特許第6979922号(P6979922)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6979922
(24)【登録日】2021年11月18日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】電子天秤およびウエハの重量測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01G 21/22 20060101AFI20211202BHJP
【FI】
   G01G21/22
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2018-88005(P2018-88005)
(22)【出願日】2018年5月1日
(65)【公開番号】特開2019-194527(P2019-194527A)
(43)【公開日】2019年11月7日
【審査請求日】2020年7月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】藤原 誠徳
【審査官】 公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭55−097531(JP,U)
【文献】 実開昭58−148633(JP,U)
【文献】 実開昭57−072126(JP,U)
【文献】 特開平10−239144(JP,A)
【文献】 実開平05−062825(JP,U)
【文献】 特開昭62−042021(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0255795(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 1/00−23/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロードセルと、
ウエハを載置可能でありかつ前記ロードセルに接続されるひょう量皿と、を備え、
前記ひょう量皿は、
平板と、
前記平板の側面の一部が前記平板の内側に凹んだ少なくとも1つの凹部と、
前記平板の上面の外周部に沿って設けられた設置面であって、前記平板の前記上面よりも上方にある前記設置面を含み、前記設置面に前記ウエハを載置可能である凸部と、を含み、
前記少なくとも1つの凹部は、前記設置面に載置された前記ウエハの裏面が前記少なくとも1つの凹部から露出するように、前記平板の前記上面と下面とを貫通している、電子天秤。
【請求項2】
前記ひょう量皿は、
前記凸部の前記設置面上に設けられる保護シートをさらに含む請求項1に記載の電子天秤。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の電子天秤によるウエハの重量測定方法であって、
前記ひょう量皿の前記凹部を介して、前記ウエハの前記裏面を保持している真空ピンセットを前記ウエハから取り外して、前記ひょう量皿の前記凸部の前記設置面に前記ウエハを載置し、
前記ウエハの重量を前記ロードセルによって測定し、
前記ひょう量皿の前記凹部を介して、前記ウエハの前記裏面を前記真空ピンセットで保持して、前記凸部の前記置面から前記ウエハを取り去る、ウエハの重量測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子天秤に関する。
【背景技術】
【0002】
電子天秤は試料の精密な重量測定に適している(例えば特許文献1参照)。電子天秤は、半導体ウエハプロセスにおける重量法によるウエハの膜厚測定に用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】登録実用新案第3136080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ウエハ(試料)の重量を測定するために、電子天秤にウエハをセットする際に、真空ピンセットとひょう量皿とが干渉する。そのため、ウエハのセットおよび取り出し作業がやり難い。
【0005】
また、重量測定の際、ウエハはひょう量皿に載置される。そのため、ひょう量皿の設置面に接触したウエハの被設置面には傷が生じる。
【0006】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、試料の測定に適しておりかつ測定後の試料の品質の低下を抑制することができる電子天秤の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る電子天秤は、ロードセルと、ウエハを載置可能でありかつロードセルに接続されるひょう量皿と、を含む。ひょう量皿は、平板と、その平板の側面の一部が平板の内側に凹んだ少なくとも1つの凹部と、平板の上面の外周部に沿って設けられた設置面であって、平板の上面よりも上方にある設置面を含み、設置面にウエハを載置可能である凸部と、を含む。少なくとも1つの凹部は、設置面に載置されたウエハの裏面がその少なくとも1つの凹部から露出するように、平板の上面と下面とを貫通している。

【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、試料の測定に適しておりかつ測定後の試料の品質の低下を抑制する電子天秤の提供が可能である。
【0009】
本発明の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1における電子天秤の構成を示す図である。
図2】実施の形態1における電子天秤のひょう量皿の構成を示す斜視図である。
図3】実施の形態1における電子天秤のひょう量皿の構成を示す側面図である。
図4】実施の形態1の変形例における電子天秤の構成を示す斜視図である。
図5】実施の形態1の変形例における電子天秤の構成を示す側面図である。
図6】実施の形態2における電子天秤のひょう量皿の構成を示す斜視図である。
図7】実施の形態2における電子天秤のひょう量皿の構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1における電子天秤1の構成を示す図である。
【0012】
電子天秤1は、ロードセル2と、筐体3と、ひょう量皿4とを有する。
【0013】
ロードセル2は、ひょう量皿4に載置される試料の重量を測定する機能を有する。実施の形態1において、試料はウエハ5である。
【0014】
筐体3は、ロードセル2を囲んで設けられる。
【0015】
ひょう量皿4は、ロードセル2に接続され、筐体3の上方に設けられる。ひょう量皿4は、ウエハ5を載置可能な平板4Aを有する。
【0016】
図2は、実施の形態1における電子天秤1が有するひょう量皿4の構成を示す斜視図である。ひょう量皿4は、平板4Aの側面の一部が平板4Aの内側に凹んだ少なくとも1つの凹部4Bを有する。実施の形態1においては、ひょう量皿4は、2つの凹部4Bを有する。2つの凹部4Bは、平板4Aの面内において対面するよう設けられている。
【0017】
図3は、実施の形態1における電子天秤1が有するひょう量皿4の構成を示す側面図である。ひょう量皿4は、ウエハ5を載置可能な凸部4Cを有する。凸部4Cは設置面4Dを有する。設置面4Dは、平板4Aの上面の外周部に沿って設けられた面であって、平板4Aの上面よりも上方にある面である。ウエハ5は、その設置面4Dと接して載置される。
【0018】
電子天秤1のひょう量皿4が凹部4Bを有することにより、真空ピンセット6に保持されたウエハ5が電子天秤1にセットされる際、または、電子天秤1にセットされたウエハ5が真空ピンセット6によって取り出される際、真空ピンセット6とひょう量皿4とが干渉しない。そのため、実施の形態1における電子天秤1は、ウエハ5のセットおよび取り出しに関する作業効率を向上させる。
【0019】
また、電子天秤1のひょう量皿4が凸部4Cを有することにより、ウエハ5とひょう量皿4との接触面積が減少する。そのため、実施の形態1における電子天秤1は、ウエハ5に傷が生じる可能性を低減する。
【0020】
(実施の形態1の変形例)
図4は、実施の形態1の変形例における電子天秤1の構成を示す斜視図である。図5は、実施の形態1の変形例における電子天秤1の構成を示す側面図である。
【0021】
電子天秤1は、実施の形態1に示される構成に加え、ひょう量皿4の設置面4D上に、保護シート7が貼り付けられた構成を有する。
【0022】
このような構成により、電子天秤1は、ウエハ5と設置面4Dとの接触による傷の発生の可能性をさらに軽減できる。
【0023】
<実施の形態2>
実施の形態2における電子天秤は、ひょう量皿4以外の構成は、図1に示された実施の形態1の構成と同様である。
【0024】
図6は、実施の形態2における電子天秤のひょう量皿4の構成を示す斜視図である。図7は、実施の形態2における電子天秤のひょう量皿4の構成を示す側面図である。
【0025】
ひょう量皿4は、各々が平板4Aの上面に設けられる少なくとも4つの突起部8を有する。実施の形態2において、ひょう量皿4は、4つの突起部8を有する。各突起部8は、柱状の形状を有する。ひょう量皿4は、それら4つの突起部8にウエハ5を載置可能である。つまりウエハ5は、突起部8の上面に接して載置される。それにより、各突起部8は、ウエハ5を支持する。また、各突起部8は、構成材料として軟質の樹脂を含む。
【0026】
このような構成により、各突起部8に支持されたウエハ5とひょう量皿4の平板4Aとの間には空間が生じる。真空ピンセット6に保持されたウエハ5が電子天秤にセットされる際、または、電子天秤にセットされたウエハ5が真空ピンセット6によって取り出される際、その空間は真空ピンセット6とひょう量皿4とが干渉することを防ぐ。そのため、実施の形態2における電子天秤は、ウエハ5のセットおよび取り出しに関する作業効率を向上させる。
【0027】
また、各突起部8が軟質の樹脂製であることにより、ウエハ5に傷が生じる可能性が低減される。
【0028】
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
【0029】
本発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての態様において、例示であって、本発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、本発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0030】
1 電子天秤、2 ロードセル、4 ひょう量皿、4A 平板、4B 凹部、4C 凸部、4D 設置面、5 ウエハ、7 保護シート、8 突起部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7