【文献】
WALDER, Georg et al.,Adaptive State and Parameter Estimation of Lithium-Ion Batteries Based on a Dual Linear Kalman Filter ,The Second International Conference on Technological Advances in Electrical, Electronics and Computer Engineering,SDIWC,2014年03月18日,p.16-24,ISBN: 978-0-9891305-4-7
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記バッテリーセル(BZ)の負荷は、検出された前記バッテリーセル状態BZZ、及び、検出された前記バッテリーセルパラメータBZPに基づいて制御される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
前記デュアルカルマンフィルタ(2)の前記状態推定器(2A)によって適応させられた前記バッテリーセル(BZ)の前記バッテリーセル状態BZZと、前記デュアルカルマンフィルタ(2)の前記パラメータ推定器(2B)によって適応させられた前記バッテリーセル(BZ)の前記バッテリーセルパラメータBZPとは、制御ユニット(5)へと出力され、該制御ユニット(5)は、前記バッテリーセル(BZ)に接続された負荷要素(6)である電気モーターを制御するためのものである、且つ/又は、バッテリーセル(BZ)に接続された電流源(7)を制御するためのものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
前記バッテリーセル(BZ)の前記特性パラメータ挙動は、前記バッテリーセル(BZ)の各バッテリーセル状態BZZに関する、及び/又は、前記バッテリーセル(BZ)のセンサ検出された測定変数MGに基づく、各バッテリーセルパラメータBZPについてのその平均値μBZP及び/又はその分散σBZPを示し、
前記バッテリーセル(BZ)の保存された前記特性パラメータ挙動は、センサ検出された測定変数MGに基づいて決定され、該測定変数MGは、前記バッテリーセル(BZ)の端子電流(IKL)、端子電位(UKL)及び/又は温度(T)を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
センサ検出された各測定変数MGについて、その測定変数ノイズが、データストア(4)から読み出される前記測定変数MGに関する、対応する測定変数センサのノイズ挙動の平均値μMG及び/又は分散σMGに基づいて計算され、
前記測定ノイズ(n)を決定するために、全ての測定変数MGにおける計算された前記測定変数ノイズが加算される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
前記デュアルカルマンフィルタ(2)の安定性が監視され、前記デュアルカルマンフィルタ(2)の不安定性の兆しが認識されるとすぐに、それぞれの前記バッテリーセル状態BZZの適応が、前記デュアルカルマンフィルタ(2)の前記状態推定器(2A)によって中断されると共に、それぞれの前記バッテリーセルパラメータBZPの適応が、前記デュアルカルマンフィルタ(2)の前記パラメータ推定器(2B)によって中断され、
前記デュアルカルマンフィルタ(2)の安定性は、前記バッテリーセル状態BZZの共分散挙動(PBZZ)、及び、前記バッテリーセルパラメータBZPの共分散挙動(PBZP)に基づいて監視される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
少なくとも1つのバッテリーセル(BZ)のバッテリーセル状態BZZ及び/又はバッテリーセルパラメータBZPを検出するためのデバイス(1)であって、該デバイス(1)は、
バッテリーセル状態BZZを推定するための状態推定器(2A)と、バッテリーセルパラメータBZPを推定するためのパラメータ推定器(2B)とを有するデュアルカルマンフィルタ(2)と、
少なくとも1つのバッテリーセル状態(BZZ)に関する前記バッテリーセル(BZ)の保存された特性パラメータ挙動に基づき、前記バッテリーセル状態(BZZ)における経時的な変化に依存して、又は、少なくとも1つのバッテリーセルパラメータ(BZP)に関する読み出しパラメータ挙動に依存して、前記状態推定器(2A)及び前記パラメータ推定器(2B)のノイズ成分(n,v)を決定するように構成された決定ユニット(3)とを含み、
前記デュアルカルマンフィルタ(2)は、前記決定ユニットによって決定されたノイズ成分(n,v)に基づき、前記バッテリーセル状態BZZ及び前記バッテリーセルパラメータBZPを、前記バッテリーセル(BZ)の指定されたバッテリーモデル(BM)に自動的に適応させるように構成され、
前記決定されたノイズ成分(n,v)は、処理ノイズ(v)、及び/又は、測定ノイズ(n)を含み、
前記処理ノイズ(v)は、前記バッテリーセルパラメータBZPの処理ノイズ(vBZP)、及び/又は、前記バッテリーセル状態BZZの処理ノイズ(vBZZ)を含み、
前記バッテリーセルパラメータBZPの前記処理ノイズ(vBZP)は、バッテリーセル状態BZZに関するその読み出し特性パラメータ挙動に依存して、かつ、バッテリーセル状態BZZの経時的な変化に依存して決定され、
前記バッテリーセル状態BZZの前記処理ノイズ(vBZZ)は、少なくとも1つのバッテリーセルパラメータBZPに関するその読み出しパラメータ挙動に依存して決定される、デバイス(1)。
前記デュアルカルマンフィルタ(2)の前記状態推定器(2A)は、第1のカルマンフィルタにより形成され、前記デュアルカルマンフィルタ(2)の前記パラメータ推定器(2B)は、第2のカルマンフィルタにより形成される、請求項11に記載のデバイス。
2つの前記カルマンフィルタ(2A,2B)はそれぞれ、線形カルマンフィルタ(LKF)、拡張カルマンフィルタ(EKF)、無香料カルマンフィルタ(UKF)、平方根無香料カルマンフィルタ(SR−UKF)又は中央差分カルマンフィルタ(CD−KF)を含む、請求項12に記載のデバイス。
前記デュアルカルマンフィルタ(2)の状態推定器(2A)によって適応させられた前記バッテリーセル(BZ)の前記バッテリーセル状態BZZと、前記デュアルカルマンフィルタ(2)のパラメータ推定器(2B)によって適応させられた前記バッテリーセル(BZ)の前記バッテリーセルパラメータBZPとは、制御ユニット(5)へと出力され、該制御ユニット(5)は、前記バッテリーセル(BZ)に接続された負荷要素(6)である電気モーターを制御するためのものである、且つ/又は、前記バッテリーセル(BZ)に接続された電流源(7)を制御するためのものである、請求項12又は13に記載のデバイス。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、バッテリーセル状態及びバッテリーセルパラメータをより高い精度で検出することを可能にする方法及びデバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、上記目的は、請求項1に記載の特徴を有する方法によって達成される。
【0009】
したがって、第1の態様では、本発明は、少なくとも1つのバッテリーセルのバッテリーセル状態及びバッテリーセルパラメータを検出するための方法を提供し、該方法は、
バッテリーセルの少なくとも1つのバッテリーセル特性変数BZKに関するバッテリーセルの特性パラメータ挙動に基づいて、デュアルカルマンフィルタの1つの状態推定器のノイズ成分を決定すると共に、デュアルカルマンフィルタの1つのパラメータ推定器のノイズ成分を決定するステップと、
決定されたノイズ成分に基づき、デュアルカルマンフィルタを使用して、バッテリーセル状態及びバッテリーセルパラメータを、バッテリーセルの指定されたバッテリーモデルに適応させるステップとを含む。
【0010】
したがって、本発明に係る方法によって決定されたノイズ成分は、バッテリーセル状態及びバッテリーセルパラメータを適合又は推定するために使用される。これにより、バッテリーセル状態やバッテリーセルパラメータの動的かつ適応的な推定が可能になる。したがって、デュアルカルマンフィルタは、測定可能なノイズ成分に基づいて調整又は調節される。
【0011】
本発明に係る方法の1つの可能な実施形態では、バッテリーセル状態は、バッテリーセルの充電状態、及び/又は、動的なバッテリーセル状態、特に、バッテリーセルの拡散電圧を含む。
【0012】
本発明に係る方法の1つの可能な実施形態では、バッテリーセルパラメータは、バッテリーセルの内部抵抗、バッテリーセルの定格静電容量、及び/又は、抵抗の動的成分、特に、バッテリーセルの拡散抵抗、及び/又は、静電容量の動的成分、特に、バッテリーセルの拡散静電容量を含む。
【0013】
本発明に係る方法のさらなる可能な実施形態では、バッテリーセルは、バッテリーセルの特性変数、バッテリーセルの負荷特性変数、バッテリーセルの温度、及び/又は、バッテリーセルの経年変化特性変数を有する。
【0014】
本発明に係る方法のさらなる可能な実施形態では、決定されたノイズ成分は、処理ノイズ、及び/又は、測定ノイズを有する。
【0015】
本発明に係る方法の1つの可能な実施形態では、処理ノイズは、バッテリーセル状態の処理ノイズ、及び/又は、バッテリーセルパラメータの処理ノイズを含む。
【0016】
本発明に係る方法のさらなる可能な実施形態では、デュアルカルマンフィルタの状態推定器の状態ベクトルは、バッテリーセルのバッテリーセル状態を含むと共に、デュアルカルマンフィルタのパラメータ推定器の状態ベクトルは、バッテリーセルのバッテリーセルパラメータを含む。
【0017】
本発明に係る方法のさらなる可能な実施形態では、バッテリーセルの負荷は、検出されたバッテリーセル状態、及び、検出されたバッテリーセルパラメータに基づいて制御される。
【0018】
本発明に係る方法のさらなる可能な実施形態では、デュアルカルマンフィルタの状態推定器によって適応させられたバッテリーセルのバッテリーセル状態と、デュアルカルマンフィルタのパラメータ推定器(2B)によって適応させられたバッテリーセルのバッテリーセルパラメータとは、制御ユニット(5)へと出力され、該制御ユニットは、バッテリーセルに接続された負荷要素を制御するためのものである、且つ/又は、バッテリーセルに接続された電流源を制御するためのものである。
【0019】
該接続された負荷要素は、例えば、電気モーターであり得る。
【0020】
本発明に係る方法のさらなる可能な実施形態では、バッテリーセルの特性パラメータ挙動は、データストアから読み出される。
【0021】
本発明に係る方法のさらなる可能な実施形態では、バッテリーセルの特性パラメータ挙動は、各バッテリーセル状態に関する、及び/又は、センサ検出されたバッテリーセルの測定変数に基づく、各バッテリーセルパラメータについてのその平均値及び/又は分散を示す。
【0022】
本発明に係る方法のさらなる可能な実施形態では、バッテリーセルの保存された特性パラメータ挙動は、センサ検出された測定変数に基づいて決定される。
【0023】
本発明に係る方法の1つの可能な実施形態では、測定変数は、関係するバッテリーセルの端子電流、端子電位及び/又は温度を含む。
【0024】
本発明に係る方法のさらなる可能な実施形態では、バッテリーセルパラメータの処理ノイズは、バッテリーセル状態に関する、及び/又は、センサ検出された測定変数に基づくその読み出し特性パラメータ挙動に依存して決定され、かつ、バッテリーセル状態の経時的な変化に依存して、及び/又は、センサ検出された測定変数に基づいて決定される。
【0025】
本発明に係る方法のさらなる可能な実施形態では、バッテリーセル状態の処理ノイズは、少なくとも1つのバッテリーセルパラメータに関するその読み出しパラメータ挙動に依存して決定される。
【0026】
本発明に係る方法のさらなる可能な実施形態では、センサ検出された各測定変数について、その測定変数ノイズが、データストアから読み出される測定変数に関する、対応する測定変数センサのノイズ挙動の平均値及び/又は分散に基づいて計算される。
【0027】
本発明に係る方法のさらなる可能な実施形態では、測定ノイズを決定するために、全ての測定変数における計算された測定変数ノイズが加算される。
【0028】
本発明に係る方法のさらなる可能な実施形態では、デュアルカルマンフィルタの安定性が監視され、デュアルカルマンフィルタの不安定性の兆しが認識されるとすぐに、それぞれのバッテリーセル状態の適応が、デュアルカルマンフィルタの状態推定器によって中断されると共に、それぞれのバッテリーセルパラメータの適応が、デュアルカルマンフィルタのパラメータ推定器によって中断される。
【0029】
本発明に係る方法のさらなる可能な実施形態では、デュアルカルマンフィルタの安定性は、バッテリーセル状態の共分散挙動に基づいて、及び、バッテリーセルパラメータの共分散挙動に基づいて監視される。
【0030】
本発明に係る方法のさらなる可能な実施形態では、デュアルカルマンフィルタのバッテリーセル状態の共分散挙動、及び/又は、デュアルカルマンフィルタのバッテリーセルパラメータの共分散挙動が、関連付けられた保存された所望の共分散挙動と比較される。
【0031】
本発明に係る方法のさらなる可能な実施形態では、デュアルカルマンフィルタの状態推定器によるバッテリーセル状態の適応は、その共分散挙動がそれぞれのバッテリーセル状態についての保存された関連付けられた所望の共分散挙動を超えるとすぐに中断される。
【0032】
さらに、本発明に係る方法の1つの可能な実施形態では、デュアルカルマンフィルタのパラメータ推定器によるバッテリーセルパラメータの適応は、その共分散挙動がそれぞれのバッテリーセルパラメータについての保存された関連付けられた所望の共分散挙動を超えるとすぐに中断される。
【0033】
本発明に係る方法のさらなる可能な実施形態では、保存された所望の共分散挙動は、経時的に指数関数的に減少するファンネル関数TF(t)を含み、ここで、係数が構成される。
【0034】
さらに、さらなる態様によれば、本発明は、請求項20に記載される、少なくとも1つのバッテリーセルのバッテリーセル状態及び/又はバッテリーセルパラメータを検出するためのデバイスを提供する。
【0035】
したがって、本発明は、少なくとも1つのバッテリーセルのバッテリーセル状態及び/又はバッテリーセルパラメータを検出するためのデバイスを提供し、該デバイスは、
バッテリーセル状態を推定するための状態推定器と、バッテリーセルパラメータを推定するためのパラメータ推定器とを有するデュアルカルマンフィルタであって、バッテリーセルの保存された特性パラメータ挙動に基づいて状態推定器及びパラメータ推定器のノイズ成分を決定するのに適した決定ユニットを含むデュアルカルマンフィルタを含み、
バッテリーセル状態及びバッテリーセルパラメータは、決定ユニットによって決定されたノイズ成分に基づき、デュアルカルマンフィルタを使用して、バッテリーセルの指定されたバッテリーモデルに自動的に適応させられ得る。
【0036】
本発明に係るデバイスの1つの可能な実施形態では、デュアルカルマンフィルタの状態推定器は、第1のカルマンフィルタにより形成され、デュアルカルマンフィルタのパラメータ推定器は、第2のカルマンフィルタにより形成される。
【0037】
本発明に係るデバイスの1つの可能な実施形態では、デュアルカルマンフィルタの2つのカルマンフィルタはそれぞれ、線形カルマンフィルタ、拡張カルマンフィルタ、無香料カルマンフィルタ、平方根無香料カルマンフィルタ、又は、中央差分カルマンフィルタを有する。
【0038】
本発明に係るデバイスのさらなる可能な実施形態では、デュアルカルマンフィルタの状態推定器によって適応させられたバッテリーセルのバッテリーセル状態と、デュアルカルマンフィルタのパラメータ推定器によって適応させられたバッテリーセルのバッテリーセルパラメータとは、制御ユニットへと出力され、該制御ユニットは、バッテリーセルに接続された負荷要素、特に電気モーターを制御するためのものである、且つ/又は、バッテリーセルに接続された電流源を制御するためのものである。
【0039】
本発明に係るデバイスのさらなる可能な実施形態では、デュアルカルマンフィルタは、その安定性に関して、統合された安定性監視ユニットによって監視される。
【0040】
本発明に係るデバイスのさらなる可能な実施形態では、バッテリーセル上に、該バッテリーセルの測定変数をセンサ検出するバッテリーセルセンサが設けられる。
【0041】
本発明に係るデバイスのさらなる可能な実施形態では、バッテリーセルセンサは、バッテリーセルの端子電位を検出するためのセンサと、バッテリーセルの端子電流を検出するためのセンサと、バッテリーセルの温度を検出するための温度センサとを有する。
【0042】
本発明に係るデバイスのさらなる可能な実施形態では、デュアルカルマンフィルタは、入力側において、バッテリーセルセンサによってセンサ検出された測定変数を受信する。
【0043】
さらなる態様によれば、本発明は、エネルギー貯蔵システムの状態及び/又はパラメータを推定するカルマンフィルタの安定した収束挙動を監視するための方法を提供する。
【0044】
第3の態様によれば、本発明は、エネルギー貯蔵システムの状態及び/又はパラメータを推定するカルマンフィルタの安定した収束挙動を監視するための方法を提供し、該方法では、
エネルギー貯蔵システムの少なくとも1つの状態及び/又はパラメータに関してカルマンフィルタによって提供される共分散挙動が、該状態及び/又はパラメータの対応する所望の共分散挙動と比較され、エネルギー貯蔵システムの各状態及び/又は各パラメータに関し、その共分散挙動が対応する所望の共分散挙動を超えるものについて、カルマンフィルタが自動的に非アクティブ化される。
【0045】
本発明の様々な態様における可能な実施形態は、以下に添付の図面を参照してより詳細に説明される。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図2に見られるように、本発明の一態様に係るバッテリーセル状態BZZ及びバッテリーセルパラメータBZPを検出する方法は、本質的に2つのステップを含む。
【0048】
第1のステップS1では、デュアルカルマンフィルタの状態推定器のノイズ成分n,v及びデュアルカルマンフィルタのパラメータ推定器のノイズ成分n,vは、バッテリーセルBZの少なくとも1つのバッテリーセル特性変数BZKに関する該バッテリーセルの特性パラメータ挙動に基づいて決定される。
【0049】
さらなるステップS2では、バッテリーセル状態BZZ及びバッテリーセルパラメータBZPは、デュアルカルマンフィルタを使用して、ステップS1で決定されたノイズ成分n,vに基づき、バッテリーセルBZの指定されたバッテリーモデルBMに適応させられる。
【0050】
1つの可能な実施形態では、ステップS1にて決定されたノイズ成分n,vは、処理ノイズv及び測定ノイズnを含む。決定された処理ノイズvは、バッテリーセル状態BZZの処理ノイズv
BZZ、及び/又は、バッテリーセルパラメータBZPの処理ノイズv
BZPを含み得る。
【0051】
図1に示す方法において使用される本発明に係るデュアルカルマンフィルタDKFは、2つのカルマンフィルタKFが互いに結合されており、ここで、第1のカルマンフィルタが状態推定器として使用され、第2のカルマンフィルタがパラメータ推定器として使用される。デュアルカルマンフィルタDKFの状態推定器の状態ベクトルは、バッテリーセルBZのバッテリーセル状態x
BZZを含む。デュアルカルマンフィルタDKFのパラメータ推定器の状態ベクトルは、バッテリーセルBZのバッテリーセルパラメータx
BZPを含む。1つの可能な実施形態では、ステップS1にて使用されるバッテリーセルBZの特性パラメータ挙動は、データストアから読み出される。1つの可能な実施形態では、バッテリーセルBZの特性パラメータ挙動は、各バッテリーセルパラメータBZPについて、バッテリーセルBZの各バッテリーセル状態BZZに関するその平均値μ
BZP及び/又はその分散σ
BZPを含む。1つの実施形態では、バッテリーセルBZの保存された特性パラメータ挙動は、センサ検出された測定変数MGに基づいて決定され得る。これらの測定変数MGは、例えば、バッテリーセルBZの端子電流I
KL、端子電圧U
KL及び/又は温度を含む。
【0052】
1つの可能な実施形態では、ステップS1において、バッテリーセルパラメータBZPの処理ノイズv
BZPは、バッテリーセル状態BZZに関する、及び/又は、センサ検出された測定変数MGに基づく読み出し特性パラメータ挙動に依存して決定され、かつ、バッテリーセル状態BZZの経時的な変化に依存して、及び/又は、センサ検出された測定変数MGに基づいて決定される。
【0053】
1つの可能な実施形態では、バッテリーセルBZのバッテリーセル状態BZZは、バッテリーセルの充電状態SOC、及び/又は、動的なバッテリーセル状態BZZ、特に、バッテリーセルBZの拡散電圧U
dを含む。バッテリーセルBZの充電状態SOCは、0〜1の間、又は、0〜100%の間である。拡散電圧U
dは、バッテリーモデルBMにおける特定の電圧であって、例えば、
図6に表されるものであり、RC要素上にて減少し、それによって動的な動作を示す。バッテリーセル状態BZZは、バッテリーモデルBMの特定の物理的変数であり、微分方程式内の状態としても生じる。
【0054】
1つの可能な実施形態では、バッテリーセルBZのバッテリーセルパラメータBZPは、バッテリーセルの内部抵抗R
i、バッテリーセルBZの定格静電容量C
n、及び、抵抗の動的成分、特に、バッテリーセルの拡散抵抗R
d、及び/又は、静電容量の動的成分、特に、バッテリーセルBZの拡散静電容量C
Dを含む。バッテリーセルパラメータBZPは、バッテリーモデルBMの特定の物理変数が含まれ、これは微分方程式内のパラメータ又は値として生じる。定格静電容量C
nは、バッテリーセルパラメータBZPを形成し、現在の影響変数に基づいてバッテリーセルBZの現在の静電容量を示す。拡散抵抗R
dもまた、バッテリーセルパラメータBZPを表し、例として
図6に示される使用されるバッテリーモデルBMの動的RC成分の抵抗成分を示す。バッテリーセルBZの拡散静電容量C
Dもまた、バッテリーセルパラメータBZPを形成し、
図6に示されるバッテリーモデル内の動的RC成分の静電容量成分を表す。
【0055】
1つの可能な実施形態では、バッテリーセルBZのバッテリーセル特性変数BZKは、バッテリーセルBZの負荷特性変数、バッテリーセルBZの温度T、及び/又は、バッテリーセルBZの経年変化特性変数を含む。バッテリーセル特性変数BZKとして使用されるバッテリーセルBZの負荷変数の一例は、いわゆるCレートである。Cレートは定格静電容量の負荷倍数であり、バッテリーセルBZの負荷を表す。例えば、バッテリーセルBZの静電容量が1Ahの場合、1Cは1Aの負荷を示す。例えば、バッテリーセルBZの経年変化特性変数としては、サイクル数又はバッテリーセルの経年変化に関する特性変数が使用され得る。
【0056】
1つの可能な実施形態では、ステップS1で使用されるノイズ成分n,vは、処理ノイズv、及び/又は、測定ノイズnを含む。1つの可能な実施形態では、処理ノイズは、様々なバッテリーセル状態BZZの処理ノイズv
BZZ、及び/又は、様々なバッテリーセルパラメータBZPの処理ノイズv
BZPを含み得る。1つの可能な実施形態では、処理ノイズは、バッテリーセルBZの充電状態SO
Cの処理ノイズ、及び/又は、バッテリーセルBZの拡散電圧U
dの処理ノイズを含む。さらに、処理ノイズは、様々なバッテリーセルパラメータBZPの処理ノイズv
BZP、例えば、バッテリーセルBZの内部抵抗、バッテリーセルBZの定格静電容量C
N、バッテリーセルBZの拡散抵抗R
d、及び/又は、バッテリーセルBZの拡散静電容量C
Dもまた含み得る。
【0057】
バッテリーセルパラメータBZPの処理ノイズv
BZPは、バッテリーセル状態BZZに関する読み出し特性パラメータ挙動に依存して決定される。あるいは、処理ノイズは、センサ検出された測定変数MGに基づいて、又は、バッテリーセル状態BZZの経時的変化に依存して決定されることもあり得る。バッテリーセル状態BZZの処理ノイズv
BZZは、少なくとも1つのバッテリーセルパラメータBZPに関する読み出しパラメータ挙動に依存して決定される。本発明に係る方法の1つの可能な実施形態では、センサ検出された各測定変数MGについて、その測定変数ノイズは、測定変数MGに関する対応する測定変数センサのノイズ挙動の平均値μ
MG及び/又はノイズの分散σ
MGに基づいて計算される。測定ノイズnを決定するために、全ての測定変数における計算された測定変数ノイズが加算され得る。
【0058】
図3は、少なくとも1つのバッテリーセルBZのバッテリーセル状態BZZ及び/又はバッテリーセルパラメータBZPを検出するための、本発明に係るデバイス1の例示的実施形態を示すブロック図を示す。
図3に見られるように、本発明に係る検出デバイス1は、図中の例示的実施形態において、デュアルカルマンフィルタ2を有する。デュアルカルマンフィルタ2は、2つの結合されたカルマンフィルタによって構成されている。デュアルカルマンフィルタ2の第1のカルマンフィルタ2Aは、バッテリーセル状態BZZを推定するための状態推定器ZSとして使用される。デュアルカルマンフィルタ2の第2のカルマンフィルタ2Bは、バッテリーセルBZのバッテリーセルパラメータBZPを推定するためのパラメータ推定器PSとして使用される。さらに、検出デバイス1は、バッテリーセルBZの保存された特性パラメータ挙動に基づいて状態推定器2A及びパラメータ推定器2Bのノイズ成分n,vを決定するのに適した決定ユニット3を有する。バッテリーセルBZの特性パラメータの挙動は、例えば、データストア4内に保存される。バッテリーセル状態BZZ及びバッテリーセルパラメータBZPは、決定ユニット3によって決定されたノイズ成分n,vに基づき、デュアルカルマンフィルタ2を使用して、バッテリーセルBZの指定されたバッテリーモデルBMに自動的に適応させられ得る。デュアルカルマンフィルタ2の状態推定器ZSは、第1のカルマンフィルタ2Aにより形成され、デュアルカルマンフィルタ2のパラメータ推定器PSは、第2のカルマンフィルタ2Bにより形成される。本発明に係る検出デバイス1の1つの可能な実施形態では、デュアルカルマンフィルタ2の2つのカルマンフィルタ2A,2Bはそれぞれ、線形カルマンフィルタLKF、拡張カルマンフィルタEKF、無香料カルマンフィルタUKF、平方根無香料カルマンフィルタSR−UKF又は中央差分カルマンフィルタCD−KFによって形成される。カルマンフィルタ2は、システム状態変数xについての推定値を提供する。
【数1】
ここで、xは状態ベクトルであり、
Aはシステム行列を表し、
Bは入力行列を表し、
uは決定論的な入力ベクトルであり、又は、制御ベクトルであり、
vはガウス分布処理ノイズを表し、
yは、出力行列Cとガウス分布の測定ノイズnとから生成される出力値を形成する。
【0059】
1つの可能な実施形態では、バッテリーセルBZの端子電流I
KL及び/又は端子電圧U
KLは、決定論的な入力変数又は制御ベクトルuとして使用され得る。
【0060】
図4は、線形離散カルマンフィルタ2の構造を示す。
図4に表す線形離散カルマンフィルタKFは、デュアルカルマンフィルタ2の状態推定器2A及び/又はパラメータ推定器2Bとして使用され得る。
図4に表すカルマンフィルタ2の上部は、バッテリーセルBZのバッテリーモデルBMを示し、適応フィルタとしてのカルマンフィルタKFの下部は、カルマン増幅によって、状態、特にバッテリーセル状態BZZの誤差を最小限に抑える。xはバッテリーセルBZの状態ベクトルを表し、yはバッテリーセルBZの出力ベクトルを表す。カルマンフィルタKFの入力には、決定論的な制御ベクトルu、例えば、バッテリーセルBZの測定された端子電圧U
KL及び/又は測定された端子電流I
KLが配置される。
【0061】
非線形システムには、ラプラス変換による離散化が不可能である。出力形式は、非線形1次微分方程式によって構成される状態空間表現である。
【数2】
ここで、vは処理ノイズであり、nは測定ノイズであり、
xはバッテリーセルの状態ベクトルであり、
yはバッテリーセルの出力ベクトルであり、
uは決定論的な入力ベクトルであり、
f,hは非線形関数を表す。
【0062】
1つの可能な実施形態では、状態推定器ZS又はパラメータ推定器PSとして使用されるカルマンフィルタKFは、線形カルマンフィルタによって形成される。さらなる可能な実施形態では、拡張カルマンフィルタEKFもまた使用され得る。この場合、離散システム行列Aは、テイラー級数によって近似される。連続システム行列A及び出力行列Cは、非線形微分方程式からの1次近似(ヤコビ行列)を使用して近似される。
【0063】
さらなる可能な代替実施形態では、デュアルカルマンフィルタ2の2つのカルマンフィルタKFは、無香料カルマンフィルタUKFによって形成される。無香料カルマンフィルタUKFは、シグマポイントカルマンフィルタのグループに属する。このタイプのフィルタでは、線形化及びそれによって制限される精度に関するEKFの問題は、無演繹(ableitlose)アプローチによって解決される。この場合、システム方程式はテイラー級数によって近似されるのではなく、様々なポイント、いわゆるシグマポイントでの関数評価によって計算される。シグマポイントは、求められる状態の平均値及び共分散を正確に検出するように、非線形関数の入力として選択される。
【0064】
本発明に係る検出デバイス1のさらなる可能な実施形態では、デュアルカルマンフィルタ2の2つのカルマンフィルタ2A,2Bは、平方根無香料カルマンフィルタSR−UKFによって形成される。UKFフィルタを使用する場合の欠点は、状態共分散P
k=S
kSTkを決定するために、シグマポイントS
kの必要な平方根を計算することである。たとえば、シグマポイントには、コレスキー分解が使用され得るが、これはかなりの計算作業を要する。平方根無香料カルマンフィルタSR−UKFを用いれば、全ての時間セグメントで再因子分解する必要なく、シグマポイントS
kが直接伝播される。したがって、状態共分散が正の半定義値を想定し、線形カルマンフィルタと同様の再帰的動作を行うため、このカルマンフィルタはより安定する。この目的のために、1つの可能な実施形態では、平方根無香料カルマンフィルタSR−UKFは、様々な線形代数技術、例えば、QR分解、コレスキー因子の更新、又は、最小二乗法を採用し得る。
【0065】
本発明に係る検出デバイス1のさらなる可能な実施形態では、デュアルカルマンフィルタ2の2つのカルマンフィルタ2A,2Bはそれぞれ、中央差分カルマンフィルタCD−KFによって形成され得る。中心差分カルマンフィルタCD−KFは、スターリングの補間式に基づいており、その回路構造に関しては、無香料カルマンフィルタUKFに類似する。
【0066】
図5は、本発明に係る検出デバイス1にて使用され得るデュアルカルマンフィルタ2の構造を示す。デュアルカルマンフィルタKFは、状態推定器2A及びパラメータ推定器2Bを含む。状態推定器2A及びパラメータ推定器2Bは、いずれもカルマンフィルタ2によって形成され得るものであり、各カルマンフィルタ2は、予測部PT及び補正部KTを含む。状態推定器2Aは、バッテリーセルBZのバッテリーセル状態BZZを推定するために使用される。デュアルカルマンフィルタ2のパラメータ推定器2Bは、バッテリーセルBZのバッテリーセルパラメータBZPを推定するために使用される。バッテリーセル状態BZZ及びバッテリーセルパラメータBZPは、決定されたノイズ成分n,vに基づき、デュアルカルマンフィルタ2を使用して、バッテリーセルBZの指定されたバッテリーモデルBMに自動的に適応される。これらのノイズ成分n,vは、
図3に示される決定ユニット3によって決定される。
【0067】
1つの可能な実施形態では、デュアルカルマンフィルタ2の状態推定器2Aにより適応させられたバッテリーセル状態BZZと、デュアルカルマンフィルタ2のパラメータ推定器2Bにより適応させられたバッテリーセルBZのバッテリーセルパラメータBZPとは、
図3に示されるような制御ユニット5に出力される。可能な一実施形態では、この制御ユニット5は、バッテリーセルBZに接続された負荷要素、例えば、電気モーターを制御するために使用される。さらに、代替実施形態では、制御ユニット5は、バッテリー電源BZに接続された電流源を制御するために提供され得る。
図3に示すように、1つの可能な実施形態では、制御ユニット5は、バッテリーセルBZに接続された電気負荷要素6に対して制御信号CRTL−RLを提供する。この負荷要素6は、例えば、電気自動車の電気モーターであり得る。さらに、
図3に示される例示的実施形態では、制御ユニット5は、バッテリーセルBZに接続された電流源7に対して制御信号CTRL−SQを提供する。電流源7は、バッテリーセルBZの第1バッテリーセル端子8に接続されている。負荷要素6は、バッテリーセルBZの第2のバッテリーセル端子9に接続されている。
【0068】
図3に示される例示的な実施形態では、様々なセンサがバッテリーセルBZ上に提供される。1つの可能な実施形態では、センサは、電圧センサ10と、電流センサ11と、温度センサ12とを含む。電圧センサ10は、2つのバッテリーセル端子8,9間の端子電圧U
KLを測定する。図示の例示的実施形態では、電流センサ11は、バッテリーセルBZの端子電流I
KLを測定するために使用される。さらに、温度センサ12は、バッテリーセルBZの温度Tを測定するために使用される。バッテリーセルBZの端子電圧U
KL、端子電流I
KL及び温度Tは、センサによって検出される測定変数MGを表す。これらの測定変数MGは、
図3に示されるブロック図に示されるように、決定論的な入力測定変数としてデュアルカルマンフィルタ2へと供給される。測定変数MG、すなわちバッテリーセルBZの端子電圧U
KL、端子電流I
KL及び/又は温度Tもまた、決定ユニット3に供給される。決定ユニット3は、バッテリーセルBZの保存された特性パラメータ挙動に基づいて、状態推定器2A及びパラメータ推定器2Bのノイズ成分n,vを決定する。1つの可能な実施形態では、データストア4は、各バッテリーセル状態BZZに関する、各バッテリーセルパラメータBZPについてのその平均値μ
BZP、その分散σ
BZP、及び、センサによって検出されたバッテリーセルBZの測定変数MGを保存する。バッテリーセルパラメータBZPの処理ノイズv
BZPは、センサ検出された測定変数MGに基づいて、バッテリーセル状態BZZに関するその読み出し特性パラメータ挙動に依存して、決定ユニット3により決定される。さらに、バッテリーセル状態BZZの処理ノイズv
BZZは、少なくとも1つのバッテリーセルパラメータBZPに関するその読み出しパラメータ挙動に依存して、決定ユニット3により決定される。センサ検出された各測定変数MGについて、決定ユニット3は、データストア4から読み出される測定変数MGに関する、対応する測定変数センサ10,11,12のノイズ挙動の平均値μ
MG及び/又は分散σ
MGに基づいて、その測定変数ノイズnを計算する。決定ユニット3により測定ノイズnを決定するために、様々な測定変数MGにおける計算された測定変数ノイズが加算され得る。決定された測定ノイズnは、
図3に示すように、デュアルカルマンフィルタ2へと供給される。
【0069】
デュアルカルマンフィルタ2は、2つのカルマンフィルタ2A,2Bを備えており、これらは互いに並行して調整され得る。デュアルカルマンフィルタ2の2つのカルマンフィルタ2A,2Bは、同一の入力ベクトルu
k−1及び同一の測定変数y
kを有し得る。2つのカルマンフィルタ2A,2Bのそれぞれの予測部PTでは、以前に計算された状態及びパラメータが、現在の時間ステップにおける入力変数を形成する。デュアルカルマンフィルタ2内の2つのカルマンフィルタ2A,2Bは、同一のフィルタタイプを有することもでき、異なるフィルタタイプにて形成されることもできる。デュアルカルマンフィルタ2の状態ベクトルxは、状態推定器2Aの状態ベクトル及びパラメータ推定器2Bの状態ベクトルを含む。状態推定器2Aの状態ベクトルx
BZZは、バッテリーセルBZのバッテリーセル状態BZZを含む。デュアルカルマンフィルタ2のパラメータ推定器2Bの状態ベクトルは、バッテリーセルBZのバッテリーセルパラメータx
BZPを含む。状態推定器2A及びパラメータ推定器2Bにおける供給された測定変数MGが同じであるため、非線形出力方程式のパラメータベクトルの追加の依存関係のみが、パラメータ推定器2Bの連続状態空間表現において変化する:
【数3】
この実施形態では、バッテリーセルパラメータBZPの適応は、主にパラメータ処理ノイズを介して行われる。
【0070】
本発明に係る方法の1つの可能な実施形態では、デュアルカルマンフィルタ2の安定性が監視される。デュアルカルマンフィルタ2の不安定性の兆しが認識されるとすぐに、それぞれのバッテリーセルパラメータBZPの適応が、デュアルカルマンフィルタ2の状態推定器2Aによって中断されると共に、それぞれのバッテリーセル状態BZZの適応が、デュアルカルマンフィルタ2のパラメータ推定器2Bによって中断される。1つの可能な実施形態では、デュアルカルマンフィルタ2の安定性は、バッテリーセル状態BZZの共分散挙動P
BZZに基づいて、及び、バッテリーセルパラメータBZPの共分散挙動P
BZPに基づいて監視される。1つの可能な実施形態では、バッテリーセル状態BZZの共分散挙動P
BZZ、及び/又は、デュアルカルマンフィルタ2のバッテリーセルパラメータBZPの共分散挙動P
BZPは、関連付けられた保存された所望の共分散と比較される。デュアルカルマンフィルタ2の状態推定器2Aを使用したバッテリーセル状態BZZの適応は、その共分散挙動P
BZZがそれぞれのバッテリーセル状態BZZの保存された関連付けられた所望の共分散挙動を超えるとすぐに中断される。さらに、デュアルカルマンフィルタ2のパラメータ推定器2Bを使用したバッテリーセルパラメータBZPの適応は、その共分散挙動P
BZPがそれぞれのバッテリーセルパラメータBZPの保存された関連付けられた所望の共分散挙動を超えるとすぐに中断される。1つの可能な実施形態では、保存された所望の共分散挙動は、経時的に指数関数的に減少するファンネル関数を含み、該ファンネル関数の係数が構成される。
【0071】
図3に示される例示的実施形態では、検出デバイス1は、安定性監視ユニット13を含み、該安定性監視ユニット13は、対応する共分散挙動が保存された関連付けられた共分散挙動を超えるとすぐに、デュアルカルマンフィルタ2の状態推定器2Aを使用したバッテリーセル状態BZZの適応、及び/又は、デュアルカルマンフィルタ2のパラメータ推定器2Bを使用したバッテリーセルパラメータBZPの適応を中断するのに適している。1つの可能な実施形態では、所望の共分散挙動は、検出デバイス1のデータストア14内に保存される。1つの可能な実装形態では、
図13,14に表されるように、保存された所望の共分散挙動は、経時的に指数関数的に減少するファンネル関数を含む。
【0072】
図6は、本発明による方法及び本発明に係る検出デバイス1において使用され得るバッテリーモデルBMを例として示す。
【0073】
抵抗R
DC1sは、バッテリーセルBZの実際のセル内部抵抗R
iと、1秒以内に生じる全ての動的プロセス、例えば、電荷転送プロセスとを組み合わせた合成抵抗である。抵抗R
Dは、バッテリーセルBZの拡散抵抗を表す。静電容量C
Dは、バッテリーセルBZの拡散静電容量を表す。さらに、
図6は、バッテリーセルBZの端子電圧U
KLとバッテリーセルBZの端子電流I
KLとを表す。さらに、バッテリーモデルBMは、拡散抵抗R
Dと拡散静電容量C
Dとにわたって印可される拡散電圧U
Dを示す。U
0(SOC)は、充電状態に依存するバッテリーセルの開回路電圧(OCV)である。
【0074】
充電状態SoCは、負荷期間にわたる統合端子電流として定義される、及び、充電状態SoCの演繹(Ableitung)は、バッテリーセルの静電容量C
nに関する端子電流I
KL(t)である。
【数4】
拡散電圧U
Dは、以下の1次微分方程式から計算され得る:
【数5】
ここから、状態空間表現は以下のように作成され得る。
【数6】
端子電圧U
KLは、端子電流I
KLによって引き起こされるバッテリーセルBZの内部電圧降下から、以下のように計算される。
【数7】
したがって、この単純な例示的実施形態では、状態ベクトルx(t)は、以下を含む:
【数8】
【0075】
カルマンフィルタ2の動作に影響を与え得る重要な変数は、ノイズ、すなわち処理ノイズv及び測定ノイズnである。測定ノイズnには、測定における誤差と、そこからトレースされるモデル適応における該誤差の影響が考慮される。処理ノイズvには、バッテリーモデルBMの簡素化と誤差耐性とが考慮される。以下、デュアルカルマンフィルタ2のそれぞれのノイズ項が、可能な実際の適用事例において迅速かつ効率的な適応を実行するために導出される。
【0076】
測定ノイズnの考慮は、以下の出力方程式において行われる:
【数9】
【0077】
使用されるバッテリーモデルBMの出力式を調査すると、様々な測定ノイズ成分、特に、セル電圧測定の測定ノイズ、電流センサの測定ノイズ、及び、拡散電圧に関するノイズ値が識別され得る。各項の分散σから、測定ノイズnが導出され得る。
【数10】
3つのノイズ成分の重み付けは、それぞれ大きく異なり得る。
【0078】
図7A,7Bは、本発明に係るバッテリー管理システムにおける電圧及び電流センサのノイズ挙動を例として示す。
図7Aは、(例えば、
図3に示す電圧センサ10の)バッテリー管理システムにおける電圧センサのノイズ挙動を示す。
図7Aは、端子電圧U
KLに関する測定値の分布を示す。例えば、平均値μは4.01Vであり、分散は6.546e−0.5である。
【0079】
図7Bは、(例えば、
図3に示す電流センサ11の)バッテリー管理システムにおける電流センサの挙動を例として示す。異なる端子電流I
KLにわたって分布する測定値の数が確認できる。例えば、平均値μはμ=−1.14Aであり、分散σは1.389e−01である。
【0080】
図8A,8Bは、バッテリーモデルBMのノイズ挙動を示す。
図8Aは、時間tにわたる測定とシミュレーションとの間の誤差を示す。
図8Aは、バッテリーセルBZの真のセル電圧に関するバッテリーモデリングの絶対誤差を示す。
【0081】
図8Bは、偏差のヒストグラムを示す。したがって、
図8Bは、関連付けられたノイズ挙動を示す。
図8Bは、例えば、様々な電圧Uの測定回数を示す。
【0082】
図6に示されたバッテリーモデルBMに表される内部抵抗R
DC1sは、ノイズに関してパラメータと全く同じような挙動を取るため、パラメータノイズと共に比較され得る。第1の状態UDの処理ノイズv1を調査すると、第1の状態UDは以下のようにして導出され得る:
【数11】
第2のバッテリーセル状態SOCの第2の処理ノイズ成分v2を調査するには、以下を導出により生成する:
【数12】
【0083】
第3の状態R
dc1sの挙動はパラメータと同じであるため、処理ノイズvをモデリングすると、第3の状態R
dc1sもまた観察され得る。バッテリーセルパラメータBZPの処理ノイズは、個々のバッテリーセルパラメータBZPをどれだけ大きく変更する必要があるかを決定する。従来の構成では、パラメータ推定器2Bは、もはや変化しなくなった固定パラメータ又はバッテリーセルパラメータBZPを推定するためにのみ使用される。バッテリーセルパラメータBZPが変化すると、デュアルカルマンフィルタ2が不安定になり得る。
【0084】
処理ノイズ成分v
BZPは、バッテリーセルパラメータBZPの状態空間表現内に生じる。カルマンフィルタ2に関する基本的な考慮事項の範囲内では、このノイズ値は、対応するバッテリーセルパラメータBZPにおける変化の特定の確率に他ならない。バッテリーセルパラメータBZPが広範囲にわたって非常に大きく変化する場合、このことは関連するバッテリーセルパラメータBZPの大きな分散σに対応する一方、逆に、小さな変化は非常に小さな分散に対応する。
【0085】
図9A〜9D及び10A〜10Dは、個々のバッテリーセルパラメータBZPの温度T、充電状態SOC及び負荷に対する動的依存性を示す。それぞれの影響変数又はバッテリーセル特性変数BZKに関する対応するバッテリーセルパラメータBZPの分散σがそこから推定される場合、バッテリーセルパラメータBZPのノイズ項が決定され得る。このようにして、例えば第3のバッテリーセルパラメータR
dc1s及び2つのバッテリーセルパラメータR
D,C
Dにおいて、充電状態依存性を観察することが可能になる。
【0086】
図9Aは、内部抵抗R
dc1sの充電状態SOCに対する依存性を、様々な温度Tのバッテリーセル状態BZZとして示す。
【0087】
図9Bは、様々な温度について、時定数τ
CD(τ=R
D×C
D)の充電状態SOCに対する依存性を示す。
【0088】
図9Cは、様々な温度Tについて、充電状態SOCに対する拡散抵抗R
Dの依存性を示す。さらに、
図9Dは、様々な温度Tについて、充電状態SOCに対する拡散容量C
Dの依存性を示す。
【0089】
同様に、静電容量C
nは、バッテリーセルパラメータBZPを形成する。
図10A〜10Dは、様々な典型的なリチウムイオンバッテリーの化学的性質についての正規化された放電静電容量を示す。
図10Aは、NMCバッテリーについて、正規化された放電静電容量を示す。
【0090】
図10Bは、様々な温度Tについて、LFPバッテリーの正規化された放電静電容量を示す。
【0091】
図10Cは、様々な温度Tについて、Cレートに関する正規化された放電静電容量を示す。
図10Dは、様々な温度Tについて、LTOバッテリーについてのCレートに対する正規化された放電静電容量を示す。バッテリーセルパラメータC
nを使用することにより、端子電流I
KL又はCレートに関する変化が、
図10A〜10Dにて観察される。温度Tは他の変数と比較して比較的ゆっくりとしか変化しないため、ノイズ共分散のほんの一部のみ構成すると仮定でされ得る。
【0092】
図11A〜
図11Dは、パラメータの変化の分散及び充電状態SOCに対する状態変化を示す。
図11Aは、充電状態SOCに対する内部抵抗R
dc,1sの分散を示す。
図11Bは、充電状態SOCに対する時定数の分散を示す。
図11Cは、充電状態SOCに対する拡散抵抗R
Dの分散を示す。
図11Dは、充電状態SOCに対する拡散容量C
Dの分散を示す。
【0093】
充電状態SOCに依存する分散が存在するため、サイクル期間
t1−t
2の充電状態SOCの差、すなわち(SOC(t
2)−SOC(t
1))が使用され得る:
【数13】
図10A〜10Dに既に示されるように、バッテリー静電容量は様々な要因に依存しており、特に、端子電流、温度、放電深度、経年変化及び回復に依存している。様々な依存性に基づき、適応方法をセル静電容量の処理ノイズ成分のモデリングに基づいて実装することが可能であり、この方法により適応労力が最小限に抑えられる。
【0094】
このモデリングの場合、動的に変化する端子電流I
KLの依存性が考慮可能であり、ここのとき、温度Tは比較的ゆっくりと変化し、そのため該分散σに対して従属的に寄与することが想定される。より低い温度TではバッテリーセルBZの静電容量が大幅に低下するため、温度の変化T=0℃でのセルの挙動が分散の調査に使用される。
【0095】
図12A〜12Dは、様々な典型的なリチウムイオンバッテリーの化学的性質についての様々なヒストグラムを示す。
【0096】
図12A〜12Dは、4つの特徴的なリチウムイオンバッテリーの化学的性質における、端子電流I
KLに対する電池容量の変化の分散を示す。
【0097】
図12Aは、NMCバッテリーにおける静電容量の変化を示す。
図12Bは、LFPバッテリーにおける静電容量の変化を示す。
図12Cは、NCAバッテリーにおける静電容量の変化を示し、
図12Dは、LTOバッテリーにおける静電容量の変化を示す。
【0098】
分散は、生産C0後の元のセル容量の倍数としての端末電流I
KLに依存しているため、端末電流の差分がサイクル期間に使用され得る。
【数14】
離散ノイズモデリングによって、以下が生成される。
【数15】
【0099】
図10A〜10Dは、NCAとNMCとの2つのセルの化学的性質には違いがほとんどなく、LFPとLTOとの化学的性質には強い揺らぎが含まれることを示す。LFPバッテリーセルは、最も軽微なノイズ挙動を示す。このことは、このセルの化学的性質を使用する場合に、他のセルの化学的性質よりもバッテリーセルBZのセル静電容量の変化がはるかに少ないことを意味する。LTOバッテリーセルの化学的性質は、それらの間にある。それぞれの適用事例に対してフィルタを適応させるために、セルの化学的性質が選択可能であり、それに応じてそのノイズ挙動が考慮され得る。
【0100】
本発明に係るデバイス1及び本発明に係る方法の好ましい実施形態では、デュアルカルマンフィルタ2の安定性監視がさらに行われる。これは、バッテリーセル状態BZZの共分散挙動、及び、バッテリーセルパラメータBZPの共分散挙動に基づいて行われることが好ましい。この安定性分析は、不安定性の兆しの場合、対応するバッテリーセル状態BZZ又はバッテリーセルパラメータBZPの共分散が増加するという事実に基づくが、このことは、フィルタ励起(Filteranregung)がある場合、実際には減少するはずである。このことは、バッテリーセル状態BZZ又はバッテリーセルパラメータBZPのそれぞれの値が妥当でない値となるずっと前から起こり得る。
【0101】
各バッテリーセル状態BZZ及び各バッテリーセルパラメータBZPの共分散挙動を使用し、それによってデュアルカルマンフィルタ2の不安定性に繋がる可能性のある誤った適応又は誤りイベントがあり得たかどうかを演繹するために、正しい共分散挙動が調査される。そうする際に、バッテリーセル状態BZZ又はバッテリーセルパラメータBZPの共分散行列の対角エントリが好ましく使用されるが、これらの対角エントリは、各バッテリーセル状態BZZ又はバッテリーセルパラメータBZPの推定誤差の自己相関を表すためである。個々のエントリは、現在の推定における品質の測定値を表す。共分散行列のエントリ又は対角エントリが小さいほど、デュアルカルマンフィルタ2の現在の推定はより正確になる。これらのエントリを評価するために、参照変数が使用される。その絶対値は、デュアルカルマンフィルタ2の機能が正しいモードであることに関する説明(Aussage)を表すものではない。むしろ、この参照変数における前の値と比較した変化が、正しい動作モードの尺度である。すなわち、共分散が低下すると、推定における誤差は低下するが、共分散が上昇すると、推定における誤差もまた上昇する可能性が高くなる。
【0102】
概括的な共分散挙動を調査又は分析するために、その推移をまずは線形カルマンフィルタに基づいて調査することが好ましい。この目的のため、経時的に変化する行列A、B、C及びノイズ項について、定数値が仮定され得る。共分散Pはまた、デュアルカルマンフィルタ2の入力に依存しないため、その推移は入力変数とは無関係に行われ得る。
【0103】
図13は、共分散行列Pの2つの対角値の推移を示す。
図13は、2つのバッテリーセル状態Ud,SOCの共分散、すなわち、バッテリーセルBZの拡散電圧と充電状態との共分散の理論的推移を示す。
図13は、これら2つのバッテリーセル状態BZZの共分散の経時的推移を示す。
【0104】
図13に見られるように、2つの共分散値は指数関数的に減少し、漸近的に終値へと接近する。この終値は、ノイズ成分n,vに依存する。
【0105】
測定ノイズnが増加すると、限界値がわずかに増加し、すなわち、フラットに推移する。処理ノイズvが増加すると、限界値が直接増加すると共に、推移がわずかに変化する。
【0106】
これらの調査に基づき、各バッテリーセル状態BZZ及び各バッテリーセルパラメータBZPについて、共分散挙動に適応したファンネルが指数の形式で定義される。システムにダイナミクスが存在する場合、それぞれの共分散Pは指定されたファンネル内に配置される必要がある。十分な励起(Anregung)において共分散Pがファンネルから離れる又はファンネル関数の値を超えるとすぐに、デュアルカルマンフィルタ2の不安定性の兆しが検出され得る。その後、それぞれのバッテリーセル状態BZZ又はバッテリーセルパラメータBZPの適応は、デュアルカルマンフィルタ2によって中断されることが好ましい。
【0107】
ファンネル関数TF内における共分散Pの推移は、例えば、
図14に表される。
図14は、ファンネル関数TF(t)内又はファンネル関数TF(t)下における拡散電圧U
Dの推移を、バッテリーセル状態BZZとして示す。ファンネル関数の推移と正しい共分散の推移との間に十分な隔たりがあることが確認される必要がある。好ましい実施形態では、ファンネル関数TFは、指数関数的に減少するファンネル関数であり、構成可能な係数a,b,cを有する。
【0108】
1つの可能な実施形態では、ファンネル関数TF(t)は以下の形式となる:
【数16】
ここで、係数a,bは曲線のピッチを決定し、係数cは関数の最終制限値を決定し、b<0、a>0及びc>0である。デュアルカルマンフィルタ2は非線形動的システムであって、個々のノイズ項についても特定の影響因子に依存するため、ファンネルの形状又はファンネル関数TFの形状の適応は、個々のバッテリーセル状態BZZ及びバッテリーセルパラメータBZPの実際の反応に基づいて行われることが好ましい。
【0109】
本発明に係る方法及び本発明に係るデバイス1は、バッテリーセルのバッテリーセルパラメータBZPを、バッテリーセル状態BZZを用いて動的に推定することを可能にする。さらに、本発明に係る方法は、現在のバッテリー静電容量の推定を可能にし、その現在のバッテリー静電容量を充電状態SOCの計算においても考慮に入れることができるようにする。さらに、本発明に係る方法は、(これまで誤って行われていた通例である)バッテリーセルのデータシートに示される定格静電容量C0によってではなく、現在のバッテリー静電容量に基づいて充電状態SOCを推定することを可能にする。さらに、本発明に係る方法及び本発明に係るデバイス1は、それぞれのセルの化学的性質の特性パラメータの影響に基づいて、ノイズ挙動を特定することを可能にする。その場合、フィルタ調整によって再調整する必要がない。さらに、それぞれのセルの化学的性質のみを考慮することもでき、その場合、様々なバッテリーセルに対して測定を個別に実行する必要がない。
【0110】
さらに、本発明に係る安定性監視方法は、各バッテリーセル状態BZZ及び/又は各バッテリーセルパラメータBZPの不安定性の兆しを早期に認識することを可能にする。したがって、それぞれのバッテリーセル状態BZZ及びバッテリーセルパラメータBZPの推定を、検出された不安定性が修正されるまで中断することが可能である。これにより、デュアルカルマンフィルタ2の安定した動作が保証される。さらに、デュアルカルマンフィルタ2をバッテリー管理システムBMSの適応フィルタとして使用することもできる。
【0111】
本発明に係る方法では、デュアルカルマンフィルタ2のフィルタ調整は、測定可能なノイズ成分を用いて行われる。これにより、デュアルカルマンフィルタ2を様々な新しいバッテリーシステム又はバッテリーセルBZに迅速に適応させることができる。それぞれの影響変数は、正確な方法で制御され得る。
【0112】
本発明に係る方法は、バッテリーセルBZ又はバッテリーの充電状態を高精度で決定することを可能にする。このバッテリーセルBZが使用される、例えば、車両の電気モーターを駆動するために使用される場合、それによって車両の範囲予測が大幅に改善される。
【0113】
本発明に係る検出方法は、堅牢かつ確実に動作する。この方法は、様々なバッテリーセルタイプのシステムに対して柔軟に適応され得る。本発明に係る方法は、比較的少ない技術的費用でデュアルカルマンフィルタ2を用いて実施することができる。1つの可能な実施形態の変形例では、本発明に係る検出デバイス1は、バッテリーセルBZのバッテリーセル状態BZZ及び/又はバッテリーセルパラメータBZPを検出するために、1つ又は複数のバッテリーセルBZを含む電池の筐体内に統合され得る。検出されたバッテリーセル状態BZZ及び/又は検出されたバッテリーセルパラメータBZPは、制御ユニットへと伝達され得る。検出されたバッテリーセルパラメータBZP及び検出されたバッテリーセル状態BZZに依存して、この制御ユニットは、バッテリーセル及び/又はバッテリーセルによって動作させられる電気負荷要素を充電するために、電流源を作動させることができる。本発明に係る検出方法は、リアルタイムで実行され得る。リアルタイムで検出されたバッテリーセル状態BZZ及び/又はバッテリーセルパラメータBZPは、リアルタイムで評価されて、(例えば、電気モーター又は太陽光発電設備における)閉ループ及び開ループ処理に使用され得る。好ましい実施形態では、本発明に係る検出デバイス1は、統合された安定性監視を有し、不安定性の兆しがあると自動的に停止される。
【0114】
さらなる態様によれば、本発明は、1つ又は複数のバッテリーセルにより構成され、バッテリーセル状態BZZ及び/又はバッテリーセルパラメータBZPを検出するための本発明に係る検出デバイス1を有する、バッテリーのためのバッテリー管理システムBMSを提供する。
【0115】
さらなる態様によれば、本発明は、そのようなバッテリー管理システム及び1つ又は複数のバッテリーセルBZを備えた電気自動車を提供する。
【0116】
さらなる態様によれば、本発明は、本発明に係る検出デバイス1を有する充電式バッテリーセルBZ及びバッテリー管理システムBMSを備えた太陽光発電設備を提供する。
【0117】
バッテリーセル状態BZZ及び/又はバッテリーセルパラメータBZPの検出のための本発明に係る方法及び本発明に係るデバイス1は、複数の目的に使用することができ、任意の充電式バッテリーセルBZ又はエネルギーストアと共に使用することができる。