(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記光アダプタは、前記光アダプタの併設方向に直交する両外面に突出する凸部を有し、前記揺動機構は、前記凸部の近傍を基準として前記光アダプタを揺動可能であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光アダプタ保持構造。
前記光アダプタは、前記凸部のそれぞれの形成面側であって、前記凸部と離間した位置に弾性部材を有し、前記凸部と前記弾性部材とで前記装着孔の縁部を挟み込むことが可能であり、
前記光アダプタが前記装着孔に挿入された状態において、前記弾性部材は、前記取付け具の一方の面と接触し、それぞれの接触部において接触方向とは逆方向に前記弾性部材が反力を受け、前記弾性部材の両側が受ける反力の釣り合う位置で前記光アダプタが保持され、前記光アダプタが力を受けると、前記弾性部材が変形することで、前記光アダプタが揺動可能であることを特徴とする請求項3記載の光アダプタ保持構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1の方法は、挿抜作業時には、まず挿抜したい光コネクタ105の光アダプタ取付け具107を、指の操作空間を確保可能な位置まで光アダプタ配列位置から外側へ外れる様に一方向へ回動させておく必要がある。すなわち、光コネクタ105の挿抜作業以前に光アダプタ100を回動させ、その状態を指等で押さえ、回動状態を保持しながら光コネクタ105の挿抜作業を行う必要があった。
【0010】
また、光アダプタ100の回動中心が、光アダプタ100の近傍に配置され、回動方向が光軸方向であるため、指の操作空間を作り出すためには、光アダプタ100の回動角度を大きくする必要がある。このため、光ファイバコードの移動量も大きくなり、光学的影響を伴う危険が有った。逆に光アダプタ100の回動中心を、光アダプタ100から遠くに配置すれば、回動角度を小さくすることはできるが、光アダプタ100から回動中心距離が長くなることで、光アダプタユニットが大きくなり、小空間に多くの光アダプタ100を実装したいという思想と矛盾したものになる。
【0011】
また、特許文献2も、特許文献1と同様に、光コネクタ105の挿抜動作の前に、予め、挿抜したい光アダプタ100の光アダプタ取付け具107を、指の操作空間を確保可能な位置まで回動させておく必要があるため、光コネクタ105の挿抜作業以前に回動作業を行い、その状態を指等で押さえ、回動状態を保持しながら光コネクタ105の挿抜作業を行う必要があった。
【0012】
また、特許文献2は、複数の光アダプタ回動面を共有とした構造であるため、例えば一番下側の光アダプタ100に光コネクタ105を挿抜したい場合には、他の全ての光アダプタ100を回動させる必要が生じ、不必要に光アダプタ100の回動動作が必要となる。
【0013】
更に、特許文献2は、どの光アダプタ100も回動中心が同一であり、一方のコネクタ側に配置されていることから、回動中心から遠い側の光コネクタ105の挿抜性は良いが、回動中心に近い側の光コネクタ105の挿抜性は向上しておらず、コネクタ挿抜性向上効果も限定的となる。また、光アダプタ100から回動中心までの距離も長いことから、光アダプタ取付け具107は光アダプタ100の段ごとに形状を変えた大型の物が必要となり、部材コストも高価となっている。
【0014】
また、特許文献2では、初期の光アダプタ取付け具107の位置又は姿勢を保持する機構がないため、小さな力で触れても、光アダプタ取付け具107の回動が発生する。通常、光ファイバコードを配線した場合には、配線コード長が適正長さに対して短い場合や長い場合があり、光コネクタ105が無理なく自然な状態で光アダプタ取付け具107に正対して装着されないこともある。この様な場合には、光アダプタ取付け具107の通常状態をある程度保持する機構が無いと、光ファイバコードの配線状態により、光アダプタ取付け具107が簡単に回動してしまう可能性がある。
【0015】
一方、特許文献1では、スプリングコイル106が設けられ、当該スプリングコイル106によって、回動した光アダプタ取付け具107を所定の位置に戻すことは可能であるが、通常状態の姿勢を保持しつつ、光ファイバコードや光コネクタ105に無理な力が作用した場合のみに光アダプタ100を回動させて、光学的影響を軽減することはできない。
【0016】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、小型であって作業性にも優れた光アダプタ保持構造等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前述した目的を達成するために、第1の発明は、複数の装着孔が併設された取付け具と、前記装着孔に装着される光アダプタと、前記取付け具に対して、前記光アダプタを揺動させることが可能な揺動機構と、を具備し、前記揺動機構は、任意の前記光アダプタに対して、所定以上の力が加わると、当該光アダプタの前記光アダプタが併設された方向への揺動を許容し、力が除荷されると、前記揺動機構における力の釣り合いにより、前記取付け具に対して略垂直な方向に前記光アダプタを保持することが可能であり、
併設する
前記装着孔
の間
の距離は、揺動前後で一定であることを特徴とする光アダプタ保持構造である。
【0018】
前記所定以上の力による、光アダプタの揺動開始モーメントが0.02N・m以上0.05N・m以下であることが望ましい。
【0019】
前記光アダプタは、前記光アダプタの併設方向に直交する両外面側に突出する凸部を有し、前記揺動機構は、前記凸部の近傍を基準として前記光アダプタを揺動可能であってもよい。
【0020】
前記光アダプタは、前記凸部のそれぞれの形成面側であって、前記凸部と離間した位置に弾性部材を有し、前記凸部と前記弾性部材とで前記装着孔の縁部を挟み込むことが可能であり、前記光アダプタが前記装着孔に挿入された状態において、前記弾性部材は、前記取付け具の一方の面と接触し、それぞれの接触部において接触方向とは逆方向に前記弾性部材が反力を受け、前記弾性部材の両側が受ける反力の釣り合う位置で前記光アダプタが保持され、前記光アダプタが力を受けると、前記弾性部材が変形することで、前記光アダプタが揺動可能であってもよい。
【0021】
前記光アダプタは、前記凸部の形成面に直交する両面側に、一対の弾性部材を有し、前記光アダプタが前記装着孔に挿入された状態において、前記弾性部材は、前記装着孔の縁部又は内面に接触し、それぞれの接触部において接触方向とは逆方向に前記弾性部材が反力を受け、両側の前記弾性部材が受ける反力の釣り合う位置で前記光アダプタを保持することが可能であり、前記光アダプタが力を受けると、前記弾性部材が変形することで、前記光アダプタが揺動可能であってもよい。
【0022】
前記取付け具の前記凸部が配置される側の面には、それぞれの前記凸部と対向する位置に弾性部材が配置され、前記光アダプタが前記装着孔に挿入された状態において、前記凸部は、前記弾性部材と前記取付け具で挟まれた状態で前記弾性部材に接触し、それぞれの接触部において接触方向とは逆方向に前記凸部は反力を受け、前記弾性部材から前記凸部が受ける反力の釣り合う位置で前記光アダプタを保持することが可能であり、前記光アダプタが力を受けると、前記弾性部材が変形することで、前記光アダプタが揺動可能であってもよい。
【0023】
前記光アダプタは、前記凸部と離間した位置に係止片を有し、前記凸部と前記係止片との間に前記装着孔の縁部を配置可能であり、前記取付け具の前記凸部が配置される側の面には、それぞれの前記凸部と対向する位置に弾性部材が配置され、前記光アダプタが前記装着孔に挿入された状態において、前記弾性部材は、前記凸部と前記取付け具の間に配置され、前記凸部が前記弾性部材に接触し、それぞれの接触部において接触方向とは逆方向に前記弾性部材が反力を受け、前記弾性部材から前記凸部が受ける反力の釣り合う位置で前記光アダプタを保持することが可能であり、前記光アダプタが力を受けると、前記弾性部材が変形することで、前記光アダプタが揺動可能であってもよい。
【0024】
前記光アダプタは、前記凸部と離間した位置に係止片を有し、前記凸部と前記係止片との間に前記装着孔の縁部を配置可能であり、前記取付け具には、前記光アダプタの併設方向に対して前記装着孔の対向する縁部近傍に弾性部材が配置され、前記光アダプタが前記装着孔に挿入された状態において、前記弾性部材は、前記光アダプタの側面と接触し、それぞれの接触部において接触方向とは逆方向に前記光アダプタが反力を受け、前記弾性部材から前記光アダプタが受ける反力の釣り合う位置で前記光アダプタを保持することが可能であり、前記光アダプタが力を受けると、前記弾性部材が変形することで、前記光アダプタが揺動可能であってもよい。
【0025】
前記光アダプタと前記取付け具の少なくとも一方に硬磁性体が固定され、前記光アダプタ又は前記取付け具の前記硬磁性体と対向する他方の部位は、前記硬磁性体と吸着可能な硬磁性体又は軟磁性体で構成され、前記光アダプタが前記装着孔に挿入された状態において、前記硬磁性体の吸着力によって前記光アダプタを保持することが可能であり、前記光アダプタが前記硬磁性体による吸着力以上の力を受けると、前記硬磁性体が対向面から離れることで、前記光アダプタが揺動可能であってもよい。
【0026】
前記光アダプタは、前記凸部と離間した位置に係止片を有し、前記凸部と前記係止片との間に前記装着孔の縁部を配置可能であり、前記光アダプタと前記取付け具の互いに対向する部位に、同極同士が対向するように硬磁性体がそれぞれ固定され、前記光アダプタが前記装着孔に挿入された状態において、前記硬磁性体同士の反発力が釣り合う位置で前記光アダプタを保持することが可能であり、前記光アダプタが力を受けると、前記硬磁性体同士の一部が近づくことで、前記光アダプタが揺動可能であってもよい。
【0027】
前記光アダプタは、前記凸部と離間した位置に係止片を有し、前記凸部と前記係止片との間に前記装着孔の縁部を配置可能であり、前記凸部が、軟磁性体で構成され、前記軟磁性体と対向する前記取付け具に硬磁性体が固定されてもよい。
【0028】
前記軟磁性体は、両端部が前記硬磁性体から離れる方向に折り曲げられていてもよい。
【0029】
第1の発明によれば、任意の光コネクタの挿抜を行う際に、隣り合う光アダプタとの隙間に指を挿入すると、光アダプタが高密度に配列されているため、隣り合う光アダプタや光コネクタにも指が触れ、隣り合う光コネクタは、コネクタの挿抜方向に対して横方向の力を受けることになる。この際、隣り合う光接続部材に所定以上の力が加わることで、当該光接続部材が揺動し、指の操作空間を作り出すことができ、力がなくなると元の位置に戻る。このように、挿抜対象となる光接続部材を揺動させるのではなく、隣り合う光接続部材を揺動可能にすることで、挿抜対象の光接続部材を回動させる動作や、元の位置に戻す動作が不要となり、作業性が良好となる。
【0030】
特に、揺動機構が、任意の光アダプタに対して、光アダプタの併設方向へ所定以上の力が加わると、当該光アダプタの当該方向への揺動を許容するようにすることで、光コネクタの挿抜時に、隣り合う光コネクタを対象となる光コネクタから離れる方向に確実に揺動させることができるため、作業が容易である。
【0031】
また、光アダプタの併設方向に直交する両外面側に突出する凸部を設け、凸部の近傍を基準として光アダプタを揺動可能とすることで、光アダプタの揺動中心を光アダプタの幅方向中央部付近とすることができ、揺動による光ファイバコードの移動量を少なくすることができる。また、揺動中心が取付け具近傍となるため、取付け具の表裏における光コネクタの挿抜作業性の差を最小化することができる。
【0032】
また、凸部と離間した位置に弾性部材を配置し、凸部と弾性部材とで装着孔の縁部を挟み込むようにすることで、光軸を対称に幅方向に均等な反発力が働くようにすることができるため、取付け具に対して光アダプタを垂直な姿勢で保持することができる。また、光アダプタの光軸に直交する方向に力が作用すると、光アダプタが傾斜し、一方の弾性部材の撓みが大きくなるが、力を除去すると通常の垂直な姿勢に戻すことができる。また、光アダプタの揺動中心を、凸部近傍とするため、光アダプタを揺動させるための回転軸等の部品が不要であり、小型且つ安価に光アダプタを揺動させることができる。
【0033】
このような効果は、光アダプタが、凸部の形成面に直交する両面側に、一対の弾性部材を設け、光アダプタが装着孔に挿入された状態において、弾性部材を装着孔の縁部又は内面に接触させても同様に得ることができる。
【0034】
また、取付け具の凸部が配置される側の面に、それぞれの凸部と対向する位置に弾性部材を配置して、光アダプタが装着孔に挿入された状態において、凸部が弾性部材と取付け具で挟まれた状態としても、同様の効果を得ることができる。
【0035】
さらに、取付け具の凸部が配置される側の面に、それぞれの凸部と対向する位置に弾性部材を配置し、光アダプタが装着孔に挿入された状態において、弾性部材を凸部と取付け具の間に配置するようにしても、同様の効果を得ることができる。この場合、凸部と離間した位置に係止片を形成することで、光アダプタの取付け具からの抜けを防止することができる。
【0036】
さらに、取付け具に、光アダプタの併設方向に対して装着孔の対向する縁部近傍に弾性部材を配置して、光アダプタが装着孔に挿入された状態において、弾性部材を光アダプタの側面と接触させても、同様の効果を得ることができる。この場合も、凸部と離間した位置に係止片を形成することで、光アダプタの取付け具からの抜けを防止することができる。
【0037】
また、光アダプタと取付け具の少なくとも一方に硬磁性体を固定し、光アダプタと取付け具の硬磁性体と対向する他方の部位を、硬磁性体と吸着可能な硬磁性体又は軟磁性体で構成し、光アダプタが装着孔に挿入された状態において、硬磁性体の吸着力によって光アダプタを保持するようにしても、同様の効果を得ることができる。
【0038】
また、光アダプタと取付け具の互いに対向する部位に、同極同士が対向するように硬磁性体をそれぞれ固定し、光アダプタが装着孔に挿入された状態において、硬磁性体同士の反発力が釣り合う位置で光アダプタを保持するようにしても、同様の効果を得ることができる。
【0039】
また、光アダプタは、凸部を軟磁性体で構成し、軟磁性体と対向する取付け具に硬磁性体を固定しても、同様の効果を得ることができる。また、それぞれの光アダプタごとに硬磁性体を固定する必要がなく、製造が容易である。
【0040】
また、軟磁性体の両端部を硬磁性体から離れる方向に折り曲げること、揺動を開始するための力と、硬磁性体と軟磁性体との吸着力とのバランスを適正にすることができる。
【0041】
第2の発明は、取付け具の装着孔に装着可能な光アダプタであって、光アダプタ本体の対向する両面において、軟磁性体と、前記軟磁性体と離間した位置に係止片が形成され、前記軟磁性体の
前記光アダプタ本体の対向面に直交する方向の両端部が、前記係止片から遠ざかる方向に向けて折り曲げられていることを特徴とする光アダプタである。
【0042】
第2の発明によれば、第1の発明と同様の効果を得ることができる。
【0043】
第3の発明は、第1の発明にかかる光アダプタ保持構造に対する光コネクタの挿抜方法であって、任意の前記光アダプタに対して、光コネクタを挿抜する際に、当該光アダプタに隣り合う他の光アダプタを、前記揺動機構によって前記光アダプタの併設方向に揺動させることで、当該光アダプタの周囲にスペースを形成し、挿抜作業を行った後には、前記揺動機構によって前記他の光アダプタを元の位置に戻し、
併設する
前記装着孔
の間
の距離は、揺動前後で一定であることを特徴とする光コネクタの挿抜方法である。
【0044】
第3の発明によれば、作業性が良好であり、容易にコネクタの挿抜作業を行うことができる。
【0045】
第4の発明は、第1の発明にかかる光アダプタ保持構造に対して接続された光ケーブルの曲げ半径の確認方法であって、前記揺動機構の揺動開始モーメントと、前記光アダプタに接続された前記光ケーブルに対して力を加えた際の、前記光アダプタにかかるモーメントと前記光ケーブルの曲げ半径との関係をあらかじめ取得し、全ての前記光アダプタが揺動しておらずに、通常状態を維持していることを確認することで、前記光アダプタにかかるモーメントが、前記揺動開始モーメント以下であることを確認し、前記光アダプタにかかるモーメントが所定以下であることから、前記光ケーブルの曲げ半径が所定以上であることを知ることを特徴とする光ケーブルの曲げ半径の確認方法である。
【0046】
第4の発明によれば、容易に、光コネクタに接続される光ケーブルの曲げ半径について、所定以上の曲げ半径となっていないかを確認することができる。
【発明の効果】
【0047】
本発明によれば、小型であって作業性にも優れた光アダプタ保持構造等を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0049】
(第1実施形態)
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例である光パッチパネル3を示す図であり、
図2は、ラック1を示す図である。ラック1は、例えば19インチラックであり、光パッチパネル3は、ラック1へ実装され、光パッチパネル3のマウント部4が、ラック1のフレーム2にねじ等によって固定される。
【0050】
光パッチパネル3の背面側より、外線ケーブル20が導入され、光パッチパネル3の後方に設けられた外線ケーブル固定部5において、外線ケーブル20が光パッチパネル3へ固定される。外線ケーブル20は光パッチパネル3内においてケーブルシース21が除去され、内部の光ファイバ心線22は、光ファイバ接続トレイ6まで配線される。光ファイバ心線22と、SC、LC又はMPO等(以下、単に「SC等」とする)の光コネクタ付き変換コード24とが融着等で接続される。光ファイバ接続トレイ6内において、それらの接続部は、光ファイバ心線22とSC等の光コネクタ付き変換コード24の余長と共に収納される。
【0051】
光パッチパネル3の前方には、SC等の光アダプタ10を装着可能な、板状の取付け具7が設けられる。取付け具7のさらに前方には、コード受けトレイ8が設けられる。コード受けトレイ8は、光コネクタ付き局内コード25を下側より受けることが可能である。
【0052】
取付け具7には、複数の光アダプタ10が装着され、光アダプタ10には、後方からは外線側光コネクタ27が挿入され、前方からは光コネクタ付き局内コード25の局内側光コネクタ28が挿入される。局内側光コネクタ28を挿入する光アダプタ10を任意に変えることにより、接続対象となる外線ケーブル20を切り替えすることが可能である。
【0053】
なお、光パッチパネル3の構造は、図示した例には限られない。例えば、光パッチパネル3の背面側から導入されるケーブルとして、光コネクタが付いていない外線ケーブル20を示したが、これは一例であって、光コネクタ付きコードまたは光コネクタ付きケーブルを導入しても良い。その場合には光ファイバ接続トレイ6を不要とした光パッチパネルの構造となる。
【0054】
次に、本発明にかかる光アダプタに共通する、光アダプタ等の動作について説明する。
図3は、取付け具7に光アダプタ10等が取り付けられた状態を示す図で、
図3(a)は正面図、
図3(b)は側面図(
図3(a)のA矢視図)、
図3(c)は平面図(
図3(a)のB矢視図)である。
【0055】
取付け具7には、略矩形の複数の装着孔9が併設される。それぞれの装着孔9には、光アダプタ10が装着される。なお、簡単のため、3つの光アダプタ10のみが装着孔9に装着された状態を図示する。前述したように、それぞれの隣り合う光アダプタ10同士は、極めて近接して配置される。また、本実施形態では、取付け具7に対して、光アダプタ10を揺動させることが可能な揺動機構を有するが、揺動機構については詳細を後述し、
図3においては図示を省略する。
【0056】
光アダプタ10は、光軸方向に垂直な断面が略矩形であり、光アダプタ10の上下面(光アダプタ10の併設方向に直交する両外面であって、
図3(a)の上下方向)には、それぞれ凸部12が突出する。凸部12を含めた光アダプタ10の全高は、装着孔9の高さよりも高いため、装着孔9に光アダプタ10を挿入すると、凸部12付近まで光アダプタ10は挿入される。一方、光アダプタ10の幅(光アダプタ10の併設方向を幅方向とする)に対して、装着孔9の幅は十分に大きい。このため、光アダプタ10と装着孔9の両縁部との間にはそれぞれ所定のクリアランスが形成される。なお、クリアランスは、後述する光アダプタ10の揺動可能範囲に応じて設定される。
【0057】
次に、光アダプタ保持構造に対する光コネクタの挿抜方法について説明する。
図4は、光アダプタ10の動作を示す図である。まず、
図4(a)に示すように、図中中央の光アダプタ10へ、局内側光コネクタ28を接続する際には、局内側光コネクタ28を、対象となる光アダプタ10の方向へまっすぐに移動させる(図中矢印C方向)。この際、隣り合う局内側光コネクタ28や光アダプタ10との間隔が狭いため、指が隣り合う局内側光コネクタ28や光アダプタ10と接触する。
【0058】
この際、光アダプタ10と取付け具7との取付け部には、後述する揺動機構が設けられるため、指が触れた局内側光コネクタ28や光アダプタ10は、光アダプタ10の併設方向に対して揺動する(図中矢印D方向)。すなわち、任意の光アダプタ10に対して、光コネクタを挿抜する際に、当該光アダプタ10に隣り合う他の光アダプタ10を、後述する揺動機構によって、光アダプタ10の併設方向に揺動させることで、当該光アダプタ10の周囲にスペースを形成することができる。このように、対象となる光アダプタ10の周囲に作業スペースが確保され、
図4(b)に示すように、局内側光コネクタ28を光アダプタ10に挿入することができる。
【0059】
この後、局内側光コネクタ28同士の隙間から指を抜き取ると、元の状態(
図3(c))に戻る。すなわち、挿抜作業を行った後には、揺動機構によって隣り合う他の光アダプタ10を元の位置に戻すことができる。このように、揺動機構は、任意の光アダプタ10に対して、所定以上の力が加わると、当該光アダプタ10の当該方向への揺動を許容し、力が除荷されると、取付け具7に対して略垂直な方向に光アダプタ10を保持することを可能とするものである。
【0060】
なお、局内側光コネクタ28を光アダプタ10から抜き取る際にも同様である。また、局内側光コネクタ28の挿抜作業の際には、他方の外線側光コネクタ27同士が近づく方向に揺動するが、外線側光コネクタ27の挿抜作業時には、外線側光コネクタ27同士の間隔が広がり、局内側光コネクタ28同士の間隔が狭くなるように光アダプタ10が揺動する。
【0061】
このように、本発明の揺動機構は、挿抜対象となる光アダプタ10を揺動させるのではなく、その隣り合う光アダプタ10を揺動させるものであり、光コネクタの挿抜作業の際には、揺動状態を手で保持しておく必要がない。すなわち、作業の際に触れる指によって、光アダプタ10は必要量だけ揺動し、作業を終えると、光アダプタ10は自然に元の状態に戻る。
【0062】
ここで、光アダプタ10の揺動角度としては、±20度程度以下とすることが望ましい。これより大きな揺動角度とした場合には、光アダプタ10の揺動時に、隣接する光コネクタ付き変換コード24又は光コネクタ付き局内コード25同士が干渉し、光学的影響を及ぼす可能性がある。このため、装着孔9の幅は、光アダプタ10の揺動角度が上記範囲となるように設定される。すなわち、光アダプタ10の幅に対して、装着孔9の幅を所定以上大きくすることで、光アダプタ10の揺動を許容し、装着孔9の幅を所定以上小さくすることで、光アダプタ10の揺動角度を±20度以下に規制することができる。
【0063】
なお、一般的に、LC等の光アダプタ10は、光軸方向に対し長方形断面を有しており、短辺と長辺とが存在する。この際、揺動方向と短辺が平行となるように(すなわち、長辺側に揺動可能となるように)光アダプタ10を取付け具7に配置した方が、光アダプタ10の揺動時の移動量を少なくすることができるため望ましい。この時、光アダプタ10は、単芯型、複数芯型のいずれであっても良い。
【0064】
次に、揺動機構について詳細に説明する。
図5は、弾性部材40を用いた揺動機構を有する光アダプタ保持構造を示す図であり、
図5(a)は正面図、
図5(b)は側面図(
図5(a)のA矢視図)、
図5(c)は平面図(
図5(a)のB矢視図)である。また、
図6(a)は、揺動機構近傍の拡大図である。
【0065】
本実施形態の揺動機構は、任意の光アダプタ10に対して、光アダプタの併設方向へ所定以上の力が加わると、当該光アダプタの当該方向への揺動を許容することが可能である。この際、凸部12は、光アダプタ10の揺動方向に直交する向きに設けられる。すなわち、揺動機構は、前述した凸部12の近傍を基準として光アダプタ10を揺動可能である。
【0066】
光アダプタ10は、凸部12のそれぞれの形成面側であって、凸部12と離間した位置に弾性部材40を有する。弾性部材40は、例えば金属製の板バネからなる。光アダプタ10の上下面の弾性部材40は、例えば一体で構成される。この際、略コの字状の弾性部材40を、光アダプタ本体の上面、下面及び両者をつなぐ一方の側面に設けられた抜け止め用アタッチメント装着凹部に篏合するように取り付けることで、弾性部材40が光アダプタ10に固定される。なお、弾性部材40の固定方法は特に限定されない。
【0067】
図5(b)、
図5(c)に示すように、凸部12と弾性部材40とで取付け具7(装着孔9の縁部)を挟み込むことで、光アダプタ10が取付け具7に取り付けられる。ここで、それぞれの弾性部材40には、光アダプタ10の幅方向に張り出すように、それぞれ左右対称のウィング部41a、41b(ウィング部41a、41bを合わせてウィング部41とする場合がある)が設けられる。ウィング部41は、対向する凸部12の方向(取付け具7の方向)に向けて、徐々に互いの幅が広くなるように形成される。光アダプタ10が装着孔9に挿入された状態においては、弾性部材40(ウィング部41)の端部は、取付け具7の一方の面と接触する。
【0068】
なお、光アダプタ10を取付け具7に取り付ける際には、まず、弾性部材40を装着していない状態の光アダプタ10を、取付け具7の一方の側から、凸部12が取付け具7に突き当たるまで装着孔9に挿入する。次に、取付け具7の他方の側から、ウィング部41a及び41bを撓ませながら光アダプタ10へ弾性部材40を取り付ける。以上により、光アダプタ10を取付け具7に取り付けることができる。
【0069】
なお、
図6(a)に示す状態(すなわち、外力がかかっていない状態であって、以下、「通常状態」とする。)では、ウィング部41a、41bは均等に撓んでいる。このため、光アダプタ10は、取付け具7に対し垂直な姿勢を維持することができる。すなわち、弾性部材40と取付け具7との接触部において、接触方向とは逆方向に弾性部材40が反力を受け、弾性部材40の両側(ウィング部41a、41b)が受ける反力の釣り合う位置で光アダプタ10が保持される。
【0070】
この状態から、光アダプタ10が、光アダプタ10の併設方向に対して力を受けると、弾性部材40(ウィング部41a、41b)が変形することで、光アダプタ10が揺動する。
図6(b)は、光アダプタ10が揺動した状態を示す図あり、
図6(c)は、この状態における揺動機構近傍の拡大図である。外線側光コネクタ27又は局内側光コネクタ28が、光軸に直交する外力を受けた場合には、光アダプタ10が凸部12の端部を中心に傾斜する。この際、傾斜中心から遠い側のウィング部41(図では、ウィング部41b)は、取付け具7に接近し、通常状態時よりも、ウィング部41の撓みが更に大きくなることで反発力が高まる。すなわち、光アダプタ10は、この弾性部材40による反発力よりも大きな力が付与されると揺動を開始する。
【0071】
この状態から、外力を取り除くと、ウィング部41a、41bの反発力が均衡にある光アダプタ10の通常状態に戻る。すなわち、外力がなくなると、光アダプタ10は、取付け具7に対して垂直姿勢に戻る。
【0072】
以上、第1の実施形態によれば、光アダプタ10に対して、光アダプタ10の併設方向に外力が付与された際に、弾性部材40(ウィング部41)の弾性変形によって、光アダプタ10の揺動を許容することができる。この際、挿抜対象の光アダプタ10を、所望の方向に回動させておく作業が不要であり、コネクタ挿抜時にも、接続対象となる光アダプタ10の揺動状態を押さえておく必要もない。また、外力がなくなると、両ウィング部41a、41bの釣り合う位置で、光アダプタ10を取付け具7に対して略垂直な姿勢に戻すことができる。このため、小型であって作業性にも優れた光アダプタ保持構造等を得ることができる。
【0073】
(第2実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
図7は、第2の実施形態の光アダプタ10aを示す図である。なお、以下の説明において、第1の実施形態と同様の機能を奏する構成については、
図1〜
図6と同一の符号を付す。また、各実施形態に対しては、重複する説明を省略する。
【0074】
光アダプタ10aは、光アダプタ10と略同様の構成であるが、揺動機構として弾性部材40aが用いられる点で異なる。光アダプタ10aにおいて、金属製板バネからなる弾性部材40aは、左右対称に2分割されており、例えば、光アダプタ10aの上面及び下面に設けられた抜け止め用アタッチメント装着凹部へ篏合することで、弾性部材40aが光アダプタ10aへ固定される。
【0075】
それぞれの弾性部材40aは、光アダプタ10aの幅方向の側面において、ウィング部41を有する。すなわち、光アダプタ10aは、凸部12の形成面に直交する両面側に、一対の弾性部材40a(ウィング部41)を有する。光アダプタ10aの両側面におけるウィング部41は、後方(光アダプタ10aを取付け具7へ取り付ける方向とは逆側)に向かうにつれて、徐々に幅が広くなるように形成される。
【0076】
光アダプタ10aの上下面には、凸部12の方向に向けて、凸部12から離間した位置に係止片42が形成される。係止片42は、光アダプタ10aを装着孔9に装着する際には、装着孔9の縁部によって押さえられて変形する。さらに、凸部12が取付け具7に接触するまで光アダプタ10aを取付け具7(装着孔9)に押し込むと、係止片42の先端が取付け具7を完全に通過して、変形が元に戻る。すなわち、係止片42が光アダプタ10aの上下に広がる。
【0077】
ここで、光アダプタ10aの上下面における、凸部12同士の全高と、係止片42の先端部同士の全高は、装着孔9の高さよりも大きいため、凸部12と係止片42とで取付け具7(装着孔9の縁部)を挟み込み、光アダプタ10aを取付け具7に取り付けることができる。すなわち、係止片42が取付け具7の装着孔9を通過することで、光アダプタ10aが取付け具7からの脱落防止となり、光アダプタ保持構造を得ることができる。
【0078】
光アダプタ10aが装着孔9に挿入された状態において、光アダプタ10aの両側の弾性部材40a(ウィング部41)は、装着孔9の縁部又は内面に接触する。弾性部材40a(ウィング部41)と取付け具7との接触部においては、接触方向とは逆方向に弾性部材40a(ウィング部41)が反力を受ける。この際、通常状態では、両側の弾性部材40a(ウィング部41)が受ける反力の釣り合う位置で光アダプタ10aを保持することが可能である。すなわち、この場合、両側の弾性部材40a(ウィング部41)の撓みによる反発力が均衡していることから、光アダプタ10aは、取付け具7に対して、略垂直な姿勢を維持することができる。
【0079】
また、光アダプタ10aが、光アダプタ10aの併設方向に外力を受けると、弾性部材40a(ウィング部41)が変形することで、光アダプタ10aが揺動可能である。より詳細には、光アダプタ10aが揺動する方向に外力を受けた場合には、凸部12の端部を中心に傾斜し、傾斜中心から近い側のウィング部の撓みが大きくなることで反発力が高まる。また、外力を取り除くとウィング部41の反発力が均衡にある通常状態(光アダプタ10aの垂直姿勢)へ戻すことができる。
【0080】
なお、凸部12と係止片42の先端部との間隔は、取付け具7の厚み以上である。すなわち、凸部12又は係止片42と、取付け具7との間にはクリアランスが確保される。このようにすることで、光アダプタ10aが揺動する際に、係止片42が揺動の妨げとなることがない。
【0081】
第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、光アダプタ10aは、変形可能な係止片42を有するため、弾性部材40aが取り付けられた光アダプタ10aを装着孔9に挿入するだけで、光アダプタ10aを取付け具7に取り付けることができる。
【0082】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。
図8は、第3の実施形態の光アダプタ10bを示す図である。光アダプタ10bは、光アダプタ10と略同様の構成であるが、揺動機構として弾性部材40bが用いられる点で異なる。取付け具7に光アダプタ10bを取り付けた状態において、取付け具7の凸部12が配置される側の面には、光アダプタ10の上下のそれぞれの凸部12と対向する位置に、金属製板バネからなる弾性部材40bが配置される。弾性部材40bは、取付け具7に対して、例えばネジ等により固定される。
【0083】
上下のそれぞれの弾性部材40bは、互いに近づく方向にいくにつれて、取付け具7から離れるように形成される。なお、それぞれの弾性部材40bには、一対のウィング部41a、41bが形成され、光アダプタ10bの幅方向に離間して配置される。すなわち、ウィング部41a、41bは凸部12の中心を対称に左右均等の形状となっている。光アダプタ10bが装着孔9に挿入された状態において、凸部12は、弾性部材40b(ウィング部41a、41b)と取付け具7で挟まれた状態で弾性部材40bに接触する。
【0084】
なお、光アダプタ10bを用いた光アダプタ保持構造は、以下のように得ることができる。まず、弾性部材40bを取り付ける前の状態で、光アダプタ10bの本体を凸部12が取付け具7に突き当たるまで装着孔9に挿入する。その後に、弾性部材40bで、凸部12を取付け具7へ押さえつけるように、弾性部材40bを取付け具7へ取り付ける。弾性部材40bによって、光アダプタ10bは、取付け具7方向に押さえつけられるため、弾性部材40bは、光アダプタ10bの抜け止めとしても機能する。以上により、光アダプタ保持構造を得ることができる。
【0085】
光アダプタ10bが装着孔9に挿入された状態においては、弾性部材40bと凸部12との接触部において、接触方向とは逆方向に凸部12は反力を受ける。弾性部材40b(ウィング部41a、41b)から凸部12が受けるそれぞれの反力が釣り合う位置で、光アダプタ10bを保持することが可能である。すなわち、凸部12はウィング部41a、41bにより、取付け具7側に押し付けられているため光アダプタ10bは取付け具7に対し略垂直な姿勢を維持することができる。
【0086】
また、光アダプタ10bが、光アダプタ10bの併設方向に外力を受けると、弾性部材40b(ウィング部41a、41b)が変形することで、光アダプタ10bが揺動可能である。より詳細には、光アダプタ10bが揺動する方向に外力を受けた場合には、凸部12の端部を中心に傾斜し、傾斜中心から遠い側のウィング部41の撓みが大きくなることで反発力が高まる。また、外力を取り除くとウィング部41の反発力が均衡にある通常状態(光アダプタ10bの垂直姿勢)へ戻ることができる。
【0087】
第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、光アダプタ10bには、弾性部材等を取り付ける必要がないため、従来使用されてきた光アダプタをそのまま使用することができる。
【0088】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。
図9は、第4の実施形態の光アダプタ10cを示す図である。光アダプタ10cは、光アダプタ10bと略同様の構成であるが、揺動機構として弾性部材40cが用いられる点で異なる。弾性部材40cは、前述した弾性部材40bと同様の構造であるが、光アダプタ10cが挿入される前に、予め取付け具7にねじ等で固定される。すなわち、取付け具7に対して、光アダプタ10cの凸部12が配置される側の面には、それぞれの光アダプタ10cの上下のそれぞれの凸部12と対向する位置に弾性部材40cが配置される。
【0089】
また、光アダプタ10cの上下面には、凸部12の方向に向けて、凸部12から離間した位置に係止片42が形成される。なお、係止片42は、光アダプタ10aにおけるものと同じ構成である。すなわち、係止片42が取り付けられた光アダプタ10cを装着孔9に挿入するだけで、凸部12と係止片42との間に装着孔9の縁部が配置されて、光アダプタ10cが取付け具7に取り付けられた光アダプタ保持構造を得ることができる。
【0090】
光アダプタ10cが装着孔9に挿入された状態において、弾性部材40c(ウィング部41a、41b)は、凸部12と取付け具7の間に配置され、凸部12が弾性部材40cに接触する。この際、凸部12と弾性部材40cとの接触部において、接触方向とは逆方向に弾性部材40cが反力を受ける。すなわち、弾性部材40cは、光アダプタ10bを取付け具7から遠ざける方向に力を作用させる。
【0091】
このように、常に凸部12は弾性部材40c(ウィング部41a、41b)により取付け具7から遠ざかる方向に、均等に力が働いているため、光アダプタ10cは、取付け具7に対し垂直な姿勢を維持する。このように、弾性部材40c(ウィング部41a、41b)から凸部12が受ける反力の釣り合う位置で、光アダプタ10cを保持することが可能である。
【0092】
また、光アダプタ10cが、光アダプタ10cの併設方向に外力を受けると、弾性部材40c(ウィング部41a、41b)が変形することで、光アダプタ10cが揺動可能である。より詳細には、光アダプタ10cが揺動する方向に外力を受けた場合には、凸部12の端部を中心に傾斜し、傾斜中心から遠い側のウィング部41の撓みが大きくなることで反発力が高まる。また、外力を取り除くとウィング部41の反発力が均衡にある通常状態(光アダプタ10cの垂直姿勢)へ戻ることができる。
【0093】
第4の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、光アダプタ10cは、変形可能な係止片42を有するため、弾性部材40cが取り付けられた取付け具7の装着孔9に挿入するだけで、光アダプタ10cを取付け具7に取り付けることができる。
【0094】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。
図10は、第5の実施形態の光アダプタ10dを示す図である。光アダプタ10dは、光アダプタ10と略同様の構成であるが、揺動機構として弾性部材40dが用いられる点で異なる。取付け具7には、光アダプタ10dの併設方向に対して、装着孔9の対向する縁部近傍に金属製板バネからなる弾性部材40d(ウィング部41a、41b)がそれぞれ配置され、取付け具7にねじ等で固定される。
【0095】
弾性部材40dは、互いに対向する面(すなわちウィング部41a、41b)を有し、取付け具7に対して、光アダプタ10dの挿入側とは逆側に配置される。なお、弾性部材40dは、取付け具7に対して、光アダプタ10dの挿入側に配置されてもよい。
【0096】
また、光アダプタ10dの上下面には、凸部12の方向に向けて、凸部12から離間した位置に係止片42が形成される。なお、係止片42は、光アダプタ10aにおけるものと同じ構成である。すなわち、係止片42が取り付けられた光アダプタ10dを装着孔9に挿入するだけで、凸部12と係止片42との間に装着孔9の縁部が配置されて、光アダプタ10dが取付け具7に取り付けられた光アダプタ保持構造を得ることができる。
【0097】
光アダプタ10dが装着孔9に挿入された状態において、弾性部材40dは、光アダプタ10dの側面と接触する。すなわち、光アダプタ10dの両側面が、弾性部材40d(ウィング部41a、41b)で挟まれた状態となる。この状態では、光アダプタ10dの側面と弾性部材40dのそれぞれの接触部において、接触方向とは逆方向に光アダプタ10dが反力を受ける。この際、弾性部材40d(ウィング部41a、41b)から、光アダプタ10dが受ける反力の釣り合う位置で光アダプタ10dを保持することが可能である。すなわち、光アダプタ10dに対して、左右から均等に押圧力が働いているため、光アダプタ10dは取付け具7に対し垂直な姿勢を維持することができる。
【0098】
また、光アダプタ10dが、光アダプタ10dの併設方向に外力を受けると、弾性部材40d(ウィング部41a、41b)が変形することで、光アダプタ10dが揺動可能である。より詳細には、光アダプタ10dが揺動する方向に外力を受けた場合には、凸部12の端部を中心に傾斜し、傾斜中心から遠い側のウィング部41の撓みが大きくなることで反発力が高まる。また、外力を取り除くとウィング部41の反発力が均衡にある通常状態(光アダプタ10dの垂直姿勢)へ戻ることができる。
【0099】
第5の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、光アダプタ10dは、変形可能な係止片42を有するため、弾性部材40dが取り付けられた取付け具7の装着孔9に挿入するだけで、光アダプタ10dを取付け具7に取り付けることができる。
【0100】
なお、前述した第1の実施形態から第5の実施形態において、それぞれの弾性部材は、金属製板バネであったが、これには限定されない。例えば、弾性部材としては、可撓性のあるプラスチック、発泡体、ゴム等から成るものであってもよい。また、弾性部材の形状も板状には限定されず、コイルなどの弾性機能を有するものであっても良い。
【0101】
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態について説明する。
図11は、第6の実施形態の光アダプタ10eを示す図である。前述した第1の実施形態から第5の実施形態までは、揺動機構として弾性部材が用いられた例を説明したが、本実施形態では、揺動機構に硬磁性体(磁石)が用いられた光アダプタ保持構造となる。
【0102】
光アダプタ10eの上下のそれぞれの凸部12の前面(取付け具7との対向面側)には、硬磁性体43が固定される。例えば、フェライトやネオジムなどからなる板状の硬磁性体43が、接着剤等で凸部12に固定される。すなわち、硬磁性体43が、光アダプタ10eの上下に突出するように配置される。なお、光アダプタ10eの本体に凸部12を設ける必要はなく、硬磁性体43自体を、凸部としての機能させることができる。したがって、例えば、凸部12以外の部位に硬磁性体43を固定してもよく、硬磁性体43の固定方法は特に限定されない。
【0103】
一般的に、光アダプタが取り付けられる取付け具7は、板厚が1.6mm〜2.0mm程度の鋼板製である。すなわち、取付け具7は、硬磁性体43が強固に吸着可能な軟磁性体で構成される。なお、取付け具7が樹脂等で構成される場合には、取付け具7の硬磁性体43との対向面に、硬磁性体43と吸着可能なように、軟磁性体や硬磁性体からなる板材を張り付けてもよい。
【0104】
光アダプタ10eを装着孔9に挿入すると、硬磁性体43が取付け具7の表面に吸着する。この際、硬磁性体43は、光アダプタ10eの上下方向に略垂直に起立し、光アダプタ10eの上下の硬磁性体43の吸着面は略同一面上に配置される。また、硬磁性体43は、光アダプタ10eの幅方向に対称に(幅方向の左右に均等となるように)配置される。このため、硬磁性体43の平坦面と取付け具7の平坦面とが吸着し光アダプタ10eが取付け具7に取り付けられる。なお、光アダプタ10eは、硬磁性体43と取付け具7との吸着力により抜け止めとなるが、前述した係止片と組わせてもよい。
【0105】
このように、光アダプタ10eが装着孔9に挿入された状態において、硬磁性体43の吸着力によって光アダプタ10eを保持することが可能であるため、通常時には、光アダプタ10eは、磁力による吸着力によって取付け具7に対して略垂直に取付けられ、その姿勢を維持することができる。
【0106】
また、光アダプタ10eが、光アダプタ10eの併設方向に対して、硬磁性体43による吸着力以上の力を受けると、硬磁性体43の一方の端部が取付け具7から浮き上がり、光アダプタ10eが揺動可能である。より詳細には、光アダプタ10eが揺動する方向に外力を受けた場合には、硬磁性体43の端部を中心に傾斜し、硬磁性体43が取付け具7の対向面から離れる。この状態から、外力を取り除くと、硬磁性体43と軟磁性を有する取付け具7との間には常に吸着磁力が作用しているため、光アダプタ10eを、通常状態(光アダプタ10eの垂直姿勢)へ戻すことができる。
【0107】
第6の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。このように、弾性部材に代えて硬磁性体43による吸着力を用いても同様の揺動機構を得ることができる。なお、隣り合う光アダプタ10e同士が干渉しない範囲であれば、硬磁性体43は、光アダプタ10eの幅方向の両側面に対して対称となるように配置してもよい。
【0108】
(第7の実施形態)
次に、第7の実施形態について説明する。
図12は、第7の実施形態の光アダプタ10fを示す図である。光アダプタ10fは、光アダプタ10eと略同様の構成であるが、硬磁性体43aが用いられる点で異なる。光アダプタ10fは、光アダプタ10eと同様に、上下面にそれぞれ硬磁性体43が設けられる。
【0109】
また、光アダプタ10fの上下面には、硬磁性体43の方向に向けて、硬磁性体43(すなわち凸部として機能する部位)から離間した位置に係止片42が形成される。なお、係止片42は、光アダプタ10a等におけるものと同じ構成である。すなわち、係止片42が取り付けられた光アダプタ10dを装着孔9に挿入するだけで、硬磁性体43と係止片42との間に装着孔9の縁部が配置されて、光アダプタ10fが取付け具7に取り付けられた光アダプタ保持構造を得ることができる。
【0110】
また、光アダプタ10fと取付け具7の互いに対向する部位には、硬磁性体43aが配置される。この際、光アダプタ10fと取付け具7との対向位置にそれぞれ配置される硬磁性体43、43aは、互いに同極同士が対向するように固定される。すなわち、硬磁性体43と硬磁性体43aが互いに反発しあう。なお、取付け具7が軟磁性体である場合には、硬磁性体43aは、取付け具7に対して磁力によって取り付けられる。
【0111】
ここで、硬磁性体43は、光アダプタ10eの幅方向に対称となるように配置される。また、硬磁性体43と硬磁性体43aとの反発力は、光アダプタ10aの幅方向に対して略均等となるように硬磁性体43a等のサイズ及び位置が設定される。係止片42が取付け具7を通過するまで光アダプタ10fを装着孔9に挿入すると、硬磁性体43、43a同士の反発力によって、光アダプタ10fには、装着孔9から抜ける方向へ力がかかる。
【0112】
この際、係止片42によって、装着孔9からの光アダプタ10fの抜けが防止されるとともに、光アダプタ10fは、幅方向に均等に付与される硬磁性体43と硬磁性体43aとの反発力が釣り合う位置で保持される。すなわち、光アダプタ10fgが装着孔9に挿入された状態において、硬磁性体43と硬磁性体43aとの間には所定のクリアランスが形成され、硬磁性体43、43a同士の反発力が釣り合う位置で光アダプタ10fを保持することで、光アダプタ10fが取付け具7に対して略垂直な姿勢を維持することが可能である。
【0113】
光アダプタ10fが、光アダプタ10fの併設方向に対して力を受けると、硬磁性体43と硬磁性体43aの一部が近づくことで、光アダプタ10fが揺動可能である。より詳細には、光アダプタ10fが揺動する方向に外力を受けた場合には、係止片42と取付け具7の接点を中心に傾斜し、光アダプタ10fの幅方向の一方の側において、硬磁性体43と硬磁性体43aとが近づくように傾斜する。この際、硬磁性体43、43a間の離隔距離が短くなった側の反発磁力によるモーメントは大きくなり、硬磁性体43、43a間の離隔距離が長くなった側の反発磁力によるモーメントは小さくなる。このため、常に光アダプタ10fには、元との状態に戻ろうとする力がかかる。このため、外力を取り除くと、光アダプタ10fを、通常状態(光アダプタ10fの垂直姿勢)へ戻すことができる。
【0114】
第7の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。このように、硬磁性体43、43aの反発力を用いても同様の揺動機構を得ることができる。なお、隣り合う光アダプタ10e同士が干渉しない範囲であれば、硬磁性体43、43aは、光アダプタ10eの幅方向の両側面に対して対称となるように配置してもよい。
【0115】
(第8の実施形態)
次に、第8の実施形態について説明する。
図13は、第8の実施形態の光アダプタ10gを示す図である。光アダプタ10gは、光アダプタ10eと略同様の構成であるが、光アダプタ10gに被着体44が設けられる点で異なる。光アダプタ10gには、上下面(すなわち、光アダプタ本体の互いに対向する両面)にそれぞれ被着体44が設けられる。被着体44は、バネ性と軟磁性の両特性を有し、例えば鋼製である。また、被着体44の厚みは、硬磁性体43と被着体44との間に着脱を発生させるのに必要な程度であればよく、取付け具7の板厚の約半分以下程度のSK鋼材などで構成される。なお、被着体44は、光アダプタ10gの上下に突出するように配置されるため、光アダプタ10gの本体に凸部12を設ける必要はなく、被着体44自体を、凸部としての機能させることができる。
【0116】
また、光アダプタ10gの上下面には、被着体44の方向に向けて、被着体44(すなわち凸部として機能する部位)から離間した位置に係止片42が形成される。なお、係止片42は、光アダプタ10a等におけるものと同じ構成である。すなわち、係止片42が取り付けられた光アダプタ10gを装着孔9に挿入するだけで、被着体44と係止片42との間に装着孔9の縁部が配置されて、光アダプタ10gが取付け具7に取り付けられた光アダプタ保持構造を得ることができる。なお、係止片42と被着体44は、金属板によって一体で構成することができる。
【0117】
取付け具7の、被着体44に対向する部位には、硬磁性体43が固定される。前述したように、硬磁性体43は、軟磁性体からなる取付け具7に対して磁力によって取り付けられる。前述したように、本実施形態では、硬磁性体43と対向する光アダプタ10gの凸部は、硬磁性体43と吸着可能な被着体44で構成される。この際、被着体44の厚みは取付け具7の厚みよりも十分に薄いため、硬磁性体43と被着体44との吸着力は、硬磁性体43と取付け具7との吸着力よりも弱い。
【0118】
光アダプタ10gを、係止片42が取付け具7を通過するまで装着孔9に挿入すると、被着体44と硬磁性体43とが吸着する。この際、被着体44は、光アダプタ10gの上下方向に略垂直に起立し、光アダプタ10gの上下の被着体44の吸着面は略同一面上に配置される。また、被着体44は、光アダプタ10gの幅方向に対称に(幅方向の左右に均等となるように)配置される。このため、硬磁性体43の平坦面と被着体44の平坦面とが吸着し光アダプタ10gが取付け具7に取り付けられる。なお、光アダプタ10gは、硬磁性体43と被着体44との吸着力により抜け止めとなるため、前述した係止片を省略してもよい。
【0119】
このように、光アダプタ10gが装着孔9に挿入された状態において、硬磁性体43の吸着力によって光アダプタ10gを保持することが可能である。このため、通常時には、光アダプタ10gは、磁力による吸着力によって取付け具7に対して略垂直に取付けられ、その姿勢を維持することができる。
【0120】
また、光アダプタ10gが、光アダプタ10gの併設方向に対して、硬磁性体43による吸着力以上の力を受けると、被着体44の一方の端部が硬磁性体43から浮き上がり、光アダプタ10gが揺動可能である。より詳細には、光アダプタ10gが揺動する方向に外力を受けた場合には、被着体44の端部を中心に傾斜し、被着体44が硬磁性体43の対向面から離れる。この状態から、外力を取り除くと、硬磁性体43と被着体44との間には常に吸着磁力が作用しているため、光アダプタ10gを、通常状態(光アダプタ10gの垂直姿勢)へ戻すことができる。
【0121】
第8の実施形態によれば、第6の実施形態と同様の効果を得ることができる。このように、硬磁性体43は、光アダプタと取付け具7の少なくとも一方に固定されればよく、光アダプタ又は取付け具の硬磁性体と対向する他方の部位を、当該硬磁性体と吸着可能な硬磁性体又は軟磁性体で構成すればよい。
【0122】
(第9の実施形態)
次に、第9の実施形態について説明する。
図14は、第9の実施形態の光アダプタ10hを示す図である。光アダプタ10hは、光アダプタ10gと略同様の構成であるが、被着体44の形状が異なる。被着体44は、幅方向の両端部が係止片42(硬磁性体43)から離れる方向に折り曲げられている。すなわち、被着体44の幅方向中央部は略平坦に、硬磁性体43に略平行に形成され、幅方向の両端部は、折り曲げ部45において、斜め後方に向けて屈曲(又は湾曲)する。なお、折り曲げ部45の折り曲げ角度は、光アダプタ10hの許容最大揺動角度とする。
【0123】
前述したように、光アダプタ10hを取付け具7に取付けた状態においては、硬磁性体43と被着体44(の略中央の平坦部)とが吸着して、光アダプタ10hの略垂直姿勢が保持される。この際、係止片42と取付け具7との間には、光アダプタ10hの揺動が可能なように、所定のクリアランスが形成される。
【0124】
この状態から、光アダプタ10hの係止片42側(図中手前側)より光コネクタを挿入する場合には、光コネクタの挿入時にかかる力によって、光アダプタ10hは、後方(図中奥側)に力が付与される。この際、硬磁性体43と被着体44(の略中央の互いに略平行な被着面)との吸着力よりも光コネクタの挿入力(挿入抵抗)が大きくなると、光コネクタが完全に光アダプタ10hに挿入されるよりも前に、硬磁性体43と被着体44との離脱が発生する。
【0125】
例えば、一般的な、光コネクタの光アダプタへの篏合に必要な挿入力である7〜9Nに対して、硬磁性体43と被着体44(の略中央の互いに略平行な被着面)との吸着力が小さいと、硬磁性体43と被着体44とが離脱する。この場合でも、係止片42によって、光アダプタ10hが取付け具7より抜けることはないが、作業者は、この硬磁性体43と被着体44との離脱時の感触を、光コネクタと光アダプタ10hとの篏合感触と間違えるおそれがある。例えば、光コネクタが完全に光アダプタ10hに篏合する前に、光コネクタの挿入をやめてしまう結果、いわゆるコネクタの半挿し状態を引き起こす可能性がある。
【0126】
それを防止するには、硬磁性体43と被着体44との磁力による吸着力を、光アダプタへ光コネクタを篏合するのに必要な挿入力である7〜9Nより高くする方法がある。しかし、単に硬磁性体43の磁力を高めたり、被着体44の板厚を厚くしたり、吸着面積を大きくする等の方法では、光アダプタを揺動させるに必要なモーメントも、両者の吸着力に比例し増加する。特に、高密度に実装した任意の光アダプタに対して光コネクタの挿抜を行う時には、隣接する光アダプタを揺動させて指の挿抜空間を作る必要があるが、揺動に必要な力が大きくなることで、この操作性が悪化する。したがって、硬磁性体43と被着体44の被着面との吸着力を7〜9N以上にしつつも、揺動開始に必要なモーメントは、容易に光アダプタを揺動可能な0.05N・m以下にすることが望まれる。
【0127】
そこで、光アダプタ10hでは、被着体44に折り曲げ部45を設け、被着体44の形状を最適とすることで、例えば、硬磁性体43として、表面磁束密度の高いネオジム磁石を使用し、吸着力を7〜9N以上としても、揺動開始モーメントを0.05N・m以下にすることが可能である。以下、実施例において詳細に説明する。
【実施例】
【0128】
硬磁性体と被着体との吸着力と、光アダプタ揺動開始モーメントの関係について、被着体の形状を変えて評価した。
図15には、被着体の各部寸法を示す。被着体としては、厚みtが0.7mm、高さHが5mm、全幅(W1+2×W2)が13mmのSK5製の板材を用いた。この板材を
図15に示すように折り曲げて(折り曲げ角度θ=20度)、折り曲げ部の幅をそれぞれW2とした。すなわち、被着体の硬磁性体と正対する部位(中央の平坦部)の幅W1は、13−2×W2(mm)とした。
【0129】
硬磁性体としては、表面磁束密度が310mTと150mTの同じ面積を有するネオジム磁石を用いた。被着体が取り付けられた光アダプタ(
図14に示す光アダプタ10h)を取付け具に取りつけ、光アダプタに対して幅方向に外力を付し、硬磁性体と被着体とが離脱する際の限界吸着力と、アダプタの揺動開始モーメントを評価した。結果を
図16に示す。なお、図中Eは、表面磁束密度が150mTの硬磁性体を用いた結果であり、図中Fは、表面磁束密度が310mTの硬磁性体を用いた結果である。また、W2=0mmとは、折り曲げ部を形成しなかった場合(
図13に示す光アダプタ10g)のものである。
【0130】
結果より、表面磁束密度が310mTの硬磁性体を用い、W2=3mm、4mmと、折り曲げ部を幅の中心に近づけた際に、吸着力が7〜9N以上、かつ揺動開始モーメントが0.05N・m以下にすることが可能であることがわかった。このように、折り曲げ部を形成することで、吸着力と揺動開始モーメントとの両立を図ることができる。
【0131】
次に、上述した各揺動機構を用いた応用例について説明する。まず、
図14に示す光アダプタを取付け具に装着し、光アダプタへ光コネクタ付きコードを取り付けた。この状態で、光コネクタ付きコードの光コネクタ部から後方15cm位の位置で、光アダプタの揺動可能な方向へコードを引っ張ると、光コードは徐々に曲げ半径が小さくなるように曲げられる。ある程度の力で光コードを引っ張ると、光アダプタが揺動する。すなわち、硬磁性体と被着体の対向面が離脱する。この際の、光コネクタ後方で発生するコードの曲率半径を測定した。すなわち、光アダプタに光コネクタ付きコードを挿入し、光コードを光アダプタの光軸方向に垂直な方向(すなわち、光アダプタの揺動方向)に力をかけた際における、光コードの曲げ半径について評価した。
【0132】
図17は、光コードの曲げ半径と、光アダプタへかかるモーメントとの関係を示す図である。図中Gは、1.5φの光コードであり、図中Hは、2.0φの光コードを示す。一般的に使用される光コネクタ付きコードの許容曲率半径は、15mmないし30mmである。結果より、1.5φの光コードについて、光アダプタに発生したモーメントは、光コードの曲げ半径が30mmの場合には約0.012N・mであり、光コードの曲げ半径が15mmの場合には約0.02N・mであった。また、2.0φの光コードについて、光アダプタに発生したモーメントは、光コードの曲げ半径が30mmの場合には約0.02N・mであり、光コードの曲げ半径が15mmの場合には約0.038N・mであった。
【0133】
この結果より、例えば、光アダプタの揺動開始モーメントを0.02N・mに設定しておくことで、光アダプタが揺動しているかどうかを見るだけで、光コードの曲げ半径が15mm以上であることを確認することができる。このように、従来は、光コネクタ後方の光コードの曲げ部が、それぞれ許容曲率半径以上を確保できているか1本ずつ確認しなければならなかったが、光アダプタの傾斜の有無を確認するだけで、光コードの曲げ半径が所定以上であることを確認することができる。
【0134】
すなわち、本実施例の光アダプタ保持構造に対して接続された光ケーブルの曲げ半径の確認方法は、まず、光アダプタに接続された光ケーブルに対して力を加えた際の、光アダプタにかかるモーメントと、光ケーブルの曲げ半径との関係をあらかじめ取得しておく。また、揺動機構の揺動開始モーメントをあらかじめ確認する。光コネクタを光アダプタに接続した際に、全ての光アダプタが揺動しておらずに、通常状態を維持していることを確認することで、光アダプタにかかるモーメントが、揺動開始モーメント以下であることを確認することができる。このため、光アダプタにかかるモーメントが所定以下であることから、光ケーブルの曲げ半径が所定以上であることを知ることができる。
【0135】
このように、本方法によれば、隣接する光アダプタとの平行具合を確認するだけで、容易に光コードの配線状態の善し悪しが判別可能となる。また、仮に光コードの許容曲率半径を下回るような配線をしてしまった場合でも、光アダプタ、コードの曲率半径を緩和する方向へ揺動可能であるため、光学的影響を軽減することができる。
【0136】
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0137】
例えば、それぞれの光アダプタごとに揺動機構を形成するのではなく、複数の光アダプタを一括して揺動させてもよい。
図18は、複数の光アダプタ10iが、揺動方向と直交する方向へ一列に並べられ、一括に取り扱える様にした構成を示す図である。
【0138】
図18において、揺動機構は、
図14と同様に、折り曲げ部45を有する被着体44と硬磁性体43を用いた例を示す。図示した例では、複数の光アダプタ10iを連結する連結部材は金属製であり、係止片42、被着体44等が連結部材と一体で構成される。なお、この場合でも、揺動方向に隣り合う光アダプタ同士は、個々に揺動可能である。このように、複数の光アダプタを揺動方向と垂直な方向に連結して、一括して揺動するようにしてもよい。なお、このように複数の光アダプタを一括して揺動させる揺動機構としては、前述したいずれの実施形態にかかる揺動機構も適用可能である。
【解決手段】 取付け具7には、複数の装着孔9が併設される。それぞれの装着孔9には、光アダプタ10が装着される。この際、光アダプタ10と取付け具との保持構造には、取付け具7に対して、光アダプタ10を揺動させることが可能な揺動機構が設けられる。揺動機構は、任意の光アダプタ10に対して、所定以上の力が加わると、当該光アダプタ10の当該方向への揺動を許容し、力が除荷されると、取付け具7に対して略垂直な方向に光アダプタ10を保持することを可能とするものである。