【課題を解決するための手段】
【0004】
プロセス水供給ユニットに関して、本目的は、プロセス水供給ユニットが滅菌空気フィルターを有し、この滅菌空気フィルターが、圧縮空気入口と圧縮空気連結部との間の圧縮空気通路に、又は外部圧縮空気源と圧縮空気入口との間の圧縮空気通路に、一体化されているという点において、達成される。
【0005】
本発明は、歯科診療において、圧縮空気が典型的には、中央圧縮空気コンプレッサーによって生成されるという認識を含む。それ故に、その中にあるほこりの粒子及び微生物が吸い込まれ、圧縮空気ラインのシステムを介して処置ユニットに供給され、それ故に患者に供給されるというリスクが存在する。この欠点を回避するために、一体化された空気フィルターを有するコンプレッサーが先行技術において提案されてきた。
【0006】
これから出発して、本発明に係るプロセス水供給ユニットは、滅菌空気フィルターを有する。それ故に、感染に対する防御を、処置部位で直接、有利に提供することができる。圧縮空気ラインのシステムに対する及び/又はコンプレッサーに対する損傷、又はそれらの不適切な保守を、有効に補償することができる。それ故に、本発明に係るプロセス水供給ユニットは、特に安全である。
【0007】
1つの好ましい構成において、滅菌空気フィルターが、<90μm(マイクロメートル)の孔径を有する。孔径が<50μm、特に好ましくは<10μmである場合が有利であることが判明している。1つの特に好ましい構成において、滅菌空気フィルターが、<0.2μmの孔径を有する。
【0008】
特に小型のプロセス水供給ユニットを提供するために、滅菌空気フィルターが、プロセス水供給ユニットのハウジング容積の内側に配置される場合が有利であることが判明している。滅菌空気フィルターは、特に好ましくは、圧縮空気入口と圧縮空気連結部との間の圧縮空気通路に一体化されている。代替的に、滅菌空気フィルターは、プロセス水供給ユニットのハウジング容積の外側に配置することができる。次いで、滅菌空気フィルターは好ましくは、プロセス水供給ユニットのハウジング容積又はハウジング上に、又はその近くに、配置される。
【0009】
滅菌空気フィルターが、外部圧縮空気源と圧縮空気連結部との間の圧縮空気通路に一体化されている場合、滅菌空気フィルターは好ましくは、外部圧縮空気源をプロセス水供給ユニットの圧縮空気連結部に連結する圧縮空気ホースの端部に配置される。
【0010】
外部圧縮空気源、すなわち例えばコンプレッサーと、滅菌空気フィルターとの間の圧縮空気通路は好ましくは、追加のフィルター要素が装備されない、すなわちフィルターを含まない。滅菌空気フィルターを外部圧縮空気源と圧縮空気連結部との間の圧縮空気通路の端部に直ぐ配置する代わりに、滅菌空気フィルターを圧縮空気連結部の近傍に配置することができる。
【0011】
プロセス水供給ユニットの外側に配置される滅菌空気フィルターと、プロセス水供給ユニットのハウジング上に又はその中にある圧縮空気連結部との間の圧縮空気ラインの長さは、好ましくは<5m、好ましくは<2m、より好ましくは<1mである。
【0012】
1つの好ましい構成において、プロセス水供給ユニットはスイッチを有し、このスイッチによって、圧縮空気入口と圧縮空気連結部との間の圧縮空気通路を遮断及び/又は開放することができる。スイッチは好ましくは、滅菌空気フィルターの下流、好ましくは直ぐ下流にある。代替的に、スイッチは、滅菌空気フィルターの上流にあることができる。
【0013】
プロセス水供給ユニットは、円筒状リッド部を有することができる。円筒状リッド部は好ましくは、滅菌空気フィルターを、好ましくは完全に、取り囲む。プロセス水供給ユニットは、板状ベースプレートを有することができる。板状ベースプレートは、加圧水コンテナを受容するためのコンテナ容器を、少なくとも部分的に形成することができる。プロセス水連結部及び圧縮空気連結部は、少なくとも部分的に、板状ベースプレートを通過することができる。
【0014】
板状ベースプレートが円周シールを有する、又は円周シールが板状ベースプレートに設けられる場合が有利であることが判明している。円周シールは、加圧水コンテナがコンテナ容器に締結されると、加圧水コンテナを周囲からシールすることができる。円周シールは好ましくはシールリングである。
【0015】
1つの特に好ましい構成において、板状ベースプレートが、円筒状リッド部の完全に内側に配置される。このことによって、プロセス水供給ユニットの、特に小型で清掃しやすい構造が実現する。
【0016】
円筒状リッド部は、その内周に、少なくとも1つのラッチ要素を有することができ、このラッチ要素に、加圧水コンテナの対応するラッチ要素が係合して、加圧水コンテナをコンテナ容器に保持することができる。ラッチ要素は好ましくは、円筒状リッド部の内周に、傾斜板として、又は傾斜板の形態で、構成される。複数のラッチ要素を、好ましくは互いに均一に間隔をあけて、円筒状リッド部の内周に、配置することができる。傾斜板の形態の3つのラッチ要素は、好ましくは、円筒状リッド部の内周に配置される。
【0017】
加圧水コンテナ(これは、好ましくは円筒の形態で構成される)が、その外周に少なくとも1つの対応するラッチ要素を有する場合が有利であることが判明している。対応するラッチ要素は好ましくは、ラッチ突起であり、このラッチ突起は、円筒状リッド部の内周の、傾斜板の形態のラッチ要素に係合するように構成される。複数の、好ましくは3つの、対応するラッチ要素は、加圧水コンテナの側面に設けることができる。
【0018】
別の好ましい構成において、プロセス水供給ユニットは滅菌水フィルターを有する。滅菌水フィルターは、プロセス水連結部の(好ましくは直ぐ)上流又は下流にあることができる。1つの好ましい構成において、滅菌水フィルターは、<90μm(マイクロメートル)の孔径を有する。孔径が、<50μm、特に好ましくは<10μmである場合が有利であることが判明している。1つの特に好ましい構成において、滅菌水フィルターは、<0.2μmの孔径を有する。
【0019】
滅菌水フィルターは特に好ましくは、プロセス水供給ユニットにおいて、プロセス水通路の端部に配置される。プロセス水供給ユニットに設けられた殺生物剤を含まないプロセス水は、それがプロセス水供給ユニットから出てくるときに、設けられた滅菌水フィルターによって有効に滅菌することができる。滅菌水フィルターはもちろん、殺生物剤を含有するプロセス水が使用される場合にも設けることができる。
【0020】
1つの特に好ましい構成において、プロセス水を貯蔵するための加圧水コンテナがプロセス水供給ユニットに包含される。加圧水コンテナが100ml〜5000ml(ミリリットル)の容積を有する場合が有利であることが判明している。加圧水コンテナの容積は、1000ml〜2000ml、好ましくは1000ml〜1300mlであることができる。加圧水コンテナは好ましくは、円筒の形態で構成される。加圧水コンテナは特に好ましくは、少なくとも3バールまで、好ましくは5バールまで、耐圧性である。加圧水コンテナは好ましくは、オートクレーブすることができる。加圧水コンテナは、例えば、プラスチック又は金属から成ることができる。
【0021】
本目的は、前述のプロセス水供給ユニットを有する歯科医療処置ユニットによっても達成される。同様に、本目的は、歯科医療処置ユニットにおいて前述のプロセス水供給ユニットを使用することによって達成される。
【0022】
本目的は、前述のプロセス水供給ユニットを有するENT(耳鼻咽喉)処置ユニットによっても、ENT処置ユニットにおいて前述のタイプのプロセス水供給ユニットを使用することによっても、達成される。
【0023】
歯科医療処置ユニット(歯科ユニット)の1つの好ましい構成において、プロセス水供給ユニットのプロセス水連結部が、歯科医療処置ユニットのプロセス水取水口に連結される。プロセス水は、歯科医療処置ユニットのプロセス水取水口を介して、歯科医療処置ユニットのリンスヘッド又はドリルに供給することができる。
【0024】
別の好ましい構成において、プロセス水供給ユニットの圧縮空気入口が、歯科医療処置ユニットの圧縮空気出口に連結される。歯科医療処置ユニットはそれ自体で、圧縮空気源としてコンプレッサーなどを有することができる。あるいは、歯科医療処置ユニットに、コンプレッサー又は中央圧縮空気システムを介して供給することができる。
【0025】
歯科医療処置ユニットの場合、滅菌空気フィルターはまた、好ましくは、包括的なプロセス水供給ユニットのハウジングの内側に配置される。代替的に又はさらに、滅菌空気フィルターを、プロセス水供給ユニットのハウジングの外側の、圧縮空気通路に、より精密には、歯科医療処置ユニットの圧縮空気出口とプロセス水供給ユニットの圧縮空気入口との間の圧縮空気ホースに、配置することができる。
【0026】
プロセス水供給ユニットを有する本発明に係るENT処置ユニットは、歯科医療処置ユニットにしたがって、さらに発展させることができる。
【0027】
本発明の別の態様によれば、本目的は、プロセス水供給ユニット、特に、前述のプロセス水供給ユニットを操作するための方法によって達成される。この方法は、以下のステップを有する。
特に、ろ過されていない圧縮空気を、圧縮空気源から、プロセス水供給ユニットの滅菌空気フィルターに、案内するステップ;
プロセス水供給ユニットの滅菌空気フィルターによってろ過された圧縮空気を、加圧水コンテナに導入するステップ;
ここで、加圧水コンテナは、処置の間、プロセス水、好ましくは殺生物剤を含有するプロセス水で満たされ、その結果、プロセス水がプロセス水供給ユニットのプロセス水連結部を介して分配され;及び/又は
ここで、加圧水コンテナは、清掃段階の間、プロセス水を実質的に含まず、その結果、滅菌空気フィルターの下流の空気通路が、滅菌空気フィルターによってろ過された圧縮空気によるブローによってきれいにされる。
【0028】
本発明に係る方法の結果、一方では、プロセス水が、実質的に細菌を含まない圧縮空気によって、加圧水コンテナから放出されることができる。他方では、プロセス水供給ユニットの下流の歯科医療処置ユニットが、清掃段階において、滅菌圧縮空気でのブローによってきれいにされることができる。この目的のために、加圧水コンテナは、空の、又はプロセス水を含まない、プロセス水供給ユニットに締結され、圧縮空気で作動される。次いで、滅菌圧縮空気は、歯科医療処置ユニットに連結されるプロセス水連結部(これを介して、処置操作の間にプロセス水が案内される)を介して、プロセス水連結部の下流の通路に進む。歯科医療処置ユニット又はENT処置ユニットは、滅菌空気で有利にブロー乾燥することができる。ブロー乾燥は、例えば、夜間又は週末が望ましい。これは、それらの期間の間、ENT処置ユニット又は歯科医療処置ユニットの構成要素又はホース(これらは、ブロー乾燥しなければ水を含む)中に、プロセス水が停滞する可能性を除外する目的のためである。これは、バイオフィルムによる望ましくないコロニー形成を防止することができる。それ故に、滅菌空気フィルターによって生成される滅菌空気は、微生物及び栄養物(これらは典型的には、ろ過されていない圧縮空気を介して持ち込まれる)によってそれぞれの処置ユニットが汚染されるのを有効に防止する。
【0029】
本発明に係る方法は、プロセス水供給ユニット及び/又は医療処置ユニットを参照して説明される特徴によって、さらに発展させることができる。
【0030】
ここで、本発明の実施形態例を、図面を用いて以下に説明する。本発明のさらなる利点、特徴及び詳細を、好ましい実施形態例の以下の説明によって、図面を用いて示す。