(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
2015年度から高速道路を対象にしてダイナミックマップの開発および整備が進められている。
ダイナミックマップは、動的情報、准動的情報、准静的情報および静的情報を含んだ高精度3次元地図である。
ダイナミックマップの静的情報は、道路の車線を数センチメートルから数十センチメートルの精度で識別する。
【0003】
ダイナミックマップに対応した自動車は、自動運転が可能である。
その自動車には、カメラおよびレーダ等のセンサが搭載される。そして、各センサによって得られた情報が、ダイナミックマップから得られる情報(車線および道路地物などの情報)と比較される。これにより、自動車の正確な位置を認識することが可能となる。その結果、自動運転制御の性能が向上する。
【0004】
特許文献1は、ダイナミックマップを用いた自動運転制御の形態を示している。
今後の自動運転車の普及に備えて、一般道を対象にしたダイナミックマップの開発および整備が必要とされている。
【0005】
特許文献2は、ダイナミックマップの整備の形態を示している。
モービルマッピングシステム(MMS)では、計測車両により道路の3次元点群情報が収集され、3次元点群情報から道路および地物の線形化データが得られる。そして、得られた線形化データを元に、ダイナミックマップが生成される。生成されたダイナミックマップは、地図会社および自動車会社に配信される。
ダイナミックマップの整備を進めるためには、計測車両により長距離を走行する必要がある。
【0006】
特許文献3に係る発明は、誘導経路の一部で高精度の地図データが備わっていないときに誘導経路に自動運転できない部分が存在する旨を報知するものである。
特許文献3に係る発明の目的は、高精度の地図データが整備されているエリアと高精度の地図データが整備されていないエリアとが混在する状況で生じる運転者の違和感が解消することである。
このような違和感は、一般道を対象にしたダイナミックマップの整備が進めば、解消される。
【0007】
特許文献4は、地図表示用のデータの部分的な更新作業を効率化するための技術を開示している。
ダイナミックマップの普及を促進するためには、ダイナミックマップの更新作業を簡略化することが必要となる。
【0008】
特許文献5は、経路探索時の案内情報表示における利用者の利便性の向上を図るための方法を開示している。具体的には、経路とともに注目地域を案内する案内情報が表示される。これにより、利用者は、経路上に存在しない注目地域へ立ち寄る等、出発地から目的地までの移動時の行動を種々選択できる。
利用者の利便性の向上は、ダイナミックマップの整備にも必要とされる。
【0009】
特許文献6は、計測車両によって得られた計測データに基づいて、道路および道路周辺を表す点群画像を表示する方法を開示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
実施の形態1.
***構成の説明***
実施の形態1の地図個別登録システム100について、
図1から
図9を参照して説明する。
図1は、地図個別登録システム100のシステム構成図である。地図個別登録システム100は、計測車両110Aと、地図サーバ装置200とを備える地図生成システムでもある。
自治体900は、計測車両110A、地域送迎車両110B及び自治体サーバ装置400を保有している。計測車両110Aはモービルマッピングシステム(MMS)の計測車両である。地域送迎車両110Bは自動運転が可能な自動運転車である。地域送迎車両110Bはマニアル運転も可能である。計測車両110Aは車載装置300Aを搭載しており、地域送迎車両110Bは車載装置300Bを搭載している。
【0017】
地図サーバ装置200、車載装置300A、車載装置300B、自治体サーバ装置400及び利用者端末装置500は互いにネットワーク101を介して通信を行う。具体的なネットワーク101はインターネットである。
【0018】
計測車両110Aは、「予定経路」の少なくとも一部に地域送迎車両110Bの自動運転に必要な地図データである自動運転地図データが存在しない未整備経路がある場合に、未整備経路を計測することによって計測データを取得する。自動運転地図データはダイナミックマップの静的情報に相当する。
ここで「予定経路」とは、自動運転車である地域送迎車両110Bが走行を予定する経路であって、指定された出発地と指定された目的地とを含む経路である。
地図サーバ装置200は、計測車両110Aによって取得された計測データに基づいて未整備経路の自動運転地図データを生成し、生成された自動運転地図データを地域送迎車両110Bに送信する。
【0019】
計測車両110Aは、道路を計測する機能を備えた車両である。計測車両110Aは、道路計測用の各種センサを備えている。計測車両110Aは、モービルマッピングシステム(MMS)における計測車両である。
【0020】
図2は、計測車両110Aの構成を示す。
図2を参照して計測車両110Aの構成例を説明する。計測車両110Aは天板119を備えている。天板119は、車体の屋根に設けられている。また、計測車両110Aはオドメータ114を備えている。
【0021】
天板119には、各種のセンサが取り付けられている。具体的には、測位補強信号受信機111と、測位信号受信機112と、慣性計測装置113と、レーザスキャナ115とが天板119に取り付けられている。
【0022】
測位補強信号受信機111は、GNSS衛星または地上の無線LANまたは携帯電話回線から、測位補強データを受信する。GNSSは、Global Navigation Satellite Systemの略称である。測位補強データは、センチメートル級の精度を有し、計測車両110Aの位置を高精度に測位するために用いられる。測位補強データは、GNSS衛星から配信される。または、測位補強データは、GNSS補正情報配信サービス事業者から携帯電話網を介して配信される。準天頂衛星であるGNSS衛星が測位補強データを配信する場合、測位補強データは、L6帯の信号に含まれ、GPS衛星の衛星時計の誤差、GPS衛星の軌道誤差、周波数間バイアス、電離層伝搬遅延の誤差および対流圏遅延の誤差を示す。GPSは、Global Positioning Systemの略称である。
【0023】
測位信号受信機112は、測位衛星から送信される測位信号を受信し、測位信号の受信結果を用いて計測車両110Aの位置を測位する。測位によって得られるデータを測位データという。測位衛星の一例はGPS衛星である。測位データは、測位信号受信機112によって測位された計測車両110Aの位置を示す。
【0024】
慣性計測装置113は、ジャイロと加速度センサとを備える。ジャイロは、計測車両110Aの3軸方向の角度および角速度を計測する。加速度センサは、計測車両110Aの3軸方向の加速度を計測する。3軸方向の角度は仰角と回転角と方位角とを示す。慣性計測装置113によって得られるデータを慣性計測データという。
【0025】
オドメータ114は、計測車両110Aの走行距離を計測する。具体的には、オドメータ114は、計測車両110Aの車輪が回転する毎に出力される車速パルスを検出し、タイヤの回転半径と車輪の回転量とを用いた積分計算によって走行距離を算出する。オドメータ114によって得られるデータを走行距離データという。
【0026】
レーザスキャナ115は、レーザ計測を行う。レーザ計測において、レーザスキャナ115は、レーザ出射面を1秒間に100回転程度の速さで回転させながらレーザ光を出射する。そして、レーザスキャナ115は、レーザ光を反射した地点毎に距離と方位とを求める。レーザ光を反射した地点を計測点という。具体的には、レーザスキャナ115は、レーザ光の出射時刻からレーザ光の受信時刻までの時間を計測し、計測した時間を用いて計測点までの距離を算出する。出射時刻はレーザ光が出射された時刻であり、受信時刻は計測点で反射したレーザ光が受信された時刻である。計測点の方位は、レーザ光が出射された角度である。レーザスキャナ115によって得られるデータを方位距離データという。方位距離データは、計測点毎の方位および距離を含む。
【0027】
計測車両110Aに搭載された各種のセンサによって得られるデータを計測データという。具体的には、測位補強データと測位データと慣性計測データと走行距離データT方位距離データとを総称して計測データという。また、測位補強信号受信機111、測位信号受信機112、慣性計測装置113、オドメータ114及びレーザスキャナ115を、総称して計測センサという。
【0028】
図3は、地図サーバ装置200のハードウェア構成図である。
図3を参照して、地図サーバ装置200の構成を説明する。地図サーバ装置200は、プロセッサ201とメモリ202と補助記憶装置203と通信装置204といったハードウェアを備えるコンピュータである。これらのハードウェアは、信号線を介して互いに接続されている。
【0029】
プロセッサ201は、演算処理を行うIC(Integrated Circuit)であり、他のハードウェアを制御する。例えば、プロセッサ201は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、またはGPU(Graphics Processing Unit)である。メモリ202は揮発性の記憶装置である。メモリ202は、主記憶装置またはメインメモリとも呼ばれる。例えば、メモリ202はRAM(Random Access Memory)である。メモリ202に記憶されたデータは必要に応じて補助記憶装置203に保存される。補助記憶装置203は不揮発性の記憶装置である。例えば、補助記憶装置203は、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、またはフラッシュメモリである。補助記憶装置203に記憶されたデータは必要に応じてメモリ202にロードされる。通信装置204はレシーバ及びトランスミッタである。例えば、通信装置204は通信チップまたはNIC(Network Interface Card)である。
【0030】
地図サーバ装置200は、制御部211という機能要素を備え、制御部211は判定部211a及び地図データ生成部211bという機能要素を備える。制御部211、判定部211a及び地図データ生成部211bはソフトウェアで実現される。
【0031】
補助記憶装置203には、制御部211の機能を実現させる地図生成プログラムが記憶されている。地図生成プログラムは、メモリ202にロードされて、プロセッサ201によって実行される。また、補助記憶装置203には、自動運転地図データが登録されている地図データベース213が格納されている。さらに、補助記憶装置203にはOS(Operating System)が記憶されている。OSの少なくとも一部は、メモリ202にロードされて、プロセッサ201によって実行される。つまり、プロセッサ201は、OSを実行しながら、地図生成プログラムを実行する。地図生成プログラムを実行して得られるデータは、メモリ202、補助記憶装置203、プロセッサ201内のレジスタまたはプロセッサ201内のキャッシュメモリといった記憶装置に記憶される。
【0032】
地図サーバ装置200は、プロセッサ201を代替する複数のプロセッサを備えてもよい。複数のプロセッサは、プロセッサ201の役割を分担する。
【0033】
地図生成プログラムは、光ディスクまたはフラッシュメモリ等の不揮発性の記録媒体にコンピュータで読み取り可能に記録(格納)することができる。
【0034】
図4は、計測車両110Aに搭載される車載装置300Aのハードウェア構成図である。
図4を参照して、車載装置300Aの構成を説明する。車載装置300は、プロセッサ301Aとメモリ302Aと補助記憶装置303Aと通信装置304Aといったハードウェアを備えるコンピュータである。これらのハードウェアは、信号線を介して互いに接続されている。
【0035】
プロセッサ301Aは、演算処理を行うICであり、他のハードウェアを制御する。例えば、プロセッサ301Aは、CPU、DSP、またはGPUである。メモリ302Aは揮発性の記憶装置である。メモリ302Aは、主記憶装置またはメインメモリとも呼ばれる。例えば、メモリ302AはRAMである。メモリ302Aに記憶されたデータは必要に応じて補助記憶装置303Aに保存される。補助記憶装置303Aは不揮発性の記憶装置である。例えば、補助記憶装置303Aは、ROM、HDD、またはフラッシュメモリである。補助記憶装置303Aに記憶されたデータは必要に応じてメモリ302Aにロードされる。通信装置304Aはレシーバ及びトランスミッタである。例えば、通信装置304Aは通信チップまたはNICである。
【0036】
車載装置300Aは、制御部311Aという機能を要素を備える。制御部311Aはソフトウェアで実現される。
【0037】
補助記憶装置303Aには、制御部311Aの機能を実現させるプログラムが記憶されている。プログラムは、メモリ302Aにロードされて、プロセッサ301Aによって実行される。さらに、補助記憶装置303AにはOSが記憶されている。OSの少なくとも一部は、メモリ302Aにロードされて、プロセッサ301Aによって実行される。つまり、プロセッサ301Aは、OSを実行しながら、プログラムを実行する。プログラムを実行して得られるデータは、メモリ302A、補助記憶装置303A、プロセッサ301A内のレジスタまたはプロセッサ301A内のキャッシュメモリといった記憶装置に記憶される。
【0038】
車載装置300は、プロセッサ301Aを代替する複数のプロセッサを備えてもよい。複数のプロセッサは、プロセッサ301Aの役割を分担する。
【0039】
制御部311Aの機能を実現させるプログラムは、光ディスクまたはフラッシュメモリ等の不揮発性の記録媒体にコンピュータで読み取り可能に記録(格納)することができる。
【0040】
図5は、車載装置300Bのハードウェア構成図を示す。車載装置300Bは車載装置300Aと同様の構成であるのでハードウェア構成の説明は省略する。
【0041】
図6は、自治体サーバ装置400のハードウェア構成図である。
図7は、利用者端末装置500のハードウェア構成図である。
自治体サーバ装置400及び利用者端末装置500はいずれもコンピュータであり、地図サーバ装置200と同様であるので、ハードウェア構成の説明は省略する。
【0042】
***動作の説明***
図8、
図9は地図個別登録システム100の動作を示すフローチャートである。
図8、
図9を参照して、地図個別登録システム100による地図生成方法を説明する。
図8は、利用者600からの1回目の送迎要求に対する地図個別登録システム100の動作を示すフローチャートである。
【0043】
ステップS1において、利用者600は利用者端末装置500を用いて自治体サーバ装置400に、地域送迎車両110Bによる病院700への送迎要求を送信する。具体的には、利用者端末装置500の制御部511は、利用者600の出発地及び目的地を含む「送迎要求」を、通信装置504を用いて自治体サーバ装置400に送信する。ここで出発地は利用者600の自宅の住所、目的地は病院700の住所である。自治体サーバ装置400では、制御部411が送迎要求を通信装置404によって受信する。
【0044】
ステップS2において、自治体サーバ装置400では、制御部411が送迎要求をもとに予定経路を生成する。
ステップS3において、制御部411は、通信装置404を用いて予定経路を地図サーバ装置200に送信する。
【0045】
この例では「予定経路」は、
図8に示しているように、駐車場800から利用者600の自宅への経路1、利用者600の自宅から病院700への経路2、病院700から自宅への経路3、及び自宅から地域送迎車両110Bの駐車場800への経路4を含む。予定経路において、利用者600の自宅住所が指定された出発地、病院700の住所が指定された目的地である。地図サーバ装置200では、制御部211が通信装置204を用いて予定経路を受信する。
【0046】
ステップS4において、地図サーバ装置200では、判定部211aが、受信した予定経路の少なくとも一部に、地域送迎車両110Bの自動運転に必要な自動運転地図データが存在しない未整備経路があるかどうかを判定する。この場合、利用者600による初回の要求に基づくため、通常、予定経路の自動運転地図データは存在しない。したがって、この例では、受信した予定経路の全部が、地域送迎車両110Bの自動運転に必要な自動運転地図データが存在しない未整備経路である。
ステップS5において、地図サーバ装置200では、判定部211aが通信装置204を用いて、判定結果として、予定経路の自動運転地図データが存在しないことを自治体サーバ装置400に送信する。自治体サーバ装置400では、制御部411が通信装置404を用いて地図サーバ装置200から受信した判定結果を利用者端末装置500に送信する。
【0047】
ステップS6において、自治体900では、地図サーバ装置200から送信された判定結果に係る「自動運転地図データが存在しない予定経路」を、計測車両110Aを走行させて計測データを取得させる。
【0048】
ステップS6では、計測車両110Aは、地図サーバ装置200から送信された判定結果に係る「自動運転地図データが存在しない予定経路」を走行して計測データを取得する。
ステップS7において、計測車両110Aの車載装置300Aでは、制御部311Aが、計測センサ120によって取得された計測データを、通信装置304Aを用いて地図サーバ装置200へ送信する。地図サーバ装置200では、制御部211が通信装置204を用いて計測データを受信する。
【0049】
ステップS8において、地図サーバ装置200では、地図データ生成部211bが、計測データに基づいて自動運転地図データを生成し、生成した自動運転地図データを地図データベース213に登録する。具体的には、地図データ生成部211bは、計測データを入力として図化ソフトウェアを実行する。これにより、自動運転地図データが生成される。この図化ソフトウェアは、計測データに基づいて自動運転地図データを生成するためのプログラムである。図化ソフトウェアにより、計測データに基づいて点群データが生成され、点群データに基づいて自動運転地図データが生成される。このように、ステップS8では、地図データ生成部211bは、未整備経路の自動運転地図データを反映した予定経路の自動運転地図データを、補助記憶装置203の地図データベース213に登録する。
【0050】
ステップS9において、地図データ生成部211bは、通信装置204を用いて、生成した自動運転地図データを、地域送迎車両110Bの車載装置300Bに送信する。地図データ生成部211bが送信先の車載装置300Bを知ることができるのは、例えば、ステップS7の計測データの送信時に車載装置300Bのアドレスを含めて送信するからである。
以上のステップS7〜ステップS9のように、地図データ生成部211bは、未整備経路があることを示す判定結果に起因して生成された未整備経路の計測データに基づいて、未整備経路の自動運転地図データを生成し、生成した未整備経路の自動運転地図データを自動運転車である地域送迎車両110Bに送信する。
【0051】
ステップS10において、地域送迎車両110Bの車載装置300Bでは、制御部311Bが補助記憶装置303Bに、地図サーバ装置200から送信された自動運転地図データを格納する。ステップS10の終了によって、地域送迎車両110Bは、利用者600の送迎要求に応答する自動運転が可能になる。
【0052】
図9は、利用者600からの2回目以降の送迎要求に対する地図個別登録システム100の動作を示すフローチャートである。
【0053】
ステップS21において、利用者600は、ステップS1と同様に、利用者端末装置500を用いて自治体サーバ装置400に、地域送迎車両110Bによる病院700への送迎要求を送信する。
【0054】
ステップS22及びS23は、ステップS2及びS3と同じ処理であるので説明は省略する。
【0055】
ステップS24において、地図サーバ装置200では、判定部211aが、ステップS4と同様に、受信した予定経路の少なくとも一部に、地域送迎車両110Bの自動運転に必要な自動運転地図データが存在しない未整備経路があるかどうかを判定する。この場合、ステップS8において予定経路の自動運転地図データが地図データベース213に登録されている。よって、制御部211は、受信した予定経路の自動運転地図データが存在すると判定する。
【0056】
ステップS25において、地図サーバ装置200では、判定部211aが通信装置204を用いて、判定結果として、予定経路の自動運転地図データが存在することを自治体サーバ装置400に送信する。自治体サーバ装置400では、制御部411が通信装置404を用いて地図サーバ装置200から受信した判定結果を利用者端末装置500に送信する。
【0057】
上記のように、この例では「予定経路」は、駐車場800から利用者600の自宅への経路1、利用者600の自宅から病院700への経路2、病院700から自宅への経路3及び自宅から地域送迎車両110Bの駐車場800への経路4を含む。
地域送迎車両110Bは、ステップS10で補助記憶装置303Bに格納された自動運転地図データによって、経路1、経路2、経路3及び経路4を含む予定経路の自動運転が可能になる。地域送迎車両110Bでは,車載装置300Bの制御部311Aが補助記憶装置303Bに格納された自動運転地図データを参照して自動運転を実行する。
ステップS26からステップS30は、地域送迎車両110Bが予定経路を自動運転する状態を示す。
【0058】
ステップS26では、地域送迎車両110Bは、自動運転によって駐車場800から利用者600の自宅への経路1で利用者600を迎えにいく。
ステップS27では、地域送迎車両110Bは自動運転によって利用者600を自宅から病院700へ経路2で送る。
ステップS28、ステップS29では、地域送迎車両110Bは、自動運転によって利用者600を病院700から利用者600の自宅へ経路3で送る。
ステップS30では、地域送迎車両110Bは、自動運転によって利用者600の自宅から駐車場800へ経路4で戻る。
【0059】
***実施の形態1の効果***
実施の形態1では、利用者600の送迎要求に基づいて、自動運転地図データが個別に生成されて、個別に登録される。したがって、自動運転地図データが整備されていない地域あるいは道路に対して、自動運転車の利用を希望する要求によって自動運転地図データが生成されるので、自動運転車の利用の拡大を図ることができる。
【0060】
以上の実施の形態1では自治体900を例として
図8、
図9で動作を説明したが、
図8の「ステップS3、ステップS4及びステップS5」と、
図9の「ステップS23、ステップS24及びステップS25」とは、なくてもよい。
また、自治体900はあくまでも一例である。自治体に限らず、計測車両110Aを保有する計測会社、あるいは自動運転車をレンタカーとして保有する自動車レンタル会社でもよい。これらの場合、計測会社または自動車レンタル会社が自治体サーバ装置400に相当するサーバ装置を持つ。
なお、実施の形態1では計測車両110Aと、自動運転車である地域送迎車両110Bとが別々の車両であるが、計測車両110Aが自動運転車を兼用してもよい。