特許第6979801号(P6979801)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6979801W形状外科手術用締結具を用いた外科手術的締結
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6979801
(24)【登録日】2021年11月18日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】W形状外科手術用締結具を用いた外科手術的締結
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/068 20060101AFI20211202BHJP
【FI】
   A61B17/068
【請求項の数】17
【外国語出願】
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-115868(P2017-115868)
(22)【出願日】2017年6月13日
(65)【公開番号】特開2017-221668(P2017-221668A)
(43)【公開日】2017年12月21日
【審査請求日】2020年4月8日
(31)【優先権主張番号】15/181,767
(32)【優先日】2016年6月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】スタニスロウ コストシェフスキー
【審査官】 山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−508090(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0191258(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0263570(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0090763(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/068
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術用締結デバイスのためのエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、
縦軸を画定する本体と、
非形成構成および形成構成を有する、少なくとも1つの締結具であって、前記少なくとも1つの締結具は、第1および第2のアームを含み、前記第1および第2のアームは、反対方向に延在し、前記第1のアームは、第1および第2のエルボ区画を有し、前記第1のエルボ区画は、前記少なくとも1つの締結具が形成されるにつれて屈曲するように構成され、前記第2のエルボ区画は、前記少なくとも1つの締結具が形成されるにつれて、屈曲されないままであるように構成される、少なくとも1つの締結具と、
アンビルと、
前記少なくとも1つの締結具を前記本体を通して遠位に前進させ、前記アンビルと係合させ、前記少なくとも1つの締結具を前記アンビルに対して押勢することによって前記少なくとも1つの締結具を形成するように構成される、プッシャと、
を備え、前記少なくとも1つの締結具は、前記第1のアームと第2のアームとの間に延在する後部架橋部を含み、前記アンビルは、前記第1および第2のアームを前記後部架橋部の周りに形成するように、前記後部架橋部と係合可能であり、前記後部架橋部は、放射線源を支持する、エンドエフェクタ。
【請求項2】
前記アンビルは、前記本体に枢動可能に結合され、第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、前記アンビルは、前記第1の位置にある間、前記少なくとも1つの締結具に係合し、前記第2の位置にある間、前記少なくとも1つの締結具から係脱するように構成される、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項3】
前記アンビルは、辺縁を含み、前記辺縁は、前記第1および第2のアームが、前記アンビルを中心として枢動し、前記少なくとも1つの締結具を形成し得るように、前記後部架橋部に接触するように構成される締結具形成表面を画定する、請求項に記載のエンドエフェクタ。
【請求項4】
前記アンビルと選択的に係合可能であり、前記少なくとも1つの締結具が形成された後、前記アンビルを前記少なくとも1つの締結具との係合から分離する、アンビル解放カムをさらに含む、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項5】
前記プッシャは、その遠位端内に形成される切り欠きを含み、前記切り欠きは、前記少なくとも1つの締結具をその中に受容するように構成される、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項6】
発射バーをさらに備え、前記発射バーは、軸方向に平行移動可能であり、前記プッシャを軸方向に平行移動させる、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項7】
前記発射バーおよび前記プッシャは、少なくとも1つのばねによってばね付勢される、請求項に記載のエンドエフェクタ。
【請求項8】
前記少なくとも1つのばねは、第1のばねおよび第2のばねを含み、前記第1のばねは、前記第2のばねと異なるばね定数を有する、請求項に記載のエンドエフェクタ。
【請求項9】
外科手術用締結デバイスのための締結具であって、前記締結具は、
第1の端部および前記第1の端部と反対の第2の端部を有する、後部架橋部であって、前記後部架橋部は、放射線源を支持する、後部架橋部と、
前記後部架橋部の第1の端部から延在する、第1のアームと、
前記後部架橋部の第2の端部から延在する、第2のアームと、
を備え、
前記第1および第2のアームは、非形成構成から形成構成に前記後部架橋部に対して移動可能であり、前記締結具は、前記第1および第2のアームが前記非形成構成にある間、3つを上回る側を有し、前記第1および第2のアームが前記形成構成にある間、3つの側を有する、締結具。
【請求項10】
前記第1および第2のアームの各々は、交差区画および組織係合区画を含み、前記第1および第2のアームが前記非形成構成から前記形成構成に移動されるにつれて、前記第1および第2のアームの交差区画は、前記後部架橋部に向かって収束し、前記第1および第2のアームの組織係合区画は、相互に向かって収束する、請求項に記載の締結具。
【請求項11】
前記交差区画は、エルボ区画によって、それぞれの第1および第2のアームの組織係合区画に接続される、請求項に記載の締結具。
【請求項12】
前記放射線源は、前記第1および第2のアームが前記形成状態にあるとき、前記締結具の前記3つの側の間に支持される、請求項に記載の締結具。
【請求項13】
前記放射線源は、前記後部架橋部を囲繞する同位体カプセルの形態にある、請求項12に記載の締結具。
【請求項14】
前記後部架橋部、前記第1のアーム、前記第2のアーム、またはそれらの組み合わせは、チタンワイヤを含む、請求項に記載の締結具。
【請求項15】
外科手術用締結デバイスであって、
ハンドルアセンブリと、
前記ハンドルアセンブリから遠位に延在し、縦軸を画定する、伸長本体部分と、
前記伸長本体部分の遠位端上に支持される、エンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、
本体と、
後部架橋部および前記後部架橋部から延在する一対の脚部を有する、少なくとも1つの締結具と、
第1の位置と第2の位置との間で枢動可能である、アンビルであって、前記アンビルは、前記第1の位置にある間、前記少なくとも1つの締結具の後部架橋部に選択的に係合し、前記少なくとも1つの締結具を形成するように構成され、前記アンビルは、前記第2の位置に枢動可能であり、前記少なくとも1つの締結具が、形成後に、前記本体から吐出されることを可能にする、アンビルと、
を含む、エンドエフェクタと、
を備え、前記少なくとも1つの締結具の前記後部架橋部は、放射線源を支持する、外科手術用締結デバイス。
【請求項16】
前記少なくとも1つの締結具は、順次発射のために位置付けられる、複数のスタックされた締結具を含む、請求項15に記載の外科手術用締結デバイス。
【請求項17】
前記複数のスタックされた締結具の各締結具の一対のエルボ区画と選択的に係合可能である切り欠きを画定する、プッシャをさらに含む、請求項16に記載の外科手術用締結デバイス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、外科手術手技を行うための外科手術用デバイス、システム、および/または方法に関する。より具体的には、本開示は、小線源療法を行うための吸収可能または恒久的外科手術用締結具を含有するエンドエフェクタを装填可能な外科手術用締結具適用デバイスおよび/またはシステムと、その使用方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
小線源療法は、患者の身体内の罹患組織の標的化された場所近傍における放射線源の一時的または恒久的留置を伴う、医療処置のための一般的用語である。放射線源の本標的化された送達は、健康な組織への放射線暴露を最小限にしながら、罹患組織を排除することに役立つ。例示的放射線源として、放射性シード、放射性ロッド、および放射性コイルが挙げられる。
【0003】
小線源療法のための放射線源の埋込は、内視鏡検査または腹腔鏡検査等の低侵襲性技法を使用して実施されてもよい。腹腔鏡下および内視鏡下手技は、概して、切開された組織内に配置される外科手術用ポータル装置を通してアクセスされる身体内の遠隔領域に到達可能な細長いデバイスを利用する。これらのデバイスはまた、天然身体開口部を通して前進されてもよい。
【0004】
故に、小線源療法の標的化された送達のための改良されたシステム、デバイス、および方法を開発する必要性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,582,616号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第20110245578号明細書
【特許文献3】米国特許第9,848,874号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面によると、外科手術用デバイスが、提供される。外科手術用デバイスは、外科手術用締結デバイスのためのエンドエフェクタを含む。エンドエフェクタは、縦軸を画定する本体と、1つまたはそれを上回る締結具と、アンビルと、プッシャとを備える。プッシャは、1つまたはそれを上回る締結具を本体を通して遠位に前進させ、アンビルと係合させ、1つまたはそれを上回る締結具をアンビルに対して形成するように構成される。
【0007】
アンビルは、本体に枢動可能に結合され、第1の位置と第2の位置との間で移動可能であってもよい。アンビルは、第1の位置にある間、1つまたはそれを上回る締結具に係合し、第2の位置にある間、1つまたはそれを上回る締結具から係脱するように構成されてもよい。
【0008】
1つまたはそれを上回る締結具は、非形成構成と、形成構成とを有する。各締結具は、第1および第2のアームを含んでもよい。第1および第2のアームは、反対方向に延在してもよい。第1のアームは、第1および第2のエルボ区画を含んでもよい。第1のエルボ区画は、締結具が形成されるにつれて、屈曲するように構成されてもよい。第2のエルボ区画は、締結具が形成されるにつれて、屈曲されないままであるように構成されてもよい。
【0009】
1つまたはそれを上回る締結具は、第1のアームと第2のアームとの間に延在する、後部架橋部を含んでもよい。アンビルは、後部架橋部と係合可能であって、第1および第2のアームを後部架橋部を中心として形成してもよい。アンビルは、辺縁を含んでもよい。辺縁は、第1および第2のアームが、アンビルを中心として枢動し、1つまたはそれを上回る締結具を形成し得るように、後部架橋部に接触するように構成される締結具形成表面を画定してもよい。いくつかの実施形態では、後部架橋部は、放射線源を支持してもよい。
【0010】
ある実施形態では、エンドエフェクタはさらに、アンビルと選択的に係合可能であって、1つまたはそれを上回る締結具が形成された後、アンビルを1つまたはそれを上回る締結具との係合から分離する、アンビル解放カムを含んでもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、プッシャは、その遠位端内に形成される切り欠きを含んでもよい。切り欠きは、1つまたはそれを上回る締結具をその中に受容するように構成されてもよい。
【0012】
エンドエフェクタはさらに、軸方向に平行移動可能であって、プッシャを軸方向に平行移動させる、発射バーを備えてもよい。発射バーおよびプッシャは、1つまたはそれを上回るばねによって、ばね付勢されてもよい。1つまたはそれを上回るばねは、第1のばねと、第2のばねとを含んでもよい。第1のばねは、第2のばねと異なるばね定数を有してもよい。
【0013】
本開示の別の側面によると、外科手術用締結デバイスのための締結具が、提供される。締結具は、第1の端部および第1の端部と反対の第2の端部を有する、後部架橋部と、後部架橋部の第1の端部から延在する、第1のアームと、後部架橋部の第2の端部から延在する、第2のアームとを備える。後部架橋部は、放射線源を支持してもよい。第1および第2のアームは、非形成構成から形成構成に後部架橋部に対して移動可能であってもよい。締結具は、第1および第2のアームが非形成構成にある間、3つを上回る側を有し、第1および第2のアームが形成構成にある間、3つの側を有してもよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1および第2のアームの各々は、交差区画と、組織係合区画とを含んでもよい。第1および第2のアームが非形成構成から形成構成に移動されるにつれて、第1および第2のアームの交差区画は、後部架橋部に向かって収束してもよく、第1および第2のアームの組織係合区画は、相互に向かって収束してもよい。
【0015】
ある実施形態では、交差区画は、エルボ区画によって、それぞれの第1および第2のアームの組織係合区画に接続される。
【0016】
いくつかの実施形態では、放射線源は、第1および第2のアームが形成状態にあるとき、締結具の3つの側間に支持されてもよい。ある実施形態では、放射線源は、後部架橋部を囲繞する同位体カプセルの形態にあってもよい。
【0017】
ある実施形態では、後部架橋部、第1のアーム、第2のアーム、またはそれらの組み合わせは、チタンワイヤを含んでもよい。
【0018】
本開示のさらに別の側面によると、外科手術用締結デバイスが、提供される。外科手術用締結デバイスは、ハンドルアセンブリと、ハンドルアセンブリから遠位に延在し、縦軸を画定する、伸長本体部分と、伸長本体部分の遠位端上に支持される、エンドエフェクタとを備える。エンドエフェクタは、本体と、後部架橋部および後部架橋部から延在する一対の脚部を有する、1つまたはそれを上回る締結具と、第1の位置と第2の位置との間で枢動可能である、アンビルとを含んでもよい。アンビルは、第1の位置にある間、1つまたはそれを上回る締結具の後部架橋部に選択的に係合し、1つまたはそれを上回る締結具を形成するように構成されてもよい。アンビルは、第2の位置に枢動可能であって、1つまたはそれを上回る締結具が、形成後に、本体から吐出されることを可能にしてもよい。
【0019】
ある実施形態では、1つまたはそれを上回る締結具は、順次発射のために位置付けられる、スタックされた締結具を含んでもよい。
【0020】
外科手術用締結デバイスはさらに、スタックされた締結具の各締結具の一対のエルボ区画と選択的に係合可能である切り欠きを画定する、プッシャを含んでもよい。
【0021】
他の側面、特徴、および利点は、以下の説明、図面、および請求項から明白となるであろう。例えば、本発明は、以下を提供する。
(項目1)
外科手術用締結デバイスのためのエンドエフェクタであって、上記エンドエフェクタは、
縦軸を画定する本体と、
非形成構成および形成構成を有する、少なくとも1つの締結具であって、上記少なくとも1つの締結具は、第1および第2のアームを含み、上記第1および第2のアームは、反対方向に延在し、上記第1のアームは、第1および第2のエルボ区画を有し、上記第1のエルボ区画は、上記少なくとも1つの締結具が形成されるにつれて屈曲するように構成され、上記第2のエルボ区画は、上記少なくとも1つの締結具が形成されるにつれて、屈曲されないままであるように構成される、少なくとも1つの締結具と、
アンビルと、
上記少なくとも1つの締結具を上記本体を通して遠位に前進させ、上記アンビルと係合させ、上記少なくとも1つの締結具を上記アンビルに対して形成するように構成される、プッシャと、
を備える、エンドエフェクタ。
(項目2)
上記アンビルは、上記本体に枢動可能に結合され、第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、上記アンビルは、上記第1の位置にある間、上記少なくとも1つの締結具に係合し、上記第2の位置にある間、上記少なくとも1つの締結具から係脱するように構成される、上記項目に記載のエンドエフェクタ。
(項目3)
上記少なくとも1つの締結具は、上記第1のアームと第2のアームとの間に延在する、後部架橋部を含み、上記アンビルは、上記後部架橋部と係合可能であり、上記第1および第2のアームを上記後部架橋部を中心として形成する、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタ。
(項目4)
上記アンビルは、辺縁を含み、上記辺縁は、上記第1および第2のアームが、上記アンビルを中心として枢動し、上記少なくとも1つの締結具を形成し得るように、上記後部架橋部に接触するように構成される締結具形成表面を画定する、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタ。
(項目5)
上記後部架橋部は、放射線源を支持する、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタ。
(項目6)
上記アンビルと選択的に係合可能であり、上記少なくとも1つの締結具が形成された後、上記アンビルを上記少なくとも1つの締結具との係合から分離する、アンビル解放カムをさらに含む、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタ。
(項目7)
上記プッシャは、その遠位端内に形成される切り欠きを含み、上記切り欠きは、上記少なくとも1つの締結具をその中に受容するように構成される、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタ。
(項目8)
発射バーをさらに備え、上記発射バーは、軸方向に平行移動可能であり、上記プッシャを軸方向に平行移動させる、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタ。
(項目9)
上記発射バーおよび上記プッシャは、少なくとも1つのばねによってばね付勢される、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタ。
(項目10)
上記少なくとも1つのばねは、第1のばねおよび第2のばねを含み、上記第1のばねは、上記第2のばねと異なるばね定数を有する、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタ。
(項目11)
外科手術用締結デバイスのための締結具であって、上記締結具は、
第1の端部および上記第1の端部と反対の第2の端部を有する、後部架橋部であって、上記後部架橋部は、放射線源を支持する、後部架橋部と、
上記後部架橋部の第1の端部から延在する、第1のアームと、
上記後部架橋部の第2の端部から延在する、第2のアームと、
を備え、
上記第1および第2のアームは、非形成構成から形成構成に上記後部架橋部に対して移動可能であり、上記締結具は、上記第1および第2のアームが上記非形成構成にある間、3つを上回る側を有し、上記第1および第2のアームが上記形成構成にある間、3つの側を有する、締結具。
(項目12)
上記第1および第2のアームのそれぞれは、交差区画および組織係合区画を含み、上記第1および第2のアームが上記非形成構成から上記形成構成に移動されるにつれて、上記第1および第2のアームの交差区画は、上記後部架橋部に向かって収束し、上記第1および第2のアームの組織係合区画は、相互に向かって収束する、上記項目に記載の締結具。
(項目13)
上記交差区画は、エルボ区画によって、それぞれの第1および第2のアームの組織係合区画に接続される、上記項目のいずれかに記載の締結具。
(項目14)
上記放射線源は、上記第1および第2のアームが上記形成状態にあるとき、上記締結具の3つの側の間に支持される、上記項目のいずれかに記載の締結具。
(項目15)
上記放射線源は、上記後部架橋部を囲繞する同位体カプセルの形態にある、上記項目のいずれかに記載の締結具。
(項目16)
上記後部架橋部、上記第1のアーム、上記第2のアーム、またはそれらの組み合わせは、チタンワイヤを含む、上記項目のいずれかに記載の締結具。
(項目17)
外科手術用締結デバイスであって、
ハンドルアセンブリと、
上記ハンドルアセンブリから遠位に延在し、縦軸を画定する、伸長本体部分と、
上記伸長本体部分の遠位端上に支持される、エンドエフェクタであって、上記エンドエフェクタは、
本体と、
後部架橋部および上記後部架橋部から延在する一対の脚部を有する、少なくとも1つの締結具と、
第1の位置と第2の位置との間で枢動可能である、アンビルであって、上記アンビルは、上記第1の位置にある間、上記少なくとも1つの締結具の後部架橋部に選択的に係合し、上記少なくとも1つの締結具を形成するように構成され、上記アンビルは、上記第2の位置に枢動可能であり、上記少なくとも1つの締結具が、形成後に、上記本体から吐出されることを可能にする、アンビルと、
を含む、エンドエフェクタと、
を備える、外科手術用締結デバイス。
(項目18)
上記少なくとも1つの締結具は、順次発射のために位置付けられる、複数のスタックされた締結具を含む、上記項目に記載の外科手術用締結デバイス。
(項目19)
上記複数のスタックされた締結具の各締結具の一対のエルボ区画と選択的に係合可能である切り欠きを画定する、プッシャをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の外科手術用締結デバイス。
(項目20)
上記少なくとも1つの締結具の後部架橋部は、放射線源を支持する、上記項目のいずれかに記載の外科手術用締結デバイス。
(摘要)
外科手術用締結デバイスのためのエンドエフェクタが、提供される。エンドエフェクタは、縦軸を画定する本体と、1つまたはそれを上回る締結具と、アンビルと、プッシャとを含む。各締結具は、非形成構成と、形成構成とを有する。各締結具は、反対方向に延在する、第1および第2のアームを含む。第1のアームは、第1および第2のエルボ区画を有する。第1のエルボ区画は、締結具が形成されるにつれて、屈曲するように構成される。第2のエルボ区画は、締結具が形成されるにつれて、屈曲されないままであるように構成される。プッシャは、締結具を本体を通して遠位に前進させ、アンビルと係合し、締結具をアンビルに対して形成するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本明細書内に組み込まれ、その一部を構成する、付随の図面は、本開示の実施形態を図示し、上記の本開示の一般的な説明および下記の詳細な説明とともに、本開示の原理を説明する役割を果たす。
【0023】
図1図1は、本開示による、内視鏡下外科手術用システムの斜視図である。
図2図2は、図2の内視鏡下外科手術用システムのエンドエフェクタの遠位端を図示する、斜視図である。
図3図3は、図2のエンドエフェクタの近位端を図示する、斜視図である。
図4図4は、第1の位置における図2のエンドエフェクタの上面図であって、エンドエフェクタは、明確にするためにその一部が除去されて示される。
図5図5は、第1の位置における図2のエンドエフェクタの側面図であって、エンドエフェクタは、明確にするためにその一部が除去されて示される。
図6図6は、図2のエンドエフェクタの発射アセンブリの斜視図である。
図7図7は、図2のエンドエフェクタの締結具の斜視図であって、締結具は、非発射状態に示される。
図8図8A−8Dは、締結具発射を図示する、図2のエンドエフェクタの段階図である。
図9図9は、図2のエンドエフェクタの上面図であって、明確にするためにその一部が除去されており、エンドエフェクタは、発射状態に示される図7の締結具を伴って、第2の位置に示される。
図10図10は、図6の発射アセンブリのプッシャの遠位部分の拡大斜視図であって、図7の締結具は、発射および非発射状態に示される。
図11図11は、図2のエンドエフェクタによって組織の中に発射されている、図7の締結具を図示する。
図12図12は、締結具の別の実施形態および図2のエンドエフェクタのプッシャの別の実施形態の斜視図である。
図13図13は、本開示による、医療用ワークステーションおよびオペレーティングコンソールの略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示のデバイスの実施形態が、類似参照番号がいくつかの図のそれぞれにおける同じまたは対応する要素を指定する、図面を参照して詳細に説明される。本明細書で使用されるように、用語「遠位」は、ユーザからより遠いデバイスのその部分を指す一方、用語「近位」は、ユーザにより近い、デバイスのその部分を指す。本明細書で使用されるように、用語「臨床医」は、医師、看護士、または他の医療提供者を指し、支援人員を含み得る。以下の説明では、周知の機能または構造は、不必要な詳細において本開示を曖昧にすることを回避するために、詳細に説明されない。
【0025】
本開示による内視鏡下外科手術用デバイスの非限定的実施例として、外科手術用ステープラ、外科手術用タックアプライヤ(すなわち、タッカ)、および同等物等の機械的ならびに/または電気機械的デバイスが挙げられる。1つの特定の実施例として、Medtronic製Endo UniversalTMステープラが挙げられる。本説明の内視鏡下外科手術用デバイスと併用され得るかまたは併用するために適合され得る、類似内視鏡下外科手術用デバイスおよびその構成要素のさらなる詳細な説明については、2014年4月21日に出願された米国特許出願公開第2015/0297199号、2013年8月23日に出願された米国特許出願公開第2015/0005789号、2013年3月7日に出願された米国特許出願公開第2013/0214025号、および2012年11月9日に出願された米国特許出願公開第2014/0131418号(そのそれぞれの全内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【0026】
最初に、図1を参照すると、内視鏡下外科手術用ステープラの形態であり得る、内視鏡下外科手術用システムが、外科手術用ステープラ10として指定される。一般に、外科手術用ステープラ10は、小線源療法の使用を含む肺、腸、またはその他の器官の組織の切断等の任意の好適な外科手術手技において利用されてもよい。外科手術用ステープラ10および/またはその構成要素は、縫合糸、メッシュ、または他の可撓性材料を組織に取り付けるために利用されてもよい。
【0027】
外科手術用ステープラ10は、ハンドルアセンブリ20と、縦軸「L」に沿ってハンドルアセンブリ20から遠位に延在する伸長本体部分30とを含む。伸長本体部分30は、エンドエフェクタ100を伸長本体部分30の遠位端に支持する。エンドエフェクタ100は、伸長本体部分30から/に選択的に取り外し可能/取り付け可能であって、伸長本体部分30に対して回転可能および/または関節運動可能であってもよい。伸長本体部分30は、ハンドルアセンブリ20に対して回転可能であってもよい。いくつかの実施形態では、伸長本体部分30の遠位端は、伸長本体部分30へ/からのエンドエフェクタ100の迅速な接続および/または解放を可能にし、例えば、本明細書に説明される締結具から発出する任意の放射源(例えば、図7に見られる放射線源146)からの安全動作距離を提供するようにハンドルアセンブリ20を介して制御可能である、クイックコネクタを含んでもよい。
【0028】
外科手術用ステープラ10のハンドルアセンブリ20は、ハンドル筐体22と、ハンドル筐体22に結合され、エンドエフェクタ100が1つまたはそれを上回る機能(例えば、回転、関節運動、発射等)を行うことを可能にする、1つまたはそれを上回るアクチュエータ24a、24b、24cとを含む。例えば、ハンドルアセンブリ20のアクチュエータ24aは、以下により詳細に説明されるように、ハンドルアセンブリ20内に支持される駆動アセンブリ26に動作可能に結合され、ハンドルアセンブリ20のアクチュエータ24aの作動に応じて、外科手術用ステープラ10のエンドエフェクタ100を発射する。いくつかの実施形態では、ハンドルアセンブリ20は、ハンドルアセンブリ20のアクチュエータ24aが完全に圧搾または作動されるまで後退することを防止する、指向性クラッチを含んでもよい。手動的に作動されるハンドルアセンブリが示されているが、ハンドルは、モータ式であり得、または、エンドエフェクタは、ロボット外科手術システムに接続する構成要素の一部として構成され得る。
【0029】
ここで図2−6に目を向けると、外科手術用ステープラ10のエンドエフェクタ100は、近位端110aと、遠位端110bとを有する、本体110を含む。エンドエフェクタ100の本体110はさらに、エンドエフェクタ100の発射アセンブリ130を受容する内側チャネル110dを画定する、内側表面110cを含む。本体110の近位端110aは、外科手術用ステープラ10の伸長本体部分30の遠位端に選択的に結合するように構成される。図3に見られるように、本体110の近位端110aは、配向特徴、突出部、および/またはフックとともに輪郭付けられ、外科手術用ステープラ10の伸長本体部分30の遠位端への迅速かつ容易な取付を提供してもよい。いくつかの実施形態では、エンドエフェクタ100の近位端110aは、外科手術用ステープラ10の伸長本体部分30に結合するためのスナップオンタイプ接続等の任意の好適な機械的接続を含んでもよい。
【0030】
エンドエフェクタ100の本体110は、エンドエフェクタ100の外側スリーブ120内に支持される。エンドエフェクタ100の外側スリーブ120は、内向きに延在し、エンドエフェクタ100の本体110の外側表面内に画定された切り欠き110e内の外側スリーブ120に結合する、タブ122を含む。エンドエフェクタ100の外側スリーブ120は、例えば、8mmまたはより小さい直径等の任意の好適な直径を有し、標準的8mmトロカール(図示せず)または同等物を通した通過を可能にしてもよい。
【0031】
エンドエフェクタ100の発射アセンブリ130は、エンドエフェクタ100の本体110の内側チャネル110d内で軸方向に移動可能である、発射バー132を含む。発射アセンブリ130の発射バー132は、エンドエフェクタ100から近位に延在し、外科手術用ステープラ10の駆動アセンブリ26に動作可能に結合するように構成される。発射バー132は、発射バー132のカムフィン132bに接続する、発射バー132の当接壁132aまで遠位に延在する。発射バー132のカムフィン132bは、駆動壁132cまで遠位に延在する。発射バー132のカム部材132dは、カムフィン132bの駆動壁132cに隣接して配置され、発射バー132の遠位端におけるカム作用表面132eまで遠位に延在する。発射バー132のカム作用表面132eは、丸みを帯びていてもよい。
【0032】
エンドエフェクタ100の発射アセンブリ130はさらに、発射アセンブリ130の発射バー132に結合される、プッシャ134を含む。発射アセンブリ130のプッシャ134は、発射バー132のカムフィン132bに隣接して発射アセンブリ130の発射バー132内に画定された陥凹132d内に受容される、近位端134aを含む。発射アセンブリ130のプッシャ134は、プッシャ134の遠位端134b内の切り欠き134cまで遠位に延在する。例えば、プッシャ134の切り欠き134cは、W形状であってもよい。切り欠き134cは、以下により詳細に説明されるように、エンドエフェクタ100の締結具144のためのカム形成表面として作用する、相互に隣接して同一平面内に配置される2つのU形状の切り欠きによって形成されてもよい。発射アセンブリ130のプッシャ134はさらに、発射バー132のカムフィン132bをその中に受容するように構成される、開口部134dを画定する。プッシャ134は、エンドエフェクタ100の本体110内で軸方向に移動可能であって、プッシャ134の前方肩部134eの遠位の本体110内に形成されるプッシャ停止部110fと選択的に係合可能である。プッシャ134はさらに、ブリッジ部材135cによって結合される対向アーム135a、135bを有するリテーナクリップ135と選択的に係合可能である、後方肩部134fを含む。リテーナクリップ135は、U形状の構成を有してもよい。エンドエフェクタ100のリテーナクリップ135は、エンドエフェクタ100の本体110の外側表面内に画定されたクリップ切り欠き110g内に搭載され、プッシャ134の後方肩部134fとリテーナクリップ135の対向アーム135a、135bとの間の接触に応じて、発射アセンブリ130のプッシャ134の近位移動を限定するように位置付けられる。プッシャ134はまた、プッシャ134の底部表面から垂下する、ばねタブ134gを含む。
【0033】
エンドエフェクタ100の発射アセンブリ130はさらに、発射アセンブリ130の発射バー132および発射アセンブリ130のプッシャ134を近位に付勢する、第1および第2のばね136、138を含む。発射アセンブリ130の第1のばね136は、以下により詳細に説明される、例えば、エンドエフェクタ100のアンビル140の所定のカム解放タイミングを提供してもよい。発射アセンブリ130の第2のばね138は、例えば、発射アセンブリ130のプッシャ134を近位または初期位置に戻すように機能してもよい。第1のばね136の近位端は、発射バー132の当接表面132aと接触するように配置される。第1のばね136の遠位端は、プッシャ134のばねパーティション134gの後方表面と接触する。第2のばね138の近位端は、ばねパーティション134gの前方表面に接触し、第2のばね138の遠位端は、遠位に延在し、エンドエフェクタ100の本体110内に画定されたばね停止部110hと接触する。発射アセンブリ130の第1のばね136のばね定数は、発射アセンブリ130の第2のばね138のばね定数を上回ってもよく、それによって、第1のばね136は、第2のばね138より強い。第1および第2のばね136、138の一方または両方は、事前荷重されてもよい(例えば、少なくとも部分的に、エンドエフェクタ100の本体110内に圧縮されて維持される)。
【0034】
エンドエフェクタ100のアンビル140は、支持脚部140b、140cを有する、ベース部材140aを含む。板ばねの形態であり得る、アンビル140はさらに、アンビル140のベース部材140aから遠位に延在する、伸長アーム140dを含む。アンビル140の伸長アーム140dは、伸長アーム140dおよびヘッド140eに対してある角度で配置されるアンビル140の遷移部分140fを介して、アンビル140のヘッド140eに接続される。アンビル140のヘッド140eは、ヘッド140cから垂下する、辺縁140gを含む。辺縁140gは、発射アセンブリ130のプッシャ134および発射アセンブリ130のアンビル140の辺縁140gと位置合わせされて画定されるエンドエフェクタ100の発射トラック148の中に延在する、締結具形成表面140hを有する。
【0035】
エンドエフェクタ100の発射アセンブリ130はさらに、リテーナクリップ135から遠位に延在し、エンドエフェクタ100の締結具144をエンドエフェクタ100の発射トラック148に向かって押勢するように構成される、U形状のストックばね142を含む。発射アセンブリ130のストックばね142は、発射アセンブリ130のプッシャ134の遠位端134b内に画定されたW形状の切り欠き134cによって個々に係合可能な締結具144のストック(例えば、6つのステープル)を支持する。ストックばね142は、非発射締結具144のストックの底部または最後の締結具144zに係合し、締結具144の非発射ストックをプッシャ134の切り欠き134cに隣接するエンドエフェクタ100の発射トラック148の中に押勢し、それによって、エンドエフェクタ100のストックばね142は、一連の非発射締結具144を発射トラック148内の発射位置に装填するように機能する(例えば、非発射締結具146が連続して発射されることができるように、一度に1つずつ)。
【0036】
図7に見られるように、締結具144のストックの各締結具144は、エルボ区画の形態であり得る、対向する第1および第2の端部144b、144cまで延在する、後部架橋部144aを含む。各締結具144は、締結具144が非形成状態にある間、4つまたはそれを上回る側「S1−S4」(図10)を有してもよい。いくつかの実施形態では、各締結具144は、W形状の構成を有してもよい。各締結具144の後部架橋部144aは、放射線源または同位体146(例えば、同位体カプセル)をその上に支持し、例えば、小線源療法処置をもたらしてもよい。締結具144の放射線源146は、後部架橋部144aの中心部分に沿って締結具144の後部架橋部144aを囲繞するように位置付けられてもよい。後部架橋部144aの放射線源146は、イットリウム−90、コバルト−60、モリブデン−99、ルテチウム−177、ホルミウム−166、ヨウ素−125、ヨウ素−131、パラジウム−103、サマリウム−153、リン−32、ホウ素−10、アクチニウム−225、鉛212等の任意の好適な放射性同位体またはそれらの組み合わせを含むことができる。
【0037】
後部架橋部144aの第1の端部144bは、第1の方向に延在する第1のアーム144dをヒンジ支持し、後部架橋部144aの第2の端部144cは、第1の方向と反対の第2の方向に延在する第2のアーム144eをヒンジ支持する。締結具144の第1のアーム144dは、後部架橋部144aの第1の端部144bを含んでもよく、締結具144の第2のアーム144eは、後部架橋部144aの第2の端部144cを含んでもよい。いくつかの実施形態では、締結具144の第1および第2のアーム144d、144eはそれぞれ、L形状の構成を有してもよい。第1および第2のアーム144d、144eはそれぞれ、交差区画144fと、エルボ区画144gと、鋭的先端144iまで延在する組織係合区画144hとを含む。各組織係合区画144hは、そのそれぞれの交差区画144fの長さに対応する半径を伴って、内向きに弧状にされてもよい。それぞれの第1および第2のアーム144d、144eの交差区画144fは、後部架橋部144aの第1および第2の端部144b、144cのそれぞれの1つから延在する。それぞれの第1および第2のアーム144d、144eのエルボ区画144gは、それぞれの第1および第2のアーム144d、144eの交差区画144fをそれぞれの第1および第2のアーム144d、144eの組織係合区画144hに結合する。それぞれの第1および第2のアーム144d、144eの組織係合区画144hが反対方向に延在するように、第1のアーム144dの組織係合区画144hは、第1の方向に延在し、第2のアーム144eの組織係合区画144hは、第2の方向に延在する。
【0038】
図1および図8A−11を参照すると、発射アセンブリ130の発射バー132は、例えば、外科手術用ステープラ10のハンドルアセンブリ20のアクチュエータ24a(例えば、トリガ)の外科手術用ステープラ10のハンドル筐体22に対する作動に応じて、外科手術用ステープラ10の伸長本体部分30の縦軸「L」に沿って遠位に前進される。発射バー132が、矢印「A」によって図示される、遠位に前進するにつれて、発射バー132の当接壁132aは、発射アセンブリ130の第1のばね136を発射アセンブリ130のプッシャ134のばねパーティション134gに対して圧縮する。プッシャ134のばねパーティション134gは、駆動力を第2のばね138に伝達し、第2のばね138を圧縮する。発射アセンブリ130の第1および第2のばね136、138が圧縮するにつれて、発射アセンブリ130のプッシャ134は、プッシャ134が、締結具144のスタックの最内締結具144xを発射トラック148内の第1の形成位置(図8B、ならびに図10および11に見られる記号「F1」)に遠位に駆動するように、順方向に遠位に前進する。締結具144xの第1の形成位置では、締結具144xの後部架橋部144aまたはその一部(例えば、放射線源146)は、締結具144xが形成され始め得るように、アンビル140の辺縁140gの締結具形成表面140hに係合する。アンビル140の辺縁140gの幅は、辺縁140gが、締結具144xの後部架橋部144aが遠位に前進することを停止させる一方、締結具144xの第1および第2のアーム144d、144eが、アンビル140の辺縁140gとともに前進させられるように、締結具144xの後部架橋部144aの幅より狭い。
【0039】
また、締結具144xの第1の形成位置では、それぞれの第1および第2のアーム144d、144eのエルボ区画144gは、切り欠き134cの中心に隣接するプッシャ134の切り欠き134c内に受容される。発射アセンブリ130のプッシャ134の、発射アセンブリ130のアンビル140の辺縁1406に向かったさらなる遠位移動は、それぞれの第1および第2のアーム144d、144eのエルボ区画144gを屈曲させずに、矢印「C」(図11における記号「F2」参照)によって図示されるように、それぞれの第1および第2のアーム144d、144eのエルボ区画144gを、プッシャ134の切り欠き134cに対して、相互から離れるように半径方向に駆動させる。同時に、締結具144xの第1および第2のアーム144d、144eは、同時の円形または半径方向移動において、締結具144xの後部架橋部144aのそれぞれの端部144b、144cを中心として枢動し、それによって、後部架橋部144aの端部144b、144cは、収束様式において内向きに屈曲する。第1および第2のアーム144d、144eのそのような同時の円形移動は、その鋭的先端144iが締結具144xに隣接して配置される組織「T」を穿通および把持するように、それぞれの第1および第2のアーム144d、144eの組織係合区画144hを相互に接近/収束させる。締結具144xのそれぞれの第1および第2のアーム144d、144eのコネクタ区画144xもまた、締結具144xが、完全に形成される、または実質的に完全に形成されるように、後部架橋部144aならびにそれぞれの第1および第2のアーム144d、144eのコネクタ区画144xが、相互に平行または実質的に平行になる(図11における記号「F3」参照)まで、締結具144xの後部架橋部144aに向かって収束する。前述のように、発射アセンブリ130の第1のばね136は、発射アセンブリ130の第2のばね138より高いばね定数を有し、発射アセンブリ130のアンビル140が、発射アセンブリ130の発射バー132のカム作用表面132eとの係合に応じて、締結具144xから分離し得る前に、発射アセンブリ130の締結具144xが完全に形成されることを可能にすることによって、十分なカムタイミングを提供してもよい。
【0040】
図10に見られるように、締結具144xが、4つまたはそれを上回る側「S1−S4」を有する非形成構成から完全形成構成に移動するにつれて、締結具144xの側の数は、3つの側に減少してもよい。締結具144xの完全形成構成では、第1のアーム144dの組織係合区画144hは、第1の形成側「FS1」を画定してもよく、第2のアーム144eの組織係合区画144hは、第2の形成側「FS2」を画定してもよく、第1および第2のアーム144d、144eの接続区画144fは、集合的に、第3の形成側「FS3」を画定してもよい。いくつかの実施形態では、締結具144xは、完全形成構成では、D形状の構成を有してもよい。いくつかの実施形態では、締結具144xの3つの形成側「FS1−FS3」は、後部架橋部144aおよび/または放射線源146が締結具144xの3つの形成側「FS1−FS3」間に支持されるように、後部架橋部144aおよび/または後部架橋部144a上に支持される放射線源146を囲繞してもよい。放射線源146および/または後部架橋部144aは、非形成および形成構成の両方において、締結具144xの接続区画144fから離間され、発射の間の放射線源146への損傷のリスクを限定してもよい。
【0041】
いったん非発射締結具144のストックの締結具144xが完全に形成または実質的に完全に形成されると、発射バー132のカム部材132dのカム作用表面132eは、矢印「B」(図8D参照)によって図示されるように、発射アセンブリ130のプッシャ134とアンビル140との間に楔着し、アンビル140の遷移部分140fに係合し、アンビル140を近位枢動点「P」を中心として枢動させる。発射アセンブリ130のアンビル140が、非発射締結具144のストックの締結具144xから離れるように枢動するにつれて、アンビル140のヘッド140cの辺縁140gは、アンビル140の締結具形成表面140hが、形成された締結具144xの後部架橋部144aから分離するように、締結具144xから分離する。発射アセンブリ130のプッシャ134は、形成された締結具144xがエンドエフェクタ100から吐出されるように(図11における記号「F5」参照)、形成された締結具144xをアンビル140の辺縁140gを越えて遠位に駆動させ続ける(図11における記号「F4」参照)。特に、形成された締結具144xは、エンドエフェクタ100の本体110内に画定された遠位開口部または締結具退出口150(図2参照)を通して前進され、組織「T」に固着され、形成された締結具144xの後部架橋部144aおよび/または後部架橋部144aの放射線源146は、組織「T」(例えば、罹患組織)と接触関係で配置され、組織「T」を処置する。
【0042】
いったん外科手術用ステープラ100のエンドエフェクタ100が発射され、遠位駆動力が解放される(例えば、アクチュエータ24aが解放される)と、発射アセンブリ130の第1および第2のばね136、138は、発射アセンブリ130のプッシャ134および発射バー132をその発射前または初期位置に向かって近位に付勢する。発射アセンブリ130の発射バー132が近位に移動またはばね付勢されると、発射アセンブリ130のアンビル140は、その初期位置に逆付勢され、ストックばね142は、残りの非発射締結具140を、発射トラック148に向かって、発射アセンブリ130のプッシャ134と位置合わせされるように押動させる。外科手術用ステープラ10のエンドエフェクタ100は、次いで、再発射され、プロセスは、全締結具144が発射されるまで、所望に応じて繰り返されることができる。いくつかの実施形態では、エンドエフェクタ100は、使い捨てであることができる。ある実施形態では、エンドエフェクタ100は、再使用可能および/または高圧蒸気滅菌可能である。いくつかの実施形態では、スリーブ120は、そのタブ122を操作し、付加的締結具144がエンドエフェクタ100の再使用のためにエンドエフェクタ100の中に装填されることを可能にすることによって、除去または調節されてもよい。
【0043】
ここで図12に目を向けると、概して、プッシャ200として示される、プッシャの一実施形態は、エンドエフェクタ100と併用され、より厚い組織「T」に固着してもよい。エンドエフェクタ100のプッシャ200は、その遠位端内に形成される第1および第2の切り欠き202、204を含む。第1および第2の切り欠き202、204は、U形状の構成を有してもよい。プッシャ200の第1および第2の切り欠き202、204は、相互に平行な異なる平面に支持され、締結具高さの増加を可能にする。プッシャ200の第1および第2の切り欠き202、204はまた、相互の反対方向に縦軸「L」から側方にオフセットされる。
【0044】
エンドエフェクタ100のプッシャ200は、エンドエフェクタ100の締結具300の別の実施形態を受容するように構成される。エンドエフェクタ100の締結具300は、対向する第1および第2の端部344b、344cまで延在する、後部架橋部344aを含む。後部架橋部344aは、同位体カプセル等の放射線源146をその上に支持する。後部架橋部344aの第1の端部344bは、第1のアーム346を支持し、後部架橋部344aの第2の端部344cは、第2のアーム348を支持する。第1および第2のアーム346、348は、L形状の構成を有してもよい。後部架橋部344aの第1のアーム346は、交差区画346aと、交差区画346aから延在するエルボ区画346bと、エルボ区画346bから延在する組織係合区画346cとを含む。第2のアーム348は、交差区画348aと、交差区画348aから延在するエルボ区画348bと、エルボ区画348bから延在する組織係合区画348cとを含む。締結具300の第1および第2のアーム346、348の一方または両方は、より大きい組織厚さおよび/または放射線源146の増加体積に適応するために、締結具144の第1および第2のアームより長くてもよい。いくつかの実施形態では、第1のアーム346の交差、エルボ、および組織係合区画346a、346b、346cのうちの1つまたはそれを上回るものは、第2のアーム348の対応する交差、エルボ、および組織係合区画348a、348b、348cより長い、または逆であってもよい。
【0045】
本開示の実施形態のいずれも、単一または多重発射のために構成されることができる。前述のように、エンドエフェクタ100は、例えば、使い捨てカートリッジであることができる、または再使用可能/高圧蒸気滅菌可能であってもよく、外科手術用ステープラ10から選択的に除去可能またはそこに再取り付け可能であってもよい。
【0046】
本開示の締結具、エンドエフェクタ、および/または外科手術用ステープラのいずれも、放射線源から発出する放射線に対して保護するように構成される、1つまたはそれを上回る隔離/保護された容器(図示せず)内で出荷および/または保管されてもよい。
【0047】
理解され得るように、本開示のデバイスの構成要素のうちのいずれかの固着は、溶接、圧着、糊着、締結等の公知の締結技法を使用してもたらされることができる。
【0048】
本明細書に開示される種々の実施形態はまた、ロボット外科手術用システムと協働するように構成されてもよく、これは、一般に、「遠隔外科手術」と称される。そのようなシステムは、種々のロボット要素を採用し、外科医を補助し、外科手術用器具類の遠隔動作
(または部分的遠隔動作)を可能にする。種々のロボットアーム、ギヤ、カム、プーリ、電気および機械的モータ等が、本目的のために採用されてもよく、手術または処置の過程の間、臨床医を補助するように、ロボット外科手術用システムとともに設計されてもよい。そのようなロボットシステムは、遠隔操向可能システム、自動フレキシブル外科手術用システム、遠隔フレキシブル外科手術用システム、遠隔関節運動外科手術用システム、ワイヤレス外科手術用システム、モジュール式または選択的に構成可能な遠隔で動作される外科手術用システム等を含んでもよい。
【0049】
ロボット外科手術用システムは、手術室に隣接する、または遠隔場所に位置する、1つまたはそれを上回るコンソールとともに採用されてもよい。本事例では、臨床医の1チームが、外科手術のために患者を準備し、ロボット外科手術用システムを本明細書に開示される器具のうちの1つまたはそれを上回るもので構成し得る一方、別の臨床医(または臨床医群)は、ロボット外科手術用システムを介して、器具を遠隔で制御する。理解され得るように、高度な技術を持つ臨床医は、その遠隔コンソールから離れずに、複数の場所における複数の動作を行い得、これは、患者または患者群に経済的に有利かつ有益であり得る。
【0050】
外科手術用システムのロボットアームは、典型的には、コントローラによって、一対のマスタハンドルに結合される。ハンドルは、臨床医によって移動され、本明細書に説明される実施形態のうちの1つまたはそれを上回るものの使用を補完し得る、任意のタイプの外科手術用器具(例えば、エンドエフェクタ、把持装置、メス、剪刀等)の作業端の対応する移動をもたらすことができる。マスタハンドルの移動は、作業端が、臨床医の操作を行う手によって行われる移動と異なる、それより小さい、またはより大きい、対応する移動を有するようにスケーリングされてもよい。スケーリング係数またはギヤ比は、オペレータが外科手術用器具の作業端の分解能を制御し得るように調節可能であってもよい。
【0051】
マスタハンドルは、種々のセンサを含み、種々の組織パラメータまたは状態、例えば、操作、切断、または別様に処置することに起因する組織抵抗、組織上への器具による圧力、組織温度、組織インピーダンス等に関連するフィードバックを外科医に提供してもよい。理解され得るように、そのようなセンサは、臨床医に、実際の動作状態をシミュレートする向上された触覚フィードバックを提供する。マスタハンドルはまた、繊細な組織操作または処置のための種々の異なるアクチュエータを含み、実際の動作状態を模倣する臨床医の能力をさらに向上させてもよい。
【0052】
図13を参照すると、医療ワークステーションが、概して、ワークステーション1000として示され、概して、複数のロボットアーム1002、1003と、制御デバイス1004と、制御デバイス1004と結合されるオペレーティングコンソール1005とを含んでもよい。オペレーティングコンソール1005は、特に、3次元画像を表示するように設定され得る、ディスプレイデバイス1006と、人(図示せず)、例えば、臨床医が、ロボットアーム1002、1003を第1のオペレーティングモードで遠隔操作可能にし得る、手動入力デバイス1007、1008とを含んでもよい。
【0053】
ロボットアーム1002、1003はそれぞれ、以下により詳細に説明されるように、本明細書に開示されるいくつかの実施形態のいずれか1つに従って、ジョイントを通して接続される複数の部材と、取り付けられ得る取付デバイス1009、1011、例えば、エンドエフェクタ1100(例えば、一対のジョー部材)を支持する外科手術用ツール「ST」とを含んでもよい。
【0054】
ロボットアーム1002、1003は、制御デバイス1004に接続される電気駆動部
(図示せず)によって駆動されてもよい。制御デバイス1004(例えば、コンピュータ)は、ロボットアーム1002、1003、その取付デバイス1009、1011、したがって、外科手術用ツール(エンドエフェクタ1100を含む)が、手動入力デバイス1007、1008を用いて画定された移動に従って、所望の移動を実行するように、特に、コンピュータプログラムを用いて、駆動部をアクティブ化するように設定されてもよい。制御デバイス1004はまた、ロボットアーム1002、1003および/または駆動部の移動を調整するように設定されてもよい。
【0055】
医療ワークステーション1000は、エンドエフェクタ1100を用いて低侵襲性様式で処置されるべき、患者台1012に横たわる患者「P」上での使用のために構成されてもよい。医療ワークステーション1000はまた、2つを上回るロボットアーム1002、1003、同様に制御デバイス1004に接続されてオペレーティングコンソール1005を用いて遠隔操作可能である付加的ロボットアームを含んでもよい。本開示の外科手術用システム等の外科手術用システムはまた、付加的ロボットアームに取り付けられてもよい。医療用ワークステーション1000は、制御デバイス1004と結合されるデータベース1014を含んでもよい。いくつかの実施形態では、「P」である患者/生物からの術前データおよび/または解剖組織図が、データベース1014内に記憶されてもよい。
【0056】
当業者は、本明細書に具体的に説明され、付随の図に図示される構造および方法が、非限定的例示的実施形態であって、説明、開示、および図が、単に、特定の実施形態の実施例として解釈されるべきであることを理解するであろう。したがって、本開示は、説明された通りの実施形態に限定されず、種々の他の変更および修正が、本開示の範囲または精神から逸脱することなく、当業者によってもたらされ得ることを理解されたい。加えて、ある実施形態に関連して図示および説明される要素および特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく、ある他の実施形態の要素および特徴と組み合わせられてもよく、そのような修正および変形例もまた、本開示の範囲内に含まれる。故に、本開示の主題は、特に図示および説明されるものによって限定されない。
図1
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図13