特許第6979920号(P6979920)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6979920
(24)【登録日】2021年11月18日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】コンパクト容器
(51)【国際特許分類】
   A45D 34/04 20060101AFI20211202BHJP
【FI】
   A45D34/04 555
   A45D34/04 560
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-69981(P2018-69981)
(22)【出願日】2018年3月30日
(65)【公開番号】特開2019-177103(P2019-177103A)
(43)【公開日】2019年10月17日
【審査請求日】2020年10月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】古原 裕嗣
【審査官】 田村 惠里加
(56)【参考文献】
【文献】 特表2016−506284(JP,A)
【文献】 実開昭63−169015(JP,U)
【文献】 実開平01−091423(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0305642(US,A1)
【文献】 実開平03−040990(JP,U)
【文献】 韓国公開実用新案第20−2017−0003816(KR,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 34/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が収容される内容器と、
前記内容器の内部を封止し、前記内容器内に連通する連通孔が形成された内蓋と、
前記内蓋の上方に設けられ、前記内蓋との間に前記連通孔に連通する連絡空間を画成するとともに、前記連絡空間に連通して前記内容物を吐出させる吐出孔が形成された中蓋と、
前記連通孔と前記連絡空間との連通、およびその遮断を切り替える第1弁体と、
前記吐出孔と前記連絡空間との連通、およびその遮断を切り替える第2弁体と、
前記内容器、前記内蓋、前記中蓋、前記第1弁体、および前記第2弁体を収容する有底筒状の底部材を有する外殻体と、を備え、
前記中蓋は、前記連絡空間を画成するとともに弾性変形可能に形成され、かつ弾性変形することで前記連絡空間の内圧を増減させる操作部を備え、
前記操作部が下方移動して前記連絡空間の内圧が上昇したときに、前記第1弁体は前記連通孔と前記連絡空間との連通を遮断し、かつ、前記第2弁体は前記吐出孔と前記連絡空間とを連通させ、
前記操作部が上方移動して前記連絡空間の内圧が下降したときに、前記第2弁体は前記吐出孔と前記連絡空間との連通を遮断し、かつ、前記第1弁体は前記連通孔と前記連絡空間とを連通させ、
前記連絡空間内には、前記連通孔と前記吐出孔との間に位置する誘導部材と、前記誘導部材よりも下方の空間と前記誘導部材よりも上方の空間とを連通させる連通路と、が配設され、
前記外殻体の中心軸線に沿う方向から見た平面視において、前記中心軸線に交差する方向を径方向とするとき、
前記誘導部材は、前記連通孔を通過した内容物の流れを、前記連通路に向けて径方向に誘導する平面視で略円形状の板状部を有する、コンパクト容器。
【請求項2】
前記誘導部材は、前記連通孔に上下方向で対向する対向部と、前記対向部から径方向外側に向けて延びる前記板状部と、を有し、
前記板状部の下面には、径方向に延びる溝またはリブが形成され、
前記連通路は、前記板状部の径方向外側に位置している、請求項1に記載のコンパクト容器。
【請求項3】
前記誘導部材は、下方に向けて弾性変形または弾性変位可能に形成され、下方移動した前記操作部に上方に向けた付勢力を与える、請求項1または2に記載のコンパクト容器。
【請求項4】
前記誘導部材は、前記操作部に上下方向で対向する前記板状部を有し、
前記板状部の上面には、径方向に延びる溝またはリブが形成されている、請求項1から3のいずれか1項に記載のコンパクト容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンパクト容器に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧料を収納した中皿容器を備える化粧料収納容器が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の化粧料収納容器では、中皿容器の上面はネットで覆われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−93145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の化粧料収納容器においては、中皿容器を覆うネットをパフなどで押圧することで、化粧料をネットの網目を通して滲み出させて外部に吐出させる。しかし、この場合、ネットを押下する際の力加減などによって吐出量が変化しやすく、化粧料を所望の量だけ吐出させることは容易ではなかった。
【0005】
本発明はこのような事情を考慮してなされ、より精度よく所望の量の内容物を吐出させることができるコンパクト容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るコンパクト容器は、内容物が収容される内容器と、前記内容器の内部を封止し、前記内容器内に連通する連通孔が形成された内蓋と、前記内蓋の上方に設けられ、前記内蓋との間に前記連通孔に連通する連絡空間を画成するとともに、前記連絡空間に連通して前記内容物を吐出させる吐出孔が形成された中蓋と、前記連通孔と前記連絡空間との連通、およびその遮断を切り替える第1弁体と、前記吐出孔と前記連絡空間との連通、およびその遮断を切り替える第2弁体と、前記内容器、前記内蓋、前記中蓋、前記第1弁体、および前記第2弁体を収容する有底筒状の底部材を有する外殻体と、を備え、前記中蓋は、前記連絡空間を画成するとともに弾性変形可能に形成され、かつ弾性変形することで前記連絡空間の内圧を増減させる操作部を備え、前記操作部が下方移動して前記連絡空間の内圧が上昇したときに、前記第1弁体は前記連通孔と前記連絡空間との連通を遮断し、かつ、前記第2弁体は前記吐出孔と前記連絡空間とを連通させ、前記操作部が上方移動して前記連絡空間の内圧が下降したときに、前記第2弁体は前記吐出孔と前記連絡空間との連通を遮断し、かつ、前記第1弁体は前記連通孔と前記連絡空間とを連通させ、前記連絡空間内には、前記連通孔と前記吐出孔との間に位置する誘導部材と、前記誘導部材よりも下方の空間と前記誘導部材よりも上方の空間とを連通させる連通路と、が配設され、前記外殻体の中心軸線に沿う方向から見た平面視において、前記中心軸線に交差する方向を径方向とするとき、前記誘導部材は、前記連通孔を通過した内容物の流れを、前記連通路に向けて径方向に誘導する平面視で略円形状の板状部を有する
【0007】
上記態様によれば、操作部が下方移動して連絡空間の内圧を上昇させたときに、第1弁体は連通孔と連絡空間との連通を遮断し、かつ、第2弁体は吐出孔と連絡空間とを連通させる。また、操作部が上方移動して連絡空間の内圧を下降させたときに、第2弁体は吐出孔と連絡空間との連通を遮断し、かつ、第1弁体は連通孔と連絡空間とを連通させる。このため、使用者は、操作部を押し下げたりその押し下げを解除したりして操作部を弾性変形させることによって連絡空間の内圧の増減を行うことで、連絡空間内を負圧にして内容器内の内容物を連絡空間内に流入させ、連絡空間内に内容物を充填することができる。この状態で、操作部を押し下げて連絡空間の内圧を上昇させると、連絡空間の内圧の上昇に対応した量だけ、内容物を吐出孔から吐出させることができる。
そして連絡空間内には、誘導部材と、誘導部材の上下の空間同士を連通させる連通路と、が配設されており、連通孔から連絡空間内に流入した内容物は、誘導部材によって径方向に誘導され、連通路へと向かう。このように、連通孔から吐出孔へと内容物を直接向かわせるのではなく、誘導部材によって径方向に迂回させたうえで吐出孔へと向かわせることで、内容物を連絡空間内のほぼ全域にわたって広く行き渡らせることが可能となり、連絡空間内に空気だまりが生じることを抑制できる。したがって、例えば連絡空間内の空気だまりが温度変化によって伸縮したり、不意に空気が内容物とともに吐出されたりすることによって、内容物の吐出量が不安定となることが抑えられ、より精度よく所望の量の内容物を吐出させることが可能となる。
【0008】
ここで、前記誘導部材は、前記連通孔に上下方向で対向する対向部と、前記対向部から径方向外側に向けて延びる前記板状部と、を有し、前記板状部の下面には、径方向に延びる溝またはリブが形成され、前記連通路は、前記板状部の径方向外側に位置していてもよい。
【0009】
この場合、連通孔を通過した内容物の流れは、誘導部材の対向部に当たって径方向に分散する。さらに、この内容物の流れは板状部の下面に形成された溝またはリブによって、板状部の径方向外側に位置する連通路へとスムーズに誘導される。このように、内容物を連絡空間内で径方向外側に向かわせたうえで吐出孔へと導入することで、連絡空間内における径方向外端部に空気だまりが生じることをより確実に抑制することができる。
【0010】
また、前記誘導部材は、下方に向けて弾性変形または弾性変位可能に形成され、下方移動した前記操作部に上方に向けた付勢力を与えてもよい。
【0011】
この場合、操作部の押し下げを解除したときに、弾性変形させられた操作部が復元変形することを、誘導部材がアシストする。このように、誘導部材の上方付勢力によって操作部を押し下げ前の位置に安定して戻すことで、内容器から連絡空間へと内容物が安定して吸い込まれ、次に操作部を押し下げたときの内容物の吐出量を安定させることができる。
【0012】
また、前記誘導部材は、前記操作部に上下方向で対向する前記板状部を有し、前記板状部の上面には、径方向に延びる溝またはリブが形成されていてもよい。
【0013】
この場合、連通路から吐出孔へと向かう内容物の流路を、板状部の上面に形成された溝またはリブによって確保することができる。特に、下方移動した操作部を誘導部材が上方付勢する場合に、板状部と操作部とが密着したとしても、内容物の流路を確保することができる。したがって、より安定して内容物を吐出させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の上記態様によれば、より精度よく所望の量の内容物を吐出させることができるコンパクト容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態に係るコンパクト容器の平面図である。
図2図1のII−II断面矢視図である。
図3】(a)は、(b)のA−A断面矢視図である。(b)は、図2の誘導部材の下面図である。(c)は、(a)のC−C断面矢視図である。
図4】第2実施形態に係るコンパクト容器の断面図である。
図5図4の誘導部材の平面図である。
図6図4の誘導部材の下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態)
以下、本実施形態のコンパクト容器について図面に基づいて説明する。
図1および図2に示すように、本実施形態のコンパクト容器10Aは、平面視円形状の扁平容器である。コンパクト容器10Aは、外殻体11と、内容器12と、内蓋13と、中蓋14と、第1弁体15と、第2弁体14bと、を備える。
【0017】
外殻体11は、内容器12、内蓋13、中蓋14、第1弁体15、および第2弁体14bを内部に収容する。つまりコンパクト容器10Aのうち、外殻体11以外の部材は、外殻体11の内部に収容される。外殻体11は、底部材21と、蓋部材22と、を備える。底部材21は、有底円筒状である。蓋部材22は、有頂円筒状である。蓋部材22は、底部材21に対して回転軸R回りに回動可能に取り付けられている。
【0018】
(方向定義)
以下では、外殻体11の中心軸線(コンパクト容器10Aの中心軸線)を容器軸Oと呼び、容器軸Oに沿う方向(容器軸Oが延在する方向)を上下方向Zと呼ぶ。上下方向Zに沿って底部材21から蓋部材22へ向かう方向を上方と呼び、蓋部材22から底部材21へ向かう方向を下方と呼ぶ。
上下方向Zから見た平面視で、容器軸Oに交差する方向を径方向と呼ぶ。径方向に沿って容器軸Oに接近する方向を径方向内側と呼び、容器軸Oから離間する方向を径方向外側と呼ぶ。上下方向Zから見た平面視で、径方向のうち、回転軸Rに平行な方向を左右方向Yと呼び、回転軸Rに直交する方向を前後方向Xと呼ぶ。前後方向Xに沿って、容器軸Oから回転軸Rへ向かう方向を後方と呼び、回転軸Rから容器軸Oへ向かう方向を前方と呼ぶ。
上下方向Zから見た平面視で、容器軸O回りに周回する方向を周方向と呼ぶ。
【0019】
図2に示すように、底部材21は、容器軸Oと同軸に配置された円板状の底板部23と、底板部23の外周縁から上方に延びる円筒状の筒状壁部24と、を備える。
底部材21は、底板部23から上方に延びる係合板部(図示省略)を備える。係合板部は、周方向に沿って等間隔に複数配置されている。係合板部の表裏面は、径方向を向いている。係合板部の上端部には、径方向内側に突出する係合爪が設けられる。
筒状壁部24の前方端部には、係合空間25が設けられている。係合空間25は、前方および上方に向けて開口している。係合空間25は、前後方向Xを向く後壁部26と、上下方向Zを向く底壁部27と、により画成されている。
【0020】
後壁部26のうち左右方向Yの中央に位置する部分には、前方に向けて突出したガイド壁部28が形成されている。ガイド壁部28の上面は、前方に向かうにしたがい下方に向けて傾斜する傾斜面とされている。後壁部26のうちガイド壁部28よりも上方に位置する部分には、前方に向けて突出した第1係合部29が形成されている。後壁部26のうちガイド壁部28よりも下方に位置する部分に、後壁部26を前後方向Xに貫通する逃げ孔77が形成されている。
【0021】
蓋部材22は、底部材21における筒状壁部24の後方端部に取り付けられている。蓋部材22は、底部材21の上端開口を開閉可能に閉塞する。
蓋部材22は、容器軸Oと同軸に配置された円板状の天板部33と、天板部33の外周縁から下方に延びる円筒状の筒部34と、を備える。蓋部材22の天板部33の下面には、鏡Mが固定される。蓋部材22と内蓋13との間には、パフP(塗布具)が配置されている。パフPは、中蓋14の後述する操作部73上に載置されている。
【0022】
蓋部材22の前方端部に、下方に向けて係合片35が突設されている。係合片35は、筒部34における内周面から下方に向けて突出するとともに左右方向Yに延びた板状に形成され、係合空間25内に上方から入り込んでいる。
係合片35の下端部には、後方に向けて突出するとともに、底部材21に形成された第1係合部29に対して離脱可能にアンダーカット嵌合される第2係合部36が形成されている。第1係合部29に対して第2係合部36が下方から係合することによって、蓋部材22は閉状態でロックされる。
【0023】
係合空間25内には、第1係合部29と第2係合部36との係合を解除するプッシュピース37が設けられている。
プッシュピース37は、係合片35よりも前方に配置された操作壁部38と、操作壁部38から後方に向けて突設され、ガイド壁部28の傾斜面上に位置する解除突起39と、操作壁部38の下端部から後方に向けて突設され、底壁部27に載置されるベース部40と、を備える。プッシュピース37は、後方に向けて押し込まれたときに、底部材21および蓋部材22に対して後方へ移動可能である。
【0024】
解除突起39は、プッシュピース37の後方への移動にともなってガイド壁部28の傾斜面に沿って後方に移動し、第2係合部36を下方から押し上げて、第1係合部29から離脱させる。これにより、第1係合部29と第2係合部36との係合を解除することができ、蓋部材22を開操作可能な状態とすることができる。
なお、プッシュピース37は、後方に移動したときに、解除突起39の復元変形によって、前方に向けて復元移動する。
【0025】
ベース部40は、プッシュピース37の後方への移動にともなって、後壁部26に形成された逃げ孔77内に前方から入り込む。ベース部40には、下方に向けて突出し、底壁部27に形成された係止凹部41に係止する係止凸部42が形成されている。これにより、プッシュピース37は、前方への抜け止めがされた状態で、外殻体11に組み合わされている。
【0026】
なお、上述したプッシュピース37は必須な構成ではなく、具備しなくても構わない。
例えば指先などによって、係合片35の下端部を前方に向けて僅かに撓ませるように変形させることで、第1係合部29と第2係合部36との係合を解除し、蓋部材22の閉状態のロックを解除しても構わない。
【0027】
内容器12は、底部材21の筒状壁部24の径方向内側に配置されている。内容器12は、容器軸Oと同軸に配置され、上方に開口する扁平円筒状の容器である。内容器12の上端部には、内容器12の上端部を径方向外側から囲む環状の取付けリング43が固定されている。取付けリング43は、上方に突出する係合筒部44を有する。
【0028】
内容器12は、可撓性を有し減容可能(減容変形可能)である。内容器12は、例えば、積層のフィルムや薄肉の樹脂成形品などで構成されている。内容器12は、可撓性に富む内側容器が、内側容器よりも硬質な外側容器の内面に積層されてなる、いわゆるデラミ容器などであってもよい。内容器12内(後述の収容空間45)が減容可能なその他の構成などを採用してもよい。内容器12は、光透過性を有する材料(透明材料や半透明材料)で形成されていてもよい。内容器12は、バリア性等のためアルミフィルムを含む積層のフィルムで構成されてもよい。
【0029】
内容器12の内部である収容空間45には、流動性を有する内容物が収容されている。内容物は、液状であっても、ゲル状であっても、ゼリー状であってもよい。内容物は、例えば、リキッドファンデーションなどの化粧品である。
【0030】
(内蓋)
内蓋13は、内容器12の上方に配設されている。内蓋13は、内容器12の上端開口を塞ぎ、内容器12の内部を封止している。内蓋13は、内容器12に直接装着された下部材46と、下部材46を介して内容器12に装着された上部材47と、を備える。
【0031】
下部材46は、内蓋円環部48と、内側筒部49と、外側筒部50と、を備える。
内蓋円環部48は、容器軸Oと同軸に配置されている。内蓋円環部48は、内容器12の上端開口を覆っている。内蓋円環部48の内周縁には、装着部51が配設されている。
装着部51は、環状に形成され、容器軸Oと同軸に配置されている。具体的に、装着部51は、内蓋円環部48の内周縁から径方向内側に向かうに従い上方に延び、その径方向内側の端部が下方に屈曲している。装着部51は、内蓋円環部48よりも薄肉に形成されている。
【0032】
内側筒部49は、円筒状に形成され、内蓋円環部48の外周縁から上方に向けて延びている。外側筒部50は、円筒状に形成され、容器軸Oと同軸に配置されている。外側筒部50は、内側筒部49を径方向外側から囲っている。外側筒部50の上端部は、内側筒部49の上端部に連結されている。
【0033】
外側筒部50の内周面と内側筒部49の外周面との間に、取付けリング43の係合筒部44が嵌合されている。これにより、取付けリング43を介して内容器12と内蓋13とが固定されている。外側筒部50の下端開口縁は、取付けリング43の上面と接触している。
なお本実施形態では、取付けリング43が、係合筒部44よりも径方向内側に張り出しておらず、内側筒部49の下端開口縁が、取付けリング43の上面と接触していないが、取付けリング43が、係合筒部44よりも径方向内側に張り出していて、内側筒部49の下端開口縁が、取付けリング43の上面と接触していてもよい。また、外側筒部50の下端開口縁が、取付けリング43の上面と接触していなくてもよい。
【0034】
上部材47は、取付け筒部52と、第1弁座部53と、外周筒部54と、連結環部55と、を備える。
取付け筒部52は、円筒状に形成され容器軸Oと同軸に配置されている。取付け筒部52は、装着部51内に嵌合している。
第1弁座部53は、容器軸Oと同軸に配置され、取付け筒部52よりも小径とされた筒部と、筒部の上端部から径方向内側へ広がる弁座板と、を備える。第1弁座部53の筒部の下端部は、取付け筒部52の下端部に連結される。第1弁座部53の弁座板は、取付け筒部52の上端よりも下方に位置している。第1弁座部53の弁座板の中央部には、この弁座板を上下方向Zに貫通する連通孔56が形成されている。このため弁座板は、リング板状である。連通孔56は、円形状に形成され容器軸Oと同軸に配置されている。連通孔56は、内容器12内に連通する。つまり、内蓋13には、内容器12内に連通する連通孔56が形成される。
【0035】
外周筒部54は、円筒状に形成され容器軸Oと同軸に配置されている。外周筒部54は、取付け筒部52よりも大径であり、内側筒部49よりも小径である。外周筒部54は、内側筒部49内に配置されている。外周筒部54の上端には、連結環部55よりも上方に突出する環状突起54bが形成されている。環状突起54bは、容器軸Oと同軸に配置されている。
連結環部55は、容器軸Oと同軸に配置されている。連結環部55の内周縁部は、取付け筒部52の上端部に連結されている。連結環部55の外周縁部は、外周筒部54の上端部(環状突起54bの下端部)に連結されている。
【0036】
(中蓋)
中蓋14は、有頂筒状に形成されており、頂壁部に位置する頂壁部材70と、周壁部に位置する装着リング57と、を備えている。中蓋14は、内蓋13の上方に設けられて、内蓋13との間に、連通孔56に連通する連絡空間Sを画成する。本実施形態の中蓋14は、装着リング57をインサート品として、頂壁部材70を射出成形することで一体に形成されている。装着リング57は内蓋13に係止されるため、装着リング57をインサート品とする場合、装着リング57は頂壁部材70よりも硬質の材料により形成することが好ましい。なお、頂壁部材70および装着リング57をそれぞれ別体に形成した後、これらを組み合わせることで中蓋14を形成してもよい。
また、装着リング57と頂壁部材70とを、同じ材質により一体に形成してもよい。この場合、装着リング57の内蓋13への係止の強度を確保しつつ、頂壁部材70の後述する操作部73を弾性変形可能とするため、装着リング57および頂壁部材70を比較的軟質なポリプロピレン(PP)により形成することが好ましい。
【0037】
装着リング57は、内蓋13に装着されている。装着リング57は、上端部同士が連結された内筒59および外筒60を有する二重円筒状に形成されている。外筒60の外周面の下部には、周方向に延びる周溝(図示省略)が周方向に互いに間隔をあけて複数形成されている。周溝には、底部材21の上述した係合板部の係合爪が係合する。これにより、装着リング57が底部材21から外れることが抑制される。外筒60の内周面の下部には、径方向内側に向けて突出し、取付けリング43にアンダーカット嵌合する嵌合部が形成されている。
【0038】
装着リング57の外周面には、径方向外側に向けて延びる環状の載置部63が設けられている。載置部63は、装着リング57の外周面に、全周にわたって設けられている。載置部63の下面は、底部材21の筒状壁部24の上面に対して、その上方から接触する。載置部63は、中蓋14のうち、底部材21に載置される部分である。
以上の構成により、内容器12または後述のリフィル容器17は、装着リング57を介して底部材21に装着されている。
【0039】
本実施形態において内容器12と内蓋13と中蓋14とは、リフィル容器17を構成している。リフィル容器17は、外殻体11に対して着脱自在に設けられている。これにより、使用者は、内容器12内の内容物を使い切った後に、リフィル容器17を、内容物が充填された新しいリフィル容器17と交換することができる。
外殻体11からリフィル容器17を取り外す際、使用者は、底部材21の係合板部の係合爪と、装着リング57の周溝との係合状態を解除する。
【0040】
装着リング57の上面には、上方に突出する環状の隆起部62が形成されている。隆起部62の内周面は、上方に向かうにしたがい径方向外側へ向けて延びる曲面状に形成されている。隆起部62により、後述する吐出孔14aから吐出された内容物をパフPで掬う操作が容易となる。また、隆起部62は、吐出された内容物を堰き止めて、例えばこの内容物が装着リング57の外側に垂れることを抑止したり、中蓋14上に載置されたパフPの位置を安定させたりする役割なども有する。
【0041】
頂壁部材70は、平面視で円形状の頂部72と、頂部72から下方に向けて延びる係止筒部71と、を有している。頂部72のうち、内蓋13の外周筒部54よりも径方向内側に位置する部分は、内蓋13の上部材47とともに連絡空間Sを画成している。連絡空間Sは、平面視で容器軸Oと同軸の円形状に形成されている。
【0042】
係止筒部71は、装着リング57の内筒59内に係止されている。なお、頂壁部材70と装着リング57とを別体に形成した後、係止筒部71を内筒59内に嵌合することで、係止筒部71を内筒59内に係止してもよい。
頂部72の径方向中央部には、この頂部72を上下方向に貫通する吐出孔14aが形成されている。吐出孔14aは、連絡空間Sに向けて開口しており、連絡空間S内に連通している。
【0043】
頂部72のうち、内蓋13の連結環部55と上下方向で対向する部分には、弾性変形可能な操作部73が設けられている。操作部73は、上面視で環状に形成されている。操作部73は、内蓋13との間に連絡空間Sを画成している。縦断面視において、操作部73の下面73aは、上方に向けて凸となる形状に形成されている。本実施形態では、下面73aが、上方に向けて凸となる曲面状に形成されている。なお、下面73aの形状として、例えば縦断面視で上方に向けて凸の台形状などを採用してもよい。
【0044】
操作部73は、上下方向に弾性変形可能に形成されている。操作部73は、弾性変形することで連絡空間Sの内圧を増減させる。操作部73の材質は、例えばエラストマー、ニトリルゴム、ブチルゴム、シリコンゴム、軟質ポリエチレンおよびウレタン等(以下、単に「エラストマー等」という)の軟材質である。内容物に対する耐薬品性などを考慮し、例えば弾性変形可能で比較的柔らかいPPや、薄肉に成形したポリエチレンテレフタレート(PET)などを操作部73の材質として用いてもよい。操作部73は、装着リング57よりも軟質であり、装着リング57は、操作部73より硬質である。
【0045】
操作部73の下面には、上方に向けて窪む内側溝部73bおよび外側溝部73cが形成されている。内側溝部73bは操作部73の内周縁部に位置し、外側溝部73cは操作部73の外周縁部に位置する。このため、操作部73は、内側溝部73bおよび外側溝部73cを固定端として変形しやすくなっている。内側溝部73bおよび外側溝部73cは、平面視で容器軸Oを中心とした環状に形成されている。
【0046】
操作部73のうち、内側溝部73bと吐出孔14aとの間の部分には、下方に向けて突出する突部74が形成されている。突部74は、周方向に間隔を空けて複数形成されている。各突部74は、後述する誘導部材80の板状部81に対して、その上方から当接もしくは近接している。頂壁部材70のうち、外側溝部73cに径方向外側で隣接する部分は環状突起54bに当接若しくは近接している。
操作部73が押下されると、操作部73は環状突起54bによって支持され、かつ突部74が板状部81に当接する。そしてこの状態で、操作部73は、内側溝部73bおよび外側溝部73cを固定端とするように上下方向に弾性変形する。
【0047】
(第1弁体)
第1弁体15は、連通孔56と連絡空間Sとの連通、およびその遮断を切り替える。第1弁体15は、弁筒84と、弁本体85と、を備える。
本実施形態では、弁筒84が、内蓋13の取付け筒部52内に嵌合されている。弁筒84内に、第1弁座部53の筒部が嵌合されている。弁筒84の下端開口縁は、第1弁座部53の筒部の下端部と、取付け筒部52の下端部と、を接続するリング状の連結部分の上面に当接する。
【0048】
弁本体85は、弁筒84の上端部に連結される。弁本体85は、弁筒84内に配置される。弁本体85は、円板状の弁板と、弁板と弁筒84とを連結する複数の弾性脚と、を備える。弁本体85は、弁筒84に対して上下方向Zに移動可能である。第1弁座部53の弁座板が、弁本体85の弁板に対して、弁本体85の下方から当接する。
【0049】
第1弁体15は、連通孔56の上方を覆っている。第1弁体15は、逆止弁である。第1弁体15は、内容器12の収容空間45から連絡空間Sへの流体(内容物。以下同様)の流れを許容し、連絡空間Sから収容空間45への流体の流れを遮断する。本実施形態では、第1弁体15として、三点弁を用いている。なお、内容器12に収容する内容物の性状などに応じて、例えば、三点弁の形状を適宜変更することや、三点弁とは異なる構成の逆止弁を第1弁体15として採用することができる。
【0050】
(第2弁体)
中蓋14における頂部72のうち、吐出孔14aの周縁部は、第2弁体14bとして機能する。第2弁体14bは、下方に向けて凸となる曲面状に形成され、上下方向に弾性変形可能となっている。第2弁体14bは、吐出孔14aと連絡空間Sとの連通、およびその遮断を切り替える。第2弁体14bの下端開口部は、後述する対向部82に、その上方から当接している。これにより、第2弁体14bは吐出孔14aを開放可能に閉塞している。
【0051】
(誘導部材)
そして本実施形態の連絡空間S内には、誘導部材80と、誘導部材80よりも下方の空間と誘導部材80よりも上方の空間とを連通させる連通路Rと、が配設されている。誘導部材80は、連通孔56と吐出孔14aとの間に位置している。連通路Rは、誘導部材80の径方向外側に位置している。
【0052】
図2に示すように、誘導部材80は、容器軸Oに直交する平面内に延びる板状部81と、第1弁体15を挟んで連通孔56と上下方向で対向する対向部82と、板状部81から下方に向けて突出した脚部83と、を有している。
板状部81は、対向部82から径方向外側に向けて延びており、操作部73と上下方向で対向している。板状部81は、平面視で略円形状に形成されるとともに、環状突起54b内に嵌合している。また、図3(a)、(b)に示すように、板状部81の外周部には、切欠部81aが形成されている。このため、切欠部81aと環状突起54bとの間には隙間が設けられており、この隙間が連通路Rとして機能する。連通路Rは、板状部81の径方向外側に位置している。
【0053】
本実施形態では、切欠部81aは周方向に等間隔を空けて複数(4つ)形成されており、各切欠部81aが連通路Rを形成している。すなわち、本実施形態では複数(4つ)の連通路Rが周方向に等間隔を空けて形成されている。なお、例えば板状部81を上下方向Zに貫通する貫通孔またはスリットなどを形成し、この貫通孔などを連通路Rとして用いてもよい。
【0054】
図3(a)〜(c)に示すように、板状部81の下面には、上方に向けて窪み、径方向に延びる溝81bが形成されている。本実施形態では、複数(4つ)の溝81bが、板状部81の中央部(対向部82)から放射状(十字状)に延びている。各溝81bの径方向内端部は、対向部82の下方に向けて開口しており、各溝81bの径方向外端部は、切欠部81a(連通路R)に向けて開口している。これにより、各溝81bは、対向部82の下方の空間と連通路Rとを連通させている(図2参照)。
なお、本実施形態における板状部81の下面は、内蓋13の連結環部55の上面に当接もしくは近接している。板状部81と連結環部55とが密着したとしても、溝81bによって、連通孔56から連通路Rに向けた内容物の流路が確保される。
【0055】
対向部82は、誘導部材80の径方向中央部に位置しており、板状部81から上方に向けて突出している。対向部82の上面および下面は、上方に向けて突の曲面状に形成されており、容器軸Oと同軸上に配置されている。対向部82は、吐出孔14aおよび第2弁体14bと上下方向Zで対向している。対向部82の上面には、第2弁体14bが当接している。
【0056】
図3(b)に示すように、脚部83は、周方向に等間隔を空けて複数(4つ)形成されている。各脚部83は、対向部82の径方向外側に位置するとともに、溝81bの径方向内端部よりも径方向内側に位置している。図2に示すように、各脚部83は、第1弁体15の弁筒84に対して、その上方から当接もしくは近接している。周方向で隣り合う脚部83同士の間の隙間は、連通孔56から溝81bを通して連通路Rへと向かう内容物の流路となる。
【0057】
次に、本実施形態におけるコンパクト容器10Aの作用について説明する。
【0058】
コンパクト容器10Aが未使用状態の場合、内容物は、収容空間45内にのみ収容されており、連絡空間Sには、例えば空気が充填されている。
使用者は、プッシュピース37を操作して、外殻体11の蓋部材22を開く。次に、操作部73を上方から押圧して、下方に窪ませるように弾性変形させる。このとき、操作部73は、内側溝部73bおよび外側溝部73cを固定端とするように下方に弾性変形する。操作部73が下方に弾性変形すると連絡空間Sの容積が小さくなるため、連絡空間Sの内圧が上昇する。すると、連絡空間Sの内圧によって第2弁体14bが上方に弾性変形して吐出孔14aが開放され、連絡空間S内の空気の一部が吐出孔14aから外部へと排出される。このように、第2弁体14bは、吐出孔14aを開放可能に閉塞している。
【0059】
また、吐出孔14aから空気若しくは内容物が吐出されて、連絡空間Sの内圧が下がると、第2弁体14bは復元変形して対向部82に当接し、再び吐出孔14aが閉塞される。従って、第2弁体14bは、吐出孔14aから吐出された内容物または外気が連絡空間S内に逆流することを抑える逆止弁としても機能する。すなわち、第2弁体14bは、連絡空間Sから外部への吐出孔14aを通じた内容物または空気の流れを許容し、外部から連絡空間Sへの内容物および空気の流れを遮断する。
【0060】
操作部73に加えられた押圧力が解除されると、弾性変形していた操作部73が元の状態に復元変形する。これにより、連絡空間Sの容積が増加して、連絡空間S内が負圧となる。このとき、吐出孔14aは第2弁体14bによって閉塞されているため、外部から連絡空間Sへ空気が入ることが抑制される。その一方で、連絡空間Sが負圧となると、この負圧によって第1弁体15の弁本体85に上方に向けた力が作用する。この結果、弁本体85が上方に弾性変位して連通孔56と連絡空間Sとが連通し、収容空間45内の内容物が、連通孔56を通じて連絡空間S内に吸い上げられる。このように、操作部73が上方移動して連絡空間Sの内圧が下降したときに、第2弁体14bは吐出孔14aと連絡空間Sとの連通を遮断し、かつ、第1弁体15は連通孔56と連絡空間Sとを連通させる。
【0061】
上述した操作部73の弾性変形および復元変形が繰り返し行われると、連絡空間Sの空気が外部に排出されるとともに、連絡空間S内に内容物が充填される。なお、内容器12は可撓性を有しているため、内容物が連通孔56を通して連絡空間S等に流出することにともない減容変形する。これにより、内容物が連絡空間S等に流入して収容空間45内の内容物の総量が減った場合であっても、収容空間45から連絡空間Sへと安定して内容物を送ることが可能である。
【0062】
連絡空間Sに内容物が充填された状態で、操作部73を下方に弾性変形させると、連絡空間S内の内容物が第2弁体14bに上方に向けた圧力を作用させる。内容物による連絡空間S内の圧力が所定の大きさになると、第2弁体14bが上方に向けて弾性変形し、吐出孔14aが開放され、吐出孔14aから内容物が吐出される。
【0063】
以上の作用により、使用者は、操作部73の押下およびその解除を繰り返すことで、内容物を吐出させることができる。なお、内容物は隆起部62の内側に吐出されるため、隆起部62によって中蓋14の上面から垂れることが抑制される。使用者は、パフP等によって中蓋14の上面を拭い、内容物をパフP等に付着させて、これを使用することができる。
【0064】
ところで、連絡空間S内に内容物を充填させる際に、連絡空間S内に空気だまりが生じることが考えられる。特に本実施形態のように、連通孔56および吐出孔14aが容器軸Oの近傍に配置されている場合には、連絡空間Sの径方向外端部に空気だまりが生じやすい。そして、連絡空間S内に空気だまりがある状態で、例えば温度変化などによってこの空気だまりが膨張すると、操作部73を押下しなくても内容物が不意に吐出孔14aから吐出されてしまう場合がある。あるいは、空気だまりが伸縮することで、操作部73を押下した際の内容物の吐出量にばらつきが生じる場合がある。あるいは、操作部73を押下した際に、内容物とともに空気が吐出されることで、内容物の吐出量が変動してしまうことも考えられる。
【0065】
そこで本実施形態では、連絡空間S内に、連通孔56と吐出孔14aとの間に位置する誘導部材80が設けられるとともに、誘導部材80の上下の空間同士を連通させる連通路Rが形成されている。そして、連通孔56から連絡空間S内に流入した内容物は、誘導部材80によって径方向に誘導され、連通路Rへと向かう。このように、連通孔56から吐出孔14aへと内容物を直接向かわせるのではなく、誘導部材80によって径方向に迂回させたうえで吐出孔14aへと向かわせることで、内容物を連絡空間S内のほぼ全域にわたって広く行き渡らせることが可能となり、連絡空間S内に空気だまりが生じることを抑制できる。これにより、空気だまりによって内容物の吐出量がばらつくことが抑えられ、より精度よく所望の量の内容物を吐出させることが可能となる。
【0066】
また、対向部82は連通孔56に上下方向で対向しており、溝81bの径方向内端部は対向部82の下方に向けて開口し、溝81bの径方向外端部は連通路Rに向けて開口している。この構成により、連通孔56を通過した内容物の流れは対向部82に当たり、径方向に分散する。そしてこの内容物の流れは、溝81bによって、誘導部材80の径方向外側に位置する連通路Rへとスムーズに誘導される。このように、内容物を連絡空間S内で径方向外側に向かわせたうえで吐出孔14aへと導入することで、連絡空間S内における径方向外端部に空気だまりが生じることを、より確実に抑制することができる。
【0067】
また、連絡空間S内に誘導部材80が配置されていることで、連絡空間Sの内容積が減少する。これにより、未使用の状態から連絡空間S内に内容物を速やかに充填させることが可能となる。また、収容空間45内の内容物の残量が無くなるなど、操作部73を押下しても内容物が吐出されなくなった状態において、連絡空間S内に残留する内容物の量を小さくすることができる。すなわち、より多くの内容物を使い切ることが可能となる。
【0068】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態について説明するが、第1実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態のコンパクト容器10Bでは、誘導部材の形状が第1実施形態と異なる。
【0069】
図4に示すように、本実施形態の誘導部材90は、容器軸Oと直交する平面内に延びる板状部91と、第1弁体15を挟んで連通孔56と上下方向で対向する対向部92と、板状部91を径方向外側から囲繞する外筒部93と、対向部92から下方に向けて突出する脚部95と、を有している。
【0070】
対向部92は、誘導部材90の径方向中央部に位置しており、板状部91から上方に向けて突出している。対向部92の上面および下面は、上方に向けて突の曲面状に形成されており、容器軸Oと同軸上に配置されている。対向部92は、吐出孔14aおよび連通孔56と上下方向Zで対向している。対向部92の上面には、第2弁体14bが当接している。
【0071】
図5に示すように、板状部91と外筒部93との間には、周方向に延びる複数のスリット94aが形成されている。これらのスリット94aは、板状部91と外筒部93との間に複数(3つ)の連結部94を形成するように配置されている。板状部91と外筒部93とは、周方向に延びる複数の連結部94によって連結されている。板状部91は、複数の連結部94が弾性変形することで、外筒部93に対して弾性変位可能となっている。
【0072】
本実施形態では、スリット94aが、連絡空間Sのうち誘導部材90よりも下方の空間と誘導部材90よりも上方の空間とを連通させる連通路Rとして機能する。連通路R(スリット94a)は、板状部91の径方向外側かつ外筒部93の径方向内側に位置している。
【0073】
板状部91は、対向部92から径方向外側に向けて延びており、操作部73と上下方向で対向している。図5に示すように、板状部91は、平面視で略円形状に形成されている。板状部91の上面には、下方に向けて窪み、径方向に延びる溝91aが形成されている。本実施形態では、複数(4つ)の溝91aが、板状部91の中央部(対向部92)から放射状(十字状)に延びている。各溝91aの径方向内端部は、対向部92の上面に向けて開口しており、各溝91aの径方向外端部は、スリット94a(連通路R)に向けて開口している。これにより、各溝91aは、連通路Rと吐出孔14aとを連通させている。
【0074】
なお、図4に示すように、本実施形態の操作部73の下面は平坦面となっており、板状部91の上面が操作部73の下面に当接もしくは近接している。板状部91と操作部73とが密着したとしても、溝91aによって、連通路Rから吐出孔14aに向けた内容物の流路が確保される。
【0075】
図6に示すように、脚部95は、周方向に等間隔を空けて複数(4つ)形成されている。図4に示すように、各脚部95は、第1弁体15の弁筒84に対して、その上方から当接している。周方向で隣り合う脚部95同士の間の隙間は、連通孔56から連通路Rに向けた内容物の流路となる。
外筒部93は、環状突起54bの径方向内側に位置している。外筒部93の下端は連結環部55に当接もしくは近接している。外筒部93の上端部には、連結部94が接続されている。
【0076】
次に、本実施形態におけるコンパクト容器10Bの作用について、第1実施形態と異なる点を説明する。
【0077】
本実施形態では、操作部73が押圧されて下方移動すると、誘導部材90の板状部91も下方に向けて弾性変位する。このとき操作部73には、板状部91が復元変位しようとすることによる上方付勢力が作用する。つまり、誘導部材90は、下方移動した操作部73に上方に向けた付勢力を与える。そして、操作部73の押し下げを解除したときに、弾性変形させられた操作部73が復元変位することを、誘導部材90の上方付勢力がアシストする。このように、誘導部材90の上方付勢力によって操作部73を押し下げ前の位置に安定して戻すことで、内容器12から連絡空間Sへと内容物が安定して吸い込まれ、次に操作部73を押し下げたときの内容物の吐出量を安定させることができる。
【0078】
また、板状部91は操作部73に上下方向で対向しており、板状部91の上面には、径方向に延びる溝91aが形成されている。この構成により、連通路Rから吐出孔14aへと向かう内容物の流路を、溝91aによって確保することができる。特に、下方移動した操作部73を板状部91が上方付勢する場合に、板状部91と操作部73とが密着したとしても、内容物の流路を確保することができる。したがって、より安定して内容物を吐出させることができる。
【0079】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0080】
例えば、第1、第2実施形態では、第2弁体14bが操作部73と一体に形成されていたが、第2弁体14bは操作部73と別体であってもよい。
また、第1実施形態における溝81bに代えて、若しくは溝81bに加えて、板状部81の下面から下方に向けて突出し、かつ径方向に延びるリブを設けてもよい。あるいは、第2実施形態における溝91aに代えて、若しくは溝91aに加えて、板状部91の上面から上方に向けて突出し、かつ径方向に延びるリブを設けてもよい。これらの場合でも、リブによって内容物の流路を確保することができる。
【0081】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
例えば第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせて、板状部81または板状部91の上面および下面の双方に、径方向に延びる溝またはリブを形成してもよい。あるいは、第1実施形態の誘導部材80が、下方移動した操作部73を上方付勢するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0082】
10A、10B…コンパクト容器 12…内容器 13…内蓋 14…中蓋 14a…吐出孔 14b…第2弁体 15…第1弁体 56…連通孔 73…操作部 80、90…誘導部材 81、91…板状部 81b、91a…溝 82、92…対向部 R…連通路 S…連絡空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6