特許第6979778号(P6979778)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6979778ロータリーキルン炉、及びロータリーキルン炉の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6979778
(24)【登録日】2021年11月18日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】ロータリーキルン炉、及びロータリーキルン炉の制御方法
(51)【国際特許分類】
   F27B 7/42 20060101AFI20211202BHJP
   F27B 7/10 20060101ALI20211202BHJP
   F27B 7/34 20060101ALI20211202BHJP
   F27D 19/00 20060101ALI20211202BHJP
【FI】
   F27B7/42
   F27B7/10
   F27B7/34
   F27D19/00 A
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-62893(P2017-62893)
(22)【出願日】2017年3月28日
(65)【公開番号】特開2018-165590(P2018-165590A)
(43)【公開日】2018年10月25日
【審査請求日】2019年12月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】井上 智博
(72)【発明者】
【氏名】大堀 等
【審査官】 宮脇 直也
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2017/0016670(US,A1)
【文献】 特開2017−032231(JP,A)
【文献】 特開2004−011990(JP,A)
【文献】 特開2015−025152(JP,A)
【文献】 実開昭61−175716(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F27B 7/00 − 7/42
F27D 19/00
F23G 5/20
B09B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キルン本体と、加熱用バーナーとを備えるロータリーキルン炉であって、
前記キルン本体の長手方向に沿って設定された複数の測定点において、該複数の測定点のそれぞれの温度を測定する温度測定手段を備え、
前記複数の測定点のうちの第1測定点は、前記加熱用バーナーの火炎長さを長くしたときに前記キルン本体内の炉内温度が最も高くなる位置又はその付近に設定され、前記複数の測定点のうちの基準温度測定点は、前記キルン本体の長手方向において前記加熱用バーナーとは反対側の端部の位置に設定されており、
前記第1測定点における温度と、前記基準温度測定点における基準温度との差が、所定温度範囲内となった場合に、前記第1測定点又はその付近の炉内温度が最も高く前記加熱用バーナーの火炎長さが長い状態から前記加熱用バーナーの火炎長さが短くなるように調節して、前記キルン本体内の長手方向の温度分布を変化させて、前記キルン本体の内周面のヒートスポット部分の位置を変更するように制御する制御手段を備えるロータリーキルン炉。
【請求項2】
前記複数の測定点のうちの前記第1測定点及び前記基準温度測定点とは別の測定点である第2測定点は、前記加熱用バーナーの火炎長さを短くしたときに前記キルン本体内の炉内温度が最も高くなる位置又はその付近に設定されており、
前記制御手段が、前記第2測定点における温度と前記基準温度との差が前記所定温度範囲内となった場合に、前記第2測定点又はその付近の炉内温度が最も高く前記加熱用バーナーの火炎長さが短い状態から前記加熱用バーナーの火炎長さが長くなるように調節して、前記キルン本体内の長手方向の温度分布を変化させて、前記キルン本体の内周面のヒートスポット部分の位置を変更するように制御する請求項1に記載のロータリーキルン炉。
【請求項3】
キルン本体と、加熱用バーナーとを備えるロータリーキルン炉の制御方法であって、
前記キルン本体の長手方向に沿って設定された複数の測定点において、該複数の測定点のそれぞれの温度を測定する温度測定工程と、
前記複数の測定点のうちの一つの所定測定点における温度と、所定の基準温度との差が、所定温度範囲内となった場合に、前記加熱用バーナーの火炎長さを調節して、前記キルン本体内の長手方向の温度分布を変化させて、前記キルン本体の内周面のヒートスポット部分の位置を変更するように制御する制御工程とを包含し、
前記複数の測定点のうちの第1測定点は、前記加熱用バーナーの火炎長さを長くしたときに前記キルン本体内の炉内温度が最も高くなる位置又はその付近に設定され、前記複数の測定点のうちの基準温度測定点は、前記キルン本体の長手方向において前記加熱用バーナーとは反対側の端部の位置に設定されており、
前記温度測定工程においては、前記第1測定点及び前記基準温度測定点のそれぞれの温度を測定し、
前記制御工程においては、前記第1測定点における温度と、前記基準温度測定点における基準温度との差が、所定温度範囲内となった場合に、前記第1測定点又はその付近の炉内温度が最も高く前記加熱用バーナーの火炎長さが長い状態から前記加熱用バーナーの火炎長さが短くなるように調節して、前記キルン本体内の長手方向の温度分布を変化させて、前記キルン本体の内周面のヒートスポット部分の位置を変更するように制御するロータリーキルン炉の制御方法。
【請求項4】
前記複数の測定点のうちの前記第1測定点及び前記基準温度測定点とは別の測定点である第2測定点は、前記加熱用バーナーの火炎長さを短くしたときに前記キルン本体内の炉内温度が最も高くなる位置又はその付近に設定されており、
前記制御工程が、前記第1測定点又はその付近の炉内温度が最も高く前記加熱用バーナーの火炎長さが長い状態から前記加熱用バーナーの火炎長さが短くなるように調節して前記キルン本体内の長手方向の温度分布を変化させて、前記キルン本体の内周面のヒートスポット部分の位置を変更するように制御した後、前記第2測定点における温度と前記基準温度との差が前記所定温度範囲内となった場合に、前記第2測定点又はその付近の炉内温度が最も高く前記加熱用バーナーの火炎長さが短い状態から前記加熱用バーナーの火炎長さが長くなるように調節して前記キルン本体内の長手方向の温度分布を変化させて、前記キルン本体の内周面のヒートスポット部分の位置を変更するように制御する請求項3に記載のロータリーキルン炉の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キルン本体の内周面におけるコーチングの生成を抑制する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ロータリーキルン炉のキルン本体では、例えば、石灰焼成処理を実施する場合、被処理物中に含まれる炭酸カルシウム(CaCO)が、加熱用バーナーにより加熱されて、生石灰(CaO)となる焼成反応が行われる。このとき、加熱用バーナーの火炎の温度分布が一様でないこと等の理由から、キルン本体内に温度むらが生じて、キルン本体の内周面に局部加熱(ヒートスポット部分)が発生し、そのヒートスポット部分に被処理物が固着してコーチングが形成されることがある。このコーチングを放置したままにすると被処理物の排出が困難となるため除去する必要がある。
【0003】
コーチングを除去するには、ロータリーキルン炉の運転を停止した後、人力でコーチングを掘削したり、場合によってはダイナマイトを使用して破壊することによってコーチングを除去する。尚、このようにロータリーキルン炉の運転を停止してコーチングを除去することについては、広く一般的に実施されているものであるため、先行技術文献を開示しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
停止したロータリーキルン炉を再び立ち上げるには、炉内温度を上げるべく多くの燃料と時間とを必要とするため、コーチングの除去作業に伴うロータリーキルン炉の停止頻度が多くなればなるほど、そのランニングコストが嵩むことになる。
【0005】
従って、本発明の目的は、キルン本体の内周面におけるコーチングの生成を抑制して、コーチングの除去作業に伴うロータリーキルン炉の停止頻度を低下させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のロータリーキルン炉の特徴構成は、キルン本体と、加熱用バーナーとを備えるロータリーキルン炉であって、前記キルン本体の長手方向に沿って設定された複数の測定点において、該複数の測定点のそれぞれの温度を測定する温度測定手段を備え、前記複数の測定点のうちの第1測定点は、前記加熱用バーナーの火炎長さを長くしたときに前記キルン本体内の炉内温度が最も高くなる位置又はその付近に設定され、前記複数の測定点のうちの基準温度測定点は、前記キルン本体の長手方向において前記加熱用バーナーとは反対側の端部の位置に設定されており、前記第1測定点における温度と、前記基準温度測定点における基準温度との差が、所定温度範囲内となった場合に、前記第1測定点又はその付近の炉内温度が最も高く前記加熱用バーナーの火炎長さが長い状態から前記加熱用バーナーの火炎長さが短くなるように調節して、前記キルン本体内の長手方向の温度分布を変化させて、前記キルン本体の内周面のヒートスポット部分の位置を変更するように制御する制御手段を備える点にある。
【0007】
本発明のロータリーキルン炉のさらなる特徴構成は、前記複数の測定点のうちの前記第1測定点及び前記基準温度測定点とは別の測定点である第2測定点は、前記加熱用バーナーの火炎長さを短くしたときに前記キルン本体内の炉内温度が最も高くなる位置又はその付近に設定されており、前記制御手段が、前記第2測定点における温度と前記基準温度との差が前記所定温度範囲内となった場合に、前記第2測定点又はその付近の炉内温度が最も高く前記加熱用バーナーの火炎長さが短い状態から前記加熱用バーナーの火炎長さが長くなるように調節して、前記キルン本体内の長手方向の温度分布を変化させて、前記キルン本体の内周面のヒートスポット部分の位置を変更するように制御する点にある。
【0008】
本発明のロータリーキルン炉の制御方法の特徴構成は、キルン本体と、加熱用バーナーとを備えるロータリーキルン炉の制御方法であって、前記キルン本体の長手方向に沿って設定された複数の測定点において、該複数の測定点のそれぞれの温度を測定する温度測定工程と、前記複数の測定点のうちの一つの所定測定点における温度と、所定の基準温度との差が、所定温度範囲内となった場合に、前記加熱用バーナーの火炎長さを調節して、前記キルン本体内の長手方向の温度分布を変化させて、前記キルン本体の内周面のヒートスポット部分の位置を変更するように制御する制御工程とを包含し、前記複数の測定点のうちの第1測定点は、前記加熱用バーナーの火炎長さを長くしたときに前記キルン本体内の炉内温度が最も高くなる位置又はその付近に設定され、前記複数の測定点のうちの基準温度測定点は、前記キルン本体の長手方向において前記加熱用バーナーとは反対側の端部の位置に設定されており、前記温度測定工程においては、前記第1測定点及び前記基準温度測定点のそれぞれの温度を測定し、前記制御工程においては、前記第1測定点における温度と、前記基準温度測定点における基準温度との差が、所定温度範囲内となった場合に、前記第1測定点又はその付近の炉内温度が最も高く前記加熱用バーナーの火炎長さが長い状態から前記加熱用バーナーの火炎長さが短くなるように調節して、前記キルン本体内の長手方向の温度分布を変化させて、前記キルン本体の内周面のヒートスポット部分の位置を変更するように制御する点にある。
【0009】
本発明のロータリーキルン炉の制御方法のさらなる特徴構成は、前記複数の測定点のうちの前記第1測定点及び前記基準温度測定点とは別の測定点である第2測定点は、前記加熱用バーナーの火炎長さを短くしたときに前記キルン本体内の炉内温度が最も高くなる位置又はその付近に設定されており、前記制御工程が、前記第1測定点又はその付近の炉内温度が最も高く前記加熱用バーナーの火炎長さが長い状態から前記加熱用バーナーの火炎長さが短くなるように調節して前記キルン本体内の長手方向の温度分布を変化させて、前記キルン本体の内周面のヒートスポット部分の位置を変更するように制御した後、前記第2測定点における温度と前記基準温度との差が前記所定温度範囲内となった場合に、前記第2測定点又はその付近の炉内温度が最も高く前記加熱用バーナーの火炎長さが短い状態から前記加熱用バーナーの火炎長さが長くなるように調節して前記キルン本体内の長手方向の温度分布を変化させて、前記キルン本体の内周面のヒートスポット部分の位置を変更するように制御す点にある。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、キルン本体の長手方向に沿って設定された複数の測定点において、キルン本体の表面温度を測定してその温度変化を検知しながら、コーチングが生成される可能性が高いと判断されるときに、加熱用バーナーの火炎長さを変えてヒートスポット部分の位置を変更してコーチングの生成を抑制しようとするものである。従って、本発明によれば、キルン本体の内周面においてコーチングが生成され難く、コーチングの除去作業に伴うロータリーキルン炉の停止頻度を低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ロータリーキルン炉の概略図である。
図2】ロータリーキルン炉内における温度と加熱用バーナーからの距離との関係を示すグラフである。
図3】キルン本体の表面温度と加熱用バーナーからの距離との関係を示すグラフである。
図4】ロータリーキルン炉の制御方法(第1実施例)のフローチャートである。
図5】ロータリーキルン炉の制御方法(第2実施例)のフローチャートである。
図6】ロータリーキルン炉の制御方法(第3実施例)のフローチャートである。
図7】ロータリーキルン炉の制御方法(第4実施例)のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[実施形態]
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(ロータリーキルン炉)
図1に示すように、本実施形態におけるロータリーキルン炉1は、横型回転式のロータリーキルン炉であり、円筒形状のキルン本体2と、フロントウォール3と、加熱用バーナー4とを備える。
【0013】
キルン本体2は、その上流開口部6が下流開口部7よりもわずかに高い位置になるように傾斜して配置されており、図示しない公知の回転装置によって、軸心回りに回転可能に支持されている。キルン本体2は、上流開口部6の側から供給される被処理物Mを回転しながら下流開口部7の側に流動させつつ燃焼する。
【0014】
フロントウォール3は、図示しないベース上に固定されている。フロントウォール3には、キルン本体2がその軸心回りに回転可能に挿入されている。これにより、キルン本体2の上流開口部6がフロントウォール3により閉塞される。また、フロントウォール3には、キルン本体2内に連通する投入部8が設けられており、被処理物Mは、投入部8を介してキルン本体2の内部に投入される。
【0015】
加熱用バーナー4は、フロントウォール3を介してキルン本体2の上流端に固定され、その先端から火炎をキルン本体2の中に長手方向に沿って放射する。本実施形態における加熱用バーナー4は、火炎長可変バルブ5を備えるものであり、当該火炎長可変バルブ5の自動制御により、火炎長さが調節される。尚、本実施形態における加熱用バーナー4は、公知のバーナーであって詳細な説明については省略するが、複数の燃料吐出口が同心円状に設けられている多重管型のバーナーであって、内径側から外径側に、長炎用燃料流路、短炎用燃料流路、燃焼用空気流路が記載順に設けられており、また、長い火炎用の火炎長可変バルブ及び短い火炎用の火炎長可変バルブという少なくとも2つの燃料供給用バルブが設けられており、さらに、燃焼用空気を供給するための空気バルブが設けられている。これにより、加熱用バーナー4は、少なくとも本体キルン4の長手方向に長い火炎、及び短い火炎を形成できるように構成されている。
【0016】
上記構成において、例えば、石灰焼成処理を実施する場合、炭酸カルシウム(CaCO)を含む被処理物Mが、投入部8を介してキルン本体2の内部に投入されると、キルン本体2の回転によって攪拌されながら、上流開口部6の側から下流開口部7の側に向かって徐々に移動する。その間、被処理物Mが加熱用バーナー4により加熱されて乾燥、燃焼、そして溶融しつつ、炭酸カルシウム(CaCO)が焼成反応によって生石灰(CaO)となり、下流開口部7から外に排出される。
【0017】
キルン本体2には、その長手方向に沿って複数の測定点が設定されており、該複数の測定点のそれぞれの温度を測定する温度測定手段が設けられている。キルン本体2において複数の測定点を設定する範囲は、加熱用バーナー4の火炎長さをどのように変更しても、そのキルン本体2の長手方向の温度分布における少なくともピーク温度が、複数の測定点を設定した範囲内になるように設定される。本実施形態では、複数の測定点として、第1〜第5測定点P1〜P5という5つの測定点がキルン本体2の外周面に設定されている。そして、温度測定手段として、第1〜第5温度計11〜15という5つの接触温度計が、第1〜第5測定点P1〜P5のそれぞれに設けられている。尚、基準温度を測定する箇所としての基準温度測定点Bが、キルン本体2の外周面に設定されており、当該基準温度測定点Bに基準温度計10(接触温度計)が設けられている。尚、キルン本体2が回転しても、接触温度計及び基準温度計10は回転せずにキルン本体2に接触した状態で温度が測定されるように構成されている。
【0018】
本実施形態においては、キルン本体2の上流側から順に、第2測定点P2、第4測定点P4、第1測定点P1、第3測定点P3、第5測定点P5、基準温度測定点Bが設定されており、これらの測定点のそれぞれに、第2温度計12、第4温度計14、第1温度計11、第3温度計13、第5温度計15、基準温度計10が設けられている。
【0019】
基準温度測定点Bは、温度変化が生じないか、もしくは略生じない位置に設定されている。本実施形態では、キルン本体2の下流開口部7に近い位置であって、尚且つ加熱用バーナー4の火炎長さを変更しても温度変化がほとんど生じない位置に設定されている。即ち、所定の基準温度が、キルン本体2において加熱用バーナー4とは反対側の端部の温度を測定する測定点(基準温度測定点B)での温度とされている。
【0020】
本実施形態における第1〜第5測定点P1〜P5は、加熱用バーナー4の火炎長さを長く又は短くしても、そのキルン本体2の長手方向の温度分布における少なくともピーク温度が、第1〜第5測定点P1〜P5を設定した範囲内になるように設定される。本実施形態における第1〜第5測定点P1〜P5は、キルン本体2の長手方向に等間隔で設けられている。第1測定点P1は、加熱用バーナー4の火炎長さを長くしたときに、炉内温度が最も高くなる位置若しくはその付近(ホットスポットが生じ易い位置)に設けられており、第2測定点P2は、加熱用バーナー4の火炎長さを短くしたときに、炉内温度が最も高くなる位置若しくはその付近(ホットスポットが生じ易い位置)に設けられている。そして、第4測定点P4は、第1測定点P1と第2測定点P2との丁度中間の位置に設けられており、第3測定点P3は、第1測定点P1の下流側に設けられており、第5測定点P5は、第3測定点P3の下流側に設けられている。
【0021】
例えば、第1測定点P1が加熱用バーナー4から6m離れた位置に設けられ、第2測定点P2が加熱用バーナー4から4m離れた位置に設けられた場合、第4測定点P4は、加熱用バーナー4から5m離れた位置に設けられ、第3測定点P3は加熱用バーナー4から7m離れた位置に設けられ、第5測定点P5は加熱用バーナー4から8m離れた位置に設けられることになる。尚、この場合、基準温度測定点Bについては、加熱用バーナー4から例えば12mほど離れた位置に設定すると良い。
【0022】
また、本実施形態に係るロータリーキルン炉1は、第1〜第5測定点P1〜P5のうちの一つの所定測定点にて測定された温度と、基準温度測定点Bにおいて測定された基準温度との差が、所定温度範囲内となった場合に、加熱用バーナー4の火炎長可変バルブ5を操作してその火炎長さを調節して、キルン本体2内の温度分布を変更するように制御する制御手段(図示せず)を備える。
【0023】
(ロータリーキルン炉の制御方法)
図2は、ロータリーキルン炉1内における温度と加熱用バーナー4からの距離との関係を示すグラフである。
図2に示すように、本発明者らは、ロータリーキルン炉1内における、キルン本体2の長手方向の温度分布(特に、ピーク温度)は、加熱用バーナー4の火炎長さによって変化することを確認している。従って、加熱用バーナー4の火炎長さが変化することによって、キルン本体2の内周面に生じるヒートスポット部分の位置もまた変化すると考えられる。
【0024】
また図3は、キルン本体2の表面温度と加熱用バーナー4からの距離との関係を示すグラフである。
図3に示すように、本発明者らは、キルン本体2の内周面にコーチングが生じると、当該コーチングが生じた箇所に対応するキルン本体2の表面部分の温度が低下することについて確認している。尚、図3における点線部分は、コーチングが生じていない場合に想定される温度変化を示している。即ち、コーチングが生じた場合、通常の温度変化とは明らかに異なる温度の落ち込み(図3の白抜き矢印参照)が見られる。
図2において、キルン本体2の全長は12m、内径は3.0mであり、加熱用バーナ4における燃料流量は890mN/h、燃料流速は約260m/sであり、燃料の種類は13A、空気比は1.3とした。本体キルン2内には、被処理物を投入しない状態で計測した。
図3において、キルン本体2の全長は約60m、内径は3.0mであり、加熱用バーナ4における燃料流量は約500L/hであった。本体キルン2内には、被処理物を投入した状態で計測しており、本体キルン2内では、CaCO→CaO+COの反応を起こしていた。
【0025】
本発明に係るロータリーキルン炉1の制御方法は、本発明者らによる上述の知見に基づいてなされたものであって、キルン本体2の表面温度を測定してその温度変化を検知しながら、コーチングが生成される可能性が高いと判断されるときに、加熱用バーナー4の火炎長さを変えてヒートスポット部分の位置を変更してコーチングの生成を抑制しようとするものである。
【0026】
上述のロータリーキルン炉1を使用した場合の制御方法について、以下に実施例を説明する。
(第1実施例)
図4に示されるように、制御手段は、先ず、ロータリーキルン炉1の加熱用バーナー4を点火して運転を開始する。このとき、加熱用バーナー4の火炎長さは長い状態に設定されている。
【0027】
制御手段は、第1測定点P1における温度(Tp1)及び基準温度測定点Bにおける基準温度(Tb)に基づいて判定し、Tp1とTbとの差(Tp1−Tb)が、所定の閾値(Tα)未満(所定温度範囲内)となった場合、前記加熱用バーナー4の火炎長さを短く調節する。
【0028】
ここで所定の閾値(Tα)は、コーチングが生成されるときのキルン本体2の表面温度の温度変化(ΔT)に基づいて設定される。例えば、コーチング生成時の温度変化ΔTが100℃である場合、所定の閾値(Tα)は、そのおよそ半分の値である50℃に設定することが望ましい。
【0029】
基準温度(Tb)が300℃であり、コーチングが生成されていないときの第1測定点P1における温度(Tp1)が400℃の場合、Tp1−Tb=100℃>Tα=50℃のため、加熱用バーナー4の火炎長さは長いままで維持される。
【0030】
しかし、コーチングが徐々に生成されて第1測定点P1における温度(Tp1)が低下し、例えば、Tp1=340℃になった場合、Tp1−Tb=340℃−300℃=40℃となる。この場合、Tp1−Tb=40℃<Tα=50℃となるため、制御手段は、火炎長可変バルブ5を操作してその火炎長さを短くする。
【0031】
次いで、制御手段は、第2測定点P2における温度(Tp2)及び基準温度測定点Bにおける基準温度(Tb)に基づいて判定する。このとき、Tp2とTbとの差(Tp2−Tb)が、所定の閾値(Tα)以上であれば、加熱用バーナー4の火炎長さは短いままで維持されるが、所定の閾値(Tα)未満となった場合は、制御手段は加熱用バーナー4を停止してロータリーキルン炉1の運転を終了する。そして、作業者によるコーチングの除去作業が実施される。
【0032】
(第2実施例)
図5に示されるように、制御手段は、先ず、ロータリーキルン炉1の加熱用バーナー4を点火して運転を開始する。このとき、加熱用バーナー4の火炎長さは長い状態に設定されている。
【0033】
制御手段は、第1測定点P1における温度(Tp1)及び基準温度測定点Bにおける基準温度(Tb)に基づいて判定し、Tp1とTbとの差(Tp1−Tb)が、所定の閾値(Tα)未満(所定温度範囲内)となった場合、前記加熱用バーナー4の火炎長さを短く調節する。
【0034】
ここで所定の閾値(Tα)は、上述の第1実施例と同様に、例えば50℃と設定される。基準温度(Tb)が300℃であり、コーチングが生成されていないときの第1測定点P1における温度(Tp1)が400℃の場合、Tp1−Tb=100℃>Tα=50℃のため、加熱用バーナー4の火炎長さは長いままで維持される。
【0035】
しかし、コーチングが生成されて第1測定点P1における温度(Tp1)が低下し、例えば、Tp1=340℃になった場合、Tp1−Tb=340℃−300℃=40℃となる。この場合、Tp1−Tb=40℃<Tα=50℃となるため、制御手段は、火炎長可変バルブ5を操作してその火炎長さを短くする。
【0036】
次いで、制御手段は、第2測定点P2における温度(Tp2)及び基準温度測定点Bにおける基準温度(Tb)に基づいて判定する。このとき、Tp2とTbとの差(Tp2−Tb)が、所定の閾値(Tα)以上であれば、加熱用バーナー4の火炎長さは短いままで維持されるが、所定の閾値(Tα)未満(所定温度範囲内)となった場合は、制御手段が火炎長可変バルブ5を操作してその火炎長さを長くする。
【0037】
次いで、制御手段は、第3測定点P3における温度(Tp3)及び基準温度測定点Bにおける基準温度(Tb)に基づいて判定する。このとき、Tp3とTbとの差(Tp3−Tb)が、所定の閾値(Tα)以上であれば、加熱用バーナー4の火炎長さは長いままで維持されるが、所定の閾値(Tα)未満(所定温度範囲内)となった場合は、制御手段が火炎長可変バルブ5を操作してその火炎長さを短くする。
【0038】
次いで、制御手段は、第4測定点P4における温度(Tp4)及び基準温度測定点Bにおける基準温度(Tb)に基づいて判定する。このとき、Tp4とTbとの差(Tp4−Tb)が、所定の閾値(Tα)以上であれば、加熱用バーナー4の火炎長さは短いままで維持されるが、所定の閾値(Tα)未満(所定温度範囲内)となった場合は、制御手段が火炎長可変バルブ5を操作してその火炎長さを長くする。
【0039】
次いで、制御手段は、第5測定点P5における温度(Tp5)及び基準温度測定点Bにおける基準温度(Tb)に基づいて判定する。このとき、Tp5とTbとの差(Tp5−Tb)が、所定の閾値(Tα)以上であれば、加熱用バーナー4の火炎長さは長いままで維持されるが、所定の閾値(Tα)未満(所定温度範囲内)となった場合は、制御手段は加熱用バーナー4を停止してロータリーキルン炉1の運転を終了する。そして、作業者によるコーチングの除去作業が実施される。
【0040】
(第3実施例)
図6に示されるように、制御手段は、先ず、ロータリーキルン炉1の加熱用バーナー4を点火して運転を開始する。このとき、加熱用バーナー4の火炎長さは長い状態に設定されている。
【0041】
制御手段は、第1測定点P1における温度(Tp1)及び基準温度測定点Bにおける基準温度(Tb)に基づいて判定し、Tp1とTbとの差(Tp1−Tb)が、所定の閾値(Tα)未満(所定温度範囲内)となった場合、前記加熱用バーナー4の火炎長さを短く調節する。
【0042】
ここで所定の閾値(Tα)は、上述の第1実施例と同様に、例えば50℃と設定される。基準温度(Tb)が300℃であり、コーチングが生成されていないときの第1測定点P1における温度(Tp1)が400℃の場合、Tp1−Tb=100℃>Tα=50℃のため、加熱用バーナー4の火炎長さは長いままで維持される。
【0043】
しかし、コーチングが生成されて第1測定点P1における温度(Tp1)が低下し、例えば、Tp1=340℃になった場合、Tp1−Tb=340℃−300℃=40℃となる。この場合、Tp1−Tb=40℃<Tα=50℃となるため、制御手段は、火炎長可変バルブ5を操作してその火炎長さを短くする。
【0044】
次いで、制御手段は、第2測定点P2における温度(Tp2)及び基準温度測定点Bにおける基準温度(Tb)に基づいて判定する。このとき、Tp2とTbとの差(Tp2−Tb)が、所定の閾値(Tα)以上であれば、加熱用バーナー4の火炎長さは短いままで維持されるが、所定の閾値(Tα)未満(所定温度範囲内)となった場合は、制御手段が火炎長可変バルブ5を操作してその火炎長さを長くする。
【0045】
次いで、制御手段は、第1測定点P1における温度(Tp1)及び基準温度測定点Bにおける基準温度(Tb)に基づいて判定する。このとき、Tp1とTbとの差(Tp1−Tb)が、所定の閾値(Tα)以上であれば、加熱用バーナー4の火炎長さは長いままで維持されるが、所定の閾値(Tα)未満(所定温度範囲内)となった場合は、制御手段が火炎長可変バルブ5を操作してその火炎長さを短くする。
【0046】
次いで、制御手段は、第2測定点P2における温度(Tp2)及び基準温度測定点Bにおける基準温度(Tb)に基づいて判定する。このとき、Tp2とTbとの差(Tp2−Tb)が、所定の閾値(Tα)以上であれば、加熱用バーナー4の火炎長さは短いままで維持されるが、所定の閾値(Tα)未満(所定温度範囲内)となった場合は、制御手段が火炎長可変バルブ5を操作してその火炎長さを長くする。
【0047】
次いで、制御手段は、第1測定点P1における温度(Tp3)及び基準温度測定点Bにおける基準温度(Tb)に基づいて判定する。このとき、Tp3とTbとの差(Tp3−Tb)が、所定の閾値(Tα)以上であれば、加熱用バーナー4の火炎長さは長いままで維持されるが、所定の閾値(Tα)未満(所定温度範囲内)となった場合は、制御手段は加熱用バーナー4を停止してロータリーキルン炉1の運転を終了する。そして、作業者によるコーチングの除去作業が実施される。
【0048】
(第4実施例)
図7に示されるように、制御手段は、先ず、ロータリーキルン炉1の加熱用バーナー4を点火して運転を開始する。このとき、加熱用バーナー4の火炎長さは長い状態に設定されている。
【0049】
制御手段は、第1測定点P1における温度(Tp1)及び基準温度測定点Bにおける基準温度(Tb)に基づいて判定し、Tp1とTbとの差(Tp1−Tb)が、所定の閾値(Tα)未満(所定温度範囲内)となった場合、前記加熱用バーナー4の火炎長さを短く調節する。
【0050】
ここで所定の閾値(Tα)は、上述の第1実施例と同様に、例えば50℃と設定される。基準温度(Tb)が300℃であり、コーチングが生成されていないときの第1測定点P1における温度(Tp1)が400℃の場合、Tp1−Tb=100℃>Tα=50℃のため、加熱用バーナー4の火炎長さは長いままで維持される。
【0051】
しかし、コーチングが生成されて第1測定点P1における温度(Tp1)が低下し、例えば、Tp1=340℃になった場合、Tp1−Tb=340℃−300℃=40℃となる。この場合、Tp1−Tb=40℃<Tα=50℃となるため、制御手段は、火炎長可変バルブ5を操作してその火炎長さを短くする。
【0052】
次いで、制御手段は、第2測定点P2における温度(Tp2)及び基準温度測定点Bにおける基準温度(Tb)に基づいて判定する。このとき、Tp2とTbとの差(Tp2−Tb)が、所定の閾値(Tα)以上であれば、加熱用バーナー4の火炎長さは短いままで維持されるが、所定の閾値(Tα)未満(所定温度範囲内)となった場合は、制御手段が火炎長可変バルブ5を操作してその火炎長さを長くする。
【0053】
次いで、制御手段は、第1測定点P1における温度(Tp1)及び基準温度測定点Bにおける基準温度(Tb)に基づいて判定する。このとき、Tp1とTbとの差(Tp1−Tb)が、所定の閾値(Tα)以上であれば、加熱用バーナー4の火炎長さは長いままで維持されるが、所定の閾値(Tα)未満(所定温度範囲内)となった場合は、制御手段が火炎長可変バルブ5を操作してその火炎長さを短くする。
【0054】
次いで、制御手段は、第2測定点P2における温度(Tp2)及び基準温度測定点Bにおける基準温度(Tb)に基づいて判定する。このとき、Tp2とTbとの差(Tp2−Tb)が、所定の閾値(Tα)以上であれば、加熱用バーナー4の火炎長さは短いままで維持されるが、所定の閾値(Tα)未満(所定温度範囲内)となった場合は、制御手段が火炎長可変バルブ5を操作してその火炎長さを長くする。
【0055】
次いで、制御手段は、第1測定点P1における温度(Tp1)及び基準温度測定点Bにおける基準温度(Tb)に基づいて判定する。このとき、Tp1とTbとの差(Tp1−Tb)が、所定の閾値(Tα)以上であれば、加熱用バーナー4の火炎長さは長いままで維持されるが、所定の閾値(Tα)未満(所定温度範囲内)となった場合は、制御手段は加熱用バーナー4を停止してロータリーキルン炉1の運転を終了する。そして、作業者によるコーチングの除去作業が実施される。
【0056】
(制御方法のその他の実施例)
図示しないが、その他の実施例として、上述の第2〜4実施例を組み合わせても良い。
即ち、第2実施例におけるTp3とTbとの差(Tp3−Tb)を判定する場面において、これと併せてTp1とTbとの差(Tp1−Tb)を判定し、この2つの値がいずれも所定の閾値(Tα)未満(所定温度範囲内)となった場合に、火炎長さを短くする。さらに、第2実施例におけるTp4とTbとの差(Tp4−Tb)を判定する場面において、これと併せてTp2とTbとの差(Tp2−Tb)を判定し、この2つの値がいずれも所定の閾値(Tα)未満(所定温度範囲内)となった場合に、火炎長さを長くする。またさらに、第2実施例におけるTp5とTbとの差(Tp5−Tb)を判定する場面において、これと併せてTp3とTbとの差(Tp3−Tb)及びTp1とTbとの差(Tp1−Tb)を判定し、これら3つの値がいずれも所定の閾値(Tα)未満(所定温度範囲内)となった場合に、加熱用バーナー4を停止する。
【0057】
例えば、第2実施例におけるTp3とTbとの差(Tp3−Tb)を判定する場面において、第1測定点P1にて生成されていたコーチングがすでに剥離していて火炎長さを短くしなくとも良いという状況が生じ得る。従ってこの場合には、火炎長さを長くしたままで、より長い期間の運転が可能となる。Tp4とTbとの差(Tp4−Tb)を判定する場面、及びTp5とTbとの差(Tp5−Tb)を判定する場面についても同様であり、生成されていたコーチングがすでに剥離していて火炎長さを変更しなくとも良いという状況が生じ得る。
【0058】
そのため、本実施例によれば、コーチングの除去作業に伴うロータリーキルン炉の停止頻度をさらに低下させることができる。
【0059】
〔その他の実施形態〕
1.上述の実施形態において、温度測定手段として接触温度計を用いた例を示したが、これに限定されるものではなく、その他の温度測定手段として、例えば放射温度計を使用しても良い。
2.上述の実施形態において、基準温度測定点Bをキルン本体2に設定する例を示したが、これに限定されるものではなく、他にも例えば、室温を基準温度に設定してもよい。
また、基準温度として測定値を採用するものではなく、予め所定の基準温度を設定しておく構成としても良い。
3.測定点の数と設定位置については、上述の実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて適宜変更して良い。
4.上述の実施形態において、火炎長さを「長い」及び「短い」の2段階で調節する構成を例に示したが、これに限定されるものではなく、他にも例えば、火炎長さを「長」、「中」、「短」という3段階、あるいはこれよりもさらに多く4段階以上で調節するような構成としても良い。
【0060】
尚、上記実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、その他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、ロータリーキルン炉を使用する技術分野において好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 ロータリーキルン炉
2 キルン本体
3 フロントウォール
4 加熱用バーナー
5 火炎長可変バルブ
6 上流開口部
7 下流開口部
8 投入部
10 基準温度計
11〜15 第1〜第5温度計(温度測定手段)
M 被処理物
B 基準温度測定点
P1〜P5 第1〜第5測定点(測定点)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7