【課題を解決するための手段】
【0008】
とりわけ、本明細書の実施形態では、混合チャンバ内に配置されている光源(及び、実施形態では、複数の固体光エミッタを有する光源を制御するように適合されている、コントローラ)を備える、(色調整可能な)LEDフィラメントランプなどの、或る種のフィラメントランプが提案される。混合チャンバは特に、光透過領域を含み、光透過領域は、光透過領域よりも高い光透過率を有する光出射領域を画定している。光透過領域及び光出射領域は特に、等方性の輝度を呈し得る。実施形態では、光出射領域は、スリットの形状を有する。
【0009】
第1の態様では、本発明は、光生成デバイス(「デバイス」)であって、(a)発光面を含む光源であって、光源が、光源光を生成するように構成されており、発光面が、光チャンバ内に構成されている、光源を備え、(b)光チャンバが、チャンバ壁によって少なくとも部分的に画定されており、チャンバ壁(「光チャンバ壁」)が、(i)第1部分(「光透過領域」)であって、第1部分が、光源光に対して透過性であり、第1部分が、光源光に対して第1の反射率R1を有し、第1部分が、第1部分面積(A1)を有する、第1部分と、(ii)1つ以上の第2部分(「光出射領域」)であって、各第2部分が、光源光に対して透過性であり、光源光に対して第2の反射率R2を有し、1つ以上の第2部分が一体となって、第2部分面積(A2)を有し、特定の実施形態では、(i)R1>R2、特にR1−R2≧20%であり、特定の実施形態では、(ii)R1<100%、更により特定的には65%≦R1<100%である、1つ以上の第2部分とを含む、光生成デバイスを提供する。第1部分面積(A1)に対する第2部分面積(A2)の比は、0.005≦A2/A1≦0.05の範囲である。更には、特定の実施形態では(iii)第2部分面積(A2)は、第1部分面積(A1)よりも小さい。
【0010】
そのような光生成デバイスにより、或る種のフィラメント状ランプを提供することが可能である。光チャンバ壁は、光源光に対して光透過性であり、実施形態では、例えば電球の場合など、多方向に光を供給してもよい。異なる透過率又は異なる反射率が存在するという事実により、第2部分は、第1部分よりも明るくなる。第2部分が第1部分よりも小さいという事実により、及び、第2部分のより大きい輝度により、例えば、フィラメントタイプのランプの認識、又は白熱タイプのランプの認識が作り出される。それゆえ、実施形態では、低コストの(色調整可能な)LEDフィラメントランプが立証され得る(以下もまた参照)。本光生成デバイスは、ルミネッセント材料ベースのフィラメントランプよりも容易に製造され得る。更には、本光生成デバイスは、より堅牢であり得る。
【0011】
上述のように、光生成デバイスは、光源及び光チャンバを備える。光生成デバイスは特に、(デバイスの動作中に)デバイス光を生成するように構成されている。本デバイスは、本質的に光源光に基づくものであってもよく、実施形態では、光源光から成るものであってもよい。
【0012】
光源は、固体光源のダイなどの、発光面を含む。光源は、光源光を生成するように構成されている。この光源光は、(光源の動作中に)発光面から発散する。
【0013】
用語「光源」とは、発光ダイオード(light emitting diode;LED)、共振空洞発光ダイオード(resonant cavity light emitting diode;RCLED)、垂直共振器レーザダイオード(vertical cavity laser diode;VCSEL)、端面発光レーザなどの、半導体発光デバイスを指す場合がある。用語「光源」はまた、パッシブマトリックス(passive-matrix organic light-emitting diode;PMOLED)又はアクティブマトリックス(active-matrix organic light-emitting diode;AMOLED)などの、有機発光ダイオードを指す場合もある。特定の実施形態では、光源は、固体光源(LED又はレーザダイオードなど)を含む。一実施形態では、光源は、LED(発光ダイオード)を含む。LEDという用語はまた、複数のLEDを指す場合もある。更には、用語「光源」は、実施形態ではまた、いわゆるチップオンボード(chips-on-board;COB)光源を指す場合もある。用語「COB」は、特に、封入も接続もされることなく、PCBなどの基板上に直接実装されている、半導体チップの形態のLEDチップを指す。それゆえ、複数の半導体光源が、同じ基板上に構成されてもよい。実施形態では、COBは、単一の照明モジュールとして一体に構成されている、マルチLEDチップである。
【0014】
用語「光源」はまた、2〜2000個の固体光源などの、複数の光源に関連してもよい。
【0015】
実施形態では、光源は、白色光を生成するように構成されてもよい。それゆえ、特定の実施形態では、光生成デバイスは、白色光源光を生成するように構成されている。光生成デバイスが、複数の光源を備え、それら複数の光源が、異なるスペクトル分布の(対応の)光源光を有する場合、光生成デバイスは(また)、白色光源光を生成するように構成されてもよく、又は、制御モードにおいて白色光源光を生成するように構成されてもよい(以下もまた参照)。
【0016】
本明細書における白色光という用語は、当業者には既知である。特に、白色光とは、約2000〜20000K、特に2700〜20000K、一般照明に関しては、特に約2700K〜6500Kの範囲、バックライトの目的に関しては、特に約7000K〜20000Kの範囲の相関色温度(correlated color temperature;CCT)を有し、特に、BBL(黒体軌跡;black body locus)から約15SDCM(等色標準偏差;standard deviation of color matching)の範囲内、特にBBLから約10SDCMの範囲内、更に特にBBLから約5SDCMの範囲内である光に関連する。
【0017】
一実施形態では、光源はまた、約5000〜20000Kの相関色温度(CCT)を有する光源光を供給してもよく、例えば、直接蛍光体変換型LED(例えば10000Kを得るための、蛍光体の薄層を有する青色発光ダイオード)であってもよい。それゆえ、特定の実施形態では、光源は、5000〜20000Kの範囲の、更により特定的には、8000〜20000Kなどの、6000〜20000Kの範囲の相関色温度を有する光源光を供給するように構成されている。比較的高い色温度の利点は、光源光中に比較的高い青色成分が存在し得る点であってもよい。
【0018】
実施形態では、光源は、強度が制御可能であってもよい。この目的のために、光生成デバイスは、制御システムを備えてもよく、又は、制御システムに機能的に結合されてもよい。実施形態において2つ以上の光源が存在する場合、光源の強度が、特定の実施形態では制御可能であってもよく、及び/又は、(他の)特定の実施形態では、デバイスからの光発散、すなわちデバイス光の、スペクトル分布が制御可能であってもよい。
【0019】
それゆえ、実施形態では、光生成デバイスは、光源光を生成するように構成されている複数の光源、特に複数の固体光源を備える。更なる特定の実施形態では、光源の2つ以上のサブセット、特に固体光源の2つ以上のサブセットが、青色、緑色、及び赤色、あるいは白色及び赤色などの、異なるスペクトル分布を有する固体光源光を生成するように構成されている。それゆえ、特定の実施形態では、制御システムは、デバイス光の1つ以上の照明パラメータを制御するように構成されてもよい。更なる特定の実施形態では、制御システムは、色温度、色点、及び光束のうちの1つ以上を制御するように構成されている。
【0020】
用語「制御すること」及び同様の用語は特に、少なくとも、要素の挙動を決定すること、又は要素の動作を管理することを指す。それゆえ、本明細書では、「制御すること」及び同様の用語は、例えば、要素に対して、例えば、測定すること、表示すること、作動すること、開放すること、移行すること、温度を変更することなどの挙動を課すこと(要素の挙動を決定すること、又は要素の動作を管理すること)などを指してもよい。その他にも、用語「制御すること」及び同様の用語は、監視することを更に含んでもよい。それゆえ、用語「制御すること」及び同様の用語は、要素に挙動を課すこと、並びにまた、要素に挙動を課して、当該要素を監視することを含んでもよい。要素を制御することは、「コントローラ」としてもまた示され得る、制御システムにより行われることができる。それゆえ、制御システムと要素とは、少なくとも一時的に、又は恒久的に、機能的に結合されてもよい。要素は、制御システムを含んでもよい。実施形態では、制御システムと要素とは、物理的に結合されなくてもよい。制御は、有線制御及び/又は無線制御を介して行われることができる。用語「制御システム」はまた、特に機能的に結合されている複数の異なる制御システムを指す場合もあり、複数の異なる制御システムのうちの、例えば1つの制御システムが、マスター制御システムであってもよく、1つ以上の他の制御システムが、スレーブ制御システムであってもよい。制御システムは、ユーザインタフェースを含んでもよく、又はユーザインタフェースに機能的に結合されてもよい。
【0021】
システム、又は装置、又はデバイスは、或る「モード」又は「動作モード」又は「動作のモード」で、アクションを実行してもよい。同様に、方法において、アクション若しくは段階、又はステップが、或る「モード」又は「動作モード」又は「動作のモード」で実行されてもよい。用語「モード」はまた、「制御モード」として示されてもよい。このことは、システム、又は装置、又はデバイスがまた、別の制御モード、又は複数の他の制御モードを提供するように適合されてもよいことを排除するものではない。同様に、このことは、モードを実行する前に、及び/又はモードを実行した後に、1つ以上の他のモードが実行されてもよいことを排除し得ない。
【0022】
しかしながら、実施形態では、少なくとも制御モードを提供するように適合されている、制御システムが利用可能であってもよい。他のモードが利用可能である場合には、そのようなモードの選択は、特に、ユーザインタフェースを介して実行されてもよいが、センサ信号又は(時間)スキームに応じてモードを実行することのような、他のオプションもまた可能であってもよい。動作モードは、実施形態ではまた、単一の動作モード(すなわち、更なる調整可能性を有さない、「オン」)でのみ動作することが可能な、システム、又は装置、又はデバイスを指す場合もある。
【0023】
それゆえ、実施形態では、制御システムは、ユーザインタフェースの入力信号、(センサの)センサ信号、及びタイマーのうちの1つ以上に応じて制御してもよい。用語「タイマー」とは、クロック及び/又は所定の時間スキームを指す場合がある。
【0024】
上述のように、光源は、発光面を含む。例えば、光源が固体光源を含む場合、発光面は、ダイの表面、又は光変換器要素の表面であってもよい。用語「発光面」はまた、(同じ)光源の複数の(異なる)発光面を指す場合もある。特定の実施形態では、光生成デバイスは、光源光を生成するように構成されている複数の固体光源を備え、固体光源は、光チャンバ内に構成されている発光面を含む。
【0025】
発光面はまた、固体光源などの光生成要素に光学的に結合されている、固体コリメータの表面であってもよい。発光面はまた、固体光源などの光生成要素に光学的に結合されている、レンズの表面であってもよい。発光面はまた、固体光源などの光生成要素に光学的に結合されている、ルミネッセント材料を含む層、又はルミネッセント材料を含むドームなどの、ルミネッセント材料を含む要素の表面であってもよい。
【0026】
「放射的に結合されている」又は「光学的に結合されている」という用語は特に、(i)光源などの光生成要素と、(ii)別の物品又は材料とが、光生成要素によって放出される放射線の少なくとも一部が当該物品又は材料によって受け取られるように、互いに関連付けられていることを意味し得る。換言すれば、物品又は材料は、光生成要素と受光関係で構成されている。光生成要素の放射線の少なくとも一部が、物品又は材料によって受け取られることになる。このことは、実施形態では、光生成要素(の発光面)と物理的に接触している物品又は材料などの、直接的なものであってもよい。このことは、実施形態では、空気、気体、又は、液体若しくは固体の光ガイド材料のような、媒体を介したものであってもよい。実施形態では、レンズ、反射器、光学フィルタのような1つ以上の光学素子もまた、光生成要素と物品又は材料との間の光路内に構成されてもよい。
【0027】
用語「光源」とは(それゆえ)、例えば固体光源のような、光生成要素自体を、あるいは、例えば、固体光源などの光生成要素と、ルミネッセント材料を含む要素、及び、レンズ、コリメータのような(他の)光学素子のうちの1つ以上との、パッケージを指す場合がある。光変換器要素(「変換器要素」又は「変換器」)は、ルミネッセント材料を含む要素を含み得る。例えば、青色LEDのような、固体光源自体が、光源である。青色LED及び光変換器要素などの、(光生成要素としての)固体光源と、固体光源に光学的に結合されている光変換器要素との組み合わせもまた、光源であってもよい。それゆえ、白色LEDが、光源である。
【0028】
本光生成デバイスは、光チャンバを更に備える。発光面は、光チャンバ内に構成されている。語句「発光面は、光チャンバ内に構成されている」及び同様の語句により、特に、光源光が光チャンバを介してのみ光生成デバイスから抜け出てもよいことが示されている。
【0029】
光チャンバは、チャンバ壁によって少なくとも部分的に画定されている。光チャンバは特に、空気又は別の気体で充填されてもよい空洞部を含む。光チャンバは、チャンバ壁、及びオプションとして、ランプ口金などの1つ以上の他の要素によって画定されている。特に、チャンバの内表面の、少なくとも60%のような、少なくとも50%などの、少なくとも40%が、チャンバ壁によって画定されている。例えば、実質的に梨状の形状を有する、レトロフィット電球形状ランプを想定すると、チャンバの内表面の少なくとも70%、又は更に80%超が、チャンバ壁によって画定されてもよい。
【0030】
実施形態では、光生成デバイスは、ランプ口金を備え、光チャンバは、ランプ口金から延出している。ランプ口金は、実施形態では、制御システム、ドライバ、アンテナ、バッテリなどの、(1つ以上の)電子機器を含んでもよい。ランプ口金は、実施形態ではまた、ねじ込みキャップを含んでもよい。
【0031】
特定の実施形態では、チャンバの内表面は、光源光に対して特に反射性である、光反射要素によって画定されている。例えば、ランプ口金には、光反射コーティングが設けられてもよい。また、チャンバ壁も反射性であってもよい。このようにして、領域を画定している表面における内部反射によって、表面における強度分布が、内部反射を伴わない場合よりも小さくなり得る、空洞部又はチャンバが作り出される。このようにして、光源光が混合され得る、空洞部又はチャンバもまた作り出される。それゆえ、異なるスペクトル分布を有する光源光を供給する、複数の光源が適用されている場合、当該光源の光もまた混合され得る。このようにして、光チャンバから発散する光は、本質的に角度非依存性であり得る、スペクトル分布を有してもよい。それゆえ、チャンバはまた、「混合チャンバ」又は「光混合チャンバ」として示されてもよい。
【0032】
しかしながら、光生成デバイスから発散する光の角度強度分布は、均一でなくてもよいが、これは、フィラメントランプの認識を、比較的単純な方法で作り出すことが意図されているためである。この目的のために、チャンバ壁は、他の部分よりも透過性である部分を有する。
【0033】
上述のように、チャンバ壁は、光に対して反射性である。それゆえ、空間的に異なる反射率の領域を有する光透過性チャンバ壁を使用することによって、光生成デバイスから発散する光の不均一な強度分布が作り出されてもよい。異なる反射率は、光チャンバ壁の表面における、異なる濃度及び/又はタイプの光散乱構造によって、並びに/あるいは、チャンバ壁内の異なる濃度及び/又はタイプの光散乱構造によって、作り出されてもよい。異なる反射率を得るための比較的単純な方法は、散乱要素を有する光透過性材料を使用し、その中により薄い部分を作り出すことによるものである。このようにして、比較的単純な方法で、異なる反射率を有する異なる部分が得られてもよい。
【0034】
本明細書では、反射率という用語は特に、強度I
iを有する光に対する、垂直照明下でチャンバ窓から反射されて戻る光強度I
bの比を指す。それゆえ、%でのパラメータI
b/I
iが、反射率を示す。本明細書では、反射率という用語は特に、可視光の反射率、更により特定的には、参照目的として、550nmにおける反射率を指す。可視光は、380〜780nmの範囲から選択される波長を有する。
【0035】
特定の実施形態では、約420〜750nmの範囲、又は更に380〜780nmの全範囲における反射率は、平均値の25パーセントポイント(又は「百分率ポイント」)以内などの、平均値の15パーセントポイント以内のような、平均値の20パーセントポイント以内のように、波長範囲にわたって本質的に一定である(反射率は、100%よりも大きくはなく、または0%よりも小さくはない)。それゆえ、80%の反射率を想定すると、420〜750nmの波長範囲にわたる反射率値は、55〜100%の範囲に見出され得る(すなわち、例として上述のような25パーセントポイントの範囲を想定すると、80%−25%=55%であり、80%+25%が100%となる)が、平均では、この波長範囲にわたる反射率は80%である。
【0036】
同様に、約420〜750nmの範囲、又は更に380〜780nmの全範囲における透過率は、平均値の25パーセントポイント(又は「百分率ポイント」)以内などの、平均値の15パーセントポイント以内のような、平均値の20パーセントポイント以内のように、波長範囲にわたって本質的に一定である(反射率は、100%よりも大きくはなく、または0%よりも小さくはない)。
【0037】
それゆえ、チャンバ壁に到達する光源光の少なくとも一部が反射される。特に、チャンバ壁は、拡散反射性である。それゆえ、チャンバ壁の内表面及び/又はチャンバ壁の内部は、散乱粒子、表面粗さなどのような、散乱要素を含む。それゆえ、反射される光源光の、少なくとも60%、又は更にそれ以上などの、少なくとも40%のような、少なくとも20%などの、少なくとも一部が拡散反射される。
【0038】
それゆえ、チャンバ壁に到達する光源光の少なくとも一部は、表面において散乱されてもよく、又はチャンバ壁のバルク内で散乱されてもよく、光源光の一部は、チャンバ壁から(オプションとして、ある程度の散乱の後に)有効に透過されてもよい。チャンバ壁材料は、透明でなくてもよいため、一部の光源光はまた、吸収される場合もある。それゆえ、チャンバ壁は、特に拡散透過性である。
【0039】
それゆえ、実施形態では、チャンバ壁材料は、散乱要素が上に、及び/又は中に設けられている、光透過性材料を含んでもよい。散乱要素は、散乱粒子を含み得る。
【0040】
光透過性材料は、PE(polyethylene;ポリエチレン)、PP(polypropylene;ポリプロピレン)、PEN(polyethylene napthalate;ポリエチレンナフタレート)、PC(polycarbonate;ポリカーボネート)、ポリメチルアクリレート(polymethylacrylate;PMA)、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate;PMMA)(Plexiglas(登録商標)又はPerspex(登録商標))、セルロースアセテートブチレート(cellulose acetate butyrate;CAB)、シリコーン、ポリ塩化ビニル(polyvinylchloride;PVC)、一実施形態では(PETG)(glycol modified polyethylene terephthalate;グリコール変性ポリエチレンテレフタレート)を含めた、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate;PET)、PDMS(polydimethylsiloxane;ポリジメチルシロキサン)、及びCOC(cyclo olefin copolymer;シクロオレフィンコポリマー)から成る群から選択されるような、透過性の有機材料から成る群から選択される1種以上の材料を含んでもよい。特に、光透過性材料は、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリ(メチル)メタクリレート(P(M)MA)、ポリグリコリド又はポリグリコール酸(polyglycolic acid;PGA)、ポリ乳酸(polylactic acid;PLA)、ポリカプロラクトン(polycaprolactone;PCL)、ポリエチレンアジペート(polyethylene adipate;PEA)、ポリヒドロキシアルカノエート(polyhydroxy alkanoate;PHA)、ポリヒドロキシ酪酸(polyhydroxy butyrate;PHB)、ポリ(3−ヒドロキシブチラート−co−3−ヒドロキシバレラート)(poly(3-hydroxybutyrate-co-3-hydroxyvalerate);PHBV)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(polybutylene terephthalate;PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(polytrimethylene terephthalate;PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などの、芳香族ポリエステル、又はそのコポリマーを含んでもよく、特に、光透過性材料は、ポリエチレンテレフタレート(PET)を含んでもよい。それゆえ、光透過性材料は、特にポリマー光透過性材料である。
【0041】
しかしながら、別の実施形態では、光透過性材料は、無機材料を含んでもよい。特に、無機光透過性材料は、ガラス、(溶融)石英、透過性セラミック材料、及びシリコーンから成る群から選択されてもよい。また、無機部分及び有機部分の双方を含むハイブリッド材料も、適用されてもよい。特に、光透過性材料は、PMMA、透明PC、又はガラスのうちの1つ以上を含む。
【0042】
散乱粒子は、MgO、Al
2O
3、BaSO
4、TiO
2、ZrO
2などから成る群から選択されてもよい。あるいは、又は更に、散乱粒子は、シリコーン粒子を含んでもよい。特に、散乱粒子は白色である。散乱粒子は、例えば、2〜40μmのような、1〜100μmの範囲の重量平均粒径を有してもよい。散乱粒子はまた、ナノ粒子のクラスタ又は集塊を含んでもよい。
【0043】
光透過性材料、壁の厚さ、及びオプションの散乱粒子(又は、光透過性材料によってオプションとして含まれている他の材料)は、光源の光源光の吸収が小さくなるように選択される。例えば、1mmの厚さを有するガラスチャンバ壁は、(光源光による垂直照射下で)光源光の1%未満の光吸収を有し得る。光散乱粒子の利用可能性は、これらの粒子が特に白色であってもよいため、実質的に吸収に寄与し得ない。それゆえ、チャンバ壁内での光散乱粒子の利用可能性は、本質的に反射率及び透過率のみを制御するものであり、吸収に対する影響を実質的に有し得ない。それゆえ、光透過性材料、壁の厚さ、及びオプションの散乱粒子(又は、光透過性材料によってオプションとして含まれている他の材料)は、光源光(すなわち、光源の可視光)の吸収が、1%以下などの、2%以下のような、3%以下などの、5%以下となるように選択される。それゆえ、特定の実施形態では、R≒100−T、又はT≒100−Rである。吸収は特に、(光源光による)垂直放射下で、かつ同じ波長において決定される(すなわち、調査対象の材料の下流の強度が、調査対象の材料の上流の強度に関連付けられ、双方とも、550nmなどの同じ波長におけるものである)。
【0044】
それゆえ、選択される反射率は、チャンバ壁を介した透過が存在しないようなものではない。チャンバ壁は、光源光の一部を透過させることが望ましいが、チャンバ壁の少なくとも一部(第1部分)は、光源光の一部を(拡散)反射する。
【0045】
チャンバ壁は、それゆえ、2つの部分を含む。部分という用語はまた、2つ以上の異なる部分を指す場合もある。第1部分は、複数の第2部分を含み得るため、とりわけ、本明細書では、チャンバ壁が第1部分と1つ以上の第2部分とを含むことが示されている。しかしながら、このことは、チャンバ壁が複数の第1部分(及び、1つ以上の第2部分)を含むことを排除するものではない。特に、チャンバ壁は、第1部分と1つ以上の第2部分とから成り、すなわち、実施形態では、本質的に、1つ以上の第2部分及び第1部分以外の、更なる部分は存在しない。
【0046】
上述のように、チャンバ壁は、(i)第1部分であって、第1部分が、光源光に対して透過性であり、第1部分が、光源光に対して第1の反射率R1を有し、第1部分が、第1部分面積(A1)を有する、第1部分を含む。
【0047】
第1部分はまた、光源光に対して透過性である。しかしながら、特に第1の反射率は、(同じ波長における)透過率よりも大きい。
【0048】
第1部分面積とは、第1部分の内部(巨視的)表面積を指す。より多くの第1部分が存在する場合、第1部分は一体となって第1部分面積を定義する。
【0049】
上述のように、チャンバ壁はまた、(ii)1つ以上の第2部分であって、各第2部分が、光源光に対して透過性であり、光源光に対して第2の反射率R2を有し、1つ以上の第2部分が一体となって、第2部分面積(A2)を有する、1つ以上の第2部分も含む。
【0050】
特に、第1部分は拡散透過性である。
【0051】
光生成デバイスの動作中、第1部分は特に、等方性の輝度を呈し得る。
【0052】
1つの第2部分が存在してもよいが、また、複数の第2部分が存在してもよい。
【0053】
第2部分もまた、光源光に対して透過性である。実施形態では、特に第2の反射率は、(同じ波長における)透過率よりも大きい。しかしながら、他の実施形態では、第2の反射率は、(同じ波長における)透過率よりも小さい。また更なる実施形態では、反射率は0%に近く、全ての光が、第2部分のチャンバ壁を介して透過されてもよい(ある程度の吸収を除く)。これらの後者の2つの実施形態、また特に最後の実施形態は、第1のチャンバを円周方向で取り囲む第2のチャンバが存在する場合に適用されてもよい(以下を更に参照)。
【0054】
特に、第2部分は拡散透過性である。
【0055】
光生成デバイスの動作中、第2部分は特に、等方性の輝度を呈し得る。
【0056】
第2部分面積とは、第2部分の内部(巨視的)表面積を指す。より多くの第2部分が存在する場合、第2部分は一体となって第2部分面積を定義する。
【0057】
第1の反射率は、第2の反射率よりも大きい。このようにして、第1部分を介した透過率は、第2部分を介した透過率よりも低くてもよい。第1部分の反射率及び第2部分の反射率は、それぞれ、ある程度の透過が存在するべきであるため、100%未満である。それゆえ、実施形態では、R1<100%及びR2<100%である。特に、上述のように、R2<R1である。それゆえ、実施形態では、第2部分は、第1部分よりも明るく見えてもよい。特定の実施形態では、R1−R2≧10%、特にR1−R2≧20%である。
【0058】
更には、特に第1部分の反射率は、比較的高い。実施形態では、第1部分の反射率は、特に少なくとも60%のような、少なくとも50%などの、少なくとも40%である。更なる特定の実施形態では、65%≦R1<100%である。
【0059】
それゆえ、実施形態では、拡散透過性の第1部分を介した透過率は、拡散透過性の第2部分を介したものよりも小さい。本明細書に示されるように、透過及び/又は反射及び/又は吸収は、特に垂直放射下で決定され、特に同じ波長において決定される。
【0060】
実施形態では、第1部分は、光源光に対して第1の透過率T1を有し、1つ以上の第2部分は、光源光に対して第2の透過率T2を有する。特に、第2の透過率は、第1の透過率よりも大きく、すなわちT2>T1である。実施形態では、第1の透過率T1と第2の透過率T2とは、配給T1/T2<1、特に、T1/T2≦0.7のような、T1/T2≦0.8などの、T1/T2≦0.9を有する。例えば、実施形態では、T1/T2≦0.5のような、T1/T2≦0.6である。更に、実施形態では、T1/T2≦0.4、又は更に、T1/T2≦0.2などの、T1/T2≦0.3である。特定の実施形態では、T1/T2≧0.05などの、T1/T2≧0.01である。
【0061】
上述のように、第2部分面積(A2)は、第1部分面積(A1)よりも小さい。このようにして、より明るい部分は、より明るくない部分よりも小さくてもよい。このようにして、特に第2部分が細長形状を有する場合に(以下を更に参照)、或る種のフィラメントの認識が作り出されてもよい。
【0062】
それゆえ、特定の実施形態では、1つ以上の第2部分は、スリットの形状を有する。スリットという用語は特に、1よりも大きいアスペクト比(幅よりも大きい長さ、すなわち、幅に対する長さの比)、より特定的には、5よりも大きいアスペクト比、更により特定的には、10よりも大きいアスペクト比、最も特定的には、20よりも大きいアスペクト比を有する構造を指す場合がある。それゆえ、スリット状の形状の第2部分を中に有する、より大きい第1部分が存在してもよい。動作中、スリットは、第2部分よりも明るい。このことは、フィラメント状の効果に寄与し得る。
【0063】
第1部分と第2部分とのコントラストを改善するために、第1部分の反射率は、比較的高くてもよい。それゆえ、実施形態では、60%≦R1<100%であり、特に、更なる特定の実施形態では75%≦R1≦95%であるように、実施形態では、65%≦R1≦98%である。第1部分と第2部分とのコントラストを改善するために、反射率の差もまた高くてもよい。それゆえ、実施形態では、R1−R2≧30%、また更により特定的には、R1−R2≧40%である。
【0064】
更には、第1部分は、実質的に第2部分よりも大きくてもよい。又は、換言すれば、(第1部分の)第1面積は、(第2部分の)第2面積よりも実質的に大きくてもよい。それゆえ、実施形態では、0.005≦A2/A1≦0.05である。より特定の実施形態では、0.005≦A2/A1≦0.1である。
【0065】
フィラメントランプは一般に、限られた数のフィラメントを有するため、第2部分の数もまた制限されてもよい。しかしながら、チャンバ壁又は「電球」は、古典的なフィラメントランプの中のように透明ではない。それゆえ、第2部分の数は、2つ以上であってもよいが、また、フィラメントランプの印象を維持するためにも、制限されることになる。それゆえ、実施形態では、光生成デバイスは、2〜6つの第2部分を備えてもよい。更なる特定の実施形態では、光生成デバイスは、3つの第2部分を備える。特に、第2部分は、チャンバ壁にわたって規則的に分布されている。例えば、光生成デバイスは、例えばランプ口金に垂直な、デバイス軸線を含んでもよい。第2部分は、そのような軸線を中心として回転対称に構成されてもよい。
【0066】
実施形態では、1つ以上の第2部分は、第2部分幅(w1)を有してもよく、第2部分幅は、1mm≦w1≦5mmの範囲から選択される。上述のように、第2部分は特に、スリットの形状を有してもよい。特定の実施形態では、1つ以上の第2部分は、第2部分長さ(L2)を有し、第2部分幅(w1)と第2部分長さ(L2)とは、w1/L2≦0.5の範囲から選択する比を有する。それゆえ、スリットは、1よりも大きいアスペクト比(L2/w1)を有してもよい。それゆえ、第2部分は細長形であってもよい。
【0067】
細長形の第2部分は、チャンバの軸線と同一平面内にあってもよい(延伸の)軸線を有し得る。複数の第2部分が存在する場合、対応の第2部分の(延伸の)各軸線が、チャンバの軸線と同一平面内にあってもよい。2つの第2部分が存在する場合、実施形態では、これらの平面は一致してもよい。3つの第2部分が存在する場合、同一の相互角度を有する3つの平面が存在してもよい。4つの第2部分が存在する場合、実施形態では、2つの平面のセットが一致してもよく、当該セットは、90°の相互角度を有してもよい。
【0068】
実施形態では、光チャンバは、チャンバ長さ(L1)を有する電球の形状を有し、1つ以上の第2部分は、第2部分長さ(L2)を有し、第2部分長さ(L2)は、実施形態では、特に少なくとも5mmなどの、少なくとも2mmであり、第2部分長さ(L2)とチャンバ長さとは、0.5≦L2/L1≦1の範囲から選択される比を有する。このこともまた、フィラメント状の外観の態様を提供又は追加し得る。
【0069】
上述のように、反射率の差は、実施形態では、低減されたチャンバ壁厚さを有する第2部分を提供することによって得られてもよい。それゆえ、実施形態では、第1部分は、第1の壁厚さ(d1)を有し、1つ以上の第2部分は、第2の壁厚さ(d2)を有し、第2の壁厚さ(d2)と第1の壁厚さ(d1)とは、0.02≦d2/d1≦0.9、特に0.05≦d2/d1≦0.8の壁厚さ比を有する。実施形態では、0.1≦d2/d1≦0.6である。
【0070】
特に、第1部分の領域にわたる反射率値は、本質的に同じである。それゆえ、例えば実施形態では、550nmの光の反射率は、本質的に、第1部分にわたって空間的に変化しない。
【0071】
同様に、特に第2部分の領域にわたる反射率値は、本質的に同じである。それゆえ、例えば実施形態では、550nmの光の反射率は、本質的に、第2部分にわたって空間的に変化しない。
【0072】
特に、第1部分の領域にわたる光透過率値は、本質的に同じである。それゆえ、例えば実施形態では、550nmの光の透過率は、本質的に、第1部分にわたって空間的に変化しない。
【0073】
同様に、特に第2部分の領域にわたる光透過率値は、本質的に同じである。それゆえ、例えば実施形態では、550nmの光の透過率は、本質的に、第2部分にわたって空間的に変化しない。
【0074】
上述のように、第2部分の反射率は特に、第1部分よりも低い。更には、上述のように、第2部分を介した光源光の透過率は、第1部分を介したものよりも大きい。このことは、第2部分が第1部分よりも明るいことをもたらし得る。第2部分の反射率は、チャンバ壁が最終窓であるか、又は最終窓の下流に構成されているかに応じて、選択されてもよい。例えば、実施形態では、光生成デバイスは、チャンバ壁を包囲する第2のチャンバ壁を更に備える。第2部分の外観は、完全には透過性ではないため、第2部分は無視不可能な反射率を有し、及び/又は、光透過性の下流が無視不可能な反射率を有する。ここで、用語「窓」とは、光源光が通って透過され得る固体材料を指す。それゆえ、光源光は、窓から発散する。前者の実施形態では、デバイス光は、チャンバ壁から発散し、後者の実施形態では、デバイス光は、(第1の)チャンバ壁から下流に構成されている、第2のチャンバ壁から発散する。
【0075】
用語「上流」及び「下流」は、光生成手段(本明細書では特に、光源)からの光の伝搬に対する、物品又は特徴部の配置に関するものであり、光生成手段からの光ビーム内での第1の位置に対して、光ビーム内の、光生成手段により近い第2の位置が「上流」であり、光ビーム内の、光生成手段からより遠く離れた第3の位置が「下流」である。
【0076】
それゆえ、チャンバ壁が光生成デバイスの最終窓であると想定すると、実施形態では、第2の反射率R2は、15%≦R2≦65%、更により特定的には20%≦R2≦60%の範囲などの、10%≦R2≦70%の範囲から選択されてもよい。過度に低い反射率は、発光面が視認可能であることを容易にする恐れがあり、これは望ましいことではない。
【0077】
しかしながら、他の実施形態では、第2の反射率R2は、R2<20%の範囲から選択され、光生成デバイスは、チャンバ壁を包囲する第2のチャンバ壁を更に備え、第2のチャンバ壁は、光源光に対して透過性であり、第2のチャンバ壁は、光源光に対して第3の反射率R3を有し、5%≦R3≦70%である。そのような実施形態では、R2≒0%であることもまた可能であり得る。特定の実施形態では、10%≦R2+R3≦40%のような、10%≦R2+R3≦70%である。実施形態では、R3≦20%、R2≧10%である。第2のチャンバ壁の反射率は、反射率及び透過率に関連して上述されたものと同じ原理に基づいてもよい点に留意されたい。しかしながら、特定の実施形態では、第2のチャンバの反射率は、チャンバ壁(内表面)全体にわたって本質的に同じである。
【0078】
光生成デバイスは、実施形態では、レトロフィットランプとして提供されてもよい。それゆえ、実施形態では、本発明はまた、レトロフィット光生成デバイスも提供する。
【0079】
特定の実施形態では、チャンバ壁は、キャンドルの形状(キャンドル懐古調形状)を有する。
【0080】
また更なる態様では、本発明はまた、(i)本明細書で定義されるような光生成デバイスであって、デバイス光を生成するように構成されている光生成デバイスと、(ii)デバイス光の1つ以上の照明パラメータを制御するように構成されている制御システムとを備える、光生成システムも提供する。特に、制御システムは、色温度、色点、及び光束のうちの1つ以上を制御するように構成されている。制御システムの更なる態様もまた、上述されている。
【0081】
当該照明デバイスは、例えば、オフィス照明システム、家庭用アプリケーションシステム、店舗照明システム、家庭用照明システム、アクセント照明システム、スポット照明システム、劇場照明システム、光ファイバアプリケーションシステム、投影システム、自己照明ディスプレイシステム、画素化ディスプレイシステム、セグメント化ディスプレイシステム、警告標識システム、医療用照明アプリケーションシステム、インジケータ標識システム、装飾用照明システム、ポータブルシステム、自動車用アプリケーション、(屋外)道路照明システム、都市照明システム、温室照明システム、園芸用照明などの一部であってもよく、又は、それらに適用されてもよい。