(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態のシート後処理装置について図面を用いて説明する。なお、以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付して説明する。また、これらの構成について重複する説明に関しては省略する場合が有る。
【0009】
図1から
図15を参照して、第1の実施形態のシート後処理装置を説明する。
図1は、画像形成システムの全体構成を示した図である。
図2は、画像形成装置1およびシート後処理装置2の電気ブロック図を示す図である。画像形成システムは、画像形成装置1、シート後処理装置2を含む。画像形成装置1は、用紙などのシート状の媒体(以下、「シート」と称する。)に画像を形成する。シート後処理装置2は、画像形成装置1から搬送されるシートに後処理を行う。
【0010】
図1に示す画像形成装置1は、コントロールパネル11、スキャナ部12、プリンタ部13、給紙部14、排紙部15、および画像形成制御部16を備える。
【0011】
コントロールパネル11は、ユーザの操作を受け付ける各種キーを備える。例えば、コントロールパネル11は、シートの後処理の種類に関する入力を受け付ける。コントロールパネル11は、入力された後処理の種類に関する情報を、シート後処理装置2に送る。
【0012】
スキャナ部12は、複写対象物の画像情報を読み取る読取部を備える。スキャナ部12は、読み取った画像情報を、プリンタ部13に送る。
【0013】
プリンタ部13は、スキャナ部12またはクライアントPC等の外部機器から送信された画像情報に基づき、トナーなどの現像剤によって出力画像(以下、「トナー像」と称する。)を形成する。プリンタ部13は、トナー像をシートの表面上に転写する。プリンタ部13は、シートに転写したトナー像に熱と圧力をかけて、トナー像をシートに定着させる。
【0014】
給紙部14は、プリンタ部13がトナー像を形成するタイミングに合わせて、シートを1枚ずつプリンタ部13に供給する。排紙部15は、プリンタ部13から排紙されるシートを、シート後処理装置2へ搬送する。
【0015】
図2に示すように画像形成制御部16は、画像形成装置1の全体の動作を制御する。すなわち、画像形成制御部16は、コントロールパネル11、スキャナ部12、プリンタ部13、給紙部14、および排紙部15を制御する。画像形成制御部16は、図示しないCPU、ROM、およびRAMを含む制御回路で形成される。
【0016】
次に、
図1、
図2を用いてシート後処理装置2の構成を説明する。
図1に示すように、シート後処理装置2は、画像形成装置1に隣接して配置される。シート後処理装置2は、画像形成装置1から搬送されるシートに、コントロールパネル11またはクライアントPC等の外部機器を通じて指定された後処理を実行する。例えば、後処理は、ステイプル処理またはソート処理である。
【0017】
シート後処理装置2は、待機部21、処理部22、排出部23、および後処理制御部24を備える。待機部21は、画像形成装置2から搬送されるシートS(
図3参照)を一時的に滞留(バッファ)させる。例えば、待機部21は、先行するシートSの後処理が処理部22で行われる間、後続の複数枚のシートSを待機させる。待機部21は、処理部22の上方に設けられる。待機部21は、処理部22のシートが排出部23に排出されると、滞留させていたシートSを処理部22に向けて落下させる。
【0018】
処理部22は、シートSに後処理を行う。例えば、処理部22は、複数枚のシートSを整合する。処理部22は、整合した複数枚のシートSにステイプル処理を行う。これにより、複数枚のシートSがステイプル針により綴じ合わされる。処理部22は、後処理を行ったシートSを排出部23へ排出する。
【0019】
排出部23は、固定トレイ23aと可動トレイ23bとを備える。固定トレイ23aは、シート後処理装置2の上部に設けられる。可動トレイ23bは、シート後処理装置2の側部に設けられる。可動トレイ23bには、ステイプル処理またはソート処理されたシートSが排出される。
【0020】
図2に示すように後処理制御部24は、シート後処理装置2の全体の動作を制御する。すなわち、後処理制御部24は、待機部21、処理部22、および排出部23を制御する。また
図2に示すように、後処理制御部24は、入口ローラ32a、出口ローラ33a、パドル部25、パドルモータ28、第1横整合モータ29aおよび第2横整合モータ29b、第1整合板51a、第2整合板51bを制御する。後処理制御部24は、CPU241、ROM242、およびRAM243を含む制御回路で形成される。なお、本実施形態では、第1横整合モータ29a、第2横整合モータ29bの二つのモータを用いているが、一つのモータによって各整合板51a、51bを移動させるように構成してもよい。
【0021】
図3は、シート後処理装置2の各部構成の詳細を模式的に示した図である。なお、本実施形態で記載する「シート搬送方向」とは、待機部21の待機トレイ211に対するシートSの搬送方向D(待機トレイ211へのシートSの進入方向)または、シートSが処理トレイ221から可動トレイ23bに搬送される方向を意味する。
【0022】
また本実施形態で記載する「上流側」および「下流側」とは、シート搬送方向Dにおける上流側および下流側をそれぞれ意味する。また本実施形態で記載する「先端部」および「後端部」とは、シート搬送方向Dにおける「下流側の端部」および「上流側の端部」をそれぞれ意味する。さらに本実施形態では、シート搬送方向Dと直交する方向を、シート幅方向Wと称する。
【0023】
以降、
図3に基づいて説明する。搬送路31は、シート供給口31pからシート排出口31dに至る搬送路である。シート供給口31pは、画像形成装置1に面した位置に配置される。シート供給口31pには、画像形成装置1からシートSが供給される。一方で、シート排出口31dは、待機部21の近傍に位置する。画像形成装置1から排出されたシートSは、搬送路31を経由して待機部21に排出される。
【0024】
入口ローラ32a,32bは、シート供給口31pの近傍に設けられる。入口ローラ32a,32bは、シート供給口31pに供給されたシートSを搬送路31の下流側に向けて搬送する。例えば、入口ローラ32a,32bは、シート供給口31pに供給されたシートSを出口ローラ33a,33bまで搬送する。
【0025】
出口ローラ33a,33bは、シート排出口31dの近傍に設けられる。出口ローラ33a,33bは、入口ローラ32a,32bによって搬送されたシートSを受け取る。出口ローラ33a,33bは、シートSをシート排出口31dから待機部21に搬送する。
【0026】
待機部21は、待機トレイ(バッファトレイ)211、搬送ガイド212、および排出ローラ213a,213b、開閉駆動部(図示しない)を有する。
【0027】
待機トレイ211の後端部は、出口ローラ33a,33bの近傍に位置する。待機トレイ211の後端部は、搬送路31のシート排出口31dよりもわずかに下方に位置する。待機トレイ211は、シート搬送方向Dの下流側に進むに従い徐々に高くなるように、水平方向に対して傾いている。待機トレイ211は、処理部22で後処理が行われる間、複数枚のシートSを重ねて待機させる。
【0028】
図4は、待機トレイ211と後述するパドル部25との関係を模式的に示した図である。待機トレイ211は、第1トレイ部材211a、第2トレイ部材211bを有する。第1トレイ部材211aおよび第2トレイ部材211bは、シート幅方向Wに互いに離間している。第1トレイ部材211aおよび第2トレイ部材211bは、開閉駆動部からの動力を受けて互いに近付く方向と、離れる方向とに移動する。
【0029】
第1トレイ部材211aと第2トレイ部材211bは、互いに近付いた状態において出口ローラ33a、33bから搬送されたシートSを支持する。一方、第1トレイ部材211aと第2トレイ部材211bは、シート幅方向Wにおいて離れる方向に離間することで待機トレイ211から処理トレイ221に向けてシートSを移動させる。これにより、待機トレイ211で支持されていたシートSは、第1トレイ部材211aと第2トレイ部材211bとの間の空間から処理トレイ221に向けて落下する。
【0030】
図3に示すアシストアーム41は、待機トレイ211の上方に設けられる。例えば、アシストアーム41は、シート搬送方向Dにおいて、待機トレイ211の略半分以上の長さを有する。本実施形態では、アシストアーム41は、シート搬送方向Dにおいて、待機トレイ211と略同じ長さを有する。アシストアーム41は、待機トレイ211の上方に広がる板状の部材である。アシストアーム41と待機トレイ211との間の空間には、出口ローラ33a,33bから排出されたシートSが進入する。
【0031】
図3に示す処理部22は、処理トレイ221、ステイプラ222、搬送ローラ223a,223b、および搬送ベルト224、ストッパ225、横整合部51を有する。
【0032】
処理トレイ221は、待機トレイ211の下方に設けられる。処理トレイ221は、シート搬送方向Dの下流側に進むに従い徐々に高くなるように、水平方向に対して傾いている。処理トレイ221は、待機トレイ211と略平行に傾いている。処理トレイ221に移動した複数枚のシートSは、横整合部51によってシート幅方向Wにおけるシート間のずれを整合される。
【0033】
ステイプラ222は、処理トレイ221の後端部に設けられる。ステイプラ222は、処理トレイ221に位置する複数枚のシートSの束にステイプル(綴じ合わせ)処理を行う。
【0034】
搬送ローラ223a,223bは、シート搬送方向Dに所定の間隔を空けて配置される。搬送ベルト224は、搬送ローラ223a,223bに掛け渡される。搬送ベルト224は、搬送ローラ223a,223bと同期して回転する。搬送ベルト224は、ステイプラ222と排出部23との間でシートSを搬送する。
【0035】
ストッパ225は、搬送ローラ223bからみてシート搬送方向上流に配置される。ストッパ225は、待機トレイ211から処理トレイ221に移動したシートSを当該部材に突き当てることによりシート搬送方向において整合するための部材である。言い換えると、ストッパ225は、シート搬送方向における整合を行う際のシート突き当て基準となる部材である。すなわち、シートSは、後述する第1パドル25a、第2パドル25bによりシート搬送方向上流に向けて移動され、ストッパ225に突き当てられることによりシート搬送方向に整合される。以降、シートSをシート搬送方向に整合すること(シートの幅方向Wに直交する方向のシートの端部を整合すること)を「縦整合処理」と称する場合もある。
【0036】
横整合部51は、第1整合板51aおよび第2整合板51bを有する。第1整合板51aは、シート後処理装置2のフロント側(手前側)に位置する整合板であり、第2整合板51bは、後処理装置2のリア側(奥側)に位置する整合板である。第1整合板51a、第2整合板51bは、シートの搬送方向に直交する方向であるW方向に移動可能である。第1整合板51a、第2整合板51bは、第1横整合モータ29a,第2横整合モータ29bによってシート幅方向Wに同期または各々独立して移動可能である。これにより、シートSの位置を変位させることができる。また、第1整合板51a、第2整合板51bは、シートSをソートする際にも使用する。第1整合板51aおよび第2整合板51bは、待機位置において所定の空間(間隔)を有して配置されている。この第1整合板51a、第2整合板51bが有する空間に、待機トレイ211から移動したシートSが積載される。シートSは、第1整合板51a、第2整合板51bにより挟み込まれることによりシートの搬送方向と直交する方向に整合される。なお、第1整合板51aには、ダンパーが設けられている。
【0037】
図3に示すパドル部25は、第1パドル25a、第2パドル25b、回転軸26、回転体27を有する。
【0038】
回転軸26は、後述する第1パドル25a、第2パドル25bの回転中心である。回転軸26は、待機トレイ211よりも下方に位置する。回転軸26は、シート幅方向Wに延びている。回転軸26は、パドルモータ28から駆動力を受けて
図3中の矢印A方向(反時計回りの方向)に回転する。また、パドル部25は、シート幅方向Wに置いて複数配置される(
図4参照)。
【0039】
また、
図4に示す通り、パドル部25は、シート幅方向Wに延びる回転軸26に複数設けられている。パドル部25は、処理トレイ221の中心部を挟んで、左右対称に所定の間隔を有して配置されている。また、第1パドル25a、第2パドル25bは、回転すると処理トレイ221と接触する関係にある。パドル部25は、回転軸26に取り付けられているため、回転軸26が回転すると当該回転に同期する。
【0040】
図5は、パドル部25の詳細な構造を示す図である。パドル部25は、第1パドル25a、第2パドル25b、回転体27を有する。
【0041】
回転体27は、一部の領域が欠けた円筒形の形状を有する。回転体27は、突起部271を有する。突起部271が回転軸26に予め設けられた溝に嵌合することにより回転軸26に着脱可能に装着される。回転軸26が
図3中の矢印A方向(反時計回り)に回転すると回転体27も同方向に回転する。また、第1パドル25aおよび第2パドル25bは、回転体27に取り付けられているため、回転軸26が
図3中の矢印A方向に回転すると回転体27と共に反時計回りに回転する。
【0042】
第1パドル25aおよび第2パドル25bは、ゴムや樹脂のような弾性材で形成される。第1パドル25aは、回転体27の径方向に突出して回転体27に取り付けられている。第1パドル25aは、回転体27の径方向に長さL1を有する。第1パドル25aは、回転体27の取付位置における厚みd1とパドル先端における厚みd2とが異なる形状を有する。詳しくは、第1パドル25aは、回転体27への取付位置x0から回転体27の径方向に突出する位置x1に至る領域において、厚みd1を有する。また、第1パドル25aは、位置x1から位置x2に至る領域において、位置x2に向かうに従って厚みd1が徐々に減少する形状を有する。第1パドル25aは、位置x2から位置x3に至る領域において、厚みd2(<d1)を有する。
【0043】
第2パドル25bは、第1パドル25aに対して所定の角度を有して配置される。言い換えると、第2パドル25bは
図3中の矢印A方向において第1パドル25aの後方に所定の距離を有して設けられる。
【0044】
第2パドル25bは、回転体27の径方向に突出して回転体27に取り付けられている。第2パドル25bの長さは、回転体27の径方向において、第1パドル25aの長さL1よりも短い長さL2を有する。また、第2パドル25bは、第1パドル25aと同様に回転体27の取付位置における厚みd1がパドル先端における厚みd2よりも厚い形状を有する。第2パドル25bの形状については第1パドル25aと同様であることから説明を省略する。
【0045】
図6から
図14を用いて、第1パドル25aおよび第2パドル25bの動作について説明する。
【0046】
図6は、第1パドル25aおよび第2パドル25bが回転する前の待機位置を示す図である。「待機位置」とは、シートSを出口ローラ33a、33bから待機トレイ211に向けて滞留させる時又はシートSを出口ローラ33a、33bから処理トレイ221に直接送る時に、第1パドル25a、第2パドル25bが待機する位置である。言い換えると、第1パドル25aおよび第2パドル25bがシートSに対して縦整合処理を行っていない時の位置である。
【0047】
第1パドル25aは、出口ローラ33bの軸からみて出口ローラ33bの外周面よりもシート搬送方向Dの下流側に突出しない位置に配置される。別の観点で見ると、第1パドル25aは、待機トレイ211からみて待機トレイ211近傍に位置する出口ローラ33bの外周面よりも搬送方向上流側に位置し、出口ローラ33bから待機トレイ211に搬送されるシートSの搬送を妨げない位置に配置される。また、第2パドル25bは、その端部が処理トレイ221のシートSから所定距離だけ離れた位置に配置される。
【0048】
図7は、第1パドル25aが待機トレイ211から処理トレイ221に移動するシートSに接触した状態を示す図である。後処理制御部24は、待機トレイ211に予め定められた枚数のシートSが滞留されると、一対の待機トレイ部材211a、211bをシート幅方向Wにおいて互いに離れる方向に駆動させ、滞留したシートSを処理トレイ221に移動させる。
【0049】
後処理制御部24は、パドルモータ28を駆動させることにより回転軸26を回転させる。第1パドル25aは、回転軸26の回転に付随して回転することで待機トレイ211から落下するシートSに接触し、処理トレイ221に向けて移動する力を加える。この第1パドル25aがシートSに接触して待機トレイ211から処理トレイ221に移動させる動作を第1動作とも称する。
【0050】
図8は、第1パドル25aが、さらに矢印A方向(反時計回り)に回転することで処理トレイ221に移動したシートSに縦整合処理を実行することを示す図である。
【0051】
第1パドル25aは、
図7の状態からさらに矢印A方向に回転することで処理トレイ221にシートSを導き、シートSを介して処理トレイ221に接触し、湾曲した状態となる(
図8参照)。第1パドル25aは、矢印A方向に回転することで湾曲した状態を維持しながら、処理トレイ221よりもシート搬送方向上流に位置するストッパ225に向けてシートSを移動させる。すなわち、第1パドル25aは、複数枚のシートSを処理トレイ221と共に挟み込んでストッパ225に向けて引き込むことで、縦整合処理を行う。第1パドル25aがシートSを縦整合処理する動作を第2動作とも称する。
【0052】
図9は、
図8で示した第1パドル25aによるシートSの縦整合処理後の第1パドル25aおよび第2パドル25bの状態を示す図である。
【0053】
第1パドル25aによるシートSへの縦整合処理が行われた後、第1パドル25aが処理トレイ221のシートSから離間した位置に到達すると、後処理制御部24は、パドルモータ28を制御して回転軸26の回転を停止する。これにより、第1パドル25aおよび第2パドル25bの回転は停止される。第2パドル25bは、処理トレイ221のシートSから所定の距離だけ離れた位置で停止する。すなわち、第1パドル25aおよび第2パドル25bは、第1パドル25aによるシートSへの縦整合処理が行われた後に、処理トレイ221のシートSから所定の距離だけ離れた位置で回転動作を停止する。
図9にて示すパドル部25の位置を停止位置という。
【0054】
ここで、第1パドル25aおよび第2パドル25bを処理トレイ221のシートSから所定の距離だけ離れた位置で停止させる理由は、以下の通りである。シートSに対して第1パドル25aで縦整合処理を行った後、横整合部51によりシート幅方向Wの端部を揃えるための処理(横整合処理)を実行する。この横整合処理を実行する時、第1パドル25aまたは第2パドル25bがシートSに接触していると、横整合処理の妨げとなるため、第1パドル25a、第2パドル25bをシートSから離間させている。
【0055】
図10は、第2パドル25bがシートSを縦整合処理することを示す図である。後処理制御部24は、パドルモータ28の駆動を制御して、第1パドル25aおよび第2パドル25bを、再び矢印A方向に回転させる。第1パドル25aおよび第2パドル25bは、パドルモータ28の駆動を得て反時計周りに回転する。
【0056】
以下では、第2パドル25bに着目して説明する。第2パドル25bは、湾曲した状態でシートSに接触し、ストッパ225に向けて引き込み動作を行う。この第2パドル25bによるシートSを縦整合処理する動作を第3動作と称する。
【0057】
ここで、第2パドル25bによりさらに縦整合処理を行う理由は以下である。第1パドル25aによりシートSをストッパ225へ向けて引き込む際、シートSの引き込み量が過大となる場合がある。この場合、シートSはストッパ225に突き当たり、その反発力によりシート搬送方向Dに向けてシートが移動し、シート搬送方向におけるシートの端部の整合が精度よく実行できない可能性が有る。そこで、第1パドル25aによりシートSの引き込み動作を行った後、第2パドル25bにより再度引き込み動作を行うことで、第1パドル25aで十分に縦整合処理が出来なかったシートSに対して再度縦整合処理を実行し、シート搬送方向における整合状態を向上させることが可能となる。
【0058】
図11は、第2パドル25bによる縦整合処理後、さらにA方向に回転させ、第1パドル25aで再び縦整合処理を実行する動作を示す図である。
【0059】
第1パドル25aは、矢印A方向に回転することで湾曲した状態を維持しながら、再びストッパ225に向けてシートSを移動させ、縦整合処理を行う。その後、第1パドル25aと第2パドル25bは、再度、停止位置(
図9参照)にて回転を停止する。
【0060】
図12は、第2パドル25bが複数枚のシートSを押さえる状態を示す図である。
【0061】
後処理制御部24は、停止位置(
図9参照)で停止している第1パドル25aおよび第2パドル25bを、矢印A方向に回転させた後、停止させる。第2パドル25bは、縦整合処理された複数枚のシートに接触して停止する。第2パドル25bは、端部がシートに接触して撓んだ姿勢となる。また、第1パドル25aは、パドルガイド29から突出しない位置で停止する
図13は、第2パドル25bが複数枚のシートSに接触した状態で後続のシートS´を受け入れる状態を示す図である。第1パドル25aは、パドルガイド29から突出しない位置で停止しているため、第2パドル25bでシートSを押さえた状態を保ちつつ、処理トレイ221への後続のシートS´の搬送が可能となる。出口ローラ33a、33bは、シートSを処理トレイ221へ搬送する。
【0062】
図14は、第1パドル25aおよび第2パドル25bが待機位置に戻った状態を示す図である。第1パドル25aおよび第2パドル25bは、
図13の状態からさらに矢印A方向に回転することで待機位置に戻る。これにより一連の動作を完了する。
【0063】
図15は、後処理制御部24が実行する
図6から
図14で示したパドル部25(第1パドル25a、第2パドル25b)の回転動作の制御を示したフローチャートである。なお、以降の説明では、第1パドル25aおよび第2パドル25bに共通する動作や処理を説明する場合は、便宜上、単にパドル部25と称する場合も有る。すなわち、パドル部25と示す場合は、第1パドル25aおよび第2パドル25bの双方を意図する。
【0064】
後処理制御部24は、パドルモータ28を正方向に駆動させることにより、第1パドル25aおよび第2パドル25bを回転軸26に対して矢印A方向(反時計回りの方向)に回転させる。また、後処理制御部24は、パドルモータ28を正方向とは逆の方向に駆動させることにより、第1パドル25aおよび第2パドル25bを回転軸26に対して時計回りに回転させる。
【0065】
まず、待機トレイ211に複数枚のシートSが滞留された状態となると、後処理制御部24は、パドルモータ28を正方向に駆動させ、パドル部25を矢印A方向に回転させる(Act101)。
【0066】
後処理制御部24は、パドル部25をシートSに接触させる(Act102)。第1パドル25aは、待機トレイ211から処理トレイ221に移動するシートに接触し、処理トレイ221へのシートSの移動が早まるようにアシストする(
図7参照)。
【0067】
後処理制御部24は、パドル部25の回転を継続させ、第1パドル25aに縦整合処理を実行させる(Act103)。第1パドル25aは、処理トレイ221に移動したシートSに対して縦整合処理を実行する(
図8参照)。すなわち、第1パドル25aは、処理トレイ221のシートSに接触してストッパ225に向けてシートSの引き込み動作を実行することでシート搬送方向DにおけるシートSの端部を精度良く揃える。
【0068】
後処理制御部24は、パドル部25が待機位置(
図6参照)から予め定められた角度θ1、回転したか否かを判断する(Act104)。パドル部25が予め定められた角度θ1、回転したと判断した場合(Act104のYes)、パドル部25の回転を停止させる(Act105)。このとき、パドル部25は、停止位置(
図9参照)で停止している。パドル部25が予め定められた角度θ1、回転していないと判断する場合(Act104のNo)、パドル部25の回転を継続させる。
【0069】
後処理制御部24は、Act105でパドル部25の回転を停止させた後、所定時間が経過したか否か判断する(Act106)。所定時間が経過していないと判断すると(Act106のNo)、所定時間が経過することを待機する。所定時間が経過したと判断すると(Act106のYes)、再び、パドル部25を回転させる(Act107)。パドル部25は、パドルモータ28から駆動を受けて停止位置(
図9参照)から矢印A方向(反時計回り)に回転する。
【0070】
後処理制御部24は、パドル部25の回転を継続させ、
図10に示すように第2パドル25bに縦整合処理を実行させる(Act108)。
【0071】
後処理制御部24は、パドル部25の回転を継続させ、
図11に示すように再度第1パドル25aに縦整合処理を実行させる(Act109)。
【0072】
後処理制御部24は、パドル部25が待機位置(
図6参照)から矢印A方向に予め定められた角度θ2、回転したか否かを判断し(Act110)、予め定められた角度θ2、回転したと判断した場合(Act110のYes)、パドル部25の回転を再び停止させる(Act111)。この時、パドル部25は、再び停止位置(
図9参照)にて停止する。
【0073】
次に、後処理制御部24は、パドル部25を停止位置(
図9参照)から所定角度θ3、回転させた後、回転を停止させる(Act112)。第2パドル25bは、所定角度θ3、回転した後、処理トレイ221のシートSに接触した状態で停止する(
図12参照)。第2パドル25bは、ゴムや樹脂のような弾性材で形成されているため、撓んだ姿勢で処理トレイのシートを押さえる。これにより、縦整合および横整合されたシートの整合状態が乱れることを防止することが出来る。第1パドル25aは、後続のシートS´の処理トレイ221への搬送を妨げない位置に位置する(
図14参照)。なお、角度θ1、θ2、θ3の絶対値の値は、θ3<θ1<θ2の関係である。
【0074】
後処理制御部24は、Act112にて処理したシートが最終シートであるか否かを判断する(Act113)。後処理制御部24は、最終シートではないと判断した場合(Act113のNo)、処理トレイ221への後続のシートS´の受け入れを待機する(Act115)。ここで、後続のシートS´が処理トレイ221に搬送される際に、後続のシートS´の先端部が処理トレイ221のシートSと接触することで、既に整合処理されたシートSに乱れを生じさせるおそれがある。
【0075】
しかしながら、本実施形態では、第2パドル25bが整合処理後のシートSを押さえているため、後続シートS´の先端部が処理トレイ221に接触した場合であってもシートSの整合状態が乱れることを抑制できる。
【0076】
なお、後処理制御部24は、Act115にて出口ローラ33a、33bを制御して後続のシートS´を処理トレイ221に搬送させた後、再度、パドル部25を矢印A方向(反時計回り)に回転させ、後続のシートSを処理トレイ221に導く(Act101)。その後の処理は、先に説明したAct102〜Act113の処理を実行する。
【0077】
一方、後処理制御部24は、最終シートであると判断した場合(Act113のYes)、パドル部25を待機位置に移動させ、一連の処理を終了する。
【0078】
本実施形態によれば、整合処理が実行された後のシートSを第2パドル25bで押圧するので、処理トレイのシートSが乱れることを防止することが可能となる。
【0079】
(第2の実施形態)
次に、
図16、17を用いて第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、処理トレイ221の複数枚のシートSをパドル部25で押さえた状態で、ステイプラ222によりステイプル処理を行う制御を実行する実施形態である。
【0080】
図16は、処理トレイ221におけるパドル部25、第1整合板51aおよび第2整合板51bの関係を示す図である。
【0081】
横整合部51(第1整合部51a、第2整合部51b)は、処理トレイ221において、待機位置、第1整合位置、第2整合位置に位置づけられる。
【0082】
「待機位置」は、出口ローラ33a、33bから排出されるシートS、又は待機トレイ211から移動するシートSを受け入れる時の位置である。なお、
図16における第1整合部51a、第2整合部51bの位置が待機位置である。
【0083】
「第1整合位置」は、第1整合板51a、第2整合板51bが処理トレイ221の中央部を基準に、シートの搬送方向と直交する方向にシートSを整合する位置である。また、「第1整合位置」に第1整合板51aと第2整合板51bが位置した時の互いの間隔は、整合対象のシートSの幅方向の長さよりも若干広い距離となるように予め設定されている。
【0084】
「第2整合位置」は、第1整合板51a、第2整合板51bが処理トレイ221の中央部を基準に、シートの搬送方向と直交する方向にシートSを整合する位置である。また、「第2整合位置」に第1整合板51aと第2整合板51bが位置した時の互いの間隔は、整合対象のシートSの幅方向の長さと同じ若しくは若干狭い距離となるように予め設定されている。
【0085】
なお、「処理トレイ221の中央部」とは、
図16を例示として説明するとX座標の値が0となる位置である。また、「待機位置」、「第1整合位置」、「第2整合位置」は、それぞれ処理トレイ221の中央部を挟んで、第1整合部51aおよび第2整合部51bが左右対称となる位置である。
【0086】
図16の下部に、第1整合板51a、第2整合板51bの各々の位置を説明するため、処理トレイ221の中央部を基準(X座標で0とする)として、−X3、−X2、−X1、X1、X2、X3の値を表記する。また、表1に、第1整合板51a、第2整合板51bが各動作位置に位置づけられた時のX座標の値を示す。なお、処理トレイ221の中央部のX座標の値を0とする。また、X1、X2、X3は、X1<X2<X3の関係である。
【表1】
【0087】
具体的には、横整合部51が「待機位置」に位置する場合、第1整合板51aはX座標の値がX3、第2整合板51bはX座標の値が−X3の地点、に位置する。
【0088】
横整合部51が「第1整合位置」に位置する場合、第1整合板51aはX座標の値がX2、第2整合板51bはX座標の値が−X2の地点、に位置する。「待機位置」より処理トレイ221の中央部に接近した位置である。第1整合板51aおよび第2整合板51bは、「第1整合位置」で複数枚のシートSを挟み込むことでシートの幅方向の端部を整える。
【0089】
横整合部51が「第2整合位置」に位置する場合、第1整合板51aはX座標の値がX1、第2整合板51bはX座標の値が−X1、にそれぞれ位置する。「第2整合位置」は、処理トレイ221の中央部を挟んで、第1整合部51aおよび第2整合部51bが左右対称となる位置であり、「待機位置」、「第1整合位置」より処理トレイ221の中央部に接近した位置である。第1整合板51aおよび第2整合板51bは、「第2整合位置」で複数枚のシートSを挟み込むことでシートの幅方向の端部をさらに整える。
【0090】
図17は、後処理制御部24が実行するパドル部25のシート押さえ動作を示すフローチャートである。なお、第1の実施形態と重複する説明については、簡略化して説明する。
【0091】
まず、待機トレイ211に複数枚のシートSが滞留された状態となると、後処理制御部24は、第1トレイ部材211aと第2トレイ部材211bとを離間する方向に駆動させる。複数枚のシートSは、待機トレイ211から処理トレイ221へ移動する。ここで、後処理制御部24は、パドル部25を回転させる(Act201)。パドル部25は、パドルモータ28の駆動力を受けて矢印A方向に回転を開始する。第1パドル25aは、待機トレイ211から処理トレイ221に移動するシートに接触する(
図7参照)。
【0092】
次に、後処理制御部24は、第1整合板51aおよび第2整合板51bを駆動させる(Act202)。第1整合板51aおよび第2整合板51bは、待機位置から第1整合位置へ向けて移動を開始する。
【0093】
後処理制御部24は、パドル部25の回転を継続させ、
図8に示すように第1パドル25aに縦整合処理を実行させる(Act203)。
【0094】
後処理制御部24は、パドル部25が予め定められた角度θ1、回転したと判断すると、パドル部25の回転を停止させる(Act204)。第1パドル25a、第2パドル25bは、処理トレイ221から互いに離れた停止位置で停止する(
図9参照)。
【0095】
後処理制御部24は、第1整合板51aと第2整合板51bを第1整合位置に停止させる(Act205)。ここで、パドル部25は、処理トレイ221の複数枚のシートSから離間しているため、第1整合板51aおよび第2整合板51bは、パドル部25の影響を受けることなく横整合処理を実行することが出来る。
【0096】
後処理制御部24は、パドル部25の回転が停止した後から所定時間が経過したと判断すると、パドル部25を再び矢印A方向に回転させる(Act206)。
【0097】
後処理制御部24は、
図10に示すように第2パドル25bに縦整合処理を実行させる(Act207)。ここで、第1整合板51aおよび第2整合板51bは、第1整合位置に位置づけられているため、第2パドル25bの縦整合処理時に起因したシートの幅方向の乱れを抑制することが出来る。
【0098】
後処理制御部24は、第2整合板51bを第1整合位置から第2整合位置に向けて移動させ、第2整合位置に到達すると移動を停止させる(Act208)。
【0099】
後処理制御部24は、パドル部25の回転を継続させる。後処理制御部24は、再び処理トレイ221のシートSに対して、第1パドル25aに縦整合処理(
図11参照)を実行させる(Act209)。
【0100】
後処理制御部24は、第1整合板51aを第1整合位置から第2整合位置にむけて移動させ、第2整合位置に到達すると停止させる(Act210)。第1整合板51aは、第2整合板51bとで複数枚のシートSを挟み込むことで、さらに横整合処理を実行する。
【0101】
次に、後処理制御部24は、パドル部25が予め定められた角度θ2だけ回転したと判断すると、パドル部25の回転を停止させる(Act211)。第1パドル25a、第2パドル25bは、停止位置で停止する(
図9参照)。
【0102】
後処理制御部24は、所定時間経過後にパドル部25を回転させ、シートSを押さえることが可能な位置で停止させる(ACT212)。第2パドル25bは、その端部で処理トレイ221のシートに接触する。第2パドル25bは、弾性材で形成されているため、撓んだ姿勢を保ったまま処理トレイ221の複数枚のシートSを押さえる(
図12参照)。なお、第1パドル25aは後続のシートSの搬送を妨げない位置に位置する(
図12、13参照)。
【0103】
後処理制御部24は、最終シートであるか否かを判断する(Act213)。後処理制御部24は、最終シートでないと判断した場合(Act213のNo)、後続のシートS´の処理トレイ221への受け入れを待機する(Act217)。以降の処理は上記した説明Act201〜Act213と同一であるため省略する。
【0104】
後処理制御部24は、最終シートであると判断した場合(Act213のYes)、ステイプラ222にステイプル処理を実行させるため、第1整合板51aおよび第2整合板51bを待機位置(
図10参照)へ向けて移動させる(Act214)。第1整合板51aおよび第2整合板51bは、第2整合位置から待機位置に向けて移動する。
【0105】
ここで、第2整合位置は、整合対象のシートSの幅方向の長さよりも若干狭い間隔として設定されている。このため、第1整合板51aと第2整合板51bとがシートSに横整合処理を実行すると一時的にシートが撓んだ状態となり、横整合処理後に第1整合板51aと第2整合板51bがシートSから離れるとシートの復元力で整合状態が乱れることが有る。しかしながら、第2パドル25bが処理トレイ221のシートSを押さえているため、シートの整合状態が乱れることを抑制できる。
【0106】
後処理制御部24は、第2パドル25bで押さえている複数枚のシートSに対してステイプラ222にステイプル処理を実行させる(Act215)。ステイプラ222は、第2パドル25bが処理トレイ221のシートSを押さえた状態で、ステイプル処理を実行することが出来るため良好な整合状態のシート束を得ることが出来る。
【0107】
後処理制御部24は、ステイプル処理が実行された後、パドル部25を待機位置(
図6参照)に回転させる(Act216)。以上により一連の処理が完了する。
【0108】
第2の実施形態では、第2パドル25bが処理トレイ221のシートSを押さえた状態で、ステイプル処理が実行されるため、良好な整合状態のシート束を得ることが出来る。また、縦整合処理および横整合処理を複数回実行した後、第2パドル25でシートを押さえているためシートの整合状態を良好に保つことが出来る。
【0109】
また、
図16にて示すように回転軸26に沿って取り付けられた複数の第2パドル25bでシートの後端部を押えているため、シートに外力が加わっても、シートの整合状態が乱れることをより抑制できる。
【0110】
(第3の実施形態)
次に、
図18を用いて第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、処理トレイ221の複数枚のシートSをパドル部25で押さえた状態で、ステイプラ222により1箇所又は2箇所ステイプル処理を行う場合の実施形態である。
【0111】
なお、本実施形態は、第2の実施形態の後処理制御部24が実行するAct201からAct213までの処理は同じであり、Act214以降の処理が異なる。
【0112】
図18は、後処理制御部24がステイプラ222を制御して実行する1箇所又は2箇所ステイプル処理の動作を示すフローチャートである。第2の実施形態と共通であるAct201からAct213の処理の説明は省略する。
【0113】
後処理制御部24は、Act201からAct213の処理を実行した後、画像形成制御部16から1箇所ステイプルまたは2箇所ステイプルのいずれのジョブであるかを判断する(Act301)。
【0114】
後処理制御部24は、1箇所ステイプルのジョブであると判断した場合(Act301の1箇所)、第1整合板51aを待機位置に移動させる(Act302)。
【0115】
後処理制御部24は、ステイプラ222にステイプル処理を実行させる(Act303)。
【0116】
後処理制御部24は、パドル部25を待機位置(
図6参照)に移動させ(Act304)、1箇所ステイプル止めされたシート束を可動トレイ23bに排出させて一連の処理を終了する。
【0117】
後処理制御部24は、2箇所ステイプルのジョブであると判断した場合(Act301の2箇所)、第1整合板51aを待機位置に移動させる(Act305)。
【0118】
後処理制御部24は、ステイプラ222で複数枚のシートSに対して1箇所目のステイプル処理を実行させる(Act306)。
【0119】
後処理制御部24は、パドル部25を待機位置(
図6参照)に移動させる(Act307)。
【0120】
これにより、ステイプル処理が完了した後の次のシートに対する処理を速やかに実行することが可能となり、シート後処理装置全体の処理速度の向上に寄与する。また、Act306でステイプル処理が1箇所実行されているため、パドル部25で押さえていなくても複数枚のシートSの整合性が大きく乱れることはない。
【0121】
後処理制御部24は、第2整合板51bを待機位置に移動させる(Act308)。
【0122】
後処理制御部24は、ステイプラ222を2箇所目のステイプル処理位置に移動させる(Act309)。
【0123】
後処理制御部24は、ステイプラ222に2箇所目のステイプル処理を実行させる(Act310)。ステイプラ222は、1箇所ステイプル処理されたシート束に対して2箇所目のステイプル処理を実行する。その後、後処理制御部24は、2箇所ステイプル止めされたシート束を可動トレイ23bに排出させて一連の処理が完了する。
【0124】
なお、第1から第3の実施形態は、第2パドル25bで処理トレイ221のシートを押さえる例を用いて説明したが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されない。すなわち、第1パドル25aで処理トレイ221のシートを押さえる形態であってもよい。第1パドル25aで処理トレイ221のシートを押さえる場合、第1パドル25aが複数回整合処理を実行しなくて済むため、シート後処理装置全体のシートの処理速度の向上に寄与する。
【0125】
また、第1から第3の実施形態は、パドル部を2回転させる例を用いて説明したが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されない。すなわち、第1パドル25aで処理トレイ221のシートに縦整合処理を実行した後に、第2パドル25bで縦整合処理されたシートを押さえる形態であってもよい。この場合、さらにシート後処理装置全体のシートの処理速度の向上に寄与する。
【0126】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。