(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
縦方向の折り線を介して横方向に連接された第一葉片、第二葉片及び第三葉片の3葉片と、縦方向の折り線を介して横方向に連接された前記3葉片より縦幅が広い第四葉片、第五葉片及び第六葉片の3葉片が横方向の折り線を介して第一葉片と第四葉片、第二葉片と第五葉片及び第三葉片と第六葉片がそれぞれ上下に連接された6葉片からなる単位往復葉書用紙を折り畳み、任意の対向面間を剥離可能或いは剥離不能に積層した往復葉書において、
往信葉書と返信葉書を往信葉書が上になるように折り合わせた状態で上から第三葉片、第二葉片、第五葉片及び第六葉片の順に重なり往信葉書を形成すると共に上から第四葉片及び第一葉片の順に重なり返信葉書を形成した往復葉書であり、
往信葉書本体と返信葉書本体が連接されており、返信葉書の本体を形成する第四葉片と第一葉片が剥離不能に貼り合わされ、往信葉書の本体を形成する第二葉片と第五葉片が剥離不能に貼り合わせられると共に往信葉書本体の両面に疑似接着媒体を介して第三葉片と第六葉片が剥離可能に貼り合わされ、さらに前記往信葉書本体の両面に貼り合わされた前記第三葉片と第六葉片が往信葉書の下縁辺で折り線を介して連接していることを特徴とした往復葉書。
縦方向の折り線を介して横方向に連接された第一葉片、第二葉片及び第三葉片の3葉片と縦方向の折り線を介して横方向に連接された前記3葉片より縦幅の広い第四葉片、第五葉片及び第六葉片の3葉片が横方向の折り線を介して第一葉片と第四葉片、第二葉片と第五葉片及び第三葉片と第六葉片がそれぞれ上下に連接された6葉片からなる単位往復葉書用紙が、天地の横方向の切取線を介して縦方向に連続的に印刷されると共に両外側にマージナル孔を設けたマージナル部分が縦方向の切取線を介して連接された長尺シートを繰り出すシートの繰り出し工程と、
繰り出された長尺シートに印刷された単位往復葉書用紙の疑似接着予定面に疑似接着媒体及び完全接着予定面に完全接着媒体を形成する疑似接着媒体及び完全接着媒体の形成工程と、
疑似接着媒体及び完全接着媒体が形成された長尺シートの両外側のマージナル部分を切除する切除工程及び折り線に折り手段を形成する折り手段形成工程と、
マージナル部分が切除されると共に折り手段が形成された長尺シートの第三葉片及び第六葉片を縦方向の折り線から第二葉片及び第五葉片側へ疑似接着媒体を介して対向するように連続的に折り畳む第一の折り畳み工程と、
折り畳まれた長尺シートを単位往復葉書用紙毎に切除する切り出し工程と、
切り出された単位往復葉書用紙の第一葉片及び第四葉片と第二葉片及び第五葉片が対向するように横方向の折り線から連接された往信葉書と返信葉書が平面に展開された状態に折り畳む第二の折り畳み工程と、
連接された往信葉書と返信葉書が平面に展開された状態に折り畳まれた単位往復葉書用紙に加圧或いは加熱・加圧処理を施して対向する疑似接着予定面を剥離可能に接着すると共に完全接着予定面を剥離不能に接着する接着工程と、
疑似接着予定面及び完全接着予定面が接着された単位往復葉書用紙の往信葉書と返信葉書を両者を連接する折り線から二つ折りに折り畳む第三の折り畳み工程とからなることを特徴とした往復葉書の製造方法。
縦方向の折り線を介して横方向に連接された第一葉片、第二葉片及び第三葉片の3葉片と縦方向の折り線を介して横方向に連接された前記3葉片より縦幅が広い第四葉片、第五葉片及び第六葉片の3葉片が横方向の折り線を介して第一葉片と第四葉片、第二葉片と第五葉片及び第三葉片と第六葉片がそれぞれ上下に連接された6葉片からなる単位往復葉書用紙が、四周を縦方向の余白及び横方向の余白に囲まれた状態で印刷された枚葉シートを繰り出すシートの繰り出し工程と、
繰り出された枚葉シートに印刷された単位往復葉書用紙の疑似接着予定面に疑似接着媒体及び完全接着予定面に完全接着媒体を形成する疑似接着媒体及び完全接着媒体の形成工程と、
疑似接着媒体及び完全接着媒体が形成された枚葉シートの縦方向の余白を切除すると共に折り線に折り手段を形成する縦方向の余白の切除及び折り手段の形成工程と、
縦方向の余白を切除すると共に折り線に折り手段を形成した枚葉シートに印刷された単位往復葉書用紙の第三葉片及び第六葉片を縦方向の折り線から第二葉片及び第五葉片側へ疑似接着媒体を介して対向するように連続的に折り畳む第一の折り畳み工程と、
折り畳まれた枚葉シートの横方向の余白を切除して単位往復葉書用紙単体に切り出す切り出し工程と、
切り出された単位往復葉書用紙の第一葉片及び第四葉片と第二葉片及び第五葉片が対向するように横方向の折り線から連接された往信葉書と返信葉書が平面に展開された状態に折り畳む第二の折り畳み工程と、
連接された往信葉書と返信葉書が平面に展開された状態に折り畳まれた単位往復葉書用紙に加圧或いは加熱・加圧処理を施して対向する疑似接着予定面を剥離可能に接着すると共に完全接着予定面を剥離不能に接着する接着工程と、
疑似接着予定面及び完全接着予定面が接着された単位往復葉書用紙の往信葉書と返信葉書を両者を連接する折り線から二つ折りに折り畳む第三の折り畳み工程とからなることを特徴とした往復葉書の製造方法。
請求項3又は4の何れかに記載の往復葉書の製造方法において、切除工程及び/又は折り手段の形成工程が疑似接着媒体及び完全接着媒体の形成工程の上流側及び/又は下流側に配置されたことを特徴とした往復葉書の製造方法。
請求項3乃至5の何れかに記載の往復葉書の製造方法において、第三の折り畳み工程が第二の折り畳み工程と接着工程との間に配置されたことを特徴とした往復葉書の製造方法。
縦方向の折り線を介して横方向に連接された第一葉片、第二葉片及び第三葉片の3葉片と縦方向の折り線を介して横方向に連接された前記3葉片より縦幅が広い第四葉片、第五葉片及び第六葉片の3葉片が横方向の折り線を介して第一葉片と第四葉片、第二葉片と第五葉片及び第三葉片と第六葉片がそれぞれ上下に連接された6葉片からなる単位往復葉書用紙が印刷された長尺シート或いは枚葉シートの疑似接着予定面に疑似接着媒体及び完全接着予定面に完全接着媒体を形成する疑似接着媒体及び完全接着媒体の形成工程と、
疑似接着媒体及び完全接着媒体が形成された長尺シート或いは枚葉シートに印刷された単位往復葉書用紙を切り出す切り出し工程と、
切り出された単位往復葉書用紙の第三葉片と第六葉片を疑似接着媒体が対向するように縦方向の折り線から第二葉片と第五葉片側に連続的に折り畳み、さらに単位往復葉書用紙の横方向の折り線を介して上下に連接された葉片の完全接着媒体同士が対向するように前記横方向の折り線から折り畳み往信葉書と連接された返信葉書が平面に展開した状態とした後にさらに前記往信葉書と返信葉書をその連接する折り線から二つ折りに折り畳み投函前の最終形態とする折り畳み工程と、
折り畳まれた単位往復葉書用紙に加圧或いは加熱・加圧処理を施して対向する疑似接着予定面を剥離可能に接着し完全接着予定面を剥離不能に接着する接着工程とからなることを特徴とした往復葉書の製造方法。
所定面に疑似接着媒体及び完全接着媒体が形成された長尺シート或いは枚葉シートの表裏面に、縦方向の折り線を介して横方向に連接された第一葉片、第二葉片及び第三葉片の3葉片と縦方向の折り線を介して横方向に連接された前記3葉片より縦幅が広い第四葉片、第五葉片及び第六葉片の3葉片が横方向の折り線を介して第一葉片と第四葉片、第二葉片と第五葉片及び第三葉片と第六葉片がそれぞれ上下に連接された6葉片からなる単位往復葉書用紙を印刷する印刷工程と、
印刷が完了した長尺状或いは枚葉状のシートの単位往復葉書を切り出す切り出し工程と、
切り出された単位往復葉書用紙の第三葉片と第六葉片を疑似接着媒体が対向するように縦方向の折り線から第二葉片と第五葉片側に連続的に折り畳み、さらに単位往復葉書用紙の横方向の折り線を介して上下に連接された葉片の完全接着媒体同士が対向するように前記横方向の折り線から折り畳み往信葉書と連接された返信葉書が平面に展開された状態とした後にさらに前記往信葉書と返信葉書をその連接する折り線から二つ折りに折り畳み投函前の最終形態とする折り畳み工程と、
折り畳まれた単位往復葉書用紙に加圧或いは加熱・加圧処理を施して対向する疑似接着予定面を剥離可能に接着し完全接着予定面を剥離不能に接着する接着工程とからなることを特徴とした往復葉書の製造方法。
請求項7又は8の何れかに記載の往復葉書の製造方法において、接着工程の下流に往信葉書と返信葉書が連接され平面に展開された状態で排出される往復葉書の、往信葉書と返信葉書を連接する折り線から両者を二つ折りに折り畳み投函前の最終形態とする第二の折り畳み工程を別に配置したことを特徴とした往復葉書の製造方法。
少なくとも往信葉書本体の両面に貼付された第三葉片及び第六葉片の連接されている下縁辺を切り離す切除工程が接着工程の下流側に配置されたことを特徴とした請求項3乃至9の何れかに記載の往復葉書の製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献の往復葉書は2枚のシートを貼り合わせて製造される
。従って個人情報が記載されたシートが誤って他の個人情報が記載されたシートと組み合わされて製造され、そのまま発送されると個人情報の漏洩となり大きな社会問題となり得る。
【0005】
また、現状、貼り合わせ往復葉書における可能な最多葉片数は、日本郵便株式会社における第二種郵便物の往復葉書の規定により、往信葉書本体と返信葉書のそれぞれ1葉片と、往信葉書本体の両面に貼付された各1葉片の合計4葉片が最多となる。また全体重量が4〜12gであると共に往信葉書及び返信葉書の重量がそれぞれ2〜6gの範囲でなければならない。さらに3葉片が貼り合わされた往信葉書の中央葉片(往信葉書本体)が2〜6gの範囲になければならず、これら全ての要件を満足することで初めて郵便往復葉書として使用することが可能となる。
【0006】
前記往復葉書としての必須要件を満たすために前記特許文献の往復葉書は、返信葉書の重量不足を二枚のシートの貼り合わせで補っているが、往信葉書にはより多くの制限があり容易に全ての要件を満たすことは困難である。
【0007】
そこで2g以上の葉片を連接して往復葉書とし、往信葉書葉片の両面に2g以下の葉片を貼り合わせて、往復葉書(取り分け往信葉書)の重量規定をクリアする手段が考えられるが、異なる斤量の用紙を組み合わせて用いると、製造工程が非常に複雑になり手間が掛かると共に、依然として異なる用紙に打ち出された個人情報の整合性が問題となる。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑み、誤って一つの往復葉書に他の個人情報が記載される等の事故が起こり得ず、仕上がり形態において往信葉書本体及び返信葉書本体が連接されると共に前記各本体が2g〜6gの範囲に余裕を持って収まり、また往信葉書がその本体の両面に葉片が貼付された状態で2〜6gの範囲に余裕を持って収まるため、第二種郵便物の往復葉書規定を問題なく満たすと共に、その製造が極めて容易に行える往復葉書とその製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載される往復葉書は、縦方向の折り線を介して横方向に連接された第一葉片、第二葉片及び第三葉片の3葉片と、縦方向の折り線を介して横方向に連接された前記3葉片より縦幅が広い第四葉片、第五葉片及び第六葉片の3葉片が横方向の折り線を介して第一葉片と第四葉片、第二葉片と第五葉片及び第三葉片と第六葉片がそれぞれ上下に連接された6葉片からなる単位往復葉書用紙を折り畳み、任意の対向面間を剥離可能或いは剥離不能に積層した往復葉書において、往信葉書と返信葉書を往信葉書が上になるように折り合わせた状態で上から第三葉片、第二葉片、第五葉片及び第六葉片の順に重なり往信葉書を形成すると共に上から第四葉片及び第一葉片の順に重なり返信葉書を形成した往復葉書であり、往信葉書本体と返信葉書本体が連接されており、返信葉書の本体を形成する第四葉片と第一葉片が剥離不能に貼り合わされ、往信葉書の本体を形成する第二葉片と第五葉片が剥離不
能に貼り合わせられると共に往信葉書本体の両面に疑似接着媒体を介して第三葉片と第六葉片が剥離可能に貼り合わされ、さらに前記往信葉書本体の両面に貼り合わされた前記第三葉片と第六葉片が往信葉書の下縁辺で折り線を介して連接していることを特徴としている。
【0010】
なお、請求項2に記載されるように、前記構成の往復葉書は往信葉書の両面に貼付された葉片が、往信葉書の下辺で折り線を介して連接されているため、往信葉書の下辺を包み込むように袋状に閉じた状態となっている。従ってこの部分を切除してから開封することになるが、その切除時期に関しては格別な制限はない。即ち受取後に受取人が手作業により切除して開封しても良く、或いは投函前に製造工程中で予め切除しておいても構わない。
【0011】
また、切取線部分に予め切取ミシンを形成しておいて、切除道具を使用しなくても手で破断して除去できるようにしておいても構わない。さらに、往信葉書の下辺を包み込むように袋状に閉じている第三葉片及び第六葉片を連接している折り線に切取線を設けておいて、必要であれば疑似接着媒体にも破断操作をしておくことにより、前記折り線から手で破断して剥離開封することが可能にしても構わない。その場合開封後に屑が出ないのでより至便である。
【0012】
また、上記目的を達成するために、本発明の請求項3に記載される往復葉書の製造方法は、縦方向の折り線を介して横方向に連接された第一葉片、第二葉片及び第三葉片の3葉片と縦方向の折り線を介して横方向に連接された前記3葉片より縦幅の広い第四葉片、第五葉片及び第六葉片の3葉片が横方向の折り線を介して第一葉片と第四葉片、第二葉片と第五葉片及び第三葉片と第六葉片がそれぞれ上下に連接された6葉片からなる単位往復葉書用紙が、天地の横方向の切取線を介して縦方向に連続的に印刷されると共に両外側にマージナル孔を設けたマージナル部分が縦方向の切取線を介して連接された長尺シートを繰り出すシートの繰り出し工程と、繰り出された長尺シートに印刷された単位往復葉書用紙の疑似接着予定面に疑似接着媒体及び完全接着予定面に完全接着媒体を形成する疑似接着媒体及び完全接着媒体の形成工程と、疑似接着媒体及び完全接着媒体が形成された長尺シートの両外側のマージナル部分を切除する切除工程及び折り線に折り手段を形成する折り手段形成工程と、マージナル部分が切除されると共に折り手段が形成された長尺シートの第三葉片及び第六葉片を縦方向の折り線から第二葉片及び第五葉片側へ疑似接着媒体を介して対向するように連続的に折り畳む第一の折り畳み工程と、折り畳まれた長尺シートを単位往復葉書用紙毎に切除する切り出し工程と、切り出された単位往復葉書用紙の第一葉片及び第四葉片と第二葉片及び第五葉片が対向するように横方向の折り線から連接された往信葉書と返信葉書が平面に展開された状態に折り畳む第二の折り畳み工程と、連接された往信葉書と返信葉書が平面に展開された状態に折り畳まれた単位往復葉書用紙に加圧或いは加熱・加圧処理を施して対向する疑似接着予定面を剥離可能に接着すると共に完全接着予定面を剥離不能に接着する接着工程と、疑似接着予定面及び完全接着予定面が接着された単位往復葉書用紙の往信葉書と返信葉書を両者を連接する折り線から二つ折りに折り畳む第三の折り畳み工程とからなることを特徴としている。
【0013】
なお、請求項5にあるように、前記マージナル部分を切除する切除工程は、例えば予め切除した長尺シートを製造工程の最上流に積載して繰り出しても構わず、或いは繰り出しに際してインタースタッカ等の切除装置で切除しながら繰り出しても構わない。また疑似接着媒体及び完全接着媒体が形成されてから折り畳まれるまでの間で切除されても構わず、さら疑似接着媒体及び完全接着媒体の形成工程の前後で段階的に実行されても構わない。
【0014】
また、前記折り線に折りミシンや折り筋等公知の折り手段を形成する折り手段形成工程は疑似接着媒体及び完全接着媒体の形成工程の上流側或いは下流側の何れで形成されても構わない。また上流と下流で分けて段階的に形成されても構わない。なお疑似接着媒体及び完全接着媒体の形成工程の上流側で形成された折り手段は後に形成される疑似接着媒体及び完全接着媒体には形成されないが、下流側で形成された折り手段は用紙と共に疑似接着媒体及び完全接着媒体にも形成されることになる。
【0015】
さらに、上記目的を達成するために、本発明の請求項4に記載される往復葉書の製造方法は、縦方向の折り線を介して横方向に連接された第一葉片、第二葉片及び第三葉片の3葉片と縦方向の折り線を介して横方向に連接された前記3葉片より縦幅が広い第四葉片、第五葉片及び第六葉片の3葉片が横方向の折り線を介して第一葉片と第四葉片、第二葉片と第五葉片及び第三葉片と第六葉片がそれぞれ上下に連接された6葉片からなる単位往復葉書用紙が、四周を縦方向の余白及び横方向の余白に囲まれた状態で印刷された枚葉シートを繰り出すシートの繰り出し工程と、繰り出された枚葉シートに印刷された単位往復葉書用紙の疑似接着予定面に疑似接着媒体及び完全接着予定面に完全接着媒体を形成する疑似接着
媒体及び完全接着媒体の形成工程と、疑似接着媒体及び完全接着媒体が形成された枚葉シートの縦方向の余白を切除すると共に折り線に折り手段を形成する縦方向の余白の切除及び折り手段の形成工程と、縦方向の余白を切除すると共に折り線に折り手段を形成した枚葉シートに印刷された単位往復葉書用紙の第三葉片及び第六葉片を縦方向の折り線から第二葉片及び第五葉片側へ疑似接着媒体を介して対向するように連続的に折り畳む第一の折り畳み工程と、折り畳まれた枚葉シートの横方向の余白を切除して単位往復葉書用紙単体に切り出す切り出し工程と、切り出された単位往復葉書用紙の第一葉片及び第四葉片と第二葉片及び第五葉片が対向するように横方向の折り線から連接された往信葉書と返信葉書が平面に展開された状態に折り畳む第二の折り畳み工程と、連接された往信葉書と返信葉書が平面に展開された状態に折り畳まれた単位往復葉書用紙に加圧或いは加熱・加圧処理を施して対向する疑似接着予定面を剥離可能に接着すると共に完全接着予定面を剥離不能に接着する接着工程と、疑似接着予定面及び完全接着予定面が接着された単位往復葉書用紙の往信葉書と返信葉書を両者を連接する折り線から二つ折りに折り畳む第三の折り畳み工程とからなることを特徴としている。
【0016】
なお、請求項5に記載されるように、前記往復葉書の製造方法において縦方向の余白の切除及び折り手段の形成は、例えば縦方向の余白が予め切除されている或いは折りミシン等の折り手段が形成されている枚葉シートを、製造工程の最上流に積載して繰り出しても構わず(その場合切除工程或いは折り手段形成工程を省略できる)、或いは繰り出しに際して公知の切除装置や折り手段形成装置で切除又は折り手段を形成しながら繰り出しても構わない。また疑似接着媒体及び完全接着媒体を形成してから切除したり折り手段を形成したりしても構わず、さらに疑似接着媒体及び完全接着媒体の形成工程の上流と下流とに分けて段階的に切除したり形成したりしても構わない
【0017】
なお、既述の長尺シート或いは枚葉シートを使用した往復葉書の製造方法において、接着工程から排出される往復葉書は、往信葉書と返信葉書が平面に展開された状態を基本とし、その後第三の折り畳み工程で両者を二つ折りにすることが基本であるが、請求項6に記載されるように、第二の折り畳み工程と接着工程の間に第三の折り畳み工程を配置しておいて、往信葉書と返信葉書を二つ折りした投函前の最終形態に仕上げた後に接着工程へ送り込むように変更しても構わない。
【0018】
また、請求項10に記載されるように、既述の往復葉書の製造方法により製造された往復葉書の往信葉書は、往信葉書本体の両面に葉片がそれぞれ貼付された構造になっており、貼付された葉片同士が往信葉書の下辺において折り線を介して連接されているため、往信葉書本体の下辺を袋状に回り込むように包んだ状態になっている。従って往信葉書内部の情報を確認するために、受取人は前記袋状に回り込むように包まれている下辺を切除して開放しなければならない。そのため請求項10に記載されるように、接着工程の下流側に往信葉書の下辺の切除工程を設けておいて、受取人の切除開封の手間を省くように操作しておいても構わない。
【0019】
さらに第三の折り畳み工程は、第二の接着工程を経た往信葉書と返信葉書が連接された状態の往復葉書を、一連の流れからなるシステムと異なる専用の折り機等により、往信葉書と返信葉書が折り重なるように二つ折りに折り畳んでも構わない。この場合手折りにより折り畳んでも構わない。
【0020】
本発明の往復葉書の製造方法は、長尺シート或いは枚葉シートにおいては各種疑似接着媒体或いは完全接着媒体の連続形成により長尺状態にしておいて、各製造工程を連続的な流れで加工することが好ましいが、例えば各加工作業(ラミネート作業、断裁作業、折り作業、接着作業)ごとに専用加工機を使用して個別に分散して行っても構わない。なお個別に分散して往復葉書を製造する際に、疑似接着媒体の種類により若干工程が分かれる。以下に本発明で利用可能な疑似接着媒体及び完全接着媒体について説明する。
【0021】
本発明の往復葉書の剥離可能な疑似接着を実行するための疑似接着手段として、例えば印刷後の用紙の疑似接着予定面に疑似接着媒体として疑似接着性のUV硬化型ニスやエマルジョン型の弱粘着性の接着剤を塗布して疑似接着性の被膜を形成する、業界で後糊方式と称される手段がある。また印刷前の用紙に予め天然ゴムや合成ゴムを主体とした疑似接着性媒体を塗工して含侵させた、業界で先糊方式(圧着紙)と称される手段がある。さらに疑似接着媒体として二軸延伸ポリプロピレンやポリエチレンテレフタレート等の基材の一方の面に疑似接着層を形成した疑似接着フィルムシートを疑似接着予定面に被覆する、プリントラミネートに対応したフィルム方式等がある。なお従来使用されている弱粘着剤を疑似接着手段として使用しても構わない。
【0022】
また、本発明の往復葉書で剥離不能な完全接着に使用される完全接着媒体として、例えば感熱性、感圧性及び感湿性の接着剤を使用して、印刷後或いは印刷前の用紙の完全接着予定面に塗布しておいて、折り畳み完了後に加熱、加圧及び加湿等の条件を施して貼り合わせても構わない。また二軸延伸ポリプロピレンやポリエチレンテレフタレート等の基材の一方の面に、既述の各種条件の付加により接着性を発揮する完全接着剤層を形成したフィルムシートを完全接着予定面に被覆する、プリントラミネートに対応したフィルムシートを使用しても構わない。
【0023】
なお、剥離可能な疑似接着及び剥離不能な完全接着は往復葉書の製造方法における接着工程で実行されるが、その際に両接着が同一条件の付加により実行されることが好ましい。例えばヒートローラ等による加熱・加圧処理で両接着を一挙に完了させたり、金属製の加圧ローラ等により加圧したりすることにより一挙に完了させることが好ましい。
【0024】
既述の請求項7に記載される後糊方式に係る疑似接着媒体を使用した、専用加工機による往復葉書の製造方法は、縦方向の折り線を介して横方向に連接された第一葉片、第二葉片及び第三葉片の3葉片と縦方向の折り線を介して横方向に連接された前記3葉片より縦幅が広い第四葉片、第五葉片及び第六葉片の3葉片が横方向の折り線を介してそれぞれ上下に連接された6葉片からなる単位往復葉書用紙が印刷された長尺シート或いは枚葉シートの疑似接着予定面に疑似接着媒体及び完全接着予定面に完全接着媒体を形成する疑似接着媒体及び完全接着媒体の形成工程と、疑似接着媒体及び完全接着媒体が形成された長尺シート或いは枚葉シートに印刷された単位往復葉書用紙を切り出す切り出し工程と、切り出された単位往復葉書用紙の第三葉片と第六葉片を疑似接着媒体が対向するように縦方向の折り線から第二葉片と第五葉片側に連続的に折り畳み、さらに単位往復葉書用紙の横方向の折り線を介して上下に連接された葉片の完全接着媒体同士が対向するように前記横方向の折り線から折り畳み往信葉書と返信葉書が見開き状に平面展開した状態とした後にさらに前記往信葉書と返信葉書をその連接する折り線から二つ折りに折り畳み最終形態とする折り畳み工程と、折り畳まれた単位往復葉書用紙に加圧或いは加熱・加圧処理を施して対向する疑似接着媒体同士を剥離可能に接着し完全接着媒体同士を剥離不能に接着する接着工程とからなることを特徴としている。
【0025】
また、既述の請求項8に記載される先糊方式に係る疑似接着媒体を使用した、専用加工機による往復葉書の製造方法は、所定面に疑似接着媒体及び完全接着媒体が形成された長尺シート或いは枚葉シートの表裏面に、縦方向の折り線を介して横方向に連接された第一葉片、第二葉片及び第三葉片の3葉片と縦方向の折り線を介して横方向に連接された前記3葉片より縦幅が広い第四葉片、第五葉片及び第六葉片の3葉片が横方向の折り線を介してそれぞれ上下に連接された6葉片からなる単位往復葉書用紙を印刷する印刷工程と、印刷が完了した長尺状或いは枚葉状のシートの単位往復葉書を切り出す切り出し工程と、切り出された単位往復葉書用紙の第三葉片と第六葉片を疑似接着媒体が対向するように縦方向の折り線から第二葉片と第五葉片側に連続的に折り畳み、さらに単位往復葉書用紙の横方向の折り線を介して上下に連接された葉片の完全接着媒体同士が対向するように前記横方向の折り線から折り畳み往信葉書と返信葉書が見開き状に平面展開した状態とした後にさらに前記往信葉書と返信葉書をその連接する折り線から二つ折りに折り畳み最終形態とする折り畳み工程と、折り畳まれた単位往復葉書用紙に加圧或いは加熱・加圧処理を施して対向する疑似接着媒体同士を剥離可能に接着し完全接着媒体同士を剥離不能に接着する接着工程とからなることを特徴としている。
【0026】
なお、前記請求項7及び8の2種類の往復葉書の製造方法において、往信葉書と返信葉書が平面展開された状態まで折り畳み、接着工程を経た後に往信葉書と返信葉書を投函前の最終形態の二つ折りにするように第二の折り畳み工程を別に配置しても構わない。特に先糊方式の場合、疑似接着予定面以外にも疑似接着媒体が塗工されていることがあり得るため、往信葉書と返信葉書を二つ折りした最終形態に仕上げた後に接着工程を通過すると、両葉書が接着してしまう可能性がある。従って請求項9に記載されるように、最終の二つ折り最終形態折り畳む折り畳み工程を別に分けて配置して折り畳めば両葉書の接着を回避することができる。
【0027】
また既述の全ての往復葉書の製造方法において、請求項10に記載されるように、接着工程の前或いは後に少なくとも往信葉書の下辺を切除して(返信葉書の下辺を同時に切除しても構わない)貼付葉片下辺の折り線による封緘を開放するための切除工程を設けておいて、受取人の切除開封の手間を省くように操作しても構わない。なお前記切除工程は少なくとも往信葉書の両面の貼付葉片下辺の折り線による連接部分を切除して、前記貼付葉片を剥離して展開することを可能とすることが目的であるが、返信葉書の下辺も一緒に切除しても構わない。
【0028】
本発明の往復葉書に使用される用紙は、2葉片が貼り合わせた状態の往信葉書及び返信葉書の各本体重量が2〜6gとなり、また往信葉書の重量が2葉片を貼り合わせた本体とその両面に貼付された葉片の合計4葉片で2〜6gであればよい。そのような条件を満足する用紙として、例えば斤量が四六伴で45kg前後の用紙を好適に使用することができる。前記用紙で規定サイズの往復葉書を製造すると、往信葉書が大よそ5〜6g、返信葉書が大よそ2〜3gの範囲に収まる。
【0029】
往復葉書に使用される用紙は、例えば上質紙、マット紙、コート紙等を好適に使用することができるが、そのほかに合成紙、不織布及び各種樹脂からなるフィルムシート等を使用しても構わない。また斤量に関しては前記四六判で45kg以外に、45〜70kgの範囲の用紙や規定重量範囲に入るように調整した特漉き用紙を使用しても構わない。
【発明の効果】
【0030】
本発明の往復葉書によれば、個人情報が打ち出された一枚の用紙を折り畳み製造するため、複数の別体からなる用紙を貼り合わせ加工する場合に生じる、異なる個人情報が記載された用紙を貼り合わせてしまう事故がない。従って個人情報の漏出を確実に防ぐことができる。
【0031】
また往信葉書及び返信葉書の各本体同士が連接されているため、第二種郵便物の往復葉書の規定に反することはなく、使用に際して何ら問題はない。
【0032】
さらに往信葉書及び返信葉書の各本体が貼り合わせのため重量を稼ぎやすく、従って2g〜6gの範囲に余裕を持って収まると共に、往信葉書も本体の両面に単片からなる葉片が貼付されるため全体として重量オーバーの心配がなく2〜6gの範囲に余裕を持って収まる。
【0033】
さらにまた、本発明の往復葉書の製造方法によれば、6葉片の複雑な折り畳みにより構成されているにも関わらず、素人でも簡単に大量な往復葉書を短時間で容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】(A)は往復葉書Jの往信葉書Vと返信葉書Wを開いて平面に展開した際の表面図、(B)は裏面図である。
【
図2】(A)は
図1(A)における▲1▼−▲1▼線断面図、(B)は▲2▼−▲2▼線断面図である。
【
図3】(A)及び(B)は往復葉書Jの斜視図である。
【
図4】(A)は往復葉書Jの往信葉書Vを開封するに際して切除する位置を示す平面図、(B)は往信葉書Vの開封状態を示す斜視図である。
【
図5】(A)は往復葉書Jの製造に使用する長尺状のシートS1の表面図、(B)は裏面図である。
【
図6】長尺状のシートS1を使用した往復葉書Jの製造方法における前半の繰り出し工程から第一の折り畳み工程迄を示す要部概略図である。
【
図7】(A)は長尺状のシートS1を使用した往復葉書Jの製造方法における被覆工程で、長尺状のシートS1の完全接着予定面に完全接着フィルムシートKが被覆された状態を示す表面図、(B)は疑似接着予定面に疑似接着フィルムシートGが被覆された状態を示す裏面図である。
【
図8】(A)は
図7(A)の両外側のマージナル部分13が切除されると共に折り線7、8に折り筋及び折りミシンがそれぞれ形成された状態を示す平面図、(B)は(A)における▲3▼−▲3▼線断面図である。
【
図9】往復葉書Jの製造方法における第一の折り畳み工程で第二葉片2及び第三葉片3が折り線8から対向するように折り畳まれたシートS1の平面図、(B)は(A)における▲4▼−▲4▼線断面図である。
【
図10】長尺状のシートS1及び枚葉状のシートS2を使用した往復葉書
Jの製造方法における後半の最終切除工程から最終の折り畳み工程迄を示す要部概略図である。
【
図11】(A)は断裁工程を経て単品に仕上げられた単位往復葉書用紙tの表面図、(B)は(A)における▲5▼−▲5▼線断面図、(C)は(A)における▲6▼−▲6▼線断面図である。
【
図12】(A)は第三の折り畳み工程を経て往信葉書及び返信葉書が折り線7から二つ折りに折り畳まれ最終形態となった往復葉書Jの平面図、(B)は(A)における▲7▼−▲7▼線断面図である。
【
図13】(A)は往復葉書Jの製造に使用する枚葉状のシートS2の表面図、(B)は裏面図である。
【
図14】枚葉状のシートS2を使用した往復葉書Jの製造方法における前半の繰り出し工程から折り畳み工程迄を示す要部概略図である。
【
図15】(A)は枚葉状のシートS2を使用した往復葉書Jの製造方法における被覆工程で、枚葉状のシートS2の完全接着予定面に完全接着フィルムシートKが被覆された状態を示す表面図、(B)は疑似接着予定面に疑似接着フィルムシートGが被覆された状態を示す裏面図である。
【
図16】(A)は縦方向の余白Xが切除されると共に折り線7、8に折り筋及び折りミシンが形成された状態を示す平面図、(B)は(A)における▲8▼−▲8▼線断面図である。
【
図17】往復葉書Jの製造方法における第一の折り畳み工程で第二葉片2及び第三葉片3が折り線8から対向するように折り畳まれた枚葉状のシートS2の平面図、(B)は(A)における▲9▼−▲9▼線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。なお本実施例では疑似接着媒体として疑似接着フィルムシートGを、また完全接着媒体として完全接着フィルムシートKを使用して説明しているが既述の各種疑似接着媒体に代えても構わない。
[往復葉書J1]
図1(A)、(B)及び
図2(A)、(B)に示す往復葉書Jは、
図5(A)、(B)に示すように縦方向の折り線7、8を介して横方向に連接された第一葉片1、第二葉片2及び第三葉片3の3葉片と、縦方向の折り線7、8を介して横方向に連接された前記3葉片より縦幅が広い第四葉片4、第五葉片5及び第六葉片6の3葉片が横方向の折り線9を介してそれぞれ上下に連接された6葉片からなる単位往復葉書用紙tが、前記折り線7、8及び9から縦横に折り畳まれてなる。そして
図1(A)、(B)及び
図2(B)に示すように、第二葉片2及び第五葉片5が重ね合わされた往信葉書本体に第三葉片3及び第六葉片6が重ね合わされた4葉片からなる往信葉書Vの前記往信葉書本体と、第一葉片1及び第四葉片4が重ね合わされた2葉片からなる返信葉書W(返信葉書本体)が、折り線7を介して連接されている。
【0036】
また第三葉片3と第二葉片2及び第五葉片5と第六葉片6の対向面間には疑似接着フィルムシートGが配置され、それにより各対向面間は剥離可能に接着している。また往信葉書本体を構成する第二葉片2と第五葉片5及び返信葉書本体を構成する第一葉片1と第四葉片4の対向面間には、往信葉書Vにおいて折り線8を越えて第三葉片3及び第六葉片6側へ回り込む状態で完全接着フィルムシートKが配置され、それにより両対向面間は剥離不能に接着している。
【0037】
なお
図1(A)及び
図2(A)に示すように、往信葉書Vを構成する第三葉片3表面の上側縁辺に沿って段差が形成されており、前記段差により表出している
第五葉片
5の上側縁辺に記載されている「郵便往復葉書」の文言が視認できるように構成されている。
【0038】
往信葉書Vは
図4(B)に示すように、疑似接着フィルムシートGを介して剥離可能に接着していた第二葉片2と第三葉片3間及び第五葉片5と第六葉片6間を見開き状に剥離展開することができる。また既述の通り、往信葉書Vの本体となる第二葉片2と第五葉片5間は完全接着フィルムシートKにより剥離不能に接着一体化されている。
【0039】
なお
図1(A)、(B)及び
図2(A)、(B)では、往信葉書V及び返信葉書Wが折り線7を介して横並びに連接され平面に展開された状態で記載されているが、実際に使用するに当たり往信葉書V及び返信葉書Wは
図3(A)及び(B)に示すように折り線7から二つ折りに折り畳まれ、最終的に
図12(A)及び(B)の状態に仕上げられ投函される。
【0040】
この往復葉書Jの受取人は
図4(A)に示すように、例えば往復葉書Jの下側縁辺に沿って二点鎖線で示す、切落し線Z(破線や鋏等のマーク或いは「ここから切り落とす」等の文言の表示により切り落としの必要性が示唆されていても構わない)を鋏やカッター等の切除道具で切除して、往信葉書Vの袋状に閉じられた下辺を開放した後に、
図4(B)に示すように往信葉書Vの本体である第二葉片2及び第五葉片5に貼付された第六葉片6及び第三葉片3を剥離して見開き状に展開し、内部の情報を透明或いは半透明の疑似接着フィルムシートGを透して視認することができる。なお往信葉書Vの下辺の切除に際して、返信葉書Wの下辺を一緒に切除しても構わない。
【0041】
そして返信する際に折り線7で往信葉書Vと返信葉書Wを切り離し、例えば往信葉書Vの各面に記載されているアンケート等質問の回答を返信葉書Wに記載されている回答欄に記入して投函する。そして残された往信葉書Vは製本状態で保管されるのである。
【0042】
なお、受取人の切除動作を省くために、往復葉書の使用に際して予め前記往信葉書Vの袋状に閉じられた下側縁辺部分の切落し線Zを、本往復葉書Jの製造工程中で切除しておいても構わない。
【0043】
また、前記切り落とし線Z部分に当たる位置に切り落としミシンを別工程で形成しておいて、受取人が手で容易に破断除去できるように予め形成しておいても構わず、或いは折り線9に切取ミシンを形成し、さらに疑似接着フィルムシートGに破断用の複数の微細な穴を設けたり易破断性の疑似接着フィルムシートを使用したりすることで、鋏やカッター等の切除道具を用いることなく手で容易に破断開封できるように操作しても構わない。
【0044】
[長尺状のシートS1による往復葉書Jの製造方法]
往復葉書Jの製造に使用するシートS1は
図5(A)及び(B)に示すように、縦方向の折り線7、8を介して横方向に連接された第一葉片1、第二葉片2及び第三葉片3の3葉片と、縦方向の折り線7、8を介して横方向に連接された前記3葉片より縦幅が広い第四葉片4、第五葉片5及び第六葉片6の3葉片が横方向の折り線
9を介してそれぞれ上下に連接された、6葉片からなる単位往復葉書用紙tが、天地の切取線10を介して縦方向に印刷されている。そして前記単位往復葉書用紙tの両外側には切取線11を介して、マージナル孔12が設けられたマージナル部分13が連接されている。
【0045】
既述の構成のシートS1は
図6に示すように加工工程の最上流左下の用紙載せ台20上に載置され、最上面のシートS1から上方のサポートローラ21へ引き上げられるとほぼ水平に向きを変えて、右側に配置されたピントラクタ22のピンとマージナル孔12を嵌合させてさらに右側に配置された一対のヒートローラ23a、23bからなる被覆装置へ送り込まれる。
【0046】
前記被覆装置では上方及び下方に待機しているロールから繰り出される完全接着フィルムシートK及び疑似接着フィルムシートGが、
図7(A)及び(B)に斜線で示すようにシートS1の所定の位置に整合され連続的に被覆される。
【0047】
前記疑似接着フィルムシートGは、二軸延伸ポリプロピレンの一方の面に公知の感熱接着剤層が形成されており、さらにその逆側の面に疑似接着層が形成された市販のプリントラミネート用疑似接着フィルムシートを好適に使用することができる。このものは印刷物表面に前記感熱接着剤層を介して剥離不能に接着した後に、疑似接着層同士が対向するように折り畳み加圧或いは加熱・加圧処理を施すと剥離可能に接着する。そしてその後容易に引き剥がすことができる。
【0048】
また前記完全接着フィルムシートKは、二軸延伸ポリプロピレンの一方の面に公知の感熱接着剤層が形成されており、さらにその逆側の面にヒート処理層が形成された市販のプリントラミネート用完全接着フィルムシートを好適に使用することができる。このものは印刷物表面に前記感熱接着剤層を介して剥離不能に接着した後に、ヒート処理層同士が対向するように折り畳み加圧或いは加熱・加圧処理を施すと剥離不能に接着する。
【0049】
なお前記疑似接着フィルムシートは、疑似接着層同士を対向させて加熱・加圧等の条件を加えて初めて剥離可能に接着するもので、例えば疑似接着層と用紙表面を対向させて加圧或いは加熱・加圧等の接着条件を施しても接着することはない。同様に完全接着フィルムシートにおいてもヒート処理層同士が対向しない限り接着することはない。
【0050】
そして所定面に各種フィルムシートが被覆されたシートS1は、次に
図8(A)及び(B)に示すように、両外側のマージナル部分13をスリット刃24a、24bとバックアップローラ25からなる第一の切除装置により切除され、また前記バックアップローラ25上に並列に配置されたミシン刃24cと筋入れ刃24dからなる折り手段形成装置により、折り線7に折り筋を形成すると共に折り線8に折りミシンを形成する。なお前記スリット刃24a、24b、ミシン刃24c及び筋入れ刃24dはバックアップローラ25上に並列に配置(図では一つの刃で記載している)されているため、前記切除と折り手段の形成は同時に行われるが、バックアップローラを増設して装置を別々に配置して段階的に実行するようにしても構わない。
【0051】
なお前記マージナル部分13の切除と各折り線への折り手段の形成は、各種フィルムシートの被覆前又は後、或いは被覆の前後に分散して行っても構わない。また、加工工程の最上流から繰り出す際に、予めマージナル部分13を切除しておくと共に各種折り手段を形成しておけば、前記切除及び折り手段形成の工程を省略することができる。そして既述の通り切除と折り手段形成工程を経たシートS1は、右側に配置された第一の折り畳み装置へと送り込まれる。
【0052】
前記第一の折り畳み装置では、下方のサポートローラ27から上方のサポートローラ28へ引き上げられるまでに、図示されないガイド板やガイドバーによりシートS1は
図9(A)及び(B)に示すように、第三葉片3及び第六葉片6が第二葉片2及び第五葉片5と対向するように疑似接着フィルムシートGを介して折り線8から折り畳まれる。
【0053】
既述の通り折り畳まれたシートS1は、上方のサポートローラ28で略水平に向きを変えると
図10の製造工程後半に示すよう、に右側に配置された一対のニップロー
ラ29a、29bにより、右側に配置されている断裁刃31aと固定刃31bからなる断裁装置へ送り込まれる。
【0054】
前記断裁装置では
図9(A)に示す状態で、通過するシートS1の先行する単位往復葉書用紙tの左下葉片左下隅に記載されている最初のマークMをセンサ30が読み取ると、移動距離のカウントを開始して
後続の単位往復葉書用紙tの天辺10を断裁する。次に
後続の単位往復葉書用紙tの第四葉片4左下隅に記載されたマークMを読み取り移動距離をカウントして地辺10を断裁する。このようにして単位往復葉書用紙tを
図11(A)、(B)及び(C)に示す状態に切り出す。前記断裁動作は
引き続き後続の
単位往復葉書用紙tでも行われ、切り出された単位往復葉書用紙tは、右側に配置された折りローラ32a、32b、32cと折りトレー33との組み合わせからなる第二の折り畳み装置へ順次送り込まれて行く。
【0055】
前記第二の折り畳み装置では、単体に切り出された単位往復葉書用紙tが、折りローラ32a、32bにより折りトレー33へ送り込まれる。そして用紙全体の縦長さの半分の位置(折り線9)まで折りトレー33内に侵入すると先端がストッパ34に突き当たり一旦停止する。すると今度は折りローラ32b、32cにより、その場に位置する折り線9から銜え込まれ
図1(A)、(B)及び
図2(A)、(B)の状態に二つ折りされながら、右下に配置されている一対の搬送ローラ35a、35bと一対のヒータパネル36a、36bが交互に配置されると共に排出口に一対の加圧ローラ37a、37bが配置された接着装置へ送り込まれる。
【0056】
前記接着装置を通過する単位往復葉書用紙tは複数の一対のヒータパネル36a、36bにより十分に加熱され、排出口に設けられている一対の加圧ローラ37a、37bにより加圧されることにより、折り畳まれて対向する疑似接着フィルムシートG同士及び完全接着フィルムシートK同士がそれぞれ剥離可能及び剥離不能に接着されると、さらに右側に配置されたベルトコンベア等からなるスタッカ38に順次積載され、その後
図10の下方に二点鎖線で囲まれる折り専用機Q(第三の折り畳み装置)へ移されて最終処理が施される。
【0057】
前記折り専用機Qでは、例えば前記ベルトコンベア38上に集積された往復葉書Jを用紙載せ台42上に移し替え、下側の往復葉書Jから順にフィードローラ43により右側に配置されている折りローラ44a、44bへ順次送り出す。送り出された往復葉書Jは前記折りローラ44a、44bに銜えられ右側のトレー45へ送り込まれる。そしてストッパ46に突き当たると折り線7の部分が折りローラ44b、44cに銜えられて二つ折りされスタッカ47上へ排出される。排出された往復葉書J1は
図12(A)及び(B)に示すように、往信葉書V及び返信葉書Wが折り線7で二つ折りに折り畳まれた最終形態となり、その後投函されるのである。
【0058】
なお前記折り専用機Qは、接着装置までの一貫したシステムに連続させても構わない。例えば接着装置から排出される単位往復葉書用紙t(往信葉書V及び返信葉書Wが見開き状に展開している)を、スタッカ38に連接された折り専用機Qへ送り込むように配置して自動的に最終形態まで折り畳む処理を施しても構わない。
【0059】
また、前記第三の折り畳み装置を第二の折り畳み装置と接着装置の間に配置して、投函前の最終形態に折り畳んだ後に接着装置を通過させ全ての接着を完了しても構わない。この場合第二の折り畳み装置と第三の折り畳み装置を合体して、単体の折り畳み装置により投函前の最終形態に折り畳むようにしても構わない。
【0060】
[枚葉状のシートS2による往復葉書Jの製造方法]
本実施例における往復葉書Jの製造に使用するシートS2は
図13(A)及び(B)に示すように、縦方向の折り線7、8を介して横方向に連接された第一葉片1、第二葉片2及び第三葉片3の3葉片と、縦方向の折り線7、8を介して横方向に連接された前記3葉片より縦幅が広い第四葉片4、第五葉片5及び第六葉片6の3葉片が横方向の折り線9を介してそれぞれ上下に連接された、6葉片からなる単位往復葉書用紙tが印刷されている。そして前記単位往復葉書用紙tは縦方向の余白Xと横方向の余白Yにより周囲が囲まれ、第二葉片2の上方横方向の余白に、センサ読取用のマークMが印刷されている。
【0061】
既述の構成のシートS2は
図14に示すように、例えば加工工程最上流左下の用紙載せ台50上に複数枚積載され最上面のシートS2から、吸着パッド51等(静電ベルトやフィードローラ等でも構わない)からなる給紙装置により一枚ずつ等間隔で下流の加工工程へ順次繰り出される。そして一対のニップローラ52a、52bにより右側に配置されている一対のヒートローラ53a53bからなるフィルムシートの被覆装置(ラミネータ等)へ送り込まれると、
図15(A)及び(B)に斜線で示すように、上方及び下方に待機しているロールから繰り出される完全接着フィルムシートK及び疑似接着フィルムシートGが、シートS2表裏面の疑似接着予定面及び完全接着予定面に整合されて連続的に被覆され、右側に配置された切除及び折り手段形成装置へ送り込まれる。
【0062】
前記切除及び折り手段形成装置では
図16(A)及び(B)に示すように、右側のバックアップローラ55上に並列に配置されたスリット刃54a、54bにより両外側の縦方向の余白Xを切除すると共に、さらにバックアップローラ55上に前記スリット刃54a、54bと並列に配置されている筋入れ刃54c、ミシン刃54dにより折り線7、8に折り筋と折りミシンをそれぞれ形成する。なお前記両外側の縦方向の余白Xの切除と各折り線への折り手段の形成は、既述の通り同一のバックアップローラ上で同時に行われる必要はなく、分散して段階的に行われても構わない。また各種フィルムシートの被覆前又は後或いは前後に分散して行われても構わない。さらに、加工工程の最上流から繰り出す際に、予め縦方向の余白Xを切除しておいて各種折り手段を形成しておけば、前記切除及び折り手段形成の工程は省略することができる。既述の通り縦方向の余白Xが切除されると共に折り線に折り手段が形成されたシートS2は、右側に配置された一対のニップローラ56a、56bによりさらに右側に配置された第一の折り畳み装置へ送り込まれる。
【0063】
前記折り畳み装置でシートS2は、下方のサポートローラ57から上方のサポートローラ58へ引き上げられる間に、図示されない複数のガイド板やガイドバーにより
図17(A)及び(B)に示すように、第三葉片3及び第六葉片6が折り線8から第二葉片2及び第五葉片5と疑似接着フィルムシートGを介して折り合わされると、上方のサポートローラ58でほぼ水平に向きを変え、右側に配置された一対のニップローラ29a、29bにより
図10示すように、さらに右側に配置された断裁刃31a及び固定刃61bからなる断裁装置へ送り込まれる。
【0064】
前記断裁装置では
図17(A)に示す状態で、通過するシートS2のマークMをセンサ30が読み取ると移動距離のカウントを開始する。そして最初に単位往復葉書用紙tの天辺L1を断裁すると引き続き移動距離のカウントを継続し、次に地辺L2を断裁して単位往復葉書用紙tを
図11(A)、(B)及び(C)に示す状態に切り出す。なお本実施例では
図11(A)の第四葉片4左下隅のマークMはない。前記断裁動作は後続のシートS2でも行われ、切り出された単位往復葉書用紙tは、右側に配置された折りローラ32a、32b、32cと折りトレー33との組み合わせからなる第二の折り畳み装置へ送り込まれる。
【0065】
前記第二の折り畳み装置では、単体に切り出された単位往復葉書用紙tが、折りローラ32a、32bにより折りトレー33へ送り込まれる。そして単位往復葉書用紙tが用紙全体の縦長さの半分の位置(折り線9)まで折りトレー33内に侵入すると先端がストッパ34に突き当たり一旦停止する。すると今度は折りローラ32b、32cにより、その場に位置する折り線9から銜え込まれ
図1(A)、(B)及び
図2(A)、(B)の状態に二つ折りされながら、右下に配置されている一対の搬送ローラ35a、35bと一対のヒータパネル36a、36bが交互に配置されると共に排出口に一対の加圧ローラ37a、37bが配置された接着装置へ送り込まれる。
【0066】
前記接着装置を通過する単位往復葉書用紙tは複数の一対のヒータパネル36a、36bにより十分に加熱され、排出口に設けられている一対の加圧ローラ37a、37bにより加圧されることにより、折り畳まれて対向する疑似接着フィルムシートG同士及び完全接着フィルムシートK同士がそれぞれ剥離可能及び剥離不能に接着されると、さらに右側に配置されたベルトコンベア等からなるスタッカ38に順次積載され、その後
図10の下方に二点鎖線で囲まれる折り専用機Q(第三の折り畳み装置)へ移されて最終処理が施される。
【0067】
前記折り専用機Qでは、例えば前記ベルトコンベア38上に集積された往復葉書Jを用紙載せ台42上に移し替え、下側の往復葉書Jから順にフィードローラ43により右側に配置されている折りローラ44a、44bへ順次送り出す。送り出された往復葉書Jは前記折りローラ44a、44bに銜えられ右側のトレー45へ送り込まれる。そしてストッパ46に突き当たると折り線7の部分が折りローラ44b、44cに銜えられて二つ折りされスタッカ47上へ排出される。排出された往復葉書Jは
図12(A)及び(B)に示すように、往信葉書V及び返信葉書Wが折り線7で二つ折りに折り畳まれた最終形態となり、その後投函されるのである。
【0068】
なお前記折り専用機Qは、接着装置までの一貫したシステムに連続させても構わない。例えば接着装置から排出される単位往復葉書用紙t(往信葉書V及び返信葉書Wが見開き状に展開している)を、スタッカ38に連接された折り専用機Qへ送り込むように配置して自動的に最終形態まで折り畳む処理を施しても構わない。
【0069】
また、長尺状のシートS1による往復葉書Jの製造方法と同様に、前記第三の折り畳み装置を第二の折り畳み装置と接着装置の間に配置して、投函前の最終形態に折り畳んだ後に接着装置を通過させて全ての接着を完了しても構わない。この場合第二の折り畳み装置と第三の折り畳み装置を合体して、単体の折り畳み装置により投函前の最終形態に折り畳むようにしても構わない。
【0070】
既述の往復葉書の製造方法は、長尺状のシート或いは枚葉状のシートに各種フィルムシートを連続的に被覆することにより長尺状態(枚葉シートは各種フィルムシートの連続被覆により長尺状態になっている)で一貫した連続工程により加工する製造方法で記載しているが、以下に説明するように各工程の専用加工機を使用し、分業により製造する方法でも構わない。
【0071】
[長尺状のシート或いは枚葉状のシートによる往復葉書Jの分業による製造方法1]
以下フィルム方式或いは後糊方式の場合の往復葉書Jの製造方法を述べる。
1)単位往復葉書用紙tが印刷された長尺状或いは枚葉状のシートの疑似接着予定面及び完全接着予定面に、疑似接着フィルムシートG及び完全接着フィルムシートKをラミネータにより被覆する。なお後糊方式においては各種接着媒体を塗工機等を使用して被膜(層)を形成すればよい。(疑似接着媒体及び完全接着媒体の形成工程)。
2)疑似接着フィルムシート及び完全接着フィルムシートにより被覆される或いは他の各種接着媒体により被膜(層)が形成された長尺状或いは枚葉状のシートのマージナル部分や天地の切取線或いは縦横の余白を切除して単位往復葉書用紙t毎に切り出す。また場合によっては折り線に各種折り手段を形成する。(切り出し工程、折り手段形成工程)
3)折り機により単位往復葉書用紙tを最終形態の二つ折り或いはその手前の往信葉書と返信葉書が見開き状に平面展開した段階に折り畳む。(折り畳み工程)
4)折り畳まれた単位往復葉書用紙tをシーラー機により加圧或いは加熱・加圧処理を施し疑似接着フィルムシートG或いは他の疑似接着媒体同士を剥離可能に接着し、完全接着フィルムシートK或いは他の完全接着媒体同士を剥離不能に接着して全体として往復葉書の形態に一体化する。(接着工程)
5)前記3)の折り畳み工程で二つ折りの手前の形態に折り畳んだ場合最終形態の二つ折りに折り畳む。(折り畳み工程)
6)場合によって、受取人の切除動作を省くために、往信葉書Vの袋状に閉じられた下側縁辺部分の切落し線Zを切除する断裁工程が、前記接着工程4)或いは折り畳み工程5)の後に付加される。
上記分業による加工工程を経て往復葉書を製造することができる。
【0072】
[長尺状のシート或いは枚葉状のシートによる往復葉書Jの分業による製造方法2]
以下先糊方式の場合の往復葉書Jの製造方法を述べる。
1)例えば先に疑似接着予定面或いは完全接着予定面に疑似接着媒体或いは完全接着媒体が形成された長尺状或いは枚葉状のシートの、前記疑似接着媒体或いは完全接着媒体の上から単位往復葉書用紙tを印刷する。なお前記先に形成された各種接着媒体は、用紙表面に被膜(層)を形成する場合、用紙に含侵して見た目にその存在が分かりにくい場合、或いは被膜(層)と紙繊維が混在する表面となる等のケースが考えられる。(印刷工程)
2)印刷が完了した長尺状或いは枚葉状のシートから単位往復葉書tを切り出す。また場合によっては折り線に各種折り手段を形成する。(切り出し工程、折り手段形成工程)
3)折り機により単位往復葉書用紙tを最終形態の二つ折り或いはその手前の往信葉書と返信葉書が見開き状に平面展開した段階に折り畳む。(折り畳み工程)
4)折り畳まれた単位往復葉書用紙tをシーラー機により加圧或いは加熱・加圧処理を施し疑似接着媒体同士を剥離可能に接着し完全接着媒体同士を剥離不能に接着して全体として往復葉書の形態に一体化する。(接着工程)
5)上記3)の折り畳み工程の折り畳みが、最終形態の二つ折りの手前の段階迄で、往信葉書と返信葉書が見開き状に平面展開した状態に折り畳まれて接着工程を通過した場合は、最終形態の二つ折りを実行する第二の折り畳み工程を接着工程の下流に付加する。また場合によって、受取人の切除動作を省くために、往信葉書Vの袋状に閉じられた下側縁辺部分の切落し線Zを切除する断裁工程が接着工程4)の後に付加される。
上記分業による加工工程を経て往復葉書を製造することができる。
【0073】
なお本発明は上記実施例に限られない。
例えば、折り線に形成する折り手段は折りミシンや折り筋に限らず、切取りミシンや他の公知の折り手段を採用しても構わない。また、マージナル部分や余白の切除時期或いは折り手段の形成時期に関しても格別な制限はなく、作業前に予めシートから切除したりシートに形成しておいたりしても良く、被覆工程の上下流の何れかで切除したり形成したりしても構わない。さらに、被覆工程の上下両所で段階的に切除或いは形成しても構わない。
【0074】
また、実施例では隣り合わせた葉片を同一フィルムシートで被覆する場合、連接する折り線をまたいで一枚のフィルムシートで被覆しているが、折り線をまたがず二枚フィルムシートに分けて被覆しても構わない。