特許第6979491号(P6979491)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6979491
(24)【登録日】2021年11月17日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20211202BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20211202BHJP
【FI】
   B41J29/38
   G03G21/00 388
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2020-148327(P2020-148327)
(22)【出願日】2020年9月3日
(62)【分割の表示】特願2016-173799(P2016-173799)の分割
【原出願日】2016年9月6日
(65)【公開番号】特開2020-192819(P2020-192819A)
(43)【公開日】2020年12月3日
【審査請求日】2020年9月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 猛
【審査官】 小宮山 文男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−015145(JP,A)
【文献】 特開2008−310676(JP,A)
【文献】 特開2010−286641(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部によって画像が形成されたシートの無線タグに情報を書き込む書き込み部と、
前記書き込み部による前記情報の書き込みが成功したか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって第1画像が形成されたシートの無線タグに前記情報の書き込みが成功したと判定されなかった場合に、前記情報の書き込みが成功したと判定されなかったシートに形成された前記第1画像を、前記画像形成部によって新たなシートに形成させる再形成部と、
前記再形成部によって前記第1画像が形成されたシートを、前記第1画像の次の画像である第2画像が形成されたシートよりも先に排紙させる排紙制御部と、
ユーザによる入力を受け付けるコントロールパネルと、
を備え、
前記画像形成部は、前記判定部によって前記第1画像が形成されたシートの無線タグに前記情報の書き込みが成功した判定された後に、前記シートに前記第2画像を形成する順番担保低速モードと、前記判定部によって前記第1画像が形成されたシートの無線タグに前記情報の書き込みが成功したか否かが判定される前に前記シートに前記第2画像を形成する順番担保高速モードと、で動作可能であり、
前記コントロールパネルは、少なくとも前記順番担保低速モードか前記順番担保高速モードで動作することについての選択を受け付ける、画像形成装置。
【請求項2】
前記順番担保低速モードで動作することについて選択されている場合は、前記画像形成部は、前記判定部によって前記第1画像が形成されたシートの無線タグに前記情報の書き込みが成功したと判定された場合に、シートに前記第2画像を形成する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記順番担保高速モードで動作することについて選択されている場合は、前記判定部によって前記第1画像が形成されたシートの無線タグに前記情報の書き込みが成功したと判定されなかった場合に、前記排紙制御部は、前記第2画像が形成されたシートを、前記画像形成部から前記書き込み部までシートを搬送する搬送路から他の搬送路に退避させることにより、前記再形成部によって前記第1画像が形成されたシートを、前記第2画像が形成されたシートよりも先に排紙させる請求項1に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線タグ(RF(Radio Frequency)タグ)が組み込まれたシートがある。このシートに電子写真方式で画像を形成し、無線タグに情報を書き込んだり、読み込んだりする装置がある。
【0003】
電子写真方式では、トナー像を定着する定着部などにおいて熱や圧力が加えられることから、無線タグが故障することがある。無線タグが故障したシートは、無線タグが故障したシートを排紙するためのトレイに排紙される。従って、複数枚のシートに画像を形成した場合に、無線タグが故障すると、ページ抜けが生じる。
【0004】
また、無線タグが故障したシートに形成された画像を、新たなシートに再び形成して排紙すると、ページの順番が入れ替わることとなる。例えば、2ページ目の無線タグが故障し、無線タグが故障しなかった3ページ目が排紙されたとする。2ページ目の無線タグの故障により、再び2ページ目の画像が新たなシートに形成され、排紙されると、1ページ目、3ページ目、2ページ目の順にシートが積載されることとなる。
【0005】
このように、従来の技術ではページ抜けが生じたり、ページの順番が入れ替わるという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−15145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、ページ抜けを生じさせず、ページの順番が入れ替わることのない画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の画像形成装置は、画像形成部と、書き込み部と、判定部と、再形成部と、排紙制御部と、コントロールパネルと、を持つ。画像形成部は、シートに画像を形成する。書き込み部は、画像形成部によって画像が形成されたシートの無線タグに情報を書き込む。判定部は、書き込み部による前記情報の書き込みが成功したか否かを判定する。再形成部は、判定部によって第1画像が形成されたシートの無線タグに前記情報の書き込みが成功したと判定されなかった場合に、情報の書き込みが成功したと判定されなかったシートに形成された第1画像を、画像形成部によって新たなシートに形成させる。排紙制御部は、再形成部によって第1画像が形成されたシートを、第1画像の次の画像である第2画像が形成されたシートよりも先に排紙させる。コントロールパネルは、ユーザによる入力を受け付ける。画像形成部は、前記判定部によって前記第1画像が形成されたシートの無線タグに前記情報の書き込みが成功した判定された後に、前記シートに前記第2画像を形成する順番担保低速モードと、前記判定部によって前記第1画像が形成されたシートの無線タグに前記情報の書き込みが成功したか否かが判定される前に前記シートに前記第2画像を形成する順番担保高速モードと、で動作可能である。コントロールパネルは、少なくとも前記順番担保低速モードか前記順番担保高速モードで動作することについての選択を受け付ける。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る画像形成装置10の側面図。
図2】画像形成装置10の機能ブロック図。
図3】画像形成処理の流れを示すフローチャート。
図4】順番不担保高速処理の流れを示すフローチャート。
図5】タグユニット処理の流れを示すフローチャート。
図6】順番担保低速処理の流れを示すフローチャート。
図7】タグユニット処理の流れを示すフローチャート。
図8】順番担保高速処理の流れを示すフローチャート。
図9】再印刷処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施形態の画像形成装置では、ページ抜けを生じさせず、ページの順番が入れ替わることのない画像形成装置を提供することが可能となる。以下、実施形態の画像形成装置について詳細に説明する。
【0011】
図1は、実施形態に係る画像形成装置10の側面図である。
【0012】
図1に示すように、画像形成装置10は、コントロールパネル13、無線タグユニット200、及びプリンタ部18を備える。プリンタ部18は、制御部100、及び給紙カセット16a、16b等を備える。制御部100は、コントロールパネル13、無線タグユニット200、及びプリンタ部18を制御する。制御部100は、プリンタ部18におけるシートの搬送を制御する。本実施形態における無線タグは、例えばRF(Radio Frequency)タグである。
【0013】
コントロールパネル13は、入力キーと、表示部とを備える。例えば、入力キーは、ユーザによる入力を受け付ける。例えば、表示部は、タッチパネル式である。表示部は、ユーザによる入力を受け付け、ユーザへの表示を行う。
【0014】
給紙カセット16aは、無線タグを有するシート(以下「無線タグシート」という。)を収納する。給紙カセット16bは、無線タグを有しない通常のシート(以下「通常シート」という。)を収納する。
【0015】
プリンタ部18は、画像を形成する。例えば、プリンタ部18は、画像データが示す画像を形成する。以下の説明では、画像を形成することを印刷とも表現する。プリンタ部18は、中間転写ベルト21を備える。プリンタ部18は、従動ローラ41、及びバックアップローラ40等で中間転写ベルト21を支持する。プリンタ部18は、中間転写ベルト21を矢印m方向に回転する。
【0016】
プリンタ部18は、4組の画像形成ステーション22Y、22M、22C及び22Kを備える。各画像形成ステーション22Y、22M、22C及び22Kは、各々Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)及びK(ブラック)の画像形成用とされる。画像形成ステーション22Y、22M、22C及び22Kは、中間転写ベルト21の下側で、中間転写ベルト21の回転方向に沿って並列に配置される。
【0017】
以下、各画像形成ステーション22Y、22M、22C及び22Kのうち、Y(イエロー)の画像形成ステーション22Yを例に挙げて説明する。なお、画像形成ステーション22M、22C及び22Kについては、画像形成ステーション22Yと同様の構成を備えるため、詳細な説明を省略する。
【0018】
画像形成ステーション22Yは、帯電チャージャ26、露光走査ヘッド27、現像装置28及び感光体クリーナ29を備える。帯電チャージャ26、露光走査ヘッド27、現像装置28及び感光体クリーナ29は、矢印n方向に回転する感光体ドラム24の周囲に配置される。
【0019】
画像形成ステーション22Yは、1次転写ローラ30を備える。1次転写ローラ30は、中間転写ベルト21を介して感光体ドラム24と対向する。
【0020】
画像形成ステーション22Yは、感光体ドラム24を帯電チャージャ26で帯電後、露光走査ヘッド27によって露光する。画像形成ステーション22Yは、感光体ドラム24上に静電潜像を形成する。現像装置28は、トナーとキャリアとにより形成される二成分の現像剤を用い、感光体ドラム24上の静電潜像を現像する。
【0021】
1次転写ローラ30は、感光体ドラム24に形成されるトナー像を中間転写ベルト21に1次転写する。画像形成ステーション22Y、22M、22C及び22Kは、1次転写ローラ30によって、中間転写ベルト21上にカラートナー像を形成する。カラートナー像は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)及びK(ブラック)のトナー像を順次重ねて形成される。感光体クリーナ29は、感光体ドラム24に残留するトナーを1次転写後に除去する。
【0022】
プリンタ部18は、2次転写ローラ32を備える。2次転写ローラ32は、中間転写ベルト21を介してバックアップローラ40と対向する。2次転写ローラ32は、シートに、中間転写ベルト21上のカラートナー像を一括して2次転写する。
【0023】
搬送路33aは、合流部44aから分岐部44bまでの搬送路である。搬送路33bは、両面印刷装置38内を通過する搬送路であり、分岐部44bから合流部44aまでの搬送路である。搬送路33cは、分岐部44bから無線タグユニット200の切替部202までの搬送路である。
【0024】
制御部100は、給紙カセット16a、16bから取り出したシートを、搬送路33aに搬送し、定着装置34によってトナー像を定着することでシートに画像を形成する。制御部100は、画像が形成されたシートを搬送路33cに搬送することで、シートを排紙する。
【0025】
両面印刷の場合、制御部100は、表面に画像が形成されたシートを、搬送路33cに搬送する。制御部100は、シート全体が分岐部44bを通過したのち、スイッチバックして搬送路33bにシートを搬送する。その後、制御部100は、シートを両面印刷装置38内の搬送路を経由して合流部44aに搬送し、搬送路33aに搬送する。そして制御部100は、定着装置34によってトナー像を定着することでシートの裏面に画像を形成する。制御部100は、裏面に画像が形成されたシートを搬送路33cに搬送することで、シートを排紙する。
【0026】
本実施例において、搬送路33bは、シートを退避するための搬送路としても用いられる。具体的に、制御部100は、表面に画像が形成されたシートを、まず搬送路33cに搬送する。制御部100は、シート全体が分岐部44bを通過したのち、搬送路33bにスイッチバックさせて、シート全体が分岐部44bを通過するまでシートを搬送する。これによって、シートは搬送路33aから退避されるので、制御部100は、他のシートを搬送路33aから搬送路33cまで搬送可能となる。退避されたシートを排紙する場合には、両面印刷の場合と異なり、制御部100は、シートを分岐部44bに向けて搬送し、そのまま搬送路33cに搬送することで、シートを排紙する。以下の説明では、画像が形成されたシートを退避させることなく搬送路33aから搬送路33cまで搬送することを通常搬送と称する。また、画像が形成されたシートを退避させる搬送を、退避搬送と称する。
【0027】
無線タグユニット200は、無線タグユニット制御部201、切替部202、読み取り部203、及び書き込み部204を備える。本実施例において、無線タグユニット200は、プリンタ部18から着脱可能となっている。
【0028】
無線タグユニット制御部201は、演算装置及び記憶装置を備える。無線タグユニット制御部201は、切替部202、読み取り部203、及び書き込み部204を制御する。また、無線タグユニット制御部201は、制御部100と通信可能である。無線タグユニット制御部201は、無線タグユニット200にシートが搬送されたことを検出できる。
【0029】
書き込み部204は、画像が形成された無線タグシートの無線タグに情報(以下、「タグデータ」とも称する)を書き込む。読み取り部203は、無線タグから情報を読み取る。無線タグユニット制御部201は、読み取り部203によって無線タグから読み取られた情報によって、書き込み部204による情報の書き込みが成功したか否かを判定する。切替部202は、無線タグユニット制御部201によって書き込みが成功したと判定されたシートをOKトレイ20aに排紙する。切替部202は、無線タグユニット制御部201によって書き込みが成功したと判定されなかったシートをNGトレイ20bに排紙する。なお、通常シートに印刷した場合には、全てOKトレイ20aに排紙される。
【0030】
以上説明した画像形成装置10の現像方式は、タンデム現像方式であるが、これに限るものではなく、また現像装置28の数も限定されない。
【0031】
図2は、画像形成装置10の機能ブロック図である。画像形成装置10は、制御部100、コントロールパネル13、プリンタ部18、及び無線タグユニット200を備える。制御部100は、演算装置51及び記憶装置52を備える。演算装置51は、記憶装置52に記憶された画像処理プログラムに従い、コントロールパネル13、及び無線タグユニット200を制御する。
【0032】
演算装置51は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等である。記憶装置52は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等である。
【0033】
プリンタ部18は、定着装置34、2次転写ローラ32、及び現像装置28を含む。 なお、画像形成装置10の各機能の全て又は一部は、ASICやPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。画像処理プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。画像処理プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0034】
本実施例における画像形成装置10が行う画像形成処理には4つのモードがある。そのうちの1つの通常印刷モードは、通常シートに画像を形成するか、無線タグシートに画像を形成するが、無線タグには情報を書き込まないモードである。他の3つのモードである、順番不担保高速モード、順番担保低速モード、及び順番担保高速モードは、無線タグシートに画像を形成し、無線タグには情報を書き込むモードである。
【0035】
このうち、順番不担保高速モードは、無線タグへの情報の書き込みが失敗しても、再印刷を行わないモードである。従って、例えば10ページ分の画像を印刷して、5ページ目のシートの無線タグへの情報の書き込みが失敗すると、OKトレイには、1〜4、6〜10ページが積載される。
【0036】
このように、順番不担保高速モードでは、ページの順番を担保しないが、順番を担保するための制御を行わないため、高速に印刷することができる。
【0037】
順番担保低速モード、及び順番担保高速モードは、いずれもページの順番を担保するが、印刷速度が異なる。以上の4つのモードは、コントロールパネル13等によって設定される。制御部100は、設定されたモードを記憶装置52に記憶しておく。以下、フローチャートを用いて本実施例に係る画像形成処理の流れについて説明する。
【0038】
図3は、画像形成装置10の画像形成処理の流れを示すフローチャートである。図3において、制御部100は、画像形成処理を開始すると、記憶装置52を参照して、設定されたモードが通常印刷モードか否かを判定する(ACT101)。モードが通常印刷モードの場合には(ACT101:YES)、制御部100は、通常印刷処理を行って(ACT102)、本処理を終了する。通常印刷処理は従前より行われている処理のため、説明を省略する。
【0039】
モードが通常印刷モードではない場合には(ACT101:NO)、制御部100は、設定されたモードが順番不担保高速モードか否かを判定する(ACT103)。モードが順番不担保高速モードの場合には(ACT102:YES)、制御部100は、順番不担保高速処理を行って(ACT104)、本処理を終了する。順番不担保高速処理の詳細は後述する。
【0040】
モードが順番不担保高速モードではない場合には(ACT103:NO)、制御部100は、設定されたモードが順番担保低速モードか否かを判定する(ACT105)。モードが順番担保低速モードの場合には(ACT105:YES)、制御部100は、順番担保低速処理を行って(ACT106)、本処理を終了する。順番担保低速処理の詳細は後述する。
【0041】
モードが順番担保低速モードではない場合には(ACT105:NO)、制御部100は、順番担保高速処理を行って(ACT107)、本処理を終了する。順番担保高速処理の詳細は後述する。
【0042】
図4は、順番不担保高速処理の流れを示すフローチャートである。図4において、制御部100は、ページ数をカウントするためのカウンタkを1で初期化する(ACT201)。制御部100は、k番目の画像形成を開始する(ACT202)。k番目の画像形成が終了すると(ACT203:YES)、制御部100は、画像が形成されたシートを通常搬送する(ACT204)。
【0043】
制御部100は、k番目のシートのタグに書き込むタグデータを無線タグユニット200に通知する(ACT205)。制御部100は、カウンタkを1増分する(ACT206)。制御部100は、k番目の画像データがあるか否かを判定する(ACT207)。k番目の画像データがある場合には(ACT207:YES)、制御部100は、ACT202に戻る。k番目の画像データがない場合には(ACT207:NO)、制御部100は、本処理を終了する。
【0044】
このように、順番不担保高速モードでは、順番を担保するための制御を行わないため、高速に印刷することができる。
【0045】
図5は、順番不担保高速処理において無線タグユニット200で行われるタグユニット処理の流れを示すフローチャートである。図5において、無線タグユニット制御部201は、タグデータが通知されると(ACT301:YES)、通知されたタグデータを記憶装置に保持する(ACT302)。
【0046】
無線タグユニット制御部201は、無線タグユニット200にシートが搬送されたことを検出すると(ACT302:YES)、書き込み部204によって保持していたタグデータを無線タグに書き込む(ACT304)。無線タグユニット制御部201は、読み取り部203によってタグデータを読み込む。
【0047】
無線タグユニット制御部201は、書き込みが成功したか否かを判定する(ACT306)。無線タグユニット制御部201は、保持していたタグデータと、読み取り部203によって読み取られたタグデータとが一致している場合に、書き込みに成功したと判定する。
【0048】
書き込みが成功した場合には(ACT306:YES)、無線タグユニット制御部201は、切替部202によってOKトレイ20aにシートを排紙して(ACT307)、本処理を終了する。書き込みが失敗した場合には(ACT306:NO)、無線タグユニット制御部201は、切替部202によってNGトレイ20bにシートを排紙して(ACT308)、本処理を終了する。
【0049】
図6は、順番担保低速処理の流れを示すフローチャートである。図6において、制御部100は、ページ数をカウントするためのカウンタkを1で初期化する(ACT401)。制御部100は、k番目の画像形成を開始する(ACT402)。k番目の画像形成が終了すると(ACT403:YES)、制御部100は、画像が形成されたシートを通常搬送する(ACT404)。
【0050】
制御部100は、k番目のシートのタグに書き込むタグデータを無線タグユニット制御部201に通知する(ACT405)。このとき、制御部100は、タグデータとともに、k番目であることも無線タグユニット制御部201に通知する。
【0051】
制御部100は、無線タグユニット制御部201からk番目のシートについてOKを受信したか否かを判定する(ACT406)。無線タグユニット制御部201は、書き込みが成功した場合には、OKを制御部100に通知する。無線タグユニット制御部201は、書き込みが失敗した場合には、NGを制御部100に通知する。
【0052】
制御部100は、無線タグユニット制御部201からNGを受信した場合には(ACT406:NO)、ACT402に戻り、再びk番目の画像形成を開始する(ACT402)。制御部100は、無線タグユニット制御部201からOKを受信した場合には(ACT406:YES)、カウンタkを1増分する(ACT407)。
【0053】
制御部100は、k番目の画像データがあるか否かを判定する(ACT408)。k番目の画像データがある場合には(ACT408:YES)、制御部100は、ACT402に戻る。k番目の画像データがない場合には(ACT408:NO)、制御部100は、本処理を終了する。
【0054】
このように、順番担保低速モードでは、無線タグユニット制御部201によって第1画像(k番目の画像)が形成されたシートの無線タグに情報の書き込みが成功したと判定された場合に、シートに第2画像(k+1番目の画像)を形成する。
【0055】
制御部100は、無線タグユニット制御部201によって第1画像(k番目の画像)が形成されたシートの無線タグに情報の書き込みが成功したと判定されなかった場合に、以下の処理を行う。すなわち、制御部100は、第1画像(k番目の画像)を、プリンタ部18によって新たなシートに形成させる(ACT402)。
【0056】
第1画像(k番目の画像)が形成されたシートの無線タグに情報の書き込みが成功しない限り、第2画像(k+1番目の画像)は形成されない。よって、k番目のシートはk+1番目のシートより必ず先に排紙される。従って、順番担保低速モードでは、排紙するシートの順番を担保できるので、ページ抜けを生じさせず、ページの順番が入れ替わることもない。
【0057】
図7は、順番担保低速処理において無線タグユニット200で行われるタグユニット処理の流れを示すフローチャートである。なお、図7に示されるタグユニット処理は、後述する順番担保高速処理おいて無線タグユニット200で行われるタグユニット処理と同じである。従って図7では、順番担保低速処理と順番担保高速処理とをまとめて順番担保処理と記載している。
【0058】
図7において、無線タグユニット制御部201は、タグデータが通知されると(ACT501:YES)、通知されたタグデータを記憶装置に保持する(ACT502)。なお、図6で説明したように、タグデータがk番目のデータであることも通知されるので、k番目であることも保持される。
【0059】
無線タグユニット制御部201は、無線タグユニット200にシートが搬送されたことを検出すると(ACT502:YES)、書き込み部204によって保持していたタグデータを無線タグに書き込む(ACT504)。無線タグユニット制御部201は、読み取り部203によってタグデータを読み込む。
【0060】
無線タグユニット制御部201は、書き込みが成功したか否かを判定する(ACT506)。書き込みが成功した場合には(ACT506:YES)、無線タグユニット制御部201は、制御部100にOKを通知する(ACT507)。このとき、OKとなったタグデータがk番目であることも通知される。無線タグユニット制御部201は、切替部202によってOKトレイ20aにシートを排紙して(ACT508)、本処理を終了する。
【0061】
書き込みが失敗した場合には(ACT506:NO)、無線タグユニット制御部201は、制御部100にNGを通知する(ACT509)。このとき、NGとなったタグデータがk番目であることも通知される。無線タグユニット制御部201は、切替部202によってNGトレイ20bにシートを排紙して(ACT510)、本処理を終了する。
【0062】
図8は、順番担保高速処理の流れを示すフローチャートである。図8において、制御部100は、ページ数をカウントするためのカウンタkを1で初期化する(ACT601)。制御部100は、k番目の画像形成を開始する(ACT602)。k番目の画像形成が終了すると(ACT603:YES)、制御部100は、kが2以上か否かを判定する(ACT604)。
【0063】
kが2以上ではない場合には(ACT604:NO)、制御部100は、ACT606に進む。kが2以上の場合には(ACT604:YES)、制御部100は、k−1番目でOKを受信したか否かを判定する(ACT605)。k−1番目でNGを受信した場合には(ACT605:NO)、制御部100は、後述する再印刷処理を行い(ACT607)、ACT608に進む。
【0064】
k−1番目でOKを受信した場合には(ACT605:YES)、制御部100は、画像が形成されたシートを通常搬送する(ACT606)。制御部100は、k番目のシートのタグに書き込むタグデータを無線タグユニット制御部201に通知する(ACT608)。このとき、制御部100は、タグデータとともに、k番目であることも無線タグユニット制御部201に通知する。
【0065】
制御部100は、カウンタkを1増分する(ACT609)。制御部100は、k番目の画像データがあるか否かを判定する(ACT610)。k番目の画像データがある場合には(ACT610:YES)、制御部100は、ACT602に戻る。k番目の画像データがない場合には(ACT610:NO)、制御部100は、本処理を終了する。
【0066】
図9は、再印刷処理の流れを示すフローチャートである。図9において、制御部100は、k番目の画像が形成されたシートを退避搬送する(ACT701)。制御部100は、k−1番目の画像形成を開始する(ACT702)。k−1番目の画像形成が終了すると(ACT703:YES)、制御部100は、画像が形成されたシートを通常搬送する(ACT704)。k番目の画像が形成されたシートは退避搬送されているため、k−1番目の画像が形成されたシートは、無線タグユニット200に搬送可能である。
【0067】
制御部100は、k−1番目のシートのタグに書き込むタグデータを無線タグユニット制御部201に通知する(ACT705)。このとき、制御部100は、タグデータとともに、k−1番目であることも無線タグユニット制御部201に通知する。
【0068】
制御部100は、k−1番目でOKを受信したか否かを判定する(ACT706)。k−1番目でNGを受信した場合には(ACT706:NO)、制御部100は、ACT702に戻る。k−1番目でOKを受信した場合には(ACT706:YES)、制御部100は、退避していたk番目の画像が形成されたシートを無線タグユニット200に搬送する(ACT707)。
【0069】
このように、順番担保高速モードでは、無線タグユニット制御部201によって第1画像(k−1番目の画像)が形成されたシートの無線タグに情報の書き込みが成功したか否かが判定される前に、ACT602でシートに第2画像(k番目の画像)を形成する。
【0070】
そして、無線タグユニット制御部201によって第1画像(k−1番目の画像)が形成されたシートの無線タグに情報の書き込みが成功したと判定されなかった場合に、以下の処理を行う。すなわち、制御部100は、第2画像(k番目の画像)が形成されたシートを、プリンタ部18から書き込み部204までシートを搬送する搬送路33a、33cから他の搬送路33bに退避させる(ACT701)。
【0071】
そして、制御部100は、情報の書き込みが成功したと判定されなかったシートに形成された第1画像(k−1番目の画像)を、プリンタ部18によって新たなシートに形成させる(ACT702)。制御部100は、第1画像(k−1番目の画像)が形成されたシートを通常搬送する(ACT704)。こうして搬送された第1画像(k−1番目の画像)が形成されたシートで書き込みが成功しない限り、第2画像(k番目の画像)が形成されたシートは退避し続ける。第1画像(k−1番目の画像)が形成されたシートで書き込みが成功すると、第2画像(k番目の画像)が形成されたシートは、無線タグユニット200に搬送される(ACT707)。よって、k−1番目のシートはk番目のシートより必ず先に排紙される。
【0072】
従って、順番担保高速モードでは、排紙するシートの順番を担保できるので、ページ抜けを生じさせず、ページの順番が入れ替わることもない。さらに、順番担保高速モードでは、第1画像(k−1番目の画像)が形成されたシートの無線タグに情報の書き込みが成功したか否かが判定される前に、ACT602でシートに第2画像(k番目の画像)を形成する。よって、順番担保高速モードは、順番担保低速モードと比較して、高速に印刷することができる。
【0073】
以上説明した実施形態において、無線タグユニットにインクジェット装置を設けておき、書き込みに失敗したシートに「NG」や斜線などを印刷して排紙するようにしてもよい。この場合、書き込みに成功したシートと同じトレイに排紙するようにしてもよい。
【0074】
無線タグには、数メートル離れていても読み書き可能なものもあるため、読み込み部及び書き込み部を、本実施例で示したようなシートの近傍に設けなくてもよい。例えば読み込み部及び書き込み部を数メートル離れた位置に設けておく。そして、書き込み部が画像が形成されたシートに対して書き込み、読み込み部が読み込みを行って、無線タグユニット制御部が成功したか否かを判定する。その判定結果を切替部に無線通信で送信するようにしてもよい。
【0075】
以上述べた実施形態の画像形成装置によればページ抜けを生じさせず、ページの順番が入れ替わることのない画像形成装置を提供することが可能となる。
【0076】
上述した実施形態における画像形成装置の機能をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0077】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0078】
10…画像形成装置、20a…OKトレイ、20b…NGトレイ、38…両面印刷装置、100…制御部、200…無線タグユニット、201…無線タグユニット制御部、202…切替部、203…読み取り部、204…書き込み部
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
図8
図9