(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。一方で、ある図において符号を付して説明した部位について、他の図の説明の際に再度の図示はしないが同一の符号を付して言及する場合がある。また、以下においては、本発明の特徴を分かり易くするために、従来の技術と比較して説明する。
【0018】
<概要>
上述したように、特許文献1に記載されたようなRFIDタグシートを用いることで、シート上での2次元の位置(座標)を把握することができる。この応用場面として、例えば、製造工場等において、所定の物品(部品、パーツ)を、所定の収納場所や設置場所との間で適切に出し入れするようなケースが考えられる。
【0019】
図9は、従来技術におけるRFIDタグを用いたパーツ管理の例について概要を示した図である。図中では、複数の収納部分(マス)が格子状に配置されたパーツ箱21との間で、ユーザがトングやピンセットのような形状の操作器具41を用いて部品を出し入れする例を示している。ここでは、特許文献1に記載されたような技術を利用・応用し、パーツ箱21の各マスの底部にRFIDタグからなるマスタグ10’を格子状に配置している。そして、操作器具41の先端の部品を把持する位置付近には、検出部31を備えている。検出部31は、図示しないが、リーダ/ライタ装置がRFIDタグとの通信を行うためのアンテナ部分やケーブルが接続されているものとする。
【0020】
このようなパーツ箱21を用いることにより、ユーザが部品の出し入れのために操作器具41の先端部分を目的のマスに近付けると、先端の検出部31を介して対象のマスのマスタグ10’を自動的に読み取り、読み取ったID情報に基づいてマスの位置(座標)を把握することができる。これにより、各マスへのアクセスの状況や履歴を記録したり、アクセスしたマスの正誤を判定したりすることが可能である。
【0021】
しかし、このようなパーツ箱21を構成するには、マスの数だけマスタグ10’を配置する必要がある。すなわち、マスの格子が縦N個、横M個の場合、N×M個のマスタグ10’が必要となる。
図9の例では、4×6=24個であり、実装可能な規模であるが、N、Mの数が大きくなるにしたがってマスタグ10’の必要数は急激に大きくなる。
【0022】
そこで、以下に示す本発明の各実施の形態では、位置の検知単位である格子毎にRFIDタグを配置するのではなく、位置検知のための1つ以上の軸(直線に限らず曲線等であってもよい)上にのみ目盛状にRFIDタグを配置する。そして、可動機構の動作により検知対象の位置を指し示す操作に連動して、軸上の対応する位置のRFIDタグ(目盛)を自動的に読み取ることで、各軸の目盛の値に基づいて検知対象の位置(座標)を把握する。このような構成により、位置検知のために必要となるRFIDタグの数を大きく低減させることを可能とする。
【0023】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1である位置検知装置1の構成例について概要を示した図である。本実施の形態の位置検知装置1は、例えば、
図1の紙面における横方向をX軸、縦方向をY軸とした2次元平面上における検知対象の位置を検知する装置である。
【0024】
位置検知装置1は、位置検知の基準となるX軸およびY軸それぞれの方向に延伸する状態で軸部として固定されたX軸固定部20xおよびY軸固定部20y(以下ではこれらを単に「固定部20」と総称する場合がある)を有する。また、X軸固定部20xに沿ってX軸方向に移動可能なX軸移動部30x、およびY軸固定部20yに沿ってY軸方向に移動可能なY軸移動部30y(以下ではこれらを単に「移動部30」と総称する場合がある)を有する。固定部20と移動部30の組み合わせからなる構成は、例えば、図示するように、レールガイドに沿ってスライドするレールのような態様とすることができるが、これに限られない。
【0025】
本実施の形態の位置検知装置1は、さらに、Y軸移動部30yに対してX軸方向に延伸する状態で取り付けられたX軸ガイド43x、およびX軸移動部30xに対してY軸方向に延伸する状態で取り付けられたY軸ガイド43y(以下ではこれらを単に「ガイド43」と総称する場合がある)を有する。
【0026】
そして、各ガイド43が交差する位置に、各ガイド43に沿って移動可能なように取り付けられた操作部42を有する。操作部42をX軸ガイド43xに沿って移動させることで、これに連動して、X軸移動部30xをX軸固定部20xに沿ってX軸方向に移動させることができる。同様に、操作部42をY軸ガイド43yに沿って移動させることで、これに連動して、Y軸移動部32yをY軸固定部20yに沿ってY軸方向に移動させることができる。この機構は、一般的なペンプロッタの機構と類似している。しかし、ペンプロッタとは逆に、操作部42(例えばその中心部)の方を、検知対象を指し示すように(検知対象に重畳するように)XY平面上で移動させることで、これに連動して、各移動部30を、それぞれの軸の固定部20における対応する位置に移動させるものである。
【0027】
各固定部20には、それぞれ、移動部30が移動する経路に沿って、RFIDタグからなる複数の目盛タグ10(図中では目盛タグ10xおよび10yで示される)が、所定の間隔で配置されている。この間隔は、位置や座標の検知の際に求められる分解能に基づいて設定される。
【0028】
そして、各移動部30は、それぞれ、目盛タグ10との間の通信により目盛タグ10の情報を読み取るアンテナ機能を有する検出部31(図中では検出部31xおよび31yで示される)と、後述するリーダ/ライタ50との間で通信を行うためのアンテナ32(図中ではアンテナ32xおよび32yで示される)を有する。検出部31とアンテナ32はケーブル35(図中ではケーブル35xおよび35yで示される)により接続されている。
【0029】
本実施の形態の位置検知装置1は、さらにリーダ/ライタ50を有する。必要に応じてリーダ/ライタ50が取得したデータに基づいて各種処理を行う情報処理装置である上位システム51を有していてもよい。リーダ/ライタ50は、目盛タグ10と通信を行うための電波を発信し、これを受信した各移動部30のアンテナ32を介して、検出部31が読み取った目盛タグ10の情報を取得する。リーダ/ライタ50は、このような機能を備える情報処理装置やリーダ/ライタ装置、端末装置等により構成される。
【0030】
リーダ/ライタ50もしくは上位システム51は、各目盛タグ10のID情報と、これに対応する操作部42のX軸もしくはY軸上での位置(座標)の情報とを予め関連付けて保持している。これにより、各軸について取得した目盛タグ10のID情報に基づいて、操作部42を対象物として、そのXY平面上での位置(座標)を把握することができる。
【0031】
本実施の形態では、検出部31およびアンテナ32を有する各移動部30が可動である。したがって、リーダ/ライタ50を移動させて目盛タグ10を直接読み取る、もしくは移動部30にリーダ/ライタ50の機能を搭載するのではなく、検出部31およびアンテナ32を介してリーダ/ライタ50が間接的に読み取る構成とするのが望ましい。
【0032】
なお、
図1の例において、各固定部20は、地面や壁等の不動の物に対して固定され、その絶対位置が固定されるようにしてもよいし、各固定部20間の相対位置のみが固定されている状態(すなわち、各固定部20が位置検知装置1全体に対して固定されている状態)であってもよい。すなわち、後者の場合は、各固定部20の相対位置を固定したまま位置検知装置1全体を移動させて用いることができ、可搬性を有することができる。
【0033】
図2は、目盛タグ10の構成例について概要を示した図である。上段の図は、目盛タグ10の上面図の例を示し、下段の図は、目盛タグ10におけるA−A’断面の断面図の例を示している。目盛タグ10は、例えば、一般に入手可能な2.5mm四方程度の小型のパッシブタイプのRFIDタグを用いるのが好適である。目盛タグ10は、絶縁樹脂等の基材11の中央付近に配置されたICチップ12の周囲に導体の配線によりコイルアンテナ13が形成された構成を有する。
【0034】
なお、目盛タグ10の寸法により、位置検知の分解能が決定される。すなわち、目盛タグ10の寸法が大きいほど、より低い分解能となり、寸法が小さいほど、より高い分解能を得ることができる。
【0035】
図3は、本実施の形態の位置検知装置1における目盛タグ10を読み取る構成の例について概要を示した図である。
図3では、上述の
図1におけるY軸固定部20yおよびY軸移動部30y部分のA−A’断面の断面図を模式的に示している。上段の図では、固定部20が地面等に固定されており、その上面には目盛タグ10が複数並べて配置されている状態を示している。そして、その上を移動部30が紙面の左右方向に移動可能であることを示している。
【0036】
目盛タグ10は、移動部30の底面に配置された検出部31により読み取られる。検出部31が読み取った情報は、アンテナ32を介してリーダ/ライタ50により取得される。なお、上述の
図1の例では、説明の便宜上、移動部30の上面側から検出部31が把握できるかのように記載されているが、実装上は
図3に示すように目盛タグ10に近い下面側に配置するのが望ましい。
【0037】
図3の下段の図では、目盛タグ10と検出部31の周辺を拡大した状態を示している。ここでは、検出部31が、目盛タグ10のコイルアンテナ13との間の電磁結合による相互誘導磁界Φを介して通信することを示している。なお、
図3の例では、隣の目盛タグ10とは通信できていない(干渉していない)状態を示しているが、隣の目盛タグ10と通信できる状態であってもよい。この場合は、移動部30および検出部31の移動に伴って、隣接する目盛タグ10間で通信が途切れる(いずれの目盛タグ10も読み取れない状況となる)ことを防止することができる。
【0038】
複数の目盛タグ10が読み取れる場合は、読み取り状況からいずれの目盛タグ10を中心に読み取っているかを判断することができる。判断の手法は特に限定されないが、例えば、隣接する3つの目盛タグ10が読み取れている場合は、その中央の目盛タグ10を読み取っていると判断してもよい。また、隣接する2つの目盛タグ10が読み取れている場合は、例えば、直近に読み取れていた他の目盛タグ10に近い方の目盛タグ10を読み取っていると判断するようにしてもよい。
【0039】
読み取った目盛タグ10に対応する位置情報を検知する仕組みの場合には、隣接する2つの目盛タグ10のそれぞれに対応する位置情報の中間の位置(例えば、2つの位置情報の平均値の位置)にあると判断するようにしてもよい。同様に、3つ以上の目盛タグ10を読み取った場合に、それらの位置情報の平均値の位置にあると判断するようにしてもよい。
【0040】
以上に説明したような位置検知装置1の構成を、上述の
図9に示したパーツ箱21に適用することで、必要なRFIDタグの数を大幅に低減させることができる。具体的には、例えば、
図1に示した位置検知装置1において、操作部42の可動範囲のXY平面上に、
図9の例におけるパーツ箱21の各マスが配置されるようにする。なお、各マスには、
図9の例に示すようなマスタグ10’は不要である。そして、位置検知装置1における操作部42を、
図9の例における操作器具41の機能を有する部材により構成する。なお、操作部42(操作器具41)部分には
図9の例に示すような検出部31は不要である。
【0041】
これにより、
図9の例に示すパーツ箱21では、N×Mマスの場合にN×M個のマスタグ10’が必要であったのに対し、本実施の形態の位置検知装置1を適用した場合は、X軸固定部20xおよびY軸固定部20yにおける目盛タグ10の合計、すなわちN+M個で足りる。したがって、N、Mの値が大きい場合は特に、必要なRFIDタグの数を大幅に低減させることができる。
【0042】
(変形例1)
図4は、本実施の形態の位置検知装置1の変形例について概要を示した図である。ここでは、位置検知装置1の操作部42をXY平面上で移動させることで、操作部42のXY平面上での位置(座標)を把握することができることを利用して、手書き文字(図形)入力を行う例を示している。具体的には、例えば、操作部42にペン45を取り付けるための取付部44を設け、ペンプロッタとは逆に、ユーザがペン45をXY平面上で操作して手書きで文字や図形を描画したり軌跡をなぞったりする。その間のペン45が指し示す位置(座標)を、各移動部30の検出部31が、それぞれ、各固定部20の目盛タグ10を読み取ることによって把握する。その変化の履歴を上位システム51により記録、トラッキングすることで、ユーザが描画等した文字や図形、軌跡に係る画像データを得ることができる。
【0043】
なお、
図4に示した取付部44とペン45の構成は一例であり、このような構成に限定されない。ペン45に相当する部材が操作部42に固定的に取り付けられている構成など、他の構成を適宜採用することも可能である。
【0044】
(変形例2)
上述の
図1、
図3の例で示した構成では、各移動部30の検出部31において読み取った目盛タグ10の情報について、アンテナ32からリーダ/ライタ50までの空間を電波による無線通信によって伝達している。この場合、操作部42の位置、すなわち各移動部30の位置によっては、アンテナ32とリーダ/ライタ50との間の距離が大きくなり、電波が微弱となって通信が不安定となる場合があり得る。また、混信や情報漏洩等を防止するための安全性確保の対策が必要となる場合もあり得る。さらに、位置検知装置1を屋外で使用する場合では特に、重要な部材である目盛タグ10が外部に露出し、外乱(例えば、雨や雪、風等)や衝撃による故障・脱落等の不具合が生じ易くなるという状況も生じ得る。
【0045】
これに対して、
図1、
図3の例で示した位置検知装置1の変形例として、以下のような構成をとることができる。
図10、
図11は、本実施の形態の位置検知装置1の他の変形例について概要を示した図である。
図10は、上述の
図1に対応しており、
図11は
図3に対応している。
図1、
図3で示した構成と、
図10、
図11で示した構成とは、基本的に同様であるため、再度の詳細な説明は省略し、主に相違点について説明する。
【0046】
図10、
図11で示した変形例の構成では、
図1、
図3の例で示した構成のようなアンテナ32を用いた無線通信ではなく、各移動部30の検出部31とリーダ/ライタ50とをケーブル35により直接接続することで有線通信により情報を伝達する。これにより、各検出部31とリーダ/ライタ50との間の距離等に基づく電波の減衰を考慮する必要がなくなる。また、空間に対する不必要な電波放射を抑えることができる。
【0047】
また、
図10、
図11で示した変形例の構成では、目盛タグ10を含む各軸の固定部20および移動部30の全体をそれぞれX軸保護カバー36xおよびY軸保護カバー36y(以下ではこれらを単に「保護カバー36」と総称する場合がある)の内部に収納する。これにより、目盛タグ10等の重要な部材を保護する。特に、屋外で使用する場合における水の影響による検出能力の減衰を防止し、ケーブル35による有線通信とする構成と併せて、リーダ/ライタ50と目盛タグ10との間の安定的な通信を確保する。
【0048】
保護カバー36は、例えば、図示するように、各軸の固定部20および移動部30を収納する箱型の部材により構成される。検出部31が読み取っている目盛タグ10を目視でも確認することができるよう、少なくとも目盛タグ10を視認できる部分はアクリル樹脂等の透明の部材により構成されるのが望ましい。また、ケーブル35は、移動部30の移動を妨げないよう、移動部30がリーダ/ライタ50から最も遠い位置に移動した場合でも足りる十分な長さを有するとともに、移動部30がリーダ/ライタ50に近い位置に移動する際にも障害とならないよう、自然に折りたたまれて収納される等の伸縮自在な構成とする。保護カバー36には、ケーブル35を通すケーブル孔38が設けられている。なお、屋外で使用する場合には特に、ケーブル35は、金属製フレキシブル管や電線管等により保護されたものを用いるのが望ましい。
【0049】
また、保護カバー36には、
図10に示すように、各軸のガイド43を通し、かつ軸方向に移動可能とするためのX軸ガイド通過孔37xおよびY軸ガイド通過孔37y(以下ではこれらを単に「ガイド通過孔37」と総称する場合がある)が設けられている。また、
図11に示すように、移動部30の移動範囲を制約しないよう、保護カバー36における移動部30の移動方向に対向する面には、移動部30を通す移動部通過孔39が設けられている。なお、移動部通過孔39は、保護カバー36が移動部30の移動範囲を制約しない程度に十分な大きさを有する場合には不要である。
【0050】
(実施の形態2)
上述の実施の形態1の位置検知装置1は、X軸固定部20xおよびY軸固定部20yにおいて、それぞれX軸方向およびY軸方向に並べて配置された目盛タグ10を用いることによって、対象物である操作部42について、2次元のXY平面上の位置(座標)を把握することができる構成としている。これに対し、本発明の実施の形態2である位置検知装置1は、実施の形態1の位置検知装置1の構成を応用して、1次元での軸上の位置(座標)を把握する構成としたものである。
【0051】
図5は、本発明の実施の形態2である位置検知装置1の構成例について概要を示した図である。ここでは、上述の
図9に示した従来技術のパーツ箱21のような構成において、例えば、部品を入れるマスをN個(図中の例ではN=6)の1列(1次元)のみとし、マスの列の延伸方向に往復移動が可能な可動パーツ箱22として構成している。この可動パーツ箱22における目的のマスに対して、床や壁等に固定されているパーツホッパー33から部品を排出・落下させることで収納する。なお、実施の形態1の
図1に示した構成例におけるアンテナ32やケーブル35、およびリーダ/ライタ50等の他の構成に相当する部分は図示を省略している。
【0052】
ここで、可動バーツ箱22の各マスには、これに対応して目盛タグ10が配置されており、また、パーツホッパー33において部品が排出される先端部付近には、目盛タグ10と通信を行うことができる検出部31が配置されている。これにより、検出部31は、可動パーツ箱22のマスのうち、先端部(検出部31)の直下にあるのがいずれのマスであるかを検知することができる。そして、可動パーツ箱22を動かして目的のマスが直下に来たことを検知し、これに適切に部品を収納することができる。
【0053】
なお、
図5の例では、パーツホッパー33から可動パーツ箱22の目的のマスに部品を収納する構成としているが、逆に可動パーツ箱22の目的のマスに収納されている部品を取り出す構成とすることも可能である。
【0054】
また、
図5の例では、パーツホッパー33を固定とし、可動パーツ箱22の方を動かすことで、目盛タグ10の配列に対して相対的に検出部31が移動する構成としているがこれに限られない。逆に、可動パーツ箱22を固定し、パーツホッパー33(および検出部31)の部分を目盛タグ10の配列の方向に沿って移動させるようにしてもよい。いずれの場合も、パーツホッパー33(もしくはその先端部)を対象物とし、可動パーツ箱22のマスの配列を軸部として、その相対的な位置を検知するものであることは同様である。
【0055】
同様に、
図6は、本発明の実施の形態2である位置検知装置1の他の構成例について概要を示した図である。ここでは、
図5の例に示した可動パーツ箱22における直線状の1次元のマスの配列とは異なり、リング状に配置されたM個(
図6の例ではM=8)のマスからなる1次元の配列として回転パーツ箱23を構成した場合の例を示している。なお、
図6の例においても、実施の形態1の
図1に示した構成例におけるアンテナ32やケーブル35、およびリーダ/ライタ50等の他の構成に相当する部分は図示を省略している。
【0056】
図5の例と同様に、回転バーツ箱23の各マスには、これに対応して目盛タグ10が配置されており、また、パーツホッパー33において部品が排出される先端部付近には、目盛タグ10と通信を行うことができる検出部31が配置されている。これにより、検出部31は、回転パーツ箱23のマスのうち、先端部(検出部31)の直下にあるのがいずれのマスであるかを検知することができる。そして、回転パーツ箱23をその中心を回転軸として回転させて目的のマスが直下に来たことを検知し、これに適切に部品を収納することができる。
【0057】
この場合も、パーツホッパー33(もしくはその先端部)を対象物とし、回転パーツ箱23のマスの配列を軸部として、その相対的な位置を検知するものであることは同様である。このように、位置検知の軸となるマスの配列、すなわち目盛タグ10の配列は、直線状である必要はなく、円や曲線、角を有する直線など各種のものとすることができる。
【0058】
(実施の形態3)
上述の実施の形態1や実施の形態2の位置検知装置1は、2次元もしくは1次元での位置を座標として把握する構成である。これに対し、本発明の実施の形態3である位置検知装置1は、位置を座標としてではなく、所定の箇所を基準とした距離の情報として把握するものである。
【0059】
図7は、本発明の実施の形態3である位置検知装置1の構成例について概要を示した図である。本実施の形態の位置検知装置1は、実施の形態1の
図1に示した構成のうち、固定部20および移動部30と同様の構成を有する。なお、リーダ/ライタ50および上位システム51は図示を省略している。
【0060】
本実施の形態では、固定部20は地面等に固定されており、固定部20に沿って移動可能な移動部30は、接続部46を介して対象物2に取り付けられている。対象物2は、固定部20の延伸方向と略同一の方向に沿って移動可能な物であり、例えば、レール上の貨車(より詳細には、例えば、車輪のブレーキパッド等)が想定されるが、特にこれに限定されるものではない。
【0061】
対象物2が移動するのに連動して、移動部30が固定部20に沿って移動し、検出部31が対応する位置の目盛タグ10を読み取る。これにより、基準位置(
図7の例では左端の目盛「0」の位置)から移動部30の左端(もしくは検出部31の位置)までの距離xを、対象物2の移動距離として把握することができる。これにより、例えば、対象物2が貨車の車輪のブレーキパッドである場合に、距離xが所定の値を超えた状態であるか否かを検知することにより、ブレーキの作動状態やブレーキパッドの消耗具合などの情報を非接触で把握することができる。
【0062】
図7の例に示すような位置検知装置1は、例えば、対象物2である貨車を所定の位置に係留するためのブレーキ機能を果たす図示しない鎖等に取り付けて用いることができる。対象物2である貨車は、この鎖を、手動のハンドルを回すことで巻き取ることにより、ブレーキが作動した状態として、軌道の所定の位置に自身を係留する。このとき、図示しないブレーキパッドや巻取り機構が摩耗等により劣化すると、同じ巻取り回数でも移動距離が異なってくる。このような移動距離の変化を、例えば、摩耗の程度を把握する指標として、本実施の形態の位置検知装置1で検知することで、屋外の環境でも容易かつ精度よく測定して、機構の劣化状況を把握することが可能となる。なお、
図7の例では1次元の移動距離を検知する構成としているが、実施の形態1の
図1に示したような構成に適用することで、2次元での移動距離として把握することも可能である。
【0063】
(変形例)
図7の例に示した構成においても、特に屋外での使用の場合に、雨や雪等の外乱の影響による検出能力の減衰を防止して、リーダ/ライタ50と目盛タグ10との間の安定的な通信を確保することが求められる。そこで、上述の実施の形態1における変形例2の場合と同様に、本実施の形態においても、
図12に示すように、検出部31とリーダ/ライタ50との間をケーブル35で直接接続して有線通信とするとともに、固定部20および移動部30を保護カバー36で覆う構成とすることができる。なお、保護カバー36には、図示するように、接続部46を通し、もしくは移動部30の移動範囲を制約しないように、接続部・移動部通過孔39’が設けられている。
【0064】
(実施の形態4)
上述の実施の形態2の位置検知装置1は、実施の形態1の位置検知装置1の構成を応用して、1次元での位置(座標)を把握する構成である。これに対し、本発明の実施の形態4である位置検知装置1は、特有の動作を行う機構における部材の位置や移動距離、角度等の情報を検知することを可能とするものである。
【0065】
図8は、本発明の実施の形態4である位置検知装置1の構成例について概要を示した図である。ここでは、例えば、ハンドルを回転させることでバルブ等の位置を調整するための螺旋構造部25に対して、目盛タグ10を所定の間隔で配置した構成を有することを示している。螺旋構造部25は、ハンドルの回転軸に螺旋構造支持部26により固定されており、ハンドルを回転させるとこれに連動して回転軸を軸として回転する。この螺旋構造部25に対して、図示するようにその回転軸方向に延伸する状態で固定的に設置されたガイドレール34と、ガイドレール34に沿って移動可能な移動部30を有する。
【0066】
ユーザがハンドルを回転させると螺旋構造部25が回転し、その回転に合わせて移動部30が螺旋構造25の中心軸方向にガイドレール34に沿って移動する。そして、移動部30の先端部分に配置されている検出部31が、螺旋構造25の対応する位置の目盛タグ10の情報を読み取る。読み取った目盛タグ10の情報は、図示しないリーダ/ライタ50がアンテナ32を介した通信により取得する。すなわち、本実施の形態では、移動部30を対象物とし、螺旋構造部25を軸部として、その相対的な位置を検知するものである。
【0067】
このような構成により、ハンドルの回転位置や回転回数、回転角などの情報を検知することができる。例えば、構造物によっては、ハンドル部分のみが外部から操作可能であり、螺旋構造部25が外部からは視認できない状態で設置されている場合がある。このとき、外部からハンドルの状態を確認しただけでは何回回されているか等の状況が判別できない(その結果として、例えば、バルブ等がどの程度開いているか等の状況が判別できない)場合がある。このような場合でも、本実施の形態では、検出部31が螺旋構造部25のどの位置の目盛タグ10を読み取っているかを外部から非接触・非破壊で把握することができる。
【0068】
(変形例)
図8の例に示した構成においても、特に屋外での使用の場合に、水や泥等の外乱の影響による検出能力の減衰を防止して、リーダ/ライタ50と目盛タグ10との間の安定的な通信を確保することが求められる。特に、
図8の例に示した螺旋構造は、ある程度大きな構造となり易く、屋外に設置した場合、各種の昆虫や小動物等が進入し、ケーブル35等の部材に影響を与えたり、メンテナンス作業の障害となったりする場合がある。
【0069】
そこで、本実施の形態においても、
図13に示すように、重要な部材である目盛タグ10、および螺旋構造部25や螺旋構造支持部26、移動部30等の構造全体を保護カバー36に収納して覆う構成とすることができる。これにより、外乱の影響を防止して安定的な通信を確保するとともに、人によるメンテナンス作業の安全性を確保することができる。
【0070】
なお、保護カバー36には、図示するように、回転軸を通す回転軸通過孔39”が設けられている。また、本実施の形態では、保護カバー36の全体が透明な部材で構成されている必要はなく、例えば、検出部31が読み取っている目盛タグ10を目視でも確認することができるよう、図示するように、検出部31の移動範囲に沿った部分のみ、アクリル樹脂等の透明の部材により構成された窓部40を設けるようにしてもよい。また、
図13の例では、ケーブル35をアンテナ32に接続するものとしているが、上述の実施の形態1の変形例2や実施の形態3の変形例のように、リーダ/ライタ50に直接接続して有線通信とする構成としてもよい。
【0071】
(実施の形態5)
上述の実施の形態4の位置検知装置1では、ハンドルを回転させることでバルブ等の位置を調整するための螺旋構造部25に対して、目盛タグ10が所定の間隔で配置されており、これを読み取る検出部31を備えた移動部30は、固定的に設置されたガイドレール34に沿って移動するよう設置されている。このような構成は、作業者がハンドルを直接操作することができるような比較的近距離に設置されている場合には有効である。
【0072】
一方で、例えば、地中の配管等は地上から数十センチメートルから数メートル等の比較的深い場所に敷設されており、マンホール等を介して作業員が地上からバルブの開閉等を行う際に、バルブ開閉用の特殊な装置(バルブキー)が用いられる場合がある。
図14は、バルブおよびバルブキーの構成例について概要を示した図である。また、
図15は、地中に設置されたバルブをバルブキーを用いて開閉する例について概要を示した図である。
【0073】
図14(a)は、バルブの開閉機構の部分を模式的に示している。バルブ60は、例えば、配管61の接続部において配管61内を流れる流体(液体もしくは気体)の流量を、図示しない内部の弁機構の開閉により調節する部材である。
【0074】
なお、弁機構には大きく2種類ある。1つは、流体の流れる方向に対して、弁を平行(角度0°)となるように回して全開となった「開(Open)」状態から、弁を直角(角度90°)となるように回して全閉となった「閉(Shut)」状態までを、ハンドルやバルブキー等を回して連続的に制御する機構である。他の1つは、配管の内壁面から、流体の流れる方向に対して直角の方向に弁を送り出すことで、流体の流れを絞る機構であり、弁の送り出しがゼロの「開」状態から、送り出しを最大にして配管断面全体を弁で覆った「閉」状態までを、ハンドルやバルブキー等を回して連続的に制御する機構である。本実施の形態は、いずれの機構であっても適用することができるが、以下では、弁を回転させる前者の機構を有するものとして説明する。
【0075】
図14(a)の例では、キャップ部62を鉛直方向を軸として回転させることにより、図示しない弁機構を「開」状態から「閉」状態に連続的に変化させることができる。キャップ62を回転させるには、
図14(b)に示したバルブキー70を用いる。バルブキー70は、棒状の軸部71の先端にソケット73を有し、また、作業者がバルブキー70を操作する際に把持するハンドル72を有する。そして、
図15に示すように、例えば、地中に設置されたバルブ60のキャップ62に対して、地上からマンホール等を介して挿入したバルブキー70のソケット73を嵌合させ、この状態で、作業者がバルブキー70のハンドル72を軸部71を軸として回転させる。これにより、バルブ60のキャップ62を回転させることができる。
【0076】
バルブ60の弁機構は、わずかな操作力で複数回回転させることができる図示しない減速機構によって、内部の図示しない弁の位置が「開」状態から「閉」状態まで最大でも90°程度の範囲でしか状態(角度)が変化しないよう制御される。弁機構自体は外部から直接視認することが困難な場合があるため、バルブ60では、例えば、
図14(a)に示すように、キャップ62の回転軸と同軸に回転可能に配置された円板状の開閉状態表示版63に設けられた指針64が、これと対向して同軸に固定的に配置された円板状の目盛表示板65に表示された目盛を指す位置によって、現在の開閉状態を把握する。目盛表示板65には、例えば、「開」状態(「O」)から「閉」状態(「S」)までの開閉状態を示す目盛が表示されている。
【0077】
この場合、開閉状態表示板63は、弁機構の開閉状態と連動して0°〜180°の範囲でしか回転しない。したがって、バルブキー70を用いてキャップ62に対して与えられた回転操作は、図示しない減速ギアによって減速されて開閉状態表示板63に伝達される。すなわち、弁機構の内部の弁の位置を「閉」状態から「開」状態まで90°変化させるためにバルブキー70(キャップ62)をn回転させるものとする場合、回転量を1/(2n)にする減速ギアを組み込む。これにより、バルブキー70(キャップ62)をn回転させたときの開閉状態表示板63の回転量を180°(1/2回転)にする(すなわち、弁機構の内部の弁の位置を90°変化させる)ことができる。
【0078】
このような構成では、作業者は、バルブ60の開閉状態を把握するために、開閉状態表示板63の指針64が指す目盛表示板65の目盛を目視により読み取る必要がある。しかし、例えば、
図15のように地中の深い場所に設置されているような場合には目視で確認することは困難である。
【0079】
これに対し、例えば、上述の各実施の形態のように、目盛表示板65の目盛に目盛タグ10を設置し、検出部31によって読み取った目盛タグ10の情報を地上のリーダ/ライタ50に送信する構成とすることで、目視によらずに目盛を読み取ることが考えられる。この場合、上述したように、バルブキー70の回転量と、開閉状態表示板63の回転量は異なることから、バルブキー70(ソケット73)側に検出部31を設けることはできない。
【0080】
したがって、バルブ60側において、例えば、開閉状態表示板63の指針64に検出部31を設ける構成とすることが考えられる。そして、バルブ60側に、検出部31とケーブル35により接続されたアンテナ32を備え、アンテナ32と地上のリーダ/ライタ50との間で無線通信を行う構成とすることが考えられる。しかし、例えば、マンホール等の径が無線通信に用いる電波のカットオフ周波数以下のサイズの場合には地中のアンテナ32から電波を地上に出すことは困難である。また、マンホール内の水等の外乱によって影響を受け易いこともあり、無線通信の構成とすることは困難である。
【0081】
これに対し、バルブ60側の検出部31と地上のリーダ/ライタ50とをケーブル35により直接接続して有線通信の構成とすることも考えられる。しかし、常時ケーブル35を地上まで敷設しておくことは現実的ではない。したがって、例えば、バルブキー70のソケット73をバルブ60のキャップ62に嵌合させる際に、バルブキー70側に取り付けられたケーブル35と接続させることになる。この場合においても、配管61を流れる液体の種類等によっては地中に発火性のガスが充満している場合があるため、例えば、プラグ等の端子を用いて電気的に接触させる構成は、スパークによる引火の危険性があり、採用することができない。
【0082】
そこで、本実施の形態では、バルブ60側とバルブキー70側にそれぞれケーブル35からなる中継用のリングを設け、これらが電磁結合による相互誘導磁界Φを介して非接触で接続し、検出部31により読み取った情報を地上のリーダ/ライタ50に送信する構成とする。これにより、バルブ60の開閉状態を示す目盛タグ10を検出部31により読み取り、読み取った情報を、安全かつ確実に地上のリーダ/ライタ50へ送信することが可能となる。
【0083】
図16は、本実施の形態におけるバルブ60の構成例について概要を示した図である。上段では主要部の側面図を示し、下段では開閉状態表示板63部分の上面図を示している。本実施の形態では、図示するように、固定の目盛表示板65に目盛として目盛タグ10が複数設置されている。そして、最大180°の範囲で回転可能な開閉状態表示板63の指針64には、目盛タグ10を読み取ることができる検出部31が設けられている。
【0084】
そして、検出部31には、2本の導線からなる伝送ケーブルであるケーブル35aが接続されている。伝送ケーブルは、例えば、同軸ケーブルやツイストペアケーブル等を用いることができ、
図16の例では同軸ケーブルを用いた場合を示している。本実施の形態では、同軸ケーブル(ケーブル35a)の芯線を、図示するように開閉状態表示板63の上面外周付近に沿ってリング状に設置し、端部を同軸ケーブル(ケーブル35a)を構成する外部導体に接続することで中継リング35a’を構成する。中継リング35a’を構成する部分は、図示しない絶縁性の樹脂等によるカバーや保護部材で保護されているものとする。目盛タグ10についても、カバーや保護部材により保護されているのが望ましい。
【0085】
図17は、本実施の形態におけるバルブキー70の構成例について概要を示した図である。同様に、上段では側面図を示し、下段ではソケット73部分の下面図を示している。本実施の形態では、図示するように、軸部71の上端部分に、リーダ/ライタ50との間で無線通信を行うためのアンテナ32と、これを覆う保護部材であるアンテナカバー74を有している。アンテナ32に接続されたケーブル35bは、軸部71およびソケット73の外側面に沿ってソケット73の底面に向かって設置される。軸部71を中空の構造とし、図示するようにその内部を通すようにしてもよい。なお、ケーブル35bをアンテナ32に接続せずに、リーダ/ライタ50に直接接続する有線通信の構成としてもよい。
【0086】
上記と同様に、ケーブル35bも2本の導線からなる伝送ケーブルであり、例えば、同軸ケーブルやツイストペアケーブル等を用いることができる。
図17例では同軸ケーブルを用いた場合を示している。本実施の形態では、同軸ケーブル(ケーブル35b)の芯線を、図示するようにソケット73の底面でその外周に沿ってリング状に設置し、端部を同軸ケーブル(ケーブル35b)を構成する外部導体に接続することで中継リング35b’を構成する。中継リング35b’を構成する部分は、図示しない絶縁性の樹脂等によるカバーや保護部材で保護されているものとする。
【0087】
図18は、本実施の形態におけるバルブ60とバルブキー70との間の接続の例について概要を示した図である。上述したように、バルブ60を開閉する際には、バルブ60のキャップ62に対してバルブキー70のソケット73を嵌合させる。
図18の例では、嵌合させた部分の周辺についての側面図を示している。キャップ62とソケット73を嵌合させることで、開閉状態表示板63の上面外周部に設けられたバルブ60側の中継リング35a’と、ソケット73の底面外周部に設けられたバルブキー70側の中継リング35b’とが対向する状態となる。このとき、バルブキー70を回転可能とするため、中継リング間(開閉状態表示板63とソケット73との間)には隙間(嵌合ギャップ)が確保されるよう嵌合される。
【0088】
そして、これらの中継リング間には、点線で示すような電磁結合による相互誘導磁界Φが生じ、これを介して非接触でケーブル35aとケーブル35bとを電磁気的に接続することができる。すなわち、バルブキー70をバルブ60に嵌合させたときのみ、検出部31が読み取った目盛タグ10の情報をケーブル35a、35bを介して、図示しないリーダ/ライタ50に送信することができる。
【0089】
ここで、2つの中継リングの径はそれぞれ、図示するように、開閉状態表示板63およびソケット73の底面の外周よりも大きい。これは、例えば、配管61が水道本管であるバルブ60の場合には5cm前後、場合によってはさらに大きくなる。目盛タグ10として、例えば、一般的に用いられる920MHz帯のRFIDタグを用いる場合、中継リングのループ長が1波長と同程度の値となる。
【0090】
そうすると、1波長に対してループ長が十分小さい微小ループアンテナでは共振しなかった電磁誘導が、共振もしくはそれに近い状態となり、
図18の例の嵌合ギャップのように中継リング間が離間している場合でも、高い能率で電磁結合することができる。これにより、設置場所の地中において、例えば、漏水により砂や小石等、多少の異物が挟まって嵌合ギャップがさらに大きくなった場合(例えば、5mm程度より大きくなった場合)であっても、中継リング間の誘導結合により、読み取った目盛タグ10の情報を確実に中継して図示しないリーダ/ライタ50まで送信することができる。
【0091】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、上記の実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。