似するとは、予定している手術の血管形状と過去の手術の血管形状の一致率が所定の範囲に収まることをいう。具体的には、例えば、本実施形態では、予定している手術の血管形状と過去の手術の血管形状の、上行大動脈V1の体積の一致率と、上行大動脈V1の角度θ1の一致率と、下行大動脈V2の角度θ2の一致率と、および大動脈弓V3の外側部分の曲率の一致率
から選択された一の一致率が所定の下限値以上である、または一致率のそれぞれから選択された複数の一致率の乗算が所定の下限値以上であれば類似と判断する。なお、過去情報取得部113は、予定情報分析部112と同様に、血管情報から、上行大動脈V1の体積、上行大動脈V1の角度θ1、下行大動脈V2の角度θ2、および大動脈弓V3の外側部分の曲率等を算出する。
【0048】
過去情報取得部113は、過去の類似手術の血管情報から、
図6B〜
図6Eに示すように、上行大動脈V1の内壁までの距離L1と、腕頭動脈V5までの距離L2と、バルサルバ洞までの距離L3と、冠状動脈の角度θ3と、冠状動脈V6、V7の入口部の内径と、を算出する。
【0049】
次に、提案部114について説明する。
【0050】
提案部114は、
図2Bに示すように、予定している手術に使用するカテーテルC1の基本形状を決定する基本形状決定部114a、および決定した基本形状を修正して、形状を修正したカテーテルC1を予定している手術に使用するカテーテルC1として提案する形状最適化部114bとしての機能を備えている。
【0051】
基本形状決定部114aは、予定している手術と過去の類似手術の、上行大動脈V1の内壁までの距離L1の一致率と、腕頭動脈V5までの距離L2の一致率と、バルサルバ洞までの距離L3の一致率と、冠状動脈の角度θ3の一致率と、冠状動脈V6、V7の入口部の内径の一致率と、を算出する。
【0052】
基本形状決定部114aは、算出した各一致率に重みづけ係数を掛け、重みづけ係数を掛けた値を足し合わせ、足し合わせた値を、予定している手術と過去の類似手術の血管形状の一致率に応じて定まるスコアとして算出する。なお、重みづけ係数の値は、特に限定されないが、例えば、病変部の状態が、完全慢性閉塞である場合には、上行大動脈V1の内壁までの距離L1の一致率の重みづけ係数を、1よりも大きい値にすることができる。
【0053】
基本形状決定部114aは、過去の類似手術のうち、最もスコアが高い手術を抽出する。これによって、予定している手術に最も血管形状が類似する過去の類似手術を抽出することができる。基本形状決定部114aは、最もスコアが高い手術の、カテーテルC0の形状(先端部の基本形状、先端部の寸法、および外径)を取得し、予定している手術に使用するカテーテルC1の基本形状とする。
【0054】
形状最適化部114bは、予定している手術と最もスコアが高い手術の、上行大動脈V1の内壁までの距離L1の比較結果、腕頭動脈V5までの距離L2の比較結果、およびバルサルバ洞までの距離L3の比較結果等に基づいて、基本形状決定部114aが決定した基本形状を修正する。形状最適化部114bは、基本形状を修正したカテーテルC1を、予定している手術に使用するカテーテルC1として、使用者に提案する。
【0055】
予定している手術のアクセス部位が左腕の橈骨動脈または大腿動脈であり、基本形状がJLである場合を例に、形状最適化部114bによる基本形状の修正方法を説明する。なお、以下の例において、予定している手術の上行大動脈V1の内壁までの距離L1は、最もスコアが高い手術の上行大動脈V1の内壁までの距離L1よりも短いものとする。形状最適化部114bは、最もスコアが高い手術と予定している手術の、上行大動脈V1の内壁までの距離L1の差分δL1を算出する。形状最適化部114bは、
図5Aに示すように、最もスコアが高い手術で使用したカテーテルC0の第1地点P1と第2地点P2の距離X1から、距離L1の差分δL1を減算する。形状最適化部114bは、減算した値が、予定している手術に使用するカテーテルC1の第1地点P1と第2地点P2の距離X11となるように、第2地点P2の位置を修正する。また、形状最適化部114bは、最もスコアが高い手術で使用したカテーテルC0の第1地点P1と第2地点P2の距離X1に対する、第2地点の位置を修正したカテーテルの第1地点P1と第2地点P2の距離X11の比を算出する。形状最適化部114bが、算出した比を、最もスコアが高い手術で使用したカテーテルC0の第2地点P2と第3地点P3の距離X2に掛け合わせる。形状最適化部114bは、掛け合わせた値が、手術に使用するカテーテルC1の第2地点P2と第3地点P3の距離X21となるように、第3地点P3の位置を修正する。なお、予定している手術の上行大動脈V1の内壁までの距離L1が最もスコアが高い手術の上行大動脈V1の内壁までの距離L1よりも長い場合、形状最適化部114bは、最もスコアが高い手術で使用したカテーテルC0の第1地点P1と第2地点P2の距離X1に距離L1の差分δL1を加算する。
【0056】
次に、予定している手術のアクセス部位が右腕の橈骨動脈であり、基本形状決定部114aが決定した基本形状がALである場合を例に、形状最適化部114bによる基本形状の修正方法を説明する。なお、以下の例において、予定している手術の上行大動脈V1の内壁までの距離L1は、最もスコアが高い手術の上行大動脈V1の内壁までの距離L1よりも短く、かつ、予定している手術のバルサルバ洞までの距離L3は、最もスコアが高い手術のバルサルバ洞までの距離L3よりも短いものとする。形状最適化部114bは、最もスコアが高い手術と予定している手術の、上行大動脈V1の内壁までの距離L1の半分との差分δL2を算出する。形状最適化部114bは、最もスコアが高い手術で使用したカテーテルC0の二番目の曲がり部の曲率半径R1から、距離L1の差分δL2を減算する。形状最適化部114bは、減算した値が、予定している手術に使用するカテーテルC1の二番目の曲がり部の曲率半径R11となるように二番目の曲がり部の曲率半径を修正する。形状最適化部114bは、最もスコアが高い手術と予定している手術の、バルサルバ洞までの距離L3の差分δL3を算出する。形状最適化部114bは、最もスコアが高い手術で使用したカテーテルの第1地点P1と第2地点P2の距離X1から、距離L3の差分δL3を減算する。形状最適化部114bは、減算した値が、予定している手術に使用するカテーテルC1の第1地点P1と第2地点P2の距離X11となるように、第1地点P1の位置を修正する。なお、予定している手術の上行大動脈V1の内壁までの距離L1が最もスコアが高い手術の上行大動脈V1の内壁までの距離L1よりも長い場合、形状最適化部114bは、最もスコアが高い手術で使用したカテーテルC0の二番目の曲がり部の曲率半径R1に距離L1の差分δL2を加算する。また、予定している手術のバルサルバ洞までの距離L3が最もスコアが高い手術のバルサルバ洞までの距離L3よりも長い場合、形状最適化部114bは、最もスコアが高い手術で使用したカテーテルの第1地点P1と第2地点P2の距離X1に距離L3の差分δL3を加算する。
【0057】
次に、予定している手術のアクセス部位が右腕の橈骨動脈であり、基本形状決定部114aが決定した基本形状がILである場合を例に、形状最適化部114bによる基本形状の修正方法を説明する。なお、以下の例において、予定している手術の上行大動脈V1の内壁までの距離L1は、最もスコアが高い手術の上行大動脈V1の内壁までの距離L1よりも短いものとする。形状最適化部114bは、最もスコアが高い手術と予定している手術の、上行大動脈V1の内壁までの距離L1の差分δL1を算出する。形状最適化部114bは、最もスコアが高い手術で使用したカテーテルC0の第1地点P1と第2地点P2の距離X1から、距離L1の差分δL1を減算する。形状最適化部114bは、減算した値が、予定している手術に使用するカテーテルC1の第1地点P1と第2地点P2の距離X11となるように、第2地点P2の位置を修正する。また、形状最適化部114bは、最もスコアが高い手術で使用したカテーテルC0の第1地点P1と第2地点P2の距離X1に対する、第2地点P2の位置を修正したカテーテルの第1地点P1と第2地点P2の距離X11の比を算出する。形状最適化部114bが、算出した比を、最もスコアが高い手術で使用したカテーテルC0の第2地点P2と第3地点P3の距離X2に掛け合わせる。形状最適化部114bは、掛け合わせた値が、手術に使用するカテーテルC1の第2地点P2と第3地点P3の距離X21となるように、第3地点P3の位置を修正する。また、形状最適化部114bは、最もスコアが高い手術と予定している手術の、腕頭動脈V5までの距離L2の比を算出する。形状最適化部114bは、算出した比を、最もスコアが高い手術で使用したカテーテルC0の第3地点P3と第4地点P4の距離X3に掛け合わせる。形状最適化部114bは、掛け合わせた値が、手術に使用するカテーテルC1の第3地点P3と第4地点P4の距離X31となるように、第4地点P4の位置を修正する。なお、予定している手術の上行大動脈V1の内壁までの距離L1が、最もスコアが高い手術の上行大動脈V1の内壁までの距離L1よりも長い場合、形状最適化部114bは、最もスコアが高い手術で使用したカテーテルC0の第1地点P1と第2地点P2の距離X1に、距離L1の差分δL1を加算する。
【0058】
このように、形状最適化部114bは、予定している手術と過去の類似手術の血管形状(特に、血管においてカテーテルにバックアップ力の発生に関連する部分の形状)の比較結果に基づいて、カテーテルの形状を修正する。なお、上記の修正方法は、例であり、形状最適化部114bは、基本形状に応じて修正方法を適宜変更することができる。例えば、形状最適化部114bは、予定している手術と最もスコアが高い手術の、冠状動脈の角度θ3の比較結果、冠状動脈V6、V7の入口部の内径の比較結果等に基づいて、基本形状を修正してもよい。
【0059】
また、形状最適化部114bは、スコアの最も高い手術の他のデバイス情報に基づいて、手術に使用すると予想されるデバイスが挿入できるカテーテルの最小内径、および所定の強度を保持できる最小肉厚等を算出し、算出結果に基づいて基本形状の内径、肉厚、外径を修正してもよい。この際、形状最適化部114bは、手術に使用するイントロデューサが決定している場合、手術に使用するイントロデューサの備えるシースの内径からカテーテルの外径を決定しても良い。術者は、内径および肉厚が修正されたカテーテルC1を手術に使用することによって、より一層低侵襲な手術を行うことができる。
【0060】
また、形状最適化部114bは、手術に使用するカテーテルC1の外径および記憶部120に記憶されているイントロデューサ情報に基づいて、手術に使用するカテーテルC1と組合せて使用可能なイントロデューサを提案してもよい。これによって、使用者は、イントロデューサの選択を効率的に行うことができる。
【0061】
なお、提案部114は、最もスコアが高い手術だけでなく、スコアの高い上位数件の手術で使用したカテーテルC0の形状を手術に使用するカテーテルC1の基本形状とし、各基本形状を修正したカテーテルC1を、使用者に手術に使用するカテーテルC1として提案してもよい。これによって、使用者は、提案された複数のカテーテルC1の中から、好みのカテーテルを選択することができる。
【0062】
次に、依頼部115について説明する。
【0063】
依頼部115は、提案したカテーテルC1の製造要求が使用者からあった場合に、通信部140および院外ネットワークNW2を介して、サプライヤ300に提案したカテーテルC1の製造を依頼する。そのため、使用者は、手術の際には、患者の血管形状に適したカテーテルC1(オーダメイドのカテーテルC1)を用いて、手術を行うことができる。したがって、手術の際、カテーテルC1は、患者の血管の所定の位置に留置されて、その内腔を介して各種の治療デバイスが導入された際に、十分なバックアップ力を発揮することができる。そのため、術者は、手術時に、血管の所定の位置に留置したカテーテルC1を介して、冠状動脈内に造影剤や各種の治療デバイスを円滑に導入することができる。また、術者は、十分なバックアップ力が得られないとして、カテーテルC1を他の形状のカテーテルに交換する必要がないため、カテーテルの使用数を抑制できる。
【0064】
図7は、本実施形態に係る支援方法の説明に供する図である。以下、
図7を参照して、本実施形態に係る支援方法について説明する。
【0065】
支援方法は、予定情報取得ステップS1と、予定情報分析ステップS2と、過去情報取得ステップS3と、提案ステップS4と、依頼ステップS5と、を有する。以下、各ステップについて説明する。
【0066】
まず、予定情報取得ステップS1について説明する。
【0067】
まず、予定情報取得部111は、
図1に示すように、使用者が操作している院内端末200のディスプレイ210等を介して、手術予定情報D2を入力するように指示する。次に、使用者は、手術予定情報D2を入力する。次に、予定情報取得部111は、使用者が操作している院内端末200から、手術予定情報を取得する。
【0068】
次に、予定情報分析ステップS2について説明する。
【0069】
予定情報分析部112は、血管情報から、
図6Aに示すように、上行大動脈V1の体積、上行大動脈V1の角度θ1、下行大動脈V2の角度θ2、および大動脈弓V3の外側部分の曲率、を算出する。また、予定情報分析部112は、血管情報から、
図6B〜
図6Eに示すように、上行大動脈V1の内壁までの距離L1と、腕頭動脈V5までの距離L2と、バルサルバ洞までの距離L3と、冠状動脈の角度θ3と、冠状動脈V6、V7の入口部の内径と、を算出する。
【0070】
次に、過去情報取得ステップS3について説明する。
【0071】
まず、過去情報取得部113は、記憶部120に記憶されている過去の手術情報D1から、予定している手術と疾患情報が一致し、かつ、予定している手術とアクセス部位が一致し、かつ、予定している手術と血管情報が類似する過去の類似手術を取得する。
【0072】
次に、過去情報取得部113は、過去類似手術の血管情報から、上行大動脈V1の内壁までの距離L1と、腕頭動脈V5までの距離L2と、バルサルバ洞までの距離L3と、冠状動脈の角度θ3と、冠状動脈V6、V7の入口部の内径と、を算出する。
【0073】
次に、提案ステップS4について説明する。
【0074】
まず、基本形状決定部114aは、予定している手術と過去の類似手術の、上行大動脈V1の内壁までの距離L1の一致率と、腕頭動脈V5までの距離L2の一致率と、バルサルバ洞までの距離L3の一致率と、冠状動脈の角度θ3の一致率と、冠状動脈V6、V7の入口部の一致率と、を算出する。
【0075】
次に、基本形状決定部114aは、算出した各一致率に重みづけ係数を掛け、重みづけ係数を掛けた値を足し合わせ、足し合わせた値を、予定している手術と過去の類似手術の血管形状の一致率に応じて定まるスコアとして算出する。
【0076】
次に、基本形状決定部114aは、過去の類似手術のうち、最もスコアが高い手術を抽出し、最もスコアが高い手術のカテーテルC0の形状を、予定している手術に使用するカテーテルC1の基本形状とする。
【0077】
次に、形状最適化部114bは、予定している手術と最もスコアが高い手術の、上行大動脈V1の内壁までの距離L1の比較結果、腕頭動脈V5までの距離L2の比較結果、バルサルバ洞までの距離L3の比較結果、および上行大動脈の内径L4の比較結果に基づいて、基本形状決定部114aが決定したカテーテルC1の基本形状を修正する。また、この際、形状最適化部114bは、最もスコアが高い手術の他のデバイス情報に基づいて、基本形状の内径、肉厚、外径等を修正してもよい。
【0078】
次に、形状最適化部114bは、形状を修正したカテーテルC1を、予定している手術に使用するカテーテルC1として、使用者に提案する。また、この際、形状最適化部114bは、提案したカテーテルC1と組合せて使用可能なイントロデューサを提案してもよい。
【0079】
次に、依頼ステップS5について説明する。
【0080】
まず、使用者は、提案されたカテーテルC1の製造要求を行う。次に、依頼部115は、通信部140および院外ネットワークNW2を介して、サプライヤ300に提案したカテーテルC1の製造を依頼する。
【0081】
次に、サプライヤ300は、提案されたカテーテルC1を手術予定日前までに製造し、使用者に送付する。次に、使用者は、製造されたカテーテルC1を受け取り、手術を行う。手術後、製造されたカテーテルC1を使用して行われた手術に関する情報(疾患情報、病変部情報、カテーテル形状、アクセス部位、他のデバイス情報)は、記憶部120に記憶され、過去の手術情報D1が更新される。
【0082】
以上説明したように、本実施形態に係る支援システム100は、手術に使用するカテーテルC1の形状を提案することによって医師を支援する支援システムである。支援システム100は、手術の疾患情報と、患者の血管において手術に使用するカテーテルC1に接触してカテーテルC1にバックアップ力を付与可能な部分の形状に関する血管情報と、を取得する予定情報取得部111と、手術と疾患情報が一致し、かつ、手術と血管情報が類似する過去の類似手術で使用されたカテーテルC0の形状を取得する過去情報取得部113と、手術の血管情報と過去の類似手術の血管情報とを比較した比較結果に基づいて、過去の類似手術において使用されたカテーテルC0の形状を修正し、形状を修正したカテーテルC1を手術に使用するカテーテルC1として提案する提案部114と、を有する。
【0083】
上記支援システム100によれば、予定している手術の血管情報と過去の類似手術の血管情報とを比較した比較結果に基づいて、過去の類似手術において使用されたカテーテルC0の形状を修正し、形状を修正したカテーテルC1を予定している手術に使用するカテーテルC1として提案する。これにより、手術前に、手術に適したカテーテルを提案できる。
【0084】
また、提案部114が提案した手術に使用するカテーテルC1の製造を、サプライヤに依頼する依頼部115をさらに有する。そのため、術者は、手術にオーダーメイドのカテーテルC1を使用することができる。
【0085】
また、手術に使用するカテーテルC1は、先端部が大動脈を通って冠状動脈の入口部に係合する冠状動脈用のカテーテルであって、血管情報は、大動脈の形状に関する大動脈情報を含み、提案部114は、手術の大動脈情報と過去の類似手術の大動脈情報とを比較した比較結果に基づいて、過去の類似手術において使用されたカテーテルC0の形状を修正し、形状を修正したカテーテルC1を手術に使用するカテーテルC1として提案する。そのため、冠状動脈の病変部の診断・治療を行う手術において、術者は、適切なカテーテルC1を使用することができる。
【0086】
また、大動脈情報は、上行大動脈の体積、上行大動脈の角度、下行大動脈の角度、および大動脈弓の外側部分の曲率を含む。そのため、支援システム100は、これらの情報を用いて、予定している手術に適したカテーテルC1を提案することができる。
【0087】
また、大動脈情報は、冠状動脈の入口部から、冠状動脈の入口部に対向する上行大動脈の内壁までの距離と、冠状動脈の入口部から、腕頭動脈の入口部までの距離と、冠状動脈の入口部から、冠状動脈の入口部と対向するバルサルバ洞の内壁までの距離と、を含む。そのため、支援システム100は、これらの情報を用いて、予定している手術に適したカテーテルC1を提案することができる。
【0088】
また、本実施形態に係る支援方法は、患者の手術に使用するカテーテルC1の形状を提案することによって医師を支援する支援方法である。支援方法は、手術の疾患情報と、患者の血管のうち、カテーテルC1に接触してカテーテルC1にバックアップ力を付与可能な部分の形状に関する血管情報と、を取得する予定情報取得ステップS1と、手術と疾患情報が一致し、かつ、手術と血管情報が類似する過去の類似手術で使用されたカテーテルC0の形状を取得する過去情報取得ステップS3と、手術の血管情報と過去の類似手術の血管情報とを比較した比較結果に基づいて、過去の類似手術において使用されたカテーテルC0の形状を修正し、形状を修正したカテーテルC1を手術に使用するカテーテルC1として提案する提案ステップS4と、を有する。
【0089】
また、本実施形態に係る支援プログラムは、患者の手術に使用するカテーテルC1の形状を提案することによって医師を支援する支援プログラムである。支援プログラムは、手術の疾患情報と、患者の血管のうち、カテーテルC1に接触してカテーテルC1にバックアップ力を付与可能な部分の形状に関する血管情報と、を取得する手順と、手術と疾患情報が一致し、かつ、手術と血管情報が類似する過去の類似手術で使用されたカテーテルC0の形状を取得する手順と、手術の血管情報と過去の類似手術の血管情報とを比較した比較結果に基づいて、過去の類似手術において使用されたカテーテルC0の形状を修正し、形状を修正したカテーテルC1を手術に使用するカテーテルC1として提案する手順と、を実行する。
【0090】
また、本実施形態に係る記録媒体MDは、上記支援プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0091】
上記支援方法、支援プログラム、および支援プログラムを記録した記録媒体MDによれば、手術の血管情報と過去の類似手術の血管情報とを比較した比較結果に基づいて、過去の類似手術において使用されたカテーテルC0の形状を修正し、形状を修正したカテーテルC1を手術に使用するカテーテルとして提案する。そのため、手術前に、手術に適したカテーテルを提案できる。
【0092】
以上、実施形態を通じて本発明に係る支援システム、支援方法、支援プログラム、および支援プログラムを記録した記録媒体を説明したが、本発明は説明した各構成のみに限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
【0093】
例えば、支援システムにおける各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウェア回路、またはプログラムされたコンピュータのいずれによっても実現してもよい。また、支援プログラムは、インターネットなどのネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。
【0094】
また、本発明に係る支援システム、支援方法、支援プログラムが適用されるカテーテルは、その内腔を介して造影剤や各種の治療デバイスを導入されるものである限り特に限定されず、例えば、ガイディングシースなどに適用することができる。
【0095】
また、本発明に係る支援システム、支援方法、支援プログラムが適用されるガイディングカテーテルは、冠動脈用のガイディングカテーテルに限定されず、例えば、下肢の血管内の病変部を診断・治療する際の手術に使用される下肢用のガイディングカテーテルであってもよい。この場合、血管情報は、患者の血管において下肢用のガイディングカテーテルに接触してガイディングカテーテルにバックアップ力を付与可能な部分の形状を抽出できるものを含む限り特に限定されない。なお、例えば、対側大腿動脈からのクロスオーバーアプローチのときは、腸骨動脈等が、患者の血管のうち、下肢用のガイディングカテーテルに接触してガイディングカテーテルにバックアップ力を付与可能な部分に相当する。
【0096】
また、上記実施形態では、過去情報取得部は、予定している手術とアクセス部位が一致する過去の手術を、類似手術として取得したが、アクセス部位は一致しなくてもよい。
【0097】
また、支援システムは、他の病院の端末や地域医療のサーバ等に、院外ネットワークを介して接続されていてもよい。この場合、記憶部は、他の病院の医師が行った過去の手術情報を記憶し、支援システムは、他の病院の医師が行った過去の手術情報を用いて、カテーテルの提案を行ってもよい。
【0098】
本出願は、2018年2月1日に出願された日本国特許出願第2018−016151号に基づいており、その開示内容は、参照により全体として引用されている。