特許第6979550号(P6979550)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6979550
(24)【登録日】2021年11月17日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】光輝効果を有する照明デバイス
(51)【国際特許分類】
   F21V 9/32 20180101AFI20211202BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20211202BHJP
【FI】
   F21V9/32
   F21Y115:10
【請求項の数】14
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2021-528400(P2021-528400)
(86)(22)【出願日】2019年12月10日
(86)【国際出願番号】EP2019084338
(87)【国際公開番号】WO2020120438
(87)【国際公開日】20200618
【審査請求日】2021年5月20日
(31)【優先権主張番号】18212198.8
(32)【優先日】2018年12月13日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ヒキメット リファット アタ ムスターファ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ボムメル ティース
【審査官】 下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2018/041923(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2018/0195690(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0369036(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 9/32
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光輝性の視覚効果を提供する照明デバイスであって、
支持基板上に取り付けられている少なくとも1つの固体発光要素であって、各固体発光要素が、発光面から光を放出するように構成されている、少なくとも1つの固体発光要素と、
ルミネッセント材料を含む封入材であって、前記少なくとも1つの固体発光要素の前記発光面を包囲しており、前記固体発光要素によって放出された光を少なくとも部分的に波長変換光に変換するように構成されている、封入材と、
少なくとも部分的に前記封入材内に含まれている複数の光透過性粒子であって、前記発光面の上の前記封入材の層厚さの0.4〜1.5倍の範囲の平均最長寸法延伸を有する、光透過性粒子と、を備え、
前記支持基板が透明であり、前記封入材が、前記支持基板の双方の平坦表面上に設けられている、照明デバイス。
【請求項2】
前記光透過性粒子の前記平均最長寸法延伸が、前記発光面の上の前記封入材の前記層厚さの0.8倍よりも大きい、請求項1に記載の照明デバイス。
【請求項3】
前記光透過性粒子の前記平均最長寸法延伸が、前記発光面の上の前記封入材の前記層厚さの0.8倍よりも小さい、請求項1に記載の照明デバイス。
【請求項4】
前記光透過性粒子が、対称形状を有する、請求項1に記載の照明デバイス。
【請求項5】
前記光透過性粒子が、非対称形状を有する、請求項1に記載の照明デバイス。
【請求項6】
前記光透過性粒子が、長手方向及び横方向における延伸の少なくとも2倍の大きさの、垂直方向における延伸を有する、請求項5に記載の照明デバイス。
【請求項7】
前記光透過性粒子が、前記封入材内に無作為に分散されている、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項8】
前記光透過性粒子が、粒子保持層内に無作為に分散されており、前記粒子保持層が、前記支持基板上に配置されている、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項9】
前記光透過性粒子が、前記支持基板又は前記発光要素上に、直接堆積されている、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項10】
光輝性の視覚効果を有する照明デバイスの製造方法であって、
透明支持基板上に取り付けられている少なくとも1つの固体発光要素を提供するステップであって、各固体発光要素が、発光面から光を放出するように構成されている、少なくとも1つの固体発光要素を提供するステップと、
前記支持基板の双方の平坦表面上に封入材を提供するステップであって、前記封入材が、ルミネッセント材料を含み、前記封入材が、前記少なくとも1つの固体発光要素の前記発光面を包囲しており、前記固体発光要素によって放出された光を少なくとも部分的に波長変換光に変換するように構成されている、封入材を提供するステップと、
少なくとも部分的に前記封入材内に含まれている複数の光透過性粒子を提供するステップであって、前記光透過性粒子が、前記発光面の上の前記封入材の層厚さの0.4〜1.5倍の範囲の平均最長寸法延伸を有する、複数の光透過性粒子を提供するステップと、を含む、方法。
【請求項11】
前記方法は、前記支持基板上に前記封入材を配置する前に、前記封入材内に前記光透過性粒子を(混合/溶解するステップを)更に含む、請求項10に記載の照明デバイスの製造方法。
【請求項12】
前記方法は、前記支持基板上に粒子保持層を配置するステップと、前記粒子保持層内に前記光透過性粒子を堆積又は混合するステップとを更に含む、請求項10に記載の照明デバイスの製造方法。
【請求項13】
前記方法は、前記支持基板及び/又は発光要素上に、前記光透過性粒子を直接堆積させるステップを更に含む、請求項10に記載の照明デバイスの製造方法。
【請求項14】
電球であって、
透明シェルと、
前記シェル内に配置されており、前記電球の電気端子に電気接続されている、請求項1に記載の照明デバイスのうちの少なくとも1つと、を備える、電球。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光輝効果を有する固体照明デバイス、及び当該製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
白熱ランプは、固体光源、例えば発光ダイオード(light emitting diode;LED)ベースの照明ソリューションによって、急速に置き換えられつつある。それにも関わらず、白熱電球の外見を有するレトロフィットランプを有することが、ユーザによって評価され所望されている。この目的のために、単純に、ガラスに基づく白熱ランプを製造するためのインフラストラクチャを利用して、従来のフィラメントを、白色光を放出するLEDフィラメントに置き換えることができる。構想のうちの1つは、そのような電球内に配置される、LEDフィラメントに基づく。これらランプの外観は、装飾性に優れて見えるため、高く評価されている。更には、そのような装飾的LED照明デバイスに、追加的な照明効果を導入することが望ましい。特に、LED電球における光輝性の外観は、視認者によって高く評価されることが予想される。すなわち、そのような効果は、より魅惑的で華やかな外観を作り出すために、様々な産業において広く使用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来、そのような光輝効果を照明システムにおいて作り出す努力は、従来の電球、LED、又は高出力ハロゲン電球などの光源を使用して、ガラス表面上へのグリッタ粒子の層の適用などの、グリッタ材料の層が設けられている表面を照明することに向けられてきた。それゆえ、表面からの反射光における光輝効果を達成する。代替的ソリューションでは、そのような光源が、鉛クリスタルガラスの近傍に配置される。このようにして、当該システムは、発光源と別個のグリッタ表面とに関する別個の設置スキームを必要とすることなく、効果をもたらす。しかしながら、これらの手法は、それらに付随する欠点を有し、通常は高コストであり、実装が煩雑である。
【0004】
国際公開第2017153252号に開示されている代替的ソリューションでは、露出されている外表面と、チャンバ内に配設されている少なくとも1つの一次光源とを備える、照明デバイスが提示されている。チャンバは、第1の表面部分及び対向する第2の表面部分を含む、内部表面構成を有する。一次光源は、第1の表面部分上に位置している。第2の表面部分は半透明であり、一次光源は、半透明の第2の表面によって区切られている複数の光出射領域を照明することにより、空間を照明するための機能照明を提供すると共に、空間的に動的な光輝性の光表示も有する。
【0005】
この文書は、よりコンパクトな手法を開示しているが、当該ソリューションは、照明源及び入射パネルを有するという原理を踏襲している。更には、この手法は、異方性の輝度を伴う発光面を有する二次光源を作り出すという、複雑なソリューションを提示している。
【0006】
それゆえ、所望の光輝効果を送達する照明デバイスに関する、より汎用的で、コスト効果の高い、効率的かつ単純なソリューションを提供することが、当該分野において必要とされている。
【0007】
したがって、本発明の目的は、当該技術分野の現況を改善し、上述の欠点のうちの少なくとも一部を軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これらの目的及び他の目的は、添付の請求項において定義されるような、光輝効果を有する固体照明デバイスと、光輝効果を有する固体照明デバイスの製造方法とを提供することによって達成される。
【0009】
本発明の第1の態様によれば、光輝性の視覚効果を提供する照明デバイスであって、支持基板上に取り付けられている少なくとも1つの固体発光要素であって、発光面から光を放出するように構成されている、固体発光要素と、ルミネッセント材料を含む封入材であって、少なくとも1つの固体発光要素の発光面を包囲しており、固体発光要素によって放出された光を少なくとも部分的に波長変換光に変換するように構成されている、封入材と、少なくとも部分的に封入材内に含まれている複数の光透過性粒子であって、発光面の上の封入材の層厚さの0.4〜1.5倍の範囲の平均最長寸法延伸を有する、光透過性粒子とを備える、照明デバイスが提供される。
【0010】
照明デバイスは、本説明の残部において「LEDフィラメント」と称され得る場合もあるが、このタイプのデバイスに限定されるものではない。
【0011】
LEDフィラメントは、LEDフィラメント光を供給することが理解されており、線形アレイで配置されている複数の発光ダイオード(LED)を備える。好ましくは、LEDフィラメントは、長さL及び幅Wを有し、L>5Wである。LEDフィラメントは、直線構成で、又は、例えば湾曲構成、2D/3D渦巻、若しくは螺旋などの、非直線構成で配置されてもよい。好ましくは、LEDは、例えば剛性(例えば、ポリマー、ガラス、石英、金属、又はサファイアから作製されているもの)、又は可撓性(例えば、ポリマー、又は金属、例えばフィルム若しくは箔で作製されているもの)であってもよい物質のような、細長形の支持体上に配置される。
【0012】
支持体が、第1主表面及び反対側の第2主表面を含む場合、LEDは、これらの表面のうちの少なくとも一方上に配置される。支持体は、反射性であってもよく、あるいは、半透明及び好ましくは透明などの、光透過性であってもよい。
【0013】
LEDフィラメントは、複数のLEDの少なくとも一部を少なくとも部分的に覆う、封入材を備えてもよい。封入材はまた、第1主表面又は第2主表面のうちの少なくとも一方を、少なくとも部分的に覆ってもよい。封入材は、例えばシリコーンなどの、可撓性であり得るポリマー材料であってもよい。更には、LEDは、例えば種々の色又はスペクトルの、LED光を放出するように構成されてもよい。封入材は、LED光を少なくとも部分的に変換光に変換するように構成されている、ルミネッセント材料を含んでもよい。ルミネッセント材料は、無機蛍光体及び/又は量子ドット若しくは量子ロッドなどの、蛍光体であってもよい。LEDフィラメントは、複数のサブフィラメントを含んでもよい。「光透過性」粒子とは、ここでは、光が通過することにより、ルミネッセント封入材の波長変換効果を回避することを可能にする、粒子を意味する。粒子は、完全に非ルミネッセントであってもよく、又は少なくとも、封入材とは異なるルミネッセント効果を有してもよい。それらはまた、色吸収性であることにより、光の色を変化させてもよい。粒子はまた、光散乱効果を引き起こしてもよい。
【0014】
固体発光要素によって放出される光は、第1のスペクトル分布を有し得る。波長変換光は、第2のスペクトル分布を有してもよく、第1のスペクトル分布は、第2の分布とは異なっていてもよい。
【0015】
本発明は、そのような光透過性粒子が、封入材材料のルミネッセント効果を妨害するために使用されてもよいという認識に基づく。それゆえ、均一な波長変換の代わりに、発光要素からの一部の光は、光透過性粒子を通過して、完全な波長変換を回避することになる。一部の実施形態では、粒子は、好ましくは透明であり、このことは、より良好な光輝性の視覚効果をもたらし得る。このことの理由は、不透明粒子又は半透明粒子と比較して、透明粒子内では、光の散乱がより少ないためである。
【0016】
粒子は、様々なサイズ及び幾何学形状を有してもよいが、効果が明確に視認可能となるために、ここでは「最長寸法延伸」として定義される、粒子のサイズは、発光面の上の封入材の厚さと、ほぼ同程度であるべきである。好ましくは、平均最長寸法延伸のサイズは、この厚さの0.4〜1.5倍である。
【0017】
「最長寸法延伸」という表現は、広義に解釈されるべきであり、単純に、任意の寸法における粒子の最長延伸を指す。換言すれば、粒子は、異なる寸法(方向)において異なる延伸(サイズ)を有することになり、「最長寸法延伸」は、これらのうちの最大のものを指す。対称な粒子に関しては、粒子の寸法延伸は、全ての寸法において同じであり得る。非対称形状又は無作為形状を有する粒子に関しては、粒子は、種々の寸法において様々な寸法延伸を有してもよく、それらのうちの少なくとも1つの寸法延伸が、最長であり得る。
【0018】
用語「平均最長寸法延伸」は、様々なサイズ及び/又は形状を有する複数の粒子のサンプルにおいて、粒子の最長寸法延伸が異なり得るという事実を考慮するために使用される。それゆえ、サンプルにおける全ての最長寸法延伸の平均が、関連尺度として使用される。
【0019】
実際には、粒子サンプルに関する平均最長寸法延伸を決定又は確立することは、困難であり得る。一部の状況では、「D50」値などの別の尺度が、関連近似値として使用されることができる。D値とは、粒子が便宜的に球体としてモデル化されている場合の、粒子直径を意味し、粒子サンプルにおける全ての粒子が、昇順の集団として配列される場合に、指定の百分率にサンプルの集団を分割するものである。対象とする直径未満の集団百分率(重量%)が、「D」の後に表されている数字である。具体的には、D50とは、粒子サンプルの集団の約50重量%が、選択された直径未満の直径を有する、直径である。D50値が関連範囲内にある場合には、平均最長寸法延伸もまた、当該範囲内にあると想定されることができる。
【0020】
一部の実施形態では、粒子は、0.3〜6mm、又はより好ましくは0.4〜4mm、又は最も好ましくは0.5〜2mmの範囲のD50を有してもよい。
【0021】
追加的に又は代替的に、意図される粒子のサイズを選択するために、別の尺度が使用されてもよい。例えば、粒子サンプルは、粒子サンプルの少なくとも50重量%、又は少なくとも75重量%、又は少なくとも85重量%が、関連範囲内の最長寸法延伸を有することになるように、選択されることができる。
【0022】
発光要素から放出された光は、封入材、及び封入材内の粒子を通過することになる。粒子の密度に応じて、1つの発光要素からの(種々の方向の)光は、いくつかの粒子に衝突し得る。一部の実施形態では、粒子の密度は、大半の発光要素、例えば90%もの発光要素から放出された光が、少なくとも2つの粒子に衝突し得るような密度である。
【0023】
本発明は、例えば、白熱電球の外見に類似する電球の内部、例えばLEDフィラメントランプの内部に配置されている、固体発光要素を有する照明デバイスに、光輝効果などの、より装飾的な特徴を追加することにより、更により好ましい美的外観を作り出すことを可能にする。これらの粒子は、様々な幾何学形状及び向きを有してもよく、以下の概要及び詳細な説明で更に論じられることになる様々な製造手法を使用して、照明デバイス内に組み込まれてもよい。
【0024】
本発明によれば、固体発光要素の近傍に光透過性粒子を追加することの1つの利点は、外部のパターン化層又は格子の追加などの、更なる製造の複雑性を低減し、光輝効果を有する自己完結型の照明デバイスを提供する点である。更には、この手法は、照明デバイスの単位当たりの、プラスチックシート部分、金属コーティング、ガラス板などの材料の量を減少させることによって、各製造単位の環境フットプリントを減少させる。このことは同様に、製造の複雑性及び単位当たりのコストを低減する。
【0025】
光透過性粒子のサイズが大きいほど、封入材によってもたらされる波長変換が少なくなる。一実施例では、光透過性粒子の平均最長寸法延伸は、発光面の上の封入材の層厚さの0.8倍よりも大きく、この場合、発光面から放出された光は、ルミネッセント封入材によって、殆ど又は全く波長変換され得ない。別の実施例では、光透過性粒子の平均最長寸法延伸は、発光面の上の封入材の層厚さの0.8倍よりも小さく、この場合、発光面から放出された光は、依然として、ルミネッセント封入材によって、より視認可能に波長変換され得る。
【0026】
例えば、青色LEDの場合、封入材の厚さの0.8〜1.2倍で延伸するサイズを有する光透過性粒子は、青色の光輝をもたらし得る。その一方で、封入材の厚さの0.4〜0.8倍の範囲のサイズを有する粒子は、可視光スペクトルの赤色光波長端の色の光輝をもたらし得る。
【0027】
粒子は、光の方向に関わりなく同様の光変換(又は、光変換の欠如)を確実にするように、対称であってもよい。しかしながら、光輝効果の不規則性を増大させるために、光透過性粒子が非対称形状を有することが好ましい。例えば、粒子は、長手方向及び横方向における延伸の少なくとも2倍の大きさの、垂直方向における延伸を有してもよい。
【0028】
本発明の文脈では、垂直方向、長手方向、及び横方向などの、方向及び向きは、広義に解釈される必要があり、一般に、3次元デカルト座標系などの座標系における、物体の、例えば光透過性粒子の、幾何学的延伸を指す。それゆえ、光透過性粒子の空間的延伸及び各点の固有の位置は、座標系の少なくとも1つの平面内で、一対の数値座標を使用して定義されることができる。粒子を、3つの直交方向のうちの1つにおいてより大きく(例えば、長手方向及び横方向よりも垂直方向で大きく)(例えば、2倍の大きさで)延伸させることによって、細長形の(例えば、米粒形状の)粒子が形成される。粒子を、3つの直交方向のうちの2つにおいてより大きく(例えば、横方向よりも垂直方向及び長手方向で大きく)延伸させることによって、円盤形状の粒子が形成される。
【0029】
本発明の第2の態様によれば、光輝性の視覚効果を提供する照明デバイスの製造方法であって、支持基板上に取り付けられている少なくとも1つの固体発光要素を提供するステップであって、各固体発光要素が、発光面から光を放出するように構成されている、少なくとも1つの固体発光要素を提供するステップと、ルミネッセント材料を含む封入材を提供するステップであって、封入材が、少なくとも1つの固体発光要素の発光面を包囲しており、固体発光要素によって放出された光を少なくとも部分的に波長変換光に変換するように構成されている、封入材を提供するステップと、少なくとも部分的に封入材内に含まれている複数の光透過性粒子を提供するステップであって、光透過性粒子が、発光面の上の封入材の層厚さの0.4〜1.5倍の範囲の、任意の寸法における平均最長寸法延伸を有する、複数の光透過性粒子を提供するステップとを含む、方法が提供される。
【0030】
第2の態様のステップは、任意の論理的順序で実行されてもよく、例えば、少なくとも1つの固体発光要素の近傍に光透過性粒子を提供する前に、支持基板と少なくとも1つの固体発光要素とを包囲する封入材を提供してもよい点が、強調される。
【0031】
本発明のこれらの第1の態様と第2の態様との効果及び特徴は、大部分が類似しており、上述の実施形態は、本発明のこれらの2つの態様の双方に適合している。
【0032】
本発明の例示的実施形態によれば、光透過性粒子は、支持基板上に封入材を配置する前に、封入材内に混合/溶解されている。
【0033】
封入材内に光透過性粒子を予め混合しておくことは、照明デバイスの製造プロセスを容易にし、かつ製造コストを低減するという利点を有することが、本発明者らによって認識されている。更には、このプロセスでは、不規則な視覚効果を作り出すために、光透過性粒子は、封入材内に無作為に分散されてもよい。
【0034】
別の例示的実施形態によれば、光透過性粒子は、粒子保持層内に堆積されており、粒子保持層は、支持基板上に配置される。これらのステップの順序はまた、逆にされることもできる。
【0035】
粒子保持層は、発光要素以外の、支持基板の任意の他の部分/側に適用/堆積されてもよい。粒子保持層は、カスタマイズ可能な光輝効果を作り出す際に有利となり得る、任意の所望のレイアウトで、連続的に、又は不連続部分内に、堆積されてもよい。光透過性粒子は、粒子保持層内に無作為に分散されてもよい。
【0036】
この手法は、LED要素に対して粒子保持層を堆積させる際の、より制御されたプロセスにより、より効率的な光輝効果をもたらし得る。粒子保持層は、LED要素に対して基板上の任意の場所に堆積されてもよいが、LED要素に近接した粒子保持層の制御された堆積が、光輝効果を作り出す際のLEDフィラメントの効率を向上させることが、本発明者らによって見出されている。このカテゴリの照明デバイスは、より高い品質及び強度の光輝が所望され、またそれゆえ、より複雑かつ高コストの製造プロセスが採用される、前述のタイプよりも好ましい場合がある。
【0037】
更に別の例示的実施形態によれば、光透過性粒子は、支持基板及び/又は発光要素上に直接堆積されてもよい。例えば、粒子は、粒子がLED要素を部分的にのみ覆うように、及び/又は、対応のLEDから特定の距離に位置するように、基板上に堆積されてもよい。光透過性粒子はまた、支持基板のいずれかの側に、様々な形状及びレイアウトで堆積されてもよい。
【0038】
直接堆積の利点は、光透過性粒子の成長及び堆積の条件が正確に制御可能であり、それゆえ、個々のLEDからの、又はLEDフィラメントからの、カスタマイズ可能な光輝効果をもたらす点である。しかしながら、このカテゴリは、高コストの製造設備と、より複雑な製造手順とを必要とする。
【0039】
本発明の第3の態様によれば、透明シェルを備える電球であって、シェル内において電球の電気接触点に電気接続して配置されている、本発明の第1の態様及び第2の態様による照明デバイスのうちの少なくとも1つを備える、電球が提供される。
【0040】
照明デバイスがLEDフィラメントである場合には、電球は、LEDフィラメントランプと称されてもよい。LEDフィラメントランプは、例えば、好ましくは3〜9個のLEDフィラメント、又はより好ましくは4〜6個のLEDフィラメントを備えてもよい。
【0041】
シェルは、照明デバイスを実質的に包囲している外囲器であってもよい。ランプはまた、照明器具のソケットにランプを接続するための、口金も備える。口金は、典型的には、照明デバイスと電気的に接続されている。
【0042】
本発明のこの態様では、本発明の好ましい特徴及び利点が、本発明の前述の態様と同様に容易に利用可能であり、逆もまた同じである。
【0043】
本発明のこれらの特徴及び他の特徴は、以降で説明される実施形態を参照して、以下で更に明らかにされるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0044】
上記の目的、並びに、本発明の追加的目的、特徴、及び利点は、本発明の実施形態の以下の例示的かつ非限定的な詳細な説明を、添付図面と併せて参照することによって、より完全に理解されるであろう。
図1】本発明の少なくとも1つの実施形態による照明デバイスの概略断面上面図を示す。
図2a】本発明の少なくとも1つの実施形態による照明デバイスの概略側断面図を示す。
図2b】本発明の少なくとも1つの実施形態による照明デバイスの概略側断面図を示す。
図2c】本発明の少なくとも1つの実施形態による照明デバイスの概略側断面図を示す。
図3a】本発明の一部の例示的実施形態による照明デバイスの概略側断面図を示す。
図3b】本発明の一部の例示的実施形態による照明デバイスの概略側断面図を示す。
図3c】本発明の一部の例示的実施形態による照明デバイスの概略側断面図を示す。
図4図1に示される照明デバイスを含む電球を示す。
【0045】
図に示されるように、(粒子、封入材などを含めた)一部の特徴は、例示目的のために誇張されているか、又は誇張されている可能性があり、それゆえ、本発明の実施形態の一般的な構造を例示するように提供されている。同様の参照符号は、全体を通して、同様の要素を指す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本明細書の詳細な説明では、本発明の実施形態が、添付の図を使用して論じられる。このことは、本発明の範囲を決して限定するものではなく、これはまた、例えば、添付図面に示される実施形態以外の、光輝効果を有する照明デバイスを製造するための他のタイプ若しくは変形形態の方法、又は、光輝効果を有する他のタイプ若しくは変形形態の照明デバイスを使用する、他の状況においても適用可能である点に留意されたい。更には、本発明の実施形態に関連して特定の特徴が言及されていることは、それらの構成要素が、本発明の他の実施形態と共に有利に使用されることができないことを意味するものではない。
【0047】
以下の説明では、「上部」、「底部」、「内側」、「外側」、「側面」などの用語を使用する。これらの用語は、全般的に、図面に示される際の視点及び向きに言及している。これらの用語は、読者の便宜を図るためにのみ使用されており、限定するものではない。
【0048】
照明デバイスの方向及び延伸は、座標系を使用して、より詳細に以下で論じられる。本質的に、垂直方向又はz方向は、支持基板に直交しているか又は垂直である。長手方向又はy方向は、照明デバイスの最長延伸に平行である。横方向又はx方向は、y方向及びz方向の双方に直交している。x方向は、固体発光要素の最長延伸に平行であってもよいが、また、固体発光要素の最長延伸を横断する方向であってもよい。
【0049】
図1は、支持基板2と、基板2の上部に配置されている、固体発光要素の少なくとも1つの連続部分3又は不連続部分4とを備える、照明デバイス1の一実施例を示す。発光要素は、発光面から光を放出するように構成されている。支持体は、発光要素からの光が支持体を通過することを可能にするように、透明であってもよい。
【0050】
固体発光要素は、照明産業、自動車産業、及び航空産業のような広範囲の産業において幅広い用途を見出している、LEDであってもよい。エネルギー消費が低いこと、長寿命、コンパクトなサイズ、及び高速のスイッチングの特性によるものである。LEDは、恐らくは環境への悪影響がより少ないことにより、照明ソリューションにおいて多くの注目を特に集めてきた。図1に示されるような細長形のLED照明デバイス1は、LEDフィラメントと称される場合がある。
【0051】
この実施例では、支持基板は、当該最長延伸をy方向において有し、LED3、4は、支持基板2上に実質的に平行に配置されている。LEDが不連続の4である実施例では、LED間の分離は、隣接するLED間に複数の間隙5を形成し得る。代替的実施形態では、LEDの最長延伸は、支持基板の最長延伸に対して、横断又は直交する方向であってもよい。より詳細には、支持基板の最長延伸がy方向である場合、複数のLED3、4の最長方向は、x方向であってもよく、あるいは、x方向及びy方向に対して任意の向きであってもよい。各固体発光要素3、4又は各支持基板2は、固体発光要素3、4又は支持基板2の最長延伸に沿って配置されている、第1の端部及び第2の端部を有する点を理解されたい。第1の端部及び第2の端部はまた、固体発光要素3、4又は支持基板2の任意の他の延伸に沿って、あるいは横切って配置されてもよい。
【0052】
照明デバイスは、ここでは支持基板及びLEDを包囲している、ルミネッセント材料を含む封入材6を更に備える。封入材は、例えば、シリコーンマトリックス材料中の無機蛍光体粒子を含み得る。代替的に、封入材は、支持基板及びLEDを部分的にのみ包囲してもよく、あるいは、同じ照明デバイス1の支持基板及びLEDの異なる部分を包囲するために、異なる組成の封入材、例えば、異なる比率の蛍光体とシリコーンマトリックスとが使用されてもよい。蛍光体は、無機蛍光体、有機蛍光体、及び/又は量子ドット若しくは量子ロットであってもよい。無機蛍光体の例としては、LuAl12(LuAG)、イットリウムアルミニウムガーネット(YAG)、ECASなどが挙げられる。
【0053】
封入材6は、LEDから放出された光の波長変換をもたらすように構成されており、例えば、青色LED要素を使用する場合、LEDからの青色光の少なくとも一部が、蛍光体によって吸収されて、黄色光及び/又は赤色光に変化される。青色LEDは、例えば、440〜460nmの波長範囲の発光などの、420〜490nmの波長範囲の光を放出してもよい。
【0054】
照明デバイスはまた、青色LEDに加えて、赤色LEDを備えてもよい。赤色LEDは、赤色光を放出する。赤色LEDによって放出された赤色光は、ルミネッセント材料によって変換されなくてもよい。赤色LEDによって放出された赤色光はまた、光輝性の視覚効果を示してもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、LEDフィラメントは、複数のLED、例えば、LEDの線形アレイ又は1次元マトリックスを備えてもよく、少なくとも1×5、好ましくは1×10、より好ましくは1×20、又は最も好ましくは1×30のマトリックスが、基板の各側若しくはいずれかの側に配置されている。一実施例では、フィラメントは、基板の各側又はいずれかの側に配置されている1×30マトリックスの青色直接発光LEDと、透明サファイアで作製されている基板と、シリコーンと蛍光体、例えばYAG及びKSiF(KSIF)蛍光体との混合物で部分的に作製されている封入材とを備えてもよく、粒子は、ガラス粒子であってもよい。
【0056】
LEDフィラメントは、好ましくは、白色光を放出する。LEDフィラメント光は、好ましくは、2000K〜6000K、より好ましくは2100〜4000K、最も好ましくは、例えば2300K又は2700Kなどの、2200〜3000Kの範囲の色温度を有する。LEDフィラメント光は、好ましくは、少なくとも75、より好ましくは少なくとも80、最も好ましくは少なくとも85の演色評価数を有する。LEDフィラメントから放出される白色光は、好ましくは、BBL(black body locus;黒体軌跡)から15SDCM以内、より好ましくは10SDCM、最も好ましくは、例えば5又は3SDCMなどの、7SDCMである。
【0057】
図示の実施例では、本デバイスは、支持基板2の第1の端部9及び第2の端部10に配置されている、第1の接触電極7及び第2の接触電極8を更に有する。接触電極は、外部電源又は任意の追加的接触点への電気接触を提供する。当然ながら、電極の異なる配置もまた可能である。
【0058】
本発明によれば、照明デバイスは、封入材内に部分的又は完全に含まれている、任意の幾何学形状の複数の光透過性粒子11を更に備える。これらの粒子に関する好適な材料は、ガラス、石英、サファイア、プラスチック、例えばPMMA又はPC、シリコーンなどである。
【0059】
ガラス及びシリコーンは、要求水準の高い用途、すなわち、より高いルーメン出力(高出力)のLEDフィラメントに関して好ましい。
【0060】
粒子のサイズ、すなわち平均最長寸法延伸は、LEDの発光面の上の封入材の層厚さの0.4〜1.5倍である。一実施例によれば、光透過性粒子11のサイズは、封入材の厚さdの少なくとも0.4倍、又は少なくとも0.8倍であってもよい。追加的に又は代替的に、光透過性粒子のサイズは、封入材6の厚さの最大で0.8倍、又は最大で1.2倍であってもよい。
【0061】
図2は、図1の照明デバイス1の概略側断面図を示す。この実施例では、断面は、不連続LED部分4を有する、図1の線A、線B、線C、及び線Dにわたって取られているが、連続LED部分3に関する、同じ線に沿った断面に対しても、同じ説明が適用されてもよい点が容易に理解されよう。図2の断面Aは、2つの例示的な光線がLED4から放出されている、LEDフィラメント1の一部分を示す。光線21は、封入材6を通って完全に波長変換され、変換光21としてLEDフィラメント1から出射する。その一方で、光線22は、光透過性粒子を通過することにより、さほど波長変換されない(又は、全く波長変換されない)ことになる。光線22はまた、粒子11との相互作用によって散乱されてもよい。
【0062】
光22の色は、粒子11のサイズに依存することになる。青色LEDの場合、より大きい(例えば、封入材6の厚さの0.8〜1.2倍の)粒子は、より多くの青色光輝を結果としてもたらすことになり、その一方で、より小さい(例えば、封入材6の厚さの0.4〜0.8倍の)粒子11は、可視光スペクトルの赤色端により近い光輝を結果としてもたらすことになる。
【0063】
粒子は、LED要素に対して種々の位置及び距離に配置されてもよい。粒子は、断面A及び断面Dに示されるように、LED要素と直接又は密接に接触していてもよく、あるいは、断面Bに示されるような、支持基板2及びLED要素4の反対側にあってもよく、図2aの断面Cに示されるように、LED要素4の近傍に存在しなくてもよい。様々な他の実施例でもまた理解されるべきであるように、LEDフィラメント1は、例えば図2bに示されるように、支持基板のいずれかの側及び/又は両側に、2つ以上の発光要素3、4を有してもよい。そのような発光要素3、4は、支持基板2のx方向又はy方向における最長延伸に連続的に配置されている、連続発光部分3として、あるいは、支持基板2のいずれかの側に配置されている、不連続発光部分4として設けられてもよい。不連続部分4は、x方向又はy方向に対して、任意の所与の向きで配置されてもよい。追加的実施例として、照明デバイス1は、異なる光学特性及び材料特性を有する発光要素3、4を有してもよい。
【0064】
更には、照明デバイス1は、例えば図2cに示されるように、1つの封入材6内に封入されている2つ以上の基板2を有してもよい。
【0065】
封入材6の厚さdは、一般に、支持基板2及びLED要素3、4を完全に包囲し得るようなものである。しかしながら、そのような厚さはまた、基板2及びLED要素3、4を包囲するために必要とされる厚さを超過してもよい。しかしながら、1つ以上の光透過性粒子11は、封入材6によって部分的にのみ包囲されてもよい。
【0066】
一実施例として、厚さdは、mmのオーダー、例えば約2〜3mmであってもよい。厚さdが2mmである場合には、粒子の平均最長寸法延伸は、0.8〜3mmの範囲とするべきである。
【0067】
封入材6は、発光面4aから封入材の境界までの距離が、断面内の全ての方向において実質的に同じであるように、発光デバイスの周囲に実質的に対称に設けられてもよい(例えば、図2aを参照)。図2cでは、封入材の層は、高さよりも広い幅を有する。この場合、厚さを、より大きい距離d'として見なすことが、より適切であり得る。
【0068】
粒子サイズ、及び体積当たりの粒子数に応じて、総粒子体積と総体積(すなわち、封入材及び粒子の体積)との比率は、10%以上、恐らくは更に約30%であってもよい。
【0069】
図3a〜図3cは、本発明による照明デバイスの製造方法の種々の実施形態を示す。
【0070】
図3aでは、光透過性粒子11は、封入材6内に混合されている。封入材は、蛍光体に加えて、シリコーンマトリックス材料を部分的に含んでもよい。より好ましくは、封入材は、シリコーンマトリックス材料と無機蛍光体粒子とで作製されている。
【0071】
封入材は、LED3、4及び基板2の上に適用され、それらを包囲する。代替的には、封入材6内に光透過性粒子11を含めるステップと、LED3、4及び基板2上に封入材6を適用するステップとが、同時に実施されてもよい。
【0072】
図3bに示される異なる手法では、粒子保持層30が使用されてもよい。この実施例では、粒子保持層30は、LED3、4を少なくとも部分的に覆って、又はLED3、4に隣接して、支持基板2上に堆積され、光透過性粒子11が、粒子保持層30内に堆積される。粒子保持層30は、支持基板2のいずれかの側に、又は両側に適用されてもよい。次いで、封入材6が、基板2、LED3、4、及び粒子保持層30の上に適用される。
【0073】
光透過性粒子11及び粒子保持層30は、例えばポリジメチルシロキサン(polydimethylsiloxane;PDMS)などを含めた、有機ケイ素化合物及び/又はシリコーン系ポリマー化合物、及び、それらのコポリマー又は変性物の、様々な組み合わせで作製されてもよい。
【0074】
図3cは、本発明の更に別の例示的実施形態による、LEDフィラメント1を製造する更に別の製造手法を示す。この実施例では、光透過性粒子31は、支持基板2又はLED3、4上に直接堆積されている。光透過性粒子31は、均一又は不均一な幾何学形状を有してもよい。光透過性粒子31は、LED3、4を少なくとも部分的に覆うように堆積されてもよい。光透過性粒子31の堆積は、支持基板2のいずれかの側又は両側上であってもよい。光透過性粒子31の堆積は、限定するものではないが、種々の材料組成、堆積比率、堆積時間、堆積温度、堆積速度などを含めた、制御された堆積パラメータ及び/又は所定の堆積パラメータで実行されてもよい。それゆえ、粒子のサイズ、厚さ、位置合わせ、角度、及び向きは、高精度で操作されることができる。光透過性粒子を混合又は堆積させる方法は、当該技術分野における任意の既知の方法であってもよく、非限定的なリストとして、蒸着、スパッタリング、スプレーコーティングなどを含み得る。
【0075】
図4では、本発明による、照明デバイス1のセットを取り囲む透明シェル41を備える、電球40が示されている。電球はまた、照明デバイスが電気的に接続されている接続端子、ここでは従来のねじ込み式口金42も有する。
【0076】
ここまで、特定の実施形態を参照して、本発明が説明されてきた。上述の実施形態は、本発明を限定するものではなく、むしろ例示するものであり、当業者は、添付の請求項の範囲から逸脱することなく、多くの代替的実施形態を設計することが可能となる点に留意されたい。請求項では、括弧内のいかなる参照符号も、その請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。「備える(comprise)」という語は、請求項で列挙されるもの以外の他の要素又はステップの存在を排除するものではない。要素に先行する語「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数のそのような要素の存在を排除するものではない。更には、支持基板の第1の端部及び第2の端部などの、照明デバイスの他の構成要素、あるいはLEDは、例えば、図に示されるもの以外の任意の他の曲率又は向きのものであってもよい。それらはまた、それらの最長延伸がx方向、y方向、及びz方向間の任意の方向となるように置かれてもよい。それゆえ、それらは、基板の最長延伸に対して、平行である必要もなく、垂直である必要もない。当業者はまた、他の導体材料又は半導体材料が、照明デバイスの電極として、又は照明デバイスのLED要素において、使用されることができる点も認識している。更には、当業者は、蛍光体粒子とシリコーン系マトリックス材料との様々な組み合わせが、封入材に関して利用可能である点を、容易に理解するであろう。
【0077】
様々な実施例では、支持基板のサイズ、厚さ、及び面積、接触電極の数、あるいはLEDフィラメントの幾何学形状が、変化し得る点もまた理解されたい。非限定的な実施例として、LEDフィラメントは、例えば、2つのLED要素をそれぞれが有する、2つの基板を有してもよい。それゆえ、各基板は、各LEDに個別に対処するように、一対の電極に接続されてもよい。LEDは、直列接続又は並列接続で、電極に接続されてもよい。
【0078】
他の実施例では、光透過性粒子又はLED要素のサイズ、厚さ、面積、形状、若しくは数が、適切に変化し得る点もまた理解されたい。例えば、光透過性粒子は、矩形、三角形、円形、楕円形、平坦な円盤状などの、任意の対称又は非対称の幾何学断面レイアウトを有してもよく、あるいは、任意の他の無作為のレイアウト又は歪められたレイアウトで、提供及び配置されてもよい。光透過性粒子は、均一な粒子又は不均一な粒子であってもよい。
【要約】
支持基板上に取り付けられている固体発光要素と、ルミネッセント材料を含む封入材であって、固体発光要素の発光面を包囲しており、固体発光要素によって放出された光を少なくとも部分的に波長変換光に変換するように構成されている、封入材と、少なくとも部分的に封入材内に含まれている複数の光透過性粒子であって、発光面の上の封入材の層厚さの0.4〜1.5倍の範囲の平均最長寸法延伸を有する、光透過性粒子とを備える、照明デバイス。
光透過性粒子は、光輝効果を作り出すために、封入材のルミネッセント効果を妨害してもよい。
図1
図2a
図2b
図2c
図3a-3c】
図4