(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施の形態および図面において、同じ要素および対応する要素には同じ符号を付している。同じ符号が付された要素の説明は適宜に省略または簡略化する。図中の矢印はデータの流れ又は処理の流れを主に示している。
【0015】
実施の形態1.
地図配信システム100について、
図1から
図15に基づいて説明する。
【0016】
***構成の説明***
図1に基づいて、地図配信システム100の構成を説明する。
地図配信システム100は、地図サーバ装置200を備える。
地図サーバ装置200は、ネットワーク101を介して、地図データを車載端末120に配信する。具体的なネットワーク101はインターネットである。
具体的には、標準地図データおよび地域地図データが配信される。標準地図データおよび地域地図データは、ダイナミックマップの静的情報に相当し、自動運転に使用される。
標準地図データおよび地域地図データの詳細については後述する。
【0017】
車載端末120は、車両110に搭載されたコンピュータである。
具体的には、車両110は自動運転車両であり、車載端末120は自動運転装置である。
【0018】
図2に基づいて、地図サーバ装置200の構成を説明する。
地図サーバ装置200は、プロセッサ201とメモリ202と補助記憶装置203と通信装置204と入出力インタフェース205といったハードウェアを備えるコンピュータである。これらのハードウェアは、信号線を介して互いに接続されている。
【0019】
プロセッサ201は、演算処理を行うIC(Integrated Circuit)であり、他のハードウェアを制御する。例えば、プロセッサ201は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、またはGPU(Graphics Processing Unit)である。
メモリ202は揮発性の記憶装置である。メモリ202は、主記憶装置またはメインメモリとも呼ばれる。例えば、メモリ202はRAM(Random Access Memory)である。メモリ202に記憶されたデータは必要に応じて補助記憶装置203に保存される。
補助記憶装置203は不揮発性の記憶装置である。例えば、補助記憶装置203は、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、またはフラッシュメモリである。補助記憶装置203に記憶されたデータは必要に応じてメモリ202にロードされる。
通信装置204は、レシーバ及びトランスミッタである。例えば、通信装置204は、通信チップまたはNIC(Network Interface Card)である。
入出力インタフェース205は、入出力装置が接続されるポートである。例えば、入出力インタフェース205はUSB端子である。USBはUniversal Serial Busの略称である。
【0020】
地図サーバ装置200は、地域地図取得部210と地域地図管理部211と制御部212と抽出部213と配信部214といった要素を備える。これらの要素はソフトウェアで実現される。
【0021】
補助記憶装置903には、地域地図取得部210と地域地図管理部211と制御部212と抽出部213と配信部214と標準地図記憶部221と地域地図記憶部222と通信部223と受付部224としてコンピュータを機能させるための地図サーバプログラムが記憶されている。地図サーバプログラムは、メモリ202にロードされて、プロセッサ201によって実行される。
さらに、補助記憶装置203にはOS(Operating System)が記憶されている。OSの少なくとも一部は、メモリ202にロードされて、プロセッサ201によって実行される。
つまり、プロセッサ201は、OSを実行しながら、地図サーバプログラムを実行する。
地図サーバプログラムを実行して得られるデータは、メモリ202、補助記憶装置203、プロセッサ201内のレジスタまたはプロセッサ201内のキャッシュメモリといった記憶装置に記憶される。
【0022】
補助記憶装置203は、標準地図記憶部221と地域地図記憶部222として機能する。但し、他の記憶装置が、補助記憶装置203の代わりに、又は、メモリ202と共に、標準地図記憶部221と地域地図記憶部222として機能してもよい。
通信装置204は、通信部223として機能する。
入出力インタフェース205は、受付部224として機能する。
【0023】
地図サーバ装置200は、プロセッサ201を代替する複数のプロセッサを備えてもよい。複数のプロセッサは、プロセッサ201の役割を分担する。
【0024】
地図サーバプログラムは、光ディスクまたはフラッシュメモリ等の不揮発性の記録媒体にコンピュータで読み取り可能に記録(格納)することができる。
【0025】
図3に基づいて、車載端末120の構成を説明する。
車載端末120は、プロセッサ1201とメモリ1202と補助記憶装置1203と通信装置1204といったハードウェアを備えるコンピュータである。これらのハードウェアは、信号線を介して互いに接続されている。
【0026】
プロセッサ1201は、演算処理を行うICであり、他のハードウェアを制御する。例えば、プロセッサ1201は、CPU、DSP、またはGPUである。
メモリ1202は揮発性の記憶装置である。メモリ1202は、主記憶装置またはメインメモリとも呼ばれる。例えば、メモリ1202はRAMである。メモリ1202に記憶されたデータは必要に応じて補助記憶装置1203に保存される。
補助記憶装置1203は不揮発性の記憶装置である。例えば、補助記憶装置1203は、ROM、HDD、またはフラッシュメモリである。補助記憶装置1203に記憶されたデータは必要に応じてメモリ1202にロードされる。
通信装置1204はレシーバ及びトランスミッタである。例えば、通信装置1204は通信チップまたはNICである。
入出力インタフェース1205は、入出力装置が接続されるポートである。例えば、入出力インタフェース1205はUSB端子である。
【0027】
車載端末120は、制御部1211と自動運転部1212といった要素を備える。これらの要素はソフトウェアで実現される。
【0028】
補助記憶装置1203には、制御部1211と自動運転部1212と記憶部1221と通信部1222と受付部1223としてコンピュータを機能させるための車載プログラムが記憶されている。車載プログラムは、メモリ1202にロードされて、プロセッサ1201によって実行される。
さらに、補助記憶装置1203にはOSが記憶されている。OSの少なくとも一部は、メモリ1202にロードされて、プロセッサ1201によって実行される。
つまり、プロセッサ1201は、OSを実行しながら、車載プログラムを実行する。
車載プログラムを実行して得られるデータは、メモリ1202、補助記憶装置1203、プロセッサ1201内のレジスタまたはプロセッサ1201内のキャッシュメモリといった記憶装置に記憶される。
【0029】
補助記憶装置1203は記憶部1221として機能する。但し、他の記憶装置が、補助記憶装置1203の代わりに、又は、補助記憶装置1203と共に、記憶部1221として機能してもよい。
通信装置1204は通信部1222として機能する。
入出力インタフェース1205は受付部1223として機能する。
【0030】
車載端末120は、プロセッサ1201を代替する複数のプロセッサを備えてもよい。複数のプロセッサは、プロセッサ1201の役割を分担する。
【0031】
車載プログラムは、光ディスクまたはフラッシュメモリ等の不揮発性の記録媒体にコンピュータで読み取り可能に記録(格納)することができる。
【0032】
図4に基づいて、標準地図データを説明する。
標準地図データは、標準地
図310のデータである。
標準地
図310はメッシュで区切られている。各メッシュのデータを標準区域データという。つまり、標準地図データは複数の標準区域データから成る。
【0033】
標準地
図310は、標準道路311を表す地図である。
標準道路311は、地域(301A、301B)を繋ぐ道路である。
具体的には、標準道路311は高速道路である。また、地域(301A、301B)は、都道府県または市区町村である。
【0034】
標準道路311は、モービルマッピングシステム(MMS)によって予め計測されている。
標準地図データは、標準地図記憶部221に予め記憶される。また、標準地図データは、車載端末120に予め配信され、記憶部1221に記憶される。
【0035】
図5に基づいて、地域地図データを説明する。
地域地図データは、地域地図(320A、320B)のデータである。
地域地図(320A、320B)はメッシュで区切られている。各メッシュのデータを地域区域データという。つまり、地域地図データは複数の地域区域データから成る。
【0036】
地域地図(320A、320B)は、地域道路(321A、321B)を表す地図である。
地域道路(321A、321B)は、地域(301A、301B)に存在する道路のうち、モービルマッピングシステムによって計測された道路である。
具体的には、地域道路(321A、321B)は、一般道路および地域有料道路である。
【0037】
地域地図データは地域毎に生成される。そして、地域地図データは、地域地図記憶部222に地域毎に記憶される。
モービルマッピングシステムによって新たな地域が計測された場合、地域地図データが地域地図記憶部222に追加される。
【0038】
地域区域データは区域毎に生成される。そして、地域区域データは、地域地図記憶部222に区域毎に記憶される。
モービルマッピングシステムによって新たな区域が計測された場合、地域区域データが地域地図データに追加される。
【0039】
図6に基づいて、出発地域330および目的地域340を説明する。
出発地域330は、出発地331を含んだ地域である。
出発地331は、車両110が出発する場所である。例えば、出発地331は自宅である。
【0040】
目的地域340は、目的地341を含んだ地域である。
目的地341は、車両110が目指す場所である。例えば、目的地341は観光地または宿泊施設である。
【0041】
図7に基づいて、出発地道路332を説明する。
出発地道路332は、出発地域330の地域道路の一部である。
具体的には、出発地道路332は、出発地331から入口312までの経路に含まれる部分である。
【0042】
入口312は、出発地域330における標準道路311の入口である。
【0043】
開始地点333は、地域道路の開始地点である。例えば、開始地点333は駅である。
出発地331から開始地点333までの道路は、モービルマッピングシステムによって計測されていない。
【0044】
図8に基づいて、目的地道路342を説明する。
目的地道路342は、目的地域340の地域道路の一部である。
具体的には、目的地道路342は、出口313から目的地341までの経路に含まれる部分である。
【0045】
出口313は、目的地域340における標準道路311の出口である。
【0046】
勧誘地343は、地域振興または観光促進のために車両110を誘導したい場所である。例えば、勧誘地343は観光地である。
【0047】
勧誘地道路344は、目的地域340の地域道路の一部である。
具体的には、勧誘地道路344は、目的地道路342の途中から勧誘地343までの部分である。
【0048】
***動作の説明***
図9に基づいて、地図管理方法を説明する。
地図管理方法は、地域地図データを管理する方法である。
【0049】
ステップS101において、地域地図取得部210は、地域毎に地域地図データを取得する。
【0050】
例えば、ステップS101は以下のような手順で行われる。
まず、モービルマッピングシステムの計測車両が、地域内の道路を計測する。
次に、管理者は、計測車両によって得られた各種の計測データを地図サーバ装置200に入力する。受付部224は、入力された各種の計測データを受け付ける。
次に、地域地図取得部210は、各種の計測データに基づいて3次元道路データを生成する。3次元道路データは、道路の位置および形状を表す3次元点群データである。
そして、地域地図取得部210は、3次元道路データに基づいて地域地図データを生成する。
【0051】
ステップS102において、地域地図管理部211は、各地域の地域地図データが取得される毎に、取得された地域地図データを記憶するための記憶領域を記憶装置(具体的には補助記憶装置203)に確保する。
そして、地域地図管理部211は、確保した記憶領域を地域地図記憶部222に割り当てる。つまり、地域地図管理部211は、確保した記憶領域を地域地図記憶部222に追加する。地域地図記憶部222に追加された記憶領域を追加領域という。
【0052】
ステップS103において、地域地図記憶部222は、各地域の地域地図データが取得される毎に、取得された地域地図データを記憶する。
具体的には、地域地図記憶部222は、取得された地域地図データを追加領域に記憶する。
【0053】
ステップS101からステップS103の説明において、地域地図データは地域区域データに置き換えてもよい。
【0054】
図10に基づいて、地図配信方法を説明する。
地図配信方法は、必要な地域地図データを配信する方法である。
地図配信方法の手順は地図配信プログラム(地図サーバプログラムの一例)の手順に相当する。
【0055】
ステップS111において、通信部223は配信要求を受信する。
配信要求は、出発地331と目的地341と勧誘地343とを示すデータである。配信要求は2つ以上のデータであってもよい。
具体的には、車載端末120の通信部1222が配信要求を送信する。そして、地図サーバ装置200の通信部223は配信要求を受信する。
【0056】
ステップS112において、抽出部213は、配信要求に基づいて、各道路データを抽出する。
【0057】
抽出部213は、以下のように出発地道路データを抽出する。出発地道路データは出発地道路332を表すデータである。具体的には、出発地道路データは、出発地道路332の少なくとも一部を含む区域の地域区域データである。
まず、抽出部213は、地域地図記憶部222から、出発地域330の地域地図データを選択する。
次に、抽出部213は、出発地域330の地域地図データに基づいて、出発地道路332を決定する。
そして、抽出部213は、出発地域330の地域地図データから、出発地道路データを抽出する。
【0058】
抽出部213は、以下のように目的地道路データを抽出する。目的地道路データは目的地道路342を表すデータである。具体的には、目的地道路データは、目的地道路342の少なくとも一部を含む区域の地域区域データである。
まず、抽出部213は、地域地図記憶部222から、目的地域340の地域地図データを選択する。
次に、抽出部213は、目的地域340の地域地図データに基づいて、目的地道路342を決定する。
そして、抽出部213は、目的地域340の地域地図データから、目的地道路データを抽出する。
【0059】
抽出部213は、以下のように勧誘地道路データを抽出する。勧誘地道路データは勧誘地道路344を表すデータである。具体的には、勧誘地道路データは、勧誘地道路344の少なくとも一部を含む区域の地域区域データである。
まず、抽出部213は、地域地図記憶部222から、目的地域340の地域地図データを選択する。
次に、抽出部213は、目的地域340の地域地図データに基づいて、勧誘地道路344を決定する。
そして、抽出部213は、目的地域340の地域地図データから、勧誘地道路データを抽出する。
【0060】
ステップS113において、配信部214は、各道路データを要求元へ配信する。
具体的には、配信部214は、出発地道路データと目的地道路データと勧誘地道路データとを通信装置204を介して車載端末120へ送信する。
【0061】
図11および
図12に基づいて、地図配信方法の具体例を説明する。
ステップS201(
図11参照)において、車載端末120の受付部1223は開始指示を受け付ける。
開始指示は、地図配信サービスを開始させるための指示である。
【0062】
例えば、制御部1211は、カーナビゲーションシステムのディスプレイに開始ボタンを表示する。利用者は、カーナビゲーションシステムを操作することによって、開始ボタンを押下する。そして、受付部1223は、開始ボタンの押下を検出する。
【0063】
ステップS202において、車載端末120の通信部1222は、地域要求を地図配信システム100へ送信する。
地域要求は、地図配信サービスの対象となる地域を知るための要求である。
【0064】
ステップS203において、地図サーバ装置200の通信部223は、地域要求を受信する。
地域要求が受信された場合、制御部212は、地域一覧を含んだ地域応答を生成する。そして、制御部212は、通信部223を介して、地域応答を車載端末120へ送信する。
地域一覧は、地域地図記憶部222に記憶されている。
【0065】
ステップS204において、車載端末120の通信部1222は地域応答を受信する。
次に、制御部1211は、地域応答から地域一覧を取得し、地域一覧をディスプレイに表示する。
そして、受付部1223は、地域一覧から選択された目的地域340を受け付ける。
【0066】
図13に、地域一覧画面401を示す。
地域一覧画面401は、地域一覧を示す画面である。
例えば、制御部1211は、カーナビゲーションシステムのディスプレイに地域一覧画面401を表示させる。利用者は、カーナビゲーションシステムを操作することによって、目的地域340を選択する。そして、受付部1223は、選択された目的地域340を受け付ける。
【0067】
図11に戻り、ステップS205から説明を続ける。
ステップS205において、車載端末120の通信部1222は、目的地域340の名称を含んだ候補地要求を地図サーバ装置200へ送信する。
【0068】
ステップS206において、地図サーバ装置200の通信部223は、候補地要求を受信する。
候補地要求が受信された場合、制御部212は、目的地域340の候補地一覧を含んだ候補地応答を生成する。そして、制御部212は、通信部223を介して、候補地応答を車載端末120へ送信する。
候補地一覧は、目的地の候補の一覧である。
各地域の候補地一覧は、地域地図記憶部222に記憶されている。
【0069】
ステップS207において、車載端末120の通信部1222は候補地応答を受信する。
次に、制御部1211は、候補地応答から候補地一覧を取得し、候補地一覧をディスプレイに表示する。
そして、受付部1223は、候補地一覧から選択された目的地341を受け付ける。
【0070】
図14に、候補地一覧画面402を示す。
候補地一覧画面402は、候補地一覧を示す画面である。
例えば、制御部1211は、カーナビゲーションシステムのディスプレイに候補地一覧画面402を表示させる。利用者は、カーナビゲーションシステムを操作することによって、目的地341を選択する。そして、受付部1223は、選択された目的地341を受け付ける。
【0071】
図11に戻り、ステップS208から説明を続ける。
ステップS208において、車載端末120の通信部1222は、経路通知(配信要求の一例)を地図サーバ装置200へ送信する。
経路通知は、出発地331と目的地341といった経路情報を示す。出発地331は、カーナビゲーションシステムから得られる。経路情報は、出発地331から目的地341までの移動経路を示す情報であってもよい。移動経路は、カーナビゲーションシステムから得られる。
【0072】
ステップS209において、地図サーバ装置200の通信部223は、経路通知を受信する。
経路通知が受信された場合、制御部212は、経路通知から経路情報を取得し、経路情報をメモリ202に登録する。具体的には、制御部212は、車載端末120の識別子に対応付けて経路情報をメモリ202(情報記憶部)に記憶する。
【0073】
ステップS210において、制御部212は、通信部223を介して、登録通知を車載端末120へ送信する。
そして、車載端末120の通信部1222は登録通知を受信する。
【0074】
ステップS211において、制御部212は、目的地341に基づいて、目的地域340の地域地図データから、1つ以上の勧誘地343を選択する。具体的には、制御部212は、目的地341の周辺に存在する勧誘地343を選択する。
次に、制御部212は、勧誘地一覧を含んだ勧誘要求を生成する。勧誘地一覧は、選択された勧誘地343を示す。
そして、制御部212は、通信部223を介して、勧誘要求を車載端末120へ送信する。
【0075】
ステップS212において、車載端末120の通信部1222は勧誘要求を受信する。 次に、制御部1211は、勧誘要求から勧誘地一覧を取得し、勧誘地一覧をディスプレイに表示する。
そして、受付部1223は、勧誘地一覧から選択された勧誘地343を受け付ける。受け付けられる勧誘地343を立寄り地という。
【0076】
図15に、勧誘地一覧画面403を示す。
勧誘地一覧画面403は、勧誘地一覧を示す画面である。
例えば、制御部1211は、カーナビゲーションシステムのディスプレイに勧誘地一覧画面403を表示させる。利用者は、カーナビゲーションシステムを操作することによって、勧誘地一覧から勧誘地343(立寄り地)を選択する。そして、受付部1223は、選択された勧誘地343(立寄り地)を受け付ける。
【0077】
図11に戻り、ステップS213から説明を続ける。
ステップS213において、車載端末120の通信部1222は、立寄り地の名称を含んだ勧誘応答(配信要求の一例)を地図サーバ装置200へ送信する。
【0078】
ステップS214において、地図サーバ装置200の通信部223は、勧誘応答を受信する。
勧誘応答が受信された場合、制御部212は、勧誘応答から立寄り地の名称を取得する。そして、制御部212は、車載端末120の識別子に対応付けられた経路情報に立寄り地の名称を追加する。
【0079】
ステップS221において、抽出部213は、経路情報に基づいて区域順序を決定する。経路情報は、出発地331と目的地341と立寄り地(勧誘地343)とを示す。
区域順序は、走行区域の順序である。
走行区域は、車両110が走行する区域(標準区域および地域区域)である。
【0080】
具体的には、抽出部213は区域順序を以下のように決定する。
まず、抽出部213は、地域地図記憶部222から出発地域330の地域地図データを選択し、出発地域330の地域地図データに基づいて出発地道路332を決定する。
次に、抽出部213は、入口312から出口313までの標準道路311を標準地図データに基づいて決定する。
次に、抽出部213は、地域地図記憶部222から目的地域340の地域地図データを選択し、目的地域340の地域地図データに基づいて目的地道路342と勧誘地道路344とを決定する。
そして、抽出部213は、出発地道路332と標準道路311と目的地道路342と勧誘地道路344とに基づいて、走行区域と区域順序とを決定する。
【0081】
ステップS222において、制御部212は、通信部223を介して、バージョン要求を車載端末120へ送信する。
バージョン要求は、走行区域に該当する標準区域毎に区域識別子を含む。
【0082】
ステップS223において、車載端末120の通信部1222はバージョン要求を受信する。
次に、制御部1211は、バージョン要求に含まれる区域識別子毎に端末側の標準地図データから標準区域データを選択し、選択した標準区域データからバージョン番号を取得する。端末側の標準地図データは、記憶部1221に記憶されている標準地図データである。
そして、制御部1211は、通信部1222介して、バージョン応答を地図サーバ装置200へ送信する。
バージョン応答は、走行区域に該当する標準区域毎に区域情報を含む。
区域情報は、区域識別子とバージョン番号とを含む。
【0083】
ステップS224において、地図サーバ装置200の通信部223は、バージョン応答を受信する。
バージョン応答が受信された場合、制御部212は、バージョン応答に含まれる区域情報毎に、端末側バージョン番号が有効なバージョン番号であるか確認する。端末側バージョン番号は、区域情報に含まれるバージョン番号である。有効なバージョン番号は、自動運転のための使用が許可される標準区域データのバージョン番号である。例えば、最新のバージョン番号は有効なバージョン番号である。
具体的には、制御部212は、端末側バージョン番号をバージョン一覧と比較する。バージョン一覧は有効なバージョン番号を示す。端末側バージョン番号がバージョン一覧に含まれない場合、端末側バージョン番号は無効なバージョン番号である。
【0084】
ステップS225およびステップS226は、少なくともいずれかの端末側バージョン番号が無効なバージョン番号である場合に実行される。
【0085】
ステップS225において、地図サーバ装置200の抽出部213は、無効な端末バージョン毎に、以下の処理を行う。
まず、抽出部213は、無効な端末バージョン番号が含まれる区域情報から区域識別子を取得する。
そして、抽出部213は、取得した区域識別子で識別される区域の標準区域データを標準地図データから抽出する。
【0086】
地図サーバ装置200の配信部214は、通信部223を介して、更新データを車載端末120へ送信する。
更新データは、抽出された標準区域データ毎に更新情報を含む。
更新情報は、標準区域データと区域識別子とを含む。
【0087】
ステップS226において、車載端末120の通信部1222は更新データを受信する。
そして、制御部1211は、更新データに含まれる更新情報毎に、端末側の標準区域データの更新を行う。
具体的には、制御部1211は、更新情報に含まれる区域識別子で識別される端末側の標準区域データ(無効な標準区域データ)を、更新情報に含まれる標準区域データ(有効な標準区域データ)で更新する。
【0088】
ステップS231において、地図サーバ装置200の抽出部213は、区域順序に基づいて、配信順序を決定する。
配信順序は、区域順序における地域区域の順序である。
【0089】
ステップS232からステップS234は、配信順序に含まれる地域区域毎に実行される。
【0090】
ステップS232において、地図サーバ装置200の抽出部213は、配信順序に従って地域区域を1つ選択し、選択した地域区域について地域地図データから地域区域データ(出発地道路データ、目的地道路データまたは勧誘地道路データの一例)を抽出する。
そして、地図サーバ装置200の配信部214は、抽出された地域区域データを車載端末120へ送信する。
【0091】
ステップS233において、車載端末120の通信部1222は地域区域データを受信する。
そして、記憶部1221は、受信された地域区域データを記憶する。
【0092】
車両110が標準道路311を走行している場合、自動運転部1212は、標準区域データに基づいて車両110の自動運転を行う。
車両110が出発地道路332、目的地道路342または勧誘地道路344を走行している場合、自動運転部1212は、地域区域データに基づいて車両110の自動運転を行う。
【0093】
ステップS234において、車載端末120の通信部1222は、受信通知を地図サーバ装置200へ送信する。
地図サーバ装置200の通信部223は、受信通知を受信する。
【0094】
ステップS235は、配信順序に含まれる全ての地域区域について地域区域データが配信された後に実行される。
【0095】
ステップS235において、地図サーバ装置200の制御部212は、車載端末120の識別子に対応付けられた経路情報をメモリ202から削除する。
【0096】
***実施の形態1の効果***
標準地図データと地域地図データとは互いに異なる領域(標準地図記憶部221と地域地図記憶部222)に記憶される
さらに、地域地図記憶部222は、地域地図データを記憶するための領域を地域毎に確保する。
したがって、全地域の地域地図データを記憶するための領域を予め確保する必要が無い。これにより、地図サーバ装置200の記憶領域を節約することができる。
【0097】
地域地図データは地域区域データ毎に配信される。これにより、不要な地域区域データの配信を防ぐことができる。そして、車載端末120の記憶領域を節約することができる。
【0098】
地図サーバ装置200は勧誘地道路データを配信する。そのため、車両110は、勧誘地343まで自動運転で走行することができる。これにより、勧誘地343へ移動が楽になるため、勧誘地343に立ち寄る人が増加する。その結果、地域が活性化される。
つまり、モービルマッピングシステムによって計測された道路が増えれば増えるほど、地域の活性化に繋がる。そのため、各自治体が自主的に道路計測を行うことが期待される。その結果、より多くの道路で計測が行われ、より多くの道路で自動運転が可能となる。
【0099】
***他の構成***
配信単位は地域区域データでなくてもよい。つまり、地域地図データは地域区域データ毎に配信されなくてもよい。
例えば、配信単位は地域区域データの構成要素(リンクおよびノードなど)であってもよい。つまり、地域地図データは分割された構成要素毎に配信されてもよい。
【0100】
地図関連システムが存在してもよい。
地図関連システムは、地図サーバ装置200と車載端末120との間で地図データを中継する。地図データは、地図関連システムを経由して配信される。
例えば、地図関連システムは、地図会社、車会社またはナビゲーションシステム会社などが利用するシステムである。
【0101】
地域要求、候補地要求または配信要求は、車載端末120ではなく、スマートフォンまたはタブレット型コンピュータなどの利用者端末によって送信されてもよい。
【0102】
車載端末120には目的地341に対応した地図データ(目的地道路データ)が記憶されている場合が有る。
そこで、車載端末120は、目的地道路データを記憶していない場合にだけ目的地道路データの配信を要求してもよい。
また、地図サーバ装置200は、要求された目的地道路データを存在しない場合、配信できない旨を車載端末120に通知してもよい。
【0103】
***実施の形態の補足***
実施の形態は、好ましい形態の例示であり、本発明の技術的範囲を制限することを意図するものではない。実施の形態は、部分的に実施してもよいし、他の形態と組み合わせて実施してもよい。フローチャート等を用いて説明した手順は、適宜に変更してもよい。