(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のようなレーザ光によって汚染物質を除去する装置を、放射性物質を除去する除染に適用することが考えられる。このような場合には、線量が高い環境での作業になることが想定されることから、例えば遠隔操作式のロボットにレーザ光を照射する機能を搭載した装置とすることが考えられる。
【0005】
一方で、周知のように除染作業を行う場所は、一般的な製品を製造する工場等とは異なり、配管や機器等が乱雑に配置されている。このため、遠隔操作式のロボットによって除染作業を行う場合には、レーザ光を射出する射出ヘッドを回動可能として、様々な方向からレーザ光を照射可能とする必要がある。しかしながら、射出ヘッドを回動可能とするために、射出ヘッドや射出ヘッドの直近にモータ等の動力源を設置すると、射出ヘッドあるいはその周辺部位が大型化し、狭い空間での作業が困難となる。また、射出ヘッドやその周辺部位が大型化すると、周囲の監視カメラ等によるレーザ光の照射箇所の視認が困難となる。
【0006】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、レーザ光を照射することによって除染を行う汚染除去装置において、レーザ光を射出する射出ヘッドを回動可能とすることにより射出ヘッドや射出ヘッドの周辺が大型化することを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0008】
第1の発明は、レーザ光を除染対象物に照射する汚染除去装置であって、長尺状の基部と、上記レーザ光を射出すると共に基部に対して回動可能に支持された射出ヘッドと、上記射出ヘッドを回動させる動力を生成すると共に上記基部の長手方向に沿った方向にて上記射出ヘッドと離間した位置で上記基部に固定される動力発生源と、上記動力発生源で生成された上記動力を上記射出ヘッドに伝達する動力伝達部とを備えるという構成を採用する。
【0009】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記射出ヘッドの回動角度を検出する角度センサを備えるという構成を採用する。
【0010】
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、上記射出ヘッドが上記基部の長手方向と直交する方向に突出して設けられ、上記動力発生源が上記基部から上記射出ヘッドと同一方向に向けて突出して設けられているという構成を採用する。
【0011】
第4の発明は、上記第1〜第3いずれかの発明において、上記射出ヘッドに固定されると共に上記射出ヘッドから射出された上記レーザ光の光路を囲うフード部と、上記フード部に接続された吸引ホースと、上記吸引ホースを介して上記フード部の内部を排気する排気装置とを備えるという構成を採用する。
【0012】
第5の発明は、上記第4の発明において、上記フード部と上記射出ヘッドとの間に介在されたロードセルを備えるという構成を採用する。
【0013】
第6の発明は、上記第4または第5の発明において、上記吸引ホースが、上記基部と反対側から上記フード部に対して接続されているという構成を採用する。
【0014】
第7の発明は、上記第4〜第6いずれかの発明において、上記フード部が透明材料によって形成されているという構成を採用する。
【0015】
第8の発明は、上記第1〜第7いずれかの発明において、上記レーザ光の射出口に向けて気体を噴出するパージ機構を備えるという構成を採用する。
【0016】
第9の発明は、上記第1〜第8いずれかの発明において、上記基部に固定されると共にロボットアームに対して脱着可能なツールチェンジャを備え、上記ツールチェンジャに対する上記ロボットアームの着脱方向から見て、上記ツールチェンジャと上記射出ヘッドとが重ねて配置されているという構成を採用する。
【0017】
第10の発明は、上記第1〜第9いずれかの発明において、上記動力伝達部が、上記基部の内部に収容されているという構成を採用する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、レーザ光を射出する射出ヘッドが長尺状の基部に対して回動可能に支持され、この長尺状の基部の長手方向に沿った方向にて射出ヘッドから離間した位置に、射出ヘッドを回動させる動力を発生する動力発生源が設けられている。このため、射出ヘッド及びその直近に動力発生源を設置する必要がなく、射出ヘッド及びその周辺部位が大型することを防止できる。したがって、本発明によれば、レーザ光を照射することによって除染を行う汚染除去装置において、レーザ光を射出する射出ヘッドを回動可能とすることにより射出ヘッドや射出ヘッドの周辺が大型化することを防止することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明に係る汚染除去装置の一実施形態について説明する。
【0021】
図1は、本実施形態の汚染除去装置1の概略構成を示す斜視図である。この図に示すように、本実施形態の汚染除去装置1は、搬送台車2と、ロボットアーム3と、レーザ光射出ユニット4と、レーザ光供給部5と、吸引ユニット6と、パージ機構7とを備えている。
【0022】
搬送台車2は、遠隔操作によって走行可能な台車であり、ロボットアーム3を支持している。この搬送台車2は、外部からの指令に基づいてロボットアーム3と、ロボットアームに3に装着されたレーザ光射出ユニット4を移動させる。ロボットアーム3は、遠隔操作によって走行可能なロボットであり、先端部にレーザ光射出ユニット4が装着され、先端部に装着されたレーザ光射出ユニット4を任意の位置で任意の姿勢とする。
【0023】
図2は、レーザ光射出ユニット4の拡大斜視図である。この図に示すように、レーザ光射出ユニット4は、基部4aと、射出ヘッド4bと、角度センサ4cと、吸引フード4d(フード部)と、ブラシ部4eと、モータ4f(動力発生源)と、動力伝達部4gと、ツールチェンジャ4hと、ロードセル4i(
図4参照)とを備えている。
【0024】
基部4aは、
図2に示すように、長尺状の略直方体形状とされており、内部が中空な箱状とされている。なお、以下の説明では、長尺状の基部4aが直線状に伸びている方向を長手方向と称する。この基部4aは、射出ヘッド4bを回動可能に支持しており、射出ヘッド4bを回動するための動力を伝達する動力伝達部4gを内部に収容している。
【0025】
また、基部4aは、長手方向における一方側の端面に後述の光ファイバ5bを接続するためのコネクタ4a1が設けられている。さらに、基部4aの内部には、光ファイバ5bから供給されたレーザ光を射出ヘッド4bに導光する導光部が設置されている。なお、以下の説明においては、上記長手方向において、基部4aのコネクタ4a1が設けられている側を後端側、その反対側を先端側と称する。
【0026】
射出ヘッド4bは、レーザ光を射出するレーザ光射出口4b1を有するケーシングと、ケーシング内部に配置されてレーザ光を導光する不図示のレンズ等を有しており、基部4aの先端側に配置されている。射出ヘッド4bは、基部4aの先端側の側壁面から基部4aの側方に突出して設けられている。
図3は、
図2と異なる回動角度とされた射出ヘッド4bを示す斜視図である。
図2及び
図3に示すように、射出ヘッド4bは、基部4aの長手方向と直交する回転軸心を中心として回動可能とされている。また、射出ヘッド4bには、角度センサ4cやロードセル4iからの検出結果を外部に出力する信号線を接続するためのコネクタ4b2が設けられている。
【0027】
角度センサ4cは、射出ヘッド4bに固定されており、基部4aに対する射出ヘッド4bの回動角度を検出し、その検出結果を出力する。このような角度センサ4cは、上述のコネクタ4b2と接続されている。
【0028】
吸引フード4dは、両端が開放端とされた略円錐状の筒形状とされた部材であり、アクリル材等透明部材によって形成されている。この吸引フード4dは、一方の開放端である小径端部から他方の開放端であり小径端部よりも大経の大径端部まで連続的に拡径されており、小径端部がレーザ光射出口4b1を囲うようにして射出ヘッド4bに固定されている。このような吸引フード4dは、射出ヘッド4bから射出されたレーザ光の光路を囲うように配置されている。
【0029】
ブラシ部4eは、吸引フード4dの大径端部側の縁部に環状に取り付けられている。このようなブラシ部4eは、除染対象物に対して外部から吸引フード4dの内部に空気を取り込み可能な状態で、レーザ光が照射されることによって除染対象物から剥離した放射性物質が吸引フード4dの外部に漏出することを防止する。このようなブラシ部4eは、除染対象物に対して直接的に当接される部位である。
【0030】
モータ4fは、射出ヘッド4bを回動させるための回転動力を生成する。このモータ4fは、
図2に示すように、基部4aの後端側に配置されている。つまり、本実施形態の汚染除去装置1において、モータ4fは、基部4aの長手方向に沿った方向にて射出ヘッド4bと離間した位置で基部4aに固定されている。また、モータ4fは、基部4aの後端側の側壁面から基部4aの側方に突出して設けられており、射出ヘッド4bと同一方向に向けて突出して設けられている。このような本実施形態の汚染除去装置1においては、基部4a、射出ヘッド4b及びモータ4fが全体として略U字状に配置されている。
【0031】
動力伝達部4gは、基部4aの内部に収容されており、モータ4fで生成された動力を射出ヘッド4bに伝達する。この動力伝達部4gは、例えば、モータ4fに固定される駆動スプロケットと、射出ヘッド4bに固定される従動スプロケットと、駆動スプロケット及び従動スプロケットとを繋ぐベルトと等を備えている。
【0032】
ツールチェンジャ4hは、基部4aの後端側に固定されており、基部4aから射出ヘッド4bと同一方向に突出して設けられている。このツールチェンジャ4hは、ロボットアーム3に対して容易に脱着可能とされた部位である。例えば、このようなツールチェンジャ4hは、基部4aの長手方向と平行に配置された基準軸がロボットアーム3の先端部の中心軸に位置合わせされた状態で、ロボットアーム3の先端部が基準軸に沿った着脱方向に移動されることによって、ロボットアーム3に対して脱着可能とされている。
【0033】
また、ツールチェンジャ4hは、基準軸に沿った着脱方向(すなわち基部4aの長手方向に沿った方向)から見て、射出ヘッド4bと重なるように配置されている。このようにツールチェンジャ4hを配置することによって、ロボットアーム3の先端部の前方に射出ヘッド4bが配置されることになるため、ロボットアーム3の制御上において射出ヘッド4bの位置合わせが容易となる。特に、ツールチェンジャ4hは、基準軸が射出ヘッド4bのレーザ光射出口4b1から射出されるレーザ光の光軸と一致するように配置した場合には、ロボットアーム3の先端部の中心軸がレーザ光の光軸とするため、ロボットアーム3の制御上においてレーザ光の位置合わせが容易となる。
【0034】
図4は、ロードセル4iの配置を示す模式図である。ロードセル4iは、吸引フード4dと射出ヘッド4bとの間に介在され、ブラシ部4eが除去対象物に当接した際に吸引フード4dに作用する荷重を検出し、その検出結果を出力する。このようなロードセル4iは、
図4に示すように、3つ設けられており、吸引フード4dの配置領域に重なるように環状に配列されている。なお、ロードセル4iの数は変更が可能である。これらのロードセル4iは、射出ヘッド4bのコネクタ4b2と接続されている。
【0035】
このようなロードセル4iの検出結果から、ブラシ部4eが除染対象物に当接されているか否かを判断することができる。また、このようなロードセル4iの検出結果の差分からブラシ部4e及び吸引フード4dが傾かずに除染対象物に正対して当接されているか否かを判断することができる。また、ロードセル4iの検出結果の絶対値から吸引フード4dが受けている荷重、すなわち射出ヘッド4bから除染対象物までの距離を判断することができる。
【0036】
図1に戻り、レーザ光供給部5は、レーザ発振器5aと、光ファイバ5bとを備えており、射出ヘッド4bに対してレーザ光を供給する。レーザ発振器5aは、
図1に示すように搬送台車2に設置されており、除染対象物に照射するレーザ光を生成する。このように搬送台車2にレーザ発振器5aを設置することによって、射出ヘッド4bから離間した位置にレーザ発振器5aを配置することができるため、射出ヘッド4b及びその周囲の部位が大型化することを防止することができる。光ファイバ5bは、レーザ発振器5aとレーザ光射出ユニット4の基部4aに設けられたコネクタ4a1とを接続しており、レーザ発振器5aで生成されたレーザ光を基部4a内部の導光部を介して射出ヘッド4bに案内する。
【0037】
吸引ユニット6は、レーザ光が除染対象物に照射されることによって除染対象物から除去された放射性物質を吸引して回収するものであり、
図1に示すように、吸引ホース6aと、フィルタユニット6bと、集塵機6c(排気装置)とを備えている。吸引ホース6aは、射出ヘッド4bの吸引フード4dと接続されており、吸引フード4dの内部の放射性物質を含む粉塵を空気と共にフィルタユニット6bや集塵機6cに案内する。この吸引ホース6aは、射出ヘッド4bの回動によって基部4aに絡まらないように、
図2に示すように、基部4aと反対側から吸引フード4dに対して接続されている。
【0038】
フィルタユニット6bは、吸引ホース6aと接続されており、吸引ホース6aから供給される空気に含まれる比較的大きな物体を空気中から除去する。集塵機6cは、フィルタユニット6bに接続されており、吸引ホース6aを介して吸引フード4dの内部の空気を排気するための負圧を形成すると共に、空気中に残存する粉塵を空気中から回収する。
【0039】
パージ機構7は、射出ヘッド4bのレーザ光射出口4b1に向けてパージ空気(気体)を噴射するためのものであり、エアパージライン7aと、空気供給装置7bとを備えている。エアパージライン7aは、射出ヘッド4bの吸引フード4dと接続されており、吸引フード4dの内部にパージ空気を案内してレーザ光射出口4b1に向けてパージ空気を噴射する。このエアパージライン7aは、射出ヘッド4bの回動によって基部4aに絡まらないように、
図2に示すように、基部4aと反対側から吸引フード4dに対して接続されている。
【0040】
続いて、このように構成された本実施形態の汚染除去装置1による除染動作について、
図5〜
図8を参照して説明する。
【0041】
除染対象物に付着した放射性物質を除去するためには、まず不図示のカメラ等によって除染対象物Xの位置を把握したうえで搬送台車2及びロボットアーム3を遠隔操作してレーザ光射出ユニット4を除染対象物に近づける。ここでは、
図5に示すように、ブラシ部4eが除染対象物Xに向けられるように、搬送台車2及びロボットアーム3を遠隔操作する。
【0042】
続いて、ロボットアーム3を遠隔操作して、
図6に示すように、ブラシ部4eを除染対象物Xに当接させる。このとき、例えばロードセル4iの出力結果からブラシ部4eが除染対象物Xに正しい姿勢で当接されかつ除染対象物Xから射出ヘッド4bまでの距離が適切であるか否かを判断する。続いて、吸引ユニット6によって吸引フード4dの内部の吸引を開始し、パージ機構7によってレーザ光射出口4b1のエアパージを開始し、さらにはレーザ光供給部5から射出ヘッド4bにレーザ光を供給する。
【0043】
図7に示すように、射出ヘッド4bに供給されたレーザ光はレーザ光射出口4b1から射出されて除染対象物に対して照射される。このように除染対象物に対してレーザ光が照射されると、除染対象物に付着した放射性物質が粉塵化して除染対象物から除去される。除染対象物から除去された放射性物質は、吸引ユニット6によって吸引され、フィルタユニット6bや集塵機6cによって回収される。
【0044】
そして、角度センサ4cから出力される射出ヘッド4bの回動角度及びロードセル4iの検出結果を保つようにして、
図8に示すように、射出ヘッド4bを除染対象物の表面に沿って移動させ、広い範囲で除染対象物の表面を除染する。
【0045】
このような本実施形態の汚染除去装置1によれば、レーザ光を射出する射出ヘッド4bが長尺状の基部4aに対して回動可能に支持され、この長尺状の基部4aの長手方向に沿った方向にて射出ヘッド4bから離間した位置に、射出ヘッド4bを回動させる動力を発生するモータ4fが設けられている。このため、射出ヘッド4b及びその直近にモータ4fを設置する必要がなく、射出ヘッド4b及びその周辺部位が大型することを防止できる。したがって、本実施形態の汚染除去装置1によれば、乱雑な場所での除染作業を効率的に実施することができる。
【0046】
また、本実施形態の汚染除去装置1においては、射出ヘッド4bの回動角度を検出する角度センサ4cを備えている。このため、射出ヘッド4bの回動角度を正確に把握することができる。したがって、例えば、射出ヘッド4bを除染対象物の表面に沿って移動するときに、射出ヘッド4bの回動角度を容易に維持することが可能となる。
【0047】
また、本実施形態の汚染除去装置1においては、射出ヘッド4bが基部4aの長手方向と直交する方向に突出して設けられ、モータ4fが基部4aから射出ヘッド4bと同一方向に向けて突出して設けられている。このため、レーザ光の射出方向から見て射出ヘッド4bとモータ4fとが重なって配置され、同方向から見たレーザ光射出ユニット4の投影面積がモータ4fによって拡大することを防止することができ、射出ヘッド4b及びその周辺部位が大型することを防止できる。
【0048】
また、本実施形態の汚染除去装置1においては、射出ヘッド4bに固定されると共に射出ヘッド4bから射出されたレーザ光の光路を囲う吸引フード4dと、吸引フード4dに接続された吸引ホース6aと、吸引ホース6aを介して吸引フード4dの内部を排気する集塵機6cとを備えている。このため、除染対象物Xから除去した放射性物質を確実に回収することが可能となる。
【0049】
また、本実施形態の汚染除去装置1においては、吸引フード4dと射出ヘッド4bとの間に介在されたロードセル4iを備えている。このため、ロードセル4iの検出結果からブラシ部4eが除染対象物に当接されているか否かを正確に判断することができる。また、複数のロードセル4iの検出結果の差分からブラシ部4e及び吸引フード4dが傾かずに除染対象物に正対して当接されているか否かを正確に判断することができる。また、ロードセル4iの検出結果の絶対値から吸引フード4dが受けている荷重、すなわち射出ヘッド4bから除染対象物までの距離を正確に判断することができる。
【0050】
また、本実施形態の汚染除去装置1においては、吸引ホース6aは、基部4aと反対側から吸引フード4dに対して接続されている。このため、射出ヘッド4bを回動させた場合に、吸引ホース6aが基部4aに絡まることを防止することができる。また、エアパージライン7aも吸引ホース6aと同様に基部4aと反対側から吸引フード4dに対して接続されている。このため、射出ヘッド4bを回動させた場合に、エアパージライン7aが基部4aに絡まることを防止することができる。
【0051】
また、本実施形態の汚染除去装置1においては、吸引フード4dが透明材料によって形成されている。このため、外部からカメラ等によって吸引フード4dの内部を視認することが可能となり、レーザ光の照射箇所をカメラ等で確認することが可能となる。
【0052】
また、本実施形態の汚染除去装置1においては、レーザ光の射出口(レーザ光射出口4b1)に向けてパージ空気を噴出するパージ機構7を備えている。このため、粉塵化した放射性物質が吸引フード4d内に残存してレーザ光を遮ることを防止することが可能となる。
【0053】
また、本実施形態の汚染除去装置1においては、基部4aに固定されると共にロボットアーム3に対して脱着可能なツールチェンジャ4hを備え、ツールチェンジャ4hに対するロボットアーム3の着脱方向から見て、ツールチェンジャ4hと射出ヘッド4bとが重ねて配置されている。このため、ロボットアーム3の先端部の前方に射出ヘッド4bが配置されることになり、ロボットアーム3の制御上において射出ヘッド4bの位置合わせが容易となる。
【0054】
また、本実施形態の汚染除去装置1においては、動力伝達部4gが、基部4aの内部に収容されている。このため、動力伝達部4gの配置箇所を基部4aの外部とする場合と比較して、レーザ光射出ユニット4を小型化することが可能となる。
【0055】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0056】
例えば、上記実施形態においては、レーザ光射出ユニット4をロボットアーム3に搭載する構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、適切に防護された作業員によってハンドリングが可能に構成することも可能である。例えば、レーザ発振器をレーザ光射出ユニット4に組み込み、レーザ光射出ユニット4のみで全体として持ち運びが可能な汚染除去装置とすることも可能である。
【0057】
また、上記実施形態においては、パージ機構7がパージ空気をレーザ光射出口4b1に対して噴射する構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、パージ機構7が窒素ガス等をレーザ光射出口4b1に対して噴射する構成を採用することも可能である。
【0058】
また、上記実施形態においては、吸引フード4dに対してブラシ部4eが設けられた構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、ブラシ部4eを備えない構成や、ブラシ部4eに換えて複数の垂下された帯状体からなるカーテン部を備える構成を採用することも可能である。
【0059】
また、上記実施形態においては、射出ヘッド4bを回動させるための動力を発生する動力発生源としてモータ4fを用いる構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、シリンダ等のアクチュエータを動力発生源として用いることも可能である。